(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部は、前記距離画像の画素数に対する、前記演算値が所定の範囲内の画素の数の割合を示す含有率を算出し、当該含有率に基づいて前記所定の被写体の有無を判定する、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[監視システム10の概要]
図1は、本実施形態に係る監視システム10の構成を示す図である。監視システム10は、複数の撮像装置100(撮像装置100−1、100−2、・・・100−n、ただし、nは3以上の自然数)と、データ管理装置200とを備える。複数の撮像装置100は、例えば、LAN用の8芯ケーブルである通信線50(通信線50−1、50−2、・・・50−n、ただし、nは3以上の自然数)によってデイジーチェーン接続されている。
【0014】
撮像装置100−1は、ハブ300及び通信線50−1を介して、データ管理装置200と通信可能に接続されている。監視システム10は、ハブ300に接続された複数の撮像装置100の群を複数備えてもよい。監視システム10は、撮像装置100が撮像した撮像画像を表示するモニタ400を備えてもよい。なお、本実施形態においては、監視システム10が、デイジーチェーン接続された複数の撮像装置100を備える例を用いて説明するが、監視システム10は、1台の撮像装置100により構成されていてもよい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る監視システム10の使用態様の一例を示す図である。
図3は、撮像装置100の道路における設置例を示す図である。一例として、撮像装置100は、トンネル内部における出入口付近に道路に沿って等間隔に設置され、道路の斜め上方から道路を走行する車両及び自転車や、道路を歩行する歩行者等の被写体を撮像する。
【0016】
撮像装置100は、撮像して生成した複数の撮像画像に基づいて、被写体までの距離に基づく距離画像を生成し、当該距離画像から被写体を含む画像領域を検出する。ここで、トンネル内部は、照明が十分に明るくないことから、撮像画像において車両が不鮮明に写る。また、車両の色や形状によっては、距離画像の作成の際に車両の少なくとも一部について視差を認識することができない。このような問題に対して、撮像装置100は、複数の距離画像において検出された、複数の被写体を含む画像領域を包含する注目画像領域を特定する。そして、撮像装置100は、当該注目画像領域の移動距離、移動速度及び移動範囲等に基づいて、歩行者や自転車等を示す所定の被写体の有無を判定する。
【0017】
さらに、撮像装置100は、複数の距離画像において被写体として検出された画像の画素値に基づいて所定の演算をすることにより、演算値を算出する。そして、撮像装置100は、上述の判定において所定の被写体が有ると判定した場合に、当該演算値に基づいて、所定の被写体の有無をさらに判定する。その後、撮像装置100は、所定の被写体が有ると判定すると、自動車の運転手等に注意を促すための警告情報をデータ管理装置200に出力する。
【0018】
[撮像装置100の機能構成]
続いて、撮像装置100の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像装置100の機能構成図である。撮像装置100は、複数の撮像部110(撮像部110−1、110−2)と、撮像画像生成部120と、送受信部130と、記憶部140と、制御部150とを備える。
【0019】
複数の撮像部110は、それぞれ、レンズ及びCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)を有しており、ステレオカメラとして機能する。複数の撮像部110のそれぞれは、道路における所定領域を通過する歩行者や車両等を含む被写体の画像を撮像する。
【0020】
撮像画像生成部120は、複数の撮像部110において撮像された所定領域の画像を含む複数の撮像画像を生成する。例えば、撮像画像生成部120は、撮像部110−1及び撮像部110−2のそれぞれから出力される画像信号を取得し、取得した画像信号をアナログ/デジタル変換して生成した撮像画像を制御部150に出力する。例えば、撮像画像生成部120は、撮像部110−1及び撮像部110−2のそれぞれについて、1秒間に所定フレーム(例えば、15フレーム)の撮像画像を制御部150に出力する。ここで、撮像部110−1において撮像された所定領域の画像を含む撮像画像を第1画像といい、撮像部110−2において撮像された所定領域の画像を含む撮像画像を第2画像という。
【0021】
図5は、第1画像及び第2画像の一例を示す図である。複数の撮像部110のそれぞれが、同じタイミングで撮像した第1画像及び第2画像は、
図5に示されているようにほぼ同一の画像となる。ここで、第1画像及び第2画像では、
図5に示すように、車両の進行方向に平行な方向にX軸が設けられ、X軸と垂直な方向にY軸が設けられている。
【0022】
ここで、X軸及びY軸の原点は、画像の左上の頂点であるものとし、原点から右方向に進むに従ってX座標が増加し、下方向に進むに従ってY座標が増加するものとする。第1画像及び第2画像は、道路の側面に設置されている撮像装置100によって撮像されることによって生成されるので、Y座標が小さい位置ほど撮像装置100との距離が長くなる。
【0023】
送受信部130は、制御部150が所定の被写体を検出したことを示す警告情報をデータ管理装置200に送信する。送受信部130は、データ管理装置200から各種の情報を受信してもよく、デイジーチェーン接続された他の撮像装置100との間でデータを送受信してもよい。
【0024】
記憶部140は、制御部150を動作させるためのプログラム、及び制御部150の動作中に生成されるデータを記憶する記憶媒体である。記憶部140は、例えばROM及びRAMの少なくとも1つを含む。記憶部140は、撮像装置100に内蔵された記憶媒体であってもよく、取り外し可能な記憶媒体であってもよい。
【0025】
制御部150は、例えば、記憶部140に記憶されたプログラムを実行することにより制御部150が撮像した画像を解析して所定の被写体を示す画像が撮像画像に含まれているかを検出するマイクロプロセッサである。制御部150は、距離画像生成部151と、検出部152と、算出部153と、判定部154と、通知部155とを備える。
【0026】
距離画像生成部151は、撮像部110において撮像された撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる被写体までの距離に基づく画素値の画素から構成される距離画像を生成する。具体的には、距離画像生成部151は、撮像部110−1及び撮像部110−2のそれぞれにおいて同じタイミングで撮像された第1画像及び第2画像の視差に基づいて距離画像を生成する。
図6は、第1画像及び第2画像に基づいて生成された距離画像の一例を示す図である。
【0027】
例えば、距離画像生成部151は、例えば、第1画像を基準画像とするとともに、第2画像を比較画像とする。そして、距離画像生成部151は、当該基準画像の基準点と対応する対応点を比較画像の中から探索することで視差を算出する。具体的には、基準となる画素を中心に基準画像から画素ブロックを抽出し、比較画像の探索領域内の画素ブロックのうち基準画像から抽出した画素ブロックと輝度パターンが類似している画素ブロックをSAD(Sum of Absolute Differences)法等の公知の手法により特定する。そして、距離画像生成部151は、基準画像の画素ブロックの座標と比較画像の画素ブロックの座標との相違から、視差を算出する。なお、本実施形態では、画素ブロックを構成する複数の画素のうち隣接する画素との輝度差が所定以上でない画素については、視差をゼロとして距離画像を生成する。
【0028】
ここで、視差が相対的に大きい場合、当該画素に示される被写体と撮像装置100との距離が短いことを示し、視差が相対的に小さい場合、当該画素に示される被写体と撮像装置100との距離が長いことを示している。距離画像では、
図6に示すように、被写体と撮像装置100との距離が短いほど、黒色に近い色で表現し、被写体と撮像装置100との距離が長いほど、白色に近い色で表現している。これにより、距離画像では、視差がゼロとされた領域、すなわち、距離が検出されなかった領域は、白色となる。
【0029】
なお、本実施形態では、被写体と撮像装置100との距離が短いほど、黒色に近い色で表現し、被写体と撮像装置100との距離が長いほど、白色に近い色で表現しているが、これに限らない。例えば、被写体と撮像装置100との距離が短いほど、白色に近い色で表現し、被写体と撮像装置100との距離が長いほど、黒色に近い色で表現してもよい。
【0030】
検出部152は、撮像部110において撮像された第1撮像画像と、第1撮像画像の後に撮像された第2撮像画像とに基づいて、第1撮像画像に含まれる背景画像と異なる被写体を含む第1画像領域と、第2撮像画像に含まれる背景画像と異なる被写体を含む第2画像領域とを含む注目画像領域を検出する。
【0031】
ここで、第1撮像画像は、第1フレームにおいて、撮像画像生成部120が生成した第1画像及び第2画像である。また、第2撮像画像は、第1フレームの直後の第2フレームにおいて、撮像画像生成部120が生成した第1画像及び第2画像である。
【0032】
まず、検出部152は、第1撮像画像に基づいて距離画像生成部151が生成した距離画像である第1距離画像と、第2撮像画像に基づいて距離画像生成部151が生成した距離画像である第2距離画像とのそれぞれにおいて、被写体を含む領域を検出する。続いて、検出部152は、第1距離画像と第2距離画像のそれぞれにおいて検出された複数の領域を包含する領域を特定する。
【0033】
図7は、第1距離画像及び第2距離画像から注目画像領域する例を示す図である。
図7に示すように、第1距離画像では被写体の一部について距離が検出されないことにより、被写体を含む領域として2つの領域が検出されている。また、第2距離画像でも、被写体の一部について距離が検出されないことにより、被写体を含む領域として2つの領域が検出されている。検出部152は、これらの複数の領域を包含する領域を特定するための合成画像を生成する。
図7に示すように、合成画像では、一の距離画像において複数の被写体として検出されていた被写体が、一の被写体として検出されていることが確認できる。検出部152は、複数の領域を包含する領域を、注目画像領域Bとして検出する。注目画像領域Bは、被写体が写った画像領域を時間積分することにより得られる領域に相当する。ここで、検出部152は、生成した合成画像を記憶部140に記憶させる。
【0034】
なお、本実施形態では、検出部152は、2つのフレームにおいて撮像された第1撮像画像及び第2撮像画像に基づいて注目画像領域を検出したが、これに限らず、3つ以上のフレームにおいて撮像された複数の撮像画像に基づいて注目画像領域を検出してもよい。
【0035】
また、検出部152は、第1距離画像及び第2距離画像に基づいて注目画像領域を検出したが、これに限らない。検出部152は、例えば、異なる時間において撮像された複数の第1画像について差分を抽出することで差分画像を生成し、複数の差分画像が示す領域を包含する領域を特定することで注目画像領域を検出してもよい。
【0036】
算出部153は、所定期間内に生成された複数の距離画像に含まれるそれぞれの画素の画素値に基づいて、それぞれの画素の所定期間内における演算値を算出する。具体的には、算出部153は、まず、距離画像における画素の位置に基づいて重み付けして演算値を算出する。すなわち、第1画像及び第2画像と同様に、距離画像においても、Y座標が小さい画素に対応する位置ほど撮像装置100からの距離が遠くなることから、算出部153は、距離画像を構成する複数の画素のそれぞれの位置と、撮像装置100との距離の関係に基づいて、複数の画素のそれぞれの画素値を補正する。距離画像におけるY軸の画素数がN、補正パラメータをR、画素値をPとすると、算出部153は、Y座標がi(ただし、iは、0からNの任意の整数)の任意の画素における画素値Pを、例えば、以下の式(1)に基づいてP’と補正する。
P’=P+(1+(N−i)*R)・・・(1)
【0037】
続いて、算出部153は、所定期間内に生成された複数の距離画像の所定領域に含まれるそれぞれの画素について、所定期間内において最大値となる画素値を、演算値として算出する。例えば、所定期間内に生成された距離画像が5つであり、所定画素の画素値がそれぞれ、5、2、6、3、10である場合、算出部153は、当該所定画素の演算値を10とする。
【0038】
なお、算出部153は、複数の距離画像に含まれるそれぞれの画素について、所定期間内において最大値となる画素値を、演算値として算出したが、これに限らない。算出部153は、例えば、所定期間内における画素値の平均値を演算値として算出したり、所定期間内における画素値の合計値を演算値として算出したりしてもよい。また、算出部153で用いた所定期間と、検出部152で用いた所定期間は、異なる期間であってもよい。
【0039】
判定部154は、所定期間内に撮像された所定数以上の撮像画像の所定領域から検出部152により検出された複数の注目画像領域の位置に基づいて、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域であると判定する。ここで、判定部154は、所定の被写体に対応する速度に基づいて所定数を定めてもよい。例えば、判定部154は、歩行者及び自転車を所定の被写体とする場合、歩行者又は自転車が取りうる速度及び想定する動きに基づいて所定数を定める。
【0040】
また、判定部154は、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域ではないと判定した場合に、算出部153が算出したそれぞれの画素の演算値に基づいて、所定の被写体の有無を判定する。判定部154の詳細については、後述するフローチャートにおいて説明する。
【0041】
通知部155は、判定部154が撮像画像に所定の被写体が含まれていると判定したことに応じて、データ管理装置200に、所定の被写体が含まれていることを示す警告情報を送信する。ここで、警告情報には、撮像装置100の位置を示す位置情報が含まれていてもよい。これにより、データ管理装置200は、道路に設置されている案内板等に、例えば、「トンネル内情報:300m先に歩行者有り」といった警告情報を表示することができる。
【0042】
[撮像装置100の処理]
続いて、
図8及び
図9を参照して、撮像装置100の処理の流れについて説明する。
図8は、撮像装置100の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、例えば毎フレームにおいて実行される。
【0043】
まず、撮像画像生成部120は、撮像部110−1及び撮像部110−2のそれぞれにおいて撮像された所定領域の画像を含む2つの撮像画像を生成する(S10)。
続いて、距離画像生成部151は、撮像画像生成部120によって生成された2つの撮像画像に基づいて距離画像を生成する(S20)。
【0044】
続いて、検出部152は、本フローチャートを前回実行することにより得られた第1距離画像と、S20において生成された距離画像である第2距離画像とに基づいて、注目画像領域を検出する(S30)。
続いて、算出部153は、現在時刻から所定期間内に生成された複数の距離画像に含まれるそれぞれの画素の画素値に基づいて、それぞれの画素の所定期間内における演算値を算出する(S40)。
なお、制御部150は、S30に係る処理の後に、S40に係る処理を実行したが、これに限らない。例えば、制御部150は、S30に係る処理とS40に係る処理とを並列に実行してもよい。
【0045】
続いて、判定部154は、対象物が所定の対象物であるか否かを判定する対象物判定処理を実行する(S50)。対象物判定処理の詳細については、後述する。
続いて、通知部155は、所定の被写体が検出中であるか否かを判定する(S60)。通知部155は、所定の被写体が検出中である場合(判定がYESの場合)、S70に処理を移し、所定の被写体が検出されていない場合(判定がNOの場合)、本フローチャートに係る処理を終了する。
通知部155は、S60において所定の被写体が含まれていると判定したことに応じて、データ管理装置200に警告情報を送信することにより警告通知を行う(S70)。
【0046】
続いて、対象物判定処理の詳細について説明する。
図9は、対象物判定処理における処理の流れを示すフローチャートである。
判定部154は、最新の合成画像を解析し、所定の被写体を検出中か否かを判定する(S51)。具体的には、判定部154は、最新の合成画像に、当該合成画像の直前に生成された合成画像に含まれていると判定された所定の被写体を示す注目画像領域が含まれているか否かを判定する。例えば、判定部154は、最新の合成画像における注目画像領域と、直前に生成され、記憶部140に記憶されている合成画像における注目画像領域との類似度を算出し、この類似度が所定値以上の場合に、所定の被写体を検出中と判定する。判定部154は、所定の被写体を検出中と判定すると(判定がYESの場合)、S59に処理を移し、所定の被写体を検出中ではないと判定すると(判定がNOの場合)、S52に処理を移す。
【0047】
続いて、判定部154は、注目画像領域のサイズが、所定サイズよりも大きいか否かを判定する(S52)。判定部154は、所定サイズよりも大きいと判定すると(判定がYESの場合)、本フローチャートに係る処理を終了し、所定サイズ以下と判定すると(判定がNOの場合)、S53に処理を移す。この判定を行うことで、判定部154は、注目画像領域のサイズが大きい場合に、当該注目画像領域に含まれる被写体が所定の被写体ではなく、車両等であると判定することができる。
【0048】
続いて、判定部154は、最新の合成画像に含まれている注目画像領域に対応する注目画像領域が、所定期間内に検出部152により所定回数以上検出されたか否かを判定することにより、最新の合成画像に含まれている注目画像領域に含まれている被写体の生存時間が第1閾値より大きいか否かを判定する(S53)。具体的には、判定部154は、最新の合成画像及び所定期間内に生成された複数の合成画像に基づいて、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と類似する注目画像領域が連続して所定回数以上検出されたか否かを判定する。
【0049】
ここで、生存時間とは、同一の被写体が連続した複数の合成画像に含まれていた時間である。また、注目画像領域が連続して所定回数以上検出されることは、注目画像領域に含まれている被写体の生存時間が第1閾値を超えていることを示している。判定部154は、被写体の生存時間が第1閾値より大きいと判定した場合(判定がYESの場合)、S59に処理を移し、被写体の生存時間が第1閾値以下と判定した場合(判定がNOの場合)、S54に処理を移す。
【0050】
続いて、判定部154は、最新の合成画像に含まれている注目画像領域の移動距離を算出し、当該注目画像領域の移動距離が第2閾値(所定の距離)より大きいか否かを判定する(S54)。具体的には、判定部154は、所定期間内に生成された複数の合成画像において、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と類似する注目画像領域を、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と同一の注目画像領域とみなす。そして、判定部154は、複数の合成画像において、連続する2つの合成画像に含まれる注目画像領域の移動量を算出し、算出した複数の移動量を合計することにより、注目画像領域の移動距離を算出する。
【0051】
判定部154は、移動距離が第2閾値より大きい場合(判定がYESの場合)、S55に処理を移し、移動距離が第2閾値以下である場合(判定がNOの場合)、対象物判定処理を終了する。これにより、判定部154は、注目画像領域の移動距離が所定の距離より小さい場合に、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域ではないと判定する。このようにすることで、判定部154は、注目画像領域が示す被写体が静止物等である場合に、所定の被写体ではないと判定することができる。
【0052】
続いて、判定部154は、最新の合成画像に含まれている注目画像領域の移動範囲が第3閾値(所定の範囲)より大きいか否かを判定する(S55)。具体的には、判定部154は、S54における処理と同様に、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と類似する注目画像領域を、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と同一の注目画像領域とみなす。そして、判定部154は、複数の合成画像に含まれる注目画像領域の位置に基づいて、注目画像領域の移動範囲を算出する。
【0053】
判定部154は、移動範囲が第3閾値より大きい場合(判定がYESの場合)、S56に処理を移し、移動範囲が第3閾値以下である場合(判定がNOの場合)、対象物判定処理を終了する。これにより、判定部154は、注目画像領域の移動範囲が所定の範囲より小さい場合に、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域ではないと判定する。このようにすることで、判定部154は、注目画像領域が示す被写体が、風等によって形が随時変化している静止物である場合に、所定の被写体ではないと判定することができる。なお、判定部154は、複数の合成画像における注目画像領域の中心位置の分散を算出し、当該分散に基づいて、注目画像の領域が所定の範囲より大きいか否かについて判定してもよい。
【0054】
続いて、判定部154は、最新の合成画像に含まれている注目画像領域の移動速度が第4閾値(所定の速度)より小さいか否かを判定する(S56)。具体的には、判定部154は、S54における処理と同様に、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と類似する注目画像領域を、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と同一の注目画像領域とみなす。そして、判定部154は、複数の合成画像に含まれる注目画像領域の位置と、これらの合成画像が生成された時間差に基づいて、注目画像領域の移動速度を算出する。
【0055】
判定部154は、移動速度が第4閾値より小さい場合(判定がYESの場合)、S57に処理を移し、移動速度が第4閾値以上である場合(判定がNOの場合)、対象物判定処理を終了する。これにより、判定部154は、注目画像領域の移動速度が所定の速度より大きい場合に、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域ではないと判定する。このようにすることで、判定部154は、注目画像領域が示す被写体が、バイク等の高速で移動する小型の移動体である場合に、所定の被写体ではないと判定することができる。
【0056】
続いて、判定部154は、注目画像領域の移動方向が所定方向と一致しているか否かを判定する(S57)。具体的には、判定部154は、S54における処理と同様に、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と類似する注目画像領域を、最新の合成画像に含まれている注目画像領域と同一の注目画像領域とみなす。そして、判定部154は、複数の合成画像に含まれる注目画像領域の位置に基づいて、注目画像領域の移動方向を算出する。
【0057】
判定部154は、移動方向が所定方向と一致している場合(判定がYESの場合)、S58に処理を移し、移動方向が所定方向と一致していない場合(判定がNOの場合)、対象物判定処理を終了する。これにより、判定部154は、注目画像領域の移動方向が所定方向と異なる場合に、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域ではないと判定する。このようにすることで、判定部154は、注目画像領域が示す被写体が、例えば、トンネルから出ようとしている人である場合に、当該被写体を所定の被写体から除外することができる。
【0058】
続いて、判定部154は、算出部153が算出したそれぞれの画素の演算値に基づいて、所定の被写体の有無を判定する。具体的には、判定部154は、それぞれの画素のうち、演算値が閾値よりも大きい画素の数に基づいて、所定の被写体の有無を判定する。より具体的には、判定部154は、距離画像の所定領域の画素数に対する、演算値が所定の範囲内の画素の数の割合を示す含有率を算出し、当該含有率に基づいて所定の被写体の有無を判定する。
【0059】
図10は、算出部153が算出した演算値に基づいて生成された画像の例を示す図である。
図10(A)は、被写体が自動車である場合の画像であり、
図10(B)は、被写体が歩行者である場合の画像である。被写体が自動車である場合、高速で走行することから、所定領域Aにおける演算値が大きい領域の含有率が高くなる。これに対して、被写体が歩行者である場合、歩行速度が自動車に比べて遅いことから、所定領域Aにおける演算値が大きい領域の含有率が低くなる。
【0060】
図9に示す例においては、判定部154は、含有率が第5閾値より小さいか否かを判定する(S58)。判定部154は、含有率が第5閾値より小さい場合(判定がYESの場合)、S59に処理を写し、含有率が第5閾値以上の場合、対象物判定処理を終了する。
【0061】
続いて、判定部154は、S51、S52又はS58における判定がYESの場合、注目画像領域が示す被写体が所定の被写体であると判定する(S59)。判定部154は、多段階の判定を行うことによって、所定の被写体を精度よく検出することができる。
【0062】
[本実施形態における効果]
以上のとおり、本実施形態に係る撮像装置100は、第1撮像画像に含まれる背景画像と異なる第1画像領域と、第2撮像画像に含まれる背景画像と異なる第2画像領域とを含む注目画像領域を検出し、所定期間内に撮像された所定数以上の撮像画像から検出された複数の注目画像領域の位置に基づいて、注目画像領域が所定の被写体を含む画像領域であると判定する。このようにすることで、トンネル内部等の照明が十分に明るくない場所においても、被写体を正確に把握し、当該被写体を含む注目画像領域に基づいて、精度よく所定の被写体を検出することができる。
【0063】
また、撮像装置100は、距離画像から生成された合成画像に基づいて注目画像領域を検出するので、トンネル内部等のように照明の明るさが被写体の位置によって変化し、撮像画像における被写体の色が変化する場合であっても、複数の合成画像から、当該被写体を同一の被写体として検出することができる。
【0064】
また、撮像装置100は、複数の距離画像に基づいて算出した演算値を用いて所定の被写体の有無を算出することから、一の距離画像における被写体の検出精度が低い場合であっても、精度よく所定の被写体を検出することができる。
【0065】
また、撮像装置100は、注目画像領域のサイズがフレームごとに変化し、注目画像領域に基づく所定の被写体の検出精度が低下した場合であっても、距離画像の所定領域の画素数に対する、演算値が所定の範囲内の画素の数の割合を示す含有率に基づいて所定の被写体の有無を判定することにより、高い検出精度を維持することができる。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0067】
例えば、上記の実施形態に係る撮像装置100は、複数の撮像部110における視差を用いて距離画像を生成したが、撮像装置100は、単一の撮像部110を用いて撮影された複数の撮像画像に写った物体の位置及び形状に基づいて距離画像を生成してもよい。