【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドロキシチロソールとガロイル基を有する化合物とを組み合わせて用いることにより、ヒドロキシチロソールの体内吸収を促進し、体内滞留時間を延長させることが可能となることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、以下のものに関する:
[1]ヒドロキシチロソール又はその誘導体と、ガロイル基を有する化合物とを含有する組成物。
[2]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格中に1以上のガロイル基を有するフラバン類化合物の単量体である、[1]記載の組成物。
[3]前記単量体が、フラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[2]記載の組成物。
[4]前記ガロイル基を有する化合物が、ガロイル基を有するカテキン類化合物である[2]記載の組成物。
[5]前記ガロイル基を有するカテキン類化合物が、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート及びそれらのメチル化体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むカテキン類化合物である[4]記載の組成物。
[6]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格を有するフラバン類化合物の重合体であって、ここで少なくとも1つの構成単位がフラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[1]記載の組成物。
[7]前記重合体が、オリゴメリックプロアントシアニジン(以下、単に「プロアントシアニジン」、又は「OPC」ともいう)である[6]記載の組成物。
[8]前記ガロイル基を有する化合物が、ブドウ、松、アロニア、ピーナッツ、ココア、リンゴ、小豆、タマリンド、柿、緑茶、紅茶由来である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の組成物。
[9]ガロイル基を有する化合物が、ブドウ種子抽出物由来である、[8]記載の組成物。
[10]ヒドロキシチロソール又はその誘導体と、ブドウ種子抽出物とを含有する組成物。
[11]ヒドロキシチロソール又はその誘導体とガロイル基を有する化合物とを重量比1:0.1〜1:100の量で含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の組成物。
[12]ヒドロキシチロソール又はその誘導体とガロイル基を有する化合物とを重量比1:0.1〜1:30の量で含む、[11]に記載の組成物。
[13]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格中に1以上のガロイル基を有するフラバン類化合物の単量体である、[11]または[12]に記載の組成物。
[14]ヒドロキシチロソール又はその誘導体とオリゴメリックプロアントシアニジンを重量比1:1〜1:100の量で含む、[11]に記載の組成物。
[15]ヒドロキシチロソール又はその誘導体とガロイル基を有する化合物とを含む[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物であって、ここでガロイル基を有する化合物が酸加水分解により没食子酸を生じるガロイルエステル類であり、ヒドロキシチロソール又はその誘導体とガロイルエステル類の酸加水分解により生じる没食子酸とのモル比が1:0.1〜1:10である、組成物。
[16]ヒドロキシチロソール又はその誘導体を0.01重量%〜10重量%の量で含み、ガロイル基を有する化合物を0.1重量%〜30重量%の量で含む、[1]〜[10]のいずれか一項記載の組成物。
[17]飲食物である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載の組成物。
[18]医薬組成物である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載の組成物。
[19]ガロイル基を有する化合物を有効成分として含む、ヒドロキシチロソール又はその誘導体の体内吸収促進剤。
[20]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格中に1以上のガロイル基を有するフラバン類化合物の単量体である、[19]記載の体内吸収促進剤。
[21]前記単量体が、フラバン骨格の3位に水酸基が結合したフラバン類化合物又はフラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[20]記載の体内吸収促進剤。
[22]前記ガロイル基を有する化合物が、ガロイル基を有するカテキン類化合物である[20]記載の体内吸収促進剤。
[23]前記ガロイル基を有するカテキン類化合物が、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート及びそれらのメチル化体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むカテキン類化合物である[22]記載の体内吸収促進剤。
[24]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格を有するフラバン類化合物の重合体であって、ここで少なくとも1つの構成単位がフラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[19]記載の体内吸収促進剤。
[25]前記重合体が、オリゴメリックプロアントシアニジンである[24]記載の体内吸収促進剤。
[26]前記ガロイル基を有する化合物が、ブドウ、松、アロニア、ピーナッツ、ココア、リンゴ、小豆、タマリンド、柿、緑茶、紅茶由来である、[19]〜[25]のいずれか一項に記載の体内吸収促進剤。
[27]ガロイル基を有する化合物が、ブドウ種子抽出物由来である、[26]記載の体内吸収促進剤。
[28]ブドウ種子抽出物を含有する、ヒドロキシチロソール又はその誘導体の体内吸収促進剤。
[29]ガロイル基を有する化合物を0.1重量%〜30重量%の量で含有する、[19]〜[28]のいずれか一項に記載の体内吸収促進剤。
[30][19]〜[29]のいずれか一項に記載の体内吸収促進剤であって、ここでガロイル基を有する化合物が酸加水分解により没食子酸を生じるガロイルエステル類であり、ガロイルエステル類をその酸加水分解により生じる没食子酸の重量に換算して0.01重量%〜25重量%の量で含有する、体内吸収促進剤。
[31][19]〜[28]のいずれか一項に記載の体内吸収促進剤であって、ここでガロイル基を有する化合物が酸加水分解により没食子酸を生じるガロイルエステル類であり、体内吸収促進剤1グラムあたりガロイルエステル類をその酸加水分解により生じる没食子酸に換算して0.001ミリモル〜1ミリモルの量で含有する、体内吸収促進剤。
[32]オリゴメリックプロアントシアニジンを0.1重量%〜30重量%の量で含有する、[25]〜[29]のいずれか一項に記載の体内吸収促進剤。
[33]ガロイル基を有する化合物を有効成分として含む、ヒドロキシチロソール又はその誘導体の体内滞留時間延長剤。
[34]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格中に1以上のガロイル基を有するフラバン類化合物の単量体である、[33]記載の体内滞留時間延長剤。
[35]前記単量体が、フラバン骨格の3位に水酸基が結合したフラバン類化合物又はフラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[34]記載の体内滞留時間延長剤。
[36]前記ガロイル基を有する化合物が、ガロイル基を有するカテキン類化合物である[34]記載の体内滞留時間延長剤。
[37]前記ガロイル基を有するカテキン類化合物が、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート及びそれらのメチル化体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むカテキン類化合物である[36]記載の体内滞留時間延長剤。
[38]前記ガロイル基を有する化合物が、フラバン骨格を有するフラバン類化合物の重合体であって、ここで少なくとも1つの構成単位がフラバン骨格の3位にガロイル基が結合したフラバン類化合物である、[33]記載の体内滞留時間延長剤。
[39]前記重合体が、オリゴメリックプロアントシアニジンである[38]記載の体内滞留時間延長剤。
[40]前記ガロイル基を有する化合物が、ブドウ、松、アロニア、ピーナッツ、ココア、リンゴ、緑茶、紅茶由来である、[33]〜[39]のいずれか一項に記載の体内滞留時間延長剤。
[41]ガロイル基を有する化合物が、ブドウ種子抽出物由来である、[40]記載の体内滞留時間延長剤。
[42]ブドウ種子抽出物を含有する、ヒドロキシチロソール又はその誘導体の体内滞留時間延長剤。
[43]ガロイル基を有する化合物を0.1重量%〜30重量%の量で含有する、[33]〜[42]のいずれか一項に記載の体内滞留時間延長剤。
[44][33]〜[43]のいずれか一項に記載の体内滞留時間延長剤であって、ここでガロイル基を有する化合物が酸加水分解により没食子酸を生じるガロイルエステル類であり、ガロイルエステルをその酸加水分解により生じる没食子酸の重量に換算して0.01重量%〜25重量%の量で含有する、体内滞留時間延長剤。
[45][33]〜[43]のいずれか一項に記載の体内滞留時間延長剤であって、ここでガロイル基を有する化合物が酸加水分解により没食子酸を生じるガロイルエステル類であり、体内吸収促進剤1グラムあたりガロイルエステル類をその酸加水分解により生じる没食子酸に換算して0.001ミリモル〜1ミリモルの量で含有する、体内滞留時間延長剤。
[46]オリゴメリックプロアントシアニジンを0.1重量%〜30重量%の量で含有する、[38]〜[43]のいずれか一項に記載の体内滞留時間延長剤。