(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被処理物に対して半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールと、ガウジングを実施するためのガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な溶接用電源装置であって、
出力される電流の値を調整する調整部と、
前記調整部に接続され、前記調整部により調整された電流を出力するための一対の出力端子と、
出力が停止された状態で前記一対の出力端子間に確認用の電圧を印加するための確認用電源と、
前記確認用の電圧が印加された状態における前記半自動溶接モジュールと前記被処理物との間の電圧の情報を含む接続信号を入力するための接続信号入力端子と、
前記接続信号入力端子に接続され、前記接続信号に基づいて前記半自動溶接モジュールの接続の有無の情報を含む接続検出信号を出力する接続検出部と、
前記接続検出部および前記調整部に接続され、前記接続検出信号に基づいて選択される制御モードにより前記調整部を制御する制御部と、を備える、溶接用電源装置。
被処理物に対して半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールと、ガウジングを実施するためのガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な溶接用電源装置の制御方法であって、
出力が停止された状態で出力端子間に確認用の電圧を印加するステップと、
前記確認用の電圧が印加された状態における前記半自動溶接モジュールと前記被処理物との間の電圧の情報を含む接続信号の有無に基づいて前記半自動溶接モジュールの接続の有無の情報を含む接続検出信号を出力するステップと、
前記接続検出信号に基づいて制御モードを選択するステップと、を備える、溶接用電源装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された電源装置の構造では、電源装置に設置されたスイッチを操作して電源装置の動作モードを切り替えることで、半自動溶接モードおよびガウジングモードの一方を選択する必要がある。しかし、溶接やガウジングの施工場所と電源装置とは離れている場合も多い。そのため、特許文献1に開示された電源装置の構造では、モードの切り替えに際して、作業者が施工場所から電源装置の設置場所まで移動してモードを切り替えた後、施工場所まで戻って作業を再開する必要が生じる。そのため、作業の効率が低下するという問題がある。
【0005】
また、上記特許文献2に開示された電源装置の構造では、半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールやガウジングを実施するためのガウジングモジュールとは別に、モードを切り替えるための切り替え装置を持ち運ぶ必要がある。溶接やガウジングの施工場所と電源装置とが離れている場合、半自動溶接モジュールやガウジングモジュール用のケーブルとともに切り替え装置用のケーブルを合わせて引き回す必要が生じ、作業の効率が低下するという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、半自動溶接モジュールとガウジングモジュールとを付け替えて接続可能であって、かつ作業の効率化を達成可能な溶接用電源装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った溶接用電源装置は、被処理物に対して半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールと、ガウジングを実施するためのガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な溶接用電源装置である。この溶接用電源装置は、出力される電流の値を調整する調整部と、調整部に接続され、調整部により調整された電流を出力するための一対の出力端子と、出力が停止された状態で上記一対の出力端子間に確認用の電圧を印加するための確認用電源と、確認用の電圧が印加された状態における半自動溶接モジュールと被処理物との間の電圧の情報を含む接続信号を入力するための接続信号入力端子と、接続信号入力端子に接続され、接続信号に基づいて半自動溶接モジュールの接続の有無の情報を含む接続検出信号を出力する接続検出部と、接続検出部および調整部に接続され、接続検出信号に基づいて選択される制御モードにより調整部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本発明の溶接用電源装置においては、確認用電源によって出力端子間に確認用の電圧が印加された状態における接続信号に基づいて半自動溶接モジュールの接続の有無が検出される。そして、この情報を含む接続検出信号に基づいて選択される制御モードにより制御部が調整部を制御する。そのため、モード切替用のスイッチ等を別途設けることなく、取り付けられたモジュールが半自動溶接モジュールか否かが把握される。したがって、作業者が施工場所から電源装置の設置場所まで移動してモードを切り替える動作や切り替え装置用のケーブルを引き回す動作を行う必要がない。その結果、作業の効率化が図られる。このように、本発明の溶接用電源装置によれば、半自動溶接モジュールとガウジングモジュールとを付け替えて接続可能であって、かつ作業の効率化を達成可能な溶接用電源装置を提供することができる。
【0009】
上記溶接用電源装置において、上記接続検出部はリレーであってもよい。
【0010】
また、上記溶接用電源装置は、制御部に接続され、ガウジングモジュールにエアが供給可能となったことを示すエア検出信号を出力するエア検出部をさらに備えていてもよい。そして上記制御部は、接続検出信号およびエア検出信号に基づいて選択される制御モードにより調整部を制御してもよい。
【0011】
本発明に従った溶接用電源装置の制御方法は、被処理物に対して半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールと、ガウジングを実施するためのガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な溶接用電源装置の制御方法である。この溶接用電源装置の制御方法は、出力が停止された状態で出力端子間に確認用の電圧を印加するステップと、確認用の電圧が印加された状態における半自動溶接モジュールと被処理物との間の電圧の情報を含む接続信号に基づいて半自動溶接モジュールの接続の有無の情報を含む接続検出信号を出力するステップと、接続検出信号に基づいて制御モードを選択するステップと、を備える。
【0012】
本発明の溶接用電源装置の制御方法においては、確認用の電圧が印加された状態における接続信号に基づいて半自動溶接モジュールの接続の有無が検出され、この情報を含む接続検出信号に基づいて制御モードが選択される。そのため、モード切替用のスイッチ等を別途設けることなく、取り付けられたモジュールが半自動溶接モジュールか否かが把握される。したがって、作業者が施工場所から電源装置の設置場所まで移動してモードを切り替える動作や切り替え装置用のケーブルを引き回す動作を行う必要がない。その結果、作業の効率化が図られる。このように、本発明の溶接用電源装置の制御方法によれば、半自動溶接モジュールとガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な溶接用電源装置を用いた作業の効率化を達成することができる。
【0013】
上記溶接用電源装置の制御方法は、ガウジングモジュールにエアが供給可能となったことを示すエア検出信号を出力するステップをさらに備えていてもよい。そして、制御モードを選択するステップでは、接続検出信号およびエア検出信号に基づいて制御モードが選択されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の溶接用電源装置およびその制御方法によれば、半自動溶接モジュールとガウジングモジュールとを付け替えて接続可能であって、かつ作業の効率化を達成可能な溶接用電源装置およびその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における溶接用電源装置の構造について説明する。
図1を参照して、実施の形態1における溶接用電源装置1は、被処理物である母材90(たとえば鋼材)に対して半自動溶接を実施するための半自動溶接モジュールと、ガウジングを実施するためのガウジングモジュールとを付け替えて接続可能な構造を有している。溶接用電源装置1は、調整部10と、プラス側出力端子25と、マイナス側出力端子26と、接続信号入力端子27と、確認用電源23と、接続検出部としてのリレー31と、制御部としての制御回路(CC)41と、を備えている。溶接用電源装置1は、さらに変流器21と、直流リアクトル(DCL)22と、スイッチ24と、交流電源入力端子43と、を備えている。
【0018】
交流電源入力端子43には、三相交流電源51(商用電源)が接続される。マイナス側出力端子26には、配線91を介して母材90が接続される。また、
図1においては、プラス側出力端子25に半自動溶接モジュール60が接続されている。半自動溶接モジュール60は、トーチ62と、トーチ62に溶加材である溶接ワイヤ65を送給するワイヤフィーダ61とを含んでいる。半自動溶接モジュール60とプラス側出力端子25とは、パワーケーブル63により接続されている。また、半自動溶接モジュール60と接続信号入力端子27とは、制御ケーブル64により接続されている。制御ケーブル64は、ワイヤフィーダ61のトーチ62側端部に接続されている。これにより、接続信号入力端子27には、制御ケーブル64を介して、溶接ワイヤ65と母材90との間の電圧の情報が精度よく入力される。
【0019】
調整部10は、1次側整流回路11と、インバータ12と、トランス13と、2次側整流回路14と、を含んでいる。1次側整流回路11は、三相交流電源51から出力される交流電流を直流電流に変換する。インバータ12は、複数のパワートランジスタを備え、直流電流を交流電流に変換するとともに電流値を調整する。トランス13は、交流電圧を適切な電圧に降圧する。2次側整流回路14は、交流電流を直流電流に変換する。これにより、調整部10は、出力される電流の値を調整する。
【0020】
調整部10とプラス側出力端子25とは、配線15により接続されている。また、調整部10とマイナス側出力端子26とは、配線16により接続されている。一対の出力端子であるプラス側出力端子25およびマイナス側出力端子26から、調整部10により調整された電流が出力される。配線15には、変流器21が設置されている。変流器21は、制御回路41に接続されている。そして、変流器21から制御回路41に、配線15を流れる電流値の情報が入力される。配線16には、直流リアクトル22が設置されている。直流リアクトル22により、出力される電流が平滑化される。
【0021】
確認用電源23は、配線15および配線16に接続されている。そして、確認用電源23と配線15とを接続する配線には、スイッチ24が設置される。スイッチ24をオン状態とすることにより、プラス側出力端子25とマイナス側出力端子26との間に確認用の電圧が印加される。
【0022】
リレー31のA接点33側は配線15に接続されている。また、リレー31のB接点32側は接続信号入力端子27に接続されている。リレー31のC接点36は、制御回路41に接続されている。そして、溶接用電源装置1に半自動溶接モジュール60が接続されている状態でスイッチ24がオン状態とされると、確認用の電圧に対応して接続信号が制御ケーブル64を介して接続信号入力端子27に入力される。この接続信号は、リレー31のB接点32側に入力される。その結果、半自動溶接モジュール60が接続されているとの情報を含む接続検出信号がリレー31から制御回路41へと入力される。
【0023】
制御回路41は、調整部10のインバータ12に接続されている。制御回路41は、接続検出信号に基づいて選択される制御モードにより調整部10のインバータ12を制御する。より具体的には、
図1のように溶接用電源装置1に半自動溶接モジュール60が接続されており、リレー31のB接点32側に接続信号が入力されると、半自動溶接モジュール60が接続されているとの情報を含む接続検出信号が制御回路41入力される。これに基づき、制御回路41は半自動溶接モードにてインバータ12を制御する。
【0024】
一方、
図2においては、プラス側出力端子25にガウジングモジュール70が接続されている。ガウジングモジュール70とプラス側出力端子25とは、パワーケーブル71により接続されている。ガウジングモジュール70と接続信号入力端子27とは接続されていない。そのため、溶接用電源装置1にガウジングモジュール70が接続されている状態でスイッチ24がオン状態とされても、確認用の電圧に対応する接続信号が接続信号入力端子27に入力されない。その結果、半自動溶接モジュール60が接続されていないとの情報を含む接続検出信号がリレー31から制御回路41へと入力される。これに基づき、制御回路41はガウジングモードにてインバータ12を制御する。
【0025】
次に、本実施の形態における溶接用電源装置1の制御方法について
図1〜
図3を参照して説明する。まず、溶接用電源装置1の主電源(図示しない)がオン状態とされると、三相交流電源51から交流電力が供給可能な状態となる。その後、
図3を参照して、確認用の電圧が印加される(S10)。このステップ(S10)では、
図1および
図2を参照して、スイッチ24がオン状態とされることで、確認用電源23によりプラス側出力端子25とマイナス側出力端子26との間に確認用の電圧が印加される。確認用の電圧は、出力が停止された状態で印加される。すなわち、確認用の電圧は、調整部10により調整された電流がプラス側出力端子25およびマイナス側出力端子26から出力される前の段階で印加される。確認用の電圧は、たとえば溶接用電源装置1の主電源がオン状態とされた直後に自動的に印加されてもよいし、主電源がオン状態とされた後、作業者による操作により印加されてもよい。
【0026】
このとき、
図1のようにプラス側出力端子25に半自動溶接モジュール60が接続されている場合、接続信号入力端子27に接続信号が入力される(
図3のS20においてYES)。この接続信号はリレー31のB接点32側に入力され、リレー31から半自動溶接モジュール60が接続されているとの情報を含む接続検出信号が制御回路41入力される。これに基づき、半自動溶接モードが選択される(S30)。具体的には、半自動溶接モジュール60のトーチスイッチ(図示しない)からの溶接用電源装置1への入力が有効な状態にされるとともに、制御回路41は半自動溶接に適した制御状態にて調整部10のインバータ12を制御する状態となる。これにより、モード選択が終了し、たとえば作業者がトーチスイッチを操作することにより半自動溶接が開始される。
【0027】
一方、
図2のようにプラス側出力端子25にガウジングモジュール70が接続されている場合、接続信号入力端子27に接続信号は入力されない(
図3のS20においてNO)。その結果、半自動溶接モジュール60が接続されていないとの情報を含む接続検出信号がリレー31から制御回路41へと入力される。これに基づき、ガウジングモードが選択される(S40)。具体的には、トーチスイッチからの入力が無効な状態にされるとともに、制御回路41はガウジングに適した制御状態にて調整部10のインバータ12を制御する状態となる。これにより、モード選択が終了し、たとえば作業者がガウジングモジュール70の先端部を母材90に接触させることにより調整部10から電流が供給されてガウジングが開始される(タッチスタート)。
【0028】
ここで、本実施の形態の溶接用電源装置1においては、確認用電源23によってプラス側出力端子25とマイナス側出力端子26との間に確認用の電圧が印加された状態における接続信号に基づいて半自動溶接モジュール60の接続の有無が検出される。そして、この情報を含む接続検出信号に基づいて選択される制御モードにより制御回路41が調整部10を制御する。そのため、モード切替用のスイッチ等を別途設けることなく、取り付けられたモジュールが半自動溶接モジュール60か否かが把握される。したがって、作業者が施工場所から溶接用電源装置1の設置場所まで移動してモードを切り替える動作や切り替え装置用のケーブルを引き回す動作を行う必要がない。その結果、作業の効率化が図られる。このように、本実施の形態の溶接用電源装置1は、半自動溶接モジュール60とガウジングモジュール70とを付け替えて接続可能であって、かつ作業の効率化を達成可能な溶接用電源装置となっている。また、上記実施の形態における手順に従って溶接用電源装置1を制御することにより、半自動溶接モジュール60とガウジングモジュール70とを付け替えて接続可能な溶接用電源装置1を用いた作業の効率化を達成することができる。
【0029】
(実施の形態2)
次に、本発明の他の実施の形態である実施の形態2における溶接用電源装置の構造について説明する。
図4〜
図6を参照して、実施の形態2における溶接用電源装置1は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2の溶接用電源装置1は、制御回路41に接続され、ガウジングモジュール70にエアが供給可能となったことを示すエア検出信号を出力するエア検出部(AD)81を備える点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0030】
具体的には、
図4〜
図6を参照して、実施の形態2の溶接用電源装置1は、エアコンプレッサ(図示しない)に接続される流入口82とガウジングモジュール70に接続される流出口83とをつなぐエア流路84を備えている。エア流路84には、ガウジングモジュール70にエアが供給可能となったことを示すエア検出信号を出力するエア検出部81が設置されている。エア検出部81は、たとえば圧力センサである。エア検出部81は制御回路41に接続され、エア検出信号は制御回路41に入力される。制御回路41は、接続検出信号およびエア検出信号に基づいて選択される制御モードにより調整部10を制御する。
図4を参照して、プラス側出力端子25に半自動溶接モジュール60が接接された場合、流出口83は半自動溶接モジュール60とは接続されない(流出口83は使用されない)。
図5を参照して、プラス側出力端子25にガウジングモジュール70が接続される場合、ガウジングモジュール70と流出口83とは、接続配管85により接続される。これにより、ガウジングモジュール70にエアの供給が可能な状態となる。このとき、エア検出部81が出力したエア検出信号が制御回路41に入力される。
図6を参照して、プラス側出力端子25に手溶接モジュール69が接続された場合、流出口83は手溶接モジュール69とは接続されない(流出口83は使用されない)。手溶接モジュール69は、パワーケーブル68によりプラス側出力端子25に接続される。
【0031】
次に、実施の形態2における溶接用電源装置1の制御方法について
図4〜
図7を参照して説明する。まず、溶接用電源装置1の主電源(図示しない)がオン状態とされると、三相交流電源51から交流電力が供給可能な状態となる。その後、
図7を参照して、実施の形態1の場合と同様に確認用の電圧が印加される(S10)。このとき、
図4のようにプラス側出力端子25に半自動溶接モジュール60が接続されている場合、接続信号入力端子27に接続信号が入力される(
図7のS20においてYES)。この接続信号はリレー31のB接点32側に入力され、リレー31から半自動溶接モジュール60が接続されているとの情報を含む接続検出信号が制御回路41入力される。これに基づき、実施の形態1の場合と同様に半自動溶接モードが選択され、半自動溶接が開始可能な状態となる(S30)。
【0032】
一方、
図5または
図6のようにプラス側出力端子25にガウジングモジュール70または手溶接モジュール69が接続されている場合、接続信号入力端子27に接続信号は入力されない(
図7のS20においてNO)。その結果、半自動溶接モジュール60が接続されていないとの情報を含む接続検出信号がリレー31から制御回路41へと入力される。そして、
図5のようにプラス側出力端子25にガウジングモジュール70が接続されている場合、エア検出部81からエア検出信号が出力される(
図7のS50においてYES)。エア検出信号は制御回路41に入力される。これに基づき、実施の形態1の場合と同様にガウジングモードが選択され、ガウジングが開始可能な状態となる(S40)。
【0033】
一方、
図6のようにプラス側出力端子25に手溶接モジュール69が接続されている場合、エア検出部81からはエア検出信号が出力されない(
図7のS50においてNO)。これに基づき、手溶接モードが選択される。具体的には、トーチスイッチからの入力が無効な状態にされるとともに、制御回路41は手溶接に適した制御状態にて調整部10のインバータ12を制御する状態となる。これにより、モード選択が終了し、たとえば作業者の操作により手溶接が開始される。
【0034】
実施の形態2の溶接用電源装置1およびその制御方法によれば、溶接用電源装置1に半自動溶接モジュール60、ガウジングモジュール70および手溶接モジュール69からなる群から選択されるいずれか1つが接続される場合において、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。なお、溶接用電源装置1は、接続信号入力端子27に接続信号が入力され、かつエア検出信号がエア検出部81から出力されている場合、溶接用電源装置1からの出力を禁止するように制御されてもよい。これにより、誤った接続が行われた状態で作業が実施されるおそれを抑制することができる。
【0035】
なお、上記実施の形態においては、接続検出部として単一のリレー31が採用される場合について説明したが、本発明の溶接用電源装置の構造はこれに限られず、たとえば2個のリレーを用いて同様の機能を実現する構造を採用してもよい。また、上記実施の形態においては、リレー31のA接点33側が配線15に接続され、リレー31のB接点32側が接続信号入力端子27に接続される場合について説明したが、A接点33側が接続信号入力端子27に接続され、リレー31のB接点32側が配線15に接続されてもよい。
【0036】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。