【実施例】
【0018】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。尚、以下において、
図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
【0019】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、該遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠とも言う)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
【0020】
図1及び
図4に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板200と、該盤面板200の背面200B側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。
【0021】
遊技盤の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0022】
遊技盤における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
【0023】
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
【0024】
演出表示装置5は、遊技盤よりも背面側に配設され、盤面板200に形成された第1孔部201を通して視認できるようになっており、該第1孔部201には、枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
【0025】
図1に示すように、演出表示装置5の表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
【0026】
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
【0027】
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
【0028】
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド(図示略)によって開閉駆動される可変入賞口扉6C(
図11参照)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。
【0029】
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ(図示略)によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ(図示略)によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
【0030】
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド(図示略)によって開閉駆動される大入賞口扉7B(
図11参照)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口7Aを形成する。このように、特定領域としての大入賞口7Aは、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
【0031】
大入賞口7Aを通過(進入)した遊技球がカウントスイッチ(図示略)によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口7Aが開放状態となれば、その大入賞口7Aに遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口7Aが閉鎖状態となれば、大入賞口7Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0032】
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
【0033】
遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口11が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
【0034】
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。
【0035】
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1の背面には、例えば図示しない主基板、演出制御基板、音声制御基板、LED制御基板、主基板と演出制御基板との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0036】
主基板(図示略)は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板(図示略)などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ(図示略)や、スイッチ回路(図示略)、ソレノイド回路などの各種回路が搭載されている。
【0037】
主基板には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ、第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチ、カウントスイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0038】
主基板から中継基板を介して演出制御基板に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
【0039】
主基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータは、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)と、CPUとは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路と、I/O(Input/Outputport)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータでは、CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
【0040】
演出制御基板(図示略)は、主基板とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板を介して主基板から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
【0041】
演出制御基板(図示略)には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPUと、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROMと、演出制御用CPUのワークエリアを提供するRAMと、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部と、演出制御用CPUとは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路と、I/Oとが搭載されている。一例として、演出制御基板では、演出制御用CPUがROMから読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
【0042】
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの開放制御が行われ、所定時間が経過すると閉鎖制御が行われる。
【0043】
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
【0044】
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0045】
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
【0046】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。
【0047】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。
【0048】
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可変入賞口扉6Cを開放する開放時間を通常状態のときよりも長くする制御、その開放回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。
【0049】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板(図示略)では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ(図示略)が起動し、CPU(図示略)によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
【0050】
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口7Aの開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
【0051】
特別図柄プロセス処理において、CPUは、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
【0052】
また、CPUは、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPUは、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
【0053】
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口7Aを開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
【0054】
次に、遊技盤2について、
図3〜
図15に基づいて説明する。
図3は、遊技盤を示す正面図である。
図4は、遊技盤の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図5は、
図4の要部を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図6は、
図4の要部を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図7は、(A)はセンター飾り枠を示す正面図、(B)は背面図である。
図8は、(A)は盤面板の上部を示す背面図、(B)はセンター飾り枠が取付けられた盤面板の上部を示す背面図である。
図9は、(A)は
図3のA−A断面図、(B)は(A)の要部拡大図である。
図10は、
図3のB−B断面図である。
図11は、特別可変入賞球装置及びその周辺を示す斜視図である。
図12は、第1誘導部材ユニットが取付けられた盤面板の要部を示す背面図、(B)は(A)の斜視図である。
図13は、
図3のF−F断面図である。
図14は、(A)は
図3のC−C断面図、(B)は
図3のD−D断面図である。
図15は、
図3のE−E断面図である。
【0055】
図3〜
図6に示すように、遊技盤2は、盤面板200と、該盤面板200の背面200B側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。盤面板200の厚さは約10mm程度であり、全体が透明に形成されている。また、盤面板200は、その前面側に該盤面板200と略平行に配置されるガラス窓50aとの間に遊技領域10を形成する。
【0056】
尚、本実施例では盤面板200全体が透明に形成されているが、当該盤面板200の前面側からその背面側に配設される装飾体(図示略)等を透視可能な透光性部材にて形成されていれば、半透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、全体が透光性を有していなくても、少なくとも遊技領域10の一部に透光部が形成されていてもよい。
【0057】
スペーサ部材250は、非透光性部材により正面視略四角枠状に形成され、盤面板200の背面200B周縁部が配置される取付部250Aを有し、該取付部250Aの前面部には、盤面板200の位置を決定するための位置決め用ボスが複数突設されているとともに、取付ネジが螺入されるネジ孔を有する取付用ボスが複数突設されている。尚、スペーサ部材250における取付部250Aの板厚は約10mm程度とされているため、スペーサ部材250と盤面板200とで板厚が約20mmの遊技盤2が形成されるようになっている。
【0058】
盤面板200には、背面側に配設される演出表示装置5の表示画面を前面側に臨ませるとともに、センター飾り枠51がネジN1を介して取付けられる第1孔部201と、特別可変入賞球装置7及び普通可変入賞球装置6Bを有する第1誘導部材ユニット300がネジN2を介して取付けられる第2孔部202と、普通入賞球装置6AがネジN3を介して取付けられる第3孔部203と、アウト口11を形成する第4孔部204と、通過ゲート41がネジN4を介して取付けられる第5孔部205と、一般入賞口形成部材12A〜12CがネジN5を介して取付けられる第6孔部206A〜206Cと、が前後方向に貫通して形成されている。
【0059】
また、盤面板200の前面である遊技盤面200Aには、遊技領域10の周囲に設けられガイドレール2bが一体に設けられたレール飾り枠400がネジN6を介して取付けられている。尚、一部のネジN6は、盤面板200を挿通してスペーサ部材250のネジ孔(図示略)に螺入されている。また、遊技盤面200Aにおける第1誘導部材ユニット300の右斜め上方位置には遊技球を誘導する第2誘導部材ユニット301がネジN7を介して取付けられ、遊技盤面200Aにおける一般入賞口形成部材12Aの左方位置には、遊技球を誘導する第3誘導部材ユニット302がネジN8を介して取付けられている。
【0060】
図5〜
図7に示すように、センター飾り枠51は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて形成され、枠状に形成される前壁部501と、前壁部501の後端から内側に向けて形成される取付壁部502と、取付壁部502の内周縁から後側に向けて枠状に形成される後壁部503と、左側下部に設けられるワープ通路504と、ワープ通路504により誘導された遊技球が供給されるステージ505と、を主に有する。ステージ505は、ワープ通路504から進入した遊技球を左右に転動させた後、前端辺から下方に落下可能に形成されている。また、背面には壁部(
図10参照)が形成されていて落下不能とされている。
【0061】
特に
図7(A)(B)に示すように、取付壁部502から背面側に突出する後壁部503は、第1孔部201の開口周縁のやや内側を該開口周縁に沿うように枠状に形成され、該第1孔部201に挿入可能とされている。また、取付壁部502から前面側に突出する前壁部501は、ステージ505を除く上部及び左右側部においては取付壁部502を介して後壁部503の外側に配置される一方、下辺部において後壁部503と交差して該後壁部503の内側に配置されている。よって、取付壁部502の下辺部502Aは、前壁部501よりも外側に配置されるとともに、前壁部501と後壁部503との間に形成された空間にステージ505が形成されている。
【0062】
取付壁部502には、ネジN1を取付けるための取付孔510が複数個所に形成されており、該取付孔510に取付けたネジN1を盤面板200に形成されたネジ孔511に螺入することで、センター飾り枠51が盤面板200に取付けられる。また、取付壁部502の背面における取付孔510の近傍には位置決め突起512が突設されており、該位置決め突起512を盤面板200に形成された位置決め孔513に嵌合させることで、盤面板200に対するセンター飾り枠51の取付位置を決定できるようになっている。
【0063】
このように構成されたセンター飾り枠51は、
図5に示すように、盤面板200の前面側から後壁部503を第1孔部201に挿入し、各位置決め突起512を各位置決め孔513に嵌合して取付位置を決定した後、各取付孔510に取付けたネジN1をネジ孔511に螺入することで、盤面板200に取付けられる。
【0064】
図3に示すように、センター飾り枠51を第1孔部201に取付けると、遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bにより囲まれた遊技領域10(
図3において網点で示す領域)におけるガイドレール2bとセンター飾り枠51の前壁部501との間に、遊技球Pが流下可能な流下領域Z(
図3において網点と斜線で示す領域)が形成される。
【0065】
具体的には、遊技盤2の右下方に設けられる図示しない発射装置から打ち出された遊技球Pは、発射球通路401を上方に向けて移動して遊技領域10の左上部へ誘導される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを第1操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠51の左側の第1経路K1を流下し、遊技者が打球操作ハンドルを第1操作よりも発射強度が強くなる第2操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠51の右側の第2経路K2を流下するようになっている。
【0066】
図9及び
図10に示すように、センター飾り枠51の前壁部501は、センター飾り枠51が盤面板200に取付けられたときに遊技盤面200Aに対し前方に向けて突出するように立設されることで、遊技領域10に打ち込まれた遊技球Pに接触可能に設けられる構造物の突出部を構成し、センター飾り枠51の内側への遊技球Pの進入を規制する。特に
図9(B)に示すように、前壁部501は、後端から前端に向けて外側、つまり、遊技球Pの流下領域Z側へ向けて所定角度θ1(例えば、約5度)傾斜しているので、接触した遊技球Pが遊技盤面200A側へ向けて跳ね返るようになる。このようにすることで、例えば、遊技球Pがガラス窓50aに接触してガラス窓50aを傷つけたり接触音が生じることを抑制できる。特に、ガラス窓50aがアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂板にて形成される場合においては、透明板に傷がついて遊技領域10の視認性が低下することが抑制される。
【0067】
また、取付壁部502は、下辺部502Aのように前壁部501の外側、つまり、流下領域に配置されている部分を除いて、前壁部501の内側、つまり、遊技盤面200Aにおける流下領域Z以外の個所(前壁部501により遊技盤面200Aに形成される非流下領域(
図3において網点のみで示す領域))に該遊技盤面200Aに沿うように配置されている。よって、センター飾り枠51を盤面板200に取付けるための取付壁部502が遊技球Pの流下領域に配置されることで、遊技球Pに接触して流下(移動)に影響を及ぶことを防止できる。
【0068】
具体的には、例えば、取付壁部502の下辺部502Aのように、前壁部501の外側の流下領域Zに配置されている場合、遊技盤面200Aとの間に前壁部501の板厚分の段差が生じ、遊技盤面200Aに沿って流下してきた遊技球Pがこの段差にぶつかってガラス窓50a側に弾かれて移動軌跡が変わってしまうことがあるが、本実施例の取付壁部502のように、前壁部501の内側の非流下領域に配置されることで、流下領域Zに段差を形成しないで済む。
【0069】
尚、本実施例では、取付壁部502の下辺部502Aは、ステージ505の前端から下方へ垂下されているため、ステージ505との間に段差はなく、また、側方や下方から遊技球Pが移動してくることはないので、上記のように段差により遊技球Pの流下に影響が及ぶことは少ない。言い換えると、センター飾り枠51の下部を除く上部や左右側部において、取付壁部502が前壁部501の外側の流下領域Zに配置されていると、取付壁部502の外周縁部、つまり、段差が取付壁部502の上方や左右側方に形成され、該段差により遊技球Pの流下に影響が及びやすくなるので、センター飾り枠51の下部を除く上部や左右側部においては、取付壁部502は前壁部501の内側の流下領域Z以外の個所に配置されていることが好ましい。
【0070】
さらに、センター飾り枠51の左上部における前壁部501の外周には、発射球通路401から進入し衝突した遊技球Pを第1経路K1へ誘導する左斜め下方を向く誘導傾斜面402が形成されている。この誘導傾斜面402は、前壁部501において遊技球Pが衝突する機会が最も多い個所であり、左側方から移動してくる遊技球Pが衝突する。このように、遊技球Pが左側方から移動してくる個所においても取付壁部502は前壁部501の内側に配置されているため、段差により遊技球Pの流下に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0071】
また、取付壁部502が前壁部501の外側の流下領域Zに形成されないことで、流下領域Zにおける前壁部501の近傍にも障害釘(図示略)を配置することができるため、ゲージの設計自由度が向上する。さらに、本実施例では、盤面板200が透光性部材にて構成されているが、該盤面板200の背面200B側に演出表示装置5の一部や装飾体(図示略)等が盤面板200の前面側から透視可能に配置されている場合、取付壁部502により視認が妨げられることを抑制できる。
【0072】
また、取付壁部502は、遊技盤面200Aにおける非流下領域に平面を当接させた状態で取付けられるため、前壁部501を安定して支持することができる。また、取付壁部502における取付孔510の近傍は、取付孔510や位置決め突起512がない場所に比べて遊技盤面200Aとの当接面積が大きくなっていることで、盤面板200に安定して取付けられるとともに、取付孔510や位置決め突起512がない場所は遊技盤面200Aとの当接面積が小さいので、流下領域を極力占有しないようにすることができる。
【0073】
また、取付壁部502の内周縁部から後壁部503が後側に向けて屈曲して形成されることで、前壁部501と取付壁部502のみよりセンター飾り枠51を形成する場合に比べてセンター飾り枠51の強度が向上する。また、後壁部503は、第1孔部201に挿入されたときに該第1孔部201の内周面と後壁部503の外周面との間に隙間が形成されることで、前壁部501に遊技球Pが衝突したときに生じる振動が盤面板200に伝達されにくくなるので、盤面板200に生じる振動を抑制することができるとともに、第1孔部201の内周面と後壁部503の外周面とが振動により擦れることにより削られた樹脂の粉が噴き出て盤面板200に付着し、見栄えが悪くなることを抑制できる。
【0074】
次に、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301及び第3誘導部材ユニット302について、
図5、
図6、
図11〜
図15に基づいて説明する。
【0075】
図5、
図6、
図11〜
図15に示すように、第1誘導部材ユニット300は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて、後面が開口する箱状に形成され、第2孔部202に挿入可能に形成される挿入部310と、挿入部310の前面に突設された突出部311と、挿入部310の後端から外方に広がるように形成された取付壁部312と、を有する。
【0076】
取付壁部312には、ネジN2を取付けるための取付孔320が複数個所に形成されており、該取付孔320に取付けたネジN2を盤面板200の背面200Bに形成されたネジ孔321に螺入することで、第1誘導部材ユニット300が盤面板200に取付けられる。また、取付壁部312の前面における取付孔320の近傍には位置決め突起323が突設されており、該位置決め突起323を盤面板200に形成された位置決め孔324に嵌合させることで、盤面板200に対する第1誘導部材ユニット300の取付位置を決定できるようになっている。
【0077】
挿入部310は、正面視において第2孔部202よりやや小さく形成され、第2孔部202に挿入されたときに外周面と第2孔部202の内周面との間に隙間が形成されるようになっている。このように隙間が形成されることで、突出部311に遊技球Pが衝突したときに生じる振動が盤面板200に伝達されにくくなるので、盤面板200に生じる振動を抑制することができるとともに、挿入部310外周面と第2孔部202の内周面とが振動により擦れることにより削られた樹脂の粉が噴き出て盤面板200に付着し、見栄えが悪くなることを抑制できる。
【0078】
また、挿入部310の前面310Aは平坦状に形成され、盤面板200に取付けたときに遊技盤面200Aとほぼ面一をなすようになっている。また、前面310Aの左側には大入賞口7Aが形成され、該大入賞口7Aは、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉7Bにより開閉可能とされている。特に図示しないが、この大入賞口7Aの背面側に該大入賞口7Aに進入した遊技球Pを誘導する通路やソレノイド等の特別可変入賞球装置7を構成するユニットが配設される。
【0079】
突出部311は、挿入部310の前面310Aに対し前方に突設され、流下領域を流下する遊技球Pに接触可能に設けられている。突出部311の上面には、右側から左側へ向けて下方に傾斜する誘導通路313が形成されており、該誘導通路313には、第2始動入賞口を開閉可能とする可変入賞口扉6Cが、遊技盤面200Aから背面側に退避する退避位置と前方に突出する突出位置との間でスライド移動可能に設けられている。
【0080】
よって、誘導通路313へ誘導された遊技球Pは、誘導通路313の右側から左側へ誘導された後、左側端部から落下し、大入賞口7Aが開放状態であるときは大入賞口7Aに進入する。また、可変入賞口扉6Cが開放状態であるときは第2始動入賞口に進入する。
【0081】
このように構成された第1誘導部材ユニット300は、
図5に示すように、盤面板200の背面200B側から挿入部310を第2孔部202に挿入し、各位置決め突起323を各位置決め孔324に嵌合して取付位置を決定した後、各取付孔320に取付けたネジN2をネジ孔321に螺入することで、盤面板200に取付けられる。
【0082】
そして、
図12及び
図13に示すように、取付壁部312は、第1誘導部材ユニット300が盤面板200に取付けられた状態において、盤面板200の背面200B、つまり、流下領域Z以外の個所(遊技盤面200A以外の個所)である盤面板200の背面200Bに沿うように配置されている。このように、センター飾り枠51を盤面板200に取付けるための取付壁部312が、遊技球Pが流下しない背面200Bに配置されることで、遊技球Pに接触して流下(移動)に影響を及ぶことを防止できる。また、遊技盤面200Aに取付壁部312の配置スペースを確保する必要がないので、流下領域の設計自由度が向上する。
【0083】
尚、本実施例では、突出部311は挿入部310の前面310Aの一部に突設されていたが、全域、つまり、挿入部310全体が遊技盤面200Aより前方に突出するように形成されていてもよい。
【0084】
次に、第2誘導部材ユニット301及び第3誘導部材ユニット302について、
図5、
図6、
図11〜
図15に基づいて説明する。
【0085】
図5、
図6、
図11〜
図15に示すように、第2誘導部材ユニット301は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて、後面が開口する箱状に形成され、板状部材により枠状に形成される突出部351と、枠状に形成された突出部351の後面開口を閉鎖するように設けられる取付壁部352と、を有する。
【0086】
取付壁部352には、ネジN7を取付けるための取付孔360が上下2個所に形成されており、該取付孔360に取付けたネジN7を盤面板200の遊技盤面200Aに形成されたネジ孔361に螺入することで、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられる。また、取付壁部352の背面における取付孔360の近傍には位置決め突起363が突設されており、該位置決め突起363を盤面板200に形成された位置決め孔364に嵌合させることで、盤面板200に対する第2誘導部材ユニット301の取付位置を決定できるようになっている。
【0087】
突出部351は、遊技盤面200Aに対し突出するように設けられ、突出部351の上面には、右側から左側へ向けて下方に傾斜する第1誘導通路351Aと、第1誘導通路351Aの下方に段違いに配置される第2誘導通路351Bと、が形成されている。よって、第1誘導通路351Aへ誘導された遊技球Pは、第1誘導通路351Aの右側から左側へ誘導された後に左側端部から落下し、第2誘導通路351Bの右側から左側へ誘導された後に左側端部から落下する。そして、下方の突出部351の第1誘導通路351Aの右端または該第1誘導通路351Aの右側へ落下する。第1誘導通路351Aの右側へ落下した遊技球Pは、突出部351とガイドレール2bとの間に形成された誘導通路を通過してアウト口11へ誘導される。
【0088】
このように構成された第2誘導部材ユニット301は、
図5に示すように、盤面板200の遊技盤面200A側から、各位置決め突起363を各位置決め孔364に嵌合して取付位置を決定した後、各取付孔360に取付けたネジN7をネジ孔361に螺入することで、盤面板200に取付けられる。
【0089】
そして、
図14(A)及び
図15に示すように、取付壁部352は、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられた状態において、突出部351を構成する板状壁により囲まれて遊技球Pの進入が規制されることで遊技球Pが流下しない板状壁の内側の非流下領域に配置されている。このように、第2誘導部材ユニット301を盤面板200に取付けるための取付壁部352が、遊技球Pの流下領域Z以外の個所に配置されることで、遊技球Pに接触して流下(移動)に影響を及ぶことを防止できる。また、遊技盤面200Aに取付壁部352の配置スペースを確保する必要がないので、流下領域の設計自由度が向上する。
【0090】
また、特に
図15に示すように、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられたときに、取付壁部352の一部(左斜辺部)が、第2孔部202の右上斜辺部に沿うように前面310Aの前側に重なって配置されることで、該第2孔部202の内周面と挿入部310との間に形成される隙間の一部が前面側から塞がれる。これにより隙間を非流下領域とすることができるので、流下領域に前面310Aと遊技盤面200Aとの間に生じる段差が生じて遊技球Pの流下に影響を及ぶことを防止できる。
【0091】
尚、第3誘導部材ユニット302は、
図3に示す第1経路K1を流下してきた遊技球Pを右側へ向けて誘導する誘導通路を上面に有する構造物であり、第2誘導部材ユニット301と形状が異なるだけで構成や機能はほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0092】
以上説明したように、本発明の実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、遊技球Pが流下する流下領域Zを形成する盤面板200と、盤面板200に設けられる構造物(例えば、センター飾り枠51、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302)と、を備え、前記構造物は、流下領域Zを流下する遊技球Pに接触可能に配置され、盤面板200に取付けるための取付部(例えば、取付壁部502、取付壁部312、取付壁部352)を有し、前記取付部は、盤面板200に各構造物を設けた状態において流下領域Z以外の個所に配置される。
【0093】
例えば、取付壁部502は、センター飾り枠51が盤面板200に取付けられた状態において、下辺部502Aのように前壁部501の外側、つまり、流下領域に配置されている部分を除いて、前壁部501の内側、つまり、遊技盤面200Aにおける流下領域Z以外の個所(前壁部501により遊技盤面200Aに形成される非流下領域)に該遊技盤面200Aに沿うように配置されている。また、取付壁部312は、第1誘導部材ユニット300が盤面板200に取付けられた状態において、盤面板200の背面200B、つまり、流下領域以外の個所(遊技盤面200A以外の個所)である盤面板200の背面200Bに沿うように配置されている。また、取付壁部352は、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられた状態において、突出部351を構成する板状壁により囲まれて遊技球Pの進入が規制されることで遊技球Pが流下しない板状壁の内側の非流下領域に配置されている。
【0094】
このようにすることで、各構造物(センター飾り枠51、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302)を盤面板200に取付けるための取付部(例えば、取付壁部502、取付壁部312、取付壁部352)に遊技球Pが接触して遊技球Pの流下に影響を及ぶことを防止できる。また、各取付壁部502,312,352が流下領域Z以外の個所に配置されることで、流下領域Zに設けられる障害釘(図示略)や各種入賞口等の設置自由度が向上する。
【0095】
尚、センター飾り枠51、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302等の盤面板200に設けられる構造物とは、盤面板200に取付けたときに遊技盤面200Aに対し突出し、流下領域Zを流下する遊技球Pに接触可能に配置される突出部を少なくとも有するものであればよい。つまり、衝突した遊技球Pを所定方向へ誘導する障害物であればよく、突出部には、入賞口形成部材や通過ゲート41だけでなく、風車等も含む。
【0096】
また、本実施例では、第1誘導部材ユニット300は、盤面板200において流下領域Zを形成する遊技盤面200Aと反対側の背面200Bから第2孔部202に挿入することにより該盤面板200に設けられ、取付壁部312は、第1誘導部材ユニット300が盤面板200に取付けられた状態において、盤面板200の背面200B、つまり、流下領域以外の個所(遊技盤面200A以外の個所)である盤面板200の背面200Bに沿うように配置されている。このようにすることで、第1誘導部材ユニット300を盤面板200に取付けるための取付壁部312に遊技球Pが接触して流下に影響を及ぶことを防止できる。また、遊技盤面200Aに取付壁部312の配置スペースを確保する必要がないので、流下領域Zの設計自由度が向上する。
【0097】
また、本実施例では、センター飾り枠51は、盤面板200において流下領域Zを形成する遊技盤面200Aに対し突出する突出部としての前壁部501を有し、取付壁部502は、センター飾り枠51が盤面板200に取付けられた状態において、下辺部502Aのように前壁部501の外側、つまり、流下領域に配置されている部分を除いて、前壁部501の内側、つまり、遊技盤面200Aにおける流下領域Z以外の個所(前壁部501により遊技盤面200Aに形成される非流下領域)に該遊技盤面200Aに沿うように配置されていることで、センター飾り枠51を盤面板200に取付けるための取付壁部502に遊技球Pが接触して流下に影響を及ぶことを防止できる。
【0098】
また、取付壁部502は、前壁部501の後端から遊技盤面200Aに沿うように屈曲形成され、該遊技盤面200Aに対し当接する当接面を有する板状に形成されていることで、前壁部501を安定して支持することができる。
【0099】
また、本実施例では、構造物としてのセンター飾り枠51は、第1孔部201に挿入される後壁部503を有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも突出部としての前壁部501と取付部としての取付壁部502とを有していれば、必ずしも後壁部503は形成されていなくてもよい。
【0100】
また、本実施例では、取付壁部502は前壁部501に沿って枠状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、取付壁部502は前壁部501の一部に部分的に形成されていてもよい。
【0101】
また、本実施例では、第2誘導部材ユニット301は、盤面板200において流下領域Zを形成する遊技盤面200Aに対し突出する突出部351を有し、取付壁部352は、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられた状態において、突出部351を構成する板状壁により囲まれて遊技球Pの進入が規制されることで遊技球Pが流下しない板状壁の内側の非流下領域に配置されていることで、第1誘導部材ユニット300を盤面板200に取付けるための取付壁部352に遊技球Pが接触して流下に影響を及ぶことを防止できる。
【0102】
また、取付壁部352は、突出部351の後面を覆うように形成され、遊技盤面200Aに対し当接する当接面を有する板状に形成されていることで、突出部351を安定して支持することができる。また、突出部351は、前面が開口する枠状に形成されており、該前面開口からネジN7を取付けることができるので、第2誘導部材ユニット301を遊技盤面200Aの任意の個所に前面側から容易に取付けることができる。
【0103】
また、本実施例では、第1構造物としての第1誘導部材ユニット300と該第1構造物に隣接する第2構造物としての第2誘導部材ユニット301とを含み、第1誘導部材ユニット300の取付壁部312は、第1誘導部材ユニット300が盤面板200に取付けられた状態において、盤面板200の背面200B、つまり、遊技盤面200A以外の個所である盤面板200の背面200Bに沿うように配置され、第2誘導部材ユニット301の取付壁部352は、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられた状態において、突出部351を構成する板状壁により囲まれて遊技球Pの進入が規制されることで遊技球Pが流下しない板状壁の内側の非流下領域に配置されている。このようにすることで、複数の構造物を隣接して配置できるとともに、第1誘導部材ユニット300と第2誘導部材ユニット301とを盤面板200に取付けるための取付壁部に遊技球Pが接触して流下に影響を及ぶことを防止できる。
【0104】
また、本実施例では、第1構造物としての第1誘導部材ユニット300と該第1構造物に隣接する第2構造物としての第2誘導部材ユニット301とを含み、第1誘導部材ユニット300は、
図5に示すように、盤面板200の背面200B側から挿入部310を第2孔部202に挿入し、各位置決め突起323を各位置決め孔324に嵌合して取付位置を決定した後、各取付孔320に取付けたネジN2をネジ孔321に螺入することで盤面板200に取付けられ、挿入部310の前面310Aは、盤面板200に取付けたときに遊技盤面200Aとほぼ面一をなすようになっている。そして、第2誘導部材ユニット301が盤面板200に取付けられたときに、取付壁部352の一部(左斜辺部)が、第2孔部202の右上斜辺部に沿うように前面310Aの前側に重なって配置されることで、該第2孔部202の内周面と挿入部310との間に形成される隙間の一部が前面側から塞がれる。
【0105】
このようにすることで、第1誘導部材ユニット300の前面310Aと第2孔部202との間に生じる隙間を塞ぐように突出部351を設けることができ、これにより隙間を非流下領域とすることができるので、流下領域に前面310Aと遊技盤面200Aとの間に生じる段差が生じて遊技球Pの流下に影響を及ぶことを防止できる。
【0106】
また、本実施例では、第1構造物(例えば、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301など)よりも遊技球Pが接触する頻度が高い位置に配置される第2構造物(例えば、センター飾り枠51)にあっては、取付壁部502を、前壁部501の内側、つまり、遊技盤面200Aにおける流下領域Z以外の個所である非流下領域に配置することが好ましい。
【0107】
ここで、通常遊技状態においては、第1操作により第1経路K1を遊技球Pが流下することが多いため、この第1経路K1に配置されている第2構造物としてのセンター飾り枠51は、第2操作が行われたときに遊技球Pが流下する第2経路K2に配置されている第1構造物としての第1誘導部材ユニット300や第2誘導部材ユニット301に比べて、遊技球Pが接触する機会が多い部材である。よって、取付壁部502を、遊技盤面200Aにおける流下領域Z以外の個所である非流下領域に配置することで、センター飾り枠51の前壁部501を、遊技盤面200Aを利用して安定して支持することができる。
【0108】
また、本実施例では、第1経路K1に配置されている第2構造物としての第3誘導部材ユニット302は、第2経路K2に配置されている第1構造物としての第1誘導部材ユニット300や第2誘導部材ユニット301に比べて、遊技球Pが接触する機会が多い部材であるため、第3誘導部材ユニット302を盤面板200に取付けた状態において、第3誘導部材ユニット302の取付壁部は、突出部351を構成する板状壁により囲まれて遊技球Pの進入が規制されている板状壁の内側の領域、つまり、流下領域Z以外の非流下領域に配置されることが好ましい。このようにすることで、第3誘導部材ユニット302の突出部を、遊技盤面200Aを利用して安定して支持することができる。
【0109】
すなわち、上記のように遊技球Pが衝突する頻度が他よりも高い構造物にあっては、第1誘導部材ユニット300のように、取付壁部312を背面200Bに配置するよりも、センター飾り枠51の取付壁部502や第2誘導部材ユニット301の取付壁部352のように、遊技盤面200Aにおける非流下領域に配置する方が、遊技球Pが接触する部分により近い位置で取付固定することができるため、安定性が向上する。
【0110】
また、本実施例では、ガラス窓50aとともに遊技球Pが流下する流下領域Zを形成する盤面板200は、透光性部材にて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて構成されていてもよい。
【0111】
また、本実施例では、流下領域Zを流下する遊技球Pに接触可能に盤面板200に取付けられる構造物として、センター飾り枠51、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302を例示した形態を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の構造物(例えば、始動入賞口や一般入賞口を形成する入賞口形成部材や通過ゲート41など)に本発明を適用してもよい。
【0112】
また、本実施例では、構造物を盤面板200に取付けるための取付部として、遊技盤面200A上に配置される取付壁部502及び取付壁部352と、背面200B上に配置される取付壁部312を例示した形態を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、流下領域Z以外の個所に配置されるようになっていれば、例えば、センター飾り枠51において、第1孔部201に挿入される後壁部503を取付部とし、後壁部503の内側から第1孔部201の内周面にネジを取付けて固定するようにしてもよい。つまり、取付部としての後壁部503が第1孔部201の内周面に配置されるようにしてもよい。
【0113】
また、構造物の突出部は、センター飾り枠51の前壁部501や突出部351のように枠状に形成されていてもよいし、突出部311のように膨出部や凸部にて形成されていてもよい。また、形状や配置位置も実施例に記載したものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0114】
また、本実施例では、取付部としての各取付壁部502,312,352は、ネジにより盤面板200に取付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、接着剤や溶着により盤面板200に取付けられていてもよい。
【0115】
また、本実施例では、取付部としての各取付壁部502,312,352は、ネジ孔が形成される板状片にて形成され、遊技盤面200Aや背面200Bに当接可能に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記のように板状の部位に限定されるものではなく、例えば、前壁部501の内周面の所定箇所に突設され、前後方向を向くネジ孔を有するボス(筒状部、柱状部)等であってもよい。
【0116】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0117】
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
【0118】
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。