(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記方法では人間(作業者)が動物に発信機を装着するため、作業者の労力と危険が伴う。また、生態調査の精度を上げるには多くの動物に発信機を装着する必要があり、作業者の労力と危険が増す。
【0008】
そこで、本発明は、動物に発信機を簡易に装着することができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発信機装着装置は、径が小さくなるように変形する輪と、
前記輪に接続された帯状部と、前記輪を保持可能な保持体と
、前記保持体内に圧縮した状態で収納されうるスプリングと、踏み板と、前記輪の径の大きさを変える止め部とを備え、動物が前記輪にかかる前は、
前記スプリングが前記保持体内に圧縮した状態で収納されているとともに、前記帯状部が前記保持体に固定されていることにより前記輪が前記保持体に保持され、
動物が前記踏み板を踏むことにより前記スプリングが伸長し、伸長した前記スプリングの一端が前記止め部を移動させることにより前記輪の径の大きさが変わり、動物が前記輪にかかった後は、動物が前記輪にかかる前よりも前記輪の径が小さいとともに、前記輪が前記保持体から離脱する。前記輪には、発信機が取り付けられている。
【0010】
上記構成では、動物の足に輪がかかると、輪とともに発信機が動物の足に装着されるため、動物に発信機を簡易に装着することができる。
【0011】
別の観点として、本発明の発信機装着装置は、径が小さくなるように変形する輪と、前記輪を保持可能な保持体と、前記輪と前記保持体との間に配置される補助具と、前記補助具の上方に配置される踏み板と
、前記輪に取り付けられた発信機とを備え、前記保持体は、動物が前記輪にかかった後の前記輪の径より大きい径を有する筒状に形成され、動物が前記輪にかかる前に、前記輪は前記保持体の径より大きい状態で前記補助具によって前記保持体に保持され、前記動物が踏み板を踏むことで前記補助具が動くことにより、前記輪が前記補助具から離脱
し、動物が前記輪にかかった後は、動物が前記輪にかかる前よりも前記輪の径が小さい。
【0012】
上記構成では、動物の足に輪がかかると、輪とともに発信機が動物の足に装着されるため、動物に発信機を簡易に装着することができる。また、輪より大きな径の保持体と、輪を保持体に保持する補助具とを用いることで、動物に輪と発信機を簡易に装着することができる。また、輪を補助具及び保持体から簡易に離脱させることができる。
【0013】
或いは、上記構成において、
前記輪又は前記帯状部には他の部分より引張強度が低い低強度部が形成されていることが好ましい。
【0014】
上記構成では、動物が輪にかかった後は、動物が発信機装着装置から離れようとすると、輪及び帯状部が引っ張られ、低強度部で切れる。これにより輪が保持体から離脱するため、動物が開放される。
【0015】
また、上記構成において、前記輪又は前記帯状部の少なくとも一部が前記発信機のアンテナであることが好ましい。
【0016】
上記構成ではアンテナの長さの自由度を高めることができる。これにより発信機の信号を受信できる範囲を調整することができる。
【0017】
また、上記構成において、前記輪が伸縮可能な部材で形成されていることが好ましい。
【0018】
上記構成では、輪が伸縮可能であるため、動物の足を締め付けない。これにより、動物は、足に輪と発信機が装着された状態で、自由に移動できる。
【0019】
前記発信機は、GPS発信機であることが好ましい。GPS発信機が動物に装着されていると、GPS発信機により動物の正確な位置情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、動物の足に輪がかかると、輪とともに発信機が動物の足に装着されるため、動物に発信機を簡易に装着することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1実施形態〕
図1には、発信機装着装置1を森林等に設置した状態を示している。発信機装着装置1は、ワイヤ2と、細長い筒状の保持体3と、保持体3内に収納されたスプリング4と、スプリング4の上端を保持する金具5と、金具5に接続された踏み板6とを有している。ワイヤ2には、止め具7が取り付けられている。止め具7
(止め部)には、発信機8が取り付けられている。保持体3は、図示しない穴に上下方向に延在するように配置され、地面の高さより上方に突出していない。踏み板6の下には、別の穴11がある。
【0023】
ワイヤ2は、一本の部材からなり、輪21と、輪21に接続された帯状部22とを有している。輪21は、踏み板6を囲むように、地面に配置されている。帯状部22は、保持体3内で、上下方向に延在するように配置されている。帯状部22の下端部は、保持体3の底部に固定されている。
【0024】
輪21は、止め具7でワイヤ2の先端部2tをワイヤ2の途中に保持することによって形成されている。止め具7は、ワイヤ2に摺動可能に取り付けられている。止め具7によるワイヤ2の保持位置を変えることで、輪21の径の大きさ及び帯状部22の長さが変わる。
【0025】
発信機8には、例えば、GPS発信機又は特定小電力無線機を用いることができる。
【0026】
ワイヤ2には、先端部2tから少し離れた部分に切り込み2Aが形成されている。切り込み2Aが形成された部分(低強度部)は、ワイヤ2の他の部分より細いため、ワイヤ2の他の部分より引張強度が低い。
図1では、切り込み2A(低強度部)が輪21に存在するが、止め具7の保持位置が変わることで、切り込み2A(低強度部)が帯状部22に存在するようになる(
図3(a)参照)。
【0027】
ワイヤ2の少なくとも一部には、伸縮可能な部材(例えばゴムやスプリング等の弾性部材)が用いられている。また、ワイヤ2の先端部2t周辺には、発信機8のアンテナとして機能する部材(例えば金属線)が用いられている。本実施形態では、ワイヤ2の切り込み2Aより先端部2t側の少なくとも一部にアンテナとして機能する金属線等が用いられている。例えば、伸縮可能な部材とアンテナとして機能する部材とがワイヤ2の長手方向に並び、これらが接続されていてもよい。
【0028】
スプリング4は、帯状部22を取り巻くように巻き回されている。
図1では、スプリング4が、圧縮した状態で保持体3に収納されている。スプリング4は、ワイヤ2の長手方向に伸縮する。
【0029】
金具5は、棒51と、棒51の径方向に突出したピン52とを有している。棒51は、穴11において、踏み板6の下方に配置されている。ピン52は、保持体3の側部に形成された貫通孔31を通過して、スプリング4の上端に載置されている。これによりスプリング4は、圧縮した状態に維持されている。
【0030】
踏み板6は、棒51の上端部に固定されている。踏み板6は、穴11の開口を塞ぐように配置されている。
図1では踏み板6が板状の部材であるが、踏み板6は穴11の開口より大きいゴム状の部材、シート状の部材又は膜状の部材等でもよい。踏み板6がゴム状の部材、シート状の部材又は膜状の部材等であるとき、動物が踏み板6を踏むと、踏み板6が凹状に撓む。
【0031】
動物が踏み板6を踏むと、
図2(a)に示すように、踏み板6が穴11に落ちるとともに金具5が倒れ、ピン52がスプリング4の上端から外れる。スプリング4は伸長し、止め具7を押す。止め具7は摺動しながらワイヤ2の先端部2tに近付いていくことで、輪21の径が小さくなっていく。一方、帯状部22は長くなっていく。輪21が動物の足の大きさになると(
図2(b)参照)、輪21が動物の足にかかる。また、止め具7に取り付けられた発信機8が動物の足に装着される。この状態では、ワイヤ2の切り込み2A(低強度部)が帯状部22に存在する。
【0032】
動物が逃げようとすると、ワイヤ2の帯状部22は引っ張られ、切り込み2Aから裂けて切れる(
図3(a)及び
図3(b)参照)。輪21には、帯状部22の切り込み2Aより先端側の部分(第1部分帯状部22a)が接続されている。帯状部22の残りの部分(第2部分帯状部22b)は、保持体3に保持されている。動物は、足に輪21と発信機8を装着した状態で、自由に移動可能となる(
図3(b)参照)。輪21又は第1部分帯状部22aの少なくとも一部には、アンテナとして機能する部材(例えば金属線)が用いられている。
【0033】
発信機8の信号を受信し、この信号を解析することにより、動物の位置情報及び動的生態特性を得ることができる。この方法として、例えば以下の方法がある。
【0034】
図4に示すように、発信機から通信可能な区域A,B,C・・・に分け、それぞれの区域に中継局a,b,c・・・を設置する。各中継局a,b,c・・・には、図示しない受信機が配置されている。発信機8が装着された動物が区域Bに存在するときは、発信機8の信号を区域Bにある中継局bで受信する。動物が区域Bから区域Dに移動すると、区域Dにある中継局dで発信機8の信号を受信する。動物が区域Dから区域Hに移動すると、区域Hにある中継局hで発信機8の信号を受信する。受信した信号は、別の場所に配置された小屋等(図示せず)へ送られる。小屋等に待機している調査者は、その信号を基に、動物の位置や動的生態特性等をリアルタイムに把握することができる。
【0035】
また、他の方法として、
図5に示すように、ドローン等の移動体100を上空で飛行させ、移動体100に搭載された受信機(図示せず)で発信機8の信号(ID情報)を受信する方法がある。発信機8の信号と移動体100の位置情報は、調査者が待機している小屋等(図示せず)に送られる。調査者は、送られた信号と移動体100の位置情報を基に、動物の位置や動的生態特性等をリアルタイムに把握することができる。また、移動体100の受信機に発信機8の信号を蓄積し、所定時間経過後に移動体100を小屋等へ移動させてもよい。
【0036】
その他の方法として、複数の狩猟者が受信機を携帯する方法がある。複数の狩猟者(例えば狩猟者X及び狩猟者Y)が発信機8の信号を受信して、動物の位置を把握することができる。これにより、狩猟者X及び狩猟者Yが、例えば交差する方向から動物を狙うことができるため(
図6参照)、動物の捕獲率を高くすることができる。
【0037】
以上に述べたように、本実施形態の発信機装着装置1によると以下の効果を奏する。
動物が踏み板6を踏むと、金具5が倒れ、スプリング4の上端からピン52が外れる。これによりスプリング4が伸長し、止め具7を押す。止め具7はワイヤ2の先端部に近付くことで、輪21の径が小さくなり、輪21が動物の足にかかる。また、発信機8が動物の足に装着される。このように輪21が動物の足にかかると、発信機8が動物の足に装着されるため、動物に発信機8を簡易に装着することができる。
【0038】
また、動物の足に輪21が掛かった後、切り込み2Aが形成された部分(低強度部)は帯状部22にある。ワイヤ2の切り込み2Aが形成された部分(低強度部)は他の部分より細く、引張強度が低い。したがって、動物がその場を離れようとすると、ワイヤ2が引っ張られ、切り込み2Aで裂けて切れる。これにより輪21が保持体3から離脱するため、動物が開放される。
【0039】
また、切り込み2Aはワイヤ2の先端部2tに近い位置に形成されているため、輪21が動物の足にかかる前は、切り込み2Aが輪21に存在し、動物の足に輪21がかかった後は、切り込み2Aが帯状部22の輪21に近い位置に存在する(
図3(a)参照)。これにより、ワイヤ2が切れた後、輪21から垂れ下がる第1部分帯状部22aの長さが短くなるため、動物が自由に移動しやすい。
【0040】
また、ワイヤ2の少なくとも一部が伸縮可能な部材から形成されているため、輪21が動物の足を締め付けない。これにより動物の足が輪21によって傷付けられたり壊死したりする心配がなく、動物が自由に移動できる。
【0041】
また、ワイヤ2の少なくとも一部を発信機8のアンテナとして利用することで、アンテナの長さをワイヤ2の長さの範囲で変えることができるため、アンテナの長さの自由度が高まる。これにより発信機の信号を受信できる範囲を調整することができる。
【0042】
また、発信機8にGPS発信機を用いたときは、GPS発信機により動物の正確な位置情報を得ることができる。
【0043】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、
図7〜
図9を参照しつつ説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、動物の足に発信機を装着する構成である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0044】
図7には、発信機装着装置201を森林等に設置した状態を示している。発信機装着装置201は、輪202と、筒状の保持体203と、保持体203が収容された筒体204と、輪202を保持体203に保持する4つの補助具205と、4つの補助具205の上方に配置された踏み板206とを備えている。輪202には、発信機8が取り付けられている。
図7では、4つの補助具205のうち3つの補助具205が視認可能な位置にある。
【0045】
発信機装着装置201は、穴211に配置されている。穴211は、保持体203、筒体204及び補助具205が地面の高さより上方に位置しない深さに形成されている。
【0046】
輪202は、保持体203の外側に配置されている。輪202と保持体203との間には、4つの補助具205が等間隔に配置されている。
図7では、輪202が伸長し、輪202の径が保持体203の径より大きい状態を図示している。輪202の保持体203への保持が解除されたとき、輪202の径は保持体203の径より小さい(
図9(a)参照)。
【0047】
輪202には、伸縮可能な部材(例えばゴムやスプリング等の弾性部材)が用いられている。また、輪202には、発信機8のアンテナとして機能する部材(例えば金属線)が用いられている。例えば、伸縮可能な部材とアンテナとして機能する部材とが輪202の周方向に並び、これらが接続されていてもよい。
【0048】
補助具205は、第1方向に延在した第1延在部221と、第1延在部221と反対方向に延在した第2延在部222と、第1延在部221と第2延在部222との境界部分から第2延在部222とV字形状を形成するように延在した第3延在部223とを有している。第1延在部221と第2延在部222との境界部分が、保持体203の上縁部203uに載置されている。第1延在部221は保持体203の上方に配置され、第2延在部222及び第3延在部223は保持体203より径の大きい部分に配置されている。第1延在部221と第2延在部222は、水平になるように配置されている。第3延在部223は、第2延在部222より低い位置に配置されている。第3延在部223は、輪202と保持体203との間に配置されている。
【0049】
補助具205は、保持体203の上縁部203uに、第1延在部221と第2延在部222との境界部分を中心に回転可能に取り付けられている(
図7及び
図8(a)参照)。
【0050】
輪202が4本の補助具205によって保持体203に保持されている状態で、輪202と保持体203と4本の補助具205とが筒体204に収容されている(
図7参照)。
【0051】
踏み板206は、保持体203の上端開口203aを塞ぐように、4つの補助具205の第1延在部221の上に配置されている。
図7では、踏み板206が板状の部材である場合を図示しているが、踏み板206は保持体203の上端開口203aより大きいゴム状の部材、シート状の部材又は膜状の部材等であってもよい。
【0052】
動物が踏み板206を踏むと、
図8(a)に示すように、踏み板206が第1延在部221を押し下げることで、4つの補助具205が回転する。輪202は第3延在部223によって押し上げられ、補助具205から上方に飛び出す(
図8(b)参照)。輪202は収縮することで径が小さくなっていき、動物の足の大きさになる(
図9(a)参照)。輪202が動物の足にかかると、輪202に取り付けられた発信機8が動物の足に装着される。
【0053】
輪202は保持体203及び4つの補助具205から離脱しているため、動物は、輪202と発信機8を装着した状態で、自由に移動することができる(
図9(b)参照)。
【0054】
発信機8の信号を受信し、この信号を解析することにより、動物の位置情報及び動的生態特性を得ることができる。この方法として、第1実施形態と同様に、中継局を利用する方法、ドローン等の移動体を利用する方法、及び狩猟者が受信機を携帯する方法等を利用することができる(
図4,
図5及び
図6参照)。
【0055】
以上に述べたように、本実施形態の発信機装着装置201によると以下の効果を奏する。
動物が踏み板206を踏むと、補助具205が回転することで、輪202が補助具205から飛び出す。輪202は収縮することで、径が小さくなり、輪202が動物の足にかかる。また、輪202に取り付けられた発信機8が動物の足に装着される。このように動物の足に輪202がかかると、発信機8が動物の足に装着されるため、動物に発信機8を簡易に装着することができる。
【0056】
また、補助具205を用いて輪202を伸長させた状態で保持体203に保持し、補助具205を回転させることで輪202の保持を解除するという簡易な構成で、動物に輪202と発信機8を装着することができる。また、輪202を保持体203及び補助具205から簡易に離脱させることができる。
【0057】
また、輪202の少なくとも一部を発信機8のアンテナとして利用することで、アンテナの長さを輪202の長さの範囲で変えることができるため、アンテナの長さの自由度が高まる。これにより発信機の信号を受信できる範囲を調整することができる。
【0058】
また、発信機8にGPS発信機を用いたときは、GPS発信機により動物の正確な位置情報を得ることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
例えば、上述の第1実施形態ではワイヤ2を用い、第2実施形態では輪202を用いたが、ワイヤ2と輪202にはワイヤに代えて他の素材を用いてもよい。例えば、ひも状のもの、ロープ状のもの、スプリング等を用いてもよい。
【0061】
また、上述の第1実施形態では、動物の足に掛かった輪21又は輪21につながった第1部分帯状部22aの少なくとも一部がアンテナとして機能しているが、輪21及び第1部分帯状部22aの両方にアンテナとして機能する部材を用い、輪21及び第1部分帯状部22aの両方がアンテナとして機能してもよい。
【0062】
また、上述の第1実施形態では、動物の足に掛かった輪21又は輪21につながった第1部分帯状部22aの少なくとも一部がアンテナとして機能している。また、第2実施形態では、動物の足に掛かった輪202の少なくとも一部がアンテナとして機能している。しかし、輪21及び輪202がアンテナとして機能せず、発信機8にアンテナが内蔵されていてもよい。
【0063】
また、上述の第1実施形態では、ワイヤ2に切り込み2Aを形成することで、他の部分より引張強度が低い低強度部を形成しているが、低強度部は切り込み2A以外の方法で形成してもよい。例えば、他の部分と太さを変える又は材質を変えることによって、ワイヤに他の部分より引張強度が低い低強度部を形成してもよい。また、ワイヤに低強度部を形成せず、ワイヤを引っ張ると最も力がかかった部分でワイヤが切れるような材質のものを用いてもよい。
【0064】
また、上述の第1実施形態では、輪21が動物の足にかかる前は、切り込み2Aが輪21に存在し、動物の足に輪21がかかった後は、切り込み2Aが帯状部22に存在するが、輪21が動物の足にかかる前も後も切り込み2Aが輪21に存在していてもよい。
【0065】
また、上述の第1実施形態では、ワイヤ2の少なくとも一部に伸縮可能な部材を用いているが、ワイヤ2のうち輪21を形成する部分だけに伸縮可能な部材を用いてもよい。輪21を形成する部分とは、動物の足に輪21がかかった後に動物の足に装着された部分である。また、輪21を形成する部分の一部のみが伸縮可能な部材で形成されていてもよい。
【0066】
また、上述の第2実施形態では、補助具205が、第1延在部221と第2延在部222との境界部分を中心に回転可能に保持体203の上縁部203uに取り付けられているが(
図7参照)、補助具205が保持体203の上縁部203uに載置されているだけでもよい。
【0067】
また、補助具205の形状は上述した形状に限られず、変更可能である。例えば、補助具に棒状の部材を用いてもよい。この場合、保持体203の上縁部203uに、4つの棒状の部材を等間隔に配置する。また、4つの棒状の部材を、保持体203の径方向に延在するように、水平に配置する。そして、輪202を4つの棒状の部材の最外端に引っ掛ける。これにより、輪202が4つの棒状の部材(補助具)によって保持体203に保持される。また、上記例において、4つの棒状の部材を傾斜させてもよい。例えば、棒状の部材を、最内端(一端)が保持体203内に配置されるように、つまり、最内端(一端)が最外端(他端)より低い高さに位置するように傾斜させてもよい。
【0068】
また、補助具が保持体203の周方向に延在した帯状に形成されていてもよい。また、第2実施形態では、第1延在部221と第2延在部222とが反対方向に延在し、第1延在部221と第2延在部222とのなす角が180°であるが、第1延在部221と第2延在部222とのなす角(第3延在部223が存在しない部分の角)が鈍角であってもよい。
【0069】
また、動物の足に輪をかける装置及び方法は、上述の第1実施形態及び第2実施形態で説明した装置及び方法に限定されず、様々な装置及び方法を利用することができる。
【0070】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、発信機の受信方法として、中継局を利用する方法、ドローン等の移動体を利用する方法、及び狩猟者が受信機を携帯する方法を説明したが、これらの方法に限定されない。