(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今は貸出単価の低下が顕著となっており、例えば貸出単価が1円や0.5円等の遊技場も珍しくない。そのため、そのような貸出単価が低い状況でワゴンサービスを提供する場合に、単価が高い商品の支払いを持玉の手渡しにより行おうとすると、手渡しする持玉の量が多くなり、担当者の作業負担が増大してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワゴンサービスの支払形態を適切に設定することにより、担当者の作業負担を軽減することが可能な遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、複数の遊技機それぞれに対し、遊技を実行するために必要な遊技媒体の単価として異なる遊技単価を設定可能な遊技単価設定手段と、遊技者に提供可能な複数の商品それぞれに対し、対価となる遊技媒体数を前記遊技単価別に設定可能な商品対価設定手段と、各遊技機に対応して設けられ、遊技者が複数の商品の中から所望の商品を選択して注文するための注文操作を行うことが可能な注文操作手段と、前記複数の商品それぞれに対し、遊技者への提供を禁止するための禁止フラグを前記遊技単価別に設定可能な禁止フラグ設定手段と、
各遊技機に対応して設けられ、遊技者が所有している遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、各遊技機に対応して設けられ、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数を特定するための情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数のうち遊技者が注文した商品に対して前記商品対価設定手段により設定された遊技媒体数を減算する減算手段と、を備え、前記注文操作手段は、前記禁止フラグ設定手段により禁止フラグが設定されている商品を、遊技者が注文可能な商品から除外する
ように構成され、前記記録媒体発行手段は、前記減算手段により減算された遊技媒体数を特定するための情報を前記記録媒体に記録して分割発行可能であり、前記禁止フラグ設定手段は、前記記録媒体発行手段が前記記録媒体を分割発行することにより商品の対価を支払う場合と、遊技者が所有している遊技媒体を手渡しすることにより商品の対価を支払う場合とで区別して前記禁止フラグを設定可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項
2に記載した発明は、各遊技機に対応して設けられ、遊技機から払い出された遊技媒体を受け入れて計数する計数手段を備え、前記遊技媒体数記憶手段は、前記計数手段により計数された遊技媒体数を遊技者所有の遊技媒体数として記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、遊技者への提供を禁止するための禁止フラグを遊技単価別に設定可能とし、禁止フラグが設定されている商品を、遊技者が注文可能な商品から除外するようにしたので、ワゴンサービスを実施する際に、担当者の作業負担を考慮した上で適当な商品に対して禁止フラグを設定することで、担当者の作業負担を軽減することができる。
【0010】
又、記録媒体を分割発行することにより商品の対価を支払う場合と、遊技者が所有している遊技媒体を手渡しすることにより商品の対価を支払う場合とで区別して禁止フラグを設定可能としたので、担当者の作業負担をより適切に軽減することができる。即ち、記録媒体を分割発行することにより商品の対価を支払う形態では、商品の対価となる遊技媒体数が大きくなっても担当者の作業負担は変わらないが、一方、遊技媒体を手渡しすることにより商品の対価を支払う形態では、商品の対価となる遊技媒体数に依存して担当者の作業負担が増減するので、両者で区別して禁止フラグを設定可能とすることで、両者の支払い形態が共存する運用でも担当者の作業負担をより適切に軽減することができる。
【0011】
請求項
2に記載した発明によれば、遊技者が遊技により獲得して計数手段にて計数した遊技媒体を商品の対価として用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出ユニット2、3が設置されている。これら遊技機1及び貸出ユニット2、3は、複数台ずつLAN4を介して中継端末5と接続されている。中継端末5は、LAN6を介して管理装置7(遊技単価設定手段、商品対価設定手段、禁止フラグ設定手段)と接続されている。管理装置7は、遊技機側(遊技機1、貸出ユニット2、3等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員遊技者毎の個人データ等を管理する。又、遊技場内には、島端計数機8、POS(景品交換端末)9及びワゴン端末10も設置されており、これら島端計数機8、POS9及びワゴン端末10もLAN6を介して管理装置7と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置7の管理対象となっている。
【0014】
遊技場内には、遊技媒体の貸出単価(玉単価、遊技単価)が異なる複数の遊技機島が形成されており、例えば貸出単価が4円の遊技機島(4円のコーナー)と1円の遊技機島(1円のコーナー)が形成されている。本実施形態では、貸出単価が1円のコーナーは、各遊技機1に対応して各台計数機能ありの貸出ユニット2が設置されており、各台計数島とされている。貸出単価が4円のコーナーは、各遊技機1に対応して各台計数機能なしの貸出ユニット3が設置されており、島端計数島とされている。即ち、貸出単価が1円のコーナーで遊技する遊技者は、遊技により獲得した玉(獲得玉)をその場で(島端計数機8まで出向かずに)計数することができる。一方、貸出単価が4円のコーナーで遊技する遊技者は、遊技により獲得した玉を玉箱に収納し、その玉箱を持って島端計数機8まで出向かなければ計数することができない。
【0015】
管理装置7は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード11、モニタ12、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置7は、遊技場内に設置された遊技機1、貸出ユニット2、3、島端計数機8、POS9等の稼動状況を管理すると共に、遊技機1側から受信する各種の信号に基づいて遊技者毎の入金残高や遊技価値等を記憶管理する。
【0016】
図2は、遊技機1の構成を概略的に示している。遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル1b、上部受皿1c、下部受皿1dを有し、盤面1aに、液晶表示部1e、始動口1f、大入賞口1gを有し、上部受皿1cに、貸出ボタン1h、返却ボタン1iを有する。遊技者が操作ハンドル1bを操作すると、玉(遊技媒体)が盤面1aに発射され、そのパチンコ玉が始動口1fに入賞すると、その入賞に応じた玉数のパチンコ玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部1eにおいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口1gを開放する。
【0017】
遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、遊技機1に投入された(盤面1aに打ち込まれて消費された)遊技媒体の数を示すアウト玉数(消費媒体数)を特定可能なアウト信号、遊技機1から入賞により払い出された遊技媒体の数を示すセーフ玉数(払出媒体数)を特定可能なセーフ信号、遊技機1で発生したスタート(大当たりの抽選の実行)を特定可能なスタート信号、遊技機1で発生した大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を送信する。
【0018】
図3は、各台計数機能ありの貸出ユニット2(注文操作手段、遊技媒体数記憶手段、記録媒体発行手段、減算手段、計数手段)の機能ブロック図を示している。貸出ユニット2は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部2a、管理装置7及び遊技機1との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部2b、紙幣投入口に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部2c、入金残高、持玉数及び貯玉数の情報や遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部2d、液晶表示部2dの画面上にて遊技者からの操作入力を受け付けるタッチパネル2e、カード挿入口に挿入された各種のカード(一般カード13、会員カード14、ワゴンカード15(記録媒体))に記憶されている各種の情報を読み取ったり書き込んだりするカードリーダライタ2f、最大10枚の一般カード13をストック可能なカードストック部2g、従業員が所持するワゴン用リモコン16から送信されたリモコン信号を受光するリモコン受光部2h、払出ボタン2i、払出ボタン2iが操作されたときに1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズルから払い出す払出部2j、遊技機1の下部受皿1dの下方に位置する着脱可能な計数受皿から流入する玉を計数する計数部2k等を有する。
【0019】
貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)一般カード13及び会員カード14の何れも挿入されていない状態で紙幣が投入されると、ストックしている一般カード13をカード繰出機構(図示せず)により繰り出し(セットし)、その投入された紙幣の金額(1000円単位)を入金残高として記憶すると共に、入金残高を表示する。
【0020】
(2)一般カード13が挿入されると(一般カード13を受け付けると)、その受け付けた一般カード13に記憶されている入金残高及び持玉数を読み取って表示する。一般カード13を受け付けたときは、その一般カード13に記憶されている入金残高及び持玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0021】
(3)会員カード14が挿入されると(会員カード14を受け付けると)、その受け付けた会員カード14に記憶されている入金残高を読み取って表示する。又、貸出ユニット2と管理装置7とが通信可能なオンライン状態では、会員カード14に対応する持玉数を管理装置7に問い合わせることで、会員カード14に対応する持玉数を管理装置7から受信して表示する。更に、貸出ユニット2と管理装置7とが通信可能なオンライン状態では、暗証番号の入力を条件とし、会員カード14に対応する貯玉数を管理装置7に問い合わせることで、会員カード14に対応する貯玉数を管理装置7から受信して表示する。会員カード14を受け付けたときは、その会員カード14に記憶されている入金残高、その会員カード14に対応して管理装置7が記憶している持玉数及び貯玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0022】
(4)遊技機1の貸出ボタン1hが操作されると、その貸出ボタン1fの操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す(貸出処理を行う)。この場合は、貸出単価が1円であるので、500玉を払い出す。このとき、遊技機1から貸出ユニット2に1度数分の玉の払い出しを示す信号が送信されるので、液晶表示部2dに表示されている入金残高から1度数(500円)を減額すると共に、貸し出した遊技媒体の数を示す貸出玉数(貸出媒体数)を特定可能な売上信号を送信する。
【0023】
(5)遊技機1の下部受皿1dから落下した玉が計数受皿で受けられると、その玉が計数部2kに流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部2dに表示する(計数処理を行う)。
(6)払出ボタン2iが操作されると、その払出ボタン2iの操作に応じて持玉数又は貯玉数(会員の場合)の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出す(払出処理を行う)。
(7)一般カード13を受け付けているときに、入金残高及び持玉数が「0」になると、その入金残高及び持玉数の両方が「0」になった一般カード13を回収する。会員カード14を受け付けているときに、入金残高、持玉数及び貯玉数が「0」になっても、その入金残高、持玉数及び貯玉数が「0」になった会員カード14を回収せずに保持する。
【0024】
(8)遊技機1の返却ボタン1iが操作されると、その返却ボタン1iの操作に応じて入金残高や持玉数を一般カード13又は会員カード14に記憶して発行する(返却処理を行う)。一般カード13を受け付けているときには、入金残高及び持玉数を記憶して発行する。一般カード13を発行すると、その発行した一般カード13を特定可能な一般カードID、記憶した入金残高や持玉数を特定可能な発行情報を管理装置7に送信する。会員カード14を受け付けているときには、入金残高を記憶し、暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置7に送信してから発行する。会員カード14を発行すると、その発行した会員カード14を特定可能な会員カードID、記憶した入金残高を特定可能な発行情報を管理装置7に送信する。尚、このように一般カード13又は会員カード14を発行したときには、計数玉数をゼロリセットする(初期化する)。
【0025】
(9)液晶表示部2dに対する操作入力に応じて対応する遊技機1又は指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示したりする。
(10)液晶表示部2dに表示している所定画面上でワゴンサービスボタン(図示せず)が操作されると、商品を注文する(注文操作を行う)ためのメニュー画面を表示し、メニュー画面上で所定の注文操作が行われると、注文内容(注文された品目、個数、対応する遊技機1の台番を特定可能な台番ID等)を特定可能な注文信号を送信する。
【0026】
(11)ワゴンカード15が挿入されている(ワゴンカード15を受け付けている)状態で、ワゴン用リモコン16から送信されたリモコン信号を受光すると、そのリモコン信号により特定される玉数を持玉数や貯玉数から減算し、その減算した玉数をワゴンカード15に記憶して発行する(分割発行する)。ワゴンカード15を発行すると、その発行したワゴンカード15を特定可能なワゴンカードID、記憶した玉数を特定可能な発行情報を管理装置7に送信する。
【0027】
図4は、各台計数機能なしの貸出ユニット3(注文操作手段、遊技媒体数記憶手段、記録媒体発行手段、減算手段)の機能ブロック図を示している。貸出ユニット3は、上記した各台計数機能ありの貸出ユニット2の計数部2kが省略された構成である。即ち、貸出ユニット3は、制御部3a、I/F部3b、紙幣処理部3c、液晶表示部3d、タッチパネル3e、カードリーダライタ3f、カードストック部3g、リモコン受光部3h、払出ボタン3i、払出部3j等を有する。貸出ユニット3は、貸出ユニット2と比較し、各台計数機能を有していない点、遊技機1の貸出ボタン1hが操作されたときに貸出単価が4円であるので125玉を払い出す点が異なるだけであり、他の機能(一般カード13や会員カード14を受け付ける機能、商品を注文するためのメニュー画面を表示する機能等)は貸出ユニット2と同等である。
【0028】
図5は、島端計数機8の機能ブロック図を示している。島端計数機8は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部8a、管理装置7との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部8b、液晶表示部8c、液晶表示部8cの画面上にて従業員からの操作入力を受け付けるタッチパネル8d、レシート17を発行するレシート発行部8e、投入口から流入する玉を計数する計数部8f等を有する。島端計数機8は、投入口から流入した玉を計数すると、その計数結果(計数値、発行時刻等)を記録したレシート17をレシート発行部8eから発行する。
【0029】
POS9は、遊技場内の景品交換カウンターに設置され、一般カード13、会員カード14又はワゴンカード15を受け付けると、その受け付けた一般カード13、会員カード14又はワゴンカード15に記憶されている持玉数や貯玉数を読み取って景品交換処理を行うと共に、レシート17を受け付けると、その受け付けたレシート17に記録されている計数値を読み取って景品交換処理を行う。ワゴン端末10は、遊技場内のワゴンサービスカウンターに設置され、貸出ユニット2、3から注文信号を受信すると、その受信した注文信号により特定した注文内容を表示する。ワゴンサービスの担当者は、注文内容を確認することで、その注文された商品を遊技者のところまで配達する。
【0030】
一般カード13は、不特定多数の遊技者が使用可能であり、当日限り有効なカードである。一般カード13に内蔵されているICチップ13aには一般カードIDが記憶されていると共に、入金残高や持玉数が記憶可能となっている。会員カード14は、会員となった(所定の会員登録手続きを行った)遊技者が使用可能であり、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードである。会員カード14に内蔵されているICチップ14aには会員カードIDが記憶されていると共に、入金残高が記憶可能となっている。会員カード14に対応する持玉数や貯玉数は管理装置7のみに記憶される。ワゴンカード15は、ワゴンサービスの担当者である従業員が所持してワゴンサービスを提供するときに使用するカードである。ワゴンカード15に内蔵されているICチップ15aにはワゴンカードIDが記憶されていると共に、従業員がワゴン用リモコン16により操作入力した玉数が記憶可能となっている。ワゴンサービスの担当者は、ワゴンカード15に記憶された玉数分の景品を交換することにより、ワゴンサービスで提供した商品の対価を得る仕組みになっている。
【0031】
管理装置7は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、遊技機1で発生した大当たりの回数を示す大当たり回数、遊技機1で実行されたゲームの回数を示すスタート回数、遊技機1が稼動している時間を示す稼動時間等)を管理して表示する遊技情報表示サービス、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄して当日又は後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービス等を行う。尚、管理装置7が管理する遊技データは例示したものに限定されない。
【0032】
さて、遊技場でワゴンサービスを実施する場合には、商品の対価を支払う方法として、持玉を直接手渡しする方法(手渡しによる支払い)と、持玉数を記録したワゴンカード15を発行して渡す方法(カード発行による支払い)とがある。手渡しによる支払いでは、遊技者からの注文を受けた担当者は、例えば上部受皿1cに貯まっている持玉が遊技者から手渡しされることで、商品の対価を受け取る。カード発行による支払いでは、遊技者からの注文を受けた担当者は、ワゴンカード15を貸出ユニット2、3のカード挿入口に挿入し(ワゴンカード15を受け付けさせ)、商品の対価となる玉数をワゴン用リモコン16にて操作入力してリモコン信号を送信させ、その操作入力した玉数が記憶されたワゴンカード15を発行させる(分割発行させる)ことで、商品の対価を受け取る。しかしながら、[発明が解決しようとする課題]で記載したように、貸出単価で低い状況で、単価が高い商品の支払いを持玉の手渡しにより行おうとすると、手渡しする持玉の量が多くなり、担当者の作業負担が増大してしまうという問題があった。この点を考慮し、管理装置7及び貸出ユニット2、3は以下に示す構成となっている。
【0033】
管理装置7は、従業員の操作入力により
図6に示す種別設定及び
図7に示すワゴン設定を設定可能であり、それぞれの設定情報を貸出ユニット2、3に送信する。
図7に示すワゴン設定において、「種別1玉」、「種別1カード」は、それぞれ「種別1」での手渡しによる支払い、カード発行による支払いを示し、「種別2玉」、「種別2カード」は、それぞれ「種別2」での手渡しによる支払い、カード発行による支払いを示す。
図6及び
図7の例示では、貸出単価を4円に設定した「種別1」では、ワゴンサービスで提供する商品の単価に拘らず対価の支払いを手渡しによる支払いとカード発行による支払いとの両方で許可するように設定している。一方、貸出単価を1円に設定した「種別2」では、ワゴンサービスで提供する商品のうち単価が相対的に低い商品(例えば500円以下の低単価商品であり、アイスコーヒー、アイスティー、100%オレンジ、おにぎり3個)については対価の支払いを手渡しによる支払いとカード発行による支払いとの両方で許可するように設定しているが、単価が相対的に高い商品(例えば500円を超える高単価商品であり、ホットドッグ、サンドイッチ)についてはカード発行による支払いは許可するが手渡しによる支払いは禁止する(遊技者への提供を禁止するための禁止フラグを設定する)ように設定している。
【0034】
貸出ユニット2、3は、それぞれ
図6に示した種別設定及び
図7に示したワゴン設定の設定情報を管理装置7から受信すると、その設定情報を設定し、液晶表示部2dに表示している所定画面上でワゴンサービスボタンが操作されると、その設定した設定情報にしたがってメニュー画面M1を表示する。
【0035】
具体的には、種別1(貸出単価が4円)の貸出ユニット2は、
図8に示すように、単価に拘らず全ての商品が手渡しによる支払いとカード発行による支払いとの両方で注文可能であることを示すメニュー画面M1を表示する。貸出単価が4円の遊技機1で遊技する遊技者は、メニュー画面M1を確認すると、何れかの「商品」ボタンA1〜A6をタッチし、「注文する」ボタンA8をタッチすることで、何れかの商品を注文可能となる。そして、貸出ユニット2は、注文信号を送信した後に、
図12に示すように、注文確定画面M2を表示する。遊技者は、注文確定画面M2を確認することで、注文が受け付けられたことを確認することができ、「確認」ボタンA9をタッチする。
【0036】
一方、種別2(貸出単価が1円)の貸出ユニット3は、
図9から
図11に示すように、低単価商品については手渡しによる支払いとカード発行による支払いとの両方で注文可能であるが、高単価商品についてはカード発行による支払いのみで注文可能である(手渡しによる支払いは不可である、遊技者が注文可能な商品から除外した)ことを示すメニュー画面M1を表示する。即ち、
図9に示すメニュー画面M1では、低単価商品については
図8に示したメニュー画面M1と同様にして注文可能であることを示す態様で「商品」ボタンA1〜A4を表示するが、高単価商品については現在の持玉数に応じて注文可能であるか否かを示す態様で「商品」ボタンA5、A6を表示する。
図9に示すように現在の持玉数が「0玉」であるときには、全ての高単価商品が注文不可能であることを示す態様(品目に×を付した態様)で表示し、
図10及び
図11に示すように現在の持玉数が高単価商品のうち何れかの単価を超えると、その現在の持玉数よりも少ない単価の商品が注文可能であることを示す態様で表示する。具体的には、現在の持玉数が増えて例えば「602玉」になると、単価が「600円」のホットドッグが注文可能となり、更に増えて例えば「705玉」になると、単価が「700円」のサンドイッチも注文可能となる。種別2の貸出ユニット3は、このように手渡しによる支払いの際に持玉の量が多くなる高単価商品については、現在の持玉数が商品の単価を超え、カード発行による支払いが可能になったことを条件とし、その商品の注文を可能とする。これにより、担当者は、貸出単価を1円に設定した「種別2」において高単価商品の手渡しによる支払いに応じる必要がなくなる。
【0037】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技者へのワゴンサービスの提供を禁止するか否かを貸出単価別に設定可能とし、ワゴンサービスの提供を禁止すると設定した商品を、遊技者が注文可能な商品から除外するようにしたので、ワゴンサービスを実施する際に、担当者の作業負担を考慮した上で適当な商品に対して禁止する旨を設定することで、担当者の作業負担を軽減することができる。
【0038】
又、手渡しによる支払いとカード発行による支払いとで区別した上で、ワゴンサービスの提供を禁止するか否かを貸出単価別に設定可能としたので、担当者の作業負担をより適切に軽減することができる。即ち、カード発行による支払いでは、商品の対価となる玉数が増えても担当者の作業負担は変わらないが、一方、手渡しによる支払いでは、商品の対価となる玉数に依存して担当者の作業負担が増減するので、手渡しによる支払いとカード発行による支払いとで区別することで、両者の支払い形態が共存する運用でも担当者の作業負担をより適切に軽減することができる。
【0039】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
本実施形態では、貸出単価が4円のコーナーが島端計数島とされ、貸出単価が1円のコーナーが各台計数島とされた場合を例示したが、逆にしても良い。又、同一種別の中に島端計数島と各台計数島とが設けられても良い。
本実施形態では、種別として4円パチンコと1円パチンコの2種類を例示したが、これに限定されない。又、貸出単価は遊技場が適宜設定することが可能であり、例えば0.5円、2円等が設定されても良い。又、遊技機1としてパチンコ機以外にメダルを用いるスロットマシンが設置されても良く、メダルの貸出単価として例えば20円、10円、5円等が設定されても良い。
【0040】
本実施形態では、ワゴンサービスを受ける際の注文機能を貸出ユニット2、3が有する構成を例示したが、注文機能を貸出ユニット2、3とは別の機器が有しても良い。又、注文機能を有する機器が遊技機1の側方に限らず上方に設置されても良い。
本実施形態では、貸出単価が1円の「種別2」について一部の商品(高単価商品のみ)の手渡しによる支払いを禁止したが、貸出単価が1円の「種別2」について全ての商品の手渡しによる支払いを禁止しても良い。又、遊技者が複数の商品を同時に注文する場合を考慮し、その合計金額に応じて手渡しによる支払いを禁止するか許可するかを設定しても良い。例えば貸出単価が1円であり、判定値を「500玉」とした場合に、単価が200円の「商品A」と単価が400円の「商品B」とを纏めて注文した場合には手渡しによる支払いを禁止する一方、単価が200円の「商品A」と単価が250円の「商品C」とを纏めて注文した場合には手渡しによる支払いを許可するようにしても良い。
【0041】
本実施形態では、カード発行による支払いを行う場合に、担当者がワゴンカード15を挿入することで、対価となる玉数をワゴンカード15に記憶して発行するようにしたが、カードストック部2g、3gにストックされているカードに記憶して発行するようにしても良い。又、記録媒体の形態はカードに限定されず、例えばコイン形状等どのような形態であっても良い。