【実施例】
【0014】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2、
図3参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板等の透視保護体13aを備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
【0015】
(中枠)
前記中枠12は、
図1に示すように、上縁をなす上枠部と、下縁をなして打球発射装置等が設置された下枠部と、左側縁をなす左枠部と、右側縁をなす右枠部とから構成され、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。中枠12には、遊技盤20を前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部が設けられている。そして中枠12は、外枠11の左上および左下に設けられたヒンジ17,17を介して該外枠11に枢支され、該外枠11に対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよい。
【0016】
(前枠)
前記前枠13は、
図1に示すように、中枠12の外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する窓口18が開設された枠本体の前側に、該窓口18を囲むように複数の装飾部材19が取付けられている。窓口18には、前記透視保護体13aが配設されている。そして、装飾部材19内には、LEDチップを実装しランプ装置28が配設され、該発光基板のLEDチップが発光制御されることで装飾部材19の光透過部分が明輝されるようになっている。また、前側13の上部には、効果音等を発生可能なスピーカ29が配設されている。
【0017】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2および
図4に示すように、中枠12に設けられた遊技盤保持部の内縁形状に整合する外形形状に形成された略矩形の平板状の部材である。遊技盤20は、ベニア等を貼り合わせた木製合板または透明な合成樹脂板から形成されている。そして、遊技盤20の後側には、後述する設置部材55が配設されており、該設置部材55には、後述する可動演出装置100が配設されている。遊技盤20の前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール21と、この外レール21の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール22と、外レール21の右上部から内レール22の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材23等が配設されており、両レール21,22および盤面飾り部材23で囲まれた内側が遊技領域24として構成されている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口が遊技領域24内に複数開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤構成部品が前側から取付けられる。また、遊技領域24の最下部位置には、該遊技領域24に打ち出されたパチンコ球(遊技球)を排出するアウト口25が開設されている。更に、遊技盤20には、遊技領域24内に多数の遊技釘26や回転体27が配設されており、遊技領域24を流下するパチンコ球が、遊技釘26や回転体27に接触することで流下方向を不規則に変化したり誘導されるようになっている。なお、遊技盤20に開設される装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に対して取付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
【0018】
図2に示すように、前記遊技盤20に開設された装着口には、後述する枠状装飾体50、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置(始動入賞手段)30、特別入賞装置(特別入賞手段)40、普通入賞具45、ゲート部材48などが取り付けられている。枠状装飾体50は、遊技領域24の中央において略円形状に開口形成された装着口に配設され、左側の第1遊技領域24aおよび右側の第2遊技領域24bに遊技領域24を分けている。始動入賞装置30は、枠状装飾体50が配設された装着口の下方に開口形成された装着口に配設される。特別入賞装置40は、始動入賞装置30が配設された装着口の右側に開口形成された装着口に配設されている。また、第1遊技領域24aの下方に形成された2つの装着口に普通入賞口46が夫々配設されると共に、特別入賞装置40に1つの普通入賞具45が設けられている。また、ゲート部材48は、特別入賞装置40に設けられている。
【0019】
(始動入賞装置30について)
前記始動入賞装置30は、
図2に示すように、上方に設けられた第1始動入賞口31と、該第1始動入賞口31の下方に設けられた第2始動入賞口32とを備えている。第1始動入賞口31は、該第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御手段としてのメイン制御基板70(
図17参照)へ送信する第1始動入賞検出センサ33(
図17参照)を備えている。すなわち、第1始動入賞口31は、遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口であり、該遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。そして、第1始動入賞検出センサ33からの検出信号を受信したメイン制御基板70は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(当り判定)を行うようになる。
【0020】
前記第2始動入賞口32は、該第2始動入賞口32に入ったパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板70へ送信する第2始動入賞検出センサ34(
図17参照)を備えている。また、第2始動入賞口32は、左右方向へ揺動して該第2始動入賞口32を開閉する開閉部材35(
図2参照)と、該開閉部材35,35を開閉動作させる作動手段としての始動入賞ソレノイド36(
図17参照)とを備え、開閉部材35,35は、該始動入賞ソレノイド36の作動により第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例の第2始動入賞口32は、開閉部材35,35が変位することで、該第2始動入賞口32に対するパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。そして、第2始動入賞検出センサ34からの検出信号を受信したメイン制御基板70は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(大当り判定)を行うようになる。
【0021】
(特別入賞装置40について)
第2遊技領域24bの下流部に配設された特別入賞装置40は、
図2に示すように、第2遊技領域24bに横長に開口する特別入賞口41が上側に設けられた本体と、該特別入賞口41を開閉自在に閉成するシャッタ形態の開閉扉42と、開閉扉42を開閉する開閉手段としての特別入賞ソレノイド43と、特別入賞口41に入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板70へ送信する特別入賞検出センサ44とを備えている(
図17参照)。開閉扉42は、特別入賞口41に対して前後方向へ揺動可能に配設され、特別入賞ソレノイド43の作動に伴って、特別入賞口41が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とに回転する。そして、特別入賞検出センサ44からの検出信号を受信したメイン制御基板70は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信する。ここで、特別入賞装置40は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞して第1特別入賞検出センサ45から検出信号がメイン制御基板70へ送信されたことを契機として、メイン制御基板70が行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当りのラウンド演出に基づいて開閉扉42を動作させて特別入賞口41を所定の回数で開放するよう制御される。すなわち、メイン制御基板70は、所定の判定条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段としての機能を備えている。
【0022】
(普通入賞具45について)
前記各普通入賞具45は、パチンコ球が入賞可能に遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開口タイプの普通入賞口46を備え、遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。また、各普通入賞具45は、普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47(
図17参照)を備えている。各普通入賞検出センサ47は、前記メイン制御基板70(メイン制御CPU70a)に配線接続されている。普通入賞検出センサ47は、パチンコ球を検出すると検出信号をメイン制御基板70に出力し、該メイン制御基板70の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、各普通入賞具45の普通入賞口46へパチンコ球が入球した際の賞球数が5個に設定されている。
【0023】
(ゲート部材48について)
前記ゲート部材48は、そのゲート部を通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ49(
図17参照)が設けられている。このゲートセンサ49は、前記メイン制御基板70(メイン制御CPU70a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板70への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記第2始動入賞口32の始動入賞ソレノイド36が駆動制御されて開閉部材35が開閉動作するようになっている。
【0024】
前述のように構成された遊技盤20では、打球発射装置から発射されたパチンコ球が外レール21と内レール22との間を通って遊技領域24の左側上部に打ち出された際に、該打球発射装置による打球力を弱く調整した所謂左打ちの場合は、主に遊技領域24の第1遊技領域24aを流下し、該打球発射装置による打球力を強く調整した所謂右打ちの場合は、主に遊技領域24の第2遊技領域24bを流下するようになっている。そして、遊技領域24に打ち出されたパチンコ球が始動入賞装置30の第1始動入賞口31または第2始動入賞口32に入賞して第1始動入賞検出センサ33または第2始動入賞検出センサ34が検出すると、当該パチンコ機10を総合的に制御するメイン制御基板70に対して該始動入賞検出センサ33,34から検出信号が送信される。これに基づいてメイン制御基板70は、大当り抽選を行なうと共に、当該大当り抽選の結果に基づいてサブ制御手段としての演出制御基板71に制御信号を出力して、後述する図柄表示装置60の表示部61において図柄変動演出を行わせるようになっている。そして、図柄表示装置60での図柄変動演出の結果、表示部61に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると所謂大当り遊技が生起され、特別入賞装置40の特別入賞口41が開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。なお、前述した各始動入賞口31,32、特別入賞口41および普通入賞口46の何れにも入賞することなく遊技領域24の下部まで流下したパチンコ球は、アウト口25を介して遊技盤20の裏側へ回収される。
【0025】
(枠状装飾体50について)
図2に示すように、前記枠状装飾体50は、複数の枠状装飾部材を環状に組付けて構成された枠部51と、該枠部51の内側下部に設けられたステージ部52とを備え、枠部51およびステージ部52で囲まれた内側が、前後に開口する演出窓口50aとなっている。前記枠部51は、遊技盤20の前面から前方へ突出して形成され、第1遊技領域24aおよび第2遊技領域24bを流下するパチンコ球が、枠状装飾体50の内側へ移動することを規制する区画壁である。前記ステージ部52は、第1遊技領域24aに開口した球流入口52aと、該球流入口52aに連通すると共に左右方向に延在し、該球流入口52aから流入したパチンコ球が転動可能な転動面52bとを備えている。そして、ステージ部52における転動面52bの前側は遊技領域24に開口しており、該転動面52b上を左右に移動したパチンコ球は、適宜位置から前側へ落下可能に構成されている。なお、ステージ部52における転動面52bの上方には、左右方向に延在すると共に前方へ延出した隔壁53が設けられており、転動面52b上を転動するパチンコ球が枠状装飾体50の演出窓口50aから後方へ移動することを規制するよう構成されている。
【0026】
(設置部材55について)
前記設置部材55は、
図3に示す如く、遊技盤20の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の設置壁部56と、該設置壁部56の外周縁部から前方に突出する外周壁部57とを備え、設置壁部56から前方に開口した箱状に形成されている。そして、設置部材55は、外周壁部57の開口前端部を遊技盤20の後面に当接させた状態で、当該遊技盤20にネジ止め固定される。設置部材55における設置壁部56の前側には、遊技盤20の後面との間に空間が画成され、該空間には、実施例の可動演出装置100や、その他の演出装置および装飾部材等(図示せず)が配設される。また、設置壁部56には、その後面に図柄表示装置60が着脱自在に取り付けられると共に、枠状装飾体50の演出窓口50aと前後に整列する位置に、略矩形状の表示開口58が前後に開口するよう開設される。表示開口58には、設置壁部56の後面に取り付けた図柄表示装置60の表示部61aが後方から臨むようになり、表示開口58および演出窓口50aを介して図柄表示装置60の表示部45aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。設置壁部56は、中央に開口する表示開口58の上方に、可動演出装置100を取り付けるための上板部56aが位置している。
【0027】
(図柄表示装置60について)
前記図柄表示装置60は、各種図柄を表示可能な表示部61をなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置60の表示部61の表示制御を行う表示制御基板72(
図17参照)を収容した図柄表示基板ケースと、当該パチンコ機10の遊技演出を統括的に制御する演出制御基板71が収容された演出制御基板ケースとが配設されている。図柄表示装置60の表示部61には、飾図を変動表示可能な図柄列が複数列(例えば3列)設定されており、始動入賞装置30の第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されると共に背景画像等が表示され、選択された図柄変動演出(リーチ演出や外れ演出等)を行った後に、予め決定された最終停止図柄を、入賞ライン上に停止表示するようになっている。なお実施例では、図柄表示装置60として、表示部61が液晶パネルである液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置も採用可能である。
【0028】
(メイン制御基板70について)
実施例のパチンコ機10の遊技を総合的に制御するメイン制御基板70を収容したメイン制御基板ケースは、前記図柄表示装置60の下方において、前記設置部材55の設置壁部56に取り付けられる。メイン制御基板70は、
図17に示すように、制御動作を所定の手順で実行することができるメイン制御CPU70aと、メイン制御CPU70aの制御プログラムを格納するメイン制御ROM70bと、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるメイン制御RAM70cを備えている。メイン制御基板70は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をメイン制御RAM70cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、メイン制御基板70では、前記第1始動入賞検出センサ33または第2始動入賞検出センサ34から検出信号が入力されると、メイン制御CPU70aがメイン制御ROM70bから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数とメイン制御ROMに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。またメイン制御基板70では、大当り判定の結果が肯定の場合には、変動パターンテーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。これに対して、大当り判定の結果が否定の場合には、変動パターンテーブルからはずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り演出用およびはずれ演出用の変動パターンの決定は、大当り判定と同様に、メイン制御CPU70aがメイン制御ROM70bから取得した乱数により行う。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、メイン制御基板70の大当り判定の結果に応じて該メイン制御基板70から演出制御基板71へ制御信号が出力され、演出制御基板71から出力される演出用の制御信号に基づいて、表示制御基板72が図柄表示装置60に所定の演出表示を行わせると共に、図示しない球払出装置によって所定数の賞球が上球受け皿14へ払い出される。
【0029】
(演出制御基板71について)
前記演出制御基板71には、
図17に示すように、演出制御CPU71aが備えられると共に、該演出制御CPU71aには、演出制御ROM71bおよび演出制御RAM71cが接続されている。また、演出制御CPU71aは、実行可否判定用乱数や動作演出パターン抽選用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM71cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、演出制御ROM71bには、図柄表示装置60の表示部61における演出内容を制御する表示制御基板72(
図17参照)、ランプ装置28を制御するランプ制御基板73(
図17参照)を演出的に制御するプログラムや、スピーカ29を制御する音制御基板74(
図17参照)等を演出的に制御するプログラムや、可動演出装置100およびその他の演出装置を作動制御するプログラム等が記憶されている。
【0030】
演出制御CPU71aは、各種制御コマンド(情報)が入力されると、演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。例えば、演出制御基板71では、メイン制御基板70のメイン制御CPU70aから変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御CPU71aが演出制御ROM71bから実行可否判定用乱数を取得し、この実行可否判定用乱数と演出制御ROM71bに記憶されている実行可否判定値とを比較し、実施例の可動演出装置100の可動体演出を実行するか否かの実行可否判定を行う。そして、演出制御基板71は、実行可否判定の結果が肯定の場合において、可動演出装置100を動作させる。
【0031】
(可動演出装置100について)
次に、実施例のパチンコ機10に装備された可動演出装置100につき、図面を引用して説明する。なお、以下の説明において、可動演出装置100の「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、設置部材55の設置壁部56に取り付けた当該可動演出装置100をパチンコ機10の前側から見た状態で指称する。
【0032】
前記可動演出装置100は、
図1および
図2に示すように、前記遊技盤20の後側に取り付けられる設置部材55(
図2参照)の設置壁部56における上板部56aの前側に取り付けられ、初期姿勢および該初期姿勢から離間した移動姿勢の間を往復移動可能な複数の可動体101,102を備えている。実施例の可動演出装置100は、装置本体103に、左右中央に配設された可動体(以降「第1可動体」という)101と、該第1可動体101の左側および右側に夫々配設された左右1対の可動体(以降「第2可動体」という)102,102とを備えている。第1可動体101は、後述する第1作動機構(動力伝達手段)104を構成する第1駆動モータ(駆動手段)175の駆動により、表示開口58の前側(演出窓口50aの後側)において、第1初期姿勢(
図2、
図7(a)参照)および第1移動姿勢(
図4、
図7(c)参照)の間を姿勢変位するようになっている。また、第2可動体102,102は、後述する第2作動機構105を構成する第2駆動モータ(駆動手段)201の駆動により、表示開口58の前側(演出窓口50aの後側)において、第2初期姿勢(
図7(a)参照)および第2移動姿勢(
図7(b)参照)の間を姿勢変位するようになっている。
【0033】
(装置本体103について)
前記装置本体103は、
図5、
図6および
図16に示すように、上下に開口する枠体状に形成されている。すなわち装置本体103は、設置部材55の設置壁部56に取り付けられる後フレーム部材110と、該後フレーム部材110の前側に離間して配設された前フレーム部材111と、後フレーム部材110の左縁前部に取り付けられて前フレーム部材111を支持する左フレーム部材112と、後フレーム部材110の右縁前部に取り付けられて前フレーム部材111を支持する右フレーム部材113とを備えている。そして、装置本体103には、前記各フレーム部材110,111,112,113で囲まれた配設空間が画成され、前記第1作動機構104および第2作動機構105が該配設空間に配設されている。なお、前フレーム部材111は、左フレーム部材112および右フレーム部材113の左右配設間隔よりも左右に長く、左フレーム部材112から左方へ延出すると共に右フレーム部材113から右方へ延出している。
【0034】
前記後フレーム部材110は、
図5(b)、
図15および
図16に示すように、左右に長い略矩形状のプレート部材であり、裏面および外縁には、縦横方向に延在する複数のリブが形成されて補強されている。この後フレーム部材110における配設空間内に臨む前面には、前記第2作動機構105を構成する連係部材203,203を配設する連係部材配設部114,114が設けられている。連係部材配設部114,114は、左右方向へ延在すると共に左右方向へ並んで設けられている。各連係部材配設部114,114には、連係部材203,203を左右方向へ往復スライド移動可能に支持するガイド突部114aおよびガイド孔114bが設けられている。各ガイド突部114aの前端には、連係部材203,203の脱落を防止するストッパー115が取り付けられる。更に、後フレーム部材110における各連係部材配設部114,114の間に位置する部位には、左右方向へ延在する開口116が設けられている。また、前記後フレーム部材110には、
図10に示すように、後述する動力断続部材191の姿勢変位を発現させる第2姿勢制御部199が取り付けられる部材取付部117が設けられている。
【0035】
前記左フレーム部材112は、
図15および
図16に示すように、略矩形状の部材であって、縦板部112aの外縁には、左外方へ延出する外周リブ112bが設けられている。縦板部112aにおける前記配設空間へ臨む内側面には、前記第1作動機構104を構成する支持シャフト176の左端を支持する軸端支持部118が設けられている。一方、縦板部112aの左外側面に、前記第2作動機構105を構成する左の保持部材(保持手段)108が配設されるようになっている。これに伴い、縦板部112aの左外面の上部に、左の保持部材108を揺動可能に支持する左支持軸120を支持する一対の左軸支持部119,119が、前後方向に離間すると共に前後に開口した形状に形成されている。これにより、各左軸支持部119,119に支持された左支持軸120は、前後方向へ軸心が延在する向きで支持される。また、縦板部112aには、前記軸端支持部118を中心とする円弧状の円弧開口121が、該軸端支持部118の下方に形成されている。この円弧開口121には、後述する左の支持体106に設けられた規制ピン(第1係合部)158が挿通されるようになっている。更に、左フレーム部材112には、左の第2可動体102との間に架設される付勢手段としてのコイルバネ223の一端を掛止する左掛止片122が設けられている。
【0036】
前記右フレーム部材113は、
図7、
図15および
図16に示すように、略矩形状の部材であって、縦板部113aの外縁には、右外方へ延出する外周リブ113bが設けられている。縦板部113aにおける前記配設空間へ臨む内側面には、前記第1作動機構104の支持シャフト176の右端を支持する軸端支持部124が設けられている。一方、縦板部113aの右外側面に、前記第2作動機構105を構成する右の保持部材(保持手段)108が配設されるようになっている。これに伴い、縦板部113aの右外面の上部に、右の保持部材108を揺動可能に支持する右支持軸126を支持する一対の右軸支持部125,125が、前後方向に開口した形状に形成されている。これにより、各右軸支持部125,125に支持された右支持軸126は、前後方向へ軸心が延在する向きで支持される。また、縦板部112aには、前記軸端支持部124を中心とする円弧状の円弧開口127が、該軸端支持部124の下方に形成されている。この円弧開口127には、後述する右の支持体107に設けられた規制ピン158が挿通されるようになっている。更に、右フレーム部材113には、右の第2可動体102との間に架設される付勢手段としてのコイルバネ223の一端を掛止する右掛止片128が設けられている。
【0037】
前記前フレーム部材111は、
図16に示すように、前記配設空間の前側部分を画成する前板部130と、該前板部130の左側から左方へ延出するように連設される左支持部131と、該前板部130の右側から右方へ延出するように連設される右支持部132とを備えている。前板部130には、その前側に後述する発光装飾体235が取り付けられる。そして、前板部130には、該発光装飾体235を構成する第3発光基板238に接続されるコネクタが挿通されるコネクタ挿通孔133が形成されている。また、前板部130は、下方にいくにつれて後方へ変位するよう傾斜状に形成されており、前記発光装飾体235が前方斜め下方を向いた姿勢で取り付けられるようになっている(
図9(b)参照)。
【0038】
前記左支持部131には、
図5および
図16に示すように、前記左の第2可動体102が姿勢変位可能に支持されると共に、右支持部132には、前記右の第2可動体102が姿勢変位可能に支持される。左支持部131の前面および右支持部132の前面には、第2可動体102を揺動可能に支持する前支持軸136を支持する前軸支持部135,135が、左右方向に開口した形状に形成されている。これにより、各前軸支持部135,135に支持された前支持軸136は、左右方向へ軸心が延在する向きで支持される。また、左支持部131および右支持部132には、第2可動体102から後方へ延出する係止レバー231(
図9(a)参照)が挿通する挿通孔137が、前後に開口するように形成されている。
【0039】
(作動機構取付台140について)
前記装置本体103の配設空間内には、
図15および
図16に示すように、前記第1作動機構104および第2作動機構105を配設する作動機構取付台140が配設されている。この作動機構取付台140は、前記後フレーム部材110にネジにより取り付けられる後取付部141と、該後取付部141の左端から前方へ延出した状態に設けられた左取付部142と、該後取付部141の右端から前方へ延出した状態に設けられた右取付部143と、該後取付部141の下端から下方へ延出した状態に設けられた下取付部144とで構成されている。ここで、左取付部142および右取付部143には、左右方向へ貫通した軸支持孔145,145が形成されており、前記支持シャフト176を、その軸心が左右方向へ延在した向きで貫通支持するようになっている。また、右取付部143には、第1作動機構104を構成する第1駆動モータ(駆動手段)175が取り付けられると共に、下取付部144には、第2作動機構105を構成する第2駆動モータ(駆動手段)201が取り付けられる。なお、実施例の作動機構取付台140は、後取付部141、左取付部142および下取付部144が一体に形成されると共に、右取付部143が各取付部141,142,144と別体に形成されているが、全ての取付部141〜144が一体形成されたものであってもよいし、左取付部142または下取付部144が後取付部141と別体に形成されたものであってもよい。
【0040】
図15に示すように、前記左取付部142の左側面には、第1位置検出センサ(第1位置検出手段)241が取り付けられる。また、前記右取付部143には、前記第1駆動モータ175が左側から取り付けられるようになっており、該右取付部143には、該第1駆動モータ175の駆動軸が挿通する軸挿通孔が左右に貫通している。そして、右取付部143の右側面には、第2位置検出センサ(第2位置検出手段)242が取り付けられる。一方、前記下取付部144には、前記第2駆動モータ201が前側から取り付けられるようになっており、該下取付部144には、該第2駆動モータ201の駆動軸が挿通する軸挿通孔が前後に貫通している。なお、作動機構取付台140は、右取付部143が後取付部141に対してネジにより固定されると共に、複数の補強リブが形成されており、第1作動機構104、第2作動機構105、左右の支持体106,107および第1可動体101の合計重量が加わっても変形が困難に構成されている。また、
図16に示すように、作動機構取付台140の上部には、中継基板147が取り付けられる基板取付台146が取り付けられるようになっている。
【0041】
(支持体106,107について)
図8、
図9および
図15に示すように、前記作動機構取付台140に配設された前記支持シャフト176には、前記第1可動体101を姿勢変位可能に支持する支持体106,107が、回転しながら移動可能に配設されている。前記支持体106,107は、細長のアーム状部材であり、長手方向における一方の端部側に、支持シャフト176が貫通することで該支持シャフト176に支持されており、この支持シャフト176を中心として他方の端部側が変位するよう揺動可能となっている。ここで実施例では、左右に離間した一対の支持体(以降「左の支持体106」および「右の支持体106」と指称する)を備えており、これら左の支持体106および右の支持体107により第1可動体101を支持している。なお、左の支持体106は、装置本体103の左フレーム部材112および作動機構取付台140の左取付部142の間において支持シャフト176に配設され、右の支持体107は、該装置本体103の右フレーム部材113および作動機構取付台140の右取付部143の間において該支持シャフト176に配設されている。
【0042】
前記左の支持体106および右の支持体107は、形状の僅かな違いがあるが基本的な構成が同じである。但し、右の支持体107には、後述する動力断続機構(動力断続手段)190を構成する動力断続部材191を配設するための構成が追加されている(
図10、
図15参照)。また、左の支持体106には、配線を保持する配線保持部材159が追加して配設されている(
図15参照)。従って、以降の説明では、左の支持体106および右の支持体107の共通部材、部位については、同一符号で指示する。
【0043】
前記左の支持体106および右の支持体107は、
図10、
図11および
図15に示すように、支持本体150と、該支持本体150に組み付けられるカバー151とから構成され、支持本体150とカバー151とを組み付けることで、第1作動機構104を構成する複数のギア181〜187を収容可能な内部空間152が内部に画成されている。支持本体150は、細長をなす側壁150aの外周縁に沿って外周壁150bが延設されており、カバー151側に開口している。そして、側壁150aにおける一方の端部側には、前記支持シャフト176が挿通する第1軸支持孔153が形成された第1支持筒部153aが突設されていると共に、該側壁150aにおける他方の端部側には、前記第1可動体101を支持する支持ピン180が挿通する第2軸支持孔154が形成された第2支持筒部154aが突設されている。また、側壁150aには、前記第1作動機構104における前記第2〜第6中間ギア182,183,184,185,186を回転自在に支持するギア支持軸155が、当該側壁150aからカバー151側へ突出するように立設されている(
図10参照)。
【0044】
前記カバー151は、
図15に示すように、前記支持本体150の開口を塞いだ状態で該支持本体150にネジにより取り付けられる。すなわち、カバー151は、前記支持本体150の側壁150aと略同じ輪郭形状をなす細長の板状部材であり、支持本体150に取り付けることで該支持本体150内に画成される内部空間152を塞ぐようになる。また、カバー151における一方の端部側には、前記支持シャフト176が挿通する第3軸支持孔156が形成されていると共に、他方の側端側には、前記支持ピン180を支持する第4軸支持孔157が形成されている。更に、カバー151の外面(内部空間152と反対側の側面)には、側外方へ突出した規制ピン158が形成されている(
図14、
図15参照)。右の支持体107のカバー151に設けられた前記規制ピン158は、前記右フレーム部材113に形成された円弧開口121に挿通されると共に、前記右の保持部材108に形成された第1規制凹部(第2係合部)214および第2規制凹部(第3係合部)215に係脱可能に係止するようになっている(
図7、
図14参照)。また、左の支持体106のカバー151に設けられた前記規制ピン158は、前記左フレーム部材112に形成された円弧開口121に挿通されると共に、前記左の保持部材108に形成された第1規制凹部(第2係合部)214および第2規制凹部215に係脱可能に係止するようになっている。
【0045】
(左の支持体106のみに追加された構成について)
図15に示すように、前記左の支持体106には、前記第1可動体101に配設された第1発光基板167(
図5、
図16参照)と前記中継基板147とを接続する配線(図示せず)を保持する配線保持部材159が取り付けられている。この配線保持部材159は、左の支持体106のカバー151にネジにより取り付けることで、該カバー151との間で配線を挟持するようになっている。また、
図8および
図15に示すように、左の支持体106には、前記作動機構取付台140の左取付部142に取り付けた前記第1位置検出センサ(第1位置検出手段)241により検出される第1検出片(第1被検出部)160が設けられている。この第1検出片160は、左の支持体106が初期位置において第1位置検出センサ241で検出されると共に、該左の支持体106が初期位置から移動位置側へ移動した際には該第1位置検出センサ241では検出されないように形成されている。すなわち、第1位置検出センサ241は、左右の支持体106,107が初期位置にあることを検出するためのものである。
【0046】
(右の支持体107のみに追加された構成について)
図10〜
図12および
図15に示すように、前記右の支持体107には、前記第1駆動モータ175の動力を第1可動体101に伝達または遮断する動力断続部材(動力断続手段)191を取り付けるための動力断続部材取付部161が設けられている。すなわち、動力断続部材取付部161に取り付けられた動力断続部材191は、第1駆動モータ175の動力が第1可動体101に伝達されるのを規制する伝達規制姿勢(
図11)と、第1駆動モータ175の動力が第1可動体101に伝達されるのを許容する伝達許容姿勢(
図12)とに姿勢変位するようになっている。なお、動力断続部材191の詳細については後述する。ここで、前記動力断続部材取付部161は、支持本体150の側壁150aの外面において、右の支持体107の長手方向で両側に開口する軸支持部であって、動力断続部材191に設けられた軸部192を、挿通した状態で支持可能となっている。実施例では、支持本体150の側壁150aから逆U字形に突出して、該支持本体150の長手方向に開口している。
【0047】
また、
図10に示すように、右の支持体107の支持本体150における側壁150aには、該右の支持体107の内外に貫通した開口162が形成されている。この開口162は、前記第3中間ギア183に設けられた第2係止突部(第2係止部)188を該右の支持体107の外方へ臨ませると共に、前記動力断続部材191に設けられた第1係止突部(第1係止部)194を右の支持体107の内部空間152へ臨ませるためのものである。ここで、前記開口162は、前記第3中間ギア183を回転自在に支持するギア支持軸155を中心とした円弧状に開口形成されており、第3中間ギア183が回転する際に第2係止突部188が当該開口162内を円弧状に移動可能となっている。
【0048】
前記支持シャフト176に支持された前記左の支持体106および右の支持体107は、該支持シャフト176を回転中心として、
図7(a)に示す初期位置および
図7(c)に示す移動位置の間を回転しながら移動する。実施例では、左右の支持体106,107が前方斜め下方に傾斜した姿勢が初期位置とされ、左右の支持体106,107が略真下に垂下した姿勢が移動位置に設定されている。従って、左右の支持体106,107は、初期位置および移動位置の間を上下方向において回転しながら移動することで、第1可動体101を上下方向へ曲線状に移動させて位置変位させる。
【0049】
(第1可動体101について)
前記第1可動体101は、
図4および
図8に示すように、前記左の支持体106および右の支持体107の他方の端部(揺動端部)に夫々回転可能に支持されている。第1可動体101は、
図9および
図15に示すように、第1装飾部材165と、該第1装飾部材165に裏側から組み付けられる第2装飾部材166と、第1発光基板167と、レンズ部材168と、光拡散シート169とから構成されている。そして第1可動体101は、第1装飾部材165と第2装飾部材166とを組み付けることで、第1発光基板167、レンズ部材168および光拡散シート169が収容可能な内部空間が形成されるようになっている。第1装飾部材165および第2装飾部材166は、所要の外縁輪郭形状に形成されて透光性を有する透明または半透明の部材である。そして、第1装飾部材165および第2装飾部材166は、夫々の外面および内面が凹凸状に形成されていると共に、外面には所要のデザインが施されている。
【0050】
前記第1発光基板167は、
図11および
図15に示すように、第1可動体101の内部空間内に収容された状態で、第1面167aが第1装飾部材165の裏面と対向すると共に、該第1面167aと反対の第2面167bが第2装飾部材166の裏面と対向するようになっている。そして、第1発光基板167の第1面167aには、複数の第1LEDチップ170aが分散的に配設されていると共に、第2面167bには、複数の第2LEDチップ170bが分散的に配設されている。これら第1LEDチップ170aおよび第2LEDチップ170bは、前記演出制御基板71による制御に基づいて発光、点滅および消灯制御される。そして、第1発光基板167の各第1LEDチップ170aが発光することで、第1装飾部材165が裏側から照明されて該第1装飾部材165が明輝するようになる。また、第1発光基板167の各第2LEDチップ170bが発光することで、第2装飾部材166が裏側から照明されて該第2装飾部材166が明輝するようになる。
【0051】
前記レンズ部材168は、
図11および
図15に示すように、第1発光基板167の第1面167aと第1装飾部材165の裏面との間に配設されている。レンズ部材168は、板状に形成されると共に、第1発光基板167と対向する裏面の全体が、所要の凹凸模様が形成された光拡散面となっている。これにより、第1発光基板167の各第1LEDチップ170aが発光した際には、レンズ部材168の裏面に照射した光が拡散されながら、該レンズ部材168の表面側へ透過するようになっている。また、前記光拡散シート169は、前記レンズ部材168と第1装飾部材165の裏面との間に配設されている。光拡散シート169は、第1装飾部材165側の表面が所謂磨りガラス状に処理されており、光拡散シート169の裏面に照射された光は、拡散されて該光拡散シート169の全体が略均一に明輝するようになる。このように光拡散シート169が均一に明輝することで、第1装飾部材165の全体が略均一に明輝する。
【0052】
(ピン支持部材171,172について)
前記第1可動体101は、
図15に示すように、前記左の支持体106に配設された支持ピン180を回転可能に保持する第1ピン保持部材171と、前記右の支持体107に配設された支持ピン180を回転可能に保持する第2ピン支持部材172とで、該左右の支持体106,107に姿勢変位可能に支持されている。第1ピン保持部材171および第2ピン支持部材172は、第1可動体101の第1装飾部材165に取り付けられる取付部171a,172aと、該取付部171a,172aに一体に形成されて前記支持ピン180が挿通されるピン支持部171b,172bとを備えている。
【0053】
前記第1可動体101は、前記第1ピン保持部材171および第2ピン支持部材172により左の支持体106の支持ピン180および右の支持体107の支持ピン180の夫々に支持される。そして第1可動体101は、前記各支持ピン180,180が左右方向に延在する同一線上に配設されていることで、左の支持体106および右の支持体107に対して、前記第1作動機構104の作動に基づいて第1初期姿勢(
図7(a)参照)および該第1初期姿勢から離間した第1移動姿勢(
図7(c)参照)の間を姿勢変位可能となっている。また、第1可動体101は、左の支持体106および右の支持体107が前記初期位置から移動位置へ回転しながら移動することにより、左の支持体106および右の支持体107に対して第1初期姿勢に保持された状態で位置変位するようになっている。従って、第1可動体101は、左右の支持体106,107に対して第1初期姿勢に保持されると共に、左右の支持体106,107が初期位置にある場合(
図7(a)参照)には、発光装飾体235の前側に位置して、前記第1装飾部材165が前方を指向すると共に第2装飾部材166が後方を指向した略垂直状態となる。一方、第2可動体102は、左右の支持体106,107に対して第1移動姿勢に保持されると共に、左右の支持体106,107が移動位置にある場合(
図7(c)参照)には、前記発光装飾体235より下方かつ後方に位置して、前記第2装飾部材166が前方を指向すると共に第1装飾部材165が後方を指向した上下逆向きで略垂直状態となる。
【0054】
(第1作動機構104について)
前記第1作動機構104は、前記左の支持体106および右の支持体107を、前記作動機構取付台140に対して(装置本体103に対して)前記初期位置および移動位置の間で移動させると共に、前記第1可動体101を、前記第1初期姿勢および第1移動姿勢の間で姿勢変位させる。第1作動機構104は、
図8および
図9(b)に示すように、前記第1駆動モータ175と、前記支持シャフト176と、複数のギア177〜179,181〜187とを備えている。ここで、第1駆動モータ175と支持シャフト176とは、複数(実施例での3個)のギア(第1駆動ギア177、第1中間ギア178、第1主動ギア179)で連係されている。すなわち、第1駆動ギア177は、第1駆動モータ175の駆動軸に固定されている。第1主動ギア179は、支持シャフト176に対して回転不能に固定されている。第1中間ギア178は、作動機構取付台140の右取付部143に設けられた支持ピンに回転自在に配設されると共に、第1駆動ギア177および第1主動ギア179の夫々に噛合している。従って、第1駆動モータ175が駆動した際に、第1駆動ギア177、第1中間ギア178および第1主動ギア179が回転することで、前記軸支持孔145,145に支持された支持シャフト176が、軸回りに回転するようになる。
【0055】
また、
図9(b)に示すように、前記支持シャフト176と、前記左の支持体106および右の支持体107に配設された支持ピン180,180とが、該左の支持体106および右の支持体107の夫々の内部空間152に配設された複数(実施例では7個)のギア(第2主動ギア181、第2〜第6中間ギア182〜186、第1従動ギア187)で連係されている。すなわち、第2主動ギア181は、左の支持体106および右の支持体107の内部空間152内において、支持シャフト176に対して回転不能に固定されている。第2〜第6中間ギア182〜186は、左の支持体106または右の支持体107に設けられた前記夫々のギア支持軸155に回転自在に配設されている。また第1従動ギア187は、左の支持体106および右の支持体107の内部空間152内において、前記第2軸支持孔154および第4軸支持孔157に支持された前記支持ピン180に回転不能に固定されている。そして、第2主動ギア181、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187は、ギア列を構成している。従って、前記支持シャフト176が左の支持体106および右の支持体107に対して相対的に回転すると、第2主動ギア181が該左の支持体106および右の支持体107に対して相対的に回転するため、第2〜第6中間ギア182〜186が夫々回転すると共に第1従動ギア187が回転するようになる。
【0056】
前記第3中間ギア183には、
図10(a)に示すように、第2係止部としての第2係止突部188が設けられている。この第2係止突部188は、第3中間ギア183の側面において、該第3中間ギア183の回転中心を中心とした円弧状に突出した突部である。そして、第2係止突部188は、右の支持体107に形成された前記開口162内に常に突出しており、第3中間ギア183がギア支持軸155を中心として回転する際に該開口162内を移動するようになる。
【0057】
前記第1主動ギア179には、
図8および
図9に示すように、第2検出片(第2被検出部)189が設けられている。この第2検出片189は、前記作動機構取付台140の右取付部143に取り付けられた前記第2位置検出センサ242により検出される。そして、第2検出片189は、第1可動体101が第1初期姿勢にある場合に第2位置検出センサ242により検出されると共に、該第1可動体101が第1初期姿勢から第1移動姿勢に向けて移動した際に第2位置検出センサ242により検出されないように形成されている。すなわち、第2位置検出センサ242は、第1可動体101が第1初期姿勢にあることを検出するためのものである。なお、第2検出片189は、第1初期姿勢に保持された第1可動体101を支持した左右の支持体106,107が初期位置および移動位置の間を回転しながら移動する間は、前記第2位置検出センサ242により検知されるよう、右の支持体107の回転方向に長い扇状に形成されている(
図9参照)。
【0058】
(動力断続機構190について)
実施例では、前記第1作動機構104における第1駆動モータ175の動力を第1可動体101に伝達したり、該第1駆動モータ175の動力が該第1可動体101に伝達するのを遮断する動力断続機構(動力断続手段)190を備えている。この動力断続機構190は、前述すると共に
図10〜
図12に示すように、右の支持体106に配設された動力断続部材191を備えており、該動力断続部材191の姿勢変位に基づいて、第1駆動モータ175の動力が第1可動体101に伝達するのを規制する伝達規制状態と、第1駆動モータ175の動力を第1可動体101に伝達するのを許容する伝達許容状態とに態様が切り替わるようになっている。すなわち、動力断続部材191が前記伝達規制姿勢(
図11参照)に姿勢変位することで、動力断続機構190は伝達規制状態となり、動力断続部材191が前記伝達許容姿勢(
図12参照)に姿勢変位することで、動力断続機構190は伝達許容状態となる。
【0059】
(動力断続部材191について)
前記動力断続部材191は、
図10〜
図12に示すように、前記右の支持体106に設けられた動力断続部材取付部161に挿通すると共に軸回りに回転可能に支持された軸部192と、この軸部192に一体に形成され、該軸部192の回転に伴って右の支持体107に対して揺動変位する本体部193とを備えている。本体部193には、前記右の支持体106に設けられた前記開口162に対向する位置に、該開口162に向けて突出した第1係止突部194が形成されている。この第1係止突部194は、動力断続部材191の伝達規制姿勢においては前記開口162内へ突入し、該動力断続部材191の伝達許容姿勢においては該開口162から外方へ脱出して退避するようになっている。そして、動力断続部材191の伝達規制姿勢において第1係止突部194が開口162内に突入した状態では、前記第3中間ギア183に形成された第2係止突部188が該開口162内を移動することが規制され、該第3中間ギア183の回転規制に伴って支持ピン180の回転を不能とする前記伝達規制状態となる。一方、動力断続部材191の伝達許容姿勢において第1係止突部194が開口162内から脱出した状態では、第3中間ギア183に形成された第2係止突部188が該開口162内を移動することが許容され、該第3中間ギア183の回転に伴って支持ピン180の回転を可能とする伝達許容状態となる。
【0060】
また、前記動力断続機構190は、
図10〜
図12に示すように、前記動力断続部材191を前記伝達規制姿勢に保持するための第1姿勢制御部198と、該動力断続部材191を前記伝達規制姿勢および伝達許容姿勢の間で姿勢変位させるための第2姿勢制御部199とを備えている。これに基づいて、前記動力断続部材191は、第1姿勢制御部198に当接する第1当接部195を備えている。この第1当接部195は、本体部193における右の支持体106側と反対側の側面(実施例では左側面)に、第1姿勢制御部198側へ突出した状態に形成されている。更に、動力断続部材191は、前記第2姿勢制御部199に当接する第2当接部196を備えている。この第2当接部196は、本体部193における前記軸部192と反対側の端部(実施例では後端部)に、第2姿勢制御部199側へ突出した状態に形成されている。
【0061】
(第1姿勢制御部198について)
前記第1姿勢制御部198および第2姿勢制御部199は、前記右の支持体106の初期位置および移動位置の間での移動に基づいて、動力断続部材191が前記伝達規制姿勢および伝達許容姿勢の間で姿勢変位するように構成されている。
図10〜
図12に示すように、第1姿勢制御部198は、前記装置本体103の下部に取り付けられた下カバー部材138において、前記右の支持体106に隣接した位置において上方へ向けて立設された壁部138aに設けられている。第1姿勢制御部198は、前記壁部138aにおいて前記動力断続部材191に対向する側に、右の支持体106の移動に伴って前記動力断続部材191が移動する方向(実施例では前後方向)へ延在している。そして第1姿勢制御部198は、動力断続部材191が前記伝達規制姿勢において、右の支持体106と反対側(左側)から前記第1当接部195と当接するように形成されている。また、第1姿勢制御部198は、
図7(a)に示す前記初期位置と
図7(b)に示す位置(移動位置の手前となる中途位置)との間に右の支持体106が位置する場合に、前記第1当接部195が当接するように形成されている。すなわち、第1動力断続部材191は、右の支持体106が前記初期位置および中途位置の間に位置する際に前記伝達規制姿勢に保持される。従って、右の支持体106が前記初期位置および中途位置の間に位置する際には、第1作動機構104が前記伝達規制状態に維持されるようになっている。
【0062】
(第2姿勢制御部199について)
図10〜
図12に示すように、前記第2姿勢制御部199は、前記装置本体103の後フレーム部材110において、前記右の支持体106に配設された動力断続部材191の後方となる位置に設けられている。第2姿勢制御部199は、右の支持体106の移動に伴って前記動力断続部材191が移動する方向(実施例では前後方向)と交差する方向(実施例では左右方向)へ延在している。そして第2姿勢制御部199は、右の支持体106が
図7(b)に示す中途位置と
図7(c)に示す移動位置との間に位置する場合に、前記第2当接部196が当接するように形成されている。また第2姿勢制御部199は、左右方向において、右端側が動力断続部材191側へ延出していると共に、該右端から左端にいくにつれて後方へ変位するように傾斜している。実施例では、第2姿勢制御部199が、右端から左端にいくにつれて後方へ凹となる曲線状に形成されている。そして、右の支持体106が前記中途位置に位置した際に、第2当接部196が第2姿勢制御部199の右端近傍に当接し、該右の支持体106が該中途位置および移動位置の間を移動する際に、該第2当接部196が第2姿勢制御部199に摺接すると共に、該右の支持体106が移動位置に位置した際に、該第2当接部196が該第2姿勢制御部199の左端近傍に当接するように構成されている。これにより、右の支持体106が中途位置から移動位置に向けて回転しながら移動する際には、第2当接部196が第2姿勢制御部199に摺接することで、動力断続部材191が前記伝達規制姿勢から伝達許容姿勢へ姿勢変位する。また、右の支持体106が移動位置から中途位置に向けて回転しながら移動する際には、第2当接部196が第2姿勢制御部199に摺接することで、動力断続部材191が前記伝達許容姿勢から伝達規制姿勢へ姿勢変位するようになっている。
【0063】
従って、前記動力断続機構190が伝達規制状態(動力断続部材191が前記伝達規制姿勢)になっている場合には、第1作動機構104の第1駆動モータ175が駆動しても、第2主動ギア181、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の右の支持体107に対する相対的な回転が規制される。これにより、第1駆動モータ175が駆動しても、第1可動体101の姿勢変位が規制される。そして、左右の支持体106,107に対する前記支持シャフト176の相対的な回転が規制されるため、支持シャフト176の回転に伴って、左右の支持体106,107が初期位置および移動位置の間を回転しながら移動するようになる。
【0064】
一方、前記動力断続機構190が伝達許容状態(動力断続部材191が前記伝達許容姿勢)になっている場合には、第1作動機構104の第1駆動モータ175が駆動すると、第2主動ギア181、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の右の支持体107に対する相対的な回転が許容される。これにより、第1駆動モータ175が駆動すると、第1可動体101の姿勢変位が可能となる。これにより、左右の支持体106,107が夫々の移動位置にある場合には、該支持体106,107に対する支持シャフト176の相対的な回転が許容されるため、支持シャフト176の回転に伴って、第2主動ギア181、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187が回転する。従って、伝達許容状態において、第1駆動モータ175を駆動させると、第1可動体101が第1初期姿勢および第1移動姿勢の間を姿勢変位するようになる。
【0065】
(第2作動機構105について)
前記第2作動機構105は、
図13および
図14に示すように、前記左右の保持部材(保持手段)108,108を姿勢変位させると共に、前記左右の第2可動体102,102を、第2初期姿勢および第2移動姿勢の間で姿勢変位させる。第2作動機構105は、
図8に示すように、駆動手段としての前記第2駆動モータ201と、該第2駆動モータ201の駆動により作動する作動部材202と、該作動部材202と連係すると共に左右の保持部材108,108に夫々連係された前記左右の連係部材203,203とを備えている。第2駆動モータ201は、前記作動機構取付台140における下取付部144に対して前側から取り付けられ、下取付部144に形成された挿通孔を介して該下取付部144の後側へ延出した駆動軸に第2駆動ギア204が固定されている。
【0066】
前記作動部材202は、
図13および
図15に示すように、軸心が前後方向を向くように前記下取付部144に支持された支軸205に回転自在に配設されている。この作動部材202は、前記第2駆動ギア204に噛合する第2従動ギア207を備えた本体部206と、該本体部206に組み付けられるカム部208とを備えている。本体部206は円板状に形成されており、外周面には、位置検出手段としての第3位置検出センサ243に検出される第3検出片209が設けられている。なお、第3位置検出センサ243は、作動機構取付台140の後取付部141に取り付けられている。
【0067】
前記カム部208は、
図8および
図13に示すように、円板状の部材における直径方向の対向する部分を略平行に切除した所謂たわら形状に形成された部材である。そして、カム部208は、略平行に対向する外縁が対向する方向(以降「短手方向」という)の幅寸法よりも、該短手方向と直交する方向であって両円弧外縁が対向する方向(以降「長手方向」という)の幅寸法が大きくなっている。そして、カム部208は、前記第2駆動モータ201の駆動により作動部材202が回転することで、短手方向が左右方向に向いた初期姿勢(
図8、
図13(a)参照)と、該初期姿勢から90度回転して長手方向が左右方向に向いた作動姿勢(
図13(b)参照)とに姿勢変位する。ここで、カム部208は、前記左右の連係部材203,203の間に位置しており、該カム部208の初期姿勢では、両連係部材203,203が
図13(a)に示す初期位置となり、該カム部208が初期姿勢から作動姿勢に姿勢変位する従って両連係部材203,203を左右に離間する方向へ押すことで、両連係部材203,203は、
図13(b)に示す移動位置までスライド移動するようになっている。
【0068】
前記左右の連係部材203,203は、
図8および
図13に示すように、前記後フレーム部材110に形成された前記ガイド突部114aが係合する細長の係合孔203dと、前記ガイド孔114bに係合する係合突部203eとが形成されている。これにより、左右の連係部材203,203は、前記ガイド突部114aおよびガイド孔114bに係止された状態で、後フレーム部材110に対して左右方向へのスライド移動が可能に配設されている。これら左右の連係部材203,203は、前記作動部材202側の第1端部203aが前記カム部208に対向していると共に、長手方向における該第1端部203aと反対側の第2端部203b側で、対応する左右の保持部材108,108に夫々連係されている。そして、左右の連係部材203,203は、作動部材202のカム部208が前記初期姿勢となっている場合に、前記コイルバネ223,223の弾力により左右の保持部材108,108が初期位置に付勢されることで、
図13(a)に示す初期位置に保持される。また、左右の連係部材203,203は、初期姿勢から作動姿勢へ回転するカム部208が第1端部203aに当接して該カム部208に押されることで、移動位置までスライド移動する。なお、左右の連係部材203,203は、前記カム部208が作動姿勢から初期姿勢へ回転するに伴って、前記コイルバネ223,223の復帰弾力により付勢された左右の保持部材108,108の姿勢変位により、前記初期位置までスライド移動するようになる。
【0069】
(左右の保持部材108,108について)
図5、
図14〜
図16に示すように、前記左の保持部材108は、前記装置本体103の左フレーム部材112の左外側部に姿勢変位可能に配設されており、前記右の保持部材108は、前記装置本体103の右フレーム部材113の右外側部に姿勢変位可能に配設されている。左右の保持部材108,108は、左右方向が厚み方向となる略四角形状のブロック体である。そして、上縁における前端および後端には上方に延出する軸支持片211,211が設けられており、左右のフレーム部材112,113に設けられた前記左軸支持部119または右軸支持部125に挿通して支持される前記左右の支持軸120,126の前端部および後端部に、各軸支持片211,211が支持されるようになっている。これにより、左右の保持部材108,108は、左支持軸120または右支持軸126に支持された状態で、下端側が左右方向へ変位するように揺動変位が可能となっている。
【0070】
また、
図8および
図9に示すように、左右の保持部材108,108は、夫々の後縁下部に、左右の連係部材203,203と係合する連係突部213が設けられている。この連係突部213は、左右の保持部材108,108の後縁から後方へ突出した凸部であり、前記連係部材203の第2端部203b側に形成された連係孔203cに前側から係合するようになっている。これにより、左右の保持部材108,108は、前記第2駆動モータ201の駆動に伴って左右の連係部材203,203が相互に近接・離間する方向へ移動することにより、
図13(a)および
図14(a)に示す保持姿勢および
図13(b)および
図14(b)に示す解除姿勢の間を回転しながら揺動するようになる。
【0071】
また、前記左の保持部材108および右の保持部材108には、
図9(a)に示すように、前記左右の支持体106,107に設けられた前記規制ピン158が係合する前記第1規制凹部(第2係合部)214および第2規制凹部(第3係合部)215が設けられている。第1規制凹部214および第2規制凹部215は、前記左右のフレーム部材112,113に設けられた前記円弧開口121,127に対向する位置に設けられている。すなわち、第1規制凹部214は、円弧開口121,127における前端側に位置するように設けられ、第2規制凹部215は、該円弧開口121,127における後端側に位置するように設けられている。そして、夫々の第1規制凹部214は、左右の支持体106,107が初期位置において、左右の保持部材108,108が保持姿勢となっている場合に、該支持体106,107の移動方向である前後方向において前記規制ピン158と重なる。これにより、左右の保持部材108,108が初期位置となり、規制ピン158,158が第1規制凹部214,214に係止することで、左右の支持体106,107は、初期位置に停止保持されると共に移動位置への移動が規制される(
図7(a)参照)。また、夫々の第1規制凹部214,214は、左右の保持部材108,108が解除姿勢となっている場合に、該支持体106,107の移動方向である前後方向で前記規制ピン158,158と重ならない(
図14(b)参照)。これにより、左右の保持部材108,108が解除姿勢となり、規制ピン158,158と第1規制凹部214,214との係止が解除されることで、左右の支持体106,107は、初期位置から移動位置への移動が許容される。
【0072】
一方、夫々の第2規制凹部215,215は、左右の支持体106,107が移動位置において、左右の保持部材108,108が保持姿勢となっている場合に、該支持体106,107の移動方向である前後方向において前記規制ピン158,158と重なる(
図14(a))。これにより、左右の保持部材108,108が移動位置となり、規制ピン158,158が第2規制凹部215,215に係止することで、左右の支持体106,107は、移動位置に停止保持されると共に初期位置への移動が規制される(
図7(c)参照)。また、夫々の第2規制凹部215,215は、
図14(b)に示すように、左右の保持部材108,108が解除姿勢となっている場合に、該支持体106,107の移動方向である前後方向で前記規制ピン158,158と重ならない。これにより、左右の保持部材108,108が解除姿勢となり、規制ピン158,158と第1規制凹部214,214との係止が解除されることで、左右の支持体106,107は、移動位置から初期位置への移動が許容される。
【0073】
(連係レバー220,220について)
前記左右の保持部材108,108には、
図8に示すように、左右の第2可動体102,102と連係する連係レバー220,220が設けられている。すなわち、左の保持部材108には、該保持部材108の上部前側から左方向へ延出する連係レバー220が設けられている。左の保持部材108に設けられた連係レバー220は、装置本体103の前フレーム部材111における左支持部131の後側に位置している(
図5(b)参照)。また、右の保持部材108には、該保持部材108の上部前側から右方向へ延出する連係レバー220が設けられている。右の保持部材108に設けられた連係レバー220は、装置本体103の前フレーム部材111における右支持部132の後側に位置している(
図5(b)、
図9(b)参照)。各連係レバー220,220の前面には、対応する第2可動体102に形成された係止レバー231,231が係止する連係孔221が、前方へ開口して形成されている。なお、各連係レバー220,220は、対応する保持部材108,108と別体に形成されて該保持部材108にネジにより固定されているが、該連係レバー220,220は対応する保持部材108,108と一体に形成されたものであってもよい。
【0074】
前記連係レバー220,220は、
図13(a)および
図14(a)に示すように、保持部材108,108が保持姿勢となっている場合には、該保持部材108,108から側方へ略水平に延出した第1姿勢となる。そして、前記連係レバー220,220は、
図13(b)および
図14(b)に示すように、保持部材108,108が保持姿勢から解除姿勢となった場合には、該保持部材108,108から先端にいくにつれて上方へ変位した傾斜状に延出した第2姿勢となる。従って、連係レバー220が第1姿勢および第2姿勢の間を移動することで、該連係レバー220に設けられた前記連係孔221(
図9(a)参照)が上下方向へ移動するようになる。なお、連係レバー220,220に設けられた前記連係孔221は、
図9(a)に示すように、左支持部131または右支持部132に設けられた前記挿通孔137に対して後側から対向する位置に設けられている。
【0075】
(コイルバネ223,223について)
また、前記連係レバー220,220には、
図8に示すように、前記コイルバネ223の他端が掛止する掛止片222が設けられている。そして、前記コイルバネ223は、連係レバー220の掛止片222と、前記左右のフレーム部材112,113に設けられた前記左掛止片122または右掛止片128との間に架設されている。ここで、掛止片222と、左掛止片122または右掛止片128とに架設された各コイルバネ223,223は、連係レバー220,220が前記第1姿勢となっている場合に、適宜の伸長変形してテンションが掛かった状態となっており、該連係レバー220,220が前記第2姿勢に姿勢変位した際には、更に伸長変形するように構成されている。これにより、前記第2作動機構105における作動部材202のカム部208が前記左右の連係部材203,203を押していない場合には、前記コイルバネ223の復帰弾力により連係レバー220が初期姿勢に付勢保持され、これに伴って左右の保持部材108,108が保持姿勢へ付勢保持される。
【0076】
(第2可動体102,102について)
前記左右の第2可動体102,102は、基本的な構成は同じである。左の第2可動体102は、前記前フレーム部材111の左支持部131に回転しながら揺動可能に支持され、右の第2可動体102は、該前フレーム部材111の右支持部132に回転しながら揺動可能に支持されている。左右の第2可動体102,102は、
図9(a)および
図16に示すように、第3装飾部材225と、該第3装飾部材225に裏側から組み付けられるベース部材226と、これら第3装飾部材225およびベース部材226の間に配設される第2発光基板227、レンズ部材228および光拡散シート229とから構成されている。第3装飾部材225は、所要の外縁輪郭形状に形成されて透光性を有する透明または半透明の部材である。そして、第3装飾部材225は、外面および内面が凹凸状に形成されていると共に、外面には所要のデザインが施されている。
【0077】
前記ベース部材226は、
図16に示すように、第3装飾部材225より一回り小さく、前記第2発光基板227を後側からカバーする板状部材である。ベース部材226は、第2発光基板227、レンズ部材228および光拡散シート229を、第3装飾部材225とで挟んだ状態で該第3装飾部材225にネジにより固定される。そして、ベース部材226の後面には、左右方向に延在する後軸支持部230が設けられている。この後軸支持部230は、左右方向に開口しており、前記前フレーム部材111の左支持部131および右支持部132に設けられた前軸支持部135,135に支持される前支持軸136が挿通される(
図9(b)参照)。すなわち、左右の第2可動体102,102のベース部材226は、左右方向へ軸心が延在する前支持軸136に支持された状態で左支持部131または右支持部132に配設されている。また、
図9(a)に示すように、前記後軸支持部230には、後方へ延出した前記係止レバー231が形成されている。この係止レバー231は、左支持部131または右支持部132に形成された前記挿通孔137を介して該左支持部131または右支持部132の後方へ延出し、前記連係レバー220に形成された連係孔221に前側から係止している。従って、前記第2作動機構105の作動または前記コイルバネ223の復帰弾力により、連係レバー220が第1姿勢および第2姿勢の間を姿勢変位することで、係止レバー231の後端側が上下に移動するようになり、ベース部材226が前支持軸136を中心として回転しながら揺動変位する。
【0078】
前記第2発光基板227は、
図16に示すように、第3装飾部材225の裏面と対向する面に、複数の第3LEDチップ227aが分散的に配設されている。これら第3LEDチップ227aは、前記演出制御基板71による制御に基づいて発光、点滅および消灯制御される。そして、第2発光基板227の各第3LEDチップ227aが発光することで、第3装飾部材225が裏側から照明されて該第3装飾部材225が明輝するようになる。前記レンズ部材228は、
図16に示すように、第2発光基板227と第3装飾部材225の裏面との間に配設されている。レンズ部材228は、板状に形成されると共に、第2発光基板227と対向する裏面の全体が、所要の凹凸模様が形成された光拡散面となっている。これにより、第2発光基板227の各第3LEDチップ227aが発光した際には、レンズ部材228の裏面に照射した光が拡散されながら、該レンズ部材228の表面側へ透過するようになっている。また、前記光拡散シート229は、前記レンズ部材228と第3装飾部材225の裏面との間に配設されている。光拡散シート229は、第3装飾部材225側の表面が所謂磨りガラス状に処理されており、光拡散シート229の裏面に照射された光は、拡散されて該光拡散シート229の全体が略均一に明輝するようになる。このように光拡散シート229が均一に明輝することで、第3装飾部材225の全体が略均一に明輝する。
【0079】
前記左右の第2可動体102,102は、
図7(a)および
図9(a)に示すように、前記第2作動機構105の非作動時には、前記コイルバネ223,223の復帰弾力により前記連係レバー220が前記第1姿勢に保持されていることで、前記第3装飾部材225が前方に向いた第2初期姿勢に停止保持される。そして、前記第2作動機構105の作動により前記連係レバー220が前記第2姿勢に姿勢変位するに従い、前記第3装飾部材225が前方斜め下方に向いた第2移動姿勢に姿勢変位する(
図7(b)参照)。また、左右の第2可動体102,102は、第2姿勢に保持されている際に前記第2作動機構105が初期状態に復帰する際には、前記コイルバネ223,223の復帰弾力により前記連係レバー220が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変位するのに連動して、前記第2移動姿勢から第2初期姿勢に姿勢変位する。
【0080】
なお、前記左右の第2可動体102,102が夫々の第2初期姿勢にある場合には、前記第1初期姿勢および第1移動姿勢の間を移動する前記第1可動体101の移動領域と一部が重なっている。しかし、前記左右の第2可動体102,102が夫々の第2移動姿勢にある場合には、前記第1初期姿勢および第1移動姿勢の間を移動する前記第1可動体101の移動領域から退避した状態となる。従って、左右の第2可動体102,102を第2移動姿勢とすることで、前記第1可動体101の第1初期姿勢および第1移動姿勢の間の姿勢変位において、該第2可動体102,102が接触することが回避されるようになっている。
【0081】
(発光装飾体235について)
図9(b)および
図16に示すように、前記装置本体103の前フレーム部材111における前板部130の前側に、発光装飾体235が配設されている。この発光装飾体235は、第4装飾部材236と、該第4装飾部材236の後側に配設されるレンズ部材237と、該レンズ部材237の後側に配設される第3発光基板238とを備えている。第4装飾部材236は、所要の外縁輪郭形状に形成されて透光性を有する透明または半透明の部材である。そして、第4装飾部材236は、外面および内面が凹凸状に形成されていると共に、外面には所要のデザインが施されている。前記第3発光基板238は、複数の第4LEDチップ239が分散的に配設されている。これら第4LEDチップ239は、前記演出制御基板71による制御に基づいて発光、点滅および消灯制御される。そして、第3発光基板238の各第4LEDチップ239が発光することで、第4装飾部材236が裏側から照明されて該第4装飾部材236が明輝するようになる。前記レンズ部材237は、板状に形成されると共に、第3発光基板238と対向する裏面の全体が、所要の凹凸模様が形成された光拡散面となっている。これにより、第3発光基板238の各第4LEDチップ239が発光した際には、レンズ部材237の裏面に照射した光が拡散されながら、該レンズ部材237の表面側へ透過するようになっており、これにより第4装飾部材236がの全体が明輝する。
【0082】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0083】
(可動演出装置100の初期状態について)
前述のように構成された実施例のパチンコ機10では、前記演出制御基板71による可動体演出の実行可否判定の結果により、可動演出装置100を作動しないことが決定された場合は、可動演出装置100は初期状態に保持される。初期状態の可動演出装置100は、第1位置検出センサ241が第1検出片160を検知し、第2位置検出センサ242が第2検出片189が検知し、第3位置検出センサ243が第3検出片209を検出している状態である。これにより、
図5および
図7(a)に示すように、第1作動機構104が待機状態で停止していることで、左右の支持体106,107は初期位置に停止していると共に、第1可動体101は、該左右の支持体106,107に対して第1初期姿勢に保持される。また、第2作動機構105が待機状態に停止していることで、左右の保持部材108,108は夫々の保持姿勢に保持されている。これにより、左右の支持体106,107に形成された前記規制ピン158と、保持部材108に形成された第1規制凹部214とが係止した状態となっており、左右の支持体106,107は初期位置に停止保持される。また、動力断続機構190の動力断続部材191が伝達規制姿勢に保持されていることで、該動力断続部材191に形成された前記第1係止突部194が開口162内に突入していることで、第1作動機構104の第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の回転が規制され、左右の支持体106,107に対する第1可動体101の姿勢変位が規制されて、該第1可動体101が第1初期姿勢に保持される。
【0084】
ここで、設置部材55の設置壁部56における上板部56aに配設された該可動演出装置100は、
図2に示すように、前記初期状態では、第1可動体101が該上板部56aの前方に位置していて、表示開口58に臨んだ図柄表示装置60の表示部61の前側に位置していない。そして、枠状装飾体50の演出窓口50aには、第1可動体101の第1装飾部材165および各第2可動体102,102の第3装飾部材225が視認される。
【0085】
前記可動演出装置100は、初期状態において、左右の支持体106,107が初期位置にあると共に第1可動体101が第1初期姿勢にある場合に、左右の支持体106,107に設けられた各規制ピン158,158が、左右の保持部材108,108に設けられた第1規制凹部214,214の夫々に係止した状態となる。従って、左右の支持体106,107が夫々の初期位置に安定的に支持されると共に、第1可動体101の重量を左右の支持体106,107で受け止めることができる。これにより、第1可動体101を第1初期姿勢で安定的に停止保持することができる。また、第1可動体101および左右の支持体106,107の重量が第1駆動モータ175に作用し難くなり、該第1駆動モータ175や各ギア177〜179,181〜187の破損や故障が発生することを防止し得る。
【0086】
(可動演出装置100の動作態様について)
前記演出制御基板71が、可動体演出の実行可否判定の結果により、可動演出装置100を作動させることを決定した場合には、該演出制御基板71は可動演出装置100に所定の制御信号を送信する。なお、制御信号として、第1駆動モータ175用の駆動制御信号や、第2駆動モータ201用の駆動制御信号や、第1発光基板167、第2発光基板227,227および第3発光基板238に対する発光制御信号等が送信される。なお各制御信号は、前記中継基板147を介して、第1駆動モータ175、第2駆動モータ201、第1〜第3発光基板167,227,227,238へ入力される。
【0087】
(第1可動体101および第2可動体102の移動位置への姿勢変位)
演出制御基板71からの制御信号が可動演出装置100に入力されると、先ず、第2作動機構105の第2駆動モータ201が、駆動制御されて回転駆動を開始する。これにより、前記作動部材202が回転してカム部208が第1姿勢から第2姿勢へ回転することで、左右の連係部材203,203が互いに離間する方向へスライド移動する(
図13(b)参照)。左右の連係部材203,203のスライド移動に伴って、左右の保持部材108,108が各々の保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位する(
図13(b)参照)。これにより、左の支持体106に設けられた規制ピン158と左の保持部材108に設けられた第1規制凹部214との係止状態が解除されると共に、右の支持体107に設けられた規制ピン158と右の保持部材108に設けられた第1規制凹部214との係止状態が解除される。従って、初期位置にある左右の支持体106,107が移動位置に向けて移動することが許容された状態となる。
【0088】
そして、第2駆動モータ201の駆動によって左の保持部材108が保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位することに伴い、左の第2可動体102が第2初期姿勢から第2移動姿勢へ姿勢変位する。また、第2駆動モータ201の駆動によって右の保持部材108が保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位することに伴い、右の第2可動体102が第2初期姿勢から第2移動姿勢へ姿勢変位する。これにより、左右の第2可動体102,102は、第1可動体101の移動領域から退避する。
【0089】
第2駆動モータ201の駆動に伴って、左右の保持部材108,108が解除姿勢となると共に、左右の第2可動体102,102が第2移動姿勢へ姿勢変位したら、該第2駆動モータ201を停止制御した後、第1作動機構104の第1駆動モータ175を、駆動制御して回転駆動を開始する。このとき、前記動力断続部材191が前記伝達規制姿勢に保持されていることにより、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の回転が規制された伝達規制状態となっている。このため、第1駆動モータ175の駆動により回転する支持シャフト176は、左右の支持体106,107に対して相対的に回転することが規制されるため、該左右の支持体106,107は、該支持シャフト176の回転に追従して初期位置から移動位置に向けて回転しながら移動する。このとき、左右の支持体106,107が初期位置から前記中途位置(
図7(b)参照)まで移動する間は、動力断続部材191が伝達規制姿勢に維持されて動力断続機構190が伝達規制状態となっていることで、第1可動体101は、左右の支持体106,107に対して第1初期姿勢に停止保持される。但し、左右の支持体106,107が支持シャフト176を中心にして回転するため、左右の支持体106,107が中途位置まで移動した際に、第1可動体102は、前方斜め下方を指向した状態となっている。
【0090】
左右の支持体106,107が前記中途位置に到達すると、動力断続部材191の伝達規制姿勢への保持が解除される。そして、左右の支持体106,107が中途位置から移動位置に向けて移動するに伴い、動力断続部材191が伝達規制姿勢から伝達許容姿勢へ徐々に姿勢変位し、左右の支持体106,107が移動位置へ移動した際には、動力断続部材191が伝達許容姿勢となって動力断続機構190は伝達許容状態となる。このため、第1駆動モータ175の駆動により支持シャフト176が回転すると、左右の支持体106,107が移動位置に停止していることで、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の回転が許容される。従って、支持シャフト176の回転に連動して、左右の支持体106,107における支持ピン180,180が回転して、第1可動体101が、第1初期姿勢から第1移動姿勢に向けて回転しながら姿勢変位する。そして、第1可動体101が第1移動姿勢となったら、第1駆動モータ175を停止制御する。
【0091】
前記第1駆動モータ175を停止制御した後、前記第2駆動モータ201を逆駆動制御して、作動部材202の回転によりカム部208を第2姿勢から第1姿勢へ回転させることで、左右の保持部材108,108は、前記コイルバネ223,223の復帰弾力により、解除姿勢から保持姿勢へ姿勢変位する。この際に、左の支持体106に設けられた規制ピン158と左の保持部材108に設けられた第2規制凹部215とが係止状態となると共に、右の支持体107に設けられた規制ピン158と右の保持部材108に設けられた第2規制凹部215とが係止状態となる(
図14(a)参照)。また、左右の第2可動体102,102は、第2移動姿勢から第2初期姿勢へ回転しながら姿勢変位する。従って、左右の支持体106,107が夫々の移動位置に安定的に支持されると共に、第1可動体101の重量を左右の支持体106,107で受け止めることができる。これにより、第1可動体101を第1移動姿勢で安定的に停止保持することができる。また、第1可動体101および左右の支持体106,107の重量が第1駆動モータ175に作用し難くなり、該第1駆動モータ175や各ギア177〜179,181〜187の破損や故障が発生することを防止し得る。
【0092】
ここで、該可動演出装置100は、
図4に示すように、前記動作状態では、第1可動体101が表示開口58の前方まで移動して図柄表示装置60の表示部61の前側に位置すると共に、第2装飾部材166が前側に位置して視認される。また、左右の第2可動体102,102は、表示開口58の上方に位置している。これにより、動作状態の可動演出装置100は、初期状態よりも大きく形態が変位するため、演出効果が高められて、遊技の興趣の向上に寄与する。
【0093】
(第1可動体101および第2可動体102の初期位置への姿勢変位)
演出制御基板71からの制御信号が可動演出装置100に入力されると、先ず、第2作動機構105の第2駆動モータ201が、駆動制御されて回転駆動を開始する。これにより、前記作動部材202が回転してカム部208が第1姿勢から第2姿勢へ回転することで、左右の連係部材203,203が互いに離間する方向へスライド移動する(
図13(b)参照)。左右の連係部材203,203のスライド移動に伴って、左右の保持部材108,108が各々の保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位する(
図14(b)参照)。これにより、左の支持体106に設けられた規制ピン158と左の保持部材108に設けられた第2規制凹部215との係止状態が解除されると共に、右の支持体107に設けられた規制ピン158と右の保持部材108に設けられた第2規制凹部215との係止状態が解除される。従って、移動位置にある左右の支持体106,107が初期位置に向けて移動することが許容された状態となる。
【0094】
そして、前記第2駆動モータ201の駆動によって左の保持部材108が保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位することに伴い、左の第2可動体102が第2初期姿勢から第2移動姿勢へ姿勢変位する。また、第2駆動モータ201の駆動によって右の保持部材108が保持姿勢から解除姿勢へ姿勢変位することに伴い、右の第2可動体102が第2初期姿勢から第2移動姿勢へ姿勢変位する。これにより、左右の第2可動体102,102は、第1可動体101の移動領域から退避する。
【0095】
前記第2駆動モータ201の駆動に伴って、左右の保持部材108,108が解除姿勢となると共に、左右の第2可動体102,102が第2移動姿勢へ姿勢変位したら、該第2駆動モータ201を停止制御した後、第1作動機構104の第1駆動モータ175を、逆駆動制御して回転駆動を開始する。このとき、前記動力断続部材191が前記伝達許容姿勢に保持されていることにより、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の回転が許容された伝達許容状態となっている。このため、第1駆動モータ175の逆駆動により支持シャフト176が逆回転すると、左右の支持体106,107が移動位置に停止していることで、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の逆回転が許容される。従って、支持シャフト176の逆回転に連動して、左右の支持体106,107における支持ピン180,180が逆回転して、第1可動体101が、第1移動姿勢から第1初期姿勢に向けて回転しながら姿勢変位する。
【0096】
前記第1可動体101が第1初期姿勢まで姿勢変位すると、第2〜第6中間ギア182〜186および第1従動ギア187の回転が規制されるため、伝達規制状態と同じ状態となる。このため、第1駆動モータ175の逆駆動制御を継続することで、左右の支持体106,107が、移動位置から初期位置に向けて回転しながら姿勢変位するようになる。このとき、左右の支持体106,107が移動位置から前記中途位置まで移動する間に、前記動力断続部材191が伝達許容姿勢から伝達規制姿勢に姿勢変位するため、第2係止突部188と第1係止突部194とが係止して、動力断続機構190は伝達規制状態となる。そして、第1駆動モータ175の逆駆動制御に伴い、第1可動体101が第1初期姿勢に保持された状態で、左右の支持体106,107が初期位置まで回転しながら姿勢変位する。そして、左右の支持体106,107が夫々の初期位置に到達したら、第1駆動モータ175の逆駆動制御を停止する。
【0097】
前記第1駆動モータ175を停止制御した後、前記第2駆動モータ201を逆駆動制御して、作動部材202の回転によりカム部208を第2姿勢から第1姿勢へ回転させることで、左右の保持部材108,108は、前記コイルバネ223,223の復帰弾力により、解除姿勢から保持姿勢へ姿勢変位する。この際に、左の支持体106に設けられた規制ピン158と左の保持部材108に設けられた第1規制凹部214とが係止状態となると共に、右の支持体107に設けられた規制ピン158と右の保持部材108に設けられた第1規制凹部214とが係止状態となる。また、左右の第2可動体102,102は、第2移動姿勢から第2初期姿勢へ回転しながら姿勢変位する。これにより、可動演出装置100は、初期状態となる。
【0098】
従って、実施例の可動演出装置100は、左右の支持体106,107に支持された第1可動体101が、装置本体103に対する該支持体106,107の移動に伴って位置変位すると共に、該支持体106,107に対して姿勢変位するよう構成されているので、該第1可動体101の動きが複雑になって視覚的な演出効果が高められ、遊技の興趣の向上を図り得る。しかも、第1作動機構104の第1駆動モータ175の動力の伝達を規制または許容する動力断続機構190の動力断続部材191を備えることにより、1つの第1駆動モータ175の駆動により、左右の支持体106,107の移動および第1可動体101の姿勢変位に時間差をもたせることができる。すなわち、左右の支持体106,107が初期位置から移動位置へ移動した後に、第1可動体101が第1初期姿勢から第1移動姿勢へ姿勢変位するようにしたり、第1可動体101が第1移動姿勢から第1初期姿勢に姿勢変位した後に、左右の支持体106,107が移動位置から初期位置へ移動するようにすることができる。従って、第1可動体101が変化に富んだ動きをするようになり、演出効果を高めることができる。
【0099】
そして、動力断続機構190は、動力断続部材191に設けられた第1係止突部194と第1作動機構104の第3中間ギア183に設けられた第2係止突部188とが係止することで、第1可動体101に対する第1駆動モータ175の動力の伝達が規制されて、左右の支持体106,107に対して該第1可動体101を第1初期姿勢に適切に保持させ得る。また、動力断続部材191に設けられた第1係止突部194と第1作動機構104の第3中間ギア183に設けられた第2係止突部188との係止が解除することで、第1可動体101に対する第1駆動モータ175の動力の伝達が許容されて、左右の支持体106,107に対して該第1可動体101を第1初期姿勢および第1移動姿勢の間で適切に姿勢変位させ得る。そして、第2係止突部188と第1係止突部194との係止および係止解除は、右の支持体107の移動に伴って動力断続部材191を伝達規制姿勢および伝達許容姿勢の間で姿勢変位させるようになっているので、動力の伝達規制状態および動力の伝達許容状態の態様を適切なタイミングで切り換えることができ、第1可動体101を適切に姿勢変位させ得る。
【0100】
また、左右の支持体106,107が初期位置にある場合に第1検出片160を検知する第1位置検出センサ241を備えているので、左右の支持体106,107を初期位置に適切に停止させることができる。また、第1可動体101の第1初期姿勢にある場合に第2検出片189を検出する第2位置検出センサ242を備えているので、第1可動体101が第1初期姿勢に適切に保持することができる。しかも、第2検出片189は、左右の支持体106,107が初期位置および移動位置の間を移動する際でも第2位置検出センサ242に検出されるように構成されているので、該左右の支持体106,107が初期位置および移動位置の間を移動している間に亘って第1可動体101を第1初期姿勢に保持することができる。
【0101】
そして、前記第2作動機構105における第2駆動モータ201の駆動に基づいて、左右の保持部材108,108を保持姿勢に姿勢変位させることで、左右の支持体106,107を、夫々の初期位置および移動位置の両位置において適切に保持することができる。すなわち、左右の支持体106,107を初期位置に停止させた場合に、該左右の支持体106,107に設けられた規制ピン158,158と左右の保持部材108,108に設けられた第1規制凹部214,214とが係合して、左右の保持部材108,108により該左右の支持体106,107を初期位置に保持できる。従って、初期位置の両支持体106,107の自重および両支持体106,107で支持された第1可動体101の自重による負荷が、第2作動機構105および第2駆動モータ201にかかることを防止し得ると共に、左右の支持体106,107および第1可動体101を安定的に停止保持し得る。一方、左右の支持体106,107が移動位置に停止させた場合に、該左右の支持体106,107に設けられた規制ピン158,158と左右の保持部材108,108に設けられた第2規制凹部215,215とが係合して、左右の保持部材108,108により該左右の支持体106,107を移動位置に保持できる。従って、移動位置の両支持体106,107および両支持体106,107で支持する第1可動体101の自重による負荷が、第2作動機構105および第2駆動モータ201にかかることを防止し得ると共に、左右の支持体106,107および第1可動体101を安定的に停止保持し得る。
【0102】
一方、第2駆動モータ201の駆動に基づいて左右の保持部材108,108を解除姿勢に姿勢変位させると同時に、左右の第2可動体102,102が第2初期姿勢から第2移動姿勢へ姿勢変位する。そして、左右の保持部材108,108を解除姿勢としてから、第1駆動モータ175の駆動に基づいて、左右の支持体106,107が初期位置および移動位置の間を移動すると共に、第1可動体101が第1初期姿勢および第1移動姿勢の間を姿勢変位する。従って、第1可動体101および各第2可動体102,102が時間差をおいて姿勢変位するようになるので、視覚的な演出効果が高められて遊技の興趣の向上を図り得る。すなわち、第1可動体101を第1初期姿勢からから第1移動姿勢へ姿勢変位させる場合、および該第1可動体101を第1移動姿勢から第1初期姿勢へ姿勢変位させる場合は、第2駆動モータ201の駆動により第2可動体102,102が姿勢変位した後、第1駆動モータ175の駆動により第1可動体101が姿勢変位し、更に第1可動体101が姿勢変位した後に、第2駆動モータ201の駆動により第2可動体102,102が姿勢変位するので、各可動体が時間差をもって姿勢変位して視覚的な演出効果を高めることができる。
【0103】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)第1可動体を支持する支持体は、1つまたは3つ以上を備えていてもよい。
(2)第1可動体を支持する支持体は、支持シャフトに回転可能に支持されたものに限らず、ガイド部に沿って直線状または曲線状に往復スライド移動する形態であってもよい。
(3)第1可動体の姿勢変位の方向は、上下方向に限らず、水平方向(左右方向、前後方向)や斜め方向であってもよい。
(4)第2可動体は、第1可動体を挟んだ両側に1つずつ設けた構成に限らず、1つまたは3つ以上を備えていてもよい。また、第2可動体は、第1可動体の上側または下側に配設してもよい。
(5)第2可動体は、支軸部により回転しながら姿勢変位するものに限らず、ガイド部に沿って往復移動する形態や、これ以外の形態であってもよい。
(6)保持手段は、支持軸に支持されて該支持軸を中心として回転する形態に限らず、支持体に対して近接・離間する方向へスライド移動する形態であってもよい。
(7)支持体に設けられる第1係止部を凹状とすると共に、保持手段に設けられる第2係止部および第3係止部を凸状として、第1係止部と、第2係止部および第3係止部とを、保持手段の姿勢変位に基づいて係脱するよう構成してもよい。
(8)動力断続部材に設けられた第1係止部と係止する第2係止部は、第3中間ギアに限らず、該第3中間ギア以外の中間ギアや、従動ギアに設けてもよい。
(9)第1作動機構におけるギアの配設数や配設態様は、実施例で例示した配設数や配設態様に限るものでは、様々に変更することが可能である。
(10)各駆動手段は、ロータリソレノイドやロータリアクチュエータ等であってもよい。
(11)実施例では、演出制御基板により可動演出装置を作動制御するようにしたが、メイン制御基板により可動演出装置を作動制御するようにしてもよい。
(12)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等であってもよい。