(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405185
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】タービン系の2次空気流を低減するシール部品
(51)【国際特許分類】
F01D 11/10 20060101AFI20181004BHJP
F01D 11/08 20060101ALI20181004BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20181004BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
F01D11/10
F01D11/08
F02C7/28 B
F02C7/18 E
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-214105(P2014-214105)
(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-86870(P2015-86870A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2017年10月18日
(31)【優先権主張番号】14/064,461
(32)【優先日】2013年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・デンヴァー・ポッター
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・チャールズ・リオッタ
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−189976(JP,A)
【文献】
特開昭61−038102(JP,A)
【文献】
特表平08−503758(JP,A)
【文献】
特開2010−190215(JP,A)
【文献】
米国特許第4884950(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 11/08
F01D 11/10
F02C 7/18
F02C 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロータディスク(34)の第1のランド部(68)と、前記第1のロータディスク(34)に動作可能に結合された第1のタービンバケット(38)の第1のプラットフォーム(42)との間に配置されるように構成され、前記第1のランド部(68)と、前記第1のプラットフォーム(42)とによって径方向に保持されている第1の端部セグメント(62)と、
第2のロータディスク(36)の第2のランド部(74)と、前記第2のロータディスク(36)に動作可能に結合された第2のタービンバケット(40)の第2のプラットフォーム(44)との間に配置されるように構成され、前記第2のランド部(74)と、前記第2のプラットフォーム(44)とによって径方向に保持されている第2の端部セグメント(64)と、
前記第1の端部セグメント(62)から、前記第2の端部セグメント(64)へ軸方向に延びている本体部(52)とを備える、
タービン系の2次空気流を低減するシール部品(32)。
【請求項2】
前記本体部(52)が、比較的平らな部分(54)と、アーチ形部分(56)と、前記比較的平らな部分(54)および前記アーチ形部分(56)を接続する複数の結合セグメント(58)とを含む、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項3】
前記複数の結合セグメント(58)が、少なくとも1つの中空部分(60)を画定する、請求項2に記載のシール部品(32)。
【請求項4】
前記シール部品(32)が、流路(50)のガス温度に耐えるように構成された高温材料を含む、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項5】
前記シール部品(32)が、タービン軸線の一部の周りに延びている円周セグメントである、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項6】
前記第1の端部セグメント(62)が、前記第1のランド部(68)に隣接するように構成された第1の端部(70)と、前記第1のタービンバケット(38)の第1のプラットフォーム(42)に隣接するように構成された第2の端部(72)とを含み、前記第2の端部セグメント(64)が、前記第2のランド部(74)に隣接するように構成された第3の端部(76)と、前記第2のタービンバケット(40)の第2のプラットフォーム(44)に隣接するように構成された第4の端部(78)とを含む、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項7】
前記シール部品(32)が、隣接したタービンバケットの段同士の間に延びている領域をシールするように構成される、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項8】
前記第1のランド部(68)および前記第2のランド部(74)の少なくとも1つが、前記シール部品(32)から延びているフックを受けるように構成された受け部を含む、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項9】
前記シール部品(32)が、能動的に冷却される構造である、請求項1に記載のシール部品(32)。
【請求項10】
圧縮機部(12)と、
燃焼器部(14)と、
第1のロータディスク(34)に取り付けられた第1のタービンバケット(38)と、第2のロータディスク(36)に取り付けられた第2のタービンバケット(40)と、軸方向に前記第1のロータディスク(34)、および前記第2のロータディスク(36)の間に配置された固定のタービンノズルとを有するタービン部(16)と、
前記第1のロータディスク(34)と、前記第2のロータディスク(36)との間に、軸方向に延びているシール部品(32)とを備え、前記シール部品(32)が、
前記第1のロータディスク(34)の、軸方向に延びている第1のランド部(68)、および前記第1のタービンバケット(38)の第1のプラットフォーム(42)の間に配置され、前記第1のランド部(68)、および前記第1のプラットフォーム(42)と接触している、第1の端部セグメント(62)と、
前記第2のロータディスク(36)の、軸方向に延びている第2のランド部(74)、および前記第2のタービンバケット(40)の第2のプラットフォーム(44)の間に配置され、前記第2のランド部(74)、および前記第2のプラットフォーム(44)と接触している、第2の端部セグメント(64)と、
前記第1の端部セグメント(62)と、前記第2の端部セグメント(64)との間に延びている本体部(52)とを備える、
ガスタービンエンジン(10)。
【請求項11】
前記本体部(52)が、比較的平らな部分(54)と、アーチ形部分(56)と、前記比較的平らな部分(54)および前記アーチ形部分(56)を接続する複数の結合セグメント(58)とを含む、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項12】
前記複数の結合セグメント(58)が、少なくとも1つの中空部分(60)を画定する、請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項13】
前記シール部品(32)が、流路(50)のガス温度に耐えるように構成された高温材料を含む、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項14】
前記シール部品(32)が、タービン軸線の一部の周りに延びた円周セグメントである、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項15】
前記第1の端部セグメント(62)が、前記軸方向に延びている第1のランド部(68)に隣接するように構成された第1の端部(70)と、前記第1のタービンバケット(38)の前記第1のプラットフォーム(42)に隣接するように構成された第2の端部(72)とを含み、前記第2の端部セグメント(64)が、前記軸方向に延びている第2のランド部(74)に隣接するように構成された第3の端部(76)と、前記第2のタービンバケット(40)の前記第2のプラットフォーム(44)に隣接するように構成された第4の端部(78)とを含む、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項16】
前記シール部品(32)が、隣接したタービンバケットの段同士の間に延びている領域をシールするように構成される、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項17】
前記軸方向に延びている第1のランド部(68)、および前記軸方向に延びている第2のランド部(74)の少なくとも1つが、前記シール部品(32)から延びているフックを受けるように構成された受け部を有する、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項18】
前記第1の端部セグメント(62)に接触している、前記第1のロータディスク(34)の後面と、
前記第2の端部セグメント(64)に接触している、前記第2のロータディスク(36)の前面とをさらに備え、
前記後面および前記前面が、前記シール部品(32)を軸方向に保持する、
請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項19】
前記シール部品(32)が、能動的に冷却される構造である、請求項10に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項20】
シール部品(32)の第1の端部セグメント(62)を、第1のロータディスク(34)の、軸方向に延びている第1のランド部(68)に配置するステップ(102)と、
前記シール部品(32)の第2の端部セグメント(64)を、第2のロータディスク(36)の、軸方向に延びている第2のランド部(74)に配置するステップ(104)と、
前記軸方向に延びている第1のランド部(68)と、前記第1のプラットフォーム(42)との間で、前記第1の端部セグメント(62)を径方向に保持するように、第1のタービンバケット(38)の第1のプラットフォーム(42)を、前記第1の端部セグメント(62)に配置するステップ(106)と、
前記軸方向に延びている第2のランド部(74)と、前記第2のプラットフォーム(44)との間で、前記第2の端部セグメント(64)を径方向に保持するように、第2のタービンバケット(40)の第2のプラットフォーム(44)を、前記第2の端部セグメント(64)に配置するステップ(108)とを含む、
ガスタービンエンジン(10)の流路(50)をシールする方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された主題は、タービン系に関し、さらに詳細には、タービン系の2次空気流を低減するシール部品に関する。
【背景技術】
【0002】
タービンの部品は、通常、高温ガスに直接曝されているため、耐用寿命を満たすために、冷却を必要とする。例えば、圧縮機吐出空気の一部は、タービンのロータの部品を冷却するために、燃焼プロセスから逸らされている。タービンのバケット、ブレード、およびベーンは、通常、その内部に内部冷却溝を有し、運転中は、冷却用の圧縮機吐出空気、その他の冷却ガスを受ける。さらに、バケットを支持するタービンのロータディスクも著しい熱負荷を受けるため、寿命を延ばすために、冷却されることを必要としている。
【0003】
タービンの主流路は、燃焼ガスがタービンを貫流するときに、流路が制限されるように設計されている。運転中に内部に高温の燃焼ガスが取り込まれるのを防ぐために、タービンロータの構造部品には、主ガス流とは独立した冷却空気が供給されなければならない。また、タービンロータの構造部品は、高温流路のガスへの直接的暴露から遮断される必要がある。このような制限は、タービンロータ構造の内部に高温の空気またはガスが取り込みまれることや逆流を防止するために、回転するタービンバケット同士の間に配置されたロータリーシールによって達成される。このようなロータリーシールは、ロータ構造、ロータ、ロータディスクといった内部部品を完全に保護するには不十分であるため、ロータキャビティに入り、ロータキャビティを通る冷却空気のパージ流をさらに用いなければならない。内部部品を保護するための、このような付加的な手段によって、コストと複雑性が増加し、ガスタービンの性能の妨げとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第8,348,603号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、タービン系の2次空気流を低減するためのシール部品は、第1のロータディスクの第1のランド部と、第1のロータディスクに動作可能に結合された第1のタービンバケットの第1のプラットフォームとの間に配置されるように構成され、第1のランド部と、第1のプラットフォームとによって径方向に保持されている第1の端部セグメントを含む。また、第2のロータディスクの第2のランド部と、第2のロータディスクに動作可能に結合された第2のタービンバケットの第2のプラットフォームとの間に配置されるように構成され、第2のランド部と、第2のプラットフォームとによって径方向に保持されている第2の端部セグメントを含む。さらに、第1の端部セグメントから、第2の端部セグメントへ軸方向に延びている本体部を含む。
【0006】
本発明の別の態様によれば、ガスタービンエンジンは、圧縮機部と、燃焼器部とを備える。また、第1のロータディスクに取り付けられた第1のタービンバケットと、第2のロータディスクに取り付けられた第2のタービンバケットと、軸方向に第1のロータディスク、および第2のロータディスクの間に配置された固定のタービンノズルとを有するタービン部を備える。さらに、第1のロータディスクと、第2のロータディスクとの間に軸方向に延びている、シール部品を備える。シール部品は、第1のロータディスクの、軸方向に延びている第1のランド部と、第1のタービンバケットの第1のプラットフォームとの間に配置され、第1のランド部、および第1のプラットフォームと接触している、第1の端部セグメントを含む。また、シール部品は、第2のロータディスクの、軸方向に延びている第2のランド部と、第2のタービンバケットの第2のプラットフォームとの間に配置され、第2のランド部と第2のプラットフォームと接触している、第2の端部セグメントを含む。シール部品は、第1の端部セグメントと、第2の端部セグメントとの間に延びている本体部をさらに含む。
【0007】
本発明のさらに別の態様によれば、ガスタービンエンジンの流路をシールする方法が提供される。本方法は、シール部品の第1の端部セグメントを、第1のロータディスクの、軸方向に延びている第1のランド部に配置するステップを含む。また、本方法は、シール部品の第2の端部セグメントを、第2のロータディスクの、軸方向に延びている第2のランド部に配置するステップを含む。本方法は、軸方向に延びている第1のランド部と第1のプラットフォームとの間で、第1の端部セグメントを径方向に保持するように、第1のタービンバケットの第1のプラットフォームを、第1の端部セグメントに配置するステップをさらに含む。また、本方法は、軸方向に延びる第2のランド部と第2のプラットフォームとの間で、第2の端部セグメントを径方向に保持するように、第2のタービンバケットの第2のプラットフォームを、第2の端部セグメントに配置するステップをさらに含む。
【0008】
上記およびその他の利点および特徴は、以下の説明を図面と併せて参照することによって、より明らかになるであろう。
【0009】
本発明とみなされる主題は、本明細書の最後の特許請求の範囲で特定され、明白に特許請求される。前述の、および本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することによって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】シール部品を含む、ガスタービンエンジンの一部の側面図である。
【
図3】ガスタービンエンジンの流路をシールする方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明を実施するための形態では、本発明の実施形態を、利点と特徴と共に、図面を参照しながら、例示として説明する。
【0012】
図1を参照すると、例えばガスタービンエンジン等のタービン系が概略的に示され、全体として符号10で参照される。ガスタービンエンジン10は、圧縮機部12、燃焼器部14、タービン部16、ロータ18、および燃料ノズル20を含む。ガスタービンエンジン10の1つの実施形態は、複数の圧縮機部12、複数の燃焼器部14、複数のタービン部16、複数のロータ18、および複数の燃料ノズル20を含み得ることが、理解されるべきである。圧縮機部12とタービン部16は、ロータ18によって結合される。
【0013】
燃焼器部14は、ガスタービンエンジン10を作動させるために、天然ガスまたは水素リッチ合成ガス等の、可燃性の液体および/または気体燃料を使用する。例えば、燃料ノズル20は、空気源および燃料源22と流体連通している。燃料ノズル20が、混合気を生成して、燃焼器部14の中に混合気を吐出して燃焼させることによって、高温の加圧排気ガスが生成される。燃焼器部14は、高温の加圧ガスを、尾筒を通してタービンノズル(すなわち「第1段ノズル」)と、他の段のバケットおよびノズルに導入し、タービン部16のアウターケーシング24内にあるタービンブレードを回転させる。
【0014】
図2を参照すると、タービン部16の一部が、さらに詳細に示されている。タービン部16は、段間に位置するノズル段26と、第1のタービン段28および第2のタービン段30等の、タービン段とを交互に含む。シール部品32は、第1のタービン段28と、第2のタービン段30の間に配置されている。本明細書で説明される実施形態は、ガスタービンエンジン10のタービン部16に関して説明されているが、本実施形態は、ガスタービンエンジン10の圧縮機部12と併せて使用され得る。
【0015】
第1のタービン段28および第2のタービン段30は、それぞれ、ロータシャフト(図示せず)に取り付けられた、複数のロータディスクのそれぞれを含む。この複数のロータディスクは、このロータシャフトによって、中心軸線を中心に回転する。具体的には、第1のタービン段28は第1のロータディスク34を含み、第2のタービン段30は、第2のロータディスク36を含む。複数のブレードまたはバケットが、各ロータディスクの外周に、取り外し可能に取り付けられる。例示のために、各段の各タービンバケットを図示する。具体的には、第1のタービンバケット38は第1のロータディスク34に取り付けられ、第2のタービンバケット40は第2のロータディスク36に取り付けられる。バケットは、軸方向に延びるダブテール接続等の、任意適当な機構によって取り付けられる。一実施形態において、複数のバケットの各々は、対応するロータディスクに取り付けるように構成された、バケットプラットフォームを含む。例示した実施形態において、第1のタービンバケット38は、第1のプラットフォーム42を含み、第2のタービンバケット40は、第2のプラットフォーム44を含む。本明細書で使用される場合、「軸方向」とは、中心軸線と平行な方向であり、「径方向」とは、中心軸線から延びて、中心軸線に垂直な方向である。「外側」の位置という用語は、径方向において、中心軸線から、「内側」の位置よりさらに離れた位置を指す。
【0016】
ノズル段26は、タービン部16のアウターケーシング24にそれぞれ動作可能に結合された、複数のノズルベーン46を含み、径方向に中心軸線に近づく方向に延びている。このアウターケーシング24は、例えば、タービンシェルや、タービンシェルに取り付けられた、外側支持リングである。一実施形態において、複数のノズルベーン46はそれぞれ、外側支持リングの直径より小さい直径を有する内側支持リング内側支持リングに取り付けられている。
【0017】
加熱されたガスまたは空気が、バケットおよびノズル段によって画定される流路50から離れて、タービン部16内部へ漏れることを抑制するために、シール部品32が含まれる。シール部品32は、回転するロータディスクに対して固定された位置に配置され、したがって、ロータディスクと共に回転する。以下で詳細に述べるように、シール部品32は、シール部品32と、第1のタービンバケット38および第2のタービンバケット40等の複数のバケットとの間に、シール接続を生じさせる。
【0018】
シール部品32は、通常は、単一で、タイドアーチ橋に似た形状の一様な構造であり、ガスタービンエンジン10の運転に伴う遠心力に対処するように構成される。具体的には、シール部品32は、比較的平らな部分54と、アーチ形部分56と、比較的平らな部分54およびアーチ形部分56接続する複数の結合セグメント58から形成される、本体部52とを含む。複数の結合セグメント58は、少なくとも1つ、ただし、通常は複数の、中空部分60を形成する。複数の中空部分60は、シール部品32の全体的な重量および材料費を低減する。
【0019】
本体部52が、第1の端部セグメント62、および第2の端部セグメント64から軸方向に延びるように、第1の端部セグメント62と第2の端部セグメント64は、シール部品32のそれぞれの軸端に配置されている。第1の端部セグメント62は、第1のタービンバケット38と、第1のロータディスク34の第1のランド部68との間に配置される。図示されているように、第1のランド部68は、軸方向に、後方に延びている。具体的には、第1の端部セグメント62は、第1のタービンバケット38、および第1のランド部68それぞれの一部で「挟まれて」いることによって、径方向に保持されている。例示された実施形態において、第1の端部セグメント62は、第1のランド部68と径方向外側の面で接触している第1の端部70と、第1のプラットフォーム42と径方向内側の面で接触している第2の端部72とを含む。同様に、第2の端部セグメント64は、第2のタービンバケット40、および第2のロータディスク36の第2のランド部74それぞれの一部で「挟まれて」いることによって、径方向に保持されている。第2のランド部74は、軸方向に前方に延びている。第2の端部セグメント64は、第2のランド部74と径方向外側の面で接触している第3の端部76と、第2のプラットフォーム44と径方向内側の面で接触している第4の端部78とを含む。
【0020】
シール部品32は、図示されている通り、第1のタービン段28と第2のタービン段30との間に見られるように、隣接したタービンバケット段同士の間に延びて、隣接した段同士の間に延びる領域をシールする。それぞれの段が、互いに嵌め合いの関係にあることによって、シール部品32が、軸方向に保持されている。一実施形態においては、フックの配置によって、さらなる軸方向保持が得られる。このような実施形態では、第1の端部セグメント62および/または第2の端部セグメント64の一部が、第1のランド部68、第2のランド部74、第1のプラットフォーム42、および/または第2のプラットフォーム44の受け部と係合する。
【0021】
シール部品32は、例えば華氏1500度以上の昇温に耐え得る高温材料から、鋳造、または他の方法で製造される。このような材料の例には、流路の部品用に使用される合金等の、ニッケル基超合金が含まれる。その上で、またはそれに代えて、シール部品32を能動的に冷却してもよい。シール部品32の交換を容易にするために、シール部品32は、通常、ガスタービンエンジン10の回転軸線の一部の周りに延びる、円周セグメントとして形成される。
【0022】
また、
図3のフロー図に示され、
図1および
図2で参照されるように、ガスタービンエンジンの流路をシールする方法100も提供される。ガスタービンエンジン10およびシール部品32は、前述された、特定の構造の部品であり、ここでさらに詳細に説明する必要はない。ガスタービンエンジンの流路をシールする方法100は、第1のロータディスクの、軸方向に延びる第1のランド部に、シール部品の第1の端部セグメントを配置するステップ102を含む。また、本方法は、第2のロータディスクの、軸方向に延びる第2のランド部に、シール部品の第2の端部セグメントを配置するステップ104を含む。第1のタービンバケットの第1のプラットフォームは、軸方向に延びる第1のランド部と、第1のプラットフォームとの間で、第1の端部セグメントを径方向に保持するように、第1の端部セグメントに配置される(ステップ106)。第2のタービンバケットの第2のプラットフォームは、軸方向に延びる第2のランド部と、第2のプラットフォームとの間で、第2の端部セグメントを径方向に保持するように、第2の端部セグメントに配置される(ステップ108)。
【0023】
本明細書で説明される装置、システム、および方法は、代替システムを超える多くの利点を提供する。例えば、これらの装置、システム、および方法は、部品数を低減することによって、あるいは、冷却ガス流の必要性を低減、または、排除することによって、タービンの効率性および性能の向上という技術的効果をもたらす。例えば、シール部品32は、他のシール部品やシールアセンブリを支持するためにしばしば利用される、スペーサホイールを使用する必要性を低減する。さらに、タービンの内部キャビティへの空気流の漏れ防止により、必要とされる冷却流のレベルを低減するため、タービンの効率性が向上し、コストが低減される。
【0024】
本発明を限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明してきたが、本発明が、そのような開示した実施形態に限定されないことは、容易に理解されるべきである。むしろ、本発明は、前述されていないが本発明の原理および範囲に相応する、あらゆる変形、変更、置換、または同等の構成を組み合わせるように、修正することができる。さらに、本発明の様々な実施形態が説明されているが、本発明のある態様は、説明された実施形態の一部のみを含み得ることが理解されよう。したがって、本発明は、前述の説明によって制限されるものではなく、添付の請求の範囲によってのみ制限されるものである。
【符号の説明】
【0025】
10 ガスタービンエンジン
12 圧縮機部
14 燃焼器部
16 タービン部
18 ロータ
20 燃料ノズル
22 空気源および燃料源
24 アウターケーシング
26 ノズル段
28 第1のタービン段
30 第2のタービン段
32 シール部品
34 第1のロータディスク
36 第2のロータディスク
38 第1のタービンバケット
40 第2のタービンバケット
42 第1のプラットフォーム
44 第2のプラットフォーム
46 ノズルベーン
50 流路
52 本体部
54 比較的平らな部分
56 アーチ形部分
58 結合セグメント
60 中空部分
62 第1の端部セグメント
64 第2の端部セグメント
68 第1のランド部
70 第1の端部
72 第2の端部
74 第2のランド部
76 第3の端部
78 第4の端部
100 ガスタービンエンジンの流路をシールする方法