特許第6405281号(P6405281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大同工業株式会社の特許一覧 ▶ 東洋製罐株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6405281-ピンチェーンコンベヤ 図000002
  • 特許6405281-ピンチェーンコンベヤ 図000003
  • 特許6405281-ピンチェーンコンベヤ 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405281
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ピンチェーンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/32 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   B65G17/32 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-77917(P2015-77917)
(22)【出願日】2015年4月6日
(65)【公開番号】特開2016-196363(P2016-196363A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2017年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207425
【氏名又は名称】大同工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】惣宇利 幸男
(72)【発明者】
【氏名】坂口 宗士
(72)【発明者】
【氏名】吉野 光彦
(72)【発明者】
【氏名】仲村 茂雄
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭57−47086(JP,B2)
【文献】 実用新案登録第2603316(JP,Y2)
【文献】 米国特許第3365158(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00−17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンの所定ピッチ毎に支持ピンを設けたピンチェーンコンベヤにおいて、
前記支持ピンの所定位置に固定される細長形状のワッシャと、
細長形状の本体及び該本体の左右縁部を下方に延出するように突出した左右のラグを有するウイングと、
前記左右のラグに、外側から内側に向けて突出して形成されたウイング抜け防止用の突起と、を備え、
前記ウイングは、前記支持ピンの先端から挿入され、前記本体の長手方向が前記ワッシャの長手方向に整合して当接すると共に、前記左右のラグが前記ワッシャの幅方向を挟持して、前記支持ピンに装着され、かつ前記ウイングの前記本体が前記ワッシャの上面に当接した状態において、前記突起が、前記ワッシャを前記本体との間で挟むように位置してなる、
ピンチェーンコンベヤ。
【請求項2】
前記支持ピンに、先端から樹脂チップを嵌挿して前記ウイングの上面に当接した状態で固定し、
前記ウイングを、前記ワッシャと前記樹脂チップとの間で前記支持ピンの軸方向に挟持してなる、
請求項1記載のピンチェーンコンベヤ。
【請求項3】
前記チェーンは、1対のインナリンクプレートの両端部をブシュで連結したインナリンクと、1対のアウタリンクプレートの両端部をピンで連結したアウタリンクとを有し、前記ピンを前記ブシュに嵌挿して前記インナリンク及び前記アウタリンクを交互に連結して無端状に構成してなり、
前記チェーンの所定ピッチ毎の前記ピンを、一方の前記アウタリンクプレートを貫通して延長し、該延長したピンが前記支持ピンを構成してなる、
請求項1又は2に記載のピンチェーンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶体を支持して搬送するピンチェーンコンベヤに係り、詳しくは缶体を安定支持するためのウイングを有するピンチェーンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲料缶等の缶体の製造工程は、缶外周面に印刷を行う工程、乾燥焼付を行う工程、缶体の内面のコーティングを行う工程等、種々の処理工程を含んでおり、それらの工程内での搬送、あるいはそれらの工程間での搬送には、中空状態の缶体を保持して搬送するためのピンチェーンコンベアヤが使用されている。
【0003】
ピンチェーンコンベヤは、ピンを垂直方向に立てた状態に限らず、水平方向に近い傾いた状態で搬送する状況もあり、カーブ搬送等の缶体に揺れ方向の力が作用する場合もあり、このような状況でも、缶体がピンから抜け落ちないように安定支持するため、ピンにウイングを設置したものがある(特許文献1参照)。
【0004】
上記ピンチェーンコンベヤ1は、図3に示すように、ローラチェーン2の所定ピッチ毎にそのアウタリンクプレートが特殊形状の取付けプレート3に置換されると共に、一方のピンが長尺の支持ピン5に置換される。上記取付けプレート3は、上記支持ピン5部分で左右方向に突出した翼形状からなり、該翼形状部分が上方向に折曲げられて取付けラグ3a,3aを形成し、その先端部が外方に折曲されて取付け面3b,3bとなっている。ウイング9は、細長形状の本体9aと、該本体の中央部分に突出した形状の左右縁部が下方に折曲された形状からなる左右のラグ9b,9bとを有し、該ラグ9b,9bの先端が外方に折曲されて取付け面9c,9cとなっている。
【0005】
上記ウイング9は、本体9aの中央に形成された孔を上記支持ピン5の上方から差込むことにより該支持ピン5に嵌合され、上記取付けプレート3の取付け面3bと、上記ウイング9の取付け面9cとを重ね合せた状態でリベット4,4により固定される。ウイング9の本体9aの上方に突出した上記支持ピン5に、樹脂チップ8が嵌合されて固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2603316号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記ピンチェーンコンベヤ1は、使用によりローラチェーン2が伸び、該ローラチェーンが寿命により交換される際、ウイング9がリベット4により支持ピン5に固着されているため、ウイング9自体は、まだ使える状態であっても、チェーンと共に廃棄せざるを得ない。
【0008】
上記ピンチェーンコンベヤ1は、複雑な形状の取付けラグ3aを有する取付けプレート3、並びにラグ9bを有するウイング9を必要とし、コストアップの原因になると共に、重量増加の原因にもなり、ピンチェーンコンベヤ1の搬送速度が制限される原因の1つになっている。
【0009】
そこで、本発明は、簡単な構成でウイングを固定でき、かつ支持ピンに対してウイングの脱着を可能とし、もって上述した課題を解決したピンチェーンコンベヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、チェーン(12)の所定ピッチ毎に支持ピン(35)を設けたピンチェーンコンベヤ(11)において、
前記支持ピン(35)の所定位置に固定される細長形状のワッシャ(40)と、
細長形状の本体(29a)及び該本体の左右縁部を下方に延出するように突出した左右のラグ(29b)を有するウイング(29)と、
前記左右のラグ(29b)に、外側から内側に向けて突出して形成されたウイング抜け防止用の突起(41)と、を備え、
前記ウイング(29)は、前記支持ピン(35)の先端から挿入され、前記本体(29a)の長手方向が前記ワッシャ(40)の長手方向に整合して当接すると共に、前記左右のラグ(29b)が前記ワッシャ(40)の幅方向を挟持して、前記支持ピンに装着され、かつ前記ウイングの前記本体(29a)が前記ワッシャ(40)の上面に当接した状態において、前記突起(41)が、前記ワッシャ(40)を前記本体(29a)との間で挟むように位置してなる、
ピンチェーンコンベヤにある。
【0011】
好ましくは、前記支持ピン(35)に、先端から樹脂チップ(42)を嵌挿して前記ウイング(29)の上面に当接した状態で固定し、
前記ウイング(29)を、前記ワッシャ(40)と前記樹脂チップ(42)との間で前記支持ピン(35)の軸方向に挟持してなる。
【0012】
例えば図1図2を参照して、前記チェーン(12)は、1対のインナリンクプレート(32)の両端部をブシュ(33)で連結したインナリンク(30)と、1対のアウタリンクプレート(36)の両端部をピン(37)で連結したアウタリンク(31)とを有し、前記ピン(37)を前記ブシュ(33)に嵌挿して前記インナリンク(30)及び前記アウタリンク(31)を交互に連結して無端状に構成してなり、
前記チェーン(12)の所定ピッチ毎の前記ピンを、一方の前記アウタリンクプレート(36)を貫通して延長し、該延長したピンが前記支持ピン(35)を構成してなる。
【0013】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によると、ウイングを支持ピンに圧入等により固定したワッシャにより支持するので、ウイングの支持ピンへの取付けが簡単かつ容易であると共に、チェーンを交換する際等に、ウイングを支持ピンから取外して、新しいピンチェーンコンベヤに容易に付換えすることができ、ワッシャは、細長形状からなり、ウイングは、ワッシャと長手方向を合せて、その左右ラグがワッシャの幅方向を挟持するようにして、ウイングの軸方向位置及び回動方向位置を容易に位置決めすることができ、かつウイング取付け用の専用のプレート等を必要とせず、ピンチェーンコンベヤの軽量化を図ることができる。
【0015】
また、ウイングの左右のラグに、外側から内側に向けて突出する突起を有するので、本体がワッシャの上面に当接した状態において、突起がワッシャを本体との間に挟んで、容易にウイングの抜止めを図ることができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によると、ウイングは、上記ワッシャと樹脂チップとの間で支持ピンの軸方向に挟持されるので、樹脂チップを支持ピンに嵌挿、固定することにより、ウイングを抜止めすることができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によると、チェーンの所定ピッチ毎のピンを、一方のアウタリンクプレートを貫通して延長し、該延長したピンを支持ピンとするので、特殊形状の取付けプレートを必要とせず、かつ上述したように、ワッシャでウイングを支持することにより支持ピンの小径化が可能となることに起因して、チェーンのピンと同径のピンを支持ピンとすることができ、簡単で安価なピンチェーンコンベヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るピンチェーンコンベヤを示し、(a)は正面図、(b)は側面図。
図2】その要部の分解正面図。
図3】従来の技術によるピンチェーンコンベヤを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態によるピンチェーンコンベヤ11は、図1に示すように、ローラチェーン12の所定ピッチ毎に支持ピン35が取付けられている。ローラチェーン12は、インナリンク30とアウタリンク31とを有し、これらリンクが無端状に連結されている。インナリンク30は、1対のインナリンクプレート32の両端部をブシュ33で連結され、かつ該ブシュにローラ34が回転自在に被嵌されてなり、アウタリンク31は、1対のアウタリンクプレート36の両端部をピン37で連結してなり、ピン37をブシュ33に嵌挿して上記インナリンク30及びアウタリンク31が交互に連結される。
【0020】
上記ローラチェーン12の所定ピッチ毎に、インナリンク30とアウタリンク31とを連結するピン37が上方のアウタリンクプレート36を貫通して延びる支持ピン35に置換される。支持ピン35は、他のピン37と同じ径からなり、1対のアウタリンクプレート36,36を連結して通常のピン37と同様な機能を有すると共に、上方に延長して缶体を支持する支持ピンとして機能する。該支持ピン35は、他のピン37と同様に、アウタリンクプレート36にその下端がカシメられて、該プレート36に回転不能に一体に固定されており、かつ上インナリンクプレート32及び上アウタリンクプレート36を貫通して延びる長尺のピンからなる。
【0021】
上記支持ピン35には、図2に詳示するように、その上方延長側から、ワッシャ40が挿入される。該ワッシャ40は、上記支持ピン35の直径より幅広の短冊形状(細長形状)からなり、その中央部に支持ピン35の径より僅かに小径の丸孔40aが形成され、上記支持ピン35に該丸孔40aが圧入されることにより、ワッシャ40は、その長手方向がチェーン12の走行方向に一致するように、かつ支持ピン35の軸方向所定位置に位置決めされて一体に固定される。該ワッシャ40に支持されるようにウイング29が装着される。
【0022】
ウイング29は、板材の縁部を折曲して形成される板金部材からなり、平面視、上記ワッシャ40より僅かに幅広でかつ長い細長形状の本体29aと、該本体の中央部の左右縁部に形成された翼部を略々直角に下方に向けて折曲して、下方に突出したラグ29bと、を有する。なお、左右のラグ29bは、本体29aの長手方向中央部に限らず、長手方向全長に亘って左右縁部を折曲したコ字形状等の他の形状でもよい。上記本体29aの中央部には上記支持ピン35の外径より僅かに大きい内径の丸孔からなる貫通孔29cが形成され、該貫通孔を上記支持ピン35に上方から差込むことにより、該ウイング29が支持ピン35に嵌合される。そして、該ウイング29の左右両ラグ29b,29bが上記ワッシャ40の幅方向両側面を挟むようにして、本体29aの長手方向をワッシャ40の長手方向に整合し、本体29aがワッシャ40の上面に当接する。これにより、ウイング29は、支持ピン35に対して下方向位置が規定されると共に、ウイング29の長手方向がワッシャ40の長手方向に一致するように位置決めされる。
【0023】
この状態で、ウイング29の左右両ラグ29b,29bにおけるワッシャ40の厚みを越えた部分の2個所に、ラグ29bの外側から内側に向けてポンチ等の集中荷重を点状に作用し、該ラグ29bの内側に突出するように凸加工が施され、ウイング抜け防止用の突起41,41が形成される。なお、該突起41は、塑性変形しているがその変形量は僅かであり、ウイング29が自然に抜け出すことは防止できるが、ウイング29を所定力にて上方に引張ることにより、ラグ29bの変形と相俟って容易に支持ピン35から抜き出すことができる。尚、前記突起41,41は、ウイング29がワッシャ40上に装着された後に形成されることに限らず、装着前に予め形成されていてもよい。即ち、ウイング抜け防止用の突起41,41は、ウイング29のラグ29bを含む左右の縁部折曲前の板材に形成してもよいし、あるいは縁部折曲後の板材(貫通孔形成前あるいは後)に形成してもよい。この場合、ウイング29を支持ピン35に装着する状態において、突起41がワッシャ40の側面に当接してラグ29bを僅かに弾性変形し、該ワッシャ40を乗り越えて、本体29aがワッシャ40の上面に当接した状態において、突起41がワッシャ40を本体29aとの間に挟むように位置して、ウイング29の抜け防止が図られる。また、突起41,41は2カ所に設ける例で説明したが、ウイング抜け防止効果を有する限りにおいて1箇所に設けてもよいし、3カ所以上設けることも可能である。
【0024】
支持ピン35の上方から樹脂チップ42が嵌挿される。樹脂チップ42は、合成樹脂又は天然樹脂(ゴム)等の柔軟部材からなり、裁頭円錐形の本体42aと円筒形のボス42bを有する。ボス42bの中空部が支持ピン35に嵌合してその摩擦力により樹脂チップ42は、支持ピン35に保持される。ボス42bの下端面がウイング本体29aの上面に当接し、ウイング29は、ワッシャ40と樹脂チップ42との間に挟持される。
【0025】
支持ピン35の先端部分には環状の凹溝35cが形成されており、また樹脂チップ42には円筒状の中空部42c及びその上端に膨径部42dが形成されている。該樹脂チップ42が支持ピン35に嵌挿された状態で、支持ピン35の上方から樹脂等の柔軟部材からなるカラー45が差込まれる。カラー45は、上記樹脂チップ42の円筒状中空部42cに嵌合し得る胴部45a及び膨径部42dに嵌合し得る頭部45bと、支持ピン35に嵌合し得る中空部及び該中空部の内壁から環状に突出して形成された係合部とを有しており、上記カラー45は、樹脂チップ42及び支持ピン35の上方から差込まれることにより、上記係合部が支持ピン支持部の凹溝35cに係合して、抜止め係止される。
【0026】
ピンチェーンコンベヤ11は、ローラチェーン12の支持ピン35に、ワッシャ40が圧入、固定され、ウイング29が支持ピン35の上方から差込まれて上記ワッシャ40に位置決めされ、更に樹脂チップ42が支持ピン35に差込まれた後、カラー45が差込まれて抜止めされて、組み立てられる。この状態では、ウイング29は、支持ピン35に固定されたワッシャ40と樹脂チップ42に挟持され、支持ピン35の所定位置に廻り止めされて位置決め、固定される。
【0027】
上述したように、支持ピン35にワッシャ40を圧入、固定することにより、ウイング29は、簡単な作業により容易に支持ピン35に取付けることができ、ピンチェーンコンベヤ11の製造コストを低廉化することができる。
【0028】
ピンチェーンコンベヤ11は、蓋のない状態の缶体が上記樹脂チップ42に被せられて保持された状態で、塗装や乾燥等の各製造工程を搬送される。この際、支持ピン35が水平に近い状態に傾いたり、缶体が揺れる方向の力が作用しても、缶体は、上記所定位置に位置決めされたウイング29により安定して支持される。
【0029】
また、支持ピン35は、ローラチェーン12のピンを同径のまま延長して用いることができ、また特殊形状の取付けプレートを必要とせず、アウタリンクプレート36をそのまま利用することが可能であり、ピンチェーンコンベヤ11の構成を簡単、単純化でき、ピンチェーンコンベヤ11のコストダウン及び軽量化を図ることができる。従って、これによりピンチェーンコンベヤ11が軽量化される分、上述した製造工程におけるピンチェーンコンベヤ11の運転に際し、搬送速度の高速化が可能となり、缶の生産効率を向上することが可能となる。また、ピンチェーンコンベヤ11の駆動エネルギも軽量化された分だけ少なくて足り、エネルギロスを低減することが可能となる。
【0030】
使用による経年変化でローラチェーン12が所定以上伸びて、チェーン12を交換する際、支持ピン35からカラー45を外して樹脂チップ42を引き抜いた後、ウイング29を支持ピンの上方へ引き抜くことにより、ウイング29は、ローラチェーン12から容易に取外すことができる。そして、新しいローラチェーン12を製缶装置に付け換える際、支持ピン35に上述と同様にワッシャ40を圧入して固定し、上記取外したウイング29を再び使用することが可能となり、その分メンテナンスコストを低減することができる。
【0031】
上述した実施の形態による支持ピン35は、アウタリンクプレート36に固定された状態で、ワッシャ40を圧入したが、これを支持ピン35にワッシャ40を圧入した後に、該支持ピンをローラチェーン12に組込んでもよい。この場合、支持ピン35の下端(ローラチェーン12側)から所定長さ、例えば断面D字状に僅かに面取りするように切削又は研削等の除去加工を施してもよい。これにより、ワッシャ40の圧入孔を同形状にすることにより、ワッシャ40の回転方向及び軸方向の位置決めを確実にすると共に、アウタリンクプレート36の圧入孔も同形状として支持ピン35自体の回転防止を確実にすることができる。
【0032】
また、支持ピン35を、下方が僅かに太径となるように段付き形状として、該太径部分に面取りを施して、ワッシャ40を該面取り部分に圧入して、ワッシャ40の回転方向及び軸方向の位置決めを確実にしてもよい。上記ワッシャ40の位置決めを確実化することにより、ウイング29が、使用中に他の部材に接触する等により回動することを防止できる。
【0033】
なお、上述実施の形態は、チェーンにローラチェーンを用いたが、これに限らず、ブシュチェーン等の他のチェーンを用いてもよい。
【符号の説明】
【0034】
11 ピンチェーンコンベヤ
12 (ローラ)チェーン
35 支持ピン
29 ウイング
29a 本体
29b ラグ
30 インナリンク
31 アウタリンク
32 インナリンクプレート
33 ブシュ
35 支持ピン
36 アウタリンクプレート
37 ピン
40 ワッシャ
41 突起(凸加工)
42 樹脂チップ
図1
図2
図3