(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変化部は、前記第2のコイルとともに前記第1のコイルの基端側に連結され、前記コア線の外周部にその周方向に沿って前記第2の線材と反対方向に第3の線材を巻回してなり、該第3の線材が前記第2の線材と交差する第3のコイルを有し、
前記第2のコイルと前記第3のコイルとを一括して前記コア線の中心線側に向かって圧縮することにより、前記操作が行なわれる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
前記変化部を変化させる際には、前記コア線の中心軸方向に隣接する前記第1の線材同士の間隔の調整と、前記第2のコイルの内周部と前記コア線の外周部との離間距離の調整とを一括して操作する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
前記変化部を変化させる際には、前記コア線の中心軸方向に隣接する前記第2の線材同士の間隔の調整と、前記第1のコイルの内周部と前記コア線の外周部との離間距離の調整とを一括して操作する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤ(第1実施形態)の操作状態を示す縦断面側面図である。
図2は、
図1中のA−A線断面図である。
図3は、
図1に示すガイドワイヤの使用例を説明するための縦断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、
図1および
図3中(
図4〜
図6についても同様)の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。また、
図1中(
図4〜
図6についても同様)では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの径方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と径方向の比率は実際とは大きく異なる。
【0025】
図1に示すガイドワイヤ1は、長尺状をなすコア線2と、コア線2の先端部に設けられ、剛性または外径が変化する変化部3と、変化部3が変化するよう操作を行なうための操作部材(操作部)4とを備えている。以下、各部の構成について説明する。このガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、例えば当該ガイドワイヤ1が下肢から挿入して、ペリフェラル領域で用いられるものである場合、1500〜3500mmであるのが好ましく、1800〜3000mmであるのがより好ましい。
【0026】
コア線2は、可撓性を有する材料で構成されている。このような構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料を用いることができ、そのなかでも特に、超弾性合金が好ましい。超弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、Ni−Ti系合金である。
【0027】
このような超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、ガイドワイヤ1は、全体として十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られる。また、ガイドワイヤ1が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、当該ガイドワイヤ1の復元性により曲がり癖が付かないので、使用中にガイドワイヤ1に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
【0028】
図1に示すように、コア線2は、先端から基端に向かって順に配された小径部21と、テーパ部22と、大径部23とを有している。
【0029】
小径部21は、外径がワイヤ長手方向に沿って一定の外径一定部(第1の外径一定部)であり、その大きさがコア線2の中で最小の部分である。
【0030】
テーパ部22は、外径が前方に向かって漸減した部分であり、小径部21の基端に連続して設けられている。なお、テーパ部22のテーパ角度(「外径の減少率」と言うこともできる)は、図示の構成ではワイヤ長手方向に沿って一定となっているが、これに限定されず、ワイヤ長手方向に沿って変化する部位があってもよい。この場合、例えば、テーパ角度が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
【0031】
また、テーパ部22により、コア線2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
【0032】
大径部23は、テーパ部22の基端に連続して設けられている。大径部23は、外径がワイヤ長手方向に沿って一定の外径一定部(第2の外径一定部)であり、その大きさがコア線2の中で最大の部分である。
【0033】
変化部3は、剛性および外径の双方が変化する部分である。
図1(a)に示す状態は、初期状態(第1の状態)である。
図1(b)に示す状態は、
図1(a)に示す状態よりも剛性が高く、変化部3の平均外径が、
図1(a)に示す状態での変化部3の平均外径よりも小さい状態(第2の状態)である。
図1(c)に示す状態は、
図1(a)に示す状態よりも柔軟性が高く、すなわち、剛性が低く、変化部3の平均外径が、
図1(a)に示す状態での変化部3の平均外径よりも大きい状態(第3の状態)である。なお、
図1(a)に示す状態は、
図1(b)に示す状態と、
図1(b)に示す状態との間の「中間状態」ということもできる。
【0034】
変化部3は、第1のコイル5と、第1のコイル5の基端側に配置された第2のコイル6と、第1のコイル5と第2のコイル6との間に配置された連結部材7とを有している。
【0035】
なお、変化部3は、第1のコイル5と第2のコイル6と連結部材7とがコア線2の小径部21上に設けられており、これら部材を一括して覆う、例えばテフロン(「テフロン」は登録商標)で構成されたカバー部材を有していてもよい。
【0036】
第1のコイル5は、コア線2の小径部21の外周部211に、その周方向に沿って第1の線材51をコイル状に巻回してなる部材である。この第1のコイル5は、第1の線材51の先端部511が、コア線2の先端に固定材料11を介して固定され、基端部512が連結部材7に固定されている。
【0037】
そして、
図1(a)に示すように、初期状態では、第1のコイル5は、コア線2の中心軸20方向(図中の左右方向)に隣接する第1の線材51の巻回同士が互いに離間しており、いわゆる「疎巻き」となっている。これにより、第1のコイル5は、操作部材4による操作によって伸縮することができる。また、第1のコイル5の内周部52は、小径部21の外周部211から離間している。
【0038】
なお、固定材料11は、例えば半田であり、先端111が丸みを帯びているのが好ましい。
【0039】
第2のコイル6は、第1のコイル5の基端側で、コア線2の小径部21の外周部211に、その周方向に沿って第2の線材61をコイル状に巻回してなる部材である。この第2の線材61の巻回方向は、第1の線材51の巻回方向と同じである。これにより、例えば変化部3での血管追従性が良好なものとなる。
【0040】
また、第2のコイル6は、第2の線材61の先端部611が、連結部材7に固定され、基端部612が操作部材4に固定されている。
【0041】
そして、
図1(a)に示すように、初期状態では、第2のコイル6は、コア線2の中心軸20方向に隣接する第2の線材61同士が互いに離間しており、第1のコイル5と同様に、いわゆる「疎巻き」となっている。これにより、第2のコイル6も、操作部材4による操作によって伸縮することができる。また、第2のコイル6の内周部62は、小径部21の外周部211から離間している。
【0042】
なお、初期状態での第1のコイル5の内径と第2のコイル6の内径とは、
図1(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、第1のコイル5の内径を第2のコイル6の内径よりも大とするのが好ましい。
【0043】
また、初期状態での第1のコイル5の外径φd
5と第2のコイル6の外径φd
6とは、
図1(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、第1のコイル5の外径φd
5を第2のコイル6の外径φd
6よりも小とするのが好ましい。
【0044】
また、初期状態での第1のコイル5の中心軸20方向の長さ(全長)と、第2のコイル6の中心軸20方向の長さ(全長)とは、
図1(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、第1のコイル5の全長を第2のコイル6の全長よりも小とするのが好ましい。
【0045】
また、初期状態での第1のコイル5の内周部52と小径部21の外周部211との離間距離g
5と、第2のコイル6の内周部62と小径部21の外周部211との離間距離g
6とは、
図1(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、離間距離g
5を離間距離g
6よりも大とするのが好ましい。
【0046】
また、第1のコイル5を構成する第1の線材51の線径と、第2のコイル6を構成する第2の線材61の線径とは、
図1(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、第1の線材51の線径を第2の線材61の線径よりも小とするのが好ましい。
【0047】
また、第1の線材51の構成材料と第2の線材61の構成材料とは、それぞれ、金属材料で構成されているのが好ましく、その金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができる点で好ましい。また、第1の線材51の構成材料と第2の線材61の構成材料とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
以上のような構成の第1のコイル5と第2のコイル6とは、連結部材7を介して連結されている。連結部材7は、コア線2の小径部21の周方向に沿ったリング状をなす部材である。
【0049】
図2に示すように、連結部材7の内周部71には、中心軸20側に向かって一対のフォロア部72が突出形成されている。これらのフォロア部72は、中心軸20を介して互いに反対側に配置されている。
【0050】
一方、コア線2の小径部21の外周部211には、中心軸20方向(
図2の紙面奥行き方向)に沿った一対のカム溝212が形成されている。各カム溝212には、フォロア部72が挿入される。これにより、フォロア部72がカム溝212の形成方向に沿って案内されることとなり、よって、連結部材7は、中心軸20方向に沿って往復動することができる。また、カム溝212によって、連結部材7の先端側への移動限界と、基端側への移動限界が規制されている。
【0051】
図1に示すように、第2のコイル6の基端側には、操作部材4が接続、固定されている。操作部材4は、変化部3が変化するよう操作を行なうための部材である。
【0052】
操作部材4は、管状をなす部材で構成されている。この操作部材4の内周部41には、中心軸20側に向かって一対の凸部42が突出形成されている。これらの凸部42は、中心軸20を介して互いに反対側に配置されている。
【0053】
また、コア線2の大径部23の外周部231には、その周方向に沿ったリング状をなす凹部(溝)232が形成されている。そして、操作部材4の各凸部42は、凹部232に挿入され、係合することができる。これにより、操作部材4は、中心軸20回りに回動可能に支持された状態となる。また、操作部材4は、中心軸20方向には移動が規制されることとなる。
【0054】
操作部材4の外周部43には、マーカ44が付されている。コア線2の大径部23は、操作部材4の基端開口部45から突出しており、その外周部231の突出した部分に、マーカ24が付されている。
【0055】
図1(a)に示す初期状態では、マーカ44とマーカ24とが重なっている。この状態から、
図1(b)に示すように、操作部材4を回転操作すると、その分だけ、マーカ44がマーカ24からズレる。また、
図1(c)に示すように、操作部材4を前記と反対方向に回転操作すると、その分だけ、マーカ44がマーカ24からズレる。そして、ガイドワイヤ1の操作者である術者は、手技中に、当該ズレ量の大小を視認することができる。これにより、変化部3の変化の程度を容易かつ確実に把握することができ、よって、変化部3を使い分けることができる。
【0056】
なお、操作部材4や連結部材7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、コア線2の構成材料として挙げた材料を用いることができる。
【0057】
次に、操作部材4の操作よって変化部3が変化するメカニズムについて、
図1を参照しつつ説明する。
【0058】
図1(a)に示す初期状態から、
図1(b)に示すように、操作部材4を中心軸20回りに所望の回転角度で回転操作すると、その回転力が、変化部3の第2のコイル6に基端側から伝達される。このとき、第2のコイル6は、中心軸20回りに回転しようとするが、先端部611側ではその回転が連結部材7によって規制されているため、中心軸20回りに捩じられていく。これにより、第2のコイル6は、全体的に外径φd
6が縮径して、内周部62とコア線2の外周部211とが徐々に接近していく、すなわち、離間距離g
6が減少していく。変化部3では、この離間距離g
6が小さければ小さいほど、剛性が増加する傾向にある。なお、離間距離g
6が零のときは、第2のコイル6の内周部62とコア線2の外周部211とが密着した状態となっている。
【0059】
また、外径φd
6が縮径した分だけ、中心軸20方向に隣接する第2の線材61同士の間隔S
6が広がり、第2のコイル6は、全長が伸びていく、すなわち、伸長していく。これにより、第1のコイル5は、連結部材7を介して圧縮力を受け、中心軸20方向に隣接する第1の線材51同士の間隔S
5が狭まる、すなわち、収縮していく。変化部3では、この間隔S
5が小さくなればなるほど、剛性が増加する傾向にある。なお、第1のコイル5は、収縮した分だけ、外径φd
5が若干拡径する。
【0060】
以上のような
図1(b)に示す状態では、変化部3は、第1のコイル5で剛性が高まり、第2のコイル6でも剛性が高まる。その結果、変化部3は、全体として、剛性が高まった状態となる。また、
図1(b)に示す状態での変化部3の平均外径は、
図1(b)に示す状態での変化部3の平均外径よりも小さくなっている。このような高剛性・小径状態では、ガイドワイヤ1のプッシャビリティが向上するとともに、血管200に生じた狭窄部201に対する通過性も向上する(
図3(a)参照)。また、高剛性・小径状態では、高剛性と小径化との相反する特性を同時に実現できる。
【0061】
一方、
図1(a)に示す初期状態から、
図1(c)に示すように、操作部材4を中心軸20回りに所望の回転角度で前記と反対方向に回転操作すると、その回転力が、変化部3の第2のコイル6に基端側から伝達される。このとき、第2のコイル6は、中心軸20回りに回転しようとするが、先端部611側ではその回転が連結部材7によって規制されているため、中心軸20回りに前記と反対方向に捩じられていく。これにより、第2のコイル6は、全体的に外径φd
6が拡径して、内周部62とコア線2の外周部211とがさらに離間していく、すなわち、離間距離g
6が増加する。変化部3では、この離間距離g
6が大きければ大きいほど、剛性が減少する傾向にある。
【0062】
また、外径φd
6が拡径した分だけ、中心軸20方向に隣接する第2の線材61同士の間隔S
6が狭まり、第2のコイル6は、収縮していく。これにより、第1のコイル5は、連結部材7を介して引張り力を受け、中心軸20方向に隣接する第1の線材51同士の間隔S
5が広がる、すなわち、伸長していく。変化部3では、この間隔S
5が大きくなればなるほど、剛性が減少する傾向にある。なお、第1のコイル5は、伸長した分だけ、外径φd
5が若干縮径する。なお、
図1(c)に示す状態では、第1のコイル5の内周部52は、コア線2の外周部211から離間したままとなっている。
【0063】
以上のような
図1(c)に示す状態では、変化部3は、第1のコイル5で剛性が低下し、第2のコイル6でも剛性が低下する。その結果、変化部3は、全体として、剛性が低下した状態、すなわち、柔軟性に富んだ状態となる。また、
図1(c)に示す状態での変化部3の平均外径は、
図1(b)に示す状態での変化部3の平均外径よりも大きくなっている。このような高柔軟性・大径状態では、血管追従性が向上するともに、手技中の血管200への損傷を確実に防止することができるという安全性も確保することができる。
【0064】
このように、ガイドワイヤ1では、変化部3を変化させる際には、第1のコイル5での間隔S
5の調整と、第2のコイル6とコア線2との離間距離g
5の調整とを一括して操作することにより可能となっている。これにより、手技の段階や症例に応じて、変化部3の変化の程度を適宜切り換えることでき、よって、ガイドワイヤ1を迅速に使用することでき、操作性に優れる。
【0065】
また、変化部3の中心軸20方向に沿った長さは、その変化に関わらず一定であり、その長さは、ガイドワイヤ1が用いられる手技や血管200等の各種条件にもよるが、例えば当該ガイドワイヤ1が下肢から挿入して、ペリフェラル領域で用いられるものである場合、30mm以上、3000mm以下であるのが好ましく、100mm以上、2000mm以下であるのがより好ましい。
【0066】
次に、ガイドワイヤ1の使用方法の一例について、
図3を参照しつつ説明する。
[1]
図3(a)に示すように、血管200には、狭窄部201が生じており、血流を阻害している。
【0067】
[2] 次に、血管200内にガイドワイヤ1を挿入して、変化部3を狭窄部201の直前まで到達させた後に、
図3(b)に示すように、当該変化部3を高剛性・小径状態として、狭窄部201の通過操作を行なう。なお、ガイドワイヤ1は、狭窄部201に到達するまでは、変化部3が高剛性・小径状態となっていてもよいし、高柔軟性・大径状態となっていてもよい。
【0068】
[3] 次に、
図3(c)に示すように、変化部3を高柔軟性・大径状態に切り換える。これにより、変化部3の狭窄部201に対する通過経路(刺通経路)202を拡大することができる。
【0069】
[4] 次に、
図3(d)に示すように、変化部3を再度高剛性・小径状態に戻す。これにより、通過経路202には、変化部3との間に隙間が形成される。
【0070】
[5] 次に、
図3(e)に示すように、例えばバルーンカテーテルであるカテーテル30をガイドワイヤ1に沿わせて行く。
【0071】
[6] 前述したように、通過経路202には、変化部3との間に隙間が形成されたため、
図3(f)に示すように、カテーテル30は、通過経路202を容易に通過することができる。その後、カテーテル30のバルーン(図示せず)を拡張させることにより、201を解消することができる。
【0072】
<第2実施形態>
図4は、本発明のガイドワイヤ(第2実施形態)の操作状態を示す側面図である。
【0073】
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、変化部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0074】
本実施形態では、操作部材4が省略されており、
図4に示すように、変化部3は、コア線2の先端部から基端部にかけて設けられ、第3のコイル8をさらに有している。
【0075】
第3のコイル8は、連結部材7を介して第1のコイル5の基端側に第2のコイル6とともに連結されている。この第3のコイル8を構成する第3の線材81は、コア線2の外周部211にその周方向に沿って第2の線材61と反対方向にコイル状に巻回されている。また、第3の線材81は、第2の線材61と複数の箇所で交差している。これにより、第2のコイル6と第3のコイル8とが「編み目状」を形成している。
【0076】
以上のように配置された第3のコイル8と、第2のコイル6とを一括して握って、中心軸20側に向かって圧縮することにより、第3のコイル8は、前述した第2のコイル6と同様に、全体的に縮径するとともに、コア線2の外周部211に接近して、その離間距離が減少する。これにより、変化部3は、高剛性・小径状態となる。
【0077】
また、本実施形態のガイドワイヤ1では、前記一括して握られる部分が、変化部での変化操作を行なうための操作部として機能し、操作部材4を省略したものとすることができる。
【0078】
<第3実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤ(第3実施形態)の操作状態を示す縦断面図である。
【0079】
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、変化部の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0080】
図5(a)に示すように、本実施形態では、初期状態の変化部3の第1のコイル5は、間隔S
5が、第1実施形態の初期状態にある第1のコイル5の間隔S
5よりも大きくなっている、すなわち、第1実施形態の初期状態にある第1のコイル5よりも「疎巻き」となっている。また、初期状態にある第2のコイル6は、間隔S
6が、第1実施形態の初期状態にある第2のコイル6の間隔S
6よりも小さくなっている、すなわち、第1実施形態の初期状態にある第2のコイル6よりも「密巻き」となっている。
【0081】
次に、本実施形態における変化部3が変化するメカニズムについて説明する。
図5(a)に示す初期状態から、
図5(b)に示すように、操作部材4を中心軸20回りに所望の回転角度で回転操作すると、その回転力が、変化部3の第2のコイル6に基端側から伝達される。このとき、第2のコイル6は、中心軸20回りに回転しようとするが、先端部611側ではその回転が連結部材7によって規制されているため、中心軸20回りに捩じられていく。これにより、第2のコイル6は、全体的に縮径する。なお、第2のコイル6は、伸縮の程度によらず、内周部62がコア線2の外周部211と離間した状態が維持されるよう設定されている。そして、第2のコイル6は、縮径した分だけ、中心軸20方向に隣接する第2の線材61同士の間隔S
6が広がる。これにより、変化部3は、第2のコイル6側での剛性が減少する。
【0082】
また、第1のコイル5は、連結部材7を介して圧縮力を受け、第1の線材51同士の間隔S
5が狭まるが、その分、拡径して、内周部52がコア線2の外周部211からさらに離間する。これにより、変化部3は、第1のコイル5側でも剛性が減少する。
【0083】
従って、
図5(b)に示す状態では、変化部3は、剛性が低下して、柔軟性に富んだ状態となる。
【0084】
一方、
図5(a)に示す初期状態から、
図5(c)に示すように、操作部材4を中心軸20回りに所望の回転角度で前記と反対方向に回転操作すると、その回転力が、変化部3の第2のコイル6に基端側から伝達される。このとき、第2のコイル6は、中心軸20回りに回転しようとするが、先端部611側ではその回転が連結部材7によって規制されているため、中心軸20回りに前記と反対方向に捩じられていく。これにより、第2のコイル6は、拡径して、その分、第2の線材61同士の間隔S
6が狭まることとなり、当該第2の線材61同士が密着する。これにより、変化部3は、第2のコイル6側での剛性が増加する。
【0085】
また、第1のコイル5は、連結部材7を介して引張り力を受け、第1の線材51同士の間隔S
5が広がり、その分、縮径する。これにより、離間距離g
5が零となり、すなわち、第1のコイル5の内周部52がコア線2の外周部211に密着し、よって、変化部3の第1のコイル5側での剛性が増加する。
従って、
図5(c)に示す状態では、変化部3は、剛性が高まった状態となる。
【0086】
このように、ガイドワイヤ1では、変化部3を変化させる際には、第2の線材61同士の間隔S
6の調整と、第1のコイル5とコア線2との離間距離g
5の調整とを一括して操作することにより可能となっている。これにより、本実施形態でも、手技の段階や症例に応じて、変化部3の変化を適宜切り換えることでき、よって、ガイドワイヤ1を迅速に使用することでき、操作性に優れる。
【0087】
なお、初期状態での第1のコイル5の内周部52と小径部21の外周部211との離間距離g
5と、第2のコイル6の内周部62と小径部21の外周部211との離間距離g
6とは、
図5(a)に示す構成では同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。この場合、離間距離g
5を離間距離g
6よりも小とするのが好ましい。
【0088】
<第4実施形態>
図6は、本発明のガイドワイヤ(第4実施形態)の操作状態を示す側面図である。
【0089】
以下、これらの図を参照して本発明のガイドワイヤの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、変化部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0090】
図6(a)に示すように、本実施形態では、変化部3は、初期状態で第1のコイル5の内側に配置された内側コイル9を有している。
【0091】
内側コイル9を構成する内側コイル用線材91は、コア線2の外周部211にその周方向に沿って第1のコイル5と同方向にコイル状に巻回されている。コア線2の中心軸20方向に隣接する内側コイル用線材91同士は、互いに離間しており、内側コイル用線材91同士は、いわゆる「疎巻き」となっている。なお、離間した内側コイル用線材91同士の間隔は、第1の線材51の線径よりも大きい。また、内側コイル用線材91は、コア線2の外周部211に密着して、例えば半田により固定されている。
【0092】
そして、
図6(a)に示す状態から操作部材4を操作することにより、
図6(b)に示すように、第1のコイル5が縮径しつつ、伸長していく場合、隣接する内側コイル用線材91同士の間に、第1の線材51が入り込む。これにより、変化部3の第1のコイル5側では、第1のコイル5と内側コイル9とが相まって、全体として、いわゆる「密巻き」の状態となり、剛性が高まる。
【0093】
なお、内側コイル用線材91の線径は、
図6に示す構成では第1の線材51の線径と同じであるが、これに限定されず、例えば、第1の線材51の線径よりも細くてもよいし、太くてもよい。
【0094】
また、内側コイル9は、
図6に示す構成では第1のコイル5の内側にのみ配置されているが、これに限定されず、例えば、第2のコイル6の内側にのみ配置されていてもよいし、第1のコイル5および第2のコイル6の内側にそれぞれ配置されていてもよい。
【0095】
<第5実施形態>
図7は、本発明のガイドワイヤ(第5実施形態)が備えるコア線および操作部材の横断面図である。
【0096】
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0097】
本実施形態は、コア線および操作部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0098】
図7に示すように、本実施形態では、変化部3が変化した状態を維持するロック部としてのラチェット機構12が設けられている。
【0099】
ラチェット機構12は、コア線2の大径部23の外周部231にその周方向に沿って配置された多数のラチェット歯25と、操作部材4の内周部41に中心軸20を介して互いに反対側に配置された一対の爪46とを有している。このような構成のラチェット機構12は、操作部材4が回転操作されると、各爪46がラチェット歯25を順に乗り越えて、当該乗り越えたラチェット歯25とその都度係合する。そして、操作部材4の回転操作が停止すると、当該操作部材4は、前記と反対方向の回転が規制された状態となる。これにより、術者がガイドワイヤ1から手を放しても、変化部3が変化した状態を維持することができる。
【0100】
なお、ラチェット機構12は、操作部材4の回転が停止した状態で、爪46とラチェット歯25との係合を解除可能に構成されていてもよい。
【0101】
以上、本発明のガイドワイヤを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0102】
また、本発明のガイドワイヤは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0103】
また、ワイヤ本体は、超弾性合金よりも剛性が高いステンレス鋼で構成されたものであってもよいし、その他、基端側に配され、ステンレス鋼で構成された第1のワイヤと、先端側に配され、超弾性合金で構成された第2のワイヤとが接合されたものであってもよい。
【0104】
また、変化部は、前記各実施形態では剛性および外径の双方が変化するよう構成されているが、これに限定されず、剛性および外径のうちの一方のみが変化するよう構成されていてもよい。
【0105】
また、前記各実施形態では、カム溝がコア線に形成され、フォロア部が連結部材に形成されている。本発明では、これに限定されず、カム溝が連結部材に形成され、フォロア部がコア線に形成されていてもよい。