特許第6405264号(P6405264)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405264
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】画像形成装置および像担持体ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20181004BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G03G21/00 318
   G03G15/16
【請求項の数】16
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-36199(P2015-36199)
(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2016-157057(P2016-157057A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康弘
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−227653(JP,A)
【文献】 特開2005−275219(JP,A)
【文献】 特開2005−284279(JP,A)
【文献】 特開2004−133269(JP,A)
【文献】 特開2005−249915(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0083551(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/10
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像を表面に担持する像担持体と、
前記像担持体の前記表面に接触することにより、前記現像剤像が転写対象に転写された後の前記像担持体の前記表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により取り除かれた前記残留現像剤を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤を前記像担持体の前記表面に供給する供給部材と
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構と
を備え
前記搬送機構は、
前記像担持体の幅方向に沿って延在し、前記余剰現像剤が搬送される搬送路と、
前記搬送路に沿って前記余剰現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記余剰現像剤を前記外部へ排出するための排出口と
を有し、
前記蓄積部と前記搬送路との間に、前記蓄積部を低部とすると共に前記搬送路を高部とする段差部が設けられている
画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送部材が、前記搬送路に沿って延在すると共に回転駆動される螺旋状構造体である
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体における前記表面のうちの前記現像剤像が担持されない非転写対象領域に対してダミー現像剤を供給するダミー供給機構を更に備えた
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記供給部材が、前記像担持体の幅方向に沿って延在する供給ローラである
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記供給ローラの表面に、螺旋状の溝部が形成されている
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給ローラが、前記像担持体によって付勢されて回転する
請求項または請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記供給ローラの表面が、弾性体により構成されている
請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記蓄積部が、前記クリーニング部材の下方に配置されている
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記蓄積部に、現像剤が予め蓄積されている
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤像を形成する1または複数の画像形成部を更に備え、
前記像担持体が、前記画像形成部から前記表面に前記現像剤像が一次転写される中間転写ベルトであり、
前記転写対象が、前記中間転写ベルトの前記表面における前記現像剤像が二次転写される記録媒体である
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成部内に、前記像担持体としての感光ドラムと、前記クリーニング部材と、前記蓄積部と、前記供給部材とがそれぞれ、更に設けられている
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記像担持体としての感光ドラムが、前記現像剤像を形成する1または複数の画像形成部内に設けられており、
前記転写対象が、前記感光ドラムの前記表面における前記現像剤像が直接転写される記録媒体である
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
現像剤像を表面に担持する像担持体と、
前記像担持体の前記表面に接触することにより、前記現像剤像が転写対象に転写された後の前記像担持体の前記表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により取り除かれた前記残留現像剤を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤を前記像担持体の前記表面に供給する供給部材と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構と
を備え、
前記搬送機構は、
前記像担持体の幅方向に沿って延在し、前記余剰現像剤が搬送される搬送路と、
前記搬送路に沿って前記余剰現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記余剰現像剤を前記外部へ排出するための排出口と
を有し、
前記供給部材が、前記像担持体の幅方向に沿って延在すると共にその表面に螺旋状の溝部が形成されている、回転可能な供給ローラであり、
前記供給ローラが、前記像担持体の幅方向に沿って、
前記溝部における螺旋方向が第1の方向となっている第1の領域と、
前記溝部における螺旋方向が、前記第1の方向に対する反対方向である第2の方向となっている第2の領域と
を有し、
前記搬送部材が、前記搬送路に沿って延在すると共に回転駆動される螺旋状構造体であり、
前記螺旋状構造体が、
前記第1の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が前記第2の方向となっている第1の構造体と、
前記第2の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が前記第1の方向となっている第2の構造体と
により構成されている
画像形成装置。
【請求項14】
前記第1の領域における前記第1の方向と、前記第2の領域における前記第2の方向とがそれぞれ、前記供給ローラにおける中央領域付近から各端部へ向かう方向であり、
前記排出口が、前記第1の構造体と前記第2の構造体との間の領域に形成されている
請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
現像剤像を表面に担持する像担持体と、
前記像担持体の前記表面に接触することにより、前記現像剤像が転写対象に転写された後の前記像担持体の前記表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により取り除かれた前記残留現像剤を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤を前記像担持体の前記表面に供給する供給部材と
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構と
を備え
前記搬送機構は、
前記像担持体の幅方向に沿って延在し、前記余剰現像剤が搬送される搬送路と、
前記搬送路に沿って前記余剰現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記余剰現像剤を前記外部へ排出するための排出口と
を有し、
前記蓄積部と前記搬送路との間に、前記蓄積部を低部とすると共に前記搬送路を高部とする段差部が設けられている
像担持体ユニット。
【請求項16】
現像剤像を表面に担持する像担持体と、
前記像担持体の前記表面に接触することにより、前記現像剤像が転写対象に転写された後の前記像担持体の前記表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により取り除かれた前記残留現像剤を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤を前記像担持体の前記表面に供給する供給部材と、
前記蓄積部に蓄積された前記残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構と
を備え
前記搬送機構は、
前記像担持体の幅方向に沿って延在し、前記余剰現像剤が搬送される搬送路と、
前記搬送路に沿って前記余剰現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記余剰現像剤を前記外部へ排出するための排出口と
を有し、
前記供給部材が、前記像担持体の幅方向に沿って延在すると共にその表面に螺旋状の溝部が形成されている、回転可能な供給ローラであり、
前記供給ローラが、前記像担持体の幅方向に沿って、
前記溝部における螺旋方向が第1の方向となっている第1の領域と、
前記溝部における螺旋方向が、前記第1の方向に対する反対方向である第2の方向となっている第2の領域と
を有し、
前記搬送部材が、前記搬送路に沿って延在すると共に回転駆動される螺旋状構造体であり、
前記螺旋状構造体が、
前記第1の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が前記第2の方向となっている第1の構造体と、
前記第2の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が前記第1の方向となっている第2の構造体と
により構成されている
像担持体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置、およびそのような画像形成装置に適用される像担持体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、画像形成部から直接または間接的に用紙等の記録媒体上に形成(転写)されたトナー像が、定着装置(定着器)において媒体上に定着される。このようにして、電子写真方式を用いた画像形成がなされるようになっている。
【0003】
このような画像形成装置では一般に、転写ベルト等(像担持体)上に残留するトナー(残留トナー)を取り除いてクリーニングするため、クリーニングブレード(クリーニング部材)が設けられている。また、例えば特許文献1には、そのような残留トナーを蓄積させて潤滑剤として利用することで、クリーニングブレードにおける摩耗や「メクレ」を抑えるようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−8904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置では一般に、クリーニング部材の長寿命化が求められているため、クリーニング部材の長寿命化を実現する手法の提案が望まれる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、クリーニング部材の長寿命化を図ることが可能な画像形成装置および像担持体ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の画像形成装置は、現像剤像を表面に担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触することにより、現像剤像が転写対象に転写された後の像担持体の表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、このクリーニング部材により取り除かれた残留現像剤を蓄積する蓄積部と、この蓄積部に蓄積された残留現像剤を像担持体の表面に供給する供給部材と、蓄積部に蓄積された残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構とを備えたものである。この搬送機構は、像担持体の幅方向に沿って延在し、余剰現像剤が搬送される搬送路と、この搬送路に沿って余剰現像剤を搬送する搬送部材と、この搬送部材により搬送された余剰現像剤を外部へ排出するための排出口とを有している。上記蓄積部と上記搬送路との間には、蓄積部を低部とすると共に搬送路を高部とする段差部が設けられている。
本発明の第2の画像形成装置は、現像剤像を表面に担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触することにより、現像剤像が転写対象に転写された後の像担持体の表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、このクリーニング部材により取り除かれた残留現像剤を蓄積する蓄積部と、この蓄積部に蓄積された残留現像剤を像担持体の表面に供給する供給部材と、蓄積部に蓄積された残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構とを備えたものである。この搬送機構は、像担持体の幅方向に沿って延在し、余剰現像剤が搬送される搬送路と、この搬送路に沿って余剰現像剤を搬送する搬送部材と、この搬送部材により搬送された余剰現像剤を外部へ排出するための排出口とを有している。上記供給部材が、像担持体の幅方向に沿って延在すると共にその表面に螺旋状の溝部が形成されている、回転可能な供給ローラであると共に、この供給ローラが、像担持体の幅方向に沿って、溝部における螺旋方向が第1の方向となっている第1の領域と、溝部における螺旋方向が、第1の方向に対する反対方向である第2の方向となっている第2の領域とを有している。上記搬送部材が、搬送路に沿って延在すると共に回転駆動される螺旋状構造体であり、この螺旋状構造体が、第1の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が第2の方向となっている第1の構造体と、第2の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が第1の方向となっている第2の構造体とにより構成されている。
【0008】
本発明の第1の像担持体ユニットは、現像剤像を表面に担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触することにより、現像剤像が転写対象に転写された後の像担持体の表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、このクリーニング部材により取り除かれた残留現像剤を蓄積する蓄積部と、蓄積部に蓄積された残留現像剤を像担持体の表面に供給する供給部材と、蓄積部に蓄積された残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構とを備えたものである。この搬送機構は、像担持体の幅方向に沿って延在し、余剰現像剤が搬送される搬送路と、この搬送路に沿って余剰現像剤を搬送する搬送部材と、この搬送部材により搬送された余剰現像剤を外部へ排出するための排出口とを有している。上記蓄積部と上記搬送路との間には、蓄積部を低部とすると共に搬送路を高部とする段差部が設けられている。
本発明の第2の像担持体ユニットは、現像剤像を表面に担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触することにより、現像剤像が転写対象に転写された後の像担持体の表面に残留する残留現像剤を取り除くクリーニング部材と、このクリーニング部材により取り除かれた残留現像剤を蓄積する蓄積部と、この蓄積部に蓄積された残留現像剤を像担持体の表面に供給する供給部材と、蓄積部に蓄積された残留現像剤のうちの余剰分である余剰現像剤を外部へ向けて搬送するための搬送機構とを備えたものである。この搬送機構は、像担持体の幅方向に沿って延在し、余剰現像剤が搬送される搬送路と、この搬送路に沿って余剰現像剤を搬送する搬送部材と、この搬送部材により搬送された余剰現像剤を外部へ排出するための排出口とを有している。上記供給部材が、像担持体の幅方向に沿って延在すると共にその表面に螺旋状の溝部が形成されている、回転可能な供給ローラであると共に、この供給ローラが、像担持体の幅方向に沿って、溝部における螺旋方向が第1の方向となっている第1の領域と、溝部における螺旋方向が、第1の方向に対する反対方向である第2の方向となっている第2の領域とを有している。上記搬送部材が、搬送路に沿って延在すると共に回転駆動される螺旋状構造体であり、この螺旋状構造体が、第1の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が第2の方向となっている第1の構造体と、第2の領域と対向する領域に配置され、その螺旋方向が第1の方向となっている第2の構造体とにより構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置および像担持体ユニットによれば、クリーニング部材の長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成例を表す模式図である。
図2図1に示した中間転写ベルトユニットの外観構成例を表す斜視図である。
図3図2に示した中間転写ベルトユニットの断面構成例を表す図である。
図4図3に示したクリーニング機構の詳細構成例を表す断面図である。
図5図4に示したクリーニング機構の一部を抜き出して表す斜視図である。
図6図4に示したクリーニング機構の一部を抜き出して表す他の斜視図である。
図7図4に示したクリーニング機構におけるクリーニング動作例を模式的に表す断面図である。
図8図4に示したクリーニング機構におけるトナー蓄積動作例を模式的に表す断面図である。
図9】トナー蓄積状態を模式的に表す斜視図である。
図10図4に示したクリーニング機構における余剰トナー搬送動作の一例を模式的に表す断面図である。
図11】余剰トナー搬送動作の他の例を模式的に表す斜視図である。
図12】変形例1に係るクリーニング機構の要部構成例を表す図である。
図13A】印刷パターン範囲が中央領域付近であるときの動作例を表す模式図である。
図13B図13Aに示した中央領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図13C図13Aに示した左側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図13D図13Aに示した右側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図14A】印刷パターン範囲が左側領域付近であるときの動作例を表す模式図である。
図14B図14Aに示した左側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図14C図14Aに示した中央領域付近および右側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図15A】印刷パターン範囲が右側領域付近であるときの動作例を表す模式図である。
図15B図15Aに示した右側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図15C図15Aに示した中央領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図15D図15Aに示した左側領域付近での動作例を模式的に表す断面図である。
図16】変形例2に係るクリーニング機構の要部構成例を表す図である。
図17】変形例3に係る中間転写ベルトユニットおよび感光ドラムの外観構成例を表す斜視図である。
図18】変形例4に係る画像形成装置の概略構成例を表す模式図である。
図19】変形例5に係る画像形成装置の概略構成例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(中間転写方式の画像形成装置への適用例)
2.変形例
変形例1(トナー供給ローラに螺旋状の溝部を設けた例)
変形例2(トナー供給ローラおよび搬送スパイラルを左右対称の構造とした例)
変形例3(感光ドラムをダミートナーの供給機構としても機能させた例)
変形例4(中間転写方式において画像形成部内にもクリーニング機構を設けた例)
変形例5(直接転写方式の画像形成装置への適用例)
3.その他の変形例
【0012】
<1.実施の形態>
[概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置(画像形成装置1)の概略構成例を模式的に表したものである。画像形成装置1は、例えば普通用紙等からなる記録媒体120に対して、電子写真方式を用いて画像(この例ではカラー画像)を形成するプリンタ(この例ではカラープリンタ)として機能するものである。また、この画像形成装置1は、以下説明するように、後述する中間転写ベルトユニット13を介してトナー像を記録媒体120へ転写する、いわゆる中間転写方式の画像形成装置となっている。
【0013】
画像形成装置1は、図1に示したように、5つの画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kと、用紙トレイ(給紙トレイ)121A,121Bと、ピックアップローラ122A,122Bと、搬送ローラ対124a,124b,124cとを備えている。この画像形成装置1はまた、中間転写ベルトユニット13と、2次転写ローラ14と、定着器(定着装置)15と、搬送ローラ対16a,16b,16cと、排出ローラ対17と、載置部18とを備えている。
【0014】
なお、これらの各部材は、図1に示したように、用紙トレイ121Bや載置部18等の一部の部材を除き、開閉可能な上部カバー等(図示せず)を有する所定の筺体10内に収容されている。また、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kは一体的に構成されており、画像形成装置1に対して着脱自在に装着されている。
【0015】
用紙トレイ121A,121Bはそれぞれ、記録媒体120を積層した状態で収納する部材である。図1に示した例では、用紙トレイ121Aは、画像形成装置1内の下部に着脱自在に装着される内蔵トレイであり、用紙トレイ121Bは、筺体10の側面に着脱自在に装着される外付けトレイである。なお、この記録媒体120は、本発明における「転写対象」の一具体例に対応している。
【0016】
ピックアップローラ122Aは、分離ローラ対123Aと連動して動作することで、用紙トレイ121Aに収納されている記録媒体120をその最上部から1枚ずつ分離して取り出し、搬送ローラ対124a,124bの方向へ繰り出す部材(給紙機構)である。同様に、ピックアップローラ122Bは、分離ローラ対123Bと連動して動作することで、用紙トレイ121Bに収納されている記録媒体120をその最上部から1枚ずつ分離して取り出し、搬送ローラ対124bの方向へ繰り出す部材である。
【0017】
搬送ローラ対124a,124b,124cはそれぞれ、分離ローラ対123Aまたは分離ローラ対123Bから繰り出された記録媒体120を挟持して搬送すると共に、その際に記録媒体120の斜行を修正して2次転写ローラ14側へ搬送する部材である。言い換えると、これらの搬送ローラ対124a,124b,124cは、記録媒体120をその搬送路(搬送方向)d2に沿って搬送するようになっている。なお、この搬送路d2は、図1に示したように、この例では全体としてS字状の経路となっている。
【0018】
(画像形成部11W,11Y,11M,11C,11K)
画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kは、図1に示したように、後述する中間転写ベルト131の搬送方向(搬送路)d1に沿って並んで配置されている。具体的には、この搬送方向d1に沿って(上流側から下流側へ向かって)、画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kの順に配置されている。
【0019】
これらの画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kは、互いに異なる色のトナー(現像剤)を用いて、後述する中間転写ベルト131上に画像(トナー像)を形成するものである。具体的には、画像形成部11Wは、ホワイト(W:White)トナーを用いて白色のトナー像を形成し、画像形成部11Yは、イエロー(Y:Yellow)トナーを用いて黄色のトナー像を形成し、画像形成部11Mは、マゼンダ(M:Magenta)トナーを用いてマゼンダ色のトナー像を形成する。同様に、画像形成部11Cは、シアン(C:Cyan)トナーを用いてシアン色のトナー像を形成し、画像形成部11Kは、ブラック(K:blacK)トナーを用いて黒色のトナー像を形成する。
【0020】
イエロートナー、マゼンダトナー、シアントナーおよびブラックトナーに用いられる着色剤としては、染料や顔料等を単独、もしくは、複数種併用して使用することができる。具体的には、このような着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、パーマネントブラウンFG、ピグメントグリーンB、ピグメントブル一15:3、ソルベントブルー35、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、キナクリドン、カーミン6B、ナフトール、又はジスアゾイエロー、イソインドリン等などを用いることができる。
【0021】
一方、ホワイト(白色)トナー用の着色剤としては、例えば、白色顔料として一般的に用いられている金属酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)など、比重の大きい顔料が挙げられる。このような白色顔料は、例えば、表面処理されていてもよく、あるいは、複数種併用されていてもよい。また、この白色トナー用の着色剤では、着色力や隠蔽力を考慮して、白色顔料の含有量が多くなっている。
【0022】
ここで、画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kは、上記したように互いに異なる色のトナーを用いてトナー像(現像剤像)を形成する点を除き、同じ構成を有している。したがって、以下では、これらのうちの画像形成部11Kを用いて代表して説明する。
【0023】
図1に示したように、この画像形成部11Kは、トナーカートリッジ110(現像剤収容容器)、感光ドラム111(像担持体)、帯電ローラ112(帯電部材)、現像ローラ113(現像剤担持体)、供給ローラ114(現像剤供給部材)、クリーニングブレード116(クリーニング部材)および露光ヘッド117(露光装置)を有している。
【0024】
トナーカートリッジ110は、上記した各色のトナーが収容されている容器である。すなわち、この画像形成部11Kの例では、トナーカートリッジ110内にはブラックトナーが収容されている。同様に、画像形成部11Wにおけるトナーカートリッジ110内にはホワイトトナーが収容され、画像形成部11Yにおけるトナーカートリッジ110内にはイエロートナーが収容されている。また、画像形成部11Mにおけるトナーカートリッジ110内にはマゼンダトナーが収容され、画像形成部11Cにおけるトナーカートリッジ110内にはシアントナーが収容されている。
【0025】
感光ドラム111は、静電潜像を表面(表層部分)に担持する部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。具体的には、感光ドラム111は、導電性支持体と、その外周(表面)を覆う光導電層とを有している。導電性支持体は、例えば、アルミニウムからなる金属パイプにより構成されている。光導電層は、例えば、電荷発生層および電荷輸送層を順に積層した構造を有している。なお、このような感光ドラム111は、例えば図1中の矢印で示したように、所定の周速度で回転するようになっている。
【0026】
帯電ローラ112は、感光ドラム111の表面(表層部分)を帯電させる部材であり、感光ドラム111の表面(周面)に接するように配置されている。この帯電ローラ112は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ゴム層(例えば、半導電性エピクロロヒドリンゴム層)とを有している。なお、このような帯電ローラ112は、例えば感光ドラム111とは逆方向に回転するようになっている。
【0027】
現像ローラ113は、静電潜像を現像するトナーを表面に担持する部材であり、感光ドラム111の表面(周面)に接するように配置されている。この現像ローラ113は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ウレタンゴム層とを有している。なお、このような現像ローラ113は、所定の周速度にて、例えば感光ドラム111とは逆方向に回転するようになっている。
【0028】
供給ローラ114は、トナーカートリッジ110内に収容されているトナーを現像ローラ113に対して供給するための部材であり、現像ローラ113の表面(周面)に接するように配置されている。この供給ローラ114は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う発泡性のシリコーンゴム層とを有している。なお、このような供給ローラ114は、例えば現像ローラ113と同じ方向に回転するようになっている。
【0029】
クリーニングブレード116は、感光ドラム111の表面(表層部分)に残留するトナーを掻き取って取り除く(クリーニングする)ための部材である。このクリーニングブレード116は、感光ドラム111の表面に対してカウンタで接触(当接)する(感光ドラム111の回転方向に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。このようなクリーニングブレード116は、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
【0030】
露光ヘッド117は、照射光を感光ドラム111の表面に照射して露光することにより、この感光ドラム111の表面(表層部分)に静電潜像を形成する装置である。この露光ヘッド117は、筺体10における上部カバー(図示せず)によって支持されている。露光ヘッド117は、例えば、照射光を発する複数の光源と、この照射光を感光ドラム111の表面に結像させるレンズアレイとを含んで構成されている。なお、これらの各光源としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザ素子等が挙げられる。
【0031】
(中間転写ベルトユニット13)
中間転写ベルトユニット13は、図1に示したように、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kにより形成された各色のトナー像が1次転写(中間転写)されるベルトユニットである。また、このようにして1次転写された各色のトナー像は、詳細は後述するが、図1に示したように、この中間転写ベルトユニット13から搬送路d2上を搬送される記録媒体120へと2次転写されるようになっている。なお、このような中間転写ベルトユニット13における以下説明する各部材は、一体的に形成されている(ユニット化されている)。また、中間転写ベルトユニット13は、本発明における「像担持体ユニット」の一具体例に対応している。
【0032】
ここで、図2は、この中間転写ベルトユニット13の外観構成例を斜視図で表したものである。また、図3は、図2に示した中間転写ベルトユニット13の断面構成例(X−Y断面構成例)を表したものである。
【0033】
図1図3に示したように、中間転写ベルトユニット13は、中間転写ベルト131、ドライブローラ132a、アイドルローラ132b、1次転写ローラ133、2次転写対向ローラ134、搬送ローラ135およびクリーニング機構136を有している。
【0034】
中間転写ベルト131は、その表面に、上記したように、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kにより形成された各色のトナー像が1次転写されるベルトである。換言すると、中間転写ベルト131の表面には、そのような各色のトナー像が一時的に担持されるようになっている。この中間転写ベルト131は、図1および図3に示したように、ドライブローラ132a、アイドルローラ132bおよび2次転写対向ローラ134によって懸架されている。また、中間転写ベルト131は、ドライブローラ132a、アイドルローラ132bおよび搬送ローラ135によって、図1中に示した搬送方向d1に沿って回転移動するように搬送されるようになっている。このようにして中間転写ベルト131の表面に1次転写された各色のトナー像は、詳細は後述するが、転写対象としての記録媒体120上に2次転写されるようになっている。なお、この中間転写ベルト131は、本発明における「像担持体」の一具体例に対応している。
【0035】
ドライブローラ(駆動ローラ)132aは、図示しないモータに接続されており、このモータによって回転駆動されることで、中間転写ベルト131を回転移動(回周)させるようになっている。アイドルローラ(従動ローラ)132bは、スプリングを用いて中間転写ベルト131に張力を付与することで、この中間転写ベルト131を懸架するようになっている。
【0036】
1次転写ローラ133は、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11K内で形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト131上に静電的に転写(1次転写)するための部材である。この1次転写ローラ133は、図1および図3に示したように、中間転写ベルト131を介して、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11K内の感光ドラム111とそれぞれ対向配置されている。なお、このような1次転写ローラ133は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。
【0037】
2次転写対向ローラ134は、図1および図3に示したように、後述する2次転写ローラ14に対向配置されており、この2次転写ローラ14とともに、中間転写ベルト131上に1次転写された各色のトナー像を記録媒体120上に2次転写するための部材である。
【0038】
搬送ローラ135は、上記したように、中間転写ベルト131が回転移動するように搬送するための部材である。
【0039】
クリーニング機構136は、図1および図3に示したように、中間転写ベルト131を介してドライブローラ132aと対向する位置に配置されている。このクリーニング機構136は、各色のトナー像が記録媒体120上に2次転写された後の中間転写ベルト131の表面に残留するトナー(残留トナー)を、この表面から取り除いてクリーニング(清掃)するための機構である。
【0040】
ここで、図4は、このようなクリーニング機構136の詳細構成例を断面図(X−Y断面図)で表したものである。また、図5および図6はそれぞれ、図4に示したクリーニング機構136の一部を抜き出して斜視図で示したものである。なお、図6に示した構成は、図5に示した構成から、便宜上、後述するシールフィルム20を省いたものに対応している。
【0041】
図4図6に示したように、クリーニング機構136は、シールフィルム20、クリーニングブレード21、ホルダ22、トナー蓄積部23、トナー供給ローラ24、余剰トナー搬送機構25およびスポンジ26a,26bを有している。
【0042】
ここで、クリーニングブレード21は本発明における「クリーニング部材」の一具体例に対応し、トナー蓄積部23は本発明における「蓄積部」の一具体例に対応し、トナー供給ローラ24は本発明における「供給部材」および「供給ローラ」の一具体例に対応する。また、余剰トナー搬送機構25は、本発明における「搬送機構」の一具体例に対応している。
【0043】
シールフィルム20は、後述するフレーム250上(後述するトナー供給ローラ24の前面)において、搬送される中間転写ベルト131と接触するように配置されている。このシールフィルム20は、例えば、ウレタンゴム素材等の柔軟な材料により構成されている。
【0044】
クリーニングブレード21は、上記したように、中間転写ベルト131の表面に残留する残留トナーを掻き取って取り除くための部材である。このクリーニングブレード21は、図4に示したように、中間転写ベルト131の表面に対してカウンタで接触(当接)する(中間転写ベルト131の搬送方向d1に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。このようにしてクリーニングブレード21が中間転写ベルト131の表面に接触することで、中間転写ベルト131上の残留トナーが掻き取られて除去されるようになっている。このようなクリーニングブレード21は、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
【0045】
ホルダ22は、図4に示したように、クリーニングブレード21を保持しておく(取り付けておく)ための部材であり、後述するフレーム250上に固定されている。具体的には、このホルダ22上にクリーニングブレード21が貼り付いていることで、クリーニングブレード21が保持されているようになっている。
【0046】
トナー蓄積部23は、図4に示したように、クリーニングブレード21の下方、具体的には、クリーニングブレード21と中間転写ベルト131との接触部(当接部)の下方に配置されている。このトナー蓄積部23は、詳細は後述するが、クリーニングブレード21により取り除かれた残留トナーを蓄積(収容,堆積)しておく部分である。なお、このトナー蓄積部23には、後述するように、画像形成装置1の使用開始前等にトナーが予め蓄積されているようにしてもよい。
【0047】
トナー供給ローラ24は、図4に示したように、トナー蓄積部23内に収容されるように配置されると共に、中間転写ベルト131を介してドライブローラ132aと対向する位置に配置されている。また、トナー供給ローラ24は、図6に示したように、中間転写ベルトの幅方向(この例ではZ軸方向)に沿って延在するように配置されている。このトナー供給ローラ24は、その延在方向の両端部に設けられた、図示しない軸受けおよびばねによって中間転写ベルト131に付勢されることで、図4に示した回転方向d3にて回転する(中間転写ベルト131の搬送動作に追従して回転する)ようになっている。したがって、トナー供給ローラ24自体への回転駆動力(専用のモータ等)が不要となっている。このトナー供給ローラ24は、詳細は後述するが、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナーを中間転写ベルト131の表面に供給するための部材である。なお、このようなトナー供給ローラ24(の表面)は、例えば、ゴム素材またはスポンジ素材等の弾性体により構成されている。
【0048】
余剰トナー搬送機構25は、詳細は後述するが、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナーのうちの余剰分(余剰トナー)を、中間転写ベルトユニット13の外部へ向けて搬送するための機構である。この余剰トナー搬送機構25は、図4図6に示したように、フレーム250、余剰トナー搬送路251、搬送スパイラル252およびトナー排出口253を有している。
【0049】
ここで、余剰トナー搬送路251は本発明における「搬送路」の一具体例に対応し、搬送スパイラル252は本発明における「搬送部材」および「螺旋状構造体」の一具体例に対応し、トナー排出口253は本発明における「排出口」の一具体例に対応している。
【0050】
フレーム250は、中間転写ベルトユニット13の一部として設けられた枠体である。
【0051】
余剰トナー搬送路251は、図5および図6に示したように、フレーム250の長手方向(中間転写ベルト131の幅方向,トナー供給ローラ24の延在方向:この例ではZ軸方向)に沿って延在するように設けられている。また、図4に示したように、この余剰トナー搬送路251とトナー蓄積部23との間には、トナー蓄積部23を低部(低部側領域)とすると共に余剰トナー搬送路251を高部(高部側領域)とする段差部Sが設けられている。換言すると、余剰トナー搬送路251の底面は、トナー蓄積部23の底面よりも一段高い位置となるように設定されている。このような余剰トナー搬送路251には、詳細は後述するが、その延在方向(Z軸方向)に沿って、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナーのうちの余剰分(余剰トナー)が搬送されるようになっている。
【0052】
搬送スパイラル252は、図5および図6に示したように、余剰トナー搬送路251(フレーム250の長手方向)に沿って延在するように配置されている。この搬送スパイラル252は、図示しないモータにギアを介して接続されることで、図4に示したように、回転方向d4にて回転可能となっている(上記モータに回転駆動されるようになっている)。なお、このモータは、例えば、前述したドライブローラ132aを回転駆動するモータと同一となっている。このような搬送スパイラル252は、例えば鉄製の螺旋状構造体(自身の延在方向に沿った螺旋状)となっており、上記した余剰トナーを余剰トナー搬送路251に沿って搬送するための部材である。
【0053】
トナー排出口253は、搬送スパイラル252により搬送された余剰トナーを中間転写ベルトユニット13の外部へ排出するための開口である。このトナー排出口253は、この例では図5および図6に示したように、フレーム250における一方の端部付近(中間転写ベルト131の搬送方向d1に沿って見たときの右側の端部付近)に形成されている。
【0054】
スポンジ26a,26bはそれぞれ、中間転写ベルト131を介してドライブローラ132aに当接するように配置されており、残留トナーの漏れ(クリーニング機構136の外部への漏れ)を防止するための部材である。このようなスポンジ26a,26bは、この例では図5および図6に示したように、フレーム250の両端部付近に配置されている。
【0055】
なお、図4中に示したオーバーラップ量ΔXは、クリーニングブレード21の先端とトナー蓄積部23の端部との間のずれ量(後述する残留トナーの落下時の蓄積余裕度)を表しており、例えばΔX=1.8mm程度である。また、図4中に示したオーバーラップ量ΔYは、前述した余剰トナー搬送路251の底面とトナー蓄積部23の底面との間の段差部Sにおける段差量(段差部Sの高さ)を表しており、例えばΔY=4.4mm程度である。
【0056】
(2次転写ローラ14)
図1および図3に示した2次転写ローラ14は、前述した2次転写対向ローラ134に対向配置されており、この2次転写対向ローラ134とともに、中間転写ベルト131上に1次転写された各色のトナー像を記録媒体120上に静電的に転写(2次転写)するための部材である。なお、このような2次転写ローラ14は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。
【0057】
(定着器15)
図1に示した定着器15は、上記した2次転写がなされた後に搬送路d2に沿って搬送された記録媒体120上のトナー(トナー像)に対し、熱および圧力を付与することでそのトナーを定着させるための装置である。この定着器15は、例えば、記録媒体120の搬送路d2を介して互いに対向配置された、定着ベルトユニットおよび加圧ローラ(図示せず)を含んで構成されている。なお、定着器15は、例えば、画像形成装置1に対して一体的に装着されているか、あるいは、画像形成装置1に対して着脱可能に装着されている。
【0058】
図1に示した搬送ローラ対16a,16b,16cはそれぞれ、定着器15によってトナーが定着された記録媒体120を、排出ローラ対17側へ搬送する部材である。また、図1に示した排出ローラ対17は、搬送ローラ対16a,16b,16cによって搬送された記録媒体120を外部(載置部18)へ向けて排出する部材である。具体的には、この例では図1に示したように、筺体10の上部カバー(図示せず)上の載置部18へ向けて、記録媒体120がフェースダウンにて排出されるようになっている。なお、この載置部18は、画像が形成(印刷)された記録媒体120が載置される部分である。
【0059】
[作用・効果]
(A.画像形成装置1全体の基本動作)
この画像形成装置1では、以下のようにして、記録媒体120に対して画像(画像層)が形成される。換言すると、通信回線等を介して印刷制御部(図示せず)に対して印刷ジョブが供給されると、印刷制御部はこの印刷ジョブに基づいて、画像形成装置1内の各部材が以下のような動作を行うように、印刷処理を実行する。
【0060】
すなわち、図1に示したように、まず、用紙トレイ121Aまたは用紙トレイ121Bに収納されている記録媒体120が、以下のようにして、搬送路d2へと搬送される。すなわち、ピックアップローラ122Aおよび分離ローラ対123A、または、ピックアップローラ122Bおよび分離ローラ対123Bによって、記録媒体120がその最上部から1枚ずつ分離して取り出される。そして、取り出された記録媒体120は、搬送ローラ対124a,124b,124cによってその斜行が修正された後、搬送路d2を2次転写ローラ14側へ搬送される。
【0061】
一方、画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kではそれぞれ、上記した印刷ジョブに基づいて、以下の電子写真プロセスによって、各色のトナー像が形成される。
【0062】
すなわち、まず、感光ドラム111は、高圧発生部(図示せず)から印加電圧が供給される帯電ローラ112によって、その表面(表層部分)が一様に帯電させられる。次いで、この感光ドラム111の表面に向けて露光ヘッド117から照射光が照射されて露光されることで、前述した印刷ジョブにより規定される印刷パターンに応じた静電潜像が、感光ドラム111上に形成される。
【0063】
一方、高圧発生部から印加電圧が供給される供給ローラ114は、同じく高圧発生部から印加電圧が供給される現像ローラ113と当接し、供給ローラ114および現像ローラ113はそれぞれ、所定の周速度にて回転する。これにより、現像ローラ113の表面に、供給ローラ114からトナーが供給される。
【0064】
続いて、現像ローラ113上のトナーは、この現像ローラ113に当接しているトナー規制部材(図示せず)との摩擦等により帯電される。ここで、現像ローラ113上のトナー層の厚は、現像ローラ113に対する印加電圧、供給ローラ114に対する印加電圧、およびトナー規制部材の押し圧力(上記トナー規制部材に対する印加電圧)等により定まる。
【0065】
また、現像ローラ113は感光ドラム111に当接しているため、この現像ローラ113に対して高圧発生部から印加電圧が供給されることで、感光ドラム111上の静電潜像に対して、現像ローラ113からトナーが付着される。
【0066】
その後、この感光ドラム111上のトナー(トナー像)は、中間転写ベルトユニット13内の1次転写ローラ133との間の電界によって、中間転写ベルト131上に転写(1次転写)される。なお、この感光ドラム111の表面に残留したトナーは、クリーニングブレード116によって掻き取られて転写ベルトクリーナ容器(図示せず)に収容されることで、除去される。
【0067】
このようにして、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kにおいて各色のトナー像が形成され、前述した搬送方向d1に沿って、中間転写ベルト131上に順次1次転写される。
【0068】
次いで、前述したようにして搬送路d2を搬送される記録媒体120には、以下のようにして、この中間転写ベルト131上のトナー像が転写(2次転写)される。具体的には図1に示したように、2次転写ローラ14と中間転写ベルトユニット13内の2次転写対向ローラ134との間に、中間転写ベルト131および記録媒体120が搬送されることで、この中間転写ベルト131上のトナー像が記録媒体120上に2次転写される。
【0069】
続いて、図1に示したように、2次転写ローラ14側から搬送された記録媒体120上のトナーが、定着器15によって熱および圧力が付与されることで、記録媒体120上に定着させられる。具体的には、搬送路d2を搬送されている記録媒体120が、例えば定着ベルト(図示せず)と加圧ローラ(図示せず)との間に形成されるニップ部(図示せず)に挟まれつつ熱および圧力が付与されることで、定着動作がなされる。
【0070】
そして、このようにして定着動作がなされた記録媒体120は、図1に示したように、搬送ローラ対16a,16b,16cおよび排出ローラ対17を介して、画像形成装置1の外部(この例では載置部18上)へと排出される。以上により、画像形成装置1における画像形成動作が完了となる。
【0071】
(B.クリーニング機構136の動作)
ここで、このような画像形成動作の際に、図1図3図4に示した、中間転写ベルトユニット13内のクリーニング機構136は、以下のようにして動作する。
【0072】
すなわち、まず、例えば図7に示したように、ドライブローラ132a等によって搬送される中間転写ベルト131の表面には、残留トナー31(記録媒体120上に2次転写されずに残ったトナーや、画像調整用のトナーなど)が付着された状態となっている場合がある。このとき、この残留トナー31がクリーニング機構136内のシールフィルム20に接触しても、このシールフィルム20はコシが弱く柔軟な部材であることから、残留トナー31は除去されない(シールフィルム20によっては掻き取られない)。つまり、図7に示したように、残留トナー31が表面に付着したまま、中間転写ベルト131が引き続き搬送されることになる。なお、このときの残留トナー31が、本発明における「残留現像剤」の一具体例に対応している。
【0073】
次いで、中間転写ベルト131の表面の残留トナー31が、クリーニングブレード21との接触部分(当接部分)に到達すると、例えば図7に示したように、その残留トナー31がクリーニングブレード21によって掻き取られる。このようにしてクリーニングブレード21が中間転写ベルト131の表面に接触することで、この中間転写ベルト131の表面に残留する残留トナー31が取り除かれ、中間転写ベルト131の表面のクリーニング動作がなされることになる。
【0074】
このとき、例えば図8中の矢印d5で示したように、クリーニングブレード21によって掻き取られた(取り除かれた)残留トナー31は、このクリーニングブレード21と中間転写ベルト131との接触部分から下方へ落下する。すると、この接触部分の下方にはトナー蓄積部23が設けられているため、例えば図8および図9に示したように、このトナー蓄積部23に、落下した残留トナー31が蓄積(堆積)される(残留トナー31の蓄積動作がなされる)ことになる。
【0075】
(比較例)
ここで、トナーは一般に、クリーニングブレードと転写ベルトとの間の潤滑剤として機能することが知られている。そこで、上記のようにしてトナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31を中間転写ベルト131の表面に供給する(付着させる)ことで、クリーニングブレード21の長寿命化を図る手法が考えられる。
【0076】
ところが、以下説明するように、トナー蓄積部に蓄積された残留トナーを、そのまま(直接)中間転写ベルトの表面に供給する場合(仮想構成例としての比較例では)、例えば、以下の(a)〜(d)の問題点が生じ得る。
【0077】
(a)中間転写ベルトの表面に1次転写されるトナー像の内容(印字パターン)に応じて、残留トナーの量が変化する(残留トナーがほとんど存在しないケースもあり得る)ことから、残留トナーを中間転写ベルトの表面に安定的に供給するのが困難である。
(b)画像形成装置(中間転写ベルトユニット)の使用開始時等(使用時の振動後なども)には、蓄積された残留トナーがほとんど存在しなかったりするため、このようなケースでも、残留トナーを中間転写ベルトの表面に安定的に供給するのが困難となる。
(c)記録媒体として例えば紙粉を多く含む媒体を使用した場合、クリーニングブレードによって残留トナーとともに掻き取られた紙粉の量が多くなると(トナー蓄積部に紙粉が局所的に蓄積されると)、いわゆる「トナーすり抜け」という不具合が生じ得る。つまり、そのような局所的に蓄積された大量の紙粉が中間転写ベルトの表面に供給されると、クリーニングブレードと中間転写ベルトとの接触部分に詰まったりする。すると、本来取り除かれるべき残留トナーが、この接触部分において掻き取られず、クリーニングブレードをすり抜けてしまうという現象が生じ得ることになる。また、このような紙粉が詰まったりすると、クリーニングブレードに傷が付いたりして、破損の原因にもなってしまう。
(d)残留トナーが溜まり過ぎた場合、クリーニングブレードと中間転写ベルトとの接触部分において、残留トナーによる圧力上昇に起因して、上記(c)と同様に、「トナーすり抜け」が生じてしまったり、クリーニングブレードを傷付けたりすることが生じ得る。
【0078】
(本実施の形態の作用)
そこで本実施の形態のクリーニング機構136では、例えば図4および図7に示したように、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31を中間転写ベルト131の表面に供給するためのトナー供給ローラ24が設けられている。このようなトナー供給ローラ24が、トナー蓄積部23内で中間転写ベルト131に接触しながら連れ回って回転することで、以下のようになる。
【0079】
すなわち、例えば図8に示したように、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31が、トナー供給ローラ24の表面に常に接触して付着するとともに、トナー蓄積部23内で撹拌されながら、中間転写ベルト131の表面に再度付着することになる。なお、この際に、トナー供給ローラ24の表面が弾性体により構成されている場合には、このトナー供給ローラ24の表面が中間転写ベルト131の表面に均一(略均一)に接触することになり、残留トナー31が再付着するときの付着ムラが抑えられる。
【0080】
したがって本実施の形態では、上記比較例とは異なり、上記(a)のように、中間転写ベルト131の表面に1次転写されるトナー像の内容(印字パターン)に応じて、残留トナー31の量が変動する場合(残留トナー31がほとんど存在しないケース)でも、以下のようになる。すなわち、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31が、トナー供給ローラ24によって中間転写ベルト131の表面に安定的に供給されるようになる結果、前述したトナーの潤滑剤としての作用により、クリーニングブレード21の長寿命化が図られることになる。
【0081】
また、例えば図7に示したように、画像形成装置1の使用開始前等にトナー蓄積部23にトナーが予め蓄積されているようにした場合には、以下のようになる。すなわち、トナー蓄積部23に予め蓄積されたトナーが、トナー供給ローラ24によって中間転写ベルト131の表面に供給されることで、そのような使用開始時等であっても、上記比較例での(b)とは異なり、トナーが安定的に供給されるようになる。その結果、クリーニングブレード21への初期的なダメージが防止され、クリーニングブレード21の更なる長寿命化が図られることになる。
【0082】
更に、本実施の形態では、上記(c)で説明したように、記録媒体120として例えば紙粉を多く含む媒体を使用した場合にも、以下のようになる。すなわち、残留トナー31とともにトナー蓄積部23に蓄積された紙粉の量が多い場合(トナー蓄積部23に紙粉が局所的に蓄積された場合)であっても、トナー供給ローラ24によってそのような紙粉も撹拌されるため、紙粉の局所的な蓄積が防止される。その結果、上記したような、「トナーすり抜け」という不具合の発生が回避され、これに起因したクリーニングブレード21への傷付けも防止されることから、この点でもクリーニングブレード21の更なる長寿命化が図られることになる。
【0083】
また、本実施の形態のクリーニング機構136には、例えば図4に示したように、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31のうちの余剰分(余剰トナー)を外部へ向けて搬送するための搬送機構25が更に設けられている。
【0084】
これにより、例えば図10に示したようにして、そのような余剰トナーの外部への搬送動作がなされることになり、上記(d)で説明したような、トナー蓄積部23における残留トナー31の溜まり過ぎが防止される。
【0085】
具体的には、まず、例えば図10中の矢印d6で示したように、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31の量が増加し、段差部Sの高さ(余剰トナー搬送路251の底面)まで到達すると、以下のようになる。すなわち、蓄積された残留トナー31の余剰分(余剰トナー32)が、この段差部Sを乗り越えて、余剰トナー搬送路251(余剰トナー搬送機構25)側へ(自動的に)移動することになる。なお、このときの余剰トナー32が、本発明における「余剰現像剤」の一具体例に対応する。
【0086】
すると、この余剰トナー搬送路251において搬送スパイラル252が回転することで、例えば図11中の矢印d7に示したように、この搬送スパイラル252に接触した余剰トナー32が余剰トナー搬送路251に沿って搬送される。そして、このようにして搬送された余剰トナー32がトナー排出口253から外部に排出されることで、トナー蓄積部23に蓄積される残留トナー31の量が一定量以下に制限されることになる。したがって、上記したように、トナー蓄積部23における残留トナー31の溜まり過ぎが防止される結果、上記比較例における(d)とは異なり、残留トナー31による圧力上昇に起因した「トナーすり抜け」の発生やクリーニングブレード21への傷付けも防止される。これにより、クリーニングブレード21の更なる長寿命化が図られる。
【0087】
以上のように本実施の形態では、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31を中間転写ベルト131の表面に供給するためのトナー供給ローラ24を設けるようにしたので、中間転写ベルト131の表面に残留する残留トナー31の量が変動したとしても、蓄積された残留トナー31を、中間転写ベルト131の表面に安定的に供給することができる。よって、トナーの潤滑剤としての機能を利用して、クリーニングブレード21の摩耗や「メクレ」を防止することができ、例えば上記比較例の手法と比べ、クリーニングブレード21の長寿命化を図ることが可能となる。
【0088】
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜5)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0089】
[変形例1]
(A.構成)
図12(A)および図12(B)はそれぞれ、変形例1に係るクリーニング機構(クリーニング機構136A)の要部構成例を表したものである。具体的には、図12(A)は、このクリーニング機構136Aの要部における外観構成例を斜視図で表したものである。また、図12(B)は、図12(A)中に示した、後述するトナー供給ローラ24Aの詳細構成例を表したものである。
【0090】
本変形例のクリーニング機構136Aは、図12(A)および図12(B)に示したように、実施の形態で説明したクリーニング機構136において、トナー供給ローラ24の代わりに以下説明するトナー供給ローラ24Aを設けたものに対応しており、他の構成は同様となっている。なお、このトナー供給ローラ24Aは、本発明における「供給部材」および「供給ローラ」の一具体例に対応している。
【0091】
トナー供給ローラ24Aは、例えば図12(B)に示したように、トナー供給ローラ24において、その延在方向に沿って螺旋状の溝部240が形成されたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。このような螺旋状の溝部240が形成されていることで、詳細は後述するが、以下のようになる。すなわち、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31が、中間転写ベルト131の表面に供給されつつ、トナー蓄積部23の長手方向(中間転写ベルト131の幅方向:この例ではZ軸方向)に沿って搬送される(自動的に移動する)ようになっている。
【0092】
(B.動作)
このクリーニング機構136Aは、上記したトナー供給ローラ24Aを用いて、例えば以下のようにして動作する。ここでは、1次転写前における中間転写ベルト131上での印刷パターン範囲が、この中間転写ベルト131の幅方向(Z軸方向)における中央領域付近、左側領域付近、右側領域付近である場合の各々について、クリーニング機構136Aの動作例を説明する。
【0093】
なお、ここで言う「左」および「右」とは、中間転写ベルト131の搬送方向d1に沿って見たときの方向を意味しており、以下同様である。また、クリーニング機構136Aにおける基本的な動作については、クリーニング機構136における動作と同様であるため、その説明を省略する。
【0094】
(印刷パターン範囲:中央領域付近の場合)
まず、図13A図13Dはそれぞれ、上記した印刷パターン範囲が中間転写ベルト131の幅方向における中央領域付近であるときの、クリーニング機構136Aの動作例を模式的に表したものである。
【0095】
この場合、まず、例えば図13Aおよび図13Bに示したように、中間転写ベルト131の中央領域付近の表面に残留する残留トナー31が、クリーニングブレード21によって掻き取られ、トナー蓄積部23の幅方向の中央領域付近に蓄積される。そして、このトナー蓄積部23の中央領域付近に蓄積された残留トナー31が、トナー供給ローラ24Aによって、中間転写ベルト131の中央領域付近の表面に供給される。
【0096】
また、このとき例えば図13Cに示したように、図13Aに示した左側領域付近では、中間転写ベルト131の表面には残留トナー31が存在しない。ただし、例えば図13Aに示したように、トナー供給ローラ24Aの表面に螺旋状の溝部240が形成されていることで、以下のようになる。すなわち、図13A中の矢印d8aに示したように、トナー蓄積部23の中央領域付近に蓄積された残留トナー31が、上記したように中間転写ベルト131の中央領域付近の表面に供給されつつ、トナー蓄積部23内においてその左側へ向けて徐々に搬送される(移動する)。また、この左側領域付近にはトナー排出口253は設けられていないため、例えば図13Aおよび図13Cに示したように、トナー蓄積部23の左側領域付近に蓄積された残留トナー31の余剰分(余剰トナー32)が、余剰トナー搬送路251へと移動する。すると、この余剰トナー搬送路251に搬送された余剰トナー32が、例えば図13A中の矢印d8bで示したように、搬送スパイラル252によって余剰トナー搬送路251の右側領域付近へと搬送される。そして、例えば図13Aに示したように、この右側領域の端部に設けられたトナー排出口253から、余剰トナー32の一部が外部へと排出される。
【0097】
このとき、例えば図13Dに示したように、図13Aに示した右側領域付近では、上記した左側領域付近と同様に、中間転写ベルト131の表面には残留トナー31が存在しない。ただし、例えば図13Aおよび図13Dに示したように、搬送スパイラル252によって搬送されてきた余剰トナー31の一部が、余剰トナー搬送路251からトナー蓄積部23へと落下し、このトナー蓄積部23の右側領域付近に蓄積されることになる。
【0098】
(印刷パターン範囲:左側領域付近の場合)
次いで、図14A図14Cはそれぞれ、上記した印刷パターン範囲が中間転写ベルト131の幅方向における左側領域付近であるときの、クリーニング機構136Aの動作例を模式的に表したものである。
【0099】
この場合、まず、例えば図14Aおよび図14Bに示したように、中間転写ベルト131の左側領域付近の表面に残留する残留トナー31が、クリーニングブレード21によって掻き取られ、トナー蓄積部23の幅方向の左側領域付近に蓄積される。そして、このトナー蓄積部23の左側領域付近に蓄積された残留トナー31が、トナー供給ローラ24Aによって、中間転写ベルト131の左側領域付近の表面に供給される。
【0100】
また、このとき例えば図14Cに示したように、図14Aに示した中央領域付近および右側領域付近ではそれぞれ、中間転写ベルト131の表面には残留トナー31が存在しない。ただし、例えば図14Aに示したように、トナー供給ローラ24Aの表面に螺旋状の溝部240が形成されていることで、以下のようになる。すなわち、図14A中の矢印d9aに示したように、トナー蓄積部23の左側領域付近に蓄積された残留トナー31が、上記したように中間転写ベルト131の左側領域付近の表面に供給されつつ、トナー蓄積部23内においてその左側へ向けて徐々に搬送される。また、この左側領域付近にはトナー排出口253は設けられていないため、例えば図14Aおよび図14Bに示したように、トナー蓄積部23の左側領域付近に蓄積された残留トナー31の余剰分(余剰トナー32)が、余剰トナー搬送路251へと移動する。すると、この余剰トナー搬送路251に搬送された余剰トナー32が、例えば図14A中の矢印d9bで示したように、搬送スパイラル252によって余剰トナー搬送路251の中央領域付近および右側領域付近へと搬送される。そして、例えば図14Aに示したように、この右側領域の端部に設けられたトナー排出口253から、余剰トナー32の一部が外部へと排出される。
【0101】
また、このとき例えば図13Aおよび図13Cに示したように、搬送スパイラル252によって搬送されてきた余剰トナー31の一部が、余剰トナー搬送路251からトナー蓄積部23へと落下し、このトナー蓄積部23の中央領域付近および右側領域付近にそれぞれ蓄積されることになる。
【0102】
(印刷パターン範囲:右側領域付近の場合)
続いて、図15A図15Dはそれぞれ、上記した印刷パターン範囲が中間転写ベルト131の幅方向における右側領域付近であるときの、クリーニング機構136Aの動作例を模式的に表したものである。
【0103】
この場合、まず、例えば図15Aおよび図15Bに示したように、中間転写ベルト131の右側領域付近の表面に残留する残留トナー31が、クリーニングブレード21によって掻き取られ、トナー蓄積部23の幅方向の右側領域付近に蓄積される。そして、このトナー蓄積部23の右側領域付近に蓄積された残留トナー31が、トナー供給ローラ24Aによって、中間転写ベルト131の右側領域付近の表面に供給される。
【0104】
また、このとき例えば図15Cに示したように、図15Aに示した中央領域付近では、中間転写ベルト131の表面には残留トナー31が存在しない。ただし、例えば図15Aに示したように、トナー供給ローラ24Aの表面に螺旋状の溝部240が形成されていることで、以下のようになる。すなわち、図15A中の矢印d10aに示したように、トナー蓄積部23の右側領域付近に蓄積された残留トナー31が、上記したように中間転写ベルト131の右側領域付近の表面に供給されつつ、トナー蓄積部23内においてその左側へ向けて徐々に搬送される(移動する)。
【0105】
更に、このとき例えば図15Dに示したように、図15Aに示した左側領域付近においても、上記した中央領域付近と同様に、中間転写ベルト131の表面には残留トナー31が存在しない。ただし、上記したようにしてトナー蓄積部23内でその左側へ向けて徐々に残留トナー31が搬送されてくると共に、この左側領域付近にはトナー排出口253が設けられていないため、以下のようになる。すなわち、例えば図15Aおよび図15Dに示したように、トナー蓄積部23の左側領域付近に蓄積された残留トナー31の余剰分(余剰トナー32)が、余剰トナー搬送路251へと移動する。すると、この余剰トナー搬送路251に搬送された余剰トナー32が、例えば図15A中の矢印d10bで示したように、搬送スパイラル252によって余剰トナー搬送路251をその右側へ向けて搬送される。そして、例えば図15Aに示したように、右側領域の端部に設けられたトナー排出口253から、余剰トナー32の一部が外部へと排出される。
【0106】
また、このとき例えば図15Aおよび図15Cに示したように、搬送スパイラル252によって搬送されている余剰トナー31の一部が、中央領域付近において余剰トナー搬送路251からトナー蓄積部23へと落下し、このトナー蓄積部23の中央領域付近に蓄積されることになる。
【0107】
(C.作用・効果)
このようにして本変形例のクリーニング機構136Aでは、トナー供給ローラ24Aの表面における螺旋状の溝部240によって、中間転写ベルト131の幅方向に沿って残留トナー31が搬送される。また、搬送スパイラル252によって、余剰トナー搬送路251に沿って、すなわち、中間転写ベルト131の幅方向に沿って余剰トナー32が搬送され、その一部がトナー排出口253から外部へ排出される。つまり、上記した印刷パターン範囲が、中間転写ベルト131の幅方向のいずれの領域に存在する場合であっても、その領域には依存せず、この幅方向いずれの領域においても残留トナー31および余剰トナー32が存在することになり、トナーの入れ替わりが随時発生することになる。なお、このようなトナーの入れ替わり動作の制御(トナーの移動制御)には、専用の駆動機構は必要とせず、元々設けられている中間転写ベルトユニット13における駆動機構を利用した回転駆動力のみで実現される。
【0108】
したがって本変形例では、トナー供給ローラ24Aの表面に螺旋状の溝部240が形成されていない場合に生じ得る、以下の問題点を解消することが可能となる。
【0109】
すなわち、まず、例えば記録媒体120が超長尺紙である場合、同一の印字パターンが長時間連続で印刷されることがあるため、上記した螺旋状の溝部240が形成されていないと、トナー蓄積部23の長手方向の場所によって、蓄積された残留トナー31の入れ替わり頻度に差が生じることになる。つまり、印字パターンが存在することによって、中間転写ベルト131の幅方向のうち、その表面に残留トナー31が存在することになる領域では、残留トナー31がトナー蓄積部23にどんどん蓄積されていくため、余剰トナー32も多く発生する。
【0110】
一方で、印字パターンが存在しないことによって、中間転写ベルト131の幅方向のうち、その表面に残留トナー31が(ほとんど)存在しないことになる領域では、残留トナー31がトナー蓄積部23にほとんど蓄積されず、余剰トナー32もほとんど発生しないことになる。このように余剰トナー32がほとんど発生しない領域では、トナーの入れ替わりもほとんど発生しないことから、蓄積されているトナー(残留トナー31)が経時的に劣化してしまう(トナーの鮮度が低下する)ことになる。このようにしてトナーが劣化すると、例えば、トナーの粒径が小さくなったり(小径化)、トナーの形状が球形状ではなく歪んだ形状となってしまったり、外添材の割合が減少してトナーの流動性が低下してしまったりなどする。このような現象は、いずれも、前述した「トナーすり抜け」等の不具合の発生要因となる。
【0111】
これに対して本変形例では、上記したように、トナー供給ローラ24Aの表面に螺旋状の溝部240が形成されていることにより、記録媒体120が超長尺紙であって同一の印字パターンが長時間連続で印刷される場合であっても、そのような問題点が解消される。すなわち、印刷パターン範囲が中間転写ベルト131の幅方向のいずれの領域に存在する場合であっても、その領域には依存せず、この幅方向のいずれの領域においても、トナーの入れ替わりが随時発生する。したがって、トナー蓄積部23に蓄積されているトナー(残留トナー31)の経時的な劣化(トナーの鮮度低下)が抑制される結果、前述した「トナーすり抜け」等の不具合が防止され、クリーニングブレード21の更なる長寿命化を図ることが可能となる。
【0112】
[変形例2]
(A.構成)
図16(A)および図16(B)はそれぞれ、変形例2に係るクリーニング機構(クリーニング機構136B)の要部構成例を表したものである。具体的には、図16(A)は、このクリーニング機構136Bの要部における外観構成例を上面図で表したものである。また、図16(B)は、図16(A)中に示した、後述するトナー供給ローラ24Bの詳細構成例を表したものである。
【0113】
本変形例のクリーニング機構136Bは、図16(A)および図16(B)に示したように、実施の形態で説明したクリーニング機構136において、以下のようにしたものに対応している。すなわち、トナー供給ローラ24および搬送スパイラル252の代わりに、以下説明するトナー供給ローラ24Bおよび搬送スパイラル252a,252bをそれぞれ設けると共に、トナー排出口253の形成位置を変更したものに対応しており、他の構成は同様となっている。
【0114】
なお、トナー供給ローラ24Bは、本発明における「供給部材」および「供給ローラ」の一具体例に対応している。また、搬送スパイラル252aは本発明における「第1の構造体」の一具体例に対応しており、搬送スパイラル252bは本発明における「第2の構造体」の一具体例に対応している。
【0115】
トナー供給ローラ24Bは、図16(B)に示したように、トナー供給ローラ24において、変形例1のトナー供給ローラ24Aと同様に、螺旋状の溝部240a,240bが形成されたものに対応している。ただし、このトナー供給ローラ24Bではトナー供給ローラ24Aとは異なり、その延在方向(Z軸方向)に沿って、互いに螺旋方向が異なる2つの領域A1,A2が設けられている。
【0116】
具体的には図16(B)に示したように、領域A1では、形成された溝部240aにおける螺旋方向が、方向d11a(+Z方向)となっている。一方、領域A2では、形成された溝部240bにおける螺旋方向が、この方向d11aとは反対方向(逆方向)である、方向d11b(−Z方向)となっている。なお、これらの方向d11a,d11bはそれぞれ、本発明における「第1の方向」および「第2の方向」の一具体例に対応している。また、領域A1,A2はそれぞれ、本発明における「第1の領域」および「第2の領域」の一具体例に対応している。
【0117】
搬送スパイラル252aは、図16(A)に示したように、上記した領域A1と対向する領域に配置されており、搬送スパイラル252と同様に螺旋状構造体となっている。そして、この搬送スパイラル252aにおける螺旋方向が、上記した方向d11bと同じ方向である、方向d13a(−Z方向)となっている。
【0118】
一方、搬送スパイラル252bは、図16(A)に示したように、上記した領域A2と対向する領域に配置されており、搬送スパイラル252と同様に螺旋状構造体となっている。そして、この搬送スパイラル252bにおける螺旋方向が、上記した方向d11aと同じ方向である、方向d13b(+Z方向)となっている。
【0119】
トナー排出口253は、本変形例では図16(B)に示したように、これらの搬送スパイラル252a,252bの間の領域(前述した中央領域付近)に配置されている。
【0120】
(B.作用・効果)
このような構成により本変形例のクリーニング機構136Bでは、例えば図16(A)中の矢印d12a,d12bに示したように、トナー供給ローラ24Bによって、その中央領域付近から各端部(左側領域および右側領域)へと、残留トナー31がそれぞれ搬送される。また、例えば図16(B)中の矢印(方向d13a,d13b)に示したように、このようにして左側領域および右側領域に搬送された残留トナー31の余剰分(余剰トナー32)が、搬送スパイラル252a,252bによってそれぞれ中央領域付近へと搬送される。そして、そのようにして中央領域付近へ搬送された余剰トナー32の一部が、この中央領域付近に配置されたトナー排出口253から外部へと排出される。
【0121】
このようにして本変形例では、トナー供給ローラ24Bにおける溝部240a,240bと搬送スパイラル252a,252bとの配置構造をそれぞれ左右対称にしたことにより、上記した変形例1と比較して、以下の効果を更に得ることが可能となる。すなわち、残留トナー31および余剰トナー32の搬送距離を短く(約1/2)することができると共に、上記したように左右対称の配置構造であることから、長手方向(Z軸方向)におけるこれらのトナー量の偏りを更に抑え、更なる均一化を図ることができる。よって、中間転写ベルト131の表面に、トナーを更に安定的に供給することができ、クリーニングブレード21の更なる長寿命化を図ることが可能となる。
【0122】
なお、トナー供給ローラ24Bにおける溝部240a,240bと搬送スパイラル252a,252bとの配置構造については、それぞれ図16(A),図16(B)に示したものには限られず、他の配置構造としてもよい。具体的には、例えば、それらの螺旋方向を互いに逆向きとしたうえで、左右対称の配置構造としてもよい。
【0123】
[変形例3]
図17は、変形例3に係る中間転写ベルトユニット13および感光ドラム111Cの外観構成例を斜視図で表したものである。本変形例の画像形成装置は、実施の形態の画像形成装置1において、感光ドラム111の代わりに以下説明する感光ドラム111Cを設けたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
【0124】
この感光ドラム111Cは、感光ドラム111における機能(中間転写ベルト131の表面のうちの転写対象領域A3に対してトナーを供給する機能)に加え、以下の機能を更に有している。すなわち、感光ドラム111Cは、中間転写ベルト131における表面のうちのトナー像(画像形成のための本来のトナー)が担持されない非転写対象領域A4に対して、ダミートナーを供給する機能を有している。このダミートナーは、クリーニング機構136に対して、潤滑剤として利用するために能動的に供給されるトナーである。なお、この例では、非転写対象領域A4のうちこのようなダミートナーが供給される領域を、ダミートナー供給領域A5として示している。
【0125】
ここで、感光ドラム111Cが、本発明における「ダミー供給機構」の一具体例に対応し、上記したダミートナーが、本発明における「ダミー現像剤」の一具体例に対応している。
【0126】
このような構成により本変形例では、実施の形態における効果に加え、例えば以下の効果も得ることが可能となる。すなわち、感光ドラム111Cによって非転写対象領域A4にダミートナーを供給することで、本来の画像形成(印刷)の邪魔にならずに、クリーニング機構136に対して能動的にトナー(ダミートナー)を供給することができるようになる。したがって、特に専用の部材等を追加することなく、潤滑剤として機能させるトナーの量を増加させることができ、残留トナー31の量がほとんど生じない厳しい条件(印刷パターン)の場合においても、中間転写ベルト131の表面にトナーを安定的に供給することができる。よって、本変形例では、クリーニングブレード21の更なる長寿命化を図ることが可能となる。
【0127】
なお、本変形例においても、クリーニング機構136の代わりに、変形例1,変形例2において説明したクリーニング機構136A,136Bを設けるようにしてもよい。
【0128】
[変形例4]
図18は、変形例4に係る画像形成装置(画像形成装置1D)の概略構成例を模式的に表したものである。本変形例の画像形成装置1Dは、図1に示した実施の形態の画像形成装置1において、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11K内にも、実施の形態で説明したクリーニング機構136を設けるようにしたものに対応し、他の構成は基本的に同様となっている。
【0129】
つまり、各画像形成部11W,11Y,11M,11C,11K内には、これまでに説明した各部材に加え、各色のトナー像を担持する感光ドラム111と、クリーニングブレード116と、トナー蓄積部23と、トナー供給ローラ24とを含むクリーニング機構136が、更に設けられている。したがって、本変形例では、中間転写ベルト131に加えて感光ドラム111が、本発明における「像担持体」の一具体例に対応し、クリーニングブレード21に加えてクリーニングブレード116が、本発明における「クリーニング部材」の一具体例に対応している。また、本変形例では、中間転写ベルトユニット13に加え、感光ドラム111と、クリーニングブレード116を含むクリーニング機構136とを含むユニットもまた、本発明における「像担持体ユニット」の一具体例に対応している。
【0130】
このような構成により本変形例では、実施の形態における効果に加え、例えば以下の効果も得ることが可能となる。すなわち、トナー供給ローラ24によって、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31を、感光ドラム111の表面に安定的に供給することができる。よって、トナーの潤滑剤としての機能を利用して、クリーニングブレード116の摩耗や「メクレ」を防止することができ、クリーニングブレード21に加えてクリーニングブレード116の長寿命化も図ることが可能となる。
【0131】
なお、本変形例においても、クリーニング機構136の代わりに、変形例1,変形例2において説明したクリーニング機構136A,136Bを設けるようにしてもよい。また、本変形例においても、感光ドラム111の代わりに、変形例3において説明した感光ドラム111Cを設けるようにしてもよい。
【0132】
[変形例5]
図19は、変形例5に係る画像形成装置(画像形成装置1E)の概略構成例を模式的に表したものである。本変形例の画像形成装置1Dは、これまでに説明した画像形成装置1,1D等とは異なり、以下説明するように、中間転写ベルトユニット13を介さずにトナー像を記録媒体120へ直接転写する、いわゆる直接転写方式の画像形成装置となっている。
【0133】
すなわち、本変形例の画像形成装置1Eには、図19に示したように、中間転写ベルトユニット13の代わりに、各色のトナー像を記録媒体120に直接転写するための転写ベルトユニット13E(直接転写ベルトユニット)が設けられている。この転写ベルトユニット13Eは、そのような直接転写をするための転写ベルト131Eおよび転写ローラ133Eと、ドライブローラ132aおよびアイドルローラ132bと、クリーニングブレード21とを含んで構成されている。クリーニングブレード21は、本変形例では、転写ベルト131Eの表面に残留する残留トナーを掻き取って取り除くための部材となっている。
【0134】
なお、この画像形成装置1Eの例では、用紙トレイ121B、ピックアップローラ122B、分離ローラ123A,123B、および搬送ローラ対124a,124b,124cが設けられていない。また、搬送ローラ対16a,16b,16cの代わりに、用紙ガイド161が設けられている。更に、5つの11W,11Y,11M,11C,11Kの代わりに、4つの画像形成部11Y,11M,11C,11Kが設けられていると共に、中間転写方式ではなく直接転写方式であることから、それらの配置順序が変更(逆)となっている。なお、図19中に示した矢印d15は、記録媒体120の搬送方向(搬送経路)を表している。
【0135】
ここで、本変形例の画像形成装置1Eでは、各画像形成部11Y,11M,11C,11K内に、これまでに説明した各部材に加え、各色のトナー像を担持する感光ドラム111と、クリーニングブレード116と、トナー蓄積部23と、トナー供給ローラ24とを含むクリーニング機構136が、更に設けられている。したがって本変形例では、感光ドラム111が本発明における「像担持体」の一具体例に対応し、クリーニングブレード116が本発明における「クリーニング部材」の一具体例に対応している。また、本変形例では、感光ドラム111と、クリーニングブレード116を含むクリーニング機構136とを含むユニットが、本発明における「像担持体ユニット」の一具体例に対応している。
【0136】
このような構成により本変形例では、例えば以下の効果を得ることが可能となる。すなわち、トナー供給ローラ24によって、トナー蓄積部23に蓄積された残留トナー31を、感光ドラム111の表面に安定的に供給することができる。よって、トナーの潤滑剤としての機能を利用して、クリーニングブレード116の摩耗や「メクレ」を防止することができ、クリーニングブレード116の長寿命化を図ることが可能となる。
【0137】
なお、本変形例においても、クリーニング機構136の代わりに、変形例1,変形例2において説明したクリーニング機構136A,136Bを設けるようにしてもよい。また、本変形例においても、感光ドラム111の代わりに、変形例3において説明した感光ドラム111Cを設けるようにしてもよい。更に、本変形例のクリーニングブレード21についても、上記したクリーニングブレード116を含むクリーニング機構136と同様の構成のクリーニング機構を適用するようにしてもよい。
【0138】
<3.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例をいくつか挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0139】
例えば、上記実施の形態等では、画像形成装置における各部材の構成(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、各部材におけるこれらの構成については、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態で説明した各種パラメータの値や大小関係等についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の値や大小関係に制御するようにしてもよい。
【0140】
また、例えば、上記実施の形態等では、クリーニング機構の構成例を具体的に挙げて説明したが、これには限られず、他の構成例としてもよい。すなわち、例えば、余剰トナー搬送機構25については必ずしも設けられていなくてもよい。また、余剰トナー搬送機構25が設けられている場合でも、その部材の形状や配置、個数等については他のものであってもよい。
【0141】
更に、上記実施の形態等では、画像形成部が複数(画像形成部11W,11Y,11M,11C,11Kの5つ、あるいは、画像形成部11Y,11M,11C,11Kの4つ)設けられている場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、トナー像(画像層)を形成する画像形成部の数や、それらに用いるトナーの色の組み合わせ等については、用途や目的用に応じて任意に設定することが可能である。また、場合によっては、画像形成部の数を1つだけにして、トナー像をモノクロ(単色)画像としてもよい。つまり、画像形成装置をモノクロプリンタとして機能させるようにしてもよい。
【0142】
加えて、上記実施の形態等では、記録媒体の一例として用紙(普通用紙)を挙げて説明したが、記録媒体としてはこれには限られず、他の媒体を用いるようにしてもよい。具体的には、例えば、OHP(OverHead Projector)シート、カード、葉書、厚紙(例えば250g/m2相当以上の秤量を有するもの)、封筒、熱容量が大きいコート紙等の、特殊用紙であってもよい。
【0143】
また、上記実施の形態等では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、プリンタとして機能する画像形成装置を挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、例えば、ファクシミリや複写機、複合機等として機能する画像形成装置についても、本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0144】
1,1D,1E…画像形成装置、10…筺体、11W,11Y,11M,11C,11K…画像形成部、110…トナーカートリッジ、111,111C…感光ドラム、112…帯電ローラ、113…現像ローラ、114…供給ローラ、116…クリーニングブレード、117…露光ヘッド、120…記録媒体、121A,121B…用紙トレイ、122A,122B…ピックアップローラ、123A,123B…分離ローラ対、124a,124b,124c…搬送ローラ対、13…中間転写ベルトユニット、13E…転写ベルトユニット、131…中間転写ベルト、131E…転写ベルト、132a…ドライブローラ、132b…アイドルローラ、133…1次転写ローラ、133E…転写ローラ、134…2次転写対向ローラ、135…搬送ローラ、136,136A,136B…クリーニング機構、14…2次転写ローラ、15…定着器、16a,16b,16c…搬送ローラ対、17…排出ローラ対、18…載置部、20…シールフィルム、21…クリーニングブレード、22…ホルダ、23…トナー蓄積部、24,24A,24B…トナー供給ローラ、240,240a,240b…溝部、25…余剰トナー搬送機構、250…フレーム、251…余剰トナー搬送路、252,252a,252b…搬送スパイラル、253…トナー排出口、26a,26b…スポンジ、31…残留トナー、32…余剰トナー、d1,d2…搬送方向(搬送路)、d3,d4,d14…回転方向、S…段差部、A1,A2…領域、A3…転写対象領域、A4…非転写対象領域、A5…ダミートナー供給領域。
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