(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405227
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
G09F9/00 346A
G09F9/00 350Z
G09F9/00 338
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-256784(P2014-256784)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2016-118595(P2016-118595A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】村上 研一
(72)【発明者】
【氏名】土肥 大悟
【審査官】
小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−078748(JP,A)
【文献】
特開2000−196977(JP,A)
【文献】
特開2002−287109(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0075253(US,A1)
【文献】
特開2014−029421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
第1基板取付部と、
前記第1基板取付部に取り付けられ、前記表示パネルの画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う表示パネル基板と、
第2基板取付部と、
前記第2基板取付部に取り付けられ、前記表示パネルに表示する画像を生成する表示プログラムを、当該表示パネルの画面サイズに応じて複数記憶しており、記憶した前記表示プログラムのうち何れかを用いて前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板と、
第3基板取付部と、
前記第3基板取付部に取り付けられ、前記表示パネル基板及び前記メイン基板で使用される電力を供給する電源基板と、
を備え、
前記表示パネルの裏側には、当該表示パネル側から順に、前記第1基板取付部、前記表示パネル基板、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、前記電源基板が配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
少なくとも前記表示パネルの一部を覆う表示パネル側筐体と、
前記表示パネル側筐体に取り付けられる制御側筐体と、
を備え、
前記制御側筐体は、前記表示パネル側筐体、前記第1基板取付部、前記第2基板取付部、及び前記第3基板取付部のうち、前記表示パネル側筐体にのみ取り付けられることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記表示パネル側筐体、前記表示パネル、前記第1基板取付部、及び前記表示パネル基板を表示パネルブロックとし、
前記制御側筐体、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、及び前記電源基板を制御ブロックとしたときに、
前記制御ブロックは、画面サイズが異なる複数種類の前記表示パネルブロックと同じインタフェースを用いて接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の表示装置であって、
外部の機器からの信号を前記電源基板を介さずに前記メイン基板に伝達する有線の信号伝達部を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置であって、
前記信号伝達部は、LANケーブル、USBケーブル、及び画像伝達ケーブルのうち少なくとも何れかを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の表示装置であって、
前記第3基板取付部及び前記電源基板のうち少なくとも何れかには切欠きが形成されており、当該切欠きを通るように前記信号伝達部が配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1から3までの何れか一項に記載の表示装置であって、
前記表示パネル基板は、バックライトに関する制御及びタッチスクリーンに関する制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の表示装置であって、
前記メイン基板は、前記表示パネル又は前記表示パネル基板に接続されることで、前記表示パネルの画面サイズに応じた前記表示プログラムを自動で読み出すことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
画像を表示する表示パネルの裏側に第1基板取付部を取り付ける第1工程と、
前記表示パネルが位置する側の反対側を裏側と称したときに、前記表示パネルの画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う表示パネル基板を、前記第1基板取付部の裏側の面に取り付ける第2工程と、
第2基板取付部を、前記表示パネル基板よりも裏側に取り付ける第3工程と、
前記表示パネルに表示する画像を生成する表示プログラムを、当該表示パネルの画面サイズに応じて複数記憶しており、記憶した前記表示プログラムのうち何れかを用いて前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板を、前記第2基板取付部の裏側の面に取り付ける第4工程と、
第3基板取付部を、前記メイン基板よりも裏側に取り付ける第5工程と、
前記表示パネル基板及び前記メイン基板で使用される電力を供給する電源基板を、前記第3基板取付部の裏側の面に取り付ける第6工程と、
を含むことを特徴とする表示装置製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の表示装置製造方法であって、
前記第1工程及び前記第2工程では、前記表示パネルの画面サイズに応じて選択された、前記第1基板取付部及び前記表示パネル基板が用いられ、
前記第3工程、前記第4工程、前記第5工程、前記第6工程では、前記表示パネルの画面サイズに依存しない構成を有する、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、及び前記電源基板が用いられることを特徴とする表示装置製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、内部に複数の基板を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面を有する製品(ナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ等)では、様々な顧客のニーズに対応するために、画面サイズが異なる複数の製品が展開されることがある。また、製品の仕様の変更により、既存の製品とは画面サイズが異なる製品を新たに展開する場合がある。画面サイズが異なる場合、通常は筐体のサイズも異なるため、内部に配置される基板及び基板取付部の形状も異なることが多い。
【0003】
ここで、特許文献1は、液晶パネルのサイズが変更された場合であっても、この液晶パネルに応じた液晶パネルホルダを用いることで、外装パネルの変更を必要としない構成のデジタルカメラを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−77677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、外装パネルを共通化できる構成が開示されるにとどまり、内部の部品の共通化については記載も示唆もされていない。そのため、液晶パネルのサイズが異なる複数の製品を展開する場合、又は液晶パネルのサイズが変更された場合等において、内部の部品等を新たに設計する必要がある。
【0006】
その結果、内部に配置される部品(基板及び基板取付部等)の設計、検査、製造、及び管理等を新たに行う必要がある。従って、特許文献1に開示されている内容では、コストをあまり低減させることができない。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、画面サイズが異なる複数の製品を展開する場合、又は画面サイズを変更した場合において、製品の内部に配置される部品の設計変更等に起因するコストの増加を抑える表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の表示装置が提供される。即ち、この表示装置は、表示パネルと、第1基板取付部と、表示パネル基板と、第2基板取付部と、メイン基板と、第3基板取付部と、電源基板と、を備える。前記表示パネルは、画像を表示する。前記表示パネル基板は、前記第1基板取付部に取り付けられ、前記表示パネルの画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う。前記メイン基板は、前記第2基板取付部に取り付けられ、前記表示パネルに表示する画像を生成する表示プログラムを、当該表示パネルの画面サイズに応じて複数記憶しており、記憶した前記表示プログラムのうち何れかを用いて前記表示パネルに画像を表示する制御を行う。前記電源基板は、前記第3基板取付部に取り付けられ、前記表示パネル基板及び前記メイン基板で使用される電力を供給する。前記表示パネルの裏側には、当該表示パネル側から順に、前記第1基板取付部、前記表示パネル基板、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、前記電源基板が配置されている。
【0010】
これにより、複数の表示パネルに対応するプログラムをメイン基板が記憶しているため、少なくともメイン基板及びそれを支持する第2基板取付部を共通化できる。従って、表示パネルの画面サイズの変更に伴うコストの増加を抑えることができる。
【0011】
前記の表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この表示装置は、表示パネル側筐体と、制御側筐体と、を備える。前記表示パネル側筐体は、少なくとも前記表示パネルの一部を覆う。前記制御側筐体は、前記表示パネル側筐体に取り付けられる。前記制御側筐体は、前記表示パネル側筐体、前記第1基板取付部、前記第2基板取付部、及び前記第3基板取付部のうち、前記表示パネル側筐体にのみ取り付けられる。
【0012】
これにより、基板及び基板取付部の取付けが完了した後に制御側筐体が表示パネル側筐体に取り付けられることとなる。そのため、表示パネル側筐体に制御側筐体を取り付ける際に、基板同士を接続するケーブルが2つの筐体に挟まれることを防止できる。
【0013】
前記の表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記表示パネル側筐体、前記表示パネル、前記第1基板取付部、及び前記表示パネル基板を表示パネルブロックとし、前記制御側筐体、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、及び前記電源基板を制御ブロックとしたときに、前記制御ブロックは、画面サイズが異なる複数種類の前記表示パネルブロックと同じインタフェースを用いて接続される。
【0014】
これにより、表示パネルの画面サイズに依存しない部材をまとめて制御ブロックとして構成しているので、多数の部材を共通化することができ、表示パネルの画面サイズの変更に伴うコストの増加を抑えることができる。
【0015】
前記の表示装置においては、外部の機器からの信号を前記電源基板を介さずに前記メイン基板に伝達する有線の信号伝達部を備えることが好ましい。
【0016】
これにより、外部の機器からの信号が電源基板を介さずにメイン基板に直接伝達されるので、信号に含まれるノイズを低減できる。
【0017】
前記の表示装置においては、前記信号伝達部は、LANケーブル、USBケーブル、及び画像伝達ケーブルのうち少なくとも何れかを含むことが好ましい。
【0018】
これにより、通信の不具合又は画像の乱れ等の発生を抑制できる。
【0019】
前記の表示装置においては、前記第3基板取付部及び前記電源基板のうち少なくとも何れかには切欠きが形成されており、当該切欠きを通るように前記信号伝達部が配置されていることが好ましい。
【0020】
これにより、信号伝達部の屈曲回数を減らすことができるので、ケーブルに掛かる負担を軽減するとともに、製造時におけるケーブルの取り回しを一層容易にすることができる。
【0021】
前記の表示装置においては、前記表示パネル基板は、バックライトに関する制御及びタッチスクリーンに関する制御の少なくとも一方を行うことが好ましい。
【0022】
これにより、バックライト及びタッチスクリーンに関する制御は表示パネルの画面サイズに依存するため、これらの制御を表示パネル基板で行うことで、それ以外の部材を共通化し易くすることができる。
【0023】
前記の表示装置においては、前記メイン基板は、前記表示パネル又は前記表示パネル基板に接続されることで、前記表示パネルの画面サイズに応じた前記表示プログラムを自動で読み出すことが好ましい。
【0024】
例えば表示パネルの画面サイズに応じた切替スイッチをメイン基板に設ける場合、表示装置の製造時に、作業者によるスイッチの切替作業が必要となる。この点、上記の構成を採用することで、切替作業が不要になるとともに、人為的なミスが起こり得ないので、適切な表示プログラムを確実に適用できる。
【0025】
本発明の第2の観点によれば、以下の表示装置製造方法が提供される。即ち、この表示装置製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、第4工程と、第5工程と、第6工程と、を含む。前記第1工程では、画像を表示するな表示パネルの裏側に第1基板取付部を取り付ける。前記第2工程では、前記表示パネルが位置する側の反対側を裏側と称したときに、前記表示パネルの画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う表示パネル基板を、前記第1基板取付部の裏側の面に取り付ける。前記第3工程では、前記第2基板取付部を、前記表示パネル基板よりも裏側に取り付ける。前記第4工程では、前記表示パネルに表示する画像を生成する表示プログラムを、当該表示パネルの画面サイズに応じて複数記憶しており、記憶した前記表示プログラムのうち何れかを用いて前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板を、前記第2基板取付部の裏側の面に取り付ける。前記第5工程では、前記第3基板取付部を、前記メイン基板よりも裏側に取り付ける。前記第6工程では、前記表示パネル基板及び前記メイン基板で使用される電力を供給する電源基板を、前記第3基板取付部の裏側の面に取り付ける。
【0026】
これにより、表示パネルから各部材を積み上げるようにして製造するため、基板同士をケーブルで接続しながら製造工程を進めることができるので、製造工程を簡単に行うことができる。
【0027】
前記の表示装置製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記第1工程及び前記第2工程では、前記表示パネルの画面サイズに応じて選択された、前記第1基板取付部及び前記表示パネル基板が用いられる。前記第3工程、前記第4工程、前記第5工程、前記第6工程では、前記表示パネルの画面サイズに依存しない構成を有する、前記第2基板取付部、前記メイン基板、前記第3基板取付部、及び前記電源基板が用いられる。
【0028】
これにより、表示パネルの画面サイズに依存しない複数の部材を共通化しているため、表示パネルの画面サイズの変更に伴うコストの増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置及びそれに接続される装置のブロック図。
【
図3】表示パネル側筐体を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図4】表示パネル基板を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図5】第2基板取付部を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図6】メイン基板を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図7】第3基板取付部を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図8】電源基板を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図9】制御側筐体を取り付けるときの様子を示す斜視図。
【
図11】表示パネルの画面サイズが異なる場合に制御側筐体を取り付ける様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、
図1を参照して、本実施形態の表示装置5について説明する。
【0031】
表示装置5は、複数の舶用機器と接続されており、これらの舶用機器で生成された画像を画面に表示する装置である。具体的には、
図1に示すように、外部電源1と、魚群探知機2と、航海画像生成装置3と、が表示装置5に接続されている。
【0032】
外部電源1は、表示装置5に電力を供給する。魚群探知機2は、水中に向けて超音波を発射するとともに、当該超音波が魚群や海底等で反射した反射波を受信する。魚群探知機2は、この反射波を解析することで作成した魚群画像を表示装置5へ出力する。航海画像生成装置3は、GPS受信機等によって検出された自船の位置を海図に重畳した画像である航海画像を表示装置5へ出力する。なお、表示装置5には、上記以外の舶用機器(レーダ装置等)が接続されていても良い。
【0033】
図1に示すように、表示装置5は、電気的構成として、メイン基板22と、電源基板24と、表示パネル11と、電源キー基板12と、表示パネル基板18と、を備えている。
【0034】
表示パネル11は、表示パネル基板18及びメイン基板22と電気的に接続されている。表示パネル11は、メイン基板22等から画像信号が入力されることで、画像を表示可能である。本実施形態の表示パネル11は、タッチスクリーン機能を備えた液晶パネルとして構成されている。表示パネル11は液晶パネルであるため、表示パネル11の内部にはバックライトが配置されている。なお、表示パネル11は液晶パネルに限られず、例えば有機ELパネル又はプラズマディスプレイパネルであっても良い。また、タッチスクリーン機能を有していなくても良い。なお、表示パネル11の表側(表示画面側)には物理キーである電源キーが配置されている。
【0035】
電源キー基板12は、表示パネル11の電源キーと電気的に接続されている。電源キー基板12は、電源キーが押された場合、その旨を示す信号をメイン基板22へ出力する。
【0036】
表示パネル基板18は、表示パネル11及びメイン基板22と電気的に接続されている。表示パネル基板18は、表示パネル11の制御、特に表示パネル11の画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う。具体的には、表示パネル基板18は、バックライト制御部18aと、タッチスクリーン制御部18bと、を備えている。バックライト制御部18aは、表示パネル11のバックライトの明るさ又は点灯の有無等に関する制御を行う。タッチスクリーン制御部18bは、表示パネル11に行われたタッチ操作を検出する等の制御を行う。
【0037】
メイン基板22は、デジタル基板であり、表示装置5を構成する各基板及び表示パネル11と電気的に接続されている。また、メイン基板22には、航海画像生成装置3等の外部機器から画像信号等が入力される。メイン基板22は、表示装置5に関する様々な制御、特に表示パネル11に画像を表示する制御を行う。メイン基板22は、ROM等で構成される記憶部22aと、CPU等で構成される画像制御部22bと、を備える。
【0038】
記憶部22aは、メイン基板22が行うプログラムを記憶している。特に本実施形態の記憶部22aは、表示パネル11に表示する画像を生成する表示プログラムを、当該表示パネル11の画面サイズに応じて複数記憶している。画像制御部22bは、記憶部22aに記憶した表示プログラムのうち、接続先の表示パネル11の画面サイズに応じたものを用いて、表示パネル11に画像を表示する制御を行う。
【0039】
また、メイン基板22は、表示パネル11又は表示パネル側筐体14と接続されることで、表示パネル11の画面サイズ(例えばインチ数)を取得し、取得した画面サイズに応じた表示プログラムを適用する。なお、表示プログラムの切替えは、メイン基板22に設けられた表示プログラムの切替えのための物理キーを操作することにより行っても良い。なお、本実施形態のように自動で表示プログラムの切替えを行うことで、切替作業が不要になるとともに、人為的なミスが起こり得ないので、適切な表示プログラムを確実に適用できる。
【0040】
電源基板24は、アナログ基板であり、メイン基板22と接続される。また、電源基板24には、外部電源1から電力が供給されるとともに、魚群探知機2から画像信号が入力される。電源基板24は、電力供給部24aを備える。電力供給部24aは、外部電源1から供給された電力を、電圧等を調整した後に、メイン基板22へ供給する。メイン基板22に供給された電力は、一部がメイン基板22で消費され、残りは表示パネル11、電源キー基板12及び表示パネル基板18等へ出力される。
【0041】
なお、本実施形態では、航海画像生成装置3のケーブルは、電源基板24を介することなくメイン基板22に接続されている。このように航海画像生成装置3から電源基板24を介さずに直接的に画像信号が伝達されることで、画像信号のノイズが増加することを防止できる。
【0042】
次に、
図2から
図9までを参照して、表示装置5の機械的構成及び組立方法について説明する。
【0043】
図2に示すように、表示装置5は、表示パネル11の裏側(表示画面の反対側)に複数の部材(基板及び基板取付部)が取り付けられている。表示装置5の組立ては、表示パネル11の裏側に、第1基板取付部13、表示パネル側筐体14、表示パネル基板18、第2基板取付部21、メイン基板22、第3基板取付部23、電源基板24、及び制御側筐体25の順で積み上げるようにして行う。以下、具体的に説明する。なお、以下では、表示画面側を表とし、その反対側を裏として説明する。
【0044】
図3に示すように、表示パネル11の裏側の面には、上述の電源キー基板12と、第1基板取付部13と、が取り付けられている。第1基板取付部13は金属製の板状の部材であり、当該第1基板取付部13の裏側の面には、複数の突出取付孔13aが形成されている。突出取付孔13aは、突出する円柱状の部材であり、内部に孔が形成されている。
【0045】
表示パネル11の裏側の面には、接着剤等を用いて表示パネル側筐体14が取り付けられる。表示パネル側筐体14は、表示パネル11の一部、電源キー基板12、第1基板取付部13、表示パネル基板18を少なくとも覆う。表示パネル側筐体14は、表示パネル接続部15と、筐体接続部16と、基板取付部接続部17と、を備えている。
【0046】
表示パネル接続部15は、表示パネル側筐体14の表側の部分であり、表示パネル11と接続される。筐体接続部16は、表示パネル接続部15から裏側に突出する枠状の部材である。筐体接続部16には、複数の取付孔16aが形成されている。基板取付部接続部17は、筐体接続部16の内部に形成された部分である。基板取付部接続部17には、突出取付部17aが形成されている。
【0047】
次の工程では、
図4に示すように、表示パネル基板18が取り付けられる。表示パネル基板18には、複数の取付孔18cが形成されている。表示パネル基板18は、取付孔18c及び突出取付孔13aにネジを挿入して締め付けることで、第1基板取付部13に取り付けられる。
【0048】
次の工程では、
図5に示すように、第2基板取付部21が取り付けられる。第2基板取付部21は、金属製の板状の部材である。第2基板取付部21には、取付孔21aと、第1突出取付孔21bと、第2突出取付孔21cと、ケーブル保護部21dと、が形成されている。なお、第2突出取付孔21cは、第1突出取付孔21bよりも突出長さが長い。ケーブル保護部21dは、後述の
図7に示すようにケーブルを内部に案内する部材と、当該ケーブルを保護する筒状の部材と、から構成されている。第2基板取付部21は、取付孔21a及び突出取付部17aにネジを挿入して締め付けることで、表示パネル側筐体14(詳細には基板取付部接続部17)に取り付けられる。
【0049】
なお、表示パネル11、第1基板取付部13、表示パネル側筐体14、及び表示パネル基板18は、表示パネル11の画面サイズに依存する部材である。以下では、これらの部材をまとめて表示パネルブロック10と称する。
【0050】
次の工程では、
図6に示すように、メイン基板22が取り付けられる。メイン基板22には、複数の取付孔22cが形成されている。また、メイン基板22には、外部の機器と通信するためのケーブル(信号伝達部)22dが接続されている。ケーブル22dは、例えば、LANケーブル、USBケーブル、航海画像生成装置3から航海画像が入力される画像伝達ケーブル等である。メイン基板22は、取付孔22cと第1突出取付孔21bにネジを挿入して締め付けることで、第2基板取付部21に取り付けられる。
【0051】
その後、作業者は、ケーブル22dをケーブル保護部21dの筒状の部分に通す。更に、作業者は、メイン基板22と表示パネル基板18、メイン基板22と表示パネル11をそれぞれ図略のケーブル及びコネクタ等を介して接続する。
【0052】
次の工程では、
図7に示すように、第3基板取付部23が取り付けられる。第3基板取付部23は、金属製の板状の部材である。第3基板取付部23には、複数の取付孔23aと、複数の突出取付孔23bと、が形成されている。また、第3基板取付部23には、切欠き23cが形成されており、ケーブル22dは、この切欠き23cを通る。第3基板取付部23は、取付孔23a及び第2突出取付孔21cにネジを挿入して締め付けることで、第2基板取付部21に取り付けられる。
【0053】
次の工程では、
図8に示すように、電源基板24が取り付けられる。電源基板24には、複数の取付孔24bと、電源ケーブル接続部24cと、魚探ケーブル接続部24dと、が形成されている。電源ケーブル接続部24cは、外部電源1と接続するためのケーブルを接続可能である。魚探ケーブル接続部24dは、魚群探知機2と接続するためのケーブルを接続可能である。電源基板24は、取付孔24b及び突出取付孔23bにネジを挿入して締め付けることで、第3基板取付部23に取り付けられる。その後、作業者は、電源基板24とメイン基板22を図略のケーブル又はコネクタ等を介して接続する。
【0054】
次の工程では、
図9に示すように、制御側筐体25が取り付けられる。制御側筐体25は、表示パネル側筐体14とともに、表示装置5内に配置される部材を覆う。制御側筐体25は、筐体接続部26と、カバー部27と、を備えている。
【0055】
筐体接続部26は、制御側筐体25の裏側に位置しており、制御側筐体25の縁を構成する平板状の部分である。筐体接続部26には、複数の取付孔26aが形成されている。カバー部27は、筐体接続部26から更に裏側に突出するように形成された箱状の部分である。カバー部27の裏側の面には、ケーブル保護部21d(ケーブル22d)、電源ケーブル接続部24c、及び魚探ケーブル接続部24dを外側に取り出すためのケーブル挿入孔27aが複数形成されている。カバー部27の内部には空間が形成されており、この空間にメイン基板22及び電源基板24等が位置する。
【0056】
制御側筐体25は、取付孔26a及び取付孔16aにネジを挿入して締め付けることで、表示パネル側筐体14に取り付けられる(
図10を参照)。これにより、ケーブル挿入孔27aから、ケーブル22d、電源ケーブル接続部24c、及び魚探ケーブル接続部24dを外側(裏側)に露出させることができる。
【0057】
以上により、表示装置5の組立てが完成する。このように本実施形態では、基板及び基板取付部を積み上げるようにして組み立てることができるので、基板同士を接続しながら組立てを進めることができる。そのため、表示パネル側筐体14に制御側筐体25を取り付ける際に、基板同士を接続するケーブルが2つの筐体に挟まれることを防止できる。
【0058】
ここで、第2基板取付部21、メイン基板22、第3基板取付部23、電源基板24、及び制御側筐体25は、メイン基板22を含み、表示パネル11の画面サイズに依存しない部材である。以下では、これらの部材をまとめて制御ブロック20と称する。
【0059】
制御ブロック20は、表示パネル11の画面サイズに依存しない。例えば、制御ブロック20は、画面サイズが異なる複数種類の表示パネルブロック10に対して、それぞれ同じインタフェースを用いて接続される。従って、制御ブロック20は、
図11に示すように、表示パネル11の画面サイズが異なる別の表示パネルブロック10に取り付けることができる。このように表示パネル11の画面サイズに依存しない部材をまとめて制御ブロック20とすることで、多数の部材を共通化することができる。そのため、表示パネル11の画面サイズが異なる複数の機種を製造する場合、又は、表示パネル11の画面サイズを変更した機種を新たに製造する場合において、既存の部品を使いまわすことができるので、コストの増加を抑えることができる。
【0060】
以上に説明したように、本実施形態の表示装置5は、表示パネル11と、第1基板取付部13と、表示パネル基板18と、第2基板取付部21と、メイン基板22と、第3基板取付部23と、電源基板24と、を備える。表示パネル11は、画像を表示可能である。表示パネル基板18は、第1基板取付部13に取り付けられ、表示パネル11の画面サイズに依存するハードウェアの制御を行う。メイン基板22は、第2基板取付部21に取り付けられ、表示パネル11に画像を表示する表示プログラムを、当該表示パネル11の画面サイズに応じて複数記憶しており、記憶した表示プログラムのうち何れかを用いて表示パネル11に画像を表示する制御を行う。電源基板24は、第3基板取付部23に取り付けられ、表示パネル基板18及びメイン基板22で使用される電力を供給する。表示パネル11の裏側には、当該表示パネル11側から順に、第1基板取付部13、表示パネル基板18、第2基板取付部21、メイン基板22、第3基板取付部23、電源基板24が位置している。また、特に本実施形態では、それぞれの部材が、自身より表示パネル11側の部材に取り付けられている。
【0061】
これにより、複数の表示パネル11に対応するプログラムをメイン基板22が記憶していることもあり、制御ブロック20を共通化することができる。従って、表示パネル11の画面サイズの変更に伴うコストの増加を抑えることができる。また、それぞれの部材が自身より表示パネル11側の部材に取り付けられることで、表示パネル11から各部材を積み上げるようにして表示装置5を製造することが可能である。従って、基板同士をケーブルで接続しながら製造工程を進めることができるので、ケーブルの取り回しが容易になり、製造工程を簡単に行うことができる。
【0062】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0063】
表示装置5を構成する筐体、基板、及び基板取付部の形状は一例であり、適宜変更することができる。例えば、第3基板取付部23及び電源基板24のうち、第3基板取付部23にのみ切欠きが形成されているが、電源基板24に切欠きが形成されていても良い。この場合、ケーブル22dは、第3基板取付部23及び電源基板24に形成された切欠きを通ることとなる。
【0064】
表示装置5の内部に配置される基板及び基板取付部は、自身より表示パネル11側の部材に取り付けられるのであれば、上記の実施形態と異なる位置に取り付けられていても良い。例えば、第1基板取付部13は、表示パネル11ではなく表示パネル側筐体14に取り付けられていても良い。また、第3基板取付部23は、第2基板取付部21ではなく表示パネル側筐体14に取り付けられていても良い。
【0065】
電源基板24からメイン基板22を介さずに表示パネル基板18へ電力が供給されていても良い。また、画像信号は、電源基板24を介してメイン基板22に入力されていても良い。
【0066】
表示装置5は、表示パネル基板18、メイン基板22、及び電源基板24を含んでいれば、更に異なる基板(例えばメモリカードを読み取るための基板)を備えていても良い。
【0067】
本発明の表示装置は、船舶用に限られず、例えば他の移動体のナビゲーション装置及びパーソナルコンピュータ等、様々な機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
5 表示装置
10 表示パネルブロック
11 表示パネル
12 電源キー基板
13 第1基板取付部
14 表示パネル側筐体
18 表示パネル基板
20 制御ブロック
21 第2基板取部
22 メイン基板
22d ケーブル(信号伝達部)
23 第3基板取部
24 電源基板
25 制御側筐体