(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図である。実施例の経路案内システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、太陽サーバ180と、携帯電話200と、を含む。
【0021】
携帯電話200は、たとえば、ユーザが使用する自動車内においてドライバーから見える位置に固定される。携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、明度センサ209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0022】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
【0023】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
【0024】
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
【0025】
コマンド入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
【0026】
通信部205は、通信ネットワークとしてのインターネットINTを介して、経路探索サーバ100、地図サーバ150、および太陽サーバ180と通信を行い、情報を送受信することができる。なお、通信ネットワークとしては、インターネットのほかにLANやWAN、公衆回線等がある。
【0027】
明度センサ209は、周囲の明るさを検出して、明るさに応じた電気信号を出力。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0028】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の表示パネル202、音声出力部203、振動機構204などの各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信することができる。そして、主制御部210は、通信部205を介して経路探索サーバ100から受け取った経路データに基づいて、その経路を表示パネル202に表示することができる。
【0029】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、太陽サーバ180および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0030】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータを格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、太陽サーバ180、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0031】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。
【0032】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度、経度、および標高のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、傾斜角度、車線数の情報を含んでいる。
【0033】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照し、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
【0034】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
【0035】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0036】
太陽サーバ180は、通信部182と、制御部184と、太陽データベース186とを有している。通信部182は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。太陽データベース186は、緯度および経度と、月日および時刻の情報と、の組合せに対応づけて、緯度および経度で特定される地点において太陽が射す方向の情報を、たとえば、水平面内の方位と仰角を表す値で、格納している。また、太陽データベース186は、緯度および経度と、月日の情報と、の組合せに対応づけて、日没時刻を格納している。
【0037】
A2.経路探索の処理:
図2は、経路案内システムを使用して経路探索を行う際の処理を示すフローチャートである。ステップS10において、携帯電話200の主制御部210は、コマンド入力部206を介して、ユーザから、目的地と、出発地と、出発時刻または到着時刻と、の情報を受け取る。コマンド入力部206は、目的地の情報の入力として、たとえば、施設の名称や住所の入力を受け取ることができる。また、コマンド入力部206は、目的地の情報の入力として、表示パネル202に表示された地図上の一点の指定を、タッチパネル206aを介して受け取ることができる。
【0038】
主制御部210は、ユーザによる入力に代えて、GPSユニット201を介して得られる現在位置を、出発地として取得することもできる。また、主制御部210は、GPSユニット201を介して得られる現在時刻を、出発時刻として取得することができる。
【0039】
ユーザからコマンド入力部206を介して「入力情報の確定」の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を制御して、それら入力された情報を、経路探索サーバ100に送信する。ステップS10の処理を行う主制御部210の機能部を、「入力部231」として
図1に示す。
【0040】
図2のステップS20では、経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS10で携帯電話200から受け取った情報に基づいて、出発地から目的地に至る経路を探索する。より具体的には、入力された出発時刻に出発地を出発して目的地に至ることができる経路、または出発地を出発して入力された到着時刻に目的地に至ることができる経路が、探索される。経路探索の結果特定される情報である経路情報には、(i)経路に含まれる各地点の位置(緯度および経度ならびに標高)の情報と、(ii)経路に含まれる各地点における進行方向の水平面内における方位の情報と、(iii)経路に含まれる各地点における進行方向の傾斜角度(上下方向の角度)の情報と、(iv)経路に含まれる各地点における通過予定時刻と、を含む。ステップS20の処理を行う制御部104の機能部を、「経路探索部111」として
図1に示す。
【0041】
図2のステップS25では、経路探索サーバ100の制御部104は、ユーザの視界に夕日が入る区間である「夕日要注意区間」が、探索された経路中にあるか否かを判定する。より具体的には、経路探索サーバ100の制御部104は、経路情報に含まれる各地点の位置の情報と、月日を含む通過予定時刻と、を通信部152を介して太陽サーバ180に送信し、夕日要注意区間が存在するか否かを問い合わせる。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、ユーザの視界に夕日が入る区間である「夕日要注意区間」があるか否かの回答を太陽サーバ180から得る。
【0042】
経路探索サーバ100の制御部104は、太陽サーバ180から得た「夕日要注意区間」の有無についての回答に応じて所定の処理を行う。すなわち、
図2のステップS25の処理の結果、経路内に夕日要注意区間が存在しない場合には、処理はステップS60に進む。
【0043】
ステップS60では、経路探索サーバ100の制御部104は、通信部102を介して、経路内に夕日要注意区間が存在しない旨の情報とともに、経路情報を携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、経路情報が表す経路を含む範囲の地図画像データを、別途、通信部205を介して地図サーバ150から取得する。そして、携帯電話200の主制御部210は、地図画像データと、経路情報に基づいて、地図上に経路を表示する画像を、表示パネル202に表示する。
【0044】
一方、
図2のステップS25の処理の結果、経路内に夕日要注意区間が存在する場合には、処理はステップS30に進む。ステップS30では、経路探索サーバ100の制御部104は、経路内に夕日要注意区間が存在する旨と、表示パネル202および音声出力部203から出力すべき内容を表すデータを、通信部102を介して、携帯電話200に送信する。
【0045】
図3は、
図2のステップS30における警告画面の一例を示す図である。携帯電話200の主制御部210は、経路の途中において夕日が視界に入る旨の警告と、その対策(ここではサングラスの用意)を促す旨の表示を、経路探索サーバ100から受信したデータに基づいて、表示パネル202上に行う。主制御部210は、同時に、夕日が視界に入らない経路の探索を行うか否かの指示の入力を促す表示を、表示パネル202上に表示する(
図3の下段の「Yes」、「No」のボタン参照)。
【0046】
ステップS30の処理を行う経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、「出力部113」として
図1に示す。ステップS30の処理を行う携帯電話200の主制御部210の機能部を、「出力部232」として
図1に示す。
【0047】
このような処理を行うことにより、ユーザは、実際にその経路を移動するのに先だって、夕日が視界に入りうることを知ることができる(
図3参照)。このため、実際にその経路を移動する際に夕日が目に入ってもユーザが驚く可能性が低い。また、ユーザは、経路探索の段階で、実際にその経路を移動する際に夕日がまぶしくないように、あらかじめ対策を準備することができる。
【0048】
図2のステップS30の表示の後、
図3の下段の「No」ボタンが押された場合、すなわち、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示が入力されなかった場合には、処理は、
図2のステップS35を経て、ステップS40に進む。ステップS40では、携帯電話200の主制御部210は、ステップS60と同じ処理で、地図上に経路を表示する画像を、表示パネル202に表示する(
図3参照)。ただし、ステップS60においては、携帯電話200の主制御部210は、経路の途中において夕日が視界に入る旨の警告(たとえば、「夕日がまぶしく見える区間があります」等の表示)を、同時に表示パネル202に表示する。
【0049】
ステップS30の表示の後、
図3の下段の「Yes」ボタンが押された場合、すなわち、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示が入力された場合には、処理は、ステップS35を経て、ステップS50に進む。なお、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示を受け取る機能を奏するのは、主制御部210の機能部としての入力部231である。
【0050】
図2のステップS50では、携帯電話200の主制御部210は、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示を、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS20で得た経路の夕日要注意区間の位置にもとづいて、基準地点を決定する。基準地点は、たとえば、夕日要注意区間の中間地点とすることができる。夕日要注意区間が複数ある場合には、複数の夕日要注意区間に含まれる地点のうち、もっとも出発地に近い地点と、最も目的地に近い地点と、の経路に沿った中間地点を、基準地点とすることができる。
【0051】
そして、経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200にから受け取った出発時刻または到着時刻に含まれる月日と、基準地点の位置情報とを、太陽サーバ180に送信し、基準地点における日没時刻の30分前から日没時刻までに相当する制限時間帯と、制限時間帯中、基準地点に太陽が射す方向を、問い合わせる。そして、太陽サーバ180は、太陽データベース186を参照し、月日を含む出発時刻または到着時刻と、基準地点の位置情報とに基づいて、基準地点における日没時刻を特定する。そして、太陽サーバ180は、日没時刻の30分前から日没時刻までの制限時間帯と、制限時間帯中、基準地点に太陽が射す方向とを特定し、通信部182を介して経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、制限時間帯と、制限時間帯中、基準地点に太陽が射す方向とを、経路探索の際の制約条件に設定する。そして、処理はステップS20に戻る。
【0052】
ステップS50の処理を行う経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、「禁止方向決定部114」として
図1に示す。ステップS50の処理を行う太陽サーバ180の制御部184の機能部を、「禁止方向決定部189」として
図1に示す。
【0053】
ステップS50を経てステップS20の処理が行われる場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、制限時間帯中、経路内の地点において、進行方向を含む所定範囲(たとえば、鉛直上方に60度、鉛直下方に70度、左右方向に各100度)内に太陽が射す方向を含まないように、経路を決定する。
【0054】
なお、
図2のステップS20において、制限時間帯中、進行方向を含む所定範囲内に太陽が射す方向を含まない経路が存在しない場合には、夕日が視界に入らない経路が存在しない旨の表示を行い、処理はステップS40に進む。
図2においては、処理の理解を容易にするため、ステップS20からステップS40に進む処理の流れの表示を省略する。
【0055】
図2のステップS35,S50の処理を行うことにより、最短距離または最短時間ではなくとも、夕日が目に入らない経路を好むユーザに対して、夕日が目に入らない経路を提供することができる。
【0056】
A3.夕日要注意区間があるか否かの判定処理:
図4は、
図2のステップS25における太陽サーバ180の制御部184の処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS210において、太陽サーバ180の制御部184は、太陽データベース186を参照し、経路情報に含まれる各地点の位置の情報と、通過予定時刻に含まれる月日と、に基づいて、各地点における日没時刻を取得する。
【0057】
ステップS215において、太陽サーバ180の制御部184は、経路情報に含まれる各地点の通過予定時刻と、ステップS210で得た日没時刻と、に基づいて、各地点における日没時刻から時間Ts(Tsは正の数)だけ前の時刻から、日没時刻までの時間帯に、各地点の通過予定時刻が含まれるか否かを判定する。時間Tsは、たとえば、30分とすることができる。通過予定時刻が、日没時刻から時間Tsだけ前から日没時刻までの時間帯に含まれる地点が存在しない場合には、処理はステップS240に進む。
【0058】
ステップS240では、太陽サーバ180の制御部184は、夕日要注意区間が存在しない旨の返答を、通信部182を介して、経路探索サーバ100に送信する。ステップS215の処理を行うことで、各地点における太陽が射す方向を特定する処理(後述するステップS220参照)を行う頻度を低減することができる。このため、夕日要注意区間があるか否かの判定処理の負荷を低減することができる。
【0059】
ステップS250において、経路探索サーバ100の制御部104は、太陽サーバ180からの回答に基づいて、夕日要注意区間が存在しない旨の判定をする(
図2のステップS25参照)。
【0060】
一方、
図4のステップS215において、通過予定時刻が、日没時刻から時間Tsだけ前から日没時刻までの時間帯に含まれる時点が、経路内に存在する場合には、処理はステップS220に進む。ステップS220では、太陽サーバ180の制御部184は、通過予定時刻が、日没時刻から時間Tsだけ前から日没時刻までの時間帯に含まれる各地点における太陽が射す方向(水平面内における方位と仰角)を、特定する。
【0061】
ステップS225では、太陽サーバ180の制御部184は、太陽データベース186を参照して、日没時刻から時間Tsだけ前から日没時刻までの時間帯に通過時刻が含まれる各地点について、水平面内における方位と傾斜角度とで特定される進行方向を中心とする所定の角度範囲を特定する。この進行方向を中心とする所定の角度範囲は、ユーザの視界の範囲である。進行方向を中心とする所定の角度範囲は、たとえば、進行方向に対して鉛直上方に60度、進行方向に対して鉛直下方に70度、進行方向に対して右方に100度、進行方向に対して左方に100度の範囲とすることができる。
【0062】
そして、太陽サーバ180の制御部184は、日没時刻から時間Tsだけ前から日没時刻までの時間帯に通過時刻が含まれる各地点について、進行方向を中心とする所定の角度範囲(すなわち、ユーザの視界の範囲)内に、太陽が射す方向が含まれるか否かを判定する。そして、進行方向を中心とする所定の角度範囲内に太陽が射す方向が含まれる1以上の地点であって、連続する地点の集合を、太陽サーバ180の制御部184は、1以上の「候補区間」として、特定する。
【0063】
ステップS225において、候補区間が存在しない場合には、処理は、ステップS240に進む。ステップS225において、候補区間が存在する場合には、処理は、ステップS230に進む。ステップS225において、各地点においてユーザの視界に夕日が入るか否かを判定する処理を行う制御部184の機能部を、「第1の判定部187」として
図1に示す。
【0064】
ステップS225の処理を行うことにより、各地点の水平面内における方位と太陽の方位の関係に加えて、各地点の傾斜角度と太陽の仰角をも考慮して、ユーザの視界に太陽が射す方向が含まれるか否かを判定することができる。このため、たとえば、ユーザが水平面に平行な方向を向いていれば視界に入らないはずの角度に太陽がある場合であって、その地点が上り坂の途中であるために太陽が視界に入る場合についても、その地点を「候補区間」として、抽出することができる。
【0065】
図4のステップS230では、太陽サーバ180の制御部184は、通信部182を介して、候補区間の情報を経路探索サーバ100に返信する。候補区間の情報は、候補区間に含まれる各地点の位置情報と、候補区間に含まれる各地点において夕日が射す方向の情報と、を含む。
【0066】
経路探索サーバ100の制御部104は、候補区間に含まれる各地点から夕日が射す方向に、建造物や山などが存在するか否かを判定する。なお、建造物には、ビル、モニュメント、トンネルや高速道路、さらには二階建て高速道路などの多階層道路における走行経路に対する上層構造などを含む。経路探索サーバ100の制御部104は、夕日が射す方向に建造物や山が存在する地点を、候補区間から除く。
【0067】
ステップS235において、経路探索サーバ100の制御部104は、候補区間に含まれる地点が残っているか否かを判定する。そのような地点が存在しない場合には、処理は、ステップS250に進む。候補区間に含まれる地点が残っている場合には、処理は、ステップS260に進む。ステップS230,235の処理を行う制御部104の機能部を、「第2の判定部112」として
図1に示す。
【0068】
ステップS230,S235の処理を行うことにより、トンネルの中の地点や、山の陰になる地点、高速道路の陰になる地点などを、夕日要注意区間として抽出してしまう事態を防ぐことができる。
【0069】
図2のステップS260において、経路探索サーバ100の制御部104は、夕日要注意区間が存在する旨の判定をする(
図2のステップS25参照)。
【0070】
A4.経路案内中の処理:
図5は、経路案内中に実行される注意喚起処理を示すフローチャートである。経路案内の処理は、携帯電話200の主制御部210と、経路探索サーバ100の制御部104と、太陽サーバ180の制御部184とが経路情報を処理し、処理の結果得られたデータに基づいて携帯電話200の表示パネル202と、音声出力部203を介して音声および画像が出力されることによって、実現される。なお、それに基づいて経路案内が行われる経路は、あらかじめ
図2のステップS20の処理によって決定されている。
【0071】
図5のステップS315においては、携帯電話200の主制御部210は、GPSユニット201を介して取得した現在位置および現在時刻の情報を、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、
図2のステップS20で探索した経路に沿って進行した場合に、時間Td(Tdは正の数)後に通過する地点を決定する。時間Tdは、たとえば、15分とすることができる。そして、制御部104は、その地点の位置情報と、通過時刻の情報を、通信部102を介して、太陽サーバ180に送信する。太陽サーバ180の制御部184は、受信した位置情報と、時刻情報とに基づいて、ユーザの視界に夕日が入るか否かを判定する。制御部184の判定処理は、
図4のステップS215,S220,S225の処理と同様である。
【0072】
図5のステップS315の処理中のステップS215,S225相当の処理において「No」の判定がなされる場合には、時間Td後に通過する地点においてユーザの視界に夕日が入らないものとして(S315:No)、所定時間をおいてステップS315の処理が繰り返される。ステップS225相当の処理において「Yes」の判定がなされる場合には、時間Td後に通過する地点においてユーザの視界に夕日が入り得るものとして(S315:Yes)、処理はステップS325に進む。なお、ステップS315において、ユーザの視界に夕日が入るか否かを判定する機能を奏するのは、制御部184の機能部としての第1の判定部187である。
【0073】
ステップS325においては、太陽サーバ180の制御部184は、通信部182を介して、時間Td後に通過する地点においてユーザの視界に夕日が入り得る旨の情報と、時間Td後に通過する地点において夕日が射す方向の情報とを、経路探索サーバ100に送信する。
【0074】
経路探索サーバ100の制御部104は、時間Td後に通過する地点を起点として夕日が射す方向に、建造物や山などが存在するか否かを判定する。夕日が射す方向に建造物や山などが存在しない場合には、処理は、ステップS330に進む。夕日が射す方向に建造物や山などが存在する場合には、処理は、ステップS335に進む。なお、ステップS325において建造物や山などが存在するか否かを判定する機能を奏するのは、制御部104の機能部としての第2の判定部112である。
【0075】
ステップS330では、経路探索サーバ100の制御部104は、時間Td後に夕日が視界に入る旨の情報を、表示パネル202および音声出力部203から行うべき出力のためのデータとともに携帯電話200に送信する。
【0076】
図6は、
図5のステップS330における警告画面の一例を示す図である。ステップS330では、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受け取った情報に基づいて、表示パネル202上に、時間Td後に夕日がまぶしく見える旨と、その対策(ここではバイザーを下ろすこと)を促す旨の表示を行う。そして、時間Td後に夕日がまぶしく見える旨と、その対策(ここではバイザーを下ろすこと)を促す旨を、音声出力部203から出力する。なお、S330の機能を奏するのは、制御部104の機能部としての出力部113と、主制御部210の機能部としての出力部232と、である。
【0077】
このような処理を行うことにより、ユーザは、夕日が視界に入る地点を通過するのに先だって、夕日が視界に入りうることを知ることができる。このため、実際にその地点を通過する際に夕日が目に入ってもユーザが驚く可能性が低い。また、ユーザは、実際にその地点を通過する際に夕日がまぶしくないように、あらかじめ対策を準備することができる。
【0078】
一方、
図5のステップS325において、夕日が射す方向に建造物や山などが存在する場合には、処理は、ステップS335に進む。ステップS335においては、経路探索サーバ100の制御部104は、夕日が射す方向に建造物や山などが存在する地点、すなわち、夕日が建造物や山などによって遮られる地点が、想定される移動速度で移動した場合に継続して時間t0(t0は正の数)以上続くか否かを判定する。なお、想定される移動速度は、たとえば、当該地点を含む道路区間における標準的な移動速度とすることができる。また、t0は、たとえば、10秒とすることができる。夕日が遮られる地点が継続して時間t0以上続く場合には(S335:Yes)、想定される継続時間だけ待ってから、処理は、ステップS315に戻る。一方、ステップS335において、夕日が遮られる地点が継続して時間t0以上続かない場合には(S335:No)、処理はステップS340に進む。
【0079】
ステップS340では、経路探索サーバ100の制御部104は、時間Td後に夕日が視界に入る旨の情報を、表示パネル202および音声出力部203から行うべき出力のためのデータとともに携帯電話200に送信する。
【0080】
図7は、
図5のステップS340における警告画面の一例を示す図である。ステップS340では、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受け取った情報に基づいて、時間Td後に、夕日が建造物に遮られているが、建造物を通過した後に夕日が射す旨の注意(ここでは、具体的には、夕日がちらつく旨の注意)と、その対策(ここではバイザーを下ろすこと)を促す旨の表示を、表示パネル202上に行う。そして、時間Td後に、夕日が建造物に遮られているが、建造物を通過した後に夕日が射す旨の注意(ここでは、具体的には、夕日がちらつく旨の注意)と、その対策(ここではバイザーを下ろすこと)を促す旨を、音声出力部203から出力する。その後、処理は、ステップS345に進む。なお、S335,S340の機能を奏するのは、制御部104の機能部としての出力部113と、主制御部210の機能部としての出力部232と、である。
【0081】
このような処理を行うことにより、ユーザは、夕日が視界に入り続けるよりもさらに煩わしい、夕日が建物の背後から射したり遮られたりする状況を、事前に告知される。そのため、ユーザは、夕日が視界に入る状況と入らない状況が繰り返される地点を通過するのに先だって、そのような事態が生じうることを知ることができる。このため、実際にその地点を通過する際にユーザが驚く可能性が低い。また、ユーザは、実際にその地点を通過する際に夕日がまぶしくないように、あらかじめ対策を準備することができる。
【0082】
図5のステップS345では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置が目的地の近傍(たとえば、目的地を中心とする半径10mの円内)であるか否かを判定する。現在位置が目的地の近傍である場合には、処理を終了する。現在位置が目的地の近傍でない場合には、処理はステップS355に進む。
【0083】
ステップS355では、携帯電話200の主制御部210は、現時点でユーザの視界に夕日が入っているか否かを判定する。具体的には、主制御部210は、過去の時間Td以内にステップS330またはS340の処理を実行しており、明度センサ209が現時点で所定値以上の明るさを検知している場合には、ユーザの視界に夕日が入っていると判定する。ユーザの視界に夕日が入っていない場合には、処理は、ステップS315に戻る。ユーザの視界に夕日が入っている場合には、所定時間(たとえば、t0)を空けてステップS355の処理が繰り返される。
【0084】
ステップS355の処理を行うことにより、現に夕日が視界に入っているときに、将来、夕日が視界に入る旨の警告をする事態を避けることができる。現に夕日が視界に入っているときには、ユーザは、その対策を実行しているか、または、夕日が視界に入ることを気にせずに運転している可能性が高い。そのような場合に、将来、夕日が視界に入る旨の警告を受けるのは煩雑である。ステップS355の処理を行うことにより、そのようなユーザの煩雑さを低減することができる。
【0085】
本実施例によれば、ユーザは、経路探索をした際に経路の途中で夕日が視界に入ることを知ることができる。このため、実際にその経路を移動する際に、夕日が視界に入った場合に、ユーザが驚く可能性を低減できる。また、ユーザは、実際にその経路を移動するのに先立って、サングラスを用意する、自動車のバイザーの機能を確認するなどの対策を準備することができる。
【0086】
なお、本実施例における経路探索サーバ100の制御部104の機能部としての「出力部113」と、携帯電話200の主制御部210の機能部としての「出力部232」とが、[課題を解決するための手段]における「出力部」に相当する。経路探索サーバ100の制御部104の機能部としての「禁止方向決定部114」と、太陽サーバ180の制御部184のの機能部としての「禁止方向決定部189」とが、[課題を解決するための手段]における「禁止方向決定部」に相当する。
【0087】
B.第2実施例:
上記第1実施例において、時間Td後にユーザの視界に夕日が入る旨の警告がされた際(
図5のステップS330,S340参照)に、さらに、ユーザに付加的な警告を行うこともできる。第2実施例は、
図5のステップS325またはS335の判定がNoであった場合の処理が、第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0088】
図8は、
図5のステップS325またはS335の判定がNoであった場合に、信号機に関する警告を行うための処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、技術の理解を容易にするため、
図5のステップS325の判定結果がNoであった場合の処理と、
図5のステップS335の判定結果がNoであった場合の処理と、をまとめて表示する。
図5のステップS325またはS335において、ユーザの視界に夕日が入ると判定された場合は(S325:No、S335:No)、処理は、ステップS365に進む。
【0089】
ステップS365では、経路探索サーバ100の制御部104は、時間Td後の位置から経路に沿った進行方向について所定の範囲内、たとえば、経路に沿った距離D(Dは正の数。たとえば、100m)以内に、信号がある否かを判定する。所定の範囲内に信号がない場合は(S365:No)、
図5の処理と同様に、ステップS330,S340の処理がそれぞれ行われる。所定の範囲内に信号がある場合は(S365:Yes)、処理は、ステップS370に進む。
【0090】
ステップS370では、
図5のステップS330,S340で経路探索サーバ100から携帯電話200にそれぞれ送信されるデータ等が、同様に、それぞれ経路探索サーバ100から携帯電話200に送信される。さらに、ステップS370では、経路探索サーバ100の制御部104は、Td後の地点からさらに距離D以内に信号機がある旨と、その信号機に関して表示パネル202および音声出力部203から出力すべき内容を表すデータを、通信部102を介して、携帯電話200に送信する。
【0091】
携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受け取ったデータに基づいて、表示パネル202、音声出力部203を介して、Td後の地点からさらに距離D以内に信号機がある旨の出力を行う。また、ステップS330,S340において、表示パネル202および音声出力部203から行われる出力(夕日が視界に入る旨の警告)は、それぞれ同様に行われる。その後、処理は、ステップS345に進む。なお、S365,S370の機能を奏するのは、制御部104の機能部としての出力部113と、主制御部210の機能部としての出力部232と、である。
【0092】
このような態様とすれば、ユーザは、夕日が視界に入る地点を通過するのに先だって、夕日が視界に入りうること、およびその先に信号機があることを知ることができる。このため、実際にその地点を通過する際に夕日が目に入ってもユーザが信号機を見落とす可能性が低い。
【0093】
C.第3実施例:
図9は、第3実施例における処理を示すためのフローチャートである。上記第1実施例において、所定の場合には、夕日が遮られるか否かを検討しない(
図5のステップS325〜S340参照)態様とすることもできる。第3実施例においては、
図5のステップS325の処理に先立って、ステップS337の天気に基づく判定および処理の分岐が行われる。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0094】
ステップS337では、経路探索サーバ100の制御部104は、通信部102およびインターネットを介して、天気情報を提供する所定のサーバにアクセスし、時間Td後に通過する地点の天気を入手する。時間Td後に通過する地点の天気が曇りまたは雨の場合は、所定時間をおいてステップS315の処理に戻る。時間Td後に通過する地点の天気が曇りまたは雨ではない場合は、処理は、
図5のステップS325に進む。
【0095】
なお、ステップS337の処理を行う制御部104の機能部を、「天気判定部115」として
図1に示す。天気判定部115による判定がYes(曇りまたは雨)の場合には、制御部104の機能部としての出力部、主制御部210の機能部としての「出力部232」は、時間Ts後のその地点についての警告(
図5のステップS330,S340)は、行わないこととなる。
【0096】
このような態様とすれば、夕日がユーザの視界に入ってまぶしくなることがない雨または曇りの場合に、
図5のステップS325以下の処理を省略することができる。このため、処理の負荷を軽減することができる。
【0097】
D.変形例:
D1.変形例1:
上記実施例においては、経路ネットワークデータは、各地点について傾斜角度の情報も保持している。しかし、経路ネットワークデータ自体は、各地点について傾斜角度の情報を保持していない態様とすることもできる。そのような態様においては、ある地点の傾斜角度は、その地点の標高の情報と、経路においてその地点の前または後に位置する1以上の地点の標高の情報と、から得ることができる。
【0098】
D2.変形例2:
上記実施例においては、太陽データベース186は、緯度および経度で特定される地点において太陽が射す方向の情報を格納している。また、太陽データベース186は、緯度および経度と、月日の情報と、の組合せに対応づけて、日没時刻を格納している。太陽データベースが格納する太陽が射す方向の情報や、日没時刻の情報は、代表地点(たとえば、地図上の5km単位の方眼の交点の地点)についてのみとすることができる。そのような態様においては、経路内の地点の太陽が射す方向の情報や、日没時刻の情報を得る際には、その地点に最も近い代表地点の太陽が射す方向の情報や、日没時刻の情報を利用することができる。
【0099】
また、太陽データベース186は、緯度および経度と、月日の情報と、に加えて、年の情報も含めた組合せに対応づけて、日没時刻を格納してもよい。そのような態様とすれば、より正確な太陽が射す方向の情報や、日没時刻の情報を格納することができ、年月日の入力に応じて、より正確な太陽が射す方向の情報や、日没時刻の情報を出力することができる。
【0100】
D3.変形例3:
上記実施例においては、月日の情報は、入力されるか、GPS衛星から取得することとしている。しかし、たとえば、月日の情報については、入力された情報を利用し、年の情報については、GPSから取得する態様とすることもできる。日の情報については、入力された情報を利用し、年および月の情報については、GPSから取得する態様とすることもできる。
【0101】
D4.変形例4:
上記実施例においては、経路に含まれる各地点について、夕日が視界に入りうるかの判定が行われる(
図2のS210〜S235参照)。しかし、夕日が視界に入りうるかの判定は、経路に含まれる地点のうち代表的な地点についてのみ行うことができる。たとえば、アークの端点に対応する地点についてのみ、夕日が視界に入りうるかの判定を行うこともできる。また、経路の向きの変化がが所定の角度範囲以下である区間については、両端の地点を除いて、夕日が視界に入りうるかの判定を行わない態様とすることもできる。そのような態様とすれば、処理の負荷および処理時間を低減することができる。
【0102】
D5.変形例5:
上記実施例では、ユーザの視界としての、進行方向を含む所定範囲は、鉛直上方に60度、鉛直下方に70度、左右方向に各100度が設定されている。しかし、ユーザの視界としての、進行方向を含む所定範囲は、他の方法で定めることもできる。たとえば、角度範囲の数値は他の値とすることができる。また、進行方向を二つの焦点の中点とする、楕円断面を有する楕円錐の範囲を、ユーザの視界としての、進行方向を含む所定範囲に設定することもできる。
【0103】
D6.変形例6:
上記実施例においては、出発時刻(現在時刻)または到着時刻が取得され(
図2のS10参照)、取得された出発時刻または到着時刻に基づいて、各処理が行われる。ここで、たとえば、各地点の通過時刻に基づいて行われる処理についても(たとえば、
図4のS215参照)、各地点の通過時刻が入力された出発時刻または到着時刻に基づいて決定されていることから、間接的に、出発時刻または到着時刻に基づいて行われている、と解することができる。
【0104】
D7.変形例7:
上記実施例においては、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示が入力された場合には、制限時間帯および禁止方向を予め定めて、経路の再探索が行われる(
図2のS50,S20)。しかし、夕日が視界に入らない経路の探索を行う旨の指示が入力された場合の経路の再探索においては、日没時刻や太陽の方向の情報を有するデータベースを参照しつつ経路探索を行い、夕日が視界に入らない制約条件の下で、経路探索をすすめる態様とすることもできる。
【0105】
D8.変形例8:
上記実施例において、夕日が視界に入らない経路の探索を行う際(
図2のS50参照)の、基準となる日没時刻を定めるための基準地点は、たとえば、夕日要注意区間の中間地点である。しかし、基準となる日没時刻を定めるための基準地点は、他の地点であってもよい。たとえば、夕日要注意区間のうち、もっと目的地または出発地に近い地点とすることもできる。
【0106】
D9.変形例9:
上記実施例においては、経路探索においては、夕日が視界に入る場合に再探索の指示を促す表示を行う(
図2のステップS35、および
図3参照)。しかし、経路案内においても、同様に、将来、夕日が視界に入る場合(
図5のS330,S340)に、再探索の指示を確認し、再探索の指示を促す表示を行うこともできる。
【0107】
D10.変形例10:
第2実施例において、信号機が存在する範囲は、時間Td後に通過する地点からさらに距離D(たとえば、100m)の範囲内である。しかし、信号機が存在するか否かを確認し警告する範囲は、他の基準に基づいて定めることもできる。たとえば、時間Td後に通過する地点からさらに時間Td2(Td2は正の数)後に通過する地点までの範囲とすることもできる。
【0108】
D11.変形例11:
上記実施例においては、夕日が視界に入る場合に促される対策は、サングラスの用意であり、バイザーを下ろすことである。しかし、夕日が視界に入る場合に促される対策は、帽子を用意する、帽子を目深にかぶるなど、他の内容であってもよい。
【0109】
D12.変形例12:
上記第2実施例においては、夕日が視界に入る警告とともになされる注意喚起は、信号機に関するである。しかし、夕日が視界に入る警告とともになされる注意喚起は、他の内容であってもよい。たとえば、夕日が視界に入るときに通過している区域が、保育園や幼稚園、小中高校の近くである旨の警告や、住宅地内である旨の注意喚起を行うこともできる。
【0110】
D13.変形例13:
上記第3実施例においては、時間Td後の通過地点における天気の予想が雨または曇りの場合に、夕日を遮られるか否かの判定を行わず、その結果、夕日が視界に入る旨の警告を行わない(
図9のS337参照)。しかし、夕日が視界に入る旨の警告を行う条件は、他の条件とすることもできる。たとえば、現在位置における天気が雨または曇りの場合に、夕日が視界に入る旨の警告を行わない態様とすることもできる。そのような態様においては、自動車に設置された雨滴センサの情報を、Bluetooth(登録商標)などの通信手段を介して入手し、天気の判断を行うことができる。また、現在時刻や、明度センサ209が検出する明度に基づいて、明度が現在時刻に対応する所定の基準よりも低い場合には、夕日が視界に入る旨の警告を行わない態様とすることもできる。また、夕日に関する警告を行う設定がされているときに、夕日が視界に入る旨の警告を行い、夕日に関する警告を行う設定がされていないときには、夕日が視界に入る旨の警告を行わない態様とすることもできる。
【0111】
D14.変形例14:
上記実施例において示した、時間Ts,Td,t0の具体的な値は、例示に過ぎない。このため、ステップS215において使用される日没時刻前の時間Ts、ステップS315以下の処理において将来の夕日のまぶしさの有無を判定する際に使用される時間Td、ステップS335において夕日が遮られる時間の判定に使用される時間t0は、ユーザの好みや、自動車のボディ形状、バイザー(日よけ)の形状などの任意のパラメータに応じて設定することができる。
【0112】
D15.変形例15:
サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0113】
D16.変形例16:
上記実施例では、GPSを利用する態様について説明したが、現在位置の情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galile oなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)によってもよい。また、たとえば、移動端末における位置情報の生成は、携帯電話の基地局のみに基づいて、行ってもよい。そのような態様においては、移動端末は、世界的航法衛星システムの受信装置を備えない態様とすることができる。さらに、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、複数の方式、たとえば、衛星測位システムを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
【0114】
すなわち、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、現在位置の情報を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0115】
D17.変形例17:
上記実施例においては、経路案内システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、太陽サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、経路探索サーバ100や太陽サーバ180など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、太陽サーバ180が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。なお、携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
【0116】
すなわち、案内装置としての経路案内システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、経路案内システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0117】
D18.変形例18:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(
図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0118】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0119】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0120】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0121】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。