特許第6405282号(P6405282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405282
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】車載アクセサリ操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20181004BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181004BHJP
   H01H 19/02 20060101ALI20181004BHJP
   H01H 25/00 20060101ALN20181004BHJP
   H01H 89/00 20060101ALN20181004BHJP
【FI】
   B60H1/00 103Z
   B60H1/00 103D
   B60H1/00 103W
   B60R16/02 630Z
   H01H19/02 A
   H01H19/02 H
   !H01H25/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-78262(P2015-78262)
(22)【出願日】2015年4月7日
(65)【公開番号】特開2016-199065(P2016-199065A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2017年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 裕之
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博史
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−193716(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/042848(WO,A1)
【文献】 特開2006−12662(JP,A)
【文献】 特開2001−60424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00−3/06
H01H 19/00−21/88,25/00−25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって回転操作されるダイヤルと、
前記ダイヤルの周囲に固定され、前記ダイヤルの回転操作についての指標を前記ダイヤルから見て外側方向に示す指標部と、
前記指標の外側または外側後方に設けられ、車室側を前方として前記指標の像を前方に示す反射部と、
を備えることを特徴とする車載アクセサリ操作装置。
【請求項2】
前記指標部が、前記ダイヤルを囲む形状に形成され、前記指標部の外面に前記指標が設けられた請求項1に記載の車載アクセサリ操作装置において、
前記反射部は、
前記指標部の形状に沿った形状を有し、前記指標の外側または外側後方で前記指標部に対向することを特徴とする車載アクセサリ操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載アクセサリ操作装置において、
前記ダイヤルの後端の外側または外側後方に位置する光源と、
前記光源と前記指標部との間の区間で前記ダイヤルに沿って設けられ、前記光源から発せられた光を前方に導いて、前記指標に光を照射する導光部と、を備えることを特徴とする車載アクセサリ操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤルを備える車載アクセサリ操作装置に関し、特に、ダイヤルの回転操作についての指標を示す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、空調装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置等のアクセサリ機器が搭載され、車室のフロントパネルやオーバヘッドコンソールには、アクセサリ機器を操作するためのダイヤルが配置されている。例えば、空調装置については、温度、送風モード、送風強度等を設定するためのダイヤルが配置される。
【0003】
近年、アクセサリ機器を操作するためのダイヤルについては、操作性および美観の観点から様々な構成が考えられている。例えば、特許文献1に記載されている温度制御用ダイヤルでは、光を発する複数の目盛がダイヤルノブの周囲に配置されている。複数の目盛はダイヤルノブを囲むように周回状に配置され、ダイヤルノブの中心から見た方向に応じて発光色が異なっている。ユーザは、ダイヤルノブに示された指針と目盛に基づいて、ダイヤルノブの回転位置や、ダイヤルノブを回転させるべき方向を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−107490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている温度制御用ダイヤルでは、ダイヤルノブの大きさや目盛りの位置、ユーザの位置等によっては、目盛がダイヤルノブに隠れてしまい、ダイヤルノブの回転位置や、それを回転させるべき方向をユーザが把握することが困難となる場合があった。
【0006】
本発明は、ダイヤルの回転操作についての指標を明確に示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザによって回転操作されるダイヤルと、前記ダイヤルの周囲に固定され、前記ダイヤルの回転操作についての指標を前記ダイヤルから見て外側方向に示す指標部と、前記指標の外側または外側後方に設けられ、車室側を前方として前記指標の像を前方に示す反射部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記指標部は、前記ダイヤルを囲む形状に形成され、前記指標部の外面に前記指標が設けられ、前記反射部は、前記指標部の形状に沿った形状を有し、前記指標の外側または外側後方で前記指標部に対向する。
【0009】
望ましくは、前記ダイヤルの後端の外側または外側後方に位置する光源と、前記光源と前記指標部との間の区間で前記ダイヤルに沿って設けられ、前記光源から発せられた光を前方に導いて、前記指標に光を照射する導光部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダイヤルの回転操作についての指標を明確に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】アクセサリ操作装置の斜視図である。
図2】アクセサリ操作装置の断面図である。
図3】アクセサリ操作装置の分解斜視図である。
図4】アクセサリ操作装置の前方に光を導く構造を示す図である。
図5】応用例に係るアクセサリ操作装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1には本発明の実施形態に係るアクセサリ操作装置1の斜視図が示されている。アクセサリ操作装置1は、例えば、車室のフロントパネルに取り付けられる。図1のx軸正方向は、車室からアクセサリ操作装置1に向かって右方向に対応する。y軸正方向はアクセサリ操作装置1から車室に向かう方向に対応し、z軸正方向は車室の下方向に対応する。以下の説明では、アクセサリ操作装置1から車室に向かう方向を前方とし、車室からアクセサリ操作装置1に向かう方向を後方とする。また、本願明細書で用いられる略円筒形状の用語は、円筒形状に近似した形状を意味し、円筒形状に対して組み立てのための変形や、美観を奏するための変形等を加えた形状を意味する。その他の「略」が付された形状を示す用語についても同様である。
【0013】
アクセサリ操作装置1は、ダイヤル10、ダイヤル内プッシュノブ26、ボタンスイッチ12、前面パネル14、指標部16、反射部18、筐体20および裏カバー22を備える。前面パネル14にはダイヤル穴30が設けられており、ダイヤル穴30からダイヤル10が突出している。ダイヤル10は略円筒形状を有し、2つのダイヤル内プッシュノブ26を囲む。各ダイヤル内プッシュノブ26の前面は略半円形状を有する。2つのダイヤル内プッシュノブ26が、それぞれの前面の直線の辺を揃えて配置されることで、略円形の前面が形成されている。
【0014】
ダイヤル10の前方には、その後方に比べて直径が拡大されたダイヤルノブ24が設けられ、ダイヤルノブ24の内側に2つのダイヤル内プッシュノブ26が位置する。ダイヤル10は、略円筒形状の軸を中心に回転可能となっている。本実施形態における各ダイヤル内プッシュノブ26は、筐体20に取り付けられており、ダイヤル10と共に回転しない。他の実施形態として、各ダイヤル内プッシュノブ26をダイヤル10と共に回転する構成としてもよい。ユーザは、ダイヤルノブ24を摘んでダイヤル10を回転操作する。ダイヤル10の周囲には、ボタンスイッチ12が設けられている。図1には、5個のボタンスイッチ12が設けられた例が示されている。
【0015】
ダイヤル10、各ダイヤル内プッシュノブ26および各ボタンスイッチ12には、車両に搭載されたアクセサリ機器の各機能が割り当てられている。例えば、アクセサリ機器が空調装置である場合には、ダイヤル10の回転操作によって、温度や送風強度が調整される。ダイヤル10は、その回転方向に応じてアクセサリ機器を操作するものであってもよいし、その回転位置(ある状態を0°とした回転角度)に応じてアクセサリ機器を操作するものであってもよい。ダイヤル10が、その回転位置に応じてアクセサリ機器を操作するものである場合、ダイヤル10の縁または側面には、その回転位置を示すためのマークが付されてもよい。
【0016】
ダイヤル内プッシュノブ26またはボタンスイッチ12の押下操作によって、暖房機能のオンオフ、冷房機能のオンオフ、送風モードの切り換え等が行われる。上側のダイヤル内プッシュノブ26および各ボタンスイッチ12には、インジケータレンズ28が設けられている。アクセサリ操作装置1の内部には、発光ダイオード等の光源が設けられており、アクセサリ機器の動作状態に応じて光源が点灯する。光源から発せられた光は、インジケータレンズ28から前方に放射される。なお、本実施形態では、2つのダイヤル内プッシュノブ26のうち、上側のダイヤル内プッシュノブ26のみにインジケータレンズ28が設けられているが、必要に応じて、下側のダイヤル内プッシュノブ26のみ、あるいは、両方のダイヤル内プッシュノブ26にインジケータレンズ28が設けられてもよい。
【0017】
ダイヤルノブ24の後方には指標部16が設けられている。指標部16は、帯状に形成されており、ダイヤル10の周囲を囲んでいる。指標部16は、筐体20に固定されておりダイヤル10と共に回転しない。指標部16の側面(外面)には、ダイヤル10の回転方向の指標となる色彩が付されている。例えば、指標部16の左半分の側面には青色が付され、右半分の側面には赤色が付される。前面パネル14に設けられたダイヤル穴30には、その縁に沿った形状の反射部18が設けられている。反射部18には光を反射する加工が施されている。反射部18には、めっき加工により鏡面が形成されてもよいし、鏡面に粗目を持たせる加工によって光を拡散する面が形成されてもよい。指標部16の側面から発せられた光は反射部18において反射し、前方、すなわち、車室側に向けられる。これによって、指標部16の側面の像が車室側に向けられる。
【0018】
反射部18に写った像によって、ダイヤル10の回転方向とアクセサリ機器に対する操作との関係がユーザに示される。例えば、アクセサリ機器が空調装置であり、ダイヤル10に温度調整機能が割り当てられているものとする。そして、指標部16の左半分の側面に付された青色の色彩が低温側を示し、指標部16の右半分の側面に付された赤色の色彩が高温側を示すものとする。この場合、反射部18に写った青色の像、および、赤色の像によって、ダイヤル10を左方向に回すことで空調装置の温度設定値が低くなり、ダイヤル10を右方向に回すことで空調装置の温度設定値が高くなることがユーザに示される。
【0019】
指標部16の側面には、筐体20内の光源から導かれた光が照射されるようになっている。この光源は、ユーザの操作によってオンオフが可能となっている。光源をオンにすることで、反射部18からは指標部16の側面に付された色彩に応じた色彩の反射光が前方に放射される。あるいは、指標部16の側面に付された色彩に応じた色彩の反射光が反射部18近傍で拡散する。これによって、暗い場所に車両がある場合においても、アクセサリ操作装置1のダイヤル操作が容易となる。
【0020】
図2には、図1のAB線でアクセサリ操作装置1を切断した場合の断面の一部が示されている。図1に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
筐体20の後方には基板32が配置されている。基板32の後方は、裏カバー22で覆われている。筐体20には、ダイヤル10の回転運動を案内する案内部34が形成されている。案内部34は略円筒形状の案内壁36、案内壁36の前方を塞ぐ前方壁38、および、前方壁38の裏面から後方に伸びる柱状の補強部40を含む。案内壁36の後方には、外側方向に広がり外周において後方に折れたフランジ部42が形成されている。フランジ部42の縁および補強部40の後端は基板32に接している。
【0022】
ダイヤル10は、リテーナ44およびダイヤルノブ24を備える。リテーナ44およびダイヤルノブ24は、略円筒形状に形成されている。ダイヤルノブ24の直径はリテーナ44の直径よりも大きい。ダイヤルノブ24は、さらに、摘み筒部46、および化粧筒部48を備える。摘み筒部46および化粧筒部48は、略円筒形状に形成されている。摘み筒部46の後端には、内側に入り込んだ環状の接合部52が形成され、接合部52の内周には、後方に突出したはめ込み突出縁54が形成されている。はめ込み突出縁54はリテーナ44の前方の開口に嵌め込まれる。これによって、ダイヤルノブ24がリテーナ44に固定される。化粧筒部48は、前方の縁に色彩が付され、あるいは、めっきが施されており、ダイヤルノブ24の美観を奏する。化粧筒部48の外面は、摘み筒部46の内面に接しており、摘み筒部46の前方の開口に固定されている。図2には現れていないが、化粧筒部48の前方の開口には2つのダイヤル内プッシュノブが位置する。
【0023】
リテーナ44の後方の開口には案内部34が入り込んでいる。これによってダイヤル10は、案内部34によって支持されると共に、案内部34の周りで回転可能となる。基板32には、ダイヤル10の回転位置または回転方向を検出する回転センサ(図示せず)が設けられている。リテーナ44は回転センサが回転位置または回転方向を検出するための機構(図示せず)を有する。
【0024】
基板32には、光源としての発光ダイオード56が、案内部34の周りに配置されている。複数の発光ダイオード56が、案内部34の周りに所定の間隔で配置されていてもよい。発光ダイオード56の前方には導光部58が配置されている。導光部58は略円筒形状を有し、リテーナ44の周りを囲むよう、筐体20に固定されている。導光部58の後端の縁の後面は、発光ダイオード56の方に向けられている。導光部58は、例えば、光を透過するプラスチック材料等、空気よりも屈折率が大きい材料によって形成される。導光部58の前方の先端部には、光を拡散させる構造が設けられている。また、導光部58は、あらゆる位置で光を拡散させる構造を有していてもよいし、あらゆる位置で光を拡散させる材料が含まれていてもよい。
【0025】
なお、ここでは、発光ダイオード56が基板32上に設けられ、ダイヤル10の外側後方に発光ダイオード56が配置された例について説明した。このような構成の他、導光部58の後端がダイヤル10の側方で終端するように導光部58の後方を短くし、ダイヤル10の側方、すなわち、短縮された導光部58の後端付近に発光ダイオード56を配置してもよい。
【0026】
導光部58とリテーナ44との間には、リテーナ44を囲む帯状の指標部16が設けられている。指標部16の側面には指標部側突起部62が形成されている。また、導光部58の内側には導光部側突起部64が形成されている。指標部側突起部62が導光部側突起部64の前面に固定されることで、指標部16は導光部58の内側に固定される。指標部16の側面における指標部側突起部62より前方の領域には、ダイヤル10の回転方向の指標となる色彩が付されている。
【0027】
導光部58の前方には、反射部18が設けられている。反射部18は円環形状に形成されており、前面パネル14に開けられたダイヤル穴の縁に固定されている。図2に示される例では、反射部18は、指標部16に向かう方向から前方に亘って表面方向が曲がった曲面状の反射面を備える。
【0028】
このように反射部18は、指標部16の形状に沿った形状を有し、指標部16における色彩が付された領域の外側で指標部16に対向する。反射部18は、指標部16において色彩が付された領域よりも、後方に位置していてもよい。
【0029】
図3には、図1および図2に示された構成要素のうち、反射部18、前面パネル14、指標部16、導光部58、筐体20、および基板32を示す分解斜視図が示されている。図1および図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
指標部16の側面に形成された指標部側突起部62は、導光部58の内面に形成された導光部側突起部64に固定される。導光部58は、筐体20に形成された案内部34を囲むように筐体20に固定される。基板32には、6個の発光ダイオード56が周回状に固定されている。筐体20には、各発光ダイオード56から前方が見通される穴が開けられている。導光部58および基板32が筐体20に固定されることで、導光部58の後方の縁の後面が各発光ダイオード56に向けられる。反射部18は、前面パネル14に開けられたダイヤル穴30の縁に固定される。説明の明確化のため図3では省略されているが、指標部16の内側の領域には、筐体20に形成された案内部34の周りで回転可能なダイヤルが設けられる。ただし、図2に示されたダイヤル10の構成では、ダイヤル10を構成するリテーナ44が先に筐体20に取り付けられた後に、その他の部品が順次取り付けられる。また、筐体20に形成された略四角筒状のプッシュノブ固定部57に、ダイヤル内プッシュノブが取り付けられる。
【0031】
図4には、発光ダイオード56から、アクセサリ操作装置1の前方に光を導く構造の拡大図が示されている。図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
導光部58は、発光ダイオード56と指標部16との間の区間で、ダイヤル10を構成するリテーナ44に沿って設けられており、発光ダイオード56から発せられた光を前方に導いて、指標部16の側面に光を照射する。
【0033】
矢印Aで示されているように、発光ダイオード56から発せられ導光部58に入射した光は、導光部58によって前方に導かれる。矢印BおよびCで示されているように、導光部58の前方で拡散した光は指標部16の側面に入射し反射する。指標部16の側面で反射した光は、反射部18において反射して矢印Dで示されているように、車室側に向かう。
【0034】
アクセサリ操作装置1によれば、指標部16の像が反射部18に写され、車室側のユーザに示される。例えば、指標部16の側面の左半分に青色の色彩が付され、右半分に赤色の色彩が付された場合には、反射部18の左半分には青色の像が写り、反射部18の右半分には赤色の像が写る。これによって、ユーザは、アクセサリ機器に対してダイヤル10を用いた操作を行う場合に、ダイヤル10をいずれの方向に回すべきかを認識することができる。車両が明るい場所にある場合には、発光ダイオード56を点灯させなくとも、ユーザは反射部18に写った指標部16の像を認識できることが多い。反射部18は、ダイヤル10の周囲を囲む形状を有しているため、反射部18に写し出された像があらゆる方向からユーザによって視認され得る。
【0035】
また、発光ダイオード56を点灯させた場合には、指標部16の側面に光が照射され、反射部18からは指標部16の側面に付された色彩に応じた色彩の反射光が前方に放射される。あるいは、指標部16の側面に付された色彩に応じた色彩の反射光が反射部18近傍で拡散する。これによって、暗い場所に車両がある場合においても、アクセサリ操作装置1のダイヤル操作が容易となる。車室に放射される光は、発光ダイオード56から直接発せられる光ではなく、拡散および反射を経た光であるため、木漏れ日のような程良い強度となる。
【0036】
なお、上記では、ダイヤルの回転操作についての指標(ダイヤルから見て外側方向に示される回転指標)として、指標部の側面の左半分および右半分に異なる色彩を付した例について説明した。このような回転指標の他、180°より小さい所定角度範囲ごとに異なる色彩を付したものを回転指標としてもよい。例えば、右方向を0°、左周りを正方向として、指標部の0°以上90°未満の範囲、90°以上180°未満の範囲、180°以上270°未満の範囲、270°以上360°未満の範囲にそれぞれ異なる色彩を付してもよい。この場合、反射部18で反射する光の色彩によって、ダイヤルの回転方向の他、回転位置の範囲が示される。また、指標部の側面の周回方向に沿って徐々に色彩が変化するグラデーション調の色彩が指標部の側面に付されていてもよい。指標の色彩は、ビニールテープによって施されてもよいし、塗料の塗布によって施されてもよい。
【0037】
なお、アクセサリ操作装置は、筐体の大きさを拡大して、その他のダイヤルやスイッチを増設してもよい。例えば、図5に示されるアクセサリ操作装置2では、第2ダイヤル66が設けられている。第2ダイヤル66についても、上述のように、発光ダイオード、導光部、指標部、反射部等を設けることで、回転指標を車室側に示す構造を持たせてもよい。また、ダイヤル10の上方には、液晶パネル等の周辺機器が収納されるケース68が構成されている。このケース68は、電気機器を収納する空間として用いられる他、運転者の小物入れとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1,2 アクセサリ操作装置、10 ダイヤル、12 ボタンスイッチ、14 前面パネル、16 指標部、18 反射部、20 筐体、22 裏カバー、24 ダイヤルノブ、26 ダイヤル内プッシュノブ、28 インジケータレンズ、30 ダイヤル穴、32 基板、34 案内部、36 案内壁、38 前方壁、40 補強部、42 フランジ部、44 リテーナ、46 摘み筒部、48 化粧筒部、50 前面壁、52 接合部、54 はめ込み突出縁、56 発光ダイオード、57 プッシュノブ固定部、58 導光部、62 指標部側突起部、64 導光部側突起部、66 第2ダイヤル、68 ケース。
図1
図2
図3
図4
図5