特許第6404761号(P6404761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404761
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】リフタ構造
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/10 20060101AFI20181004BHJP
   F01L 1/14 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   F02M59/10 B
   F01L1/14 G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-72098(P2015-72098)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-191357(P2016-191357A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000185488
【氏名又は名称】株式会社オティックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】東藤 公彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 達也
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−140609(JP,A)
【文献】 特開2013−160122(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公開第02758862(DE,A)
【文献】 西独国特許第01099795(DE,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00−71/04,
F01L 1/00−1/32,1/36−1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムの回転に応じてリフタガイドのガイド孔内を往復摺動する筒状部材を備えたリフタ構造であって、
前記筒状部材には、この筒状部材の往復方向の両端にそれぞれ開口する一対の係合溝が設けられ、
前記リフタガイドのガイド孔内には、前記筒状部材とは別体をなし前記ガイド孔内における前記筒状部材の回転を規制する回転規制部材が配置され
前記回転規制部材は、
前記筒状部材の往復方向に延出し、前記リフタガイドの前記ガイド孔に連通して設けられた保持溝に全体が嵌合される連結部と、
前記連結部の両端部から前記往復方向と交差する方向に突出し、前記一対の係合溝にそれぞれ挿入されて前記係合溝の溝縁に前記筒状部材の回転方向で当接する一対の挿入部とからなることを特徴とするリフタ構造。
【請求項2】
前記挿入部が前記係合溝に非圧入状態で挿入されることを特徴とする請求項1記載のリフタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフタガイドのガイド孔に往復摺動可能な筒状部材を備えたリフタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車のエンジンなどの内燃機関用のリフタ構造が開示されている。これは、リフタ本体と、カムに当接して押圧されるローラとを備えている。リフタ本体は、外周がシリンダ(リフタガイド)の内周に対して往復摺動可能な筒状部と、筒状部の一端側に連成される一対の支持部とを有している。両支持部には、軸支ピンの両端部が固定され、ローラは、軸支ピンに回転可能に支持されている。
【0003】
また、筒状部の一端には、シリンダ内におけるリフタ本体の回転を規制する回り止め部が一体に形成されている。回り止め部は、シリンダの内周に凹設された回り止め溝に摺動可能に嵌合されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−2115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種のリフタ構造の場合、筒状部の外周とシリンダの内周との間に、リフタ本体の円滑な往復動作を担保するべく、所定の隙間が存在することになるが、該隙間の範囲でカムから押圧されたリフタ本体がシリンダ内で傾いた状態になることがある。仮に、リフタ本体が大きく傾くと、筒状部の対角隅部がシリンダの内周に片当たりするため(コッキング現象)、異音が発生するのに加え、シリンダが摺動摩耗する懸念がある。
【0006】
上記に鑑み、仮に、筒状部を往復方向に延長し、往復方向の摺動長さを長くとるようにすれば、シリンダ内で筒状部が傾きにくく、コッキングを抑制することができる。しかるにこの場合、筒状部の一端に回り止め部が位置しているため、回り止め部がカムの回転軌跡に入り込まないように配慮する必要があり、摺動長さを十分に長くとることができないという事情がある。
【0007】
また、回り止め部が筒状部の外側に一体に突出する形態であるため、例えば、仕上げ加工で筒状部の外周を研磨する際に、筒状部をスルーフィードで一方向に送って連続加工するのが困難になる。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、摺動長さを長くとることができ、仕上げ加工を容易に行うことができるリフタ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カムの回転に応じてリフタガイドのガイド孔内を往復摺動する筒状部材を備えたリフタ構造であって、前記筒状部材には、この筒状部材の往復方向の両端にそれぞれ開口する一対の係合溝が設けられ、前記リフタガイドのガイド孔内には、前記筒状部材とは別体をなし前記ガイド孔内における前記筒状部材の回転を規制する回転規制部材が配置され、前記回転規制部材は、前記筒状部材の往復方向に延出し、前記リフタガイドの前記ガイド孔に連通して設けられた保持溝に全体が嵌合される連結部と、前記連結部の両端部から前記往復方向と交差する方向に突出し、前記一対の係合溝にそれぞれ挿入されて前記係合溝の溝縁に前記筒状部材の回転方向で当接する一対の挿入部とからなるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
筒状部材は、その係合溝に回転規制部材が挿入されることで、ガイド孔内における回転が規制される。この場合に、筒状部材が回転規制部材とは別体とされているため、仕上げ加工で筒状部材の外周を研磨する際に、回転規制部材の存在がとくに支障になることがなく、スルーフィードなどで容易に行うことができる。また、回転規制部材がリフタガイドのガイド孔内に配置されて筒状部材の係合溝に挿入されるため、カムの回転軌跡に回転規制部材が入り込むのを回避した設定とし易く、筒状部材を往復方向に容易に延長することができ、往復方向の摺動長さを長くとることができる。また、リフタガイドのガイド孔内で筒状部材が傾いた状態になるのを、一対の挿入部によって効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1のリフタ構造に係るポンプリフタがリフタガイドに組み付けられた状態を示す断面図である。
図2】筒状部材の側面図である。
図3】実施例2のリフタ構造に係るバルブリフタがリフタガイドに組み付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記挿入部が前記係合溝に非圧入状態で挿入される。これによれば、回転規制部材が係合溝に挿入される際に、筒状部材が回転規制部材から過大な組付圧力を受けることがなく、筒状部材の外周の形状(好ましくは真円形状)を良好に維持することができる。その結果、筒状部材の外周がリフタガイドのガイド孔の内周を円滑に摺動することができる。
【0014】
<実施例1>
本発明の実施例1を図1及び図2によって説明する。実施例1は、燃料供給装置90のポンプリフタ10に適用される構造を例示するものである。
【0015】
燃料供給装置90は、詳細は図示しないが、ポンプリフタ10で高圧に調整された燃料を図示しないエンジンの燃焼室に供給するものである。ポンプリフタ10は、シリンダヘッドのリフタガイド91に組み込まれている。
【0016】
図1に示すように、リフタガイド91は、ハウジング92とハウジング92の上端部に嵌着される蓋材93とを有している。蓋材93には、上下方向に貫通する断面円形の貫通孔94が設けられている。貫通孔94には、プランジャ80が上下方向に往復摺動可能に挿入されている。プランジャ80の上端部は、貫通孔94の上端に連通する図示しない圧力室に進退可能に配置されている。プランジャ80の上端部が圧力室に進入することで、圧力室内の燃料が加圧されるようになっている。
【0017】
ハウジング92には、貫通孔94の下端に連通するガイド孔95が設けられている。ガイド孔95は、貫通孔94よりも大径の断面円形をなし、上下方向に延出してハウジング92の下端に開口する形状とされている。ガイド孔95の上端は、ハウジング92に嵌着される蓋材93で閉塞されている。そして、ガイド孔95には、筒状部材20が上下方向(往復方向)に往復摺動可能に挿入されている。
【0018】
また、ハウジング92には、上下方向に延出してガイド孔95の内周面に上下方向に沿って連通する保持溝96が設けられている。保持溝96の上下両端は閉塞されており、このうち、保持溝96の上端は、蓋材93で閉塞されている。リフタガイド91の保持溝96には、後述する回転規制部材40が保持固定されるようになっている。
【0019】
筒状部材20は、上下方向にほぼ沿った略円筒状の周壁21を有している。周壁21は、その外周面がガイド孔95の内周面に沿って配置され、ガイド孔95内を摺動可能とされている。周壁21の下端縁は、係合溝22A、22Bの開口を除いて全周に亘って同一高さで連なり、下方に位置するカム70の回転軌跡から外れる範囲で可能な限り延長されている。つまり、周壁21の上下方向の摺動長さが十分に長く確保され、筒状部材20がガイド孔95内で傾きにくい構造になっている。
【0020】
図2に示すように、周壁21の下端部の径方向両端部(図2の左右両端部)には、一対の支持壁23がほぼ平行に対向して設けられている。両支持壁23には、軸部材24の両端部が支持されている。図1に示すように、軸部材24には、ニードル軸受などの軸受25を介して、円筒状のローラ26が回転可能に支持されている。
【0021】
ローラ26は、その外周面がカム70に摺接するように配置されている。カム70は、略三角形状をなし、カムシャフト71に設けられている。カムシャフト71は、その軸線が軸部材24の軸線と平行となるように配置されている。
【0022】
また、図1に示すように、筒状部材20は、周壁21内で径方向(上下方向と直交する方向)に沿った平板状の隔壁27を有している。隔壁27の外周は、周壁21の内周面の上下方向途中に一体に連結されている。このため、筒状部材20は、隔壁27を介して上下に分割された構造となる。筒状部材20の隔壁27の下方には、両支持壁23間に配置されたローラ26が収容されている。ローラ26は、その下端部を除く大部分が筒状部材20内に収容されるようになっている。
【0023】
筒状部材20の隔壁27の上方には、プランジャ80の下端部と、リテーナ60と、付勢部材50とが収容されている。リテーナ60は、径方向に沿った円盤状をなし、その中心部にプランジャ80の下端部が係止して固定されている。付勢部材50は、圧縮コイルばねからなるばね材であって、その下端がリテーナ60の上面に当接して支持され、その上端がリフタガイド91の蓋材93の下面に当接して支持され、上下方向に弾性的に伸縮可能とされている。かかる付勢部材50は、筒状部材20をカム70側に付勢し、ローラ26をカム70に押し付ける付勢力を有している。
【0024】
図2に示すように、筒状部材20の周壁21には、係合溝22A、22Bが貫通して設けられている。係合溝22A、22Bは、周壁21の上端部と下端部とに、上下方向の同軸上の位置に分かれて配置されている。このうち、上側の係合溝22Aは、上下方向に延出して筒状部材20の上端に開口し、上下方向の全長に亘って同幅をもって形成されている。上側の係合溝22Aの下端は、隔壁27の上方で閉塞されている。また、下側の係合溝22Bは、上下方向に延出して筒状部材20の両支持壁23間の下端に開口し、上側の係合溝22Aと同一で溝幅で、且つ上下方向の全長に亘って同幅をもって形成されている。下側の係合溝22Bの上端は、隔壁27の下方で閉塞されている。この上下で対をなす係合溝22A、22Bには、それぞれ、回転規制部材40の挿入部41A、41Bが非圧入状態で挿入される。
【0025】
図1に示すように、回転規制部材40は、帯板状をなし、上下方向に延出する連結部43と、連結部43の上下両端部から一側方(上下方向と直交する方向)に突出する一対の挿入部41A、41Bとからなる。連結部43は、筒状部材20の上下寸法に対応する上下寸法を有し、保持溝96に嵌合されてリフタガイド91に保持される。
【0026】
一対の挿入部41A、41Bは、連結部43を介して上下方向に互いに所定間隔をあけて配置され、筒状部材20の上下両端部と対応する位置に配置されている。挿入部41A、41Bの板厚は、係合溝22A、22Bの溝幅よりも若干小さくされている。これにより、上側の挿入部41Aは、上側の係合溝22Aに挿入されて係合可能となり、下側の挿入部41Bは、下側の係合溝22Bに挿入されて係合可能となっている。筒状部材20がガイド孔95内を往復摺動する間、挿入部41A、41Bが係合溝22A、22B内における相対的な位置を上下方向に変位させるようになっている。
【0027】
次に、ポンプリフタ10の組み付け方法と動作について説明する。
組み付けに際し、回転規制部材40の挿入部41A、41Bがそれぞれ筒状部材20の対応する係合溝22A、22Bに挿入され、その状態で、回転規制部材40の連結部43が保持溝96に上方から挿入される。次いで、ハウジング92に上方から蓋材93が嵌着される。ハウジング92に蓋材93が嵌着されるに伴い、回転規制部材40の上端面に蓋材93が当接し、回転規制部材40が蓋材93とハウジング92との間に挟持して保持固定される。
【0028】
組み付け後、カム70がカムシャフト71を介して回転すると、ローラ26が従動回転する。このとき、燃料の吸入工程では、筒状部材20が付勢部材50の付勢力で押圧されてガイド孔95を下方に摺動し、プランジャ80が同様に下方に摺動することで、プランジャ80の上端部が圧力室から退避する。一方、燃料の吐出工程では、筒状部材20が付勢部材50の付勢力に抗してガイド孔95を上方に摺動し、プランジャ80が同様に上方に摺動することで、プランジャ80の上端部が圧力室に進入する。
【0029】
筒状部材20がガイド孔95を往復摺動する間、回転規制部材40はリフタガイド91の保持溝96に固定された状態に維持され、挿入部41A、41Bが筒状部材20の係合溝22A、22B内で上下方向に逃がされる。一方、挿入部41A、41Bが周方向(筒状部材20の回転方向)で係合溝22A、22Bの溝縁と当接することにより、筒状部材20の回転が規制され、筒状部材20の往復動作の円滑性が担保されるようになっている。
【0030】
実施例1によれば、回転規制部材40が筒状部材20とは別体として設けられるため、仕上げ加工を行うに際し、筒状部材20の周壁21の外周をスルーフィードで連続的に容易に研磨することができる。また、これによって周壁21の外周精度(真円度)を向上させることができる結果、ガイド孔95内で筒状部材20が傾くことに起因する異音発生などの不具合を解消することができる。
【0031】
とくに、回転規制部材40は周壁21の係合溝22A、22Bに圧入されずに単に挿入されるに過ぎないため、周壁21が回転規制部材40から過大な組付圧力を受けることがなく、周壁21の外周精度をより向上させることができる。
【0032】
さらに、回転規制部材40が筒状部材20とは別体として設けられることで、筒状部材20の周壁21の全長(摺動長さ)を設定する際に、回転規制部材40の存在がとくに支障になることがない。このため、周壁21の全長を十分に長くとることができ、ガイド孔95内で筒状部材20が傾く事態をより確実に防止することができる。
【0033】
さらにまた、回転規制部材40の挿入部41A、41Bが周壁21の上下両端部に設けられた係合溝22A、22Bに挿入されるため、ガイド孔95内を往復摺動する筒状部材20の直立姿勢(ガイド孔95の延出方向に沿った正規の姿勢)を安定に維持することができ、ガイド孔95内で筒状部材20が傾く事態をよりいっそう確実に防止することができる。
【0034】
<実施例2>
図3は、本発明の実施例2を示す。実施例2は、動弁装置90Eのバルブリフタ10Eに適用した構造を例示するものであるが、リフタ構造としての基本的構成は実施例1とほぼ同一とされている。
【0035】
バルブリフタ10Eは、バルブ80Eとカム70Eとの間に配置され、カム70Eの駆動力をバルブ80Eに伝達する役割を有している。バルブリフタ10Eは、実施例1と同様、筒状部材20、回転規制部材40、軸部材24及びローラ26を有し、ローラ26がカム70Eに摺接して回転可能とされている。もっとも、実施例2の場合、実施例1とは逆に、カムシャフト71Eに設けられたカム70Eがリフタガイド91Eの上方に位置しており、実施例1とは上下逆向きの姿勢で配置されている。
【0036】
リフタガイド91Eは、ガイド孔95E及び保持溝96Eを有するハウジング92Eと、ハウジング92Eに嵌着される蓋材93Eとを有している。蓋材93Eは、略円環状をなし、保持溝96Eの下端を閉塞し、保持溝96Eに挿入された回転規制部材40を離脱規制状態に保持するようになっている。蓋材93Eの内側には、バルブ80Eのバルブステム86と付勢部材50Eが配置されている。
【0037】
バルブ80Eは、バルブステム86と、バルブステム86の下端部から径方向に張り出すバルブ本体部87とからなる。バルブ本体部87は、シリンダ98の吸気口又は排気口97に臨み、吸気口又は排気口97を開閉可能とされている。バルブステム86は、シリンダ98に組み付けられた円筒状のステムガイド89に摺動可能に挿入されている。
【0038】
バルブステム86の上端部は、ステムガイド89から上方に突出し、筒状部材20の下部空間に進入してリテーナ60Eに保持されている。そして、バルブステム86の上端は、筒状部材20の隔壁27の下面に当接している。付勢部材50Eは、シリンダ98の上面とリテーナ60Eとの間に配置され、ローラ26をカム70Eに押し付ける付勢力を有している。
【0039】
カム70Eが回転し、筒状部材20がローラ26を介して下方に押圧されると、付勢部材50Eの付勢力に抗して筒状部材20がガイド孔95E内を下方に摺動し、バルブ80Eが下方に変位して、バルブ本体部87が吸気口又は排気口97を開く。さらにカム70Eが回転し、カム70E側からの押圧力が減退すると、付勢部材50Eの付勢力を受けた筒状部材20が上方に変位して、バルブ本体部87が吸気口又は排気口97を閉じる。こうして筒状部材20がガイド孔95E内を往復摺動する間、実施例1と同様、回転規制部材40がリフタガイド91Eの保持溝96Eに保持固定された状態で、挿入部41A、41Bが筒状部材20の周壁21の係合溝22A、22Bに挿入係合され、もってガイド孔95E内における筒状部材20の回転が規制される。ここで、筒状部材20と回転規制部材40とは互いに別体とされ、回転規制部材40は筒状部材20の係合溝22A、22Bに非圧入状態で挿入されることから、実施例2も実施例1と同様の効果を享受することができる。
【0040】
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)回転規制部材は、筒状部材の係合溝に保持され、ガイド孔内を筒状部材とともに往復移動するものであってもよい。
(2)カムがローラを介さず筒状部材に直接摺接するものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…燃料供給装置
10E…バルブリフタ
20…筒状部材
22A、22B…係合溝
26…ローラ
40…回転規制部材
41A、41B…挿入部
43…連結部
70、70E…カム
91、91E…リフタガイド
95、95E…ガイド孔
96、96E…保持溝
図1
図2
図3