(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404770
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】光学センサを使用する3D物体印刷中にプリンタの動作を調整するシステム
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20181004BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20181004BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20181004BHJP
【FI】
B29C64/393
B41J2/01 109
B33Y30/00
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-103461(P2015-103461)
(22)【出願日】2015年5月21日
(65)【公開番号】特開2015-229349(P2015-229349A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2018年5月14日
(31)【優先権主張番号】14/298,232
(32)【優先日】2014年6月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・アール・コンロウ
(72)【発明者】
【氏名】ハワード・エイ・ミーゼス
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エイ・ホージア
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ジェイ・フォーキンス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジェイ・クレックナー
【審査官】
関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0125356(US,A1)
【文献】
特表2007−504016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 50/00
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧板と、
前記圧板上に材料を排出する排出器を備えて構成される印字ヘッドと、
前記圧板上に排出される前記材料の最上層の端に対応するデータを生成するよう構成される光学センサと、
前記光学センサおよび前記印字ヘッドと動作可能に接続されるコントローラであって、前記コントローラは、前記圧板上に物体を形成するために、印刷される層のラスタ画像データを生成し、前記印字ヘッドを、前記層のラスタ画像データを参照して前記圧板上に材料を排出するよう動作させ、前記光学センサから受信したデータと、排出された材料の以前に印刷された層の材料を排出させるよう前記印字ヘッドを動作させるために使用された前記ラスタ画像データとの間の差異を生成し、印刷される層のラスタ画像データを、前記光学センサから受信したデータと、前記印字ヘッドを動作させるために使用された前記データとの間の、前記生成された差異を参照して修正して、前記印字ヘッドの前記排出器からの前記材料の前記排出におけるエラーを補正するよう構成される、コントローラと、
を備える、プリンタ。
【請求項2】
前記光学センサは光学コントラストセンサである、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記圧板は平面部材である、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
圧板と、
前記圧板上に材料を排出する排出器を備えて構成される印字ヘッドと、
光検出器の配列と、照明源と、を有し、前記圧板上に排出された材料の最上層を形成する支持材料と造形材料との間の光学コントラストを示す光学画像データを生成するよう構成される光学コントラストセンサと、
前記光学コントラストセンサおよび前記印字ヘッドと動作可能に接続されるコントローラであって、前記コントローラは、前記圧板上に物体を形成するために、印刷される層のラスタ画像データを生成し、前記層のラスタ画像データを参照して、前記造形材料の滴と前記支持材料の滴とを前記圧板上に排出するよう前記印字ヘッドを動作させ、前記印刷される層のラスタ画像データを、前記光学コントラストセンサから受信したデータを参照して修正して、前記印字ヘッドの前記排出器から前記圧板上への前記造形材料の滴および前記支持材料の滴の排出におけるエラーを補正する、コントローラと、
を備える、プリンタ。
【請求項5】
3D物体プリンタにより実行される印刷動作におけるエラーを補正する装置であって、
圧板上に排出される材料の最上層の端に対応するデータを生成するよう構成される光学センサと、
前記光学センサと動作可能に接続されるコントローラであって、前記コントローラは、前記圧板上に物体を形成するために、印刷される層のラスタ画像データを生成し、前記光学センサから受信したデータと、排出された材料の以前に印刷された層の材料を排出させるよう印字ヘッドを動作させるために使用された前記ラスタ画像データとの差異を生成し、印刷される層のラスタ画像データを、前記光学センサから受信した前記データと、前記印字ヘッドを動作させるために使用された前記データとの間の、前記生成された差異を参照して修正して、前記印字ヘッドの排出器から前記圧板上への前記材料の前記排出におけるエラーを補正する、コントローラと、
を備える、装置。
【請求項6】
前記光学センサは光学コントラストセンサである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記圧板は平面部材である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記光学コントラストセンサは、
光検出器の配列と、
照明源と、
をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記光学コントラストセンサが、前記圧板上に排出された材料の最上層を形成する支持材料と造形材料との間の光学コントラストを示す光学画像データを生成するよう構成される、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されるデバイスは3D物体を生産するプリンタに関し、より詳細には、そのようなプリンタでの物体の正確な生産に関する。
【背景技術】
【0002】
3D印刷は、実質的に任意の形状の3D固体物体をデジタルモデルから作成するプロセスである。3D印刷の1つの手法は、1つ以上の印字ヘッドが、連続する材料の層を基板上に異なる形状で排出する、追加的なプロセスを使用する。3D印刷のこの手法は、付加製造としても知られている。基板は、プラットフォームと動作可能に接続されるアクチュエータの動作により、1次元、2次元、または3次元のいずれにも移動可能であり得る、プラットフォーム上に支持される。追加的または代替的に、1つまたは複数の印字ヘッドは、さらに、1つまたは複数の印字ヘッドの動きを制御する1つ以上のアクチュエータと動作可能に接続されて、3D物体を形成する層を生産する。3D印刷は、大抵は切削または掘削などの減法プロセスによる加工物からの材料の除去に依存している、従来の物体形成技術と区別することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのプリンタでの3D物体の生産には時間を要し、または、物体によっては、日数を要することもある。3Dプリンタでの3D物体の生成において生じる1つの問題は、印刷されるパーツの実際の寸法と印刷されるパーツの目的の寸法との間の不一致である。これらの不一致は、排出されたインク材料が、生成されるパーツへの噴出の際に、目的の位置から離れて流れ得るために生じる。他の要因は、熱いインクがパーツ上に排出され、その後、冷却または硬化される際の材料の熱膨張および/または収縮を含む。物体の印刷中、1つ以上のインクジェットは、材料を通常より斜めに印字ヘッドへ排出すること、インクジェットが排出すべき滴よりも小粒または大粒の滴を排出すること、または、滴を全く排出しないことにより、劣化し得る。物体印刷中に起こるエラーの他の原因は、機械的な消耗、排出された材料の機械的な縮小、振動などを含む。物体の寸法精度は、現在のところ、支持プラットフォームおよび/または1つまたは複数の印字ヘッドの移動の正確さを監視および検証することにより、制御される。上記に示したエラーの原因は、支持プラットフォームまたは印字ヘッド(単数または複数)の動きの監視からは、検出されない可能性がある。これらの1つ以上のエラーの原因が物体印刷中に重なると、印刷される物体の品質を確保するには、物体の解体を必要とする可能性がある。印刷ジョブは物体を生産するのに多くの時間または複数の日数を要するため、この物体の解体は、費用および時間の浪費となり得る。生産される物体におけるエラーを検出し、印刷中に修正することが可能なプリンタが、好都合であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
プリンタでの3D物体を生産する印刷動作中に、印刷エラーを検出してエラーを補正する装置は、圧板上に排出される材料の最上層の端に対応するデータを生成するよう構成される光学センサと、光学センサと動作可能に接続されるコントローラであって、圧板上に物体を形成するよう印刷される層のラスタ画像データを生成し、光学センサから受信したデータを参照して印刷される層のラスタ画像データを修正し、印字ヘッドの排出器から圧板上への材料の排出におけるエラーを補正するコントローラと、を含む。
【0005】
3D物体を生産する印刷動作中に、印刷エラーを検出してエラーを補正する装置を組み込むプリンタは、圧板と、圧板上に材料を排出する排出器を備えて構成される印字ヘッドと、圧板上へ排出される材料の最上層の端に対応するデータを生成するよう構成される光学センサと、光学センサおよび印字ヘッドと動作可能に接続されるコントローラであって、圧板上に物体を形成するよう印刷される層のラスタ画像データを生成し、印字ヘッドを、層のラスタ画像データを参照して圧板上に材料を排出するよう動作させ、光学センサから受信したデータを参照して印刷される層のラスタ画像データを修正し、印字ヘッドの排出器からの材料の排出におけるエラーを補正する、コントローラと、を含む。
【0006】
3D物体印刷中に、物体印刷エラーを検出および補正する装置またはプリンタの前述の態様および他の特徴は、添付の図と関連して、以下の記述により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、物体印刷動作中に、物体印刷エラーを検出および補正する3D物体プリンタのブロック図である。
【
図2】
図2は、
図3のモジュールを動作させる方法のフロー図である。
【
図3】
図3は、従来技術の3D物体プリンタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
デバイスの詳細と共に、本明細書に開示されるデバイスの環境を一般的に理解するために、図が参照される。図において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0009】
図3は、従来技術のプリンタ300におけるコンポーネントの構成を示しており、プリンタは3次元物体またはパーツ26を生産する。プリンタ300は、物体またはパーツ26のための1つ以上の印字ヘッド22が上に置かれる、支持圧板14を含む。印字ヘッド(単数または複数)は、1つ以上の種類の造形材料および支持材料を排出して、パーツ26を形成するよう構成される。これらの材料は硬化する必要があるため、プリンタ300は硬化デバイス30を含む。感光性樹脂造形材料を排出する一部の実施形態において、硬化デバイス30は、紫外線(UV)放射源である。加えて、1つ以上の印字ヘッド22により物体上に形成される層において材料の高さを標準化するために、平坦化装置が含まれ得る。
【0010】
印字ヘッド(単数または複数)22および支持圧板14は、移動のためにアクチュエータ24などを伴って構成される。図に示されるように、支持圧板14はX軸に沿う移動のために構成され、印字ヘッド(単数または複数)はZ軸に沿って移動するよう構成されるが、圧板14が、さらにZ軸に沿う移動のために構成される可能性もある。圧板14および印字ヘッド(単数または複数)22の動きはコントローラ34により連携され、コントローラは、圧板および印字ヘッド(単数または複数)が移動するよう構成するためのアクチュエータ24と動作可能に接続される。図において、印字ヘッド(単数または複数)22は、造形されるパーツよりもY軸方向に幅広い。したがって、Y軸に沿う動きは必要とされない。一部の実施形態において、印字ヘッド(単数または複数)はパーツほど幅広くないため、圧板14および/または印字ヘッド(単数または複数)22はY軸に沿って移動するよう構成される。他の実施形態において、印字ヘッドにおけるインクジェットの解像度は、パーツに必要な解像度より低い。これらの実施形態において、パーツに必要な解像度で層を造成するために、Y軸に沿う移動も必要となる。本明細書において使用される「プロセス方向」という用語は、支持圧板14の表面における1つの軸に沿う移動を指し、「クロスプロセス方向」は、圧板におけるプロセス方向軸に直交する、支持圧板14における軸に沿う移動を指す。したがって、
図3におけるプロセスおよびクロスプロセス方向は、XおよびY軸を指す。
図3の圧板14は平面部材として示されているが、3Dプリンタの他の実施形態は、円板、回転シリンダまたはドラムの内壁、または回転円錐の圧板を含む。これらのプリンタの圧板および印字ヘッド(単数または複数)の移動は、極座標を用いて記載され得る。
【0011】
印字ヘッド(単数または複数)の排出器を動作させるために、3Dラスタプロセッサ38は、生産されるパーツの3Dデータのファイル40を受信する。これらの3Dパーツデータは、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルに包含され得る。プロセッサ38は、これらのデータを使用してラスタデータファイル42を生成し、このファイルはパーツの薄層に対応するデータを包含する。印字ヘッドドライバ46は、ラスタデータファイル42を受信し、造形および支持材料の支持圧板14への排出のために印字ヘッド(単数または複数)22における排出器を動作させて、層ごとにパーツを形成するために使用される、画素化データを生成する。印字ヘッドドライバ46およびコントローラ34は信号を生成して、圧板14および印字ヘッド(単数または複数)22の動きを、印字ヘッドにおける排出器の動きと連携させる。
【0012】
前述したように、プリンタ300など、従来技術のプリンタにおける圧板および印字ヘッド(単数または複数)の動きは符号器などで監視され、コントローラ34が、これらのコンポーネントの位置を正確に制御することが可能となる。圧板および印字ヘッド(単数または複数)を移動させるコンポーネント、または、印字ヘッド(単数または複数)により排出される滴の配置、のいずれかにおける位置エラーの他の原因は検出されず、パーツの解体が必要な全体的なエラーへと蓄積され得る。位置エラーの追加的な原因は、層が堆積された後にパーツが冷え続け、後続の層が造形される際に層が再加熱されることにより発生する、または層における材料の硬化により生じる化学現象により発生する、パーツの収縮および膨張に起因するパーツの変化および歪曲を含む。これらの収縮および膨張の度合いは、追加的な熱変化を吸収するパーツの能力が、パーツの大きさが増大するにつれて変化するため、パーツが造形されるにつれて変化する可能性がある。平坦化装置を有するプリンタにおいては、さらに、平坦化装置の動作における不正確性が物体の層における位置エラーの一因となり得る。
【0013】
これらのエラーの他の原因に対処するために、パーツが印刷される間にパーツの形態におけるエラーを検出し、パーツの後続の層の印刷において、これらのエラーを補正するプリンタが開発されてきた。そのようなプリンタの1つの実施形態が、
図1に示される。同様のコンポーネントに同様の参照番号を使用しており、プリンタ100は、圧板14、印字ヘッド(単数または複数)22、硬化デバイス30、コントローラ34、ラスタデータファイル42を生成するラスタ画像プロセッサ38、および印字ヘッドドライバ46を含む。加えて、プリンタ200は、光学センサ50および補正プロセッサ54を、さらに含む。
【0014】
1つ以上の印字ヘッド22が造形材料および支持材料の両方を排出する実施形態において、2つの材料が異なって光を反射するため、通常は光学コントラストが検出され得る。これらの実施形態において、光学センサは、照明源を伴って構成される、1次元または2次元配列の光検出器を有する光学コントラストセンサであり得る。照明源は光を物体の層に向かわせ、光検出器の配列は、照らされた層から反射した光を受けるよう配置される。材料は光を異なって反射するため、光検出器は、材料の1つから、他の材料から受けるより多くの光を受ける。光検出器は電気信号を生成し、この電気信号は、A/D変換器などにより、コントローラに分析され得る画像データに変換される。2つの材料の間の光学コントラストは、層の端および材料の間を検出するために使用され得る。主に造形材料のみを排出する他の実施形態において、光学センサは、パーツ26の地理的データを、地理的データにおける特徴の測定と併せて生成するよう構成され得る。そのような地理的光学センサは、米国イリノイ州イタスカのキーエンスコーポレーション(Keyence Corporation)から入手可能な、2次元および3次元レーザ測定システムのLJ−V7000シリーズにおけるブルーレーザセンサであり得る。このセンサは、滴の位置または造形材料滴により形成される特徴に関する位置データと共に、材料滴の測定を生成し得る。支持および造形材料の両方を排出し、平坦化装置を使用する実施形態においても、地理的光学センサは、平坦化装置の高さトリミングを検証するのに有用であり得る。
【0015】
光学センサからのデータは、データファイル52において補正プロセッサ54へ提供される。補正プロセッサ54は、端の位置データを光学コントラストセンサの画像データから生成するか、または、測定データを地理的センサから受信する。これらのデータは、以前に印刷された層のラスタデータファイル42のデータと比較され、これらのデータ間の差異を生成する。補正プロセッサ54は、これらの差異を使用して、印刷される次の層のラスタデータを修正する。印字ヘッドドライバ46は、これらの修正されたラスタデータ48を受信して、印字ヘッドの排出器を動作させるための画素化データを生成し、圧板14および印字ヘッド(単数または複数)22の動きを制御する。この手法において、センサ34は、以前に印刷された層において起こるエラーを測定し、補正プロセッサ54は、次の層を形成するためのデータを、これらの測定されたエラーデータで調整して、測定されたエラーを補正し、パーツを誤差内に維持する。
【0016】
例えば、プリンタが既知の直径の球形物体を造形している場合、材料を通過する任意の高さでの断面の円の直径は、光学コントラストセンサから受信される画像データから取得され得るか、または、地理的光学センサからの測定データを参照して判定され得る。光学コントラストセンサを使用する1つの実施形態において、層の端は、各層が支持材料と造形材料との間の画像データにおける光学コントラストから印刷された後、判定される。測定された領域に最も適する円の直径が、この層のパーツの目的の直径より大きい場合、次の層のデジタル画像は、測定された直径が目的の直径と一致するよう縮小される。ある条件下では、パーツの熱の局所的変化により、外周が円形から逸脱する可能性がある。例えば、パーツは円のある位置で膨らみを示し始めるかもしれない。これを補正するために、ラスタデータが調整され、次の層の膨らんだ位置に窪みを形成することで、パーツが造形されるにつれて目的の円形状が維持され得る。
【0017】
3D物体において測定されたエラーを印刷中に補正するプリンタを動作させる方法が、
図2に示される。この方法の説明において、プロセスが、あるタスクまたは機能を行っているという記述は、コントローラ、または、コントローラと動作可能に接続されるメモリに保存されるプログラム命令を実行する汎用プロセッサ、または、データを操作またはプリンタの1つ以上のコンポーネントを動作させて、タスクまたは機能を実行するプロセッサ、を指す。上述のコントローラ34、38、および54は、そのようなコントローラまたはプロセッサであり得る。代替的に、これらのコントローラは、2つ以上のプロセッサおよび関連する回路およびコンポーネントを伴って実装されてもよく、それらの各々が、本明細書に説明される1つ以上のタスクまたは機能を形成するよう構成される。
【0018】
物体印刷動作の始めに、ラスタ画像プロセッサは、パーツの3Dデータのデータファイルを受信する(ブロック204)。ラスタ画像プロセッサ54は、印刷される層のラスタ画像データを生成して、パーツを形成する(ブロック208)。最初の層では、層で起こる任意の歪曲に関する先験的な情報は存在しないため、センサ差分データは元の値に初期化される(ブロック212)。補正プロセッサ54は、最初の層のラスタ画像データを印字ヘッドドライバ46まで通過させ(ブロック216)、ドライバは、印字ヘッドの排出器を動作させて圧板14および印字ヘッド(単数または複数)22の移動を制御するための画素化データを生成する(ブロック220)。1つ以上の層が印刷された後、光学センサは、最上層の端に対応するデータを生成する(ブロック224)。これらのデータは、上述したように、光学コントラスト画像データまたは地理的および測定データであり得る。ラスタ画像プロセッサ54は別の層が印刷されるか判定し(ブロック228)、別の層が印刷される場合、プロセッサは、端に対応するデータを以前に印刷された層のラスタ画像データファイル42のデータと比較し、これらのデータ間の差分を生成する(ブロック232)。補正プロセッサ54は、これらの差分を使用して、印刷される次の層のラスタデータを修正する(ブロック216)。差分が、端が端の目的の位置より膨らんでいることを示す場合、補正プロセッサ54は、ラスタ画像データの画素を、印刷される次の層の膨らんだ端の位置で、支持材料画素に変化させる。代替的に、端が、窪みが物体に形成されていることを示す場合、補正プロセッサ54は、印刷される次の層において支持材料画素を造形材料画素に変換する。印字ヘッドドライバ46は、これらの修正されたラスタデータを受信して、印字ヘッドの排出器を動作させ圧板14および印字ヘッド(単数または複数)22の動きを制御する、画素化データを生成する(ブロック220)。この補正スキームは、印刷される層がなくなるまで続行され(ブロック228)、プロセスが終了する(ブロック240)。