【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例であるワンウェイクラッチ10の全体構造を示している。ワンウェイクラッチ10は、例えば図示しないエンジンのクランクシャフトに設けられ、クランクシャフトの逆回転を防止するなどの用途に使用される。
【0016】
ワンウェイクラッチ10は、インナープレート12と、アウタープレート14と、インナープレート12とアウタープレート14との間において周方向で複数個配置されているラチェット機構16とを、備えて構成されている。なお、インナープレート12が本発明の第1部材および他方の部材に対応し、アウタープレート14が本発明の第2部材および一方の部材に対応する。
【0017】
インナープレート12は、所定の厚みを有する平板をプレス加工することで、円板状に形成されている。インナープレート12は、回転軸心Cまわりに配置され、その内周部が非回転部材18とスプライン嵌合することで常時回転停止させられている。また、インナープレート12の外周面には、ラチェット機構16の後述するポール20と係合可能な切欠21が、周期的に形成されている。
【0018】
アウタープレート14は、所定の厚みを有する平板をプレス加工することで、円板状に形成されている。アウタープレート14は、内周側に円形の空間が形成されており、アウタープレート14は、インナープレート12の外周を囲むようにして、インナープレート12の外周側に、回転軸線Cまわりに配置されている。
【0019】
ラチェット機構16は、インナープレート12とアウタープレート14との間に設けられ、インナープレート12とアウタープレート14との間の相対回転を、一方向で許容し、他方向で阻止するものである。
図2は、
図1のラチェット機構16の拡大図である。
【0020】
ラチェット機構16は、アウタープレート14に揺動可能な状態で設けられているポール20と、そのポール20とアウタープレート14との間に設けられ、ポール20をインナープレート12に向かって押し付けることで、ポール20をインナープレート12に向かって揺動させるバネ22とを、備えている。バネ22は、コイルスプリングから成り、そのバネ22を支持するスプリングシート24を介して、アウタープレート14に取り付けられている。
【0021】
アウタープレート14には、ポール20、バネ22、およびスプリングシート24を収容する空間を形成するための切欠26が形成されている。切欠26は、プレス加工(打ち抜き)によって形成されている。
【0022】
ポール20は、所定の厚みを有し切欠26に収まるように形成されている。ポール20は、アウタープレート14の切欠26によってに形成される空間に嵌め付けられ、その先端20aが、破線で示すようにインナープレート12の切欠21に向かって揺動可能とされている。具体的には、ポール20は、
図2に示すように、実線で示す先端20aが切欠21に係合した状態と、破線で示す先端20aが切欠21に係合した状態との間で、揺動可能に構成されている。また、ポール20は、その先端20aが切欠21と係合する側に、バネ22によって押し付けられている。
【0023】
ここで、前記切欠21は、ポール20の先端20aと当接する面の勾配が、緩やかな部位と、急激に変化する部位とに、交互に形成されたのこぎり波(三角波)状に形成されている。これより、
図1において、アウタープレート14が時計回り(一方向)に回転した場合には、ポール20の先端20aがインナープレート12の切欠21に押し付けられても、先端20aが切欠21の壁面に沿って相対移動する。従って、ポール20の先端20aが切欠21に噛み込むことなく、インナープレート12とアウタープレート14との相対回転が許容される。
【0024】
一方、
図1において、アウタープレート14が反時計回り(他方向)に回転した場合には、ポール20の先端20aがインナープレート12の切欠21に押し付けられると、ポール20の先端20aがインナープレート12の切欠21に噛み込むことで、インナープレート12とアウタープレート14との相対回転が阻止され、アウタープレート14が回転不能にロックされる。
【0025】
なお、アウタープレート14が所定回転速度以上で回転した場合には、
図2の実線で示すように、バネ22の付勢力に抗って、ポール20の先端20aが遠心力によってアウタプレート14側(径方向外側)に揺動させられる。従って、ポール20の先端20aが切欠21に噛み込むことがなく、インナープレート12とアウタープレート14との相対回転が許容される。
【0026】
バネ22の長手方向の一端は、スプリングシート24にかしめ着けられることで支持され、長手方向の他端は、ポール20に当接させられている。スプリングシート24は、アウタープレート14の切欠26によって形成される間隙に、収容されるようにして嵌め付けられている。ここで、バネ22は、その幅(直径)が数ミリ程度と小さく、これに関連して、前記間隙の幅も数ミリ程度と小さい。このようなプレス加工によって形成される間隙の幅が小さい場合には、間隙の終点を繋ぐ壁面を平面形状に形成することが困難となる。具体的には、
図2に示すように、スプリングシート24の後述する平面形状を有する平面部28と対向するアウタープレート14の底壁面30が円弧状に形成される。従って、アウタープレート14の底壁面30でバネ22を直接支持すると、バネ22の中心軸が振れやすくなる。これを解消するため、本実施例では、バネ22が、スプリングシート24の平面形状を有する平面部28によって支持される。
【0027】
ところで、スプリングシート24のバネ22の一端を支持する平面部28は、平面形状を有しているが、この平面部28をアウタープレート14に対して安定的に着座させる必要がある。例えば、切欠26の加工方法を変更し、底壁面30を平面形状に形成すれば、スプリングシート24の平面部28と底壁面30とが面接触するため、スプリングシート24の姿勢が安定するが、底壁面30を平面形状に形成すると、製造コストが大幅に高くなるという問題が生じる。そこで、スプリングシート24を後述する形状とすることで、底壁面30が円弧状に形成された状態であってもスプリングシート24の姿勢を安定させることができる。。
【0028】
図3は、
図2のスプリングシート24の形状を詳細に示す図である。スプリングシート24は、バネ22を囲むように形成され、バネ22の長手方向の一端が支持(固定)される平面部28と、平面部28から垂直に伸びる一対のスプリングシートガイド部32a、32b(以下、シートガイド部32a、32b)と、一対のシートガイド部32a、32bからバネ22を保護する側に垂直に伸びるバネ保護部34a、34bと、平面部28から垂直に伸びる一対のかしめ部38a、38bとを、備えて構成されている。スプリングシート24は、一枚の金属平板(薄板)から構成され、プレス加工(打ち抜き)によって成形される。なお、シートガイド部32a、32bが、本発明の一対のガイド部に対応する。
【0029】
平面部28は、バネ22を受ける面が平面形状に形成されている。また、平面部28は、バネ22を受ける面に対して垂直方向から見たとき、略四角形状に形成されている。平面部28の中央には、バネ22の位置決めのための円筒部40が形成されている。この円筒部40にバネ22が嵌合される。また、平面部28に対して略垂直に折り曲げられることで形成される、一対のかしめ部38a、38bが形成されている。かしめ部38a、38bは、円筒部40を隔てて対向するようにして形成されている。バネ22をスプリングシート24に固定する際には、バネ22を円筒部40に嵌合させた状態で、かしめ部38a、38bを変形してかしめ着けられる。このように、バネ22が、平面形状を有する平面部28に支持されることで、バネ22が円弧状の底壁面30で支持される場合に比べてバネ22の姿勢が安定し、バネ22の中心軸の振れが抑制される。
【0030】
また、平面部28から垂直方向に折り曲げられることで形成される、一対のシートガイド部32a、32bが形成されている。シートガイド部32a、32bは、円筒部40にバネ22が取り付けられた状態(
図2参照)においてバネ22を隔てて互いに向き合い、バネ22の伸縮方向と平行に伸びている。これらシートガイド部32a、32bから、さらに略垂直方向に折り曲げられて形成される、バネ保護部34a、34bがそれぞれ形成されている。バネ保護部34a、34bは、長方形に形成され、バネ22が取り付けられた状態において、バネ22を隔てて互いに向き合うように形成されている。これより、バネ22が取り付けられた状態において、シートガイド部32a、32bおよびバネ保護部34a、34bが、バネ22を四方で囲むようにして形成されている。バネ保護部34a、34bが形成されることで、平面部28に取り付けられたバネ22が湾曲した場合であっても、バネ保護部34a、34bと当接し、バネ22のスプリングシート24以外の部材との干渉が防止される。
【0031】
シートガイド部32a、32bの平面部28から所定距離Lだけ離れた位置において、互いに向き合うシートガイド部32b、32aに対して互いに遠ざかる側に所定のテーパ角でもって折り曲げられた鍔部36a、36bが形成されている。従って、シートガイド部32a、32bの平面部28から所定距離Lだけ離れた鍔部36a、36bは、バネ22が取り付けられた状態において、それぞれバネ22に対して遠ざかる側に拡げられている。
【0032】
スプリングシート24は、
図2に示すように、平面部28にバネ22が取り付けられた状態で、平面部28がアウタープレート14の底壁面30を覆うようにして取り付けられる。また、アウタープレート14のスプリングシート24と当接する壁面41a、41bは、バネ22の伸縮方向と平行に形成され、且つ、低壁面30から所定距離だけ離れた位置に、それぞれ段付部が形成されている。
【0033】
具体的には、スプリングシート24のシートガイド部32aと当接するアウタープレート14の壁面41aについて説明すると、壁面41aは、シートガイド部32aの平面部28近傍の部位と当接する第1壁面42と、シートガイド部32aの鍔部36aの開口側端部と当接する第2壁面44とから形成されており、第1壁面42と第2壁面44との間に段付が形成されている。
【0034】
また、スプリングシート24のシートガイド部32bと当接するアウタープレート14の壁面41bについて説明すると、壁面41bは、シートガイド部32bの平面部28近傍の部位と当接する第3壁面46と、シートガイド部32bの鍔部36bの開口側端部と当接する第4壁面48とから形成されており、第3壁面46と第4壁面48との間に段付部が形成されている。
【0035】
上記段付部が形成されることで、第2壁面44と第4壁面48との間の間隙の寸法が、第1壁面42と第3壁面46との間の間隙の寸法よりも大きく形成されている。アウタープレート14にスプリングシート24が嵌め付けられる際には、シートガイド部32aの平面部28近傍の部位が第1壁面42と当接するとともに、シートガイド部32aの鍔部36aの開口側端部が第2壁面44と当接させられる。また、シートガイド部32bの平面部28近傍の部位が第3壁面46と当接するとともに、シートガイド部32bの鍔部36bの開口側端部が第4壁面48と当接させられる。
【0036】
このように、スプリングシート24のシートガイド部32a、32bが、アウタープレート14の第1壁面42〜第4壁面48の4箇所で当接させられていることで、アウタープレート14に対するスプリングシート24のガタが抑制され、スプリングシート24の平面部28の姿勢が安定する。また、平面部28は平面形状を有し、バネ22はこの平面部28で支持されることから、バネ22の振れも抑制され、バネ22の姿勢も安定する。
【0037】
例えば、スプリングシート24のシートガイド部32a、32bが、第1壁面42および第3壁面46で当接しただけでは、スプリングシート24の姿勢は安定しないことも考えられる。これに対して、シートガイド部32a、32bの鍔部36a、36bが第2壁面44および第4壁面48にそれぞれ当接することで、スプリングシート24の姿勢が安定する。スプリングシート24において、シートガイド部32a、32bの平面部28から所定距離Lだけ離れた位置にある鍔部36a、36bの開口端部が、それぞれ第2壁面44、第4壁面46と当接すると、例えばバネ22を介して平面部28の姿勢を変化させる力が作用しても、シートガイド部32aと第2壁面44の当接部、またはシートガイド部32bと第4壁面48との当接部で、平面部28の姿勢を維持する方向に作用する反力が発生するため、平面部28の姿勢の変化が防止される。
【0038】
また、スプリングシート24のうち少なくともシートガイド部32a、32bは、バネ22に比べて柔らかい材質で形成され、スプリングシート24のシートガイド部32a、32b剛性が、バネ22の剛性よりも低く形成されている。このように、スプリングシート24のシートガイド部32a、32b剛性が、バネ22の剛性よりも低いため、仮にバネ22が湾曲してスプリングシート24と接触した場合であっても、バネ22の摩耗や破損が防止される。
【0039】
また、シートガイド部32a、32bの鍔部36a、36bは、それぞれバネ22から離れる側に傾斜されているため、仮にバネ22が湾曲してスプリングシート24と接触した場合であっても、シートガイド部32a、32bの鍔部36a、36bがバネ22の線間に噛み込むことも防止される。
【0040】
上述のように、本実施例によれば、スプリングシート24の平面部28によってバネ22の一端が受けられるため、アウタープレート14の低壁面30を平面に加工することなく、バネ22を平面で支持することができる。ここで、スプリングシート24は、アウタープレート14と当接するシートガイド部32a、32bを有することから、そのシートガイド部32a、32bによってスプリングシート24およびバネ22の振れを抑制できるため、バネ22と周辺部位との干渉を確実に防止できる。従って、バネ22に負荷がかかることも抑制され、ワンウェイクラッチ10の耐久性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施例によれば、スプリングシート24の一対のシートガイド部32a、32bは、平面部28から所定距離Lだけ離れた鍔部36a、36bが、それぞれバネ22に対して遠ざかる側に拡げられた状態で、その開口側端部がアウタープレート14に当接させられているため、スプリングシート24の振れに対して、シートガイド部32a、32bの鍔部36a、36bとアウタープレート14との間で、スプリングシート24の振れを抑制する力が作用し、スプリングシート24の姿勢が安定する。また、バネ22が湾曲した場合であっても、シートガイド部32a、32bがバネ22の線間に噛み込むことが防止される。
【0042】
また、本実施例によれば、スプリングシート24のうち少なくともシートガイド部32a、32bの剛性は、バネ22の剛性よりも低いため、仮にバネ22が湾曲してシートガイド部32a、32bと接触した場合であっても、バネ24の摩耗を抑制することができる。
【0043】
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0044】
図4は、本発明の他の実施例であるラチェット機構60の構造を示している。ラチェット機構60は、インナープレート62とアウタープレート64との間に設けられている。ラチェット機構60は、インナプレート62側に向かって揺動可能な状態で取り付けられているポール66と、そのポール66とアウタープレート64との間に設けられ、ポール66をインナープレート62に向かって押し付けることで、ポールをインナープレート62側に揺動させるバネ70と、アウタープレート64に取り付けられ、バネ70を支持するスプリングシート72とを、備えている。なお、
図4にあっては、バネ70およびスプリングシート72が断面図で記載されている。また、インナープレート62が本発明の第1部材および他方の部材に対応し、アウタープレート64が本発明の第2部材および一方の部材に対応している。
【0045】
アウタープレート64には、ポール66、バネ70、およびスプリングシート72を収容する空間を形成するための切欠74が形成されている。切欠74は、プレス加工(打ち抜き)によって形成されている。
【0046】
本実施例のラチェット機構60を前述の実施例のラチェット機構16と比較すると、スプリングシート72およびアウタープレート64の切欠74の形状が相違している。以下、前述の実施例と相違するアウタープレート64およびスプリングシート72の構造について説明する。
【0047】
スプリングシート72は、アウタープレート64の切欠74によって形成される壁面(間隙)に嵌め付けられている。スプリングシート72は、バネ70の一端を支持する平面部76と、その平面部76から垂直方向に伸びる一対のスプリングシートガイド部78a、78bを含んで構成されている。なお、
図4では、記載されないものの、前述の実施例と同様に、かしめ部およびバネ保護部が形成されている。また、本実施例においても、スプリングシート72は、一枚の金属平板から構成され、プレス加工(打ち抜き)によって形成される。なお、スプリングシートガイド部78a、78bが、本発明の一対のガイド部に対応している。
【0048】
平面部76は、バネ70を支持する面が平面形状に形成されている。また、平面部76は、バネ70を支持する面に対して垂直方向から見たとき、略四角形に形成されている。平面部76の中央には、バネ70の位置決めのための円筒部80が形成されている。
【0049】
また、平面部76から垂直方向に折り曲げられることで形成される、一対のスプリングシートガイド部78a、78b(以下、シートガイド部78a、78b)が形成されている。シートガイド部78a、78bは、スプリングシート72にバネ70が取り付けられた状態において、バネ70を隔てて互いに向き合い、バネ70の伸縮方向と平行に伸びている。
【0050】
シートガイド部78a、78bには、平面部76から所定距離だけ離れた位置において、バネ70から遠ざかる側に向かって垂直に折り曲げられた鍔部82a、82bがそれぞれ形成されている。
【0051】
アウタープレート64には、切欠74によって、バネ70の伸縮方向と平行に形成され、スプリングシートガイド部78a、78bとそれぞれ当接する第1壁面84および第2壁面86が形成されている。さらに、アウタープレート64には、切欠74によって、鍔部82a、82bと平行に形成され、その鍔部82a、82bと当接する第3壁面88および第4壁面90が形成されている。
【0052】
このように、スプリングシート72が、アウタープレート64の第1壁面84〜第4壁面90の4箇所で当接させられることで、アウタープレート64に対するスプリングシート72のガタが抑制され、スプリングシート72の平面部76の位置が安定する。
【0053】
例えば、スプリングシート72のシートガイド部78a、78bが、第1壁面84および第2壁面86にそれぞれ当接しただけでは、スプリングシート72の姿勢は安定しないことも考えられる。これに対して、シートガイド部78a、78bに形成されている鍔部82a、82bが、第3壁面88および第4壁面90にそれぞれ当接することで、スプリングシート72の姿勢が安定する。スプリングシート72の鍔部82a、82bが第3壁面88、第4壁面90に当接すると、平面部78の姿勢を変化させる力が作用しても、鍔部82aと第3壁面88との当接部、または鍔部82bと第4壁面90との当接部との間で、スプリングシート72の姿勢を維持する方向の反力が発生するため、スプリングシート72の姿勢の変化が防止される。
【0054】
また、本実施例においても、スプリングシート72のうち少なくともシートガイド部78a、78bは、バネ70に比べて柔らかい材質で形成され、スプリングシート72のシートガイド部78a、78bの剛性が、バネ70の剛性よりも低く形成されている。このように、スプリングシート72のシートガイド部78a、78bの剛性が、バネ70の剛性よりも低いため、仮にバネ70が湾曲してスプリングシート72のシートガイド部78a、78bと接触した場合であっても、バネ70の摩耗や破損が防止される。
【0055】
また、シートガイド部78a、78bの鍔部82a、82bは、それぞれバネ70から遠ざかる側に垂直に折り曲げられているため、仮にバネ70が湾曲してスプリングシート72と接触した場合であっても、シートガイド部78a、78bがバネ70の線間に噛み込むことも防止される。
【0056】
上述のように、本実施例によっても前述の実施例と同様の効果を得ることができる。すなわち、アウタープレート64のスプリングシート72が収容される壁面を平面に形成することなく、スプリングシート72の姿勢を安定させることができる。従って、スプリングシート72によって支持されるバネ70の振れが抑制され、バネ70の周辺部位との干渉を確実に防止して、ワンウェイクラッチの耐久性を向上させることができる。
【0057】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0058】
例えば、前述の実施例では、アウタープレート14、64側にスプリングシート24、72が設けられていたが、インナープレート12、62側にスプリングシート24、72が設けられ、ポール20、66がバネ22、70によってアウタープレート14、64側に押し付けられるものであっても構わない。
【0059】
また、前述の実施例では、アウタープレート14が回転し、インナープレート12が回転停止させられていたが、アウタープレート14が回転停止させられ、インナープレート12が回転するものであっても構わない。
【0060】
また、前述の実施例では、スプリングシート24、72には、バネ保護部34a、34bが形成されていたが、このバネ保護部34a、34bは必ずしも必要ではなく、バネ保護部34a、34bが形成されないものであっても構わない。
【0061】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。