(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の排煙窓の実施例について図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1および
図2は、本実施例の排煙窓の実施例1を示す図であり、
図1は概略横断面図、
図2は概略縦断面図である。
【0017】
本実施例1の排煙窓1は、矩形枠状の窓枠3と、この窓枠3に開閉可能に設けられる矩形状の障子5と、一端部が窓枠3に取り付けられ、他端部が障子5に取り付けられるガススプリング7とを主要部に備える。
【0018】
本実施例1の排煙窓1は、障子5の下端部が、窓枠3の下枠9にヒンジ11を介して回転可能に取り付けられ、障子5が室外側へ開放可能ないわゆる外倒し窓とされている。
【0019】
障子5は、ラッチ錠などの施錠装置(不図示)により通常閉じられた状態で、窓枠3に保持されている。そして、火災時の煙を外部へ放出する場合や、空気を入れ替える場合などに施錠装置が解錠されて障子5がガススプリング7の付勢力により自動的に制動された速度で開放される。
【0020】
窓枠3のうち、左右に離隔して配置される各縦枠13,13は、左右方向外側へ開口する断面略コ字形の第一縦枠15と、この第一縦枠15の左右方向内側に重ね合わされて固定される断面略L字形の第二縦枠17とを有する。
【0021】
第一縦枠15は、鉄筋などに連結されて壁に固定されたり、隣接する他の排煙窓1の第一縦枠15と連結されたりする。
【0022】
第二縦枠17は、第一縦枠15の中央片19に、重ね合わされて設けられる第一片23と、この第一片23の奥側(室内側)から幅方向(
図1において左右方向)内側へ延出する板状の第二片(延出片)25とを有する。
【0023】
第二縦枠17の第一片23は、第一縦枠15の中央片19の前後寸法より短く形成されており、中央片19の前後方向中央部に配置されている。
【0024】
第二片25は、その先端部から手前側(室外側)へ屈曲して延出しており、その延出先端部にはパッキン27が取り付けられている。
【0025】
障子5は、矩形枠状の障子枠31に、ガラス板33がはめ込まれて構成されている。
【0026】
障子枠31は、左右に離隔して上下に沿って設けられる縦框35,35と、この縦框35,35の上端部同士および下端部同士を連結する横框37,37とを有し、その中央部の開口部にガラス板33が設けられる。
なお、本実施例では、各縦框35は、二つの部材35a,35bが組み合わされて構成されている。
【0027】
障子5は、窓枠3にはめ込み可能とされる一方、その左右寸法は、各縦枠13の第二片25,25間より大きい寸法とされる。
また、障子5の前端部外周縁には、外方へ延出する板状の係止片41が設けられている。つまり、障子5の周囲四辺には、板状の係止片41が外方へ延出して設けられている。左右の係止片41の先端部には、パッキン43が取り付けられている。
【0028】
図1に示すように、障子5が閉じられた状態では、係止片41に取り付けられたパッキン43は、窓枠3の第一片23に当接し、障子5の後端部は、パッキン27に当接する。
つまり、障子5が閉じられた状態では、障子5は、パッキン27を介して第二縦枠17に当接している。
【0029】
本実施例では、窓枠3の第二縦枠17に遮蔽板47が設けられている。
遮蔽板47は、断面略L字形の板材とされる。遮蔽板47は、その一片47aが、第二縦枠17の第一片23に重ね合わされて固定され、他片47bが第二縦枠17の第二片25に重ね合わされて設けられている。遮蔽板47の他片47bは、ガススプリング7を覆うように設けられている。
【0030】
障子5が、閉じられた状態では、
図1に示すように、縦枠13と障子5との間、つまり、障子5の幅方向両側に、矩形状の空間Sが形成される。より具体的には、縦枠13の第二縦枠17と、障子5の縦框35および係止片41とに囲まれて空間Sが形成される。
そして、この空間Sにガススプリング7がそれぞれ配置され、本実施例の排煙窓1は、いわゆる隠蔽式の排煙窓である。
このように本実施例1では、ガススプリング7は、障子5が閉じられた状態において、縦枠13および縦框35により構成される空間S内に配置され、室内側から視認されないように窓枠3の第二片25により隠蔽されている。
【0031】
図3は、本実施例1の排煙窓のガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示しており、(c)は(a)のA−A断面図であり、チューブ51内を省略して示している。なお、
図3においては、ロッドは、チューブ内のガスの圧力に抗してチューブ内に押し込まれた短縮状態とされる。
【0032】
本実施例1におけるガススプリング7は、円筒状のチューブ51の先端部から進退可能に突出するロッド53を有するガススプリング本体55と、このガススプリング本体55の外周部に設けられるカバー(第一カバー)61とを主要部に備える。
【0033】
チューブ51の先端部には、ロッドガイド63が設けられており、このロッドガイド63を介してチューブ51に進退可能にロッド53が設けられている。
ロッドガイド63は、円筒状とされ、その基端部がチューブ51の先端部の開口部にはめ込まれて設けられている。
なお、本実施例では、ロッドガイド63はチューブ51と別体とされて、チューブ51の先端部に設けられているが、チューブ51の先端部にロッドガイドを一体に設ける構成としてもよい。すなわち、チューブ51の先端部をロッド53が進退可能にはめ込まれる筒状に形成してロッドガイド部としてもよい。
【0034】
ロッド53は、ロッドガイド63の内穴に通されて、ロッドガイド63を介してチューブ51に進退可能に設けられる一方、チューブ51内に充填されたガスおよび油の作用により、チューブ51に対して先端側へ制動された速度で突出するよう付勢されている。これにより、負荷がかかっていない状態では、ロッド53は伸長状態とされる。
また、ロッド53は、チューブ51内に入れられたオイルにより制動されている。さらに、ロッド53は、チューブ51に対して周方向に回転可能とされる。
【0035】
このガススプリング本体55は、従来公知の構造が採用されるので、詳細については省略する。
【0036】
チューブ51の基端部およびロッド53の先端部には、略L字形状のブラケット65,67がそれぞれ取り付けられている。
【0037】
具体的には、チューブ51の基端部に溶接などにより固着されるブラケット65は、
図3において、チューブ51の基端部に水平に固定される矩形板状の横片65aと、この横片65aの一端部から垂直に上方へ延出する縦片65bとにより構成されている。
また、ロッド53の先端部に溶接などにより固着されるブラケット67は、
図3において、ロッド53の先端部に水平に固定される矩形板状の横片67aと、この横片67aの一端部から垂直に下方へ延出する縦片67bとにより構成されている。各ブラケット65,67の縦片65b,67bには、それぞれ貫通穴65c,67cが形成されている。
【0038】
第一カバー61は、断熱材により形成されている。
本実施例では、第一カバー61は、セラミックファイバーにより形成されており、シート状とされ、チューブ51の外周部に巻かれる。
【0039】
すなわち、第一カバー61は、チューブ51の基端部(
図3において上端部)を残して、チューブ51のほぼ全体を覆うように巻着されて、チューブ51の外周部に円筒状に設けられる。本実施例では、第一カバー61は、チューブ51の外周面の全体または適宜の箇所において、接着剤または両面テープ69などにより固定される。
【0040】
また、第一カバー61は、チューブ51の先端部より先端側(
図3において下方)へ延出して設けられており、第一カバー61により、ロッドガイド63が覆われている。
本実施例では、第一カバー61の先端部は、チューブ51にロッド53が最も押し込まれた状態におけるロッド53の先端部の位置αの近傍に配置されている。
【0041】
図4は、
図1の排煙窓の一部を外側から見た図であり、ガススプリングの取付構造を示す概略図であり、具体的には、
図1の排煙窓の左側のガススプリングの取付構造を示す概略図である。
【0042】
ガススプリング7は、チューブ51に固定されたブラケット65の縦片65bが、障子5の障子枠31の縦框35に固定され、ロッド53に固定されたブラケット67の縦片67bが、窓枠3の縦枠13の第一片23に遮蔽板47の一片47aを介して固定されて設けられる。
図示例では、各ブラケット65,67は、金具73を介してそれぞれ障子5および窓枠3に固定されている。
【0043】
金具73は、矩形状の板片の中央部がコ字形に屈曲された形状とされる。
一方の金具73は、その上下端部が障子5の障子枠31の縦框35にネジ75で固定される。また、他方の金具73は、遮蔽板47の一片47aに重ね合わされて、その上下端部が遮蔽板47を介して、窓枠3の縦枠13の第一片23にネジ75で固定されている。
【0044】
そして、各ブラケット65,67の各縦片65b,67bの貫通穴65c,67cに、ボルト79の軸部が通され、このボルト79の軸部のネジ状の先端部が、金具73の上下方向中央部のネジ穴にねじ込まれる。ボルト79の軸部の基端部には、ネジが設けられておらず、ボルト79の軸部の基端部は、各縦片65b,67bの貫通穴65c,67cに位置する。このボルト79の軸部の基端部を枢支部として、各ブラケット65,67の各縦片65b,67bは、回動可能な状態で、金具73に保持される。
【0045】
このように、ガススプリング7が取り付けられた状態では、ガススプリング7と室内との間に遮蔽板47が介在する。
具体的には、ガススプリング7と縦枠13の第二片25との間に、遮蔽板47の矩形板状の他片47bが配置される。この遮蔽板47の上下寸法は、ガススプリング7の上下寸法に対応している。
【0046】
障子5が閉じられた状態では、ガススプリング7のロッド53がチューブ51に対して短縮した状態とされ、施錠装置が解除されることで、ロッド53が突出して障子5が開放される。
【0047】
本実施例1では、チューブ51の先端部は、断熱部材として機能する第一カバー61により覆われている。これにより、火災時に熱や炎によりチューブ51の先端部が膨張するなどの変形を防止することができ、ロッドガイド63との間に隙間が生じることがなく、チューブ51内のガスや油が漏れるおそれがない。また、本実施例1では、ロッド53の進退位置に関わらず、ロッドガイド63の周囲が、常に第一カバー61により覆われていることで、火災時に熱や炎によりロッドガイド63が変形したり焼失したりすることがなく、チューブ51内のガスや油が漏れるおそれがない。
【0048】
また、本実施例1では、窓枠3に断熱部材として機能する遮蔽板47が取り付けられていることで、火災時に熱や炎によりチューブ51が変形したり、チューブ51の先端部やチューブ51の先端部に設けられたロッドガイド63が変形したり焼失したりすることをより確実に防止することができる。
【0049】
本実施例1では、第一カバー61を構成する断熱材として、セラミックファイバーを用いたが、グラスウールなど他の断熱材を採用しても構わない。
【0050】
本実施例1では、遮蔽板47は、断面略L字形の板材とされたが、チューブ51の先端部およびロッドガイド63と室内との間に介在する構成であれば、その形状や構造は適宜変更可能である。また、この遮蔽板47を省略してもよい。なお、遮蔽板47が取り付けられる場合、本実施例1におけるカバーが設けられたガススプリング7を用いるのが好ましいが、カバーが設けられていない従来のガススプリングを用いても構わない。
【0051】
次に、本発明の排煙窓の他の実施例について説明する。
後述する実施例2乃至実施例7の排煙窓は、基本的には前記実施例1の排煙窓と同様の構成であるが、ガススプリング7のカバーの構成が前記実施例1の排煙窓と異なっている。そこで、実施例2乃至実施例7の排煙窓の説明においては、前記実施例1と異なる部分、つまりガススプリング7のカバーを中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【実施例2】
【0052】
本発明の排煙窓の実施例2について説明する。
【0053】
図5は、本発明の排煙窓の実施例2に用いられるガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0054】
本実施例2の排煙窓に用いられるガススプリング7は、カバーとして、第一カバー101と第二カバー103とを備える。すなわち、本実施例2におけるガススプリング7は、断熱用のカバーとして、さらに断熱効果を高めるために、チューブ51の外周部に第一カバー101が取り付けられ、さらに、この第一カバー101の外周部に第二カバー103が設けられる。
【0055】
本実施例2では、第一カバー101は、円筒状とされ、ステンレス鋼や鋼板あるいはアルミニウムなどの金属製とされる。
【0056】
第一カバー101は、チューブ51の外周部にはめ込まれて、テープ105などにより固定される。
具体的には、第一カバー101がチューブ51にはめ込まれた状態では、チューブ51の上端部51aが若干露出している。このチューブ51の上端部51aと第一カバー101の上端部とにまたがってテープ105が貼り付けられて、チューブ51に第一カバー101が取り付けられる。なお、第一カバー101を軸方向に長く形成して、チューブ51の上端部51aを露出させないようにしてもよい。この場合、第一カバー101は、チューブ51に接着剤などにより固定すればよい。
【0057】
第一カバー101は、チューブ51の先端部より先端側(
図5において下方)へ延出して設けられており、第一カバー101の先端部は、ロッドガイド63を覆うように設けられている。
【0058】
第二カバー103は、断熱材により形成されている。
本実施例2の第二カバー103は、セラミックファイバーにより形成されており、シート状とされ、第一カバー101の外周部に巻かれる。具体的には、第二カバー103は、第一カバー101を覆うように、第一カバー101の外周部に巻着されて円筒状に設けられる。第二カバー103は、第一カバー101の外周面に両面テープ107により固定される。第一カバー101と第二カバー103は、軸方向の寸法が略等しく設けられる。
【0059】
本実施例2におけるガススプリング7は、前記実施例1と同様に、その一端部が窓枠3に取り付けられ、他端部が障子5に取り付けられる。
本実施例2では、チューブ51の先端部およびロッドガイド63が、第一カバー101および第二カバー103により覆われていることで、火災時に変形したり焼失したりすることがより確実に防止される。
【0060】
本実施例2では、第二カバー103は、セラミックファイバーにより形成されたが、グラスウールなど他の断熱材を採用しても構わない。
【0061】
図6は、実施例2の排煙窓のガススプリング7の第一カバー101の変形例を示す分解斜視図である。
【0062】
前記実施例2の排煙窓1におけるガススプリング7の金属製の第一カバー101は、一つの円筒体とされ、チューブ51にはめ込まれてテープ105により固定されたが、
図6に示すように、第一カバー101を軸方向に沿う線で二分割可能な円筒体とし、チューブ51に径方向から被せるようにしてもよい。
つまり、第一カバー101を半円筒形状の一対のカバー構成材111,111により構成してもよい。一対のカバー構成材111,111は、チューブ51の外周部にはめ込まれて、その周方向端部同士がつき合わされるように設けられる。
各カバー構成材111は、両面テープや接着剤によりチューブ51の外周部に固定される。
【0063】
図7は、
図6の第一カバーの変形例を示す分解斜視図である。
図8は、
図5における第一カバーが、
図7に示される第一カバーに変更されたガススプリングを示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0064】
図6に示される各カバー構成材111を、
図7に示すように、有底の半円筒形状としてもよい。この場合、各カバー構成材111の底壁117には、
図7に示されるように、カバー構成材111の外周と同心円状に、半円形状の切欠き部119が形成される。
この一対のカバー構成材111,111が、チューブ51の外周部に取り付けられた状態では、
図8に示すように、各カバー構成材111の底壁117の切欠き部119によりロッド53が通される円形の穴が現出する。
【0065】
この有底のカバー構成材111,111により構成される第一カバー101が取り付けられたガススプリング7は、底壁117がロッドガイド63の下方位置に配置されることで、より確実に火災時におけるロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
【0066】
なお、前記実施例2では、第一カバー101が金属製とされ、第二カバー103が断熱材により形成されたが、第一カバー101を断熱材により形成し、第二カバー103を金属製としても構わない。この場合、図示しないが、断熱材により形成される第一カバー101を、接着剤や両面テープなどによりチューブ51の外周部に固定し、この第一カバー101の外周部に、金属製の第二カバー103を被せてテープなどにより固定すればよい。
【実施例3】
【0067】
次に、本発明の排煙窓の実施例3について説明する。
【0068】
図9は、本発明の排煙窓の実施例3に用いられるガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0069】
本実施例3の排煙窓に用いられるガススプリング7のカバー(第一カバー)121は、金属製とされ、円筒状に形成されている。本実施例3では、第一カバー121は、ステンレス鋼や鋼板あるいはアルミニウムなどの金属により形成されている。本実施例3における第一カバー121は、前記実施例1や前記実施例2における第一カバーより上下寸法が短く形成されており、チューブ51の先端部およびロッドガイド63を覆うように設けられている。
【0070】
チューブ51の先端部には、その外周部に周方向に沿って溝125が環状に形成されている。
【0071】
第一カバー121は、チューブ51に通されて、チューブ51の先端部に配置される。
この際、第一カバー121の先端部は、チューブ51より先端側へ延出して設けられ、ロッドガイド63を覆うように設けられる。そして、第一カバー121は、その側壁を絞って縮径させるように、径方向内側へ圧力がかけられて、側壁の一部がチューブ51の溝125に突入する。このようにして、第一カバー121は、チューブ51に離脱しないように固定される。
【0072】
次に、前記実施例3の排煙窓のガススプリング7の変形例について説明する。
【0073】
図10は、前記実施例3の排煙窓のガススプリングの変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0074】
本変形例のガススプリング7は、基本的には前記実施例3の排煙窓のガススプリング7と同様の構成である。そこで、以下においては、両者の異なる部分を中心に説明し、対応する箇所には同一符号を付して説明する。
【0075】
本変形例のガススプリング7は、カバーとして、第一カバー121と第二カバー127とを備える。すなわち、本変形例のガススプリング7は、前記実施例3における第一カバー121の外周部に第二カバー127が設けられた構成とされる。第二カバー127は、第一カバー121と軸方向の寸法が略同じとされる。
【0076】
第二カバー127は、断熱材により形成されている。本変形例では、第二カバー127は、セラミックファイバーにより形成されており、シート状とされ、第一カバー121に巻かれる。すなわち、第二カバー127は、第一カバー121の外周部に巻着されて円筒状に設けられる。第二カバー127は、第一カバー121の外周に接着剤や両面テープ129などにより固定される。
【0077】
本変形例では、第一カバー121および第二カバー127の両方によりチューブ51の先端部およびロッドガイド63が覆われている。
【0078】
本変形例では、第二カバー127は、セラミックファイバーにより形成されたが、グラスウールなど他の断熱材により形成されても構わない。
【0079】
なお、チューブ51への第一カバー121の固定方法は、上記のものに限定されるものではなく、チューブ51に環状の溝125を形成せずに、第一カバー121をチューブ51の外周面に接着剤などで固定してもよい。また、第一カバー121は金属製とされ、第二カバー127は断熱材により形成されたが、第一カバー121を断熱材により形成し、第二カバー127を金属製としてもよい。この場合、図示しないが、断熱材により形成される第一カバー121を、接着剤や両面テープなどによりチューブ51の外周部に固定し、この第一カバーの外周部に、金属製の第二カバー127を被せてテープなどにより固定すればよい。
【実施例4】
【0080】
次に、本発明の排煙窓の実施例4について説明する。
【0081】
図11は、本発明の排煙窓の実施例4のガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0082】
本実施例4の排煙窓に用いられるガススプリング7のカバー(第一カバー)131は、有底の円筒状とされる。第一カバー131の底壁133の中央部には、ロッド53が通される貫通穴135が上下に沿って形成されている。
【0083】
第一カバー131は、チューブ51の先端部の外周部に取り付けられ、ロッドガイド63を覆うように設けられる。
【0084】
第一カバー131の内周部には、上下に離隔して、径方向内側へ突出して、環状の凸部137が形成されている。この上下に形成された凸部137,137のうち、上側の凸部137は、チューブ51の溝125にはめ込まれている。
また、第一カバー131の外周部には、上下に離隔して、径方向内側へ凹んで、環状の凹溝139,139が形成されている。
この凸部137および凹溝139は、上下に対応した位置にそれぞれ形成されている。
【0085】
図12は、実施例4における第一カバーを示す分解図であり、(a)は平面図、(b)は概略縦断面図である。
【0086】
本実施例4では、第一カバー131は、軸方向に沿う線に沿って二分割可能な円筒体とされ、一対のカバー構成材143,143により構成されている。
【0087】
各カバー構成材143は、有底の半円筒形状とされる。
各カバー構成材143の底壁には、カバー構成材143の外周と同心円状に、前記貫通穴135を構成する半円形状の切欠き部135aが形成されている。
【0088】
また、各カバー構成材143の内周部には、径方向内側へ突出して、前記凸部137を構成する凸部構成部137aが上下に離隔して形成されている。
さらに、各カバー構成材143の外周部には、径方向内側へ凹んで、前記凹溝139を構成する凹溝構成部139aが上下に離隔して形成されている。
【0089】
一対のカバー構成材143,143は、チューブ51の先端部にはめ込まれて、ロッドガイド63を覆うように設けられる。この際、各カバー構成材143の上側の凸部構成部137aが、チューブ51の凹溝125にはめ込まれる。
【0090】
各カバー構成材143がチューブ51の外周部にはめ込まれた状態で、第一カバー131の上下各凹溝139にリング147がそれぞれはめ込まれて、一対のカバー構成材143,143がチューブ51に固定されて、チューブ51に二分割された第一カバー131が設けられる。
【0091】
リング147は、円環状体の部材の一部が切り欠かれた略C字形状とされ、弾性変形可能とされる。本実施例4では、リング147は、バネ用ステンレス鋼などにより形成されている。
【0092】
次に、前記実施例4の排煙窓に用いられるガススプリングの変形例について説明する。
【0093】
図13は、前記実施例4の排煙窓に用いられるガススプリングの変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
また、
図14は、
図13のガススプリングの第一カバーを示す分解図であり、(a)は平面図、(b)は概略縦断面図である。
【0094】
本変形例のガススプリング7は、基本的には前記実施例4のガススプリング7と同様の構成である。そこで、以下においては、両者の異なる部分を中心に説明し、対応する箇所には同一符号を付して説明する。
【0095】
本変形例のガススプリングは、実施例4における第一カバー131の底壁133に熱膨張性耐火材161が設けられた構成される。
【0096】
熱膨張性耐火材161は、円板形状に形成されており、その中央部には貫通穴163が形成されている。熱膨張性耐火材161は、第一カバー131の底壁133に載せ置かれて、その貫通穴163にロッド53が通されて設けられる。
【0097】
本変形例では、熱膨張性耐火材161は、半円形状の一対の熱膨張性耐火材構成材167,167により構成されている。
各熱膨張性耐火材構成材167には、その外周と同心円状に前記貫通穴163を構成する半円形状の切欠き部163aが形成されている。
各熱膨張性耐火材構成材167は、各カバー構成材143の底壁にそれぞれ載せ置かれて設けられる。
【0098】
この熱膨張性耐火材161には、たとえば積水化学工業株式会社製の「フィブロック」(登録商標)を用いることができる。
【0099】
本変形例では、火災時に熱により熱膨張性耐火材161が膨張して、第一カバー131内において、ロッドガイド63の周囲を埋めることになり、断熱効果を高める。
これにより、ロッドガイド63の焼失や変形をさらに確実に防止することができる。
【実施例5】
【0100】
次に、本発明の排煙窓の実施例5について説明する。
【0101】
図15は、本発明の排煙窓の実施例5に用いられるガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の概略横断面図である。
また、
図16は、
図15のガススプリングの第一カバーを示す分解図であり、(a)は概略縦断面図、(b)は平面図である。
【0102】
本実施例5の排煙窓に用いられるガススプリング7のカバー(第一カバー)171は、二分割可能な円筒形状とされる。
第一カバー171は、半円筒形状のカバー構成材173,175により構成される。
各カバー構成材173,175は、鋼板などにより形成されている。
【0103】
一方のカバー構成材173の湾曲方向両端部には、軸方向に離隔して3つの矩形状の爪部177が外方へ突出して形成されている。
また、カバー構成材173の軸方向中途部には、その側壁を絞って縮径させるようにして、径方向内側へ突出する凸部179が周方向に沿って形成されている。
【0104】
他方のカバー構成材175の湾曲方向両端部には、軸方向に離隔して3つの矩形状の穴183が形成されている。
【0105】
カバー構成材173,175は、チューブ51の外周部にはめ込まれて、各カバー構成材173,175の湾曲方向両端部同士が重ね合わされ、一方のカバー構成材173の爪部177が、他方のカバー構成材175の穴183にはめ込まれて、チューブ51の外周部に取り付けられる。また、一方のカバー構成材173の凸部179がチューブ51の溝125に突入する。
【0106】
本実施例5においても第一カバー171は、チューブ51の先端部から先端側へ突出しており、チューブ51の先端部およびロッドガイド63を覆うように設けられている。
【0107】
なお、カバー構成材173,175は、爪部177や凸部179および穴183などを設けることなく、それ自体の弾性を利用してチューブ51に挟着保持させるようにしてもよい。また、カバー構成材173,175をチューブ51の外周部に、部分的に接着剤で固定してもよく、カバー構成材173,175の固定方法は任意である。
【実施例6】
【0108】
次に、本発明の排煙窓の実施例6について説明する。
【0109】
図17は、本発明の排煙窓の実施例6に用いられるガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0110】
本実施例6の排煙窓1に用いられるガススプリング7は、カバーとして、第一カバー201と第二カバー203とを備える。すなわち、本実施例6では、チューブ51の外周部に第一カバー201が設けられ、この第一カバー201の外周部に第二カバー203が設けられる。
【0111】
第一カバー201は、断熱材により形成されている。本実施例6では、第一カバー201は、セラミックファイバーにより形成されており、シート状とされ、チューブ51に巻かれる。すなわち、第一カバー201は、チューブ51の外周部に巻着されて円筒状に設けられる。第一カバー201は、チューブ51の外周面の全体または適宜の箇所において両面テープ205により固定される。
【0112】
本実施例6では、第一カバー201の先端部は、チューブ51の先端部の位置に配置される。また、第一カバー201の上端部は、チューブ51の上端部51aを若干露出させた状態でチューブ51に設けられる。
【0113】
第二カバー203は、金属製の円筒体とされ、第一カバー201の外周部にはめ込まれて設けられる。本実施例6では、第二カバー203は、鋼板などの金属製板状体により形成されている。第二カバー203がチューブ51にはめ込まれた状態では、チューブ51の上端部51aが若干露出している。このチューブ51の上端部51aと第二カバー203の上端部とをまたぐようにテープ207が貼り付けられて、第一カバー201の外側に第二カバー203が取り付けられる。
【0114】
第二カバー203は、チューブ51の先端部より先端側へ突出して設けられており、ロッドガイド63を覆っている。
なお、第一カバー201の軸方向の寸法を第二カバー203と略同一として、第一カバー201の先端部により、ロッドガイド63を覆うようにしてもよい。
【0115】
本実施例6では、第二カバー203は、円筒体とされたが、前記実施例2の第一カバー101の変形例と同様、半円筒形状の部材により構成して二分割可能な円筒体としたり、底壁を有する半円筒形状の部材により構成して二分割可能な円筒体としたりしてもよい。
【実施例7】
【0116】
次に、本発明の排煙窓の実施例7について説明する。
【0117】
図18は、本発明の排煙窓の実施例7に用いられるガススプリングを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図であり、それぞれ一部を断面にして示している。
【0118】
本実施例7の排煙窓に用いられるガススプリング7は、カバーとして、第一カバー221と第二カバー223とを備える。すなわち、本実施例7では、チューブ51の外周部に第一カバー221が設けられ、この第一カバー221に第二カバー223が設けられる。
【0119】
第一カバー221は、円筒体とされ、耐熱絶縁パイプなどにより形成されている。
本実施例7では、第一カバー221は、雲母(マイカ)により形成されている。
【0120】
第一カバー221は、チューブ51の外周部にはめ込まれて、テープ225により固定される。
具体的には、第一カバー221がチューブ51にはめ込まれた状態では、チューブ51の上端部51aが若干露出している。このチューブ51の上端部51aと第一カバー221の上端部とをまたぐようにテープ225が貼り付けられて、チューブ51に第一カバー221が取り付けられる。第一カバー101の先端部は、チューブ51の先端部と同じ位置に配置されている。
【0121】
第二カバー223は、金属製のテープとされ、第一カバー221の外周部に巻着されて筒状に設けられる。本実施例では、第二カバー223に、ステンレス製のテープが用いられる。
【0122】
第二カバー223は、チューブ51の先端部から先端側へ突出しており、ロッドガイド63を覆うように設けられている。
なお、第一カバー221の軸方向の寸法を第二カバー223と略同一として、第一カバー221の先端部により、ロッドガイド63を覆うようにしてもよい。
【実施例8】
【0123】
次に、本発明の排煙窓の実施例8について説明する。
【0124】
図19および
図20は、本発明の排煙窓の実施例8を示す図であり、
図19は概略横断面図、
図20は概略縦断面図である。
【0125】
本実施例8の排煙窓は、基本的には前記実施例1の排煙窓と同様の構成である。そこで、以下においては、それらと異なる部分を中心に説明し、対応する箇所には同一符号を付して説明する。
本実施例8では、窓枠3の構造が前記実施例1と異なっている。
【0126】
本実施例8の排煙窓は、窓枠3の第二片25の室内側に遮蔽板241が設けられている。具体的には、窓枠3の各縦枠13の第一縦枠15の中央片19から、左右方向内側へ突出して矩形板状の遮蔽板241が設けられている。
この遮蔽板241は、第二縦枠17の第二片25と隙間をあけて、第二片25より室内側に配置される。本実施例では、遮蔽板241の厚みは約1mmとされ、遮蔽板241と第二片25との間に約1mmの隙間が設けられている。
【0127】
遮蔽板241は、その先端部が、障子5の縦框35より左右方向内側に延出するように設けられる。
【0128】
本実施例では、第二縦枠17の第二片25の室内側に断熱部材として機能する遮蔽板241が設けられることで、火災時の熱や炎がガススプリング7へ達するのを防止することができ、チューブ51の先端部の変形およびロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
【0129】
また、本実施例では、遮蔽板241と第二片25との間に隙間が設けられていることで、遮熱性の効果が高くなっている。この遮蔽板241と第二片25との隙間は、0.5mm〜3mm程度とするのが好ましく、より好ましくは、隙間による耐火性および遮熱性向上と設置スペースとの関係を考慮して1mm〜2mmとされる。
【0130】
また、本実施例では、遮蔽板241の先端部が縦框35より左右方向内側へ延出しており、火災時の熱や炎がガススプリング7へ達するのをより確実に防止され、チューブ51の先端部の変形およびロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
遮蔽板241の先端部は、少なくとも第二片25より左右方向(排煙窓1の幅方向)内側へ延出させ、障子5の各縦框35の左右方向内側端面と同じ位置か、それより左右方向内側に延出させるのがより好ましい。
【0131】
さらに、遮蔽板241の上下寸法は、障子5が閉じられた状態において、少なくとも、チューブ51の先端部およびロッドガイド63に対応した上下寸法とされるが、ガススプリング7全体と同じかそれ以上の上下寸法とするのがより好ましい。
【0132】
本実施例8の排煙窓1では、前記実施例1乃至実施例7に示されるガススプリング7を用いるのが好ましいが、従来のガススプリングを用いても構わない。
【0133】
本実施例8の排煙窓においても、
図19や
図20に示すように、第二片25の室外側に遮蔽板47を設けてもよいし、この遮蔽板47を省略してもよい。
つまり、前記実施例1においては、第二片25の室外側に遮蔽板47が設けられたが、それに加えて、またはそれに代えて、第二片25の室内側に遮蔽板241を設ければよい。
【0134】
次に、前記実施例8の排煙窓1の変形例について説明する。
【0135】
図21および
図22は、実施例8の排煙窓の変形例を示す図であり、
図21は概略横断面図、
図22は概略縦断面図である。
【0136】
本変形例の排煙窓1は、基本的には前記実施例8の排煙窓と同様の構成である。そこで、以下においては、両者の異なる部分を中心に説明し、対応する箇所には同一符号を付して説明する。
【0137】
本変形例では、遮蔽板241に垂直に立設して多数のヒレ251が設けられている。
具体的には、遮蔽板241には、室外側へ突出して上下方向に延出するヒレ251が、左右方向に離隔して、多数形成されている。
【0138】
遮蔽板241にヒレ251が設けられることで、遮熱性がさらに向上し、より確実に、ガススプリング7のチューブ51の先端部の変形およびロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
また、実施例8と同様、ヒレ251の先端部と第二片25との間に隙間を設けるのが好ましく、その隙間は、0.5mm〜3mmとされ、より好ましくは1mm〜2mmとされる。
【0139】
次に、実施例8の排煙窓の別の変形例について説明する。
【0140】
図23および
図24は、実施例8の排煙窓の別の変形例を示す図であり、
図23は概略横断面図であり、
図24は概略縦断面図である。
【0141】
前記実施例8では、遮蔽板241は、窓枠3の縦枠13に一体に形成されたが、別体として、縦枠13の第一縦枠15の中央片19に固定するようにしてもよい。
【0142】
具体的には、本変形例では、遮蔽板241は、略L字形の板材とされ、その一片253が縦枠13の中央片19にネジ255で固定される。
遮蔽板241の他片257は、第二片25より室内側に、第二片25と隙間をあけて、第二片25と平行に配置されて設けられる。
また、遮蔽板241にヒレが設けられる場合についても、縦枠13と別体として、縦枠13に固定するようにしても構わない。
【0143】
このように、遮蔽板241は、縦枠13と一体としてもよいし、別体として設ける構成としてもよい。また、本変形例では、縦枠13の第一縦枠15に遮蔽板241を固定したが、遮蔽板241を壁に固定して取り付けるようにしてもよい。
【実施例9】
【0144】
次に、本発明の排煙窓の実施例9について説明する。
【0145】
図25および
図26は、本発明の排煙窓の実施例9を示す図であり、
図25は概略横断面図、
図26は概略縦断面図である。
【0146】
本実施例9の排煙窓1は、基本的には前記実施例1の排煙窓1と同様の構成である。そこで、以下においては、両者と異なる部分を中心に説明し、対応する箇所には同一符号を付して説明する。
【0147】
前記実施例1乃至実施例8では、障子5が閉じられた状態でガススプリング7が隠蔽される隠蔽式の排煙窓とされたが、本実施例9の排煙窓は、障子5が閉じられた状態でガススプリング7が露出する露出式の排煙窓とされる。また、本実施例8の排煙窓は、外倒し式の排煙窓とされる。
具体的には、本実施例9の排煙窓1は、
図25や
図26に示すように、矩形枠状の窓枠3に障子5が設けられている。窓枠3および障子5は、基本的に前記実施例1と同じ構成とされる。
【0148】
ガススプリング7は、その一端部に設けられたブラケット65が、障子5の縦框35の室内側面に固定された取付金具263に回転可能に保持される。また、ガススプリング7の他端部に設けられたブラケット67は、第二片25に固定された取付金具265に回転可能に保持される。
【0149】
本実施例9では、障子5が閉じられた状態において、ガススプリング7は、縦枠13の第二縦枠17と縦框35とにより構成される空間Sの外部に配置され、障子5より室内側に配置される。
【0150】
本実施例9では、このガススプリング7を覆うように、遮蔽板267が設けられている。具体的には、遮蔽板267は、断面略コ字形状とされ、その一端片269が第一縦枠15の中央片19に重ね合わされてネジ271で固定される。この一端片269の室内側端部から左右方向内側へ延出して中央片273が設けられ、この中央片273の端部から室外側へ延出して他端片275が設けられている。
【0151】
本実施例9では、ガススプリング7を覆うように、遮蔽板267が設けられ、ガススプリングより室内側に遮蔽板の267の中央片273が配置される。
また、障子5が閉じられた状態において、ガススプリング7を覆う上下寸法とされる。
【0152】
このように、ガススプリング7を覆うように遮蔽板267を設けることで、火災時の熱や炎がガススプリング7へ達するのをより確実に防止され、チューブ51の変形やチューブ51の先端部およびロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
【0153】
本実施例9の排煙窓におけるガススプリングは、前記実施例1乃至実施例7のガススプリングを使用することが好ましいが、従来のガススプリングを使用してもよい。
【0154】
以上説明したとおり、前記各実施例では、ガススプリング7のチューブ51内のガスや油の漏れを防ぐために、チューブ51にカバーを設けたり、第二縦枠17の第二片(延出片)25の室外側に遮蔽板47を設けたり、さらには、第二縦枠17の第二片(延出片)25の室内側に遮蔽板241を設けたりしたが、これらの構成のうち、少なくとも一つを採用すればよく、2つ以上を組み合わせてもよい。
【0155】
本発明の排煙窓は、前記各実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例1乃至実施例7におけるガススプリング7は、チューブ51の外周部に設けられるカバーによりチューブ51の先端部およびロッドガイド63が覆われる構成であれば、カバーの数、材質、形状および取付け方は適宜変更可能である。
【0156】
すなわち、上記実施例1乃至実施例7のように、チューブ51の先端部から先端側へロッドガイド63が突出している場合には、少なくともロッドガイド63を覆うように、チューブ51の先端部にカバーを取り付ければよい。また、チューブ51内にロッドガイド63が収容されている場合や、チューブ51の先端部にロッドガイドが一体に設けられて、チューブ51の先端部がロッドガイド部とされる場合には、少なくともチューブ51の先端部を覆うようにカバーを取り付ける構成とすればよい。
【0157】
また、上記各実施例では、カバーは円筒状とされたが、断面四角形の筒形状としても構わない。また、熱膨張性耐火材の有無なども適宜変更可能である。
【0158】
また、前記各実施例の排煙窓に用いられるガススプリング7は、排煙窓以外にも適用可能である。
【0159】
また、本実施例1乃至実施例7では、ガススプリング7は、外倒し窓に適用されたが、内倒し窓にも適用可能である。
【0160】
さらに、上記実施例における遮蔽板47,241は、内倒し窓にも適用可能である。
具体的には、外倒し窓の場合、上記実施例のように窓枠3に遮蔽板47,241が設けられたが、内倒し窓の場合、障子5に遮蔽板が設けられる。より詳細にいえば、内倒し窓の場合、
図1において、室内側と室外側が逆となる。そして、この際、障子5の縦框35や係止片41に上記実施例と同様に遮蔽板を設けることで、チューブ51の先端部の変形およびロッドガイド63の変形や焼失を防止することができる。
【0161】
また、上記実施例8の変形例では、遮蔽板241に設けられるヒレ251は、多数の板状片により形成されたが、たとえば多数の凹凸により形成してよく、放熱性を有する構成であればヒレの形状は特に問わない。