(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、
図1〜
図3を用いて、本発明を適用した積層セラミックコンデンサ10の構造について説明する。
【0011】
積層セラミックコンデンサ10のサイズは、長さLと幅Wと高さHによって規定されている。この積層セラミックコンデンサ10は、略直方体状のコンデンサ本体11と、略L字状の第1外部電極12と、略L字状の第2外部電極13とを備えている。
【0012】
コンデンサ本体11は、長さ方向で向き合う第1面f1及び第2面f2と、幅方向で向き合う第3面f3及び第4面f4と、高さ方向で向き合う第5面f5及び第6面f6とを有している。また、コンデンサ本体11には、複数の第1内部電極層14と複数の第2内部電極層15が誘電体層16を介して交互に積層された容量部(符号省略)が内蔵されており、この容量部の幅方向両側と高さ方向両側は誘電体からなるマージン部(符号省略)によって覆われている。ちなみに、各第1内部電極層14の輪郭と各第2内部電極層15の輪郭は矩形であって、各第1内部電極層14の輪郭寸法及び厚さと各第2内部電極層15の輪郭寸法及び厚さは略同じであり、各誘電体層16の厚さは略同じである。
【0013】
各第1内部電極層14の長さ方向一端部(
図2の左端部)は引出部14aとなっていて、各引出部14aの端縁はコンデンサ本体11の第1面f1に引き出されており、各端縁は第1外部電極12の第1部分12aに接続されている。また、各第2内部電極層15の長さ方向一端部(
図2の右端部)は引出部15aとなっていて、各引出部15aの端縁はコンデンサ本体11の第2面f2に引き出されており、各
端縁は第2外部電極13の第1部分13aに接続されている。
【0014】
コンデンサ本体11の第3面f3と第4面f4と第5面f5と第6面f6それぞれは略平らな平面状となっているものの、第1面f1と第2面f2それぞれは深さを有する凹面状となっている。この「凹面状」は中央又は中央付近に向かって深さが増す形状を意味するものであって、面自体がでこぼこであっても滑らかであっても構わない。
図2中のDmaxとDminは「凹面状」の態様を代替的に規定する寸法であって、Dmaxは凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2との間の最大長さ方向寸法、具体的には第1面f1の縁と第2面f2の縁との間に現れる最大の長さ方向寸法を示し、Dminは凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2との間の最小長さ方向寸法、具体的には第1面f1の最深部と第2面f2の最深部との間に現れる最小の長さ方向寸法を示す。ちなみに、凹面状の第1面f1の最大深さと凹面状の第2面f2の最大深さは好ましくは略同じであるが、必ずしも略同じである必要はない。また、凹面状の第1面f1の態様と凹面状の第2面f2の態様は好ましくは略同じであるが、必ずしも略同じである必要はない。
【0015】
第1外部電極12は、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1に沿う第1部分12aと平面状の第5面f5に沿う第2部分12bとを有する略L字状となっており、第1部分12aは凹面状の第1面f1に密着し、第2部分12bは平面状の第5面f5に密着している。また、第2外部電極13は、コンデンサ本体11の凹面状の第2面f2に沿う第1部分13aと平面状の第5面f5に沿う第2部分13bとを有する略L字状となっており、第1部分13aは凹面状の第2面f2に密着し、第2部分13bは平面状の第5面f5に密着している。
【0016】
また、第1外部電極12の第1部分12aの厚さはコンデンサ本体11の凹面状の第1面f1の最大深さよりも大きく、且つ、第2外部電極13の第1部分13aの厚さはコンデンサ本体11の凹面状の第2面f1の最大深さよりも大きい。そのため、第1外部電極12の第1部分12aと第2外部電極13の第1部分13aそれぞれは、コンデンサ本体11を第6面f6側から見たときに該コンデンサ本体11から外側に張り出している。ちなみに、第1外部電極12の第1部分12aの張出部分の厚さと第2外部電極13の第1部分13aの張出部分の厚さは好ましくは略同じであるが、必ずしも略同じである必要はない。また、第1外部電極12の第2部分12bの厚さ及び長さ方向寸法と第2外部電極13の第2部分13bの厚さ及び長さ方向寸法は略同じである。
【0017】
図示を省略したが、第1外部電極12は、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1及び平面状の第5面f5に密着した下地膜と、この下地膜の外面に密着した表面膜との2層構造、或いは、下地膜と表面膜との間に少なくとも1つの中間膜を有する多層構造を有している。また、第2外部電極13は、コンデンサ本体11の凹面状の第2面f2及び平面状の第5面f5に密着した下地膜と、この下地膜の外面に密着した表面膜との2層構造、或いは、下地膜と表面膜との間に少なくとも1つの中間膜を有する多層構造を有している。
【0018】
コンデンサ本体11の材料について補足すれば、コンデンサ本体11の第1内部電極層14と第2内部電極層15を除く部分には、好ましくはチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、酸化チタン等を主成分とした高誘電率系誘電体セラミックス、より好ましくは比誘電率が1000以上の高誘電率系誘電体セラミックスを使用できる。
【0019】
各第1内部電極層14の材料と各第2内部電極層15の材料について補足すれば、各第1内部電極層14と各第2内部電極層15には、好ましくはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。
【0020】
第1外部電極12と第2外部電極13それぞれの下地膜等の材料及び作製方法について補足すれば、第1外部電極12と第2外部電極13それぞれの下地膜は例えば焼き付け膜又はメッキ膜からなり、この下地膜には好ましくはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。表面膜は例えばメッキ膜からなり、この表面膜には好ましくは銅、スズ、パラジウム、金、亜鉛、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。中間膜は例えばメッキ膜からなり、この中間膜には好ましくは白金、パラジウム、金、銅、ニッケル、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。
【0021】
なお、
図1〜
図3には、長さLと幅Wと高さHそれぞれが長さL>幅W=高さHである積層セラミックコンデンサ10を描いているが、これら長さLと幅Wと高さHの関係は長さL>幅W>高さHや、長さL>高さH>幅Wの他、幅W>長さL=高さHや、幅W>長さL>高さHや、幅W>高さH>長さLであってもよい。また、第1内部電極層14と第2内部電極層15それぞれを7層ずつ描き、且つ、誘電体層16を13層描いているが、これらは図示の都合によるものであって、第1内部電極層14と第2内部電極層15それぞれの数は8層以上(誘電体層16の数は15層以上)であってもよいし、6層以下(誘電体層16の数は11層以下)であってもよい。
【0022】
次に、
図1〜
図3の符号を適宜引用して、前記積層セラミックコンデンサ10に適した製法例について説明する。
【0023】
製造に際しては、誘電体セラミックス粉末を含有したセラミックスラリーと、良導体粉末を含有した第1電極ペーストと、良導体粉末を含有し、且つ、共材(セラミックスラリーに含まれている誘電体セラミックス粉末と同じ誘電体セラミックス粉末)を含有した第2電極ペーストを用意する。続いて、キャリアフィルムの表面に前記セラミックスラリーを塗工し乾燥して、第1グリーンシートを作製する。また、第1グリーンシートの表面に前記第1電極ペーストを印刷し乾燥して、第1内部電極層14及び第2内部電極層15の前身となる内部電極パターン群が形成された第2グリーンシートを作製する。
【0024】
続いて、第1グリーンシートから取り出した単位シートを所定枚数に達するまで積み重ねて熱圧着する作業を繰り返して、高さ方向一方のマージン部に対応する部位を作製する。また、第2グリーンシートから取り出した単位シート(内部電極パターン群を含む)を所定枚数に達するまで積み重ねて熱圧着する作業を繰り返して、容量部に対応する部位を作製する。さらに、第1グリーンシートから取り出した単位シートを所定枚数に達するまで積み重ねて熱圧着する作業を繰り返して、高さ方向他方のマージン部に対応する部位を作製する。最後に、積み重ねられた全体を本熱圧着して、未焼成積層シートを作製する。
【0025】
続いて、未焼成積層シートを格子状に切断して、未焼成チップを作製する。続いて、未焼成チップの長さ方向両面それぞれに前記第2電極ペーストをディップし乾燥すると共に、未焼成チップの高さ方向一面に前記第2電極ペーストを印刷し乾燥して、第1外部電極12と第2外部電極13それぞれの下地膜に対応する未焼成下地膜を作製する。
【0026】
続いて、未焼成下地膜が形成された未焼成チップを、前記セラミックスラリーに含まれている誘電体セラミックス粉末と前記第1電極ペースト及び前記第2電極ペーストに含まれている良導体粉末に応じた雰囲気下、並びに、温度プロファイルにて多数個一括で焼成(脱バインダ処理と焼成処理を含む)を行い、必要に応じて二次焼成(再酸化処理)を行って、焼成チップを作製する。続いて、焼成チップを多数個一括でバレル研磨して角及び稜線に丸み付けを行って、コンデンサ本体11を作製する。
【0027】
前記未焼成チップ作製工程で得られた未焼成チップの長さ方向両面それぞれは略平らな平面状であるが、前記未焼成下地膜作製工程で未焼成チップの長さ方向両面それぞれに形成される未焼成下地膜には共材が含まれており、未焼成チップの幅方向両面と高さ方向他面に未焼成下地膜は形成されない。そのため、前記焼成チップ作製工程では、未焼成下地膜に含まれている共材の含有量に応じて、未焼成チップの長さ方向両面それぞれを幅方向内側に圧縮する力CF(
図1を参照)が作用すると共に高さ方向内側に圧縮する力CF(
図2を参照)が作用し、これら圧縮力に基づいて未焼成チップの長さ方向両面それぞれが凹面状に整形される。
【0028】
なお、未焼成下地膜に含まれている共材(ここでは前記セラミックスラリーに含まれている誘電体セラミックス粉末と同じ誘電体セラミックス粉末)は前記作用を生じるが、この共材と同程度の熱膨張係数を持つ材料、例えば前記セラミックスラリーに含まれている誘電体セラミックス粉末と同程度の熱膨張係数を持つ別種類の誘電体セラミックス粉末や、前記セラミックスラリーに含まれている誘電体セラミックス粉末と同程度の熱膨張係数を持つガラス粉末等を前記共材の代わりに用いても、前記同様の整形が行える。
【0029】
続いて、焼成チップの各下地膜を覆う表面膜、或いは、中間膜と表面膜を、電解メッキや無電解メッキ等の湿式メッキ法、或いは、スパッタリングや真空蒸着等の乾式メッキ法によって形成して、第1外部電極12と第2外部電極13それぞれを作製する。
【0030】
次に、
図4を用いて、前記積層セラミックコンデンサ10を評価するために用意したサンプル1〜12の仕様及び特性等について説明する。
【0031】
各サンプル1〜12は前記製法例に準じて製造されたものであって、各サンプル1〜12の共通仕様と非共通仕様は以下のとおりである。ちなみに、共通仕様と非共通仕様に記した数値は何れも設計上の基準値であって、製造公差を含むものではない。
【0032】
〈サンプル1〜12の共通仕様(
図1〜
図3の符号を引用)〉
・定格電圧が6.3V、定格容量が2.2μF
・長さLが600μm、幅Wが300μm、高さHが300μm
・コンデンサ本体11の長さ方向寸法(最大長さ方向寸法Dmaxに相当)が520μm、幅方向寸法が300μm、高さ方向寸法が275μm
・コンデンサ本体11の第1内部電極層14と第2内部電極層15を除く部分の主成分がチタン酸バリウム
・第1内部電極層14と第2内部電極層15の主成分がニッケル、各々の厚さが0.5μm、各々の層数が123層
・誘電体層16の厚さが0.5μm、層数が245層
・コンデンサ本体11の幅方向マージン部の厚さが20μm、高さ方向マージン部の厚さが15μm
・第1外部電極12の第1部分12aの張出部分の厚さと第2外部電極13の第1部分13aの張出部分の厚さが40μm、第1外部電極12の第2部分12bの厚さと第2外部電極13の第2部分13bの厚さが25μm
・第1外部電極12と第2外部電極13それぞれが3層構造、下地膜の主成分は銅、中間膜の主成分はニッケル、表面膜の主成分はスズ
【0033】
〈サンプル1〜12の非共通仕様(
図1〜
図3の符号を引用)〉
・サンプル1の最小長さ方向寸法Dminが520μm
・サンプル2の最小長さ方向寸法Dminが515μm
・サンプル3の最小長さ方向寸法Dminが510μm
・サンプル4の最小長さ方向寸法Dminが504μm
・サンプル5の最小長さ方向寸法Dminが499μm
・サンプル6の最小長さ方向寸法Dminが494μm
・サンプル7の最小長さ方向寸法Dminが489μm
・サンプル8の最小長さ方向寸法Dminが484μm
・サンプル9の最小長さ方向寸法Dminが478μm
・サンプル10の最小長さ方向寸法Dminが473μm
・サンプル11の最小長さ方向寸法Dminが468μm
・サンプル12の最小長さ方向寸法Dminが463μm
・各サンプル1〜12の最小長さ方向寸法Dminは、前記製法例において共材の含有量が異なる第2電極ペーストをそれぞれ用いることによって変化させた。
【0034】
図4の「Dmin/Dmax」には、最小長さ方向寸法Dminを最大長さ方向寸法Dmaxで除した数値をサンプル1〜12毎に記してある。
図4の「容量低下率(%)」には、各100個のサンプル1〜12に対し、アジレント・テクノロジー社のプレシジョンLCRメーター4284Aを用いて、定格電圧(6.3V)よりも高い直流電圧(7.0V)を印加してそのときの実効容量を測定すると共に、定格容量から各100個の実効容量の平均値を減じた値を定格容量で除した値を、サンプル1〜12毎に記してある。また、
図4の「デラミネーション発生率(%)」には、各100個のサンプル1〜12の切断面を光学顕微鏡によって観察して、コンデンサ本体内の内部電極層にデラミネーションが発生していた個数をサンプル1〜12毎に記してある。
【0035】
図4の「容量低下率(%)」の数値から分かるように、サンプル1及び2の容量低下率に比べてサンプル3〜12の容量低下率は小さい。また、
図4の「デラミネーション発生率(%)」の数値から分かるように、サンプル3〜12のうち、サンプル12のデラミネーション発生率に比べてサンプル3〜11のデラミネーション発生率は小さい。即ち、
図4の「容量低下率(%)」の数値に「デラミネーション発生率(%)」の数値を考慮した場合、Dmin/Dmaxの好ましい範囲は0.90以上0.98以下となる。
【0036】
次に、前記積層セラミックコンデンサ10によって得られる効果について説明する。
【0037】
(1)前記積層セラミックコンデンサ10は、コンデンサ本体11の第1面f1が凹面状となっていて、第1外部電極12の第1部分12aが凹面状の第1面f1に密着するように形成されており、コンデンサ本体11の第2面f2が凹面状となっていて、第2外部電極13の第1部分13aが凹面状の第2面f2に密着するように形成されている。即ち、この構成を採用すれば、さらなる容量増加のためにコンデンサ本体11の第1内部電極層14と第2内部電極層15を除く部分に高誘電率系誘電体セラミックスを使用した場合でも、積層セラミックコンデンサ10自体のDCバイアス特性が悪化することを抑制できる。
【0038】
前記構成を採用することによってDCバイアス特性の悪化抑制ができる事実は
図4を用いた先の説明内容から明らかであるものの、その根拠としては以下のことが推測できる。例えば、前記製法例の焼成チップ作製工程で未焼成チップの長さ方向両面それぞれを幅方向内側に圧縮する力CF(
図1を参照)と高さ方向内側に圧縮する力CF(
図2を参照)は製造後においても残存する。つまり、
図1〜
図3に示した積層セラミックコンデンサ10は、第1外部電極12と第2外部電極13それぞれが略L字状であるが故に、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2それぞれを幅方向内側に圧縮する力CF(
図1を参照)と高さ方向内側に圧縮する力CF(
図2を参照)を働かせた状態とすることができるため、定格電圧よりも高い直流電圧を印加しても、高誘電率系誘電体セラミックスの比誘電率が変化し難くなるのではないかと思われる。
【0039】
(2)前記積層セラミックコンデンサ10は、第1外部電極12の第1部分12aの厚さがコンデンサ本体11の凹面状の第1面f1の最大深さよりも大きく、且つ、第2外部電極13の第1部分13aの厚さがコンデンサ本体11の凹面状の第2面f2の最大深さよりも大きい。即ち、この構成を採用すれば、さらなる容量増加のためにコンデンサ本体11の第1内部電極層14と第2内部電極層15を除く部分に高誘電率系誘電体セラミックスを使用した場合でも、積層セラミックコンデンサ10自体のDCバイアス特性が悪化することをより確実に抑制することができる。
【0040】
前記構成を採用することによってDCバイアス特性の悪化抑制をより確実化できる事実は
図4を用いた先の説明内容から明らかであるものの、その根拠としては以下のことが推測できる。例えば、
図1〜
図3に示した積層セラミックコンデンサ10において、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2それぞれを幅方向内側に圧縮する力CF(
図1を参照)と高さ方向内側に圧縮する力CF(
図2を参照)を働かせた状態とするには、第1外部電極12の第1部分12aと第2外部電極13の第1部分13aにそれ相当の厚さが必要となる。依って、第1外部電極12の第1部分12aの厚さをコンデンサ本体11の凹面状の第1面f1の最大深さよりも大きくし、且つ、第2外部電極13の第1部分13aの厚さをコンデンサ本体11の凹面状の第2面f2の最大深さよりも大きくすれば、前記状態を確実に維持できるのではないかと思われる。
【0041】
(3)前記積層セラミックコンデンサ10は、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2との間の最大長さ方向寸法をDmaxとし、コンデンサ本体11の凹面状の第1面f1と凹面状の第2面f2との間の最小長さ方向寸法をDminとしたとき、最大長さ方向寸法Dmaxと最小長さ方向寸法Dminは0.90≦Dmin/Dmax≦0.98の条件を満足している。この条件については
図4を用いて先に説明したとおりであり、同条件を満足していれば、定格電圧よりも高い直流電圧を印加しても容量低下が生じ難いため、積層セラミックコンデンサ10自体のDCバイアス特性が悪化することをより確実に抑制できると共に、コンデンサ本体11内の第1内部電極層14と第2内部電極層15それぞれにデラミネーションが発生することを抑制して高品質の積層セラミックコンデンサ10を提供することができる。