(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような硬貨処理装置は、振分対象とする硬貨の外径のみにより硬貨の種類を識別している。しかしながら、外国の硬貨の中には、異なる種類であっても外径が殆ど同じ硬貨もある。また、花形などの異形硬貨では、向きによって外径が異なる。例えば、2香港ドル硬貨は、花形の硬貨であり、その外径は、最小27.1mm、最大28.1mmとなる。5香港ドル硬貨は、円形の硬貨であり、その外径は、最小26.9mm、最大27.1mmである。つまり、2香港ドル硬貨の最大外径は5香港ドル硬貨の最大外径よりも大きいが、2香港ドル硬貨の最小外径は5香港ドル硬貨の最大外径と同じである。このため、5香港ドル硬貨用の選別穴から2香港ドル硬貨が落ちる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、硬貨の種類によって厚さが異なるため、この厚さの違いを利用することで、同じ外径の硬貨であっても種類別に振り分けることができるとの知見に至った。
【0006】
そこで、本発明は、同じ外径の硬貨であっても種類別に振り分けることができるコイン処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコイン処理装置は、コインを種類別に振り分けるコイン処理装置であって、少なくとも第一コインと第一コインよりも厚さの厚い第二コインとを振り分ける振分部を備え、振分部は、コインの底面を支持するとともに、第一コイン又は第二コインの何れか一方を貫通させる第一選別穴が形成されたベースプレートと、コインの側面を支持するとともに、ベースプレートに沿ってコインを案内するガイドレールと、を備え、ガイドレールは、第一コインの厚さよりも幅が広く第二コインの厚さよりも幅が狭い内側ガイドレール部と、内側ガイドレール部のベースプレートとは反対側に配置される外側ガイドレール部と、を有し、ガイドレールには、内側ガイドレール部のガイド面である内側レール面が、外側ガイドレール部のガイド面である外側レール面よりも、ガイドレールによるコインの支持方向におけるコインの支持側に位置する段差部が形成され、第一選別穴は、ガイドレールによるコインの案内方向において段差部と同じ位置に形成される。
【0008】
本発明に係るコイン処理装置では、コインは、ガイドレールによりコインの側面が支持され、ベースプレートにより底面が支持される。段差部では、内側ガイドレール部の幅は、第一コインの厚さよりも広いため、第一コインは、外側ガイドレール部とベースプレートとの間に入り込み、内側レール面上を転がる。また、段差部では、内側ガイドレール部の幅は、第二コインの厚さよりも狭いため、第二コインは、外側ガイドレール部とベースプレートとの間に入り込むことができず、外側レール面上を転がる。このように、段差部で案内される第一コイン及び第二コインは、ガイドレールによる支持方向における支持位置が異なる。このため、第一コイン及び第二コインの外径が同じ又は略同じであっても、支持方向における第一選別穴の位置及び大きさを調整することで、第一コイン及び第二コインの何れか一方のみを第一選別穴から落とすことができる。
【0009】
支持方向において、第一選別穴の支持側とは反対側である反支持側の先端は、内側レール面に第一コインの外径を加えた位置よりも支持側に位置し、支持方向において、第一選別穴の支持側の先端は、内側レール面と外側レール面との間に位置してもよい。このコイン処理装置では、第一選別穴の反支持側の先端は、内側ガイドレール部に案内されている第一コイン及び外側ガイドレール部に案内されている第二コインの反支持側の先端よりも支持側に位置する。このため、第一コイン及び第二コインの反支持側の先端部分は、ベースプレートに支持された状態が維持される。一方、第一選別穴の支持側の先端は、内側レール面と外側レール面との間に位置する。このため、第一コインの支持側の先端部分は、ベースプレートに支持された状態が維持されるが、第二コインの支持側の先端部分は、ベースプレートの支持から解放されて、第一選別穴に倒れ込むことが可能となる。これにより、第一選別穴から、第二コインのみを落とすことができる。
【0010】
また、支持方向において、第一選別穴の支持側の先端は、内側レール面及び外側レール面よりも支持側とは反対側である反支持側に位置し、支持方向において、第一選別穴の反支持側の先端は、内側レール面に第一コインの外径を加えた位置よりも反支持側に位置し、外側レール面に第二コインの外径を加えた位置よりも支持側に位置してもよい。このコイン処理装置では、第一選別穴の支持側の先端は、内側レール面及び外側レール面よりも反支持側に位置する。このため、第一コイン及び第二コインの支持側の先端部分は、ベースプレートに支持された状態が維持される。一方、第一選別穴の反支持側の先端は、内側ガイドレール部に案内されている第一コインの反支持側の先端よりも反支持側に位置し、外側ガイドレール部に案内されている第二コインの反支持側の先端よりも支持側に位置する。このため、第二コインの反支持側の先端部分は、ベースプレートに支持された状態が保持されるが、第一コインの反支持側の先端部分は、ベースプレートの支持から解放されて、第一選別穴に倒れ込むことが可能となる。これにより、第一選別穴から、第一コインのみを落とすことができる。
【0011】
また、段差部では、外側レール面が隆起していてもよい。このコイン処理装置では、段差部において、外側レール面が隆起しているため、内側レール面を直線状に形成しても、内側レール面を外側レール面よりも支持側に位置させることができる。
【0012】
また、段差部では、内側レール面が沈降していてもよい。このコイン処理装置では、段差部において、内側レール面が沈降しているため、外側レール面を直線状に形成しても、内側レール面を外側レール面よりも支持側に位置させることができる。
【0013】
また、ベースプレートは、ベースプレートに対してガイドレールの反対側に傾斜して配置されていてもよい。このコイン処理装置では、ベースプレートが、ベースプレートに対してガイドレールの反対側に傾斜して配置されているため、コインの自重により、コインを選別穴に落とすことができる。
【0014】
また、ベースプレートは、略水平に配置されていてもよい。このコイン処理装置では、ベースプレートが略水平に配置されているため、ベースプレートの角度調整が楽に行えるとともに、ベースプレートの高さを低く抑えることができる。
【0015】
また、ガイドレールに案内されるコインを、ベースプレートに沿って案内方向に搬送する搬送装置を更に備えてもよい。このコイン処理装置では、搬送装置によりコインを案内方向に搬送するため、コインの分離間隔を安定化させることができる。しかも、搬送装置によりコインが強制的にベースプレートに沿わされるため、ベースプレートに対してコインが浮くような場合であっても、コインを確実にベースプレートに沿わせることができるとともに、コインが自重により選別穴に落ちない場合であっても、コインを確実に選別穴に落とすことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、同じ外径の硬貨であっても種類別に振り分けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係るコイン処理装置の実施形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
[コイン処理装置の全体構成]
本実施形態に係るコイン処理装置1は、自動券売機、自動販売機、金融の入出金機、ゲーム機等(以下、上位装置という。)に取り付けられる装置である。コイン処理装置1は、例えば、通貨としての硬貨、遊戯施設で用いるメダル等の様々なコインを処理することができるが、本実施形態では、特に、1香港ドル硬貨、10香港ドル硬貨、2香港ドル硬貨及び5香港ドル硬貨を処理するものとして説明する(
図4参照)。
【0020】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係るコイン処理装置1の全体構成について簡単に説明する。
図1は、実施形態に係るコイン処理装置の概略側面図である。コイン処理装置1は、投入部2と、繰出部3と、識別部4と、振分部5と、計数部6と、一時保留部7と、放出部8と、出金搬送部9と、出金口10と、を備える。
【0021】
投入部2は、上位装置の接客面に設けられており、利用者がコインを投入するためのスリット状の投入口が形成されている。このスリット状の投入口の幅寸法は、複数枚のコインの同時一括投入を許容するように、所定枚数のコインの厚さよりも僅かに大きく設定されている。
【0022】
繰出部3は、複数枚投入されたコインを所定間隔で一枚ずつ分離して識別部4に繰り出すものである。繰出部3は、例えば、斜め円板かきあげ繰出式であって、繰出モータ回転モータや繰出回転検知センサ等を備える。繰出部3は、投入されたコインから硬貨以外の異物を分別して出金搬送部9に放出する。
【0023】
識別部4は、繰出部3から繰り出されたコインが電子検銭方式で本物であるか否かを識別するものである。識別部4には、ゲート機構が設けられている。識別部4を通過したコインが本物ではないと判断された場合には、識別部4は、ゲートを開放して、そのコインを異物として出金搬送部9に放出する。
【0024】
振分部5は、識別部4で本物であると識別されたコインを種類別に振り分けるものである。振分部5は、転がり搬送の外径選別方式を採用しており、コインの外径に応じて種類別に振り分ける。そして、振分部5は、少なくとも、第一コインである2香港ドル硬貨と、第一コインよりも厚さの厚い第二コインである5香港ドル硬貨と、を振り分けることが可能となっている。具体的には、振分部5は、1香港ドル硬貨、10香港ドル硬貨、2香港ドル硬貨及び5香港ドル硬貨を振り分けることが可能となっている。
【0025】
図2は、2香港ドル硬貨及び5香港ドル硬貨を示す図であり、(a)は2香港ドル硬貨の正面図、(b)は2香港ドル硬貨の側面図、(c)は5香港ドル硬貨の正面図、(d)は5香港ドル硬貨の側面図である。
図2に示すように、第一コインである2香港ドル硬貨C3は、花形の硬貨である。2香港ドル硬貨C3の外径d1は、最小27.1mm、最大28.1mmであり、2香港ドル硬貨C3の厚さt1は、2.0mmである。第二コインである5香港ドル硬貨C4は、円形の硬貨である。5香港ドル硬貨C4の外径d2は、最小26.9mm、最大27.1mmであり、5香港ドル硬貨C4の厚さt2は、3.2mmである。このように、2香港ドル硬貨C3と5香港ドル硬貨C4とは、外径が略同じであるが、厚さが異なる。このため、振分部5は、2香港ドル硬貨C3と5香港ドル硬貨C4との厚さの違いを利用して、2香港ドル硬貨C3と5香港ドル硬貨C4とを振り分ける。なお、振分部5の詳細については後述する。
【0026】
図1に示すように、計数部6は、振分部5の下方に配置され、振分部5によって振り分けられたコインの種類別の枚数を計数する。計数部6は、例えば、板金の区画によるシュート状のものであり、振分部5により振り分けられシュート内を落下するコインを光検出センサで計数する。
【0027】
一時保留部7は、計数部6の下方に配置され、振分部5により振り分けられたコインを種類毎に一時的に保留する。一時保留部7の下部には、収納シャッタ(不図示)が設けられており、収納シャッタが開かれることで、一時保留部7に保留されているコインが放出部8に供給される。また、一時保留部7では、上位装置において利用者が投入したコインの返却操作を行った場合には、保留しているコインを出金搬送部9に放出する。
【0028】
放出部8は、一時保留部7の下方に配置され、一時保留部7から供給されたコインを種類毎に収納する。そして、放出部8は、出金時に、適宜な枚数のコインを出金搬送部9に放出する。
【0029】
出金搬送部9は、コイン処理装置1において放出されたコインを出金口10まで搬送する。出金搬送部9は、繰出部3、識別部4、一時保留部7及び放出部8から放出されたコインを受け止め、出金口10まで搬送する。
【0030】
出金口10は、利用者にコインを返却するために、出金搬送部9で搬送されたコインを排出する。
【0031】
[第1の実施形態]
次に、
図2〜
図5を参照して、第1の実施形態の振分部5について詳細に説明する。
図3は、第1の実施形態の振分部の概略側面図である。
図4は、第1の実施形態のガイドレール及びベースプレートの模式図である。
図5は、
図4に示すV−V線における断面図である。振分部5は、コインCの底面caを支持するとともに、コインCを種類毎に貫通させる複数の選別穴21,22,23,24が形成されたベースプレート11と、コインCの側面cbを支持するとともに、ベースプレート11に沿ってコインCを案内するガイドレール12と、ベースプレート11に沿ってコインCを強制搬送する搬送装置13と、を備える。
【0032】
コインCの底面caとは、コインCの対向する表裏面であり、コインCの側面cbとは、コインCの外周面である。本実施形態では、ガイドレール12によるコインCの案内方向を、案内方向G”という。以下の説明では、特に説明する場合を除き、上流下流の方向は、案内方向Gにおける上流下流の方向をいうものとする。また、本実施形態では、ガイドレール12によるコインCの側面cbの支持方向を、“支持方向S”という。支持方向Sは、コインCに対するガイドレール12とは反対側(
図3及び
図4の上側)の方向が前方となり、コインCに対するガイドレール12側(
図3及び
図4の下側)の方向が後方となる。そして、支持方向Sにおける
後方側(
図3及び
図4における
下方側)を、支持方向SにおけるコインCの支持側といい、単に「支持側」又は「下方側」ともいう。また、支持方向Sにおける
前方側(
図3及び
図4における
上方側)を、支持側とは反対側である反支持側といい、単に「反支持側」又は「上方側」ともいう。
【0033】
ベースプレート11は、平板状に形成されており、ガイドレール12と隣接されている。ベースプレート11は、ベースプレート11に対してガイドレール12の反対側に傾斜して配置されている。このため、コインCは、自重によりベースプレート11にもたれかかり、ベースプレート11は、コインCの底面caを支持する。ベースプレート11の傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、65°とすることができる。
【0034】
ベースプレート11に形成される選別穴21,22,23,24は、上流側から下流側に向けて、小さい外径のコインCから順次貫通させて振分部5から落下させる。最上流側に位置する選別穴21は、10香港ドル硬貨C1を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、10香港ドル硬貨C1の最大外径よりも大きい。選別穴21の下流側に位置する選別穴22は、1香港ドル硬貨C2を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、1香港ドル硬貨C2の最大外径よりも大きい。選別穴22の下流側に位置する選別穴23は、第二コインである5香港ドル硬貨C4を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、5香港ドル硬貨C4の最大外径よりも大きい。最下流側に位置する選別穴24は、第一コインである2香港ドル硬貨C3を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、2香港ドル硬貨C3の最大外径よりも大きい。なお、選別穴21,22,23,24の支持方向Sにおける位置及び大きさは、後述する。
【0035】
ガイドレール12は、略平板状に形成されており、ベースプレート11と隣接されている。ガイドレール12は、ベースプレート11と同角度に傾斜して配置されている。このため、コインCは、自重によりガイドレール12に接触し、ガイドレール12は、支持方向SにおいてコインCの側面cbを支持する。そして、ガイドレール12は、コインCがガイドレール12上を転がることで、ベースプレート11に沿ってコインCを案内方向Gに案内する。
【0036】
ガイドレール12は、ベースプレート11側に配置される内側ガイドレール部26と、内側ガイドレール部26のベースプレート11とは反対側に配置される外側ガイドレール部27と、を備える。
【0037】
内側ガイドレール部26は、平板状に形成されている。コインCの側面cbが接触する内側ガイドレール部26のガイド面である内側レール面26aは、案内方向Gに沿って直線状に延びている。また、内側レール面26aは、コインCが自重によっても案内方向Gに転がるように、下流側に向かって僅かに下方に傾斜している。内側ガイドレール部26の幅は、2香港ドル硬貨C3の厚さよりも広く、且つ、5香港ドル硬貨C4の厚さよりも狭い。つまり、2香港ドル硬貨C3の厚さをt1,5香港ドル硬貨C4の厚さをt2、内側ガイドレール部26の幅をw1とした場合、t1,t2及びw2は、t1<w1<t2の関係となっている(
図4及び
図5参照)。
【0038】
外側ガイドレール部27は、平板状に形成されている。外側ガイドレール部27の幅は、特に限定されるものではなく、適宜設定される。
【0039】
そして、ガイドレール12には、支持方向Sにおいて内側ガイドレール部26と外側ガイドレール部27とが異なる位置に位置する段差部28が形成されている。具体的に説明すると、段差部28では、内側レール面26aが、コインCの側面cbが接触する外側ガイドレール部27のガイド面である外側レール面27aよりも、下方側(支持側)に位置している。ガイドレール12の段差部28以外の部分は、支持方向Sにおいて内側レール面26aと外側レール面27aとが同じ位置に位置し、支持方向Sにおいて内側レール面26aが外側レール面27aよりも上方側(反支持側)に位置し、又は、外側ガイドレール部27が無い部位である。段差部28は、案内方向Gにおいて選別穴23と同じ位置に形成されている。つまり、選別穴23は、案内方向Gにおいて段差部28と同じ位置に形成されており、選別穴21,22,24は、案内方向Gにおいて段差部28と異なる位置に形成されている。
【0040】
段差部28では、外側レール面27aが上方側(反支持側)に隆起している。これにより、段差部28では、内側レール面26aが外側レール面27aよりも下方側に位置する。段差部28における内側レール面26aと外側レール面27aとの段差は、例えば、1〜2mmとすることができる。
【0041】
搬送装置13は、支持方向Sにおいて並設された一対の搬送ベルト29,29によって、コインCをベースプレート11に押圧させつつベースプレート11に沿って案内方向Gに強制搬送する。一対の搬送ベルト29,29は、モータ30の回転駆動軸に固定された一対の駆動プーリ31,31と、コイン処理装置1の筐体に回転自在に設けられた一対の従動プーリ32,32と、に架け渡されている。駆動プーリ31,31は、支持方向Sにおいて並設されている。そして、駆動プーリ31,31は、案内方向G及び支持方向Sにおいて選別穴24と同じ位置、すなわち、側面視において選別穴24と同じ位置に配置されている。従動プーリ32,32は、支持方向Sにおいて並設されており、選別穴21よりも上流側に配置されている。また、駆動プーリ31,31と従動プーリ32,32との間には、一対の第一搬送ローラ33,33と、一対の第二搬送ローラ34,34と、一対の第三搬送ローラ35,35と、が配置されている。第一搬送ローラ33,33、第二搬送ローラ34,34及び第三搬送ローラ35,35には、それぞれ搬送ベルト29,29が掛け渡されており、それぞれ、案内方向G及び支持方向Sにおいて選別穴21,22,23と同じ位置、すなわち、側面視において選別穴21,22,23と同じ位置に配置されている。
【0042】
次に、選別穴21,22,23,24の支持方向Sにおける位置及び大きさについて説明する。
【0043】
支持方向Sにおける選別穴21の位置は、10香港ドル硬貨C1を落下させることができるが、1香港ドル硬貨C2、5香港ドル硬貨C4及び2香港ドル硬貨C3を落下させることができない位置となっている。すなわち、支持方向Sにおいて、選別穴21の下方側(支持側)の先端である下端21aは、内側レール面26aよりも上方側(反支持側)に位置する。支持方向Sにおいて、選別穴21の上方側(反支持側)の先端である上端21bは、内側レール面26aに10香港ドル硬貨C1の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)に位置し、且つ、内側レール面26aに1香港ドル硬貨C2、5香港ドル硬貨C4又は2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも下方側(支持側)に位置する。内側レール面26aに10香港ドル硬貨C1の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部26に案内されている10香港ドル硬貨C1の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴21の下端21aを、内側ガイドレール部26に案内されている10香港ドル硬貨C1の重心位置よりも下方側(支持側)に位置することで、10香港ドル硬貨C1を自重により選別穴21から落とすことができる。
【0044】
支持方向Sにおける選別穴22の位置は、1香港ドル硬貨C2を落下させることができるが、5香港ドル硬貨C4及び2香港ドル硬貨C3を落下させることができない位置となっている。すなわち、支持方向Sにおいて、選別穴22の下方側(支持側)の先端である下端22aは、内側レール面26aよりも上方側(反支持側)に位置する。支持方向Sにおいて、選別穴22の上方側(反支持側)の先端である上端22bは、内側レール面26aに1香港ドル硬貨C2の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)に位置し、且つ、内側レール面26aに5香港ドル硬貨C4又は2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも下方側(支持側)に位置する。内側レール面26aに1香港ドル硬貨C2の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部26に案内されている1香港ドル硬貨C2の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴22の下端22aを、内側ガイドレール部26に案内されている1香港ドル硬貨C2の重心位置よりも下方側(支持側)に位置することで、1香港ドル硬貨C2を自重により選別穴22から落とすことができる。
【0045】
支持方向Sにおける選別穴23の位置は、5香港ドル硬貨C4を落下させることができるが、2香港ドル硬貨C3を落下させることができない位置となっている。すなわち、支持方向Sにおいて、選別穴23の下方側(支持側)の先端である下端23aは、内側レール面26aと外側レール面27aとの間に位置する。支持方向Sにおいて、選別穴23の上方側(反支持側)の先端である上端23bは、内側レール面26aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)、且つ、外側レール面27aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)に位置する。内側レール面26aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置(反支持側の先端位置)である。また、外側レール面27aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置とは、外側ガイドレール部27に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴23の上端23bを、外側ガイドレール部27に案内されている5香港ドル硬貨C4の重心位置よりも上方側(反支持側)に位置することで、5香港ドル硬貨C4を自重により選別穴23から落とすことができる。
【0046】
支持方向Sにおける選別穴24の位置は、2香港ドル硬貨C3を落下させることができる位置となっている。すなわち、支持方向Sにおいて、選別穴24の下方側(支持側)の先端である下端24aは、内側レール面26aよりも上方側(反支持側)に位置する。支持方向Sにおいて、選別穴24の上方側(反支持側)の先端である上端24bは、内側レール面26aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)に位置する。内側レール面26aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴24の下端24aを、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3の重心位置よりも下方側(支持側)に位置することで、2香港ドル硬貨C3を自重により選別穴24から落とすことができる。
【0047】
次に、振分部5の動作について説明する。
【0048】
識別部4において本物であると識別されたコインCが振分部5に転がり込むと、コインCの自重により、コインCの底面caがベースプレート11に接触するとともに、コインCの側面cbがガイドレール12に接触する。そして、コインCは、ベースプレート11により案内方向Gに摺動案内されるとともに、ガイドレール12により案内方向Gに転動案内される。また、搬送装置13は、モータ30の回転駆動力により駆動プーリ31,31が回転することにより、搬送ベルト29,29が回転する。これにより、コインCは、搬送ベルト29,29により、ベースプレート11に押圧された状態でベースプレート11に沿って案内方向Gに強制搬送される。また、コインCは、搬送ベルト29,29により、繰出部3により所定間隔で一枚ずつ分離されたコインCの分離間隔を維持したまま、案内方向Gに強制搬送される。
【0049】
10香港ドル硬貨C1は、選別穴21まで転がると、10香港ドル硬貨C1の上端部分から選別穴21に倒れ込むことで、選別穴21を貫通して振分部5から落ちる。1香港ドル硬貨C2は、選別穴22まで転がると、1香港ドル硬貨C2の上端部分から選別穴22に倒れ込むことで、選別穴22を貫通して振分部5から落ちる。5香港ドル硬貨C4及び2香港ドル硬貨C3は、上端部分及び下端部分がベースプレート11よる支持が継続されることにより、選別穴21及び選別穴22を通り過ぎて、段差部28まで転がる。
【0050】
ここで、コインCが案内方向Gに案内されている間は、重力及び搬送ベルト29,29の押圧によりコインCの底面caがベースプレート11に接触した状態が維持される。
【0051】
しかしながら、内側ガイドレール部26の幅w1は、5香港ドル硬貨C4の厚さt2よりも狭いため、5香港ドル硬貨C4は、ベースプレート11と外側ガイドレール部27との間に入り込むことができない。このため、5香港ドル硬貨C4は、段差部28では、外側レール面27a上を転がる。そして、選別穴23の下端23aは、外側レール面27aよりも下方側に位置する。このため、外側レール面27a上を転がる5香港ドル硬貨C4は、下端部分が外側レール面27aから滑り落ちることで、選別穴23を貫通して振分部5から落ちる。
【0052】
一方、内側ガイドレール部26の幅w1は、2香港ドル硬貨C3の厚さt1よりも広いため、2香港ドル硬貨C3は、ベースプレート11と外側ガイドレール部27との間に入り込む。このため、2香港ドル硬貨C3は、段差部28では、内側レール面26a上を転がる。そして、選別穴23の下端23aは、内側レール面26aよりも上方側に位置し、選別穴23の上端23bは、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置よりも下方側に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3は、上端部分及び下端部分がベースプレート11に支持された状態が維持されて、選別穴23を通り過ぎる。
【0053】
そして、選別穴24の上端24bは、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置よりも上方側に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3は、選別穴24まで転がると、上端部分から選別穴24に倒れ込むことで、選別穴24を貫通して振分部5から落ちる。
【0054】
このように、本実施形態に係るコイン処理装置1では、コインCは、ガイドレール12によりコインCの側面cbが支持され、ベースプレート11により底面caが支持される。段差部28では、内側ガイドレール部26の幅は、第一コインである2香港ドル硬貨C3の厚さよりも広いため、2香港ドル硬貨C3は、外側ガイドレール部27とベースプレート11との間に入り込み、内側レール面26a上を転がる。また、段差部28では、内側ガイドレール部の幅は、第二コインである5香港ドル硬貨C4の厚さよりも狭いため、5香港ドル硬貨C4は、外側ガイドレール部とベースプレートとの間に入り込むことができず、外側レール面27a上を転がる。このように、段差部28で案内される2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4は、支持方向Sにおける支持位置が異なる。このため、2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4の外径が同じ又は略同じであっても、支持方向Sにおける選別穴23の位置及び大きさを調整することで、2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4の何れか一方のみを選別穴23から落とすことができる。
【0055】
具体的には、選別穴23の上端23bは、内側ガイドレール部26に案内されている2香港ドル硬貨C3及び外側ガイドレール部27に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置よりも下方側に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4の上端部分は、ベースプレート11に支持された状態が維持される。一方、選別穴23の下端23aは、内側レール面26aと外側レール面27aとの間に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3の下端部分は、ベースプレート11に支持された状態が維持されるが、5香港ドル硬貨C4の下端部分は、ベースプレート11の支持から解放されて、選別穴23に倒れ込むことが可能となる。これにより、選別穴23から、5香港ドル硬貨C4のみを落とすことができる。
【0056】
また、段差部28において、外側レール面27aが隆起しているため、内側レール面26aを直線状に形成しても、内側レール面26aを外側レール面27aよりも下方側に位置させることができる。
【0057】
また、ベースプレート11が、ベースプレート11に対してガイドレール12の反対側に傾斜して配置されているため、コインCの自重により、コインCを選別穴21,22,23,24に落とすことができる。
【0058】
また、搬送装置13によりコインCを案内方向Gに搬送するため、コインCの分離間隔を安定化させることができる。しかも、搬送装置13によりコインCが強制的にベースプレート11に沿わされるため、ベースプレート11に対してコインCが浮くような場合であっても、コインCを確実にベースプレート11に沿わせることができるとともに、コインCが自重により選別穴21,22,23,24に落ちない場合であっても、コインCを確実に選別穴21,22,23,24に落とすことができる。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、
図6及び
図7を参照して、第2の実施形態の振分部について説明する。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、振分部のベースプレー及びガイドレールの形状のみ、第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみを説明する。
【0060】
図6は、第2の実施形態のガイドレール及びベースプレートの模式図である。
図7は、
図6に示すVII−VII線における断面図である。第2の実施形態に係るコイン処理装置の振分部40は、第1の実施形態のベースプレート11に対応するベースプレート41と、第1の実施形態のガイドレール12に対応するガイドレール42と、第1の実施形態と同じ搬送装置13と、を備える。
【0061】
ベースプレート41には、コインCを種類毎に貫通させる複数の選別穴21,22,43,44が形成されている。選別穴22の下流側に位置する選別穴43は、第一コインである2香港ドル硬貨C3を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、2香港ドル硬貨C3の最大外径よりも大きい。最下流側に位置する選別穴44は、第二コインである5香港ドル硬貨C4を振分部5から落とすための穴であり、その案内方向Gにおける寸法は、5香港ドル硬貨C4の最大外径よりも大きい。なお、選別穴43,44の支持方向Sにおける位置及び大きさは、後述する。
【0062】
ガイドレール42は、ベースプレート41側に配置される内側ガイドレール部47と、内側ガイドレール部47のベースプレート41とは反対側に配置される外側ガイドレール部48と、を備える。
【0063】
内側ガイドレール部47は、平板状に形成されている。コインCの側面cbが接触する内側ガイドレール部47のガイド面である内側レール面47aは、コインCが自重によっても案内方向Gに転がるように、下流側に向かって僅かに下方に傾斜している。内側ガイドレール部47の幅は、第1の実施形態の内側ガイドレール部26の幅と同様である。
【0064】
外側ガイドレール部48は、平板状に形成されている。コインCの側面cbが接触する外側ガイドレール部48のガイド面である外側レール面48aは、コインCが自重によっても案内方向Gに転がるように、下流側に向かって僅かに下方に傾斜している。外側ガイドレール部48の幅は、特に限定されるものではなく、適宜設定される。
【0065】
そして、ガイドレール42には、支持方向Sにおいて内側ガイドレール部47と外側ガイドレール部48とが異なる位置に位置する段差部49が形成されている。具体的に説明すると、段差部49では、内側レール面47aが外側レール面48aよりも下方側(支持側)に位置している。ガイドレール42の段差部49以外の部分は、支持方向Sにおいて内側レール面47aと外側レール面48aとが同じ位置に位置し、支持方向Sにおいて内側レール面47aが外側レール面48aよりも上方側(反支持側)に位置し、又は、外側ガイドレール部48が無い部位である。段差部49は、案内方向Gにおいて選別穴43と同じ位置に形成されている。つまり、選別穴43は、案内方向Gにおいて段差部49と同じ位置に形成されており、選別穴21,22,44は、案内方向Gにおいて段差部49と異なる位置に形成されている。
【0066】
段差部49では、内側ガイドレール部47が下方側(支持側)に沈降している。これにより、段差部49では、内側レール面47aが外側レール面48aよりも下方側に位置する。段差部49における内側レール面47aと外側レール面48aとの段差は、例えば、2〜3mmとすることができる。
【0067】
次に、選別穴43,44の支持方向Sにおける位置及び大きさについて説明する。
【0068】
支持方向Sにおける選別穴43の位置は、2香港ドル硬貨C3を落下させることができるが、5香港ドル硬貨C4を落下させることができない位置となっている。すなわち、選別穴43の下方側(支持側)の先端である下端43aは、内側レール面47a及び外側レール面48aよりも上方側(反支持側)に位置する。選別穴43の上方側(反支持側)の先端である上端43bは、内側レール面47aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)、且つ、外側レール面48aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置よりも下方側(支持側)に位置する。内側レール面47aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部47に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置(反支持側の先端位置)である。また、外側レール面48aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置とは、外側ガイドレール部48に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴43の下端43aを、内側ガイドレール部47に案内されている2香港ドル硬貨C3の重心位置よりも下方側(支持側)に位置することで、2香港ドル硬貨C3を自重により選別穴43から落とすことができる。
【0069】
支持方向Sにおける選別穴44の位置は、5香港ドル硬貨C4を落下させることができる位置となっている。すなわち、選別穴44の下方側(支持側)の先端である下端44aは、内側レール面47aよりも上方側(反支持側)に位置する。選別穴44の上方側(反支持側)の先端である上端44bは、内側レール面47aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置よりも上方側(反支持側)に位置する。内側レール面47aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置とは、内側ガイドレール部47に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置(反支持側の先端位置)である。なお、選別穴44の下端44aを、内側ガイドレール部47に案内されている5香港ドル硬貨C4の重心位置よりも下方側(支持側)に位置することで、5香港ドル硬貨C4を自重により選別穴44から落とすことができる。
【0070】
次に、振分部40の動作について説明する。
【0071】
第1の実施形態と同様に、10香港ドル硬貨C1及び1香港ドル硬貨C2は、それぞれ、選別穴21及び選別穴22を貫通して振分部40から落ち、2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4は選別穴21及び選別穴22を通り過ぎて、段差部49まで転がる。
【0072】
上述したように、内側ガイドレール部47の幅w1は、2香港ドル硬貨C3の厚さt1よりも広いため、2香港ドル硬貨C3は、ベースプレート11と外側ガイドレール部48との間に入り込む。このため、2香港ドル硬貨C3は、段差部49では、内側レール面47a上を転がる。そして、選別穴43の上端43bは、内側ガイドレール部47に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置よりも上方側に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3は、上端部分から選別穴43に倒れ込むことで、選別穴43を貫通して振分部40から落ちる。
【0073】
一方、内側ガイドレール部47の幅w1は、5香港ドル硬貨C4の厚さt2よりも狭いため、5香港ドル硬貨C4は、ベースプレート41と外側ガイドレール部48との間に入り込むことができない。このため、5香港ドル硬貨C4は、段差部49では、外側レール面48a上を転がる。そして、選別穴43の下端43aは、内側レール面47aよりも上方側に位置し、選別穴43の上端43bは、外側ガイドレール部48に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置よりも下方側に位置する。このため、5香港ドル硬貨C4は、上端部分及び下端部分がベースプレート41に支持された状態が維持されて、選別穴43を通り過ぎる。
【0074】
そして、選別穴44の上端44bは、外側ガイドレール部48に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置よりも上方側に位置する。このため、5香港ドル硬貨C4は、上端部分から選別穴44に倒れ込むことで、選別穴44を貫通して振分部40から落ちる。
【0075】
このように、本実施形態では、選別穴43の下端43aは、内側レール面47a及び外側レール面48aよりも上方側に位置する。このため、2香港ドル硬貨C3及び5香港ドル硬貨C4の下端部分は、ベースプレート41に支持された状態が維持される。一方、選別穴43の上端43bは、内側ガイドレール部47に案内されている2香港ドル硬貨C3の上端位置よりも上方側に位置し、外側ガイドレール部48に案内されている5香港ドル硬貨C4の上端位置よりも下方側に位置する。このため、5香港ドル硬貨C4の上端部分は、ベースプレート41に支持された状態が保持されるが、2香港ドル硬貨C3の上端部分は、ベースプレート41の支持から解放されて、選別穴43に倒れ込むことが可能となる。これにより、選別穴43から、2香港ドル硬貨C3のみを落とすことができる。
【0076】
また、段差部49において、内側レール面47aが沈降しているため、外側ガイドレール部48を直線状に形成しても、内側レール面47aを外側レール面48aよりも下方側に位置させることができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、上記実施形態において、3番目の選別穴(選別穴23又は選別穴43)に対応する位置にのみ段差部を形成するものとして説明したが、4番目の選別穴(選別穴24又は選別穴44)に対応する位置まで段差部を形成してもよい。例えば、
図8の(a)に示す例は、第1の実施形態の振分部の変形例であり、外側ガイドレール部52が上方側に隆起していることで、内側ガイドレール部51の内側レール面51aが外側ガイドレール部52の外側レール面52aよりも下方側に位置している。この場合、4番目の選別穴53の上端を、内側レール面51aに2香港ドル硬貨C3の外径を加えた位置よりも上方側に位置することで、選別穴53に2香港ドル硬貨C3を落とすことができる。
図8の(b)に示す例は、第2の実施形態の振分部の変形例であり、内側ガイドレール部61が下方側に沈降していることで、内側ガイドレール部61の内側レール面61aが外側ガイドレール部62の外側レール面62aよりも下方側に位置している。この場合、4番目の選別穴63の上端を、外側レール面62aに5香港ドル硬貨C4の外径を加えた位置よりも上方側に位置することで、選別穴63に5香港ドル硬貨C4を落とすことができる。
【0079】
また、上記実施形態では、ベースプレート及びガイドレールは、傾斜して配置されるものとして説明したが、
図9の(a)に示すように、垂直又は略垂直に配置されてもよく、
図9の(b)に示すように、水平又は略水平に配置されてもよい。
図9の(b)に示すコイン処理装置では、ベースプレートが略水平に配置されているため、ベースプレートの角度調整が楽に行えるとともに、ベースプレートの高さを低く抑えることができる。
図9の(a)に示す場合は、コインの底面がベースプレートから浮くことによりコインが選別穴から落ちない可能性があるため、搬送装置によりコインをベースプレートに押圧することが好ましい。
図9の(b)に示す場合は、コインが案内方向に転がらないため、搬送装置によりコインを案内方向に強制搬送することが好ましい。また、
図9の(b)に示す場合は、コインの側面がガイドレールから浮く可能性があるため、搬送装置または板ばねなどの押圧部材により、コインをガイドレールに寄せることが好ましい。
【0080】
また、上記実施形態では、搬送装置を備えるものとして説明したが、ベースプレートによりコインの底面が支持され、ガイドレールによりコインの側面が支持され、コインが案内方向に案内されれば、搬送装置を備えなくてもよい。