特許第6405063号(P6405063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6405063原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405063
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/14 20060101AFI20181004BHJP
   F16C 33/20 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   F16C17/14
   F16C33/20 A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-567800(P2017-567800)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公表番号】特表2018-519485(P2018-519485A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】CN2016084013
(87)【国際公開番号】WO2017024859
(87)【国際公開日】20170216
【審査請求日】2018年1月10日
(31)【優先権主張番号】201510486583.8
(32)【優先日】2015年8月10日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520600658.6
(32)【優先日】2015年8月10日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517450275
【氏名又は名称】大連三環複合材料技術開発股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】曲 大庄
(72)【発明者】
【氏名】孫 成玉
(72)【発明者】
【氏名】蹇 錫高
(72)【発明者】
【氏名】劉 長波
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−019857(JP,A)
【文献】 特開2012−184778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/00−17/26
F16C 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレスタイルベースとエンジニアリングプラスチック層とを備える原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受であって、
前記ステンレスタイルベースは前記エンジニアリングプラスチック層に接続される凹凸面を有し、前記凹凸面と前記エンジニアリングプラスチック層とは熱プレス成形により複合成型され、前記凹凸面の面積を前記凹凸面の前記ステンレスタイルベースへの正投影面積で除した値が1.2〜2であり、
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面と前記ステンレスタイルベースの下表面にそれぞれ設けられ、前記ステンレスタイルベースの上表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmであり、前記ステンレスタイルベースの下表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは0.5〜5mmであり、
前記エンジニアリングプラスチック層は単層エンジニアリングプラスチック層又は複合エンジニアリングプラスチック層であり、前記複合エンジニアリングプラスチック層は改質層と非改質層を含み、前記改質層は前記非改質層を介して前記凹凸面と接続され、前記単層エンジニアリングプラスチック層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料又は改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記改質層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料又は改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記非改質層の材質は純樹脂粉末材料である、ことを特徴とする原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項2】
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面に設けられ、前記エンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項3】
前記凹凸面の凸面は粗面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項4】
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の環状凹溝で構成され、前記環状凹溝の形状は前記ステンレスタイルベースの外縁とマッチングし、複数の前記環状凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記環状凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記環状凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記環状凹溝の凹溝底の幅は前記環状凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記環状凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項5】
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の横方向凹溝と複数の縦方向凹溝により構成され、前記複数の横方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記横方向凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記横方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記横方向凹溝の凹溝底の幅は前記横方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記横方向凹溝の深さは1〜5mmであり、前記複数の縦方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記縦方向凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝底の幅は前記縦方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記縦方向凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項6】
前記ステンレスタイルベースは扇形となり、前記凹凸面の凹面は複数の円弧形凹溝により構成され、前記円弧形凹溝の形状は前記扇形の円弧とマッチングし、複数の前記円弧形凹溝は前記扇形の半径方向に沿って等間隔で配列され、隣接する前記円弧形凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記円弧形凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記円弧形凹溝の凹溝底の幅は前記円弧形凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記円弧形凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項7】
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の順序に配列した止まり穴で構成され、隣接する前記止まり穴の間の間隔は6〜10mmであり、前記止まり穴の穴口の直径は4〜10mmであり、前記止まり穴の穴底の直径は前記止まり穴の穴口の直径より0.5〜1mm大きく、前記止まり穴の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【請求項8】
前記改質層の厚さは、前記複合エンジニアリングプラスチック層の厚さの2/3〜4/5である、ことを特徴とする請求項1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水潤滑複合材料のスラスト軸受に関し、特に原子力メインポンプ水潤滑複合材料のスラスト軸受に関する。製品は主に原子力発電所における原子力アイランドのプライマリーサーキットシステムが核輻射運用モードで冷却剤を駆動する循環ポンプ(原子力メインポンプ)用の軸受に適用し、推力に耐える様々な回転機械のサポート部、例えば、水力発電機ユニット、水ポンプ、減速器等の分野においても用いられ、また油潤滑、特に高温、高速の運用モードでの油潤滑にも用いられる。
【背景技術】
【0002】
現在、原子力発電所における原子力アイランドのプライマリーサーキット冷却剤の循環ポンプ(原子力メインポンプと略称する)は原子力発電所の重要な設備である。原子力メインポンプは原子力発電所全体の運行と安全において、極めて重要な役割を果たしており、その中で原子力メインポンプ軸受は、循環ポンプが安全に安定して運行することを保証する重要な部材である。
【0003】
国内外での原子力発電所において、小容量発電機ユニットに配置される原子力メインポンプは黒鉛材料で作られた水潤滑スラスト軸受であり、それは黒鉛板を扇形の鋼タイルベースのスロットに設置し、その両側をバッフルで固定してなる構造になっている。黒鉛材料は脆性材料である為、耐衝撃性に劣り、大きい衝撃荷重とサイクル荷重の運用モードでは、軸受ブッシュが割れやすく、安全性が低く、高力率の原子力メインポンプの長期且つ安全な運行に適応できない。また、黒鉛軸受は材料が脆いので、順応性に劣り、軸受全体と単一の軸受ブッシュ面が受ける荷重が均等ではないとの状況を自ら調整できず、偏心荷重状況が起こりやすい。
【0004】
もう一つは、金属板とエンジンニアリングプラスチック板が機械的に組合せられた構造で製造された水潤滑スラスト軸受であり、それはスチールタイルブロックの平面に設置したスロットを介して取付けて定位し、ねじで締付けてなる構造になっている。該構造は、多層の構成が組み合わせてなる構造であり、軸受の長期運用の過程で、使用した締付けねじの緩み、抜け落ち、連結の不堅固などの問題があり、事故のポイントが増えるので、原子力メインポンプの運行において潜在的リスクをもたらす。
【0005】
現在、原子力発電が段々大容量発電ユニットに発展しつつ、従来の技術ではすでに高力率の原子力メインポンプの使用要求を満たすことはできなくなり、原子力メインポンプ軸受は、大容量原子力発電設備の製造において障害になっている。従って、耐放射線性、水潤滑適応性、安全性を有する高力率の原子力メインポンプ用のスラスト軸受を提供することは、極めて必要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の先行技術において、黒鉛板は耐衝撃性に劣り、高力率の原子力メインポンプが使用要求を満たせない問題、及び金属板とエンジンニアリングプラスチック板との組み合わせに使用される締付けねじが抜け落ちやすい技術問題に鑑み、本発明は、優れた靱性がある特殊なエンジンニアリングプラスチックとステンレスタイルベースにより一体構成されてなる新型スラスト軸受ブッシュを提供し、さらにその複数の扇形或いは円形のブッシュを組み合わせて円環を形成することで作られる原子力メインポンプ水潤滑複合材料のスラスト軸受を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受であって、ステンレスタイルベースとエンジニアリングプラスチック層を備え、前記ステンレスタイルベースは前記エンジニアリングプラスチック層に接続される凹凸面を有し、前記凹凸面と前記エンジニアリングプラスチック層とは熱可塑プレス成形で複合成型され、前記凹凸面の面積を前記凹凸面の前記ステンレスタイルベースへの正投影面積で除した値は1.2〜2である。上記の設置により、前記ステンレスタイルベースの面積を増加させることができ、前記ステンレスタイルベースと前記エンジニアリングプラスチック層と接合の強さを上向させる。前記凹凸面の面積とは、前記凹凸面の表面積を指す。
【0008】
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面と前記ステンレスタイルベースの下表面にそれぞれ設けられ、前記ステンレスタイルベースの上表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmであり、前記ステンレスタイルベースの下表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは0.5〜5mmである。
【0009】
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面に設けられ、前記エンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmである。
【0010】
前記凹凸面の凸面は粗面を有する。前記粗面は以下の処理方法により得られ、その処理方法は以下の三つ或いは以下三つの方法による組合せを含む。
(1)ローレットローラーでロールエンボス処理を行い、ローレットのピッチは約0.3mm〜1.5mmである。
(2)機械加工で幅が0.5m〜1.5mmであり、深さが0.2mm〜0.8mmである縦横に交錯される溝に加工するか、或いは30〜90°であり、深さが0.2mm〜0.8mmである縦横に交錯される溝に加工する。
(3)表面にグリットブラストなどで粗面化処理を行う。
【0011】
前記ステンレスタイルベースは扇形或いは円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の環状凹溝により構成され、前記環状凹溝の形状は前記ステンレスタイルベースの外縁とマッチングし、複数の前記環状凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記環状凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記環状凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記環状凹溝の凹溝底の幅は前記環状凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記環状凹溝の深さは1〜5mmである。
【0012】
前記ステンレスタイルベースは扇形或いは円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の横方向凹溝と複数の縦方向凹溝により構成され、前記複数の横方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記横方向凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記横方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記横方向凹溝の凹溝底の幅は前記横方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記横方向凹溝の深さは1〜5mmであり、前記複数の縦方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記縦方向凹溝の間隔は6〜10mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝底の幅は前記縦方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記縦方向凹溝の深さは1〜5mmである。
【0013】
前記ステンレスタイルベースは扇形となり、前記凹凸面の凹面は複数の円弧凹溝により構成され、前記円弧凹溝の形状は前記扇形の円弧とマッチングし、複数の前記円弧凹溝は前記扇形の半径方向に沿って、等間隔で配列され、隣接する前記円弧凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記円弧凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記円弧の凹溝底の幅は前記円弧凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記円弧凹溝の深さは1〜5mmである。
【0014】
前記ステンレスタイルベースは扇形或いは円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の順序に配列される止まり穴で構成され、隣接する前記止まり穴の間の間隔は6〜10mmであり、前記止まり穴の穴口の直径は4〜10mmであり、前記止まり穴の穴底の直径は前記止まり穴の穴口の直径より0.5〜1mm大きく、前記止まり穴の深さは1〜5mmである。前記順序に配列されるとは、前記止まり穴が正方形、長方形、菱形、三角形或いは行列などの形で配列されることである。
【0015】
前記エンジニアリングプラスチック層は単層エンジニアリングプラスチック層或いは複合エンジニアリングプラスチック層であり、前記複合エンジニアリングプラスチック層は改質層と非改質層を含み、前記改質層は前記非改質層を介して前記凹凸面と接続され、前記単層エンジニアリングプラスチック層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン(Polyether Ether Ketone,PEEK)粉末材料或いは改質ポリエーテルスルホンケトン(Poly(phthalazinone ether sulfone ketone),PPESK)粉末材料であり、前記改質層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記非改質層の材質は純樹脂粉末材料である。
【0016】
前記純樹脂粉末材質とは非改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは非改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料とのことである。前記改質層の材質が改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料である場合、前記純樹脂粉末材料は純ポリエーテルエーテルケトンであり、前記改質層の材質が改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料である場合、前記純樹脂粉末材料はポリエーテルスルホンケトン粉末材料である。
【0017】
前記改質層の厚さは前記複合エンジニアリングプラスチック層の厚さの2/3〜4/5である。
【0018】
改質された後粘着性が低くなるため、前記ステンレスタイルベースと前記改質層との間に一層の前記非改質層を加えて、粘着性を上向させる。
【0019】
前記凹凸面と前記エンジニアリングプラスチック層との間は前記凹凸面の凹面と凸面、及び、前記粗面と前記エンジニアリングプラスチック層が溶融されて得られる特有の粘着性により互いに接続されることで、物理的連結により一体化された複合材料のスラスト軸受に成る。
【0020】
前記ステンレスタイルベースの上表面に位置される前記エンジニアリングプラスチック層は前記スラスト軸受の作業表面の摩擦層であり、前記ステンレスタイルベースの下表面に位置される前記エンジニアリングプラスチック層は前記スラスト軸受の断熱層である。
【0021】
前記熱可塑プレス成形複合成型は以下のステップを含む。
(1)熱可塑プレス成形金型の資材は耐熱ステンレスで作り、前記金型ダイキャビティの形状及び寸法は前記ステンレスタイルベースの半製品外縁の幾何学的形状及び寸法に基づいて、設計・加工・配合し、且つ排気流路を設置する。
(2)前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料はモールドプレッシングを行う前に、120℃の環境で8時間以上乾燥し、前記エンジニアリングプラスチック層が複合エンジニアリングプラスチック層である場合、同一の乾燥条件で一定量の非改質純樹脂粉末材料を更に乾燥する。
(3)前記ステンレスタイルベースを前記金型のダイキャビティに置く。
(4)前記エンジニアリングプラスチック層が複合エンジニアリングプラスチック層である場合、前記複合エンジニアリングプラスチック層の2/3〜4/5の厚さは前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、1/5〜1/3の厚さは純樹脂粉末材料である。異なる厚さにより、用量を計算・秤量し、先に純樹脂粉末材料をダイキャビティにおける前記ステンレスタイルベースに均一に入れた後擦切り、その後改質樹脂粉末材料を金型のダイキャビティに均一に入れて、擦切り、型締める。
前記エンジニアリングプラスチック層が単層エンジニアリングプラスチック層である場合、前記単層エンジニアリングプラスチック層の厚さにより、用量を量り、改質樹脂粉末材料を前記金型のダイキャビティに均一に入れて、擦切り、型締める。
(5)プレスにおいて、金型に30〜80MPaの圧力を加える。
(6)前記金型全体を空気循環加熱炉に入れて、粉末材料が完全に溶融されるように、350〜410℃にまで加熱し、加熱時間は加工物の規格と金型の寸法に従って決める。
(7)加熱した後、前記金型をプレスにおいて、30〜60MPaの圧力を加え、圧力を保持しながら、時間毎に30〜60℃の冷却速度で冷却を行い、金型の温度が70℃以下になったら、脱型し、加工物を取出す。
(8)機械加工を通じ、水潤滑複合材料のスラスト軸受に形成される。
【0022】
前記凹凸面が前記ステンレスタイルベースの上表面と前記ステンレスタイルベースの下表面にそれぞれ位置される時、上記ステップ(4)において、まずはステンレスタイルベースの上、下表面に位置される前記エンジニアリングプラスチック層の必要な粉末材料の用量をそれぞれ計算・秤量する。次に、前記ステンレスタイルベースの下表面に位置されるエンジニアリングプラスチック層の必要な粉末材料を金型に均一にいれて擦切った後、前記ステンレスタイルベースを入れる。
【発明の効果】
【0023】
従来の技術と比べて、本発明の作業表面の摩擦層はエンジニアリングプラスチック層であり、それは弾性・塑性がある材料であって、よい耐衝撃性と順応性を有し、黒鉛軸受の割れやすい欠点を効果的に克服できる。
【0024】
前記凹凸面と前記エンジニアリングプラスチック層との間は前記凹凸面の凹面と凸面、及び、前記粗面と前記エンジニアリングプラスチック層が溶融されて得られる特有の粘着性により互いに接続されることで、物理的結合により一体化された複合材料のスラスト軸受に成る。本発明は金属と非金属が結合したしっかりした一体の複合材料構造であるため、金属と非金属それぞれの利点を発揮することができる。従って、エンジニアリングプラスチック層の厚さを大幅に下げることができ、荷重能力を上向させることだけではなく、運行する時の圧力・温度の影響下においても、軸受のサイズは依然としてよい安定性も保つことができ、安定の潤滑ウオーターフィルムの形成にも有利である。本発明の軸受は、耐放射線性を有し、安全で且つ信頼できる新型水潤滑複合材料のスラスト軸受である。本発明は、優れた耐放射線性と水潤滑性の性能以外にも、耐衝撃、耐摩耗、低摩擦、自己潤滑、順応性と自己調整性などの特性を更に有する。
【0025】
上記理由に基づいて、本発明はスラスト軸受などの分野において広く利用されることができる。
【0026】
以下のように図面と実施の形態を結合して、本発明に対して更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例1に係るステンレスタイルベースとエンジニアリングプラスチック層とが接続されてなる構造を示す図である。
図2図1においてのA部の拡大図である。
図3】本発明の実施例2に係るステンレスタイルベースとエンジニアリングプラスチック層とが接続されてなる構造を示す図である。
図4】本発明に係る環形凹溝を有する扇形のステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図5】本発明に係る環形凹溝を有する円形のステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図6】本発明に係る横方向凹溝と縦方向凹溝を有する扇形ステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図7】本発明に係る横方向凹溝と縦方向凹溝を有する円形ステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図8】本発明に係る円弧凹溝を有するステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図9】本発明に係る止まり穴を有する扇形ステンレスタイルベースの構成を示す図である。
図10】本発明に係る止まり穴を有する円形ステンレスタイルベースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1〜10に示すように、原子力メインポンプ水潤滑複合材料のスラスト軸受であって、ステンレスタイルベース1とエンジニアリングプラスチック層2を含み、前記ステンレスタイルベース1はエンジニアリングプラスチック層2に接続される凹凸面3を有し、前記凹凸面3とエンジニアリングプラスチック層2の間は熱可塑プレス成形で複合成型され、前記凹凸面3の面積を前記凹凸面3の前記ステンレスタイルベース1への正投影の面積で除した値は1.2〜2である。
【0029】
前記凹凸面3は前記ステンレスタイルベース1の上表面に位置され、或いは前記凹凸面3は前記ステンレスタイルベース1の上表面と前記ステンレスタイルベース1の下表面にそれぞれ位置され、前記ステンレスタイルベース1の上表面に位置される凹凸面3におけるエンジニアリングプラスチック層2の厚さは2〜15mmであり、前記ステンレスタイルベース1の下表面に位置される凹凸面3におけるエンジニアリングプラスチック層2の厚さは0.5〜5mmである。
【0030】
前記凹凸面3の凸面は粗面4を有する。
【0031】
前記ステンレスタイルベース1は扇形或いは円形となる場合、前記凹凸面3の凹面は複数の環状凹溝5により構成され、前記環状凹溝5の形状は前記ステンレスタイルベース1の外縁とマッチッグし、複数の前記環状凹溝5が等間隔で配列され、隣接する前記環状凹溝5の間の間隔は6〜10mmであり、前記環状凹溝5の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記環状凹溝5の凹溝底の幅は前記環状凹溝5の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記環状凹溝5の深さは1〜5mmである。或いは、前記凹凸面3の凹面は複数の横方向凹溝6と複数の縦方向凹溝7により構成され、前記複数の横方向凹溝6は等間隔で配列され、隣接する前記横方向凹溝6の間の間隔は6〜10mmであり、前記横方向凹溝6の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記横方向凹溝6の凹溝底の幅は前記横方向凹溝6の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記横方向凹溝6の深さは1〜5mmであり、前記複数の縦方向凹溝7は等間隔で配列され、隣接する前記縦方向凹溝7の間の間隔は6〜10mmであり、前記縦方向凹溝7の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記縦方向凹溝7の凹溝底の幅は前記縦方向凹溝7の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記縦方向凹溝7の深さは1〜5mmである。或いは、前記凹凸面3の凹面は複数の順序良く配列された止まり穴9により構成され、隣接する前記止まり穴の間の間隔は6〜10mmであり、前記止まり穴9の穴口の直径は4〜10mmであり、前記止まり穴9の穴底の直径は前記止まり穴9の穴口の直径より0.5〜1mm大きく、前記止まり穴9の深さは1〜5mmである。
【0032】
前記ステンレスタイルベース1は扇形となる場合、前記凹凸面3の凹面は複数の円弧凹溝8により構成され、前記円弧凹溝8の形状は前記扇形の円弧とマッチッグし、複数の前記円弧凹溝8は前記扇形の半径方向に沿って、等間隔で配列され、隣接する前記円弧凹溝8の間の間隔は6〜10mmであり、前記円弧凹溝8の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記円弧凹溝8の凹溝底の幅は前記円弧凹溝8の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記円弧凹溝8の深さは1〜5mmである。
【0033】
前記エンジニアリングプラスチック層2は単層エンジニアリングプラスチック層或いは複合エンジニアリングプラスチック層であり、前記複合エンジニアリングプラスチック層は改質層と非改質層を含み、前記改質層は前記非改質層を介して、前記凹凸面3と接続され、前記単層エンジニアリングプラスチック層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記改質層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記非改質層の材質は純樹脂粉末材料である。
【0034】
前記改質層の厚さは前記複合エンジニアリングプラスチック層の厚さの2/3〜4/5である。
【0035】
以下、具体的な実施形態により本発明に対して更に説明する。
【0036】
(実施例1)
図1図2図4に示すように、原子力メインポンプ水潤滑複合材料のスラスト軸受であり、ステンレスタイルベース1とエンジニアリングプラスチック層2を含み、前記ステンレスタイルベース1は扇形となり、前記ステンレスタイルベース1はエンジニアリングプラスチック層2に接続される凹凸面3を有し、前記凹凸面3は前記ステンレスタイルベース1の上表面に位置され、前記エンジニアリングプラスチック層2の厚さは2〜15mmであり、前記エンジニアリングプラスチック層2は複合エンジニアリングプラスチック層であり、前記複合エンジニアリングプラスチック層は改質層と非改質層を含み、前記改質層は前記非改質層を介して、前記凹凸面3と接続され、前記改質層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記非改質層の材質は純樹脂粉末材料である。
【0037】
前記改質層の厚さは前記複合エンジニアリングプラスチック層の厚さの2/3である。前記凹凸面3の凹面は複数の環状凹溝5により構成され、前記環状凹溝5の形状は前記ステンレスタイルベース1の外縁とマッチングし、複数の前記環状凹溝5が等間隔で配列され、隣接する前記環状凹溝5の間の間隔は10mmであり、前記環状凹溝5の凹溝口の幅は5mmであり、前記環状凹溝5の凹溝底の幅は5.5mmであり、前記環状凹溝5の深さは1mmであり、即ち前記環状凹溝5の横断面は燕尾形となる。前記ステンレスタイルベース1外縁の近くに位置される環状凹溝5は前記ステンレスタイルベース1の外縁より5mm距離され、前記凹凸面3の面積を前記凹凸面3の前記ステンレスタイルベース1における正投影面積で除した値は1.2であり、前記凹凸面3の凸面は粗面4を有し、前記粗面4はローレットローラーでロールエンボス処理により得られ、ローレットピッチは約0.9mmである。
【0038】
前記凹凸面3と前記エンジニアリングプラスチック層2との間は熱可塑プレス成形で複合成型される。
【0039】
前記熱可塑プレス成形複合成型は以下のステップを含む。
(1)熱可塑プレス成形金型の資材は耐熱ステンレスで作り、前記金型ダイキャビティの形状及び寸法は前記ステンレスタイルベース1の半製品外縁の幾何学的形状及び寸法に基づいて、設計・加工・配合し、且つ排気流路を設置する。
(2)前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料は、モールドプレッシングを行う前に、120℃の環境で8時間以上乾燥し、同一の乾燥条件で一定量の非改質純樹脂粉末材料を更に乾燥する。
(3)前記ステンレスタイルベース1を前記金型のダイキャビティに置く。
(4)前記エンジニアリングプラスチック層2の厚さにおいて、その2/3の厚さは前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、1/3の厚さは純樹脂粉末材料である。異なる厚さにより、用量を計算・秤量し、先に純樹脂粉末材料をダイキャビティにおける前記ステンレスタイルベースに均一に入れた後擦切り、その後改質樹脂粉末材料を金型のダイキャビティに均一に入れて、擦切り、型締める。
(5)プレスにおいて、金型に30−80MPaの圧力を加える。
(6)前記金型全体を空気循環加熱炉に入れて、粉末材料が完全に溶融されるように、385℃にまで加熱し、加熱時間は加工物の規格と金型の寸法に従って決める。
(7)加熱した後、前記金型をプレスにおいて、30MPaの圧力を加えるとともに、圧力を保持しながら、時間毎に30−60℃の冷却速度で冷却を行い、金型の温度が70℃以下になったら、脱型し、加工物を取出す。
(8)機械加工を通じ、水潤滑複合材料のスラスト軸受が作られる。
【0040】
(実施例2)
図3図4に示すように、実施例1において開示される原子力メインポンプ水潤滑複合材料のスラスト軸受と比べて、本実施例の相違点は以下のとおりである。前記ステンレスタイルベース1の上表面と前記ステンレスタイルベース1の下表面に、それぞれ実施例1に開示した前記凹凸面3が設置され、実施例1に係るステップ(4)において、先に前記ステンレスタイルベース1の上・下表面に位置される2部分の前記エンジニアリングプラスチック層2になる必要の前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料の用量、及び前記純樹脂粉末材料の用量を計算・秤量する。次に、前記ステンレスタイルベース1の下表面に位置されるエンジニアリングプラスチック層になる必要の前記改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料或いは前記改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料の用量、及び前記純樹脂粉末材料の用量を金型に均一に入れた後擦切り、前記ステンレスタイルベース1を入れる。
【0041】
以上の説明は本発明の好ましい実施形態だけであり、本発明の保護範囲がこの範囲内に限定されるものではなく、いかなる本技術分野の当業者が、本発明が開示した技術的範囲内での技術手段及び発明の構想に基づいて行った同等切替、改変は、いずれも本発明の技術的範囲内にカバーされるべきである。
【0042】
(付記)
(付記1)
ステンレスタイルベースとエンジニアリングプラスチック層とを備える原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受であって、
前記ステンレスタイルベースは前記エンジニアリングプラスチック層に接続される凹凸面を有し、前記凹凸面と前記エンジニアリングプラスチック層とは熱可塑プレス成形により複合成型され、前記凹凸面の面積を前記凹凸面の前記ステンレスタイルベースへの正投影面積で除した値が1.2〜2である、ことを特徴とする原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0043】
(付記2)
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面と前記ステンレスタイルベースの下表面にそれぞれ設けられ、前記ステンレスタイルベースの上表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmであり、前記ステンレスタイルベースの下表面に位置される凹凸面におけるエンジニアリングプラスチック層の厚さは0.5〜5mmである、ことを特徴とする付記1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0044】
(付記3)
前記凹凸面は前記ステンレスタイルベースの上表面に設けられ、前記エンジニアリングプラスチック層の厚さは2〜15mmである、ことを特徴とする付記1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0045】
(付記4)
前記凹凸面の凸面は粗面を有する、ことを特徴とする付記1に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0046】
(付記5)
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の環状凹溝で構成され、前記環状凹溝の形状は前記ステンレスタイルベースの外縁とマッチングし、複数の前記環状凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記環状凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記環状凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記環状凹溝の凹溝底の幅は前記環状凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記環状凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0047】
(付記6)
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の横方向凹溝と複数の縦方向凹溝により構成され、前記複数の横方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記横方向凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記横方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記横方向凹溝の凹溝底の幅は前記横方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記横方向凹溝の深さは1〜5mmであり、前記複数の縦方向凹溝は等間隔で配列され、隣接する前記縦方向凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記縦方向凹溝の凹溝底の幅は前記縦方向凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記縦方向凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0048】
(付記7)
前記ステンレスタイルベースは扇形となり、前記凹凸面の凹面は複数の円弧形凹溝により構成され、前記円弧形凹溝の形状は前記扇形の円弧とマッチングし、複数の前記円弧形凹溝は前記扇形の半径方向に沿って等間隔で配列され、隣接する前記円弧形凹溝の間の間隔は6〜10mmであり、前記円弧形凹溝の凹溝口の幅は4〜12mmであり、前記円弧形凹溝の凹溝底の幅は前記円弧形凹溝の凹溝口の幅より0.5〜1mm大きく、前記円弧形凹溝の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0049】
(付記8)
前記ステンレスタイルベースは扇形又は円形となり、前記凹凸面の凹面は複数の順序に配列した止まり穴で構成され、隣接する前記止まり穴の間の間隔は6〜10mmであり、前記止まり穴の穴口の直径は4〜10mmであり、前記止まり穴の穴底の直径は前記止まり穴の穴口の直径より0.5〜1mm大きく、前記止まり穴の深さは1〜5mmである、ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0050】
(付記9)
前記エンジニアリングプラスチック層は単層エンジニアリングプラスチック層又は複合エンジニアリングプラスチック層であり、前記複合エンジニアリングプラスチック層は改質層と非改質層を含み、前記改質層は前記非改質層を介して前記凹凸面と接続され、前記単層エンジニアリングプラスチック層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料又は改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記改質層の材質は改質ポリエーテルエーテルケトン粉末材料又は改質ポリエーテルスルホンケトン粉末材料であり、前記非改質層の材質は純樹脂粉末材料である、ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
【0051】
(付記10)
前記改質層の厚さは、前記複合エンジニアリングプラスチック層の厚さの2/3〜4/5である、ことを特徴とする付記9に記載の原子力メインポンプの水潤滑複合材料スラスト軸受。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10