特許第6404908号(P6404908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャボット コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000005
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000006
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000007
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000008
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000009
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000010
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000011
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000012
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000013
  • 特許6404908-リチウムイオン電池用の導電性炭素 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404908
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池用の導電性炭素
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/62 20060101AFI20181004BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/136 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/131 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20181004BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20181004BHJP
   C09C 1/48 20060101ALI20181004BHJP
   C09C 1/56 20060101ALI20181004BHJP
   C01B 32/00 20170101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01M4/62 Z
   H01M4/13
   H01M4/136
   H01M4/131
   H01M4/58
   H01M4/505
   H01M4/525
   H01M4/485
   C09C1/48
   C09C1/56
   C01B32/00
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-513146(P2016-513146)
(86)(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公表番号】特表2016-526257(P2016-526257A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2014043173
(87)【国際公開番号】WO2014205210
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】61/837,964
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391010758
【氏名又は名称】キャボット コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】ベリスラフ ブリザナック
(72)【発明者】
【氏名】ミオドラッグ オルジャカ
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン エル.デュパスキエ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン シー.ウォール
(72)【発明者】
【氏名】アレク スシュコ
【審査官】 小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−505975(JP,A)
【文献】 特開2006−210007(JP,A)
【文献】 特開2003−123764(JP,A)
【文献】 特開2001−110424(JP,A)
【文献】 特開2009−193744(JP,A)
【文献】 特開2008−041502(JP,A)
【文献】 特開2007−317534(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/077712(WO,A1)
【文献】 特表2007−506065(JP,A)
【文献】 TYLER GRUBER etal.,RAMAN STUDIES OF HEAT-TREATED CARBON BLACKS,Carbon,英国,1994年,Vol.32, No.7,1377-1382
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/13−4/62
C01B 32/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜250mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、ラマン分光法によって測定される、少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(/I)を有しており、カーボンブラック粒子は、1μm〜30μmの範囲のD50粒子径分布を有している
正極配合物。
【請求項2】
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、10mJ/m以下の表面エネルギー、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(/I)を有しており、カーボンブラック粒子は、1μm〜30μmの範囲のD50粒子径分布を有している
正極配合物。
【請求項3】
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有しており、カーボンブラック粒子は、1μm〜30μmの範囲のD50粒子径分布を有している、正極配合物。
【請求項4】
前記カーボンブラックが、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有している、請求項1または2記載の正極配合物。
【請求項5】
前記カーボンブラックが、ラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(/I)を有する、請求項3記載の正極配合物。
【請求項6】
前記カーボンブラックが、10mJ/m以下の表面エネルギーを有する、請求項1および3〜5のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項7】
前記カーボンブラックが、7mJ/m以下の表面エネルギーを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項8】
前記カーボンブラックが、25〜800m/gの範囲のBET表面積を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項9】
前記カーボンブラックが、熱処理されたカーボンブラックである、請求項1〜8のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項10】
前記熱処理されたカーボンブラックが、少なくとも1000℃の温度で熱処理されている、請求項9記載の正極配合物。
【請求項11】
前記熱処理されたカーボンブラックが、1000℃〜2500℃の範囲の温度で熱処理されている、請求項9記載の正極配合物。
【請求項12】
前記カーボンブラックが、前記配合物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%の範囲の量で存在する、請求項1〜11のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項13】
前記電気活性材料が、前記配合物の全質量に対して、少なくとも80質量%の量で存在する、請求項1〜12のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項14】
前記電気活性材料が、
LiMPO、ここでMは、Fe、Mn、Co、およびNiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
LiM’O、ここでM’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
Li(M’’)、ここでM’’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している;ならびに、
Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x、ここでxは0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは0〜1の範囲である、
の少なくとも1つから選択されたリチウムイオン系材料である、請求項1〜13のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項15】
前記電気活性材料が、LiNiO;LiNiAl、ここでxは、0.8〜0.99の範囲であり、yは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y=1である;LiCoO;LiMn;LiMnO;LiNi0.5Mn1.5;LiFeMnCoPO、ここで、xは0.01〜1の範囲、yは0.01〜1の範囲、zは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y+z=1である;LiNi1−x−yMnCo、ここでxは0.01〜0.99の範囲、そしてyは0.01〜0.99の範囲である;ならびにLiMnO相もしくはLiMn相を含む層−層組成物、の少なくとも1つから選択される、請求項1〜14のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項16】
電気活性材料が、LiMnO;LiNi1−x−yMnCo、ここでxは0.01〜0.99の範囲そしてyは0.01〜0.99の範囲;LiNi0.5Mn1.5;Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x、ここでxは0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは0〜1の範囲;ならびにLiMnO相およびLiMn相の少なくとも1つを含む層−層組成物、の少なくとも1つから選択される、
請求項1〜14のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項17】
前記カーボンブラックが、前記電気活性材料と均質に散在されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の正極配合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項記載の前記正極配合物を含む正極。
【請求項19】
前記正極が、少なくとも30μmの厚さを有する、請求項18の正極。
【請求項20】
バインダーを更に含む、請求項18または19記載の正極。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか1項記載の前記正極を含む、電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2013年6月21日出願の米国仮出願第61/837,964号に対して、合衆国法典第35巻第119条e項の下での優先権を主張し、これを参照することによって本明細書の内容とする。
【0002】
本明細書には、リチウムイオン電池における使用のための、導電性炭素、例えばカーボンブラックを含む正極配合物、そのような導電性炭素を含むペースト、およびそれらを調製する方法が開示されている。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池産業は、向上したエネルギー密度および低減されたコストへの増え続ける要求に関する圧力に直面している。追求されている動向の幾つかには、典型的にはより高い電圧で動作される新規な正極組成物の開発ならびに既存の組成物のコーティングおよび/またはドーピングによる改質が含まれる。既存の組成物のコーティングまたはドーピングは、より幅広い電位/電圧範囲での動作を可能とすることができ、そして従ってそれらの材料中に貯蔵されたリチウムの化学量論的量の、より大きな割合の可逆的なリチオ化/脱リチオ化を可能とする。例えば、LiCoO(LCO)などの組成物の理論的容量は、貯蔵されたリチウムの化学量論的量に基づいて、300mAh/gに近い。しかしながら、実際の容量は、しばしば、LCOの機械的および化学的安定性によって制限され、理論的容量の約50%に制限される。新規な電気活性材料、新規な電解質および電解質への添加剤は、当該産業によって現在追求されている動向である。そのような新規な材料は、おそらくはより高い電圧で操作することができるであろうけれども、サイクル寿命および耐久性が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、新規な正極配合物の継続した開発への必要性がなお存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜250mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含む正極配合物であって、
このカーボンブラックは、ラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有している、
正極配合物が提供される。
【0006】
他の態様では、
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含む正極配合物であって、
このカーボンブラックは、10mJ/m以下の表面エネルギーを有する、
正極配合物が提供される。
【0007】
他の態様では、
リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含む正極配合物であって、
このカーボンブラックが、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有する、
正極配合物が提供される。
【0008】
他の態様では、
カーボンブラック、リチウムイオン系電気活性材料、およびバインダーを含む粒子を、溶媒の存在の下で混合して、ペーストを生成させる工程;
このペーストを基材上に堆積させる工程;ならびに、
正極を形成させる工程;
を含む正極の製造方法であって、
このカーボンブラックは、以下の(i)〜(iii)の1つから選択される、
(i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、および10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック、および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
正極の製造方法が提供される。
【0009】
他の態様では、リチウムイオン系電気活性材料およびカーボンブラックを含む粒子を含む正極ペーストであって、このペーストが、
バインダー;および、
溶媒、
を更に含み、このカーボンブラックが以下の(i)〜(iii)の1つから選択される、
(i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、および10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック、および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
正極ペーストが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、基礎となるカーボンブラック(熱処理なし)のTEM画像である。
【0011】
図1B図1Bは、基礎となるカーボンブラックの、1400℃の熱処理後(試料A)のTEM画像である。
【0012】
図2図2は、基礎となるカーボンブラック、および例2に概略を示した、熱処理されたカーボンブラック試料Aおよび試料Bについての、周期的なボルタンモグラムを示している。
【0013】
図3図3は、リチウムイオン電池産業において通常用いられている商業的に入手可能なカーボンブラックを、例2に概略を示した熱処理されたカーボンブラック試料Aおよび試料Bと対比した、周期的なボルタンモグラムを示している。
【0014】
図4A図4Aは、例2に概略を示した異なるカーボンブラックについての、4.5V(正スイープ)での、酸化電流およびOANの間の相関関係を示すプロットである。
【0015】
図4B図4Aは、例2に概略を示した異なるカーボンブラックについての、4.5V(正スイープ)での酸化電流および黒鉛状ドメインサイズ(Lラマン)の間の相関関係を示すプロットである。
【0016】
図5A図5Aは、基礎となるカーボンブラック、例3に概略を示した、活性材料としてLiFePOを含む試料Aについての、放電容量に対する電圧の比較プロットである。
【0017】
図5B図5Bは、基礎となるカーボンブラック、および例3に概略を示した、活性材料としてNCM−111を含む試料Aについての、Cレート(C-rate)に対する容量保持の比較プロットである。
【0018】
図5C図5Cは、基礎となるカーボンブラックおよび、例3に概略を示した、LiNi0.5Mn1.5を活性材料として含む試料Aについての、Cレートに対する容量保持の比較プロットである。
【0019】
図6図6は、例4で示した、異なる充電カットオフ電圧についての、異なる正極化学物質での黒鉛化の前後での基礎となるカーボンブラックのレート性能の差異を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
複合正極配合物は、典型的には電気活性成分、バインダー、および導電性添加剤を含んでいる。化学的および電気化学的性質の向上に関して、リチウムイオン電池の性能を向上させるための多くの開発は、電気活性成分および電解質成分に集中しているけれども、しばしば看過された正極配合物の成分は、導電性添加剤である。導電性添加剤は、必要な水準の電気伝導性を複合正極に与え、そして全体の系の面積固有インピーダンス(area specific impedance)を最小化するように機能する。面積固有インピーダンス(ASI)は、導電性添加剤の電子を通す効率のみならず、電極内部の物質移動に影響を及ぼす層のモルフォロジー(イオン電導性)によっても、影響を及ぼされる可能性がある。
【0021】
今日、最も通常用いられる導電性添加剤は、特定の表面積仕様および他の性質を有するカーボンブラックである。40〜70m/gの範囲の表面積を有する品種が、当業界で用いられる現在の標準であり、それは正極内の活性材料の表面積よりも、グラム当たりで100倍高い。非常に低い質量の充填量の導電性添加剤でさえも、導電性添加剤の表面積は、貯蔵エネルギーの要因である活性正極に匹敵し、そしてしばしばそれよりも遥かに大きい。例えば、94質量%の活性相(表面積=0.2m/g)および3質量%のカーボンブラック(表面積=50m/g)を含む複合正極では、カーボンブラックは、1.8m/g正極の全表面積に対して1.5m/g正極の寄与をしており、電極内の全表面積の80%超である。例えば炭素の寄生反応(parasitic reactions)による、導電性添加剤のいずれかの劣化、例えば電解質酸化および炭素腐食は、電池の劣化および故障を引き起こす可能性があるようになる。リチウムイオン電池群(community)では、高い電圧で動作されたリチウムイオンセルの事後の解析によって、特定の回数のサイクルの後に、導電性炭素のほぼ完全な消失が明らかとされたことが報告されており、このことは、増大したセルインピーダンスおよび究極的な故障の重要な因子となる可能性がある。
【0022】
カーボンブラックの表面は、黒鉛状の炭素層で完全には終端化をなされておらず、しかしながらしばしばそれに結合する他の原子または官能基を有している。最も通常には、カーボンブラック表面上の官能基は、酸素および水素を有している。いずれかの特定の理論によって拘束されるのは望まないが、炭素の電気化学的腐食(例えば、COへの変換による)は、それらの欠陥(例えば、表面官能基および/または無定形相)で開始し、そして次いでカーボンブラック粒子の残部へと広がることが信じられる。また、カーボンブラック表面の、電解質との電気化学的反応への反応性は、吸着のための高いエネルギーサイトとして作用することができ、電子移動反応を促進することができる表面欠陥の関数であると信じられる。
【0023】
いずれかの理論によって拘束されることは望まないが、カーボンブラック凝集体の間の電子伝導の機構は、トンネル現象によって発生し、その可能性は、接合分離(junction separation)の指数関数であることが信じられる。表面官能基は、接合における分離を増加させる緩衝物として作用する可能性があり、そして従ってカーボンブラックの電子伝導性に悪影響を与える。カーボンブラック表面上の黒鉛状の終端化の量の増加は、この分離を低減させることができ、そのことが次には電子伝導性を向上させる。
【0024】
ここに開示されるのは、導電性カーボンブラックを含む正極配合物であり、導電性カーボンブラックは、特定の性質を与えることによってリチウムイオン電池の電力性能に有益な影響を与えることができる。1つの態様では、リチウムイオン系の電気活性材料および100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラックを含む正極配合物が提供される。カーボンブラックは、凝集体に融合した一次粒子からなり、それがカーボンブラックの最少の単位である。カーボンブラックの構造(オイル吸収によって測定される、「OAN」)は、その凝集体中の一次粒子の数に概ね相関する。高いOAN(高構造)カーボンブラックは、パーコレーションに必要とされるより低い臨界体積分率のために、低い充填量で、向上した電気伝導性を提供することができる。1つの態様では、カーボンブラックは、100〜250mL/100gの範囲のOAN、または100〜200mL/100gの範囲のOANを有している。OANは、ASTM−D2414に従って測定することができる。
【0025】
1つの態様では、カーボンブラックは、ラマン分光法で測定される、少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有しており、ここでLは、43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)として規定される。結晶子サイズは、黒鉛化の程度の指標を与えることができ、より大きなL値は、黒鉛化のより高い程度に相関する。Lのラマン測定は、Gruberら、"Raman studies of heat-treated carbon blacks"、Carbon、Vol. 32 (7)、p.1377-1382、1994に基づいており、これを参照することによって本明細書の内容とする。炭素のラマンスペクトルは、約1340cm−1および1580cm−1に、2つの主要な「共鳴」バンドを含んでおり、それぞれ「D」バンドおよび「G」バンドと表される。通常は、Dバンドは、不規則的(disordered)sp炭素に帰属され、そしてGバンドは、黒鉛状炭素もしくは「規則的(ordered)」sp炭素に帰属される。経験的な取り組みを用いると、G/Dバンドの比およびX線回折(XRD)によって測定されたLは高度に相関し、そして回帰分析で、下記の経験的な関係が与えられる。
=43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)
式中、Lは、オングストロームで計算される。従って、より高いL値は、より規則的な結晶構造に相当する。他の態様では、カーボンブラックは、少なくとも35Å、少なくとも40Å、少なくとも45Å、または少なくとも50Åの結晶子サイズを有している。
【0026】
1つの態様では、より高い%の結晶化度(DおよびGバンドの比として、ラマン測定から得られる)もまた、より高い黒鉛化の程度を示すことができる。1つの態様では、カーボンブラックは、ラマン分光法で測定された、少なくとも40%の%結晶化度(/I)を有している。
【0027】
1つの態様では、より高い程度の黒鉛化は、より低い表面エネルギー値を示している可能性があり、それは、典型的にはカーボンブラックの表面上の酸素の量の、そして従ってその疎水性の尺度である。表面エネルギーは、動的水分収着(DWS)によって測定することができる。1つの態様では、カーボンブラックは、10mJ/m以下、例えば9mJ/m以下、7mJ/m以下、6mJ/m以下、5mJ/m以下、3mJ/m以下、または1mJ/m以下の表面エネルギー(SE)を有している。
【0028】
1つの態様では、選択されたBET表面積は、向上した電荷受容性およびサイクル安定性を与えることができる。BET表面積は、ASTM−D6556に従って測定することができる。1つの態様では、カーボンブラックは、25〜800m/gの範囲のBET表面積、例えば25〜700m/g、25〜500m/g、25〜200m/g、または25〜100m/gの範囲のBET表面積を有している。他の態様では、130〜700m/g、例えば130〜500m/g、130〜400m/g、130〜300m/g、200〜500m/g、200〜400m/g、または200〜300m/gの範囲のBET表面積を有している。
【0029】
1つの態様では、カーボンブラックは、熱処理されたカーボンブラックである。「熱処理されたカーボンブラック」は、「熱処理」を加えられたカーボンブラックであり、それはここでは、通常は、当技術分野で一般的に知られている方法、例えばファーネスブラックプロセスによって前もって形成されているカーボンブラックの後処理を表している。この熱処理は、不活性条件下(すなわち、酸素を実質的に欠いている雰囲気中)で起こることができ、そして典型的には、それ以外では、その中でカーボンブラックが形成された容器中で起こる。不活性条件としては、不活性ガス、例えば窒素、アルゴンなどの雰囲気が挙げられるが、それらには限定されない。1つの態様では、ここに記載される不活性条件下でのカーボンブラックの熱処理は、カーボンブラック結晶子中の欠陥、転位および/または不連続の数を低減ならびに/あるいは黒鉛化の程度を増加することができる。
【0030】
1つの態様では、熱処理(例えば、不活性条件下)は、少なくとも1000℃、少なくとも1200℃、少なくとも1400℃、少なくとも1500℃、少なくとも1700℃、または少なくとも2000℃の温度で行われる。他の態様では、熱処理は、1000℃〜2500℃の範囲の温度で行われる。「ある温度で行われる」熱処理は、ここに開示された1つもしくは2つ以上の温度範囲を表し、そして安定した温度での加熱、または温度を、連続的もしくは段階的のいずれかで増減させながら加熱することを含むことができる。
【0031】
1つの態様では、熱処理は、少なくとも15分間、例えば少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも24時間、または48時間以下のそれらのいずれかの時間、ここに開示した1つもしくは2つ以上の温度範囲で、行われる。他の態様では、熱処理は、15分間〜少なくとも24時間、例えば15分間〜6時間、15分間〜4時間、30分間〜6時間、または30分間〜4時間の範囲の時間に亘って行われる。
【0032】
1つの態様では、カーボンブラックは、正極配合物中に、配合物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%の範囲の量、例えば1質量%〜10質量%の範囲の量で存在する。
【0033】
1つの態様では、カーボンブラックは、以下の1つから選択される。
(i)100〜250mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定された少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック;
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック;ならびに、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定された少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック。
【0034】
1つの態様では、電気活性材料は、正極配合物中に、配合物の全質量に対して、少なくとも80質量%の量で、例えば配合物の全質量に対して、少なくとも少なくとも90質量%の量、80質量%〜99質量%の範囲の量、または90質量%〜99質量%の範囲の量で存在する。電気活性材料は、典型的には粒子の形態である。1つの態様では、粒子は、100nm〜30μmの範囲のD50粒子径分布、例えば1〜15μmの範囲のD50を有している。1つの態様では、粒子は、1〜6μm、例えば1〜5μmの範囲のD50を有している。
【0035】
1つの態様では、電気活性材料は、リチウム系化合物である。例示的な電気活性材料としては、以下の少なくとも1つが挙げられる。
LiMPO、ここでMは、Fe、Mn、Co、およびNiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
LiM’O、ここでM’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
Li(M’’)、ここでM’’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している(例えば、Li[Mn(M’’)]);および、
Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x、ここでxは、0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは、0〜1の範囲である。
【0036】
1つの態様では、電気活性材料は、LiNiO;LiNiAl(ここでxは、0.8〜0.99の範囲であり、yは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y=1である);LiCoO;LiMn;LiMnO;LiNi0.5Mn1.5;LiFeMnCoPO(ここで、xは0.01〜1の範囲、yは0.01〜1の範囲、zは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y+z=1である);LiNi1−x−yMnCo(ここでxは0.01〜0.99の範囲そしてyは0.01〜0.99の範囲である);およびLiMnO相もしくはLiMn相を含む層−層組成物(layer-layer compositions)の少なくとも1つから選択される。
【0037】
1つの態様では、電気活性材料は、LiMnO;LiNi1−x−yMnCo(ここでxは0.01〜0.99の範囲そしてyは0.01〜0.99の範囲);LiNi0.5Mn1.5;Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x(ここでxは0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは0〜1の範囲);ならびにLiMnO相およびLiMn相の少なくとも1つを含む層−層組成物(layer-layer compositions)、の少なくとも1つから選択される。正極は、それらの容量(約160mAh/g)が、負極容量(グラファイトでは320mAh/g)と釣り合わないので、リチウムイオン電池における性能制限要素である。特定のMn含有量の多い配合物の活性材料としての使用は、280mAh/gに近づく容量、および約900Wh/kgの質量エネルギーを有する正極をもたらすことが見出された。しかしながら、それらの材料は、低い充電および放電速度の能力を有しており、2Cの中間的な放電速度であってさえも、それらから、それらのエネルギーの利点を失わせしめる結果となる。それらの材料のその他の欠点は、それらが放電の間に4.8〜2.0Vの幅広い電圧振幅を示すことである。
【0038】
従って、1つの態様では、約4.5Vの高く、そして平坦な放電電圧および高電力能力を有するニッケルをドープされたMnスピネル;ならびに放電電圧および電力能力を増大させることを可能にさせるMnを豊富に含む層−層組成物(a layer-layer Mn rich composition)を含む活性材料の混合物が提供される。1つの態様では、ニッケルをドープされたMnスピネルは、式LiNi0.5Mn1.5を有しており、そしてMnを豊富に含む層−層組成物(layer-layer Mn rich composition)は、LiMnOもしくはLiMn相、ならびにそれらの混合物を含んでいる。
【0039】
1つの態様では、正極配合物は、バインダーを更に含む。例示的なバインダー材料としては、フッ素化ポリマー、例えばポリ(ビニルジフルオロエチレン)(PVDF)、ポリ(ビニルジフルオロエチレン)−コ−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリイミド、水溶性バインダー、例えばポリ(エチレン)オキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)ならびにそれらの共重合体および混合物が挙げられるが、それらには限定されない。他の可能性のあるバインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびフッ素ゴムならびにそれらの共重合体および混合物が挙げられる。
【0040】
他の態様では、
リチウムイオン系電気活性材料およびカーボンブラックを含む、から本質的になる、または、からなる、正極配合物が提供され、このカーボンブラックは以下の(i)〜(iii)の1つから選択される。
(i)100〜250mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定される、少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック;
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック;および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック。
【0041】
他の態様では、リチウムイオン系電気活性材料、カーボンブラック、およびバインダーを含む、から本質的になる、または、からなる正極配合物が提供され、このカーボンブラックは、(i)〜(iii)の1つから選択される。
(i)100〜250mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定される、少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック;
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック;および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOANおよび、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック。
【0042】
1つの態様では、正極配合物は、ペーストまたはスラリーの形態をとることができ、その中で粒子状電気活性材料およびカーボンブラックは、溶媒の存在下で混合される。他の態様では、正極配合物は、ペースト/スラリーからの溶媒除去からもたらされる固体である。
【0043】
1つの態様では、配合物は、粒子状正極配合物である。1つの態様では、「粒子状」とは、粉末(例えば、自由流動粉末)を表す。1つの態様では、粉末は、水または溶媒を実質的に含まず、例えば10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満の水もしくは溶媒である。
【0044】
1つの態様では、カーボンブラックは、電気活性材料、例えばリチウムイオン系材料と均一に散在(均一に混合)されている。また、他の態様では、バインダーは、カーボンブラックおよび電気活性材料と均一に散在されている。
【0045】
1つの態様では、カーボンブラックは、有害な酸化または腐食を生じさせる可能性がある欠陥(例えば、酸素含有基、接合分離)の量が実質的に低下している。1つの態様では、3.5〜4.5Vの範囲の周期的ボルタンメトリーが、低減された欠陥の量の指標を提供することができる。1つの態様では、カーボンブラックは、3.5〜4.5Vの範囲で、酸化電流を実質的に含まない周期的ボルタンモグラム(正スイープ)を与える。
【0046】
他の態様では、
カーボンブラック、リチウムイオン系電気活性材料、およびバインダーを含む粒子を、溶媒の存在の下で混合して、ペーストを生成させる工程;
このペーストを基材上に堆積させる工程;ならびに、
正極を形成させる工程;
を含み、
このカーボンブラックは、以下の(i)〜(iii)の1つから選択される、
(i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、および10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック、および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
正極の製造方法が提供される。
【0047】
1つの態様では、1つの態様では、ペーストは、電気活性材料を含む粒子をカーボンブラックおよびバインダーと溶媒の存在下で混合した生成品である。1つの態様では、ペーストは、より低い粘度のペースト(例えば、より少ない固形分充填量を有すること)でもたらされる可能性がある固有の欠陥(例えば、亀裂)の形成を最小化しながら、基材上への堆積を可能とするのに十分な高い固形分充填量を有している。更に、より高い固形分充填量は、必要となる溶媒の量を低減させる。
【0048】
粒子は、溶媒中に、結果として得られるペーストが実質的に均質である限りにおいて、いずれかの順番で混合することができ、それは、振とう、撹拌などによって達成することができる。粒子は、インサイチュで形成されるか、またはここに開示されたドメインサイズを有する既に形成された粒子として加えることができる。ここで用いられる「溶媒」は、1種または2種以上の溶媒を表す。例示的な溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、アセトン、アルコール、および水が挙げられる。
【0049】
1つの態様では、本方法は、集電装置(例えば、アルミニウムシート)上にペーストを堆積すること、次いで正極を形成すること、を含んでいる。1つの態様では、「正極を形成すること」は、溶媒を除去することを含んでいる。1つの態様では、1つの態様では、溶媒は、ペーストを、周囲温度または低い熱条件下、例えば20℃〜100℃の範囲の温度のいずれかで乾燥することによって除去される。本方法は、堆積された正極/Alシートを所望の寸法に切断すること、随意選択的に次いでカレンダー加工すること、を更に含むことができる。
【0050】
他の態様では、リチウムイオン系電気活性材料およびカーボンブラックを含む粒子を含む正極ペーストが提供され、このペーストは
バインダ;および、
溶媒、
を更に含んでおり、このカーボンブラックは、以下の(i)〜(iii)の1つから選択される。
(i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、および10mJ/m以下の表面エネルギーを有するカーボンブラック、および、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック。
【0051】
1つの態様では、正極ペーストは、リチウムイオン系電気活性材料、カーボンブラック、バインダー、および溶媒から本質的になる、または、からなっている。
【0052】
1つの態様では、正極配合物を含む正極が提供される。正極は、バインダーおよび集電装置を更に含むことができる。1つの態様では、活性材料は、Li金属参照電極に対して4.95Vの充電カットオフ電圧を有する高電圧正極である。1つの態様では、正極は、少なくとも10μmの厚さ、例えば少なくとも30μmの厚さを有している。他の態様では、正極を含む電気化学セル、例えばリチウムイオン電池が提供される。
【0053】
1つの態様では、開示された正極材料を含む電気化学セルは、リチウムイオン電池の正極の向上した電力性能、炭素腐食酸化に対する向上した不活性、ならびに/あるいは炭素および/または電解質酸化に対する向上した不活性、の1つもしくは2つ以上を与える。
【実施例】
【0054】
例1
この例では、基礎となるカーボンブラックの直接抵抗加熱処理による高度に黒鉛化されたカーボンブラックの調製が記載されている。カーボンブラック試料は、連続モードで運転された電熱式の流動床反応器中で処理された。カーボンブラックは、30分間〜4時間の範囲の目標とする反応器滞留時間を得ることを基準として定められた速度で、この反応器から供給および排出された。窒素ガスが、分配器を通して、カーボンブラックを流動化するように導入された。直接抵抗加熱は、中心の電極と円筒形の反応器壁との間の円環中のカーボンブラック床を通して直流を通すことによって適用された。反応器温度は、電力入力を調整することによって、1200〜2000℃の目標範囲に設定された。カーボンブラック試料AおよびBは、窒素の不活性雰囲気下での、それぞれ約1400℃および2000℃での、基礎となるカーボンブラックの直接抵抗熱処理によって得た。下記の表1に、結果として得た粉末の物理的特徴をまとめた。
【0055】
【表1】
【0056】
基礎となるカーボンブラックは、微小空洞(microporosity)(ここには示されてはいないが、NBET表面積とSTSAとが同じ値であることによって示される)をほとんど有しておらず、そして熱処理のNBET表面積へのいずれの影響も無視し得るものである。同様に、熱処理は、OANへは最小限の影響しか有していない。このデータは、一次粒子のサイズおよびそれらの配置によって規定されるカーボンブラックのモルフォロジーは、熱処理によって影響されないことを示している。図1Aおよび1Bには、1400℃での熱処理前後のTEM画像が示されている。1400℃での熱処理前後のモルフォロジーの違いは、TEM画像中では認識できない。
【0057】
表1から、熱処理が、カーボンブラックの表面の性質およびその全体の結晶化度(bulk crystallinity)に影響を与えていることを理解することができる。表面エネルギー値は(表1のSEP値)は、動的水分収着(DWS)測定から得られたが、主として、カーボンブラックの表面上の酸素の量を示している。SEP値は、処理されていない基礎となるカーボンブラックの17mJ/mから、試料Aの、1400℃での熱処理後の検出限界未満まで増加した。
【0058】
ラマン測定は、結晶ドメインの横方向サイズを捕捉するのに用いたが、表中ではLラマン値によって示されている。初めは、基礎となるカーボンブラックの小さな結晶ドメインは21Åの水準のLラマン値を有していたが、それは、1400℃での38Å(試料A)、そして最終的には2000℃での処理の後の95Å(試料B)まで増加した。同時に、%結晶化度もまた、ラマン測定によって、DおよびGバンドの比として測定されたが、慣用のカーボンブラックに典型的な33%から、1400℃での46%(試料A)、2000℃での熱処理後の68%(試料B)へと増加している。従って、基礎となるカーボンブラックから2000℃で熱処理された材料(試料B)へと進行するに従って、結晶化度は2倍以上になり、すなわちアモルファス相の量は、50%低下する。
【0059】
例2
黒鉛化の異なる水準の、炭素の電気化学的安定性および電解質酸化に対するその活性への影響を、コインセル構成において、標準のリチウムイオン電池電解質(1%のビニレンカーボネート(VC)添加剤)の存在下で測定した。
【0060】
電極スラリーを、80質量%のカーボンブラック、20質量%のPVDFを、N−メチルピロリジノン(NMP)中で、8%の固形分充填量で、SPEX 8000ミル中で、2つのジルコニアメディアを用いて、30分間混合することによって調製した。
【0061】
典型的なスラリーは、以下のものを混合することによって作製した:768mgのカーボンブラック、2.22gの、NMP中のPVDF溶液(Solvay 1030、8.3質量%)および8.98gのNMP。このスラリーを、17ミクロンの厚さのアルミニウム箔上に、自動化されたドクターブレード塗工機(MTI technologies)でコーティングし、結果として1〜1.6mg/cmの最終的なカーボン塗布量(loadings)を得た。
【0062】
ディスク電極に切断し(15mmの直径)、100℃で真空下に4時間乾燥し、秤量し、そして2032コインセル中に、Arを満たしたグローブボックスの不活性雰囲気下で組み込んだ。リチウム金属箔を、参照電極および対電極として用い、Whatman FG/40の17mmディスクをセパレータとして用い、電解質は、0.1mLのEC:DMC:EMC(1:1:1)、1%VC、LiPF6 1M,20ppm未満の水分含有量(BASF/Novolyte)であり、そして作用電極は、80質量%カーボンブラック+20質量%PVDFであった。カーボンブラック酸化を、EG&G 2273ポテンシオスタットで、2〜5Vから、10mV/秒での周期的ボルタンメトリーによって試験した。
【0063】
図2には、異なる程度の黒鉛化であるカーボンブラック、すなわち、基礎となるブラックならびに熱処理された試料AおよびB、についての周期的ボルタンメトリーが示されている。基礎となるカーボンブラックについては、現在リチウムイオン正極に用いられている慣用のカーボンブラックに典型的であるように、擬容量(pseudocapacitive)特性が、3.5〜4Vの範囲においける正スイープの中に観察され、これはカーボンブラックの酸化による可能性が最も高い。この酸化は、完全には不可逆性ではないけれども、炭素の腐食およびその結果としてのリチウムイオン電池セルの劣化をもたらす。電解質酸化は、ボルタメトリスイープ(voltammetric sweep)の正の上限(ここでは4.75V超の電位での)不可逆的な酸化電流に関連している。
【0064】
図2から、熱処理は、3.5〜4Vの範囲における擬容量特性の抑制として現れる、炭素の酸化への最も大きな影響を与えることを理解することができる。この擬容量特性(pseudocapacitive)は、1400℃で処理されたカーボンブラックで優位に低減されるが、しかしながらそれは完全には除かれなかった。2000℃での熱処理の後には、擬容量特性は、表面からほぼ完全に無くなっている。
【0065】
いずれかの理論によって拘束されることは望まないが、この擬容量特性は、酸素化された表面官能基または表面欠陥の存在を示していることが信じられる。熱処理によっての、この特性の低減は、酸素化された表面官能基の除去の後の酸素または表面欠陥の非常に小さな(例えば、DWS測定の検出限界未満の)量を示している可能性がある。2000℃の熱処理の後に、酸素は表面からほぼ完全に無くなり、そしてこの温度は、表面欠陥のほとんどを取り除くのに十分であり、カーボンブラック表面の理想的な黒鉛状終端化に近い結果をもたらす。従って、黒鉛化の増大した水準は、リチウムイオン電池セル中の関連する正極電位において、カーボンブラックの電気化学的安定性に有利な影響を与え、それが次にはリチウムイオン系の、例えば高い充電カットオフ電圧での、サイクル寿命および耐久性に良い影響を与えるであろうことが信じられる。
【0066】
黒鉛化されたカーボンブラックは、次いでリチウムイオン電池工業において標準的な導電性添加剤として現在用いられている商業的に入手可能なカーボンブラック、すなわち、Super P(商標)導電性カーボンブラック(TIMCAL Graphite and Carbon)、Denka acetylene black(DENKA)、および高表面積Ketjenblack(商標)EC300導電性カーボンブラック(AkzoNobel)と比較した。それぞれのブラックの、図2におけるのと同じ条件の下での周期的ボルタンモグラムの比較が、図3に示されている。
【0067】
図3から分かるように、全ての競合するカーボンブラック品種の製品は、約3.3Vで、酸化電流の開始を生じさせ、これは典型的なリチウムイオン電池正極の動作の十分に範囲内である。競合するカーボンブラック品種の酸化電流は、おそらくは、炭素の酸化および電解質分解の重ね合わせからもたらされる。全体の電位範囲において、競合する品種の酸化電流は、本発明の黒鉛化されたカーボンブラックの酸化電流を有意に超過している。商業的品種のカーボンブラックについての物理的性質のまとめが表2に示されている。
【0068】
【表2】
【0069】
図4Aおよび4Bには、OAN(図4A)およびLラマン(図4B)の関数としての4.5V、正スイープでの周期的ボルタンメトリーでの酸化電流との間の相関関係を示している。図4Aから、OANは、周期的ボルタンメトリーによって測定された酸化電流に劇的な影響を与えることを理解することができる。高OAN(高構造)カーボンブラックは、パーコレーションに要する、より低い臨界体積分率のために、典型的には低い充填量で向上した導電性を与えるが、しかしながら、高OANは、より困難なスラリー処理および望ましくないレオロジーの不利益をもたらす。更に、図4Aによれば、高OANブラックも、リチウムイオン電池電解質の存在で、より有意な酸化活性の不利益をもたらす。また、増大した黒鉛化(図4B)は、向上したLラマン値によって立証されるように、黒鉛状ドメインの大きさに系統的な影響を与える。
【0070】
図3、4Aおよび4Bには、典型的なリチウムイオン電池電解質中で最適なモルフォロジーを有する黒鉛化されたカーボンブラック品種の向上した電気化学安定性の証拠が与えられており、それは、例えば高電圧リチウムイオン電池システムのための、リチウムイオン電池セルの耐久性およびサイクル寿命に利益をもたらすことができる。
【0071】
例3
この例には、ここに開示した黒鉛化されたカーボンブラックを含む正極の向上した電力能力を示す実験が記載されている。
【0072】
リチウムイオン正極配合物を、異なる電気活性正極材料で、例2と同様の電極調製方法を用い、表3に示した量で調製した。正極材料は、リチウム金属負極およびEC:DMC 1:1、LiPF6 1M電解質を用いて、リチウムイオンパウチセルに組立てた。このセルは、Maccor series 4000 battery cyclerで、Cレートで表される増加する放電電流での充電−放電試験に付し、ここでCは、時間での放電時間の逆数である(例えば、1Cは1時間、0.1Cは10時間の放電である)。
【0073】
【表3】
【0074】
図5Aには、LiFePOについての放電容量に対する電圧のプロットが示されている。LiFePOは、最も低い充電カットオフ電圧を有する正極系であり、これでは、基礎となるブラックと熱処理された材料との間の差異は、異なる放電電流でほとんど認識できない。この差異は、より高い電圧NCM系で顕著となり(図5B)、そして4.95Vの充電カットオフ電圧を有するNiが豊富なスピネル正極でより更に増幅される(図5C)。
【0075】
いずれかの理論によって拘束されることは望まないが、それらの相違は、以下の2つの因子の重なりに起因すると考えることができる:(i)黒鉛化の水準の増加に伴う、熱処理された材料の向上した固有の電気伝導度、および(ii)炭素酸化/腐食および電解質分解の抑制をもたらす、カーボンブラックと電解質との間の界面の電荷移動現象の抑制。界面の電荷移動現象の抑制は、潜在的に、電子トンネル効果および伝導に有利な、初期のカーボンブラック表面の保持をもたらし、その結果として、面積固有インピーダンスを最小化し、そしてリチウムイオン複合正極の電力能力を向上させる。
【0076】
例4
この例は、ここに開示された黒鉛化されたカーボンブラックの、サイクル寿命性能への効果を説明している。例3に記載されたセルを、1Cの一定の速度で連続的な充電−放電サイクルに付し、そしてセルの能力の変化を、サイクル数の関数として記録した。
【0077】
図6には、LiNi0.5Mn1.5正極での、熱処理前後のサイクル寿命性能が示されている。図6から理解することができるように、250サイクルの後に、熱処理された材料を含む電極は、能力のより少ない減衰しか示さず、一方で基礎となるカーボンブラック系のセルは、遥かに大きな顕著な減衰を示す。この挙動は、熱処理された材料での周期的なボルタンメトリーによって観察されるより小さな酸化電流に結び付けることができ、そして耐酸化性の、サイクル寿命への利点を示している。
【0078】
用語「a」および「an」および「the」の使用は、特に断りない限り、または文脈から明確に否定されない限り、単数と複数の両方を包含すると理解されなければならない。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、特に断りの回限り開放型の用語(すなわち、「含むが、しかしながらそれらには限定されない」を意味する)と理解されなければならない。本明細書における数値範囲の記載は、特に断りのない限り、その範囲内に入るそれぞれの個々の値を独立して表すための略記方法としての役割をすることが単に意図されており、そしてそれぞれの個々の値が、それが独立して本明細書中に記載されているのと同様に本明細書中に組み込まれている。本明細書中に記載された全ての方法は、特に断りない限り、または文脈から明確に否定されない限り、いずれかの好適な順序で行うことができる。本明細書中に与えられるいずれかの、そして全ての例、または例示的な用語(例えば、「例えば」)は、単に、本発明をよりよく説明することを意図したものであり、そして特に断りのない限り、本発明の範囲に限定を加えるものではない。明細書中のいずれの用語も、いずれかの特許請求されていない要素が、本発明の実施に必須であると示していると理解されてはならない。
本発明は、以下の態様を有している。
(1)リチウムイオン系電気活性材料;
100〜250mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、ラマン分光法によって測定される、少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有している、
正極配合物。
(2)リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、10mJ/m以下の表面エネルギー、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有している、
正極配合物。
(3)リチウムイオン系電気活性材料;
100〜300mL/100gの範囲のOANを有するカーボンブラック、
を含んでなり、
該カーボンブラックは、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有している、正極配合物。
(4)前記カーボンブラックが、ラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有している、(1)または(2)記載の正極配合物。
(5)前記カーボンブラックが、ラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有する、(3)記載の正極配合物。
(6)前記カーボンブラックが、10mJ/m以下の表面エネルギーを有する、(1)および(3)〜(5)のいずれか1項記載の正極配合物。
(7)前記カーボンブラックが、7mJ/m以下の表面エネルギーを有する、(1)〜(5)のいずれか1項記載の正極配合物。
(8)前記カーボンブラックが、25〜800m/gの範囲のBET表面エネルギーを有する、(1)〜(7)のいずれか1項記載の正極配合物。
(9)前記カーボンブラックが、熱処理されたカーボンブラックである、(1)〜(8)のいずれか1項記載の正極配合物。
(10)前記熱処理されたカーボンブラックが、少なくとも1000℃の温度で熱処理されている、(9)記載の正極配合物。
(11)前記熱処理されたカーボンブラックが、1000℃〜2500℃の範囲の温度で熱処理されている、(9)記載の正極配合物。
(12)前記カーボンブラックが、前記配合物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%の範囲の量で存在する、(1)〜(11)のいずれか1項記載の正極配合物。
(13)前記電気活性材料が、前記配合物の全質量に対して、少なくとも80質量%の量で存在する、(1)〜(12)のいずれか1項記載の正極配合物。
(14)前記電気活性材料が、
LiMPO、ここでMは、Fe、Mn、Co、およびNiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
LiM’O、ここでM’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している;
Li(M’’)、ここでM’’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種または2種以上の金属を表している;ならびに、
Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x、ここでxは0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは0〜1の範囲である、
の少なくとも1つから選択されたリチウムイオン系材料である、(1)〜(13)のいずれか1項記載の正極配合物。
(15)前記電気活性材料が、LiNiO;LiNiAl、ここでxは、0.8〜0.99の範囲であり、yは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y=1である;LiCoO;LiMn;LiMnO;LiNi0.5Mn1.5;LiFeMnCoPO、ここで、xは0.01〜1の範囲、yは0.01〜1の範囲、zは0.01〜0.2の範囲、そしてx+y+z=1である;LiNi1−x−yMnCo、ここでxは0.01〜0.99の範囲、そしてyは0.01〜0.99の範囲である;ならびにLiMnO相もしくはLiMn相を含む層−層組成物、の少なくとも1つから選択される、(1)〜(14)のいずれか1項記載の正極配合物。
(16)電気活性材料が、LiMnO;LiNi1−x−yMnCo、ここでxは0.01〜0.99の範囲そしてyは0.01〜0.99の範囲;LiNi0.5Mn1.5;Li1+x(NiCo1−y−zMn1−x、ここでxは0〜1の範囲、yは0〜1の範囲、そしてzは0〜1の範囲;ならびにLiMnO相およびLiMn相の少なくとも1つを含む層−層組成物、の少なくとも1つから選択される、
(1)〜(14)のいずれか1項記載の正極配合物。
(17)前記カーボンブラックが、前記電気活性材料と均質に散在されている、(1)〜(15)のいずれか1項記載の正極配合物。
(18)(1)〜(17)のいずれか1項記載の前記正極配合物を含む正極。
(19)前記正極が、少なくとも30μmの厚さを有する、(18)記載の正極。
(20)バインダーを更に含む、(18)または(19)記載の正極。
(21)(18)〜(20)のいずれか1項記載の前記正極を含む、電気化学セル。
(22)カーボンブラック、リチウムイオン系電気活性材料、およびバインダーを含む粒子を、溶媒の存在下で混合してペーストを生成させる工程;
該ペーストを、基材上に堆積させる工程;ならびに、
正極を形成させる工程、
を含む正極の製造方法であって、
該カーボンブラックは、下記の、
i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、ラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、10mJ/m以下の表面エネルギー、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有するカーボンブラック、ならびに、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
の1つから選択される、方法。
(23)前記形成させる工程が、前記溶媒を除去する工程を含む、(22)記載の方法。
(24)リチウムイオン系電気活性材料およびカーボンブラックを含む粒子を含む正極ペーストであって、該ペーストが、
バインダー;および、
溶媒、
を更に含み、
該カーボンブラックが、以下の、
(i)100〜250mL/100gの範囲のOAN、ラマン分光法によって測定される少なくとも30Åの結晶子サイズ(L)、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有するカーボンブラック、
(ii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、10mJ/m以下の表面エネルギー、およびラマン分光法で測定して、少なくとも40%の%結晶化度(I/I)を有するカーボンブラック、ならびに、
(iii)100〜300mL/100gの範囲のOAN、およびラマン分光法によって測定される、少なくとも35Åの結晶子サイズ(L)を有するカーボンブラック、
の1つから選択される、正極ペースト。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6