特許第6404902号(P6404902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6404902ヘッドレスト構造、ヘッドレストクッションおよび乗客シート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404902
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ヘッドレスト構造、ヘッドレストクッションおよび乗客シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/838 20180101AFI20181004BHJP
【FI】
   B60N2/838
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-506298(P2016-506298)
(86)(22)【出願日】2014年4月8日
(65)【公表番号】特表2016-517816(P2016-517816A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】SG2014000155
(87)【国際公開番号】WO2014168583
(87)【国際公開日】20141016
【審査請求日】2016年4月21日
(31)【優先権主張番号】201302619-0
(32)【優先日】2013年4月8日
(33)【優先権主張国】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】504319965
【氏名又は名称】シンガポール・テクノロジーズ・エアロスペース・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SINGAPORE TECHNOLOGIES AEROSPACE LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】309034504
【氏名又は名称】天龍エアロコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェン グオ イン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シアン アン
(72)【発明者】
【氏名】澤田 輝男
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−272554(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0315657(US,A1)
【文献】 特表2005−518984(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0117430(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客シートのためのヘッドレスト構造であって、
前記ヘッドレスト構造は、
乗客シートへの接続のための調整可能ヘッドレストフレームと、
座席利用者の頭部を支持するための支持面を有しており、前記ヘッドレストフレームに取り付けられているヘッドレストクッションであって、前記ヘッドレストクッションは、前記ヘッドレストフレームによって前記乗客シートのシートバックに対して可動であるように取り付けられている、ヘッドレストクッションと
を備え、
前記ヘッドレストフレームは、前記ヘッドレストフレームの最上部および最下部が、前記ヘッドレストフレームが直立位置にある場合のそれぞれの位置を基準として異なる方向に移動するように、前方傾斜および後方傾斜を提供するように構成されており、
前記ヘッドレストフレームは、初期位置から上向き方向に動くことができ且つ前記初期位置に戻るように下向き方向に動くことができるように、前記ヘッドレストフレームにおける所定位置に接続されており且つ前記乗客シートに前記ヘッドレストフレームを取り付けるための取り付けブレースに接続されているヒンジを備え
前記ヘッドレストクッションは、前記支持面に形成された切り欠きを有しており、前記切り欠きは、前記ヘッドレストフレームの側部を前記ヘッドレストフレームの中央部に対して折り畳むために、前記調整可能ヘッドレストフレームの対応する折り畳みジョイントに対して整列されている、ヘッドレスト構造。
【請求項2】
前記ヘッドレストクッションは、第1の圧縮強度を有する中央部と、前記第1の圧縮強度とは異なる第2の圧縮強度を有する側部とを備える、請求項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項3】
前記第1の圧縮強度は、前記第2の圧縮強度よりも高い、請求項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項4】
前記ヘッドレストクッションの前記中央部は、前記調整可能ヘッドレストフレームの中心取り付けプレートに取り付けられる、請求項2又は3に記載のヘッドレスト構造。
【請求項5】
前記ヘッドレストクッションの前記側部は、前記調整可能ヘッドレストフレームの対応する側部取り付けプレートに取り付けられる、請求項2〜4のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項6】
前記支持面は、前記ヘッドレストフレームから外方に向いており
前記支持面は、凹面上部及び凸面下部を備え、
前記支持面の前記凹面上部は、前記支持面の前記凸面下部に対して直に接している、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項7】
前記凹面上部の湾曲は、前記凸面下部の湾曲よりも浅い、請求項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項8】
前記凹面上部および前記凸面下部は各々、前記乗客シートに対する前記ヘッドレストクッションの水平幅のほぼ全体にわたって延伸する、請求項6又は7に記載のヘッドレスト構造。
【請求項9】
前記ヘッドレストフレームは、4ウェイヘッドレストフレームである、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項10】
前記ヘッドレストフレームは、6ウェイヘッドレストフレームである、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項11】
前記ヘッドレストフレームは、前記ヘッドレストクッションが上向きおよび下向きの方向において、前方および後方への傾きにおいて、ならびに、2つの折り畳み線に沿った折り畳みにおいて可動であるように構成されている、請求項10に記載のヘッドレスト構造。
【請求項12】
前記ヘッドレストフレームは、前方傾斜および後方傾斜のための回転軸が、前記ヘッドレストフレームの高さの上部約1/4に設けられるように、前記前方傾斜および前記後方傾斜を提供するように構成されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造。
【請求項13】
請求項1〜1のいずれか一項に記載のヘッドレスト構造を備える、乗客シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範には、ヘッドレスト構造、ヘッドレストクッションおよび乗客シートに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドレストは、座席利用者の頭部の支持を提供するために、乗客シート、たとえば航空機の乗客シートにおいて一般的に使用されている。有効であるために、ヘッドレストは、座席の背もたれの上で正確な距離に位置づけられるべきである。背もたれの上の距離は、人体測定学および個人の快適性嗜好に応じて人ごとに異なる。
【0003】
航空機座席の従来のヘッドレストは、座席利用者が、上向きおよび下向きに動かすことによって個々の快適性および嗜好に基づく背もたれの上の正確な距離に位置づけられるようにヘッドレストを調整することができる、2ウェイヘッドレストである。従来の2ウェイヘッドレストが直面する課題に取り組み、対処するために、4および6ウェイヘッドレストが開発されている。
【0004】
4ウェイヘッドレストは、上向きおよび下向きの調整を可能にするのに加えて、座席利用者の横向きの頭部支持を可能にするために、その側部が折り畳まれることを可能にする。
【0005】
4ウェイヘッドレストについて上述した機能に加えて、6ウェイヘッドレストは、ヘッドレストが前後に傾くことを可能にする。そのため、6ウェイヘッドレストは、座席利用者に対し、個々の嗜好に基づく広範囲のヘッドレスト調整を可能にする。
【0006】
既存のヘッドレスト設計において、ヘッドレストクッションは一般的に、座席利用者の頭部の支持を可能にするために、実質的に平坦な支持面、すなわち、ヘッドレストフレームから外方に向き、座席利用者の頭部に向いている表面を有して形成されている。特に、座席利用者が眠っている間、自身の頭部を横向きに傾けるのが一般的である長距離飛行において、多くの乗客が首の負担および強張りを経験し続けることが分かっている。そのため、乗客の着座の快適性が損なわれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、上記の問題の少なくとも1つを考慮した、ヘッドレスト、ヘッドレストのためのクッションおよび乗客シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、乗客シートのためのヘッドレスト構造が提供され、ヘッドレスト構造は、乗客シートへの接続のための調整可能ヘッドレストフレームと、調整可能ヘッドレストフレームに取り付けられているヘッドレストクッションであって、ヘッドレストクッションは、調整可能ヘッドレストフレームによって乗客シートのシートバックに対して可動であるように取り付けられている、ヘッドレストクッションとを備え、ヘッドレストクッションは、ヘッドレストフレームから外方に向いている支持面を備え、支持面は、乗客シートに対する凹面上部および凸面下部を備える。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、乗客シートのための調整可能ヘッドレストフレームのヘッドレストクッションが提供され、ヘッドレストクッションは、調整可能ヘッドレストフレームによってヘッドレストクッションが乗客シートのシートバックに対して可動であるように、調整可能ヘッドレストフレームに取り付けられるように構成されており、ヘッドレストクッションは、ヘッドレストフレームから外方に向くように配置されている支持面を備え、支持面は、乗客シートに対する凹面上部および凸面下部を備える。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様のヘッドレスト構造を備える乗客シートが提供される。
【0011】
本発明の実施形態は、図面とともに、ほんの一例としての以下の記載から当業者により良好に理解され、容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1a】例示的な実施形態によるヘッドレスト構造の概略分解等角図である。
図1b図1のヘッドレスト構造の概略側面図である。
図2a】異なる傾斜方向にある、図1のヘッドレスト構造のヘッドレストフレームの概略側面図である。
図2b】異なる傾斜方向にある、図1のヘッドレスト構造のヘッドレストフレームの概略側面図である。
図3a】異なる傾斜方向にある、図1のヘッドレスト構造のヘッドレストクッションの概略側面図である。
図3b】異なる傾斜方向にある、図1のヘッドレスト構造のヘッドレストクッションの概略側面図である。
図4図1のヘッドレスト構造の概略等角図である。
図5a図1のヘッドレスト構造の概略正面図である。
図5b図1のヘッドレスト構造の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、涙滴形状クッションと結合されている6ウェイヘッドレストを提供する。6ウェイヘッドレストは、座席利用者が、自身の好適な構成にヘッドレストを調整することを可能にし、一方で、ヘッドレストクッションは、好ましくは頭部および首の両方の支持を可能にする、乗客シートに対する凹面上部および凸面下部を有する支持面を有する。
【0014】
例示的な実施形態において、ヘッドレストクッションの形状は、人間の頭部および首の解剖学を考慮に入れるように設計されており、より詳細には、クッションは、人間の頭部および首の領域の後部外形に従う凹面上半部および凸面下半部を有する。有利には、凹面上半部は、頭部の支持を可能にし、一方で、凸面下半部は、座席利用者の首の支持を可能にする。
【0015】
図1aは、例示的な実施形態によるヘッドレスト100の概略分解等角図を示す。ヘッドレスト100は、上向き調整、下向き調整、前方傾斜、後方傾斜、および2つの折り畳み線に沿った折り畳みを可能にする。ヘッドレスト100は、ヘッドレストフレーム102と、ヘッドレストクッション104とを備える。6ウェイヘッドレストフレーム102および成形クッション104によって、例示的な実施形態は好ましくは、人体測定学的に異なる広範囲の座席利用者について、頭部および首の両方の支持を提供することが可能である。ヒンジ、たとえば109によるヘッドレストフレーム側部フラップ106、108の折り畳みによって、有利には、頭部が横向きに傾かないようにするか、または横向きの傾きを制限するように、頭部および首の領域に支持を提供することもできる。
【0016】
例示的な実施形態において、ヘッドレストクッション104は、凹面上部105および凸面下部107を有する。さらに、この実施形態におけるヘッドレストクッション104は、中心部分110にはより柔軟な1つまたは複数の材料を有し、側部フラップ部分112、114にはより剛直な1つまたは複数の材料を有する。これによって、有利には、側部フラップ部分のより剛直な1つまたは複数の材料によって頭部が横向きに傾かないようにするか、または横向きの傾きを制限するように頭部および首の領域に十分な支持を提供しながら、座席利用者に、頭部および首の後部領域における快適感を提供することができる。一実施形態において、ヘッドレストクッション104の中心部分110には、個々の利用者に対する人体測定学的なヘッドレストの適合性を高めるために、好ましくはメモリーフォームが実装される。
【0017】
例示的な実施形態におけるヘッドレストクッション104は、その支持面120内に形成される実質的にV字形状の切り欠き116、118の形態の空隙を有し、当該空隙は、側部フラップ106、108とともに側部フラップ部分112、114の折り畳みに適合するために、ヘッドレストフレーム102から外方に向いており、すなわち、座席利用者に向いている。好ましくは、切り欠き116、118は、側部フラップ106、108が折り畳まれるときのヘッドレストクッションの「しわ」をなくすか、または少なくとも低減する。空隙は、図1に示す切り欠き116、118に限定されず、異なる実施形態においては、付加的にもしくは代替的に、異なる形状にされてもよく、連続的または断続的に延伸してもよく、フォーム本体に部分的または完全に埋め込まれてもよく、および/または、ヘッドレストフレーム102に向いている表面122内に形成されてもよい。支持面120内に空隙を形成することが、しわを最小限に抑えるために好適であり得る。
【0018】
図1bを参照すると、この実施形態において、支持面120の凹面上部105は、支持面120の凸面下部107に対して直に接しており、それによって、乗客シートに対する垂直軸に沿ったヘッドレストクッションの断面が、実質的に逆S字形状をなしている。凹面上部105の湾曲124は、凸面下部107の湾曲126よりも浅い。凹面上部105および凸面下部107は各々、乗客シートに対するヘッドレストクッション104の水平幅のほぼ全体にわたって延伸する。
【0019】
図2aおよび図2bを参照すると、例示的な実施形態におけるヒンジ200を中心とするヘッドレストフレーム102の前方および後方への傾きは、有利には、座席利用者が、ヘッドレストクッション104(図1)の位置を、首の後部の凹面外形にフィットし、任意選択的に、後頭部の凸面外形にフィットするように調整することを可能にし、もって、特定の首および頭部の支持を提供する。ヒンジ200は、この実施形態において、ヘッドレストフレーム102の高さの上部約1/4に沿った回転軸を生成するように構成されている。ヘッドレストフレーム102の傾斜角は、限定ではないが、垂直(実質的に直立位置にあるシートバックを基準として)から約0°〜約90°の間とすることができる。ヘッドレストフレーム102を乗客シートのシートバックに取り付けるために、取り付けブレース202が設けられる。上向きおよび下向き方向の調整のために、可動ブロック204、206が、ヘッドレストフレーム102の背面に形成されているトラック(図2では隠れている)内で誘導される。
【0020】
図3aおよび図3bは、人体測定学的に異なる、すなわち、それぞれより浅いおよびより急な首の湾曲を有する2つの頭部300、302に対する2つの異なる傾斜方向にあるヘッドレストクッション104を示す。図3aにおいて、ヘッドレストクッション104は、凸面下部107が首の凹面外形304へと延伸してフィットし、一方で、凹面上部105が頭部300の後ろの凸面外形306を「抱き抱える」ように調整することができる。同様に、図3bにおいて、ヘッドレストクッション104は、凸面下部107が首のより急な凹面外形308へと延伸してフィットし、一方で、凹面上部105が頭部302の後ろの凸面外形310を「抱き抱える」ように調整することができる。
【0021】
図3aおよび図3bから分かるように、例示的な実施形態の6ウェイヘッドレスト100(図1)は、座席利用者が、自身の快適性嗜好および人体測定学に基づいて頭部および首の支持を可能にするようにヘッドレスト構成を調整することを可能にし、これによって、乗客の快適性の改善を有利に達成することができる。
【0022】
図4は、たとえば、ベルクロおよび/またはこの例示的な実施形態においてはいくつかのリベット、たとえば400を使用してヘッドレストクッション104がヘッドレストフレーム102に取り付けられているヘッドレスト100の概略等角図を、ヘッドレストクッション104を通じた透視図によって示す。
【0023】
異なる実施形態において、当業者には了解されるように、ヘッドレスト構造およびクッションの寸法は、座席の寸法および美観に応じて決定される。図5aおよび図5bに示すように、6ウェイヘッドレスト500の例示的な一実施態様は、以下の寸法を有することができる。
【0024】
約450mmの幅502
約183mmの高さ504
約55mmの最大奥行き506
約25mmの上部における奥行き508
約15mmの凹面上部における最小奥行き510
約40mmの下部における奥行き512
【0025】
一実施形態において、乗客シートのためのヘッドレスト構造は、乗客シートへの接続のための調整可能ヘッドレストフレームと、調整可能ヘッドレストフレームに取り付けられているヘッドレストクッションであって、ヘッドレストクッションは、調整可能ヘッドレストフレームによって乗客シートのシートバックに対して可動であるように取り付けられている、ヘッドレストクッションとを備え、ヘッドレストクッションは、ヘッドレストフレームから外方に向いている支持面を備え、支持面は、乗客シートに対する凹面上部および凸面下部を備える。
【0026】
ヘッドレストクッションは、その本体内に空隙が形成され、空隙は、ヘッドレストフレームの側部をヘッドレストフレームの中央部に対して折り畳むために、調整可能ヘッドレストフレームの対応する折り畳みジョイントに対して整列されている。ヘッドレストクッションは、第1の圧縮強度を有する中央部と、第1の圧縮強度とは異なる第2の圧縮強度を有する側部とを備えることができる。第1の圧縮強度は、第2の圧縮強度よりも高いものとすることができる。ヘッドレストクッションの中央部は、調整可能ヘッドレストフレームの中心取り付けプレートに取り付けることができる。ヘッドレストクッションの側部は、調整可能ヘッドレストフレームの対応する側部取り付けプレートに取り付けることができる。
【0027】
一実施形態において、支持面の凹面上部は、乗客シートに対する垂直軸に沿ったヘッドレストクッションの断面が、実質的に逆S字形状になるように、支持面の凸面下部に対して直に接している。凹面上部の湾曲は、凸面下部の湾曲よりも浅い。
【0028】
一実施形態において、凹面上部および凸面下部は各々、乗客シートに対するヘッドレストクッションの水平幅のほぼ全体にわたって延伸する。
【0029】
調整可能ヘッドレストフレームは、4ウェイヘッドレストフレームであってもよい。調整可能ヘッドレストフレームは、6ウェイヘッドレストフレームであってもよい。ヘッドレストフレームは、ヘッドレストクッションが上向きおよび下向きの方向において、前方および後方への傾きにおいて、ならびに、2つの折り畳み線に沿った折り畳みにおいて可動であるように構成することができる。
【0030】
一実施形態において、乗客シートのための調整可能ヘッドレストフレームのヘッドレストクッションが提供され、ヘッドレストクッションは、調整可能ヘッドレストフレームによってヘッドレストクッションが乗客シートのシートバックに対して可動であるように、調整可能ヘッドレストフレームに取り付けられるように構成されており、ヘッドレストクッションは、ヘッドレストフレームから外方に向くように配置されている支持面を備え、支持面は、乗客シートに対する凹面上部および凸面下部を備える。
【0031】
ヘッドレストクッションは、その本体内に空隙が形成され、空隙は、ヘッドレストフレームの側部をヘッドレストフレームの中央部に対して折り畳むために、調整可能ヘッドレストフレームの対応する折り畳みジョイントに対して整列されている。ヘッドレストクッションは、第1の圧縮強度を有する中央部と、第1の圧縮強度とは異なる第2の圧縮強度を有する側部とを備えることができる。第1の圧縮強度は、第2の圧縮強度よりも高いものとすることができる。ヘッドレストクッションの中央部は、調整可能ヘッドレストフレームの中心取り付けプレートに取り付けられるように構成することができる。ヘッドレストクッションの側部は、調整可能ヘッドレストフレームの対応する側部取り付けプレートに取り付けられるように構成することができる。
【0032】
一実施形態において、支持面の凹面上部は、乗客シートに対する垂直軸に沿ったヘッドレストクッションの断面が、実質的に逆S字形状になるように、支持面の凸面下部に対して直に接している。凹面上部の湾曲は、凸面下部の湾曲よりも浅いものとすることができる。凹面上部および凸面下部は各々、乗客シートに対するヘッドレストクッションの水平幅のほぼ全体にわたって延伸することができる。
【0033】
広範に記載されているような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されているような本発明に多数の変更および/または修正を行うことができることが、当業者には了解されよう。本発明の実施形態は、それゆえ、すべての点において限定ではなく例示であるものとして考えられるべきである。
図1a)】
図1b)】
図2a)】
図2b)】
図3a)】
図3b)】
図4
図5a)】
図5b)】