特許第6405346号(P6405346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新特系統股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許6405346スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路
<>
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000002
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000003
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000004
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000005
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000006
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000007
  • 特許6405346-スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405346
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20181004BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G01R31/28 M
   G01R31/28 K
   H01L21/66 B
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-161738(P2016-161738)
(22)【出願日】2016年8月22日
(65)【公開番号】特開2017-129559(P2017-129559A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2016年8月22日
(31)【優先権主張番号】62/280,712
(32)【優先日】2016年1月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516251761
【氏名又は名称】新特系統股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ 鴻尉
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−305879(JP,A)
【文献】 特開平07−063788(JP,A)
【文献】 特開2013−088288(JP,A)
【文献】 特表2008−529012(JP,A)
【文献】 特開2014−202728(JP,A)
【文献】 特開2004−125707(JP,A)
【文献】 特開2009−287943(JP,A)
【文献】 特開2011−179842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイのパッド試験を行うための試験回路であって、前記ダイは少なくとも1組の試験ユニットを含み、各組の試験ユニットは複数のパッドを含み、
前記試験回路は、
前記複数のパッドにそれぞれ対応する複数のプローブと、
試験信号を出力するための少なくともつの信号チャネルと、
前記少なくともつの信号チャネルと前記複数のプローブとの間に接続され、前記少なくともつの信号チャネルと前記複数のプローブとの結合を切り替える少なくとも1つのスイッチと、を含み、
前記試験回路は、前記少なくともつの信号チャネルのうち1つを介して前記複数のパッドのうち一部のパッドに試験信号を順次出力し、前記少なくとも1つのスイッチの切り替え状態を変えた後に前記少なくともつの信号チャネルのうち1つを介して前記複数のパッドのうち他部のパッドに試験信号を順次出力し、前記複数のパッドから戻された応答信号をそれぞれ受信する、試験回路。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスイッチ及び前記複数のプローブを配置する基板、をさらに含む、請求項1に記載の試験回路。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスイッチと前記複数のプローブとは前記基板の同一の表面に配置される、請求項2に記載の試験回路。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスイッチと前記複数のプローブとは前記基板の異なる表面に配置される、請求項2に記載の試験回路。
【請求項5】
前記基板には、前記少なくとも1つのスイッチと前記複数のプローブとを接続させるための複数の貫通穴が形成される、請求項4に記載の試験回路。
【請求項6】
前記基板には、
複数の第1貫通穴と、
複数の第2貫通穴と、
前記複数の第1貫通穴と前記複数の第2貫通穴との間に接続される複数の印刷配線が形成され、
前記複数のプローブは前記複数の第1貫通穴を介して前記複数の印刷配線に接続され、前記複数の印刷配線は前記複数の第2貫通穴を介して前記少なくとも1つのスイッチに接続され、
前記複数の印刷配線の長さは、実質的に10〜15cmである、請求項4に記載の試験回路。
【請求項7】
前記試験回路は試験装置に用いられ、
前記試験装置は、
前記試験回路に接続され、前記少なくともつの信号チャネルを介して、前記試験回路に前記試験信号を出力し、前記試験回路から前記応答信号を受信する試験機と、
前記ダイを含み、前記試験回路を介して前記少なくともつの信号チャネルと前記ダイの複数のパッドのうち1つとを接続させる被試験装置と、を含む、請求項1に記載の試験回路。
【請求項8】
前記試験ユニットはM個のパッドを含み、
前記少なくとも1つのスイッチのうち1つは、前記少なくともつの信号チャネルのうち1つとN個のプローブとの結合を切り替え、
前記試験回路は(M/N)個のスイッチを介して前記試験ユニットを試験する、請求項1に記載の試験回路。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスイッチは、1対2、1対4、1対8又は1対16の切り替えスイッチである、請求項1に記載の試験回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験回路に関し、特にスイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では半導体製造プロセスが成熟しており、半導体製造プロセスの優れた技術により集積回路の応用がますます広くなり、人々に使用される電子製品では殆ど集積回路チップをコア素子として用いて電子製品を制御する。半導体プロセスの進化がより洗練されているため、現在では、集積回路を試験するための多種の試験装置及び試験方法が出現し、例えば集積回路チップのパッド試験(PAD test)は、パッドが作動できない集積回路チップをパッケージ化して出荷し、不良品を市販するのを防止するように、集積回路チップにおけるワイヤボンディング(wire−bonding)又はゴールドバンプ(gold bump)のパッドを試験する。
【0003】
新しく設計された集積回路チップについて、試験装置の製造者は応用ニーズに対応するように、集積回路チップに応じて異なる型番の試験装置を提供する。しかし、試験装置の製造コストが非常に高く、試験装置の製造者が試験装置のアップデートに伴い購入済みの試験装置を処分すると、試験装置の製造者の試験コストが大幅に増加することに繋がる。
【0004】
従って、試験コストを低減させるために、購入済みの試験装置を処分することなく、型番の異なる試験装置に互換性をもたらすのは、業界にとって重要な課題の1つとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第I365993号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、試験回路に必要なハードウェア面積を低減し、製造コストを削減し、型番の異なる試験装置に互換性をもたらす、スイッチを用いて単一の信号チャネルと複数のパッドとの結合を切り替える試験回路を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のスイッチが設けられ、複数のスイッチにより、試験機の信号チャネルとダイの複数のパッドとの結合(或いは単一の信号チャネルと複数のプローブとの結合)をそれぞれ切り替える試験回路(プローブカードでもよい)を提供する。これによって、試験時間が同一の場合に、試験回路に必要なハードウェア面積を低減させ、製造コストを削減できる。本発明は単一の信号チャネルにより複数のパッドを試験するため、試験機は他の信号チャネルを用いて他の試験ユニット又はダイを同時に試験でき、試験機の同時試験の数を増加でき、試験スループットを向上できる。
【0008】
本発明の試験回路を型番の異なる試験装置に取り付けることができ、試験回路を交換し、対応する試験フローを更新することで、型番の異なる試験装置に互換性をもたらすことができる。従って、試験装置の製造者は、異なる集積回路チップの設計に応じて、購入済みの試験装置を用いて他の型番の試験装置の試験順序を実現できる。これによって、試験装置の製造者の試験コストを効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】試験装置の機能ブロック図である。
図2】試験装置の一部を示す図である。
図3】本発明の実施例の試験装置の一部を示す図である。
図4】本発明の実施例の試験装置の一部を示す図である。
図5】本発明の実施例のプローブカードの断面構成の例を示す図である。
図6】本発明の実施例の他のプローブカードの断面構成の例を示す図である。
図7】本発明の実施例の他のプローブカードの断面構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は試験装置1の機能ブロック図である。試験装置1は、プローブカード10、及び少なくとも1つの被試験装置(DUT:Device Under Test)12を試験するための試験機(Tester)11を含む。プローブカード10は、試験回路であってもよく、試験機11と被試験装置12との間の接続インタフェースであり、集積回路チップのパッド試験(PAD test)のために用いられ、試験機1の信号チャネルと被試験装置12に含まれるチップ又はダイ(Die)のパッドとを接続させるためのものである。試験機11は、被試験装置12に必要な試験信号を提供し、被試験装置12の応答信号を受信し、応答信号と所定条件及び結果に基づいて、被試験装置12の電気的試験結果が良品又は不良品を示すかを判断してもよい。また、操作者は、試験機11により特定の試験プログラムを実行して、被試験装置12の試験フローを制御してもよい。
【0011】
図2は試験装置2の一部を示す図である。試験装置2は、試験機(図2に図示せず)、及び被試験装置12を試験するプローブカード20を含む。プローブカード20は、複数の信号チャネルCH1〜CH8と複数のプローブとの間に接続される複数のスイッチ201〜208を含み、各スイッチは単一の信号チャネルとN個のプローブとの結合を切り替え、各プローブはパッドに対応する。例えば、スイッチ201〜208は単極双投(Single Pole Double Throw)スイッチであってもよく、スイッチ201は信号チャネルCH1と2つのプローブ及び対応するパッドP1、P2との結合を切り替え、スイッチ202は信号チャネルCH2と2つのプローブ及び対応するパッドP3、P4との結合を切り替え、他のスイッチも類似する。M個のパッドP1〜PMは1組の試験ユニットであると仮定すると、各試験ユニットについて(M/N)個のスイッチを用いてパッド試験を行う必要がある。Mが実質的に16であり、且つNが実質的に2である場合に、各試験ユニットでは8個のスイッチが必要となる。
【0012】
パッド試験を行う場合は、試験機は、単一のパッドごとに電気的試験を行う。例えば、試験機は、信号チャネルCH1〜CH8とパッドP1、P3、…、P(M−1)とをそれぞれ接続させるようにスイッチ201〜208を制御し、信号チャネルCH1〜CH8を介してパッドP1、P3、…、P(M−1)に試験信号を順次出力し、パッドP1、P3、…、P(M−1)から戻された応答信号を受信する。そして、試験機は、スイッチの切り替え状態を変え、即ち信号チャネルCH1〜CH8とパッドP2、P4、…、PMとを接続させるようにスイッチ201〜208を制御し、信号チャネルCH1〜CH8を介してパッドP2、P4、…、PMに試験信号を順次出力し、パッドP2、P4、…、PMから戻された応答信号を受信する。このように、試験機は、1組の試験ユニットのパッド試験を完了した。試験機がダイの全てのパッドから戻された応答信号を収集した場合に、試験機は、応答信号の電気的試験結果に基づいて、ダイ(即ち被試験装置12)が良品又は不良品であるかを示してもよい。
【0013】
言い換えれば、試験機はまずスイッチの切り替え状態を固定し、信号チャネルを介してパッドに試験信号を順次出力して該パッドから応答信号を受信し、そして、試験機はスイッチの切り替え状態を変更し、信号チャネルを介してもう1つのパッドに試験信号を順次出力し、該もう1つのパッドから応答信号を受信する。試験機がダイの全てのパッドから戻された応答信号を収集した場合に、試験機は、応答信号の電気的試験結果に基づいて、ダイ(即ち被試験装置12)が良品又は不良品であるかを示してもよい。
【0014】
図3は本発明の実施例のもう1つの試験装置3の一部を示す図である。試験装置3は、試験機(図3に図示せず)、及び被試験装置12を試験するプローブカード30を含む。プローブカード30は、複数の信号チャネルCH1、CH2と複数のプローブとの間に接続される複数のスイッチ301、302を含み、各スイッチは単一の信号チャネルと8つのプローブとの結合を切り替える。例えば、スイッチ301は信号チャネルCH1と8つのプローブ及び対応するパッドP1〜P8との結合を切り替え、スイッチ302は信号チャネルCH2と8つのプローブ及び対応するパッドP9〜PMとの結合を切り替える。この場合は、同様に16個のパッドP1〜PMを1組の試験ユニットとして試験する際に、プローブカード20で8個のスイッチが必要となることに比べて、プローブカード30は2つのスイッチのみを用いて、同じ試験時間内に1組の試験ユニットの試験を完了できる(試験機が単一のパッドごとに電気的試験を行うため、各組の試験ユニットのパッドの総数が同じである場合に、試験時間も同じである)。
【0015】
このように、試験時間が同じである場合に、プローブカード30は数の少ないスイッチを用いるため、必要なハードウェア面積も小さく、ここで、プローブカード30に必要なハードウェア面積がプローブカード20に必要なものの約1/4であるため、プローブカード30の製造コストを削減できる。なお、各組の試験ユニットは2つの信号チャネルCH1、CH2のみを用いるため、試験機は他の信号チャネルCH3〜CH8を用いて他の3組の試験ユニットを試験でき、試験機の同時試験の数を増加でき、試験スループット(Throughput)を向上できる。
【0016】
図3の実施例では、パッド試験を行う際に、試験機はまずCH1及び対応するスイッチ301を起動して、信号チャネルCH1を介してパッドP1〜P8に試験信号を順次出力し、パッドP1〜P8から戻された応答信号をそれぞれ受信する。そして、試験機はCH2及び対応するスイッチ302を起動して、信号チャネルCH2を介してパッドP2〜PMに試験信号を順次出力し、パッドP2〜PMから戻された応答信号をそれぞれ受信する。このように、試験機は、1組の試験ユニットについてのパッド試験を完了して、次の組の試験ユニットについてパッド試験を行う。ダイの全ての試験ユニットについてのパッド試験が完了した場合に、試験機は、応答信号の電気的試験結果に基づいて、ダイ(即ち被試験装置12)が良品又は不良品であるかを示してもよい。
【0017】
図4は本発明の実施例のもう1つの試験装置4の一部を示す図である。試験装置4は、試験機(図4に図示せず)、及び被試験装置12を試験するプローブカード40を含む。プローブカード40のスイッチ401は、単一の信号チャネルと16個のプローブとの結合を切り替える。この場合は、同様に16個のパッドP1〜PMを1組の試験ユニットとして試験する際に、プローブカード40は1つのスイッチのみを用いて、同じ試験時間内に1組の試験ユニットの試験を完了できる。
【0018】
このように、試験時間が同じである場合に、プローブカード40は数の少ないスイッチを用いるため、必要なハードウェア面積も小さく、ここで、プローブカード40に必要なハードウェア面積がプローブカード30に必要なものの約1/2(或いはプローブカード20の1/8)であるため、プローブカード40の製造コストを削減できる。なお、各組の試験ユニットは1つの信号チャネルCH1のみを用いるため、試験機は他の信号チャネルCH2〜CH8を用いて他の7組の試験ユニットを試験でき、試験機の同時試験の数を増加でき、試験スループット(Throughput)を向上できる。
【0019】
図4の実施例では、パッド試験を行う際に、試験機はまずCH1及び対応するスイッチ401を起動して、信号チャネルCH1を介してパッドP1〜PMに試験信号を順次出力し、パッドP1〜PMから戻された応答信号をそれぞれ受信する。このように、試験機は、1組の試験ユニットについてのパッド試験を完了して、次の組の試験ユニットについてパッド試験を行う。ダイの全ての試験ユニットについてのパッド試験が完了した場合に、試験機は、応答信号の電気的試験結果に基づいて、ダイ(即ち被試験装置12)が良品又は不良品であるかを示してもよい。
【0020】
上記の実施例から分かるように、単一のダイの全てのP個のパッドを複数組の試験ユニットに分け、各組の試験ユニットがM個のパッドを含み、且つ各スイッチが単一の信号チャネルとN個のプローブとの結合を切り替えることができる場合に、プローブカードは、(M/N)個のスイッチを用いて各組の試験ユニットを試験する必要があり、この場合に、試験機は、(P/N)個の信号チャネルのみを用いて単一ダイの全てのパッドを試験できる。
【0021】
例えば、試験機が16個の信号チャネルを含むと仮定し、プローブカードにスイッチを設けていない場合に、16個の信号チャネルが16個のパッドにそれぞれ対応する。本発明では、プローブカードにスイッチを設けた場合に、図3の例では、単一のダイの128個のパッド(P=128)を8組の試験ユニットに分け、各組の試験ユニットは16個のパッド(M=16)を含み、各組の試験ユニットは2つの1対8のスイッチ(N=8)及び2つの信号チャネルが必要となる場合に、試験機は16個の信号チャネル(即ちP/N=128/8=16、或いは2チャネル*8組試験ユニット=16チャネル)を用いて、単一のダイの全てのパッドを試験できる。
【0022】
図4の例では、試験機が16個の信号チャネルを含むと仮定し、単一のダイの128個のパッドを8組の試験ユニットに分け、各試験ユニットが16個のパッド(M=16)を含み、且つ各組の試験ユニットは1つの1対16のスイッチ(N=16)及び1つの信号チャネルが必要となる場合に、試験機は8個の信号チャネル(即ちP/N=128/16=8、或いは1チャネル*8組試験ユニット=8チャネル)を用いて、単一のダイの全てのパッドを試験できる。従って、試験機は、他の8個の信号チャネルを用いて、もう1つのダイを同時に試験できる。
【0023】
なお、試験装置2、3及び4は型番の異なる試験機及び対応する試験フローを含むため、異なる集積回路チップ設計に応じて、対応するパッド試験の順序が異なる。例えば、M個のパッドを含む試験ユニットについて、試験装置2の試験順序は、パッドP1、P3、…、P(M−1)及びP2、P4、…、PMであり、試験装置3の試験順序は、パッドP1〜P8及びP9〜PMであり、試験装置4の試験順序は、パッドP1〜PMである。従って、1つの型番の試験装置を用いてもう1つの試験装置の試験順序を実現する場合に、例えば試験装置4で試験装置2の試験順序を実現する場合に、操作者は、試験装置4のプローブカード40を試験装置2に取り付け、試験装置4の試験フローを修正し、或いは更新する(例えば自動制御のソフトウェアプログラムを更新する)ことで、試験装置4を用いて試験装置2の試験順序を実現してもよい。
【0024】
プローブカードが試験機と被試験装置との間の接続インタフェース(取り外し可能な素子)であり、且つプローブカードの製造コストが試験機のコスト製造よりも比較的に低いため、試験装置の製造者にとって、プローブカードの交換に必要な費用は、試験装置を新しく購入するに必要な費用よりも低いはずである。簡単に言えば、本発明は、試験回路を交換し、試験フローを更新することで、型番の異なる試験装置に互換性をもたらすことができる。従って、試験装置の製造者は、異なる集積回路チップの設計に応じて、購入済みの試験装置を用いて他の型番の試験装置の試験順序を実現できる。これによって、試験装置の製造者の試験コストを効果的に低減できる。
【0025】
本発明は、複数のスイッチが設けられ、複数のスイッチにより、試験機の信号チャネルとダイの複数のパッドとの結合(或いは信号チャネルと複数のプローブとの結合)をそれぞれ切り替えることで、試験時間が同一の場合に、試験回路に必要なハードウェア面積を低減させ、製造コストを削減できる。なお、本発明は単一の信号チャネルにより複数のパッドを試験するため、試験機は他の信号チャネルを用いて他の試験ユニット又はダイを同時に試験でき、試験機の同時試験の数を増加でき、試験スループットを向上できる。
【0026】
上記構造に該当するプローブは全て本発明の範疇に属し、上記の実施例に限定されない。例えば、スイッチは、1対2、1対4、1対8若しくは1対16の切り替えスイッチ、又は他の可能な単極多投スイッチ若しくは一対多のソリッドステートリレー(SSR:Solid−State Relay)であってもよく、即ちNは2よりも大きい任意の正整数であってもよい。また、当業者は、プローブカードのハードウェア構造、回路設計、形状、サイズについて、上記構造に基づいて修正、変更してもよく、本発明はこれに限定されない。
【0027】
例えば、図5は本発明の実施例のプローブカード50の断面構成の例を示す図である。プローブカード50は、基板51、複数のスイッチ52、複数のプローブ及び複数の保持フレームを含む。スイッチ52は、基板51の表面(例えば下面)に配置され、複数のプローブと試験機(図5に図示せず)との間に接続され、試験機の単一の信号チャネルとN個のプローブと間の結合を切り替える。保持フレームは、基板51の同一の表面(例えば下面)に配置され、パッド試験を行うようにプローブを固定する。即ち、スイッチ52とプローブとは基板51の同一の表面に配置される。
【0028】
図6は本発明の実施例の他のプローブカード60の断面構成の例を示す図である。プローブカード60は、基板61、複数のスイッチ62、複数のプローブ及び複数の保持フレームを含む。スイッチ62は、基板61の表面(例えば上面)に配置され、複数のプローブと試験機(図6に図示せず)との間に接続され、試験機の単一の信号チャネルとN個のプローブと間の結合を切り替える。保持フレームは、基板61のもう1つの表面(例えば下面)に配置され、パッド試験を行うようにプローブを固定する。即ち、スイッチ62とプローブとは基板61の異なる表面に配置される。基板61には、試験信号及び応答信号の伝送及び受信を行うために、異なる表面に配置されているスイッチ62とプローブとを接続させるための複数の貫通穴63(via)が形成され、スイッチ62が貫通穴63を介してプローブに接続される。
【0029】
図7は本発明の実施例の他のプローブカード70の断面構成の例を示す図である。プローブカード70は、基板71、複数のスイッチ72、複数のプローブ及び複数の保持フレームを含む。スイッチ72は、基板71の表面(例えば上面)に配置され、複数のプローブと試験機(図7に図示せず)との間に接続され、試験機の単一の信号チャネルとN個のプローブと間の結合を切り替える。保持フレームは、基板71のもう1つの表面(例えば下面)に配置され、パッド試験を行うようにプローブを固定する。即ち、スイッチ72とプローブとは基板71の異なる表面に配置される。基板71には、貫通穴73、74、及び印刷配線75が形成され、プローブは貫通穴73を介して印刷配線75に接続され、印刷配線75は貫通穴74を介してスイッチ72に接続され、スイッチ72とプローブとの間の信号伝送経路を構成する。1つの実施例では、印刷配線75の長さは、プローブカード70のサイズの規格に応じて、実質的に10〜15cmであってもよい。
【0030】
なお、図2乃至図4から分かるように、各組の試験ユニットのパッドの数を固定すると、プローブカード20に必要なハードウェア面積(例えば8個のスイッチ)はプローブカード30に必要なハードウェア面積(例えば2つのスイッチ)の4倍であり、或いはプローブカード40に必要なハードウェア面積(例えば1つのスイッチ)の8倍である。従って、試験機の形状及びサイズが固定する場合に、プローブカード30及び40の基板は、より多くの利用可能な面積を有するため、設計者は実際の要求に応じて、スイッチの基板上の位置及び印刷配線の長さを調整でき、設計の柔軟性を向上できる。
【0031】
以上のことから、本発明は、複数のスイッチが設けられ、複数のスイッチにより、試験機の信号チャネルとダイの複数のパッドとの結合(或いは単一の信号チャネルと複数のプローブとの結合)をそれぞれ切り替える試験回路(プローブカードでもよい)を提供する。これによって、試験時間が同一の場合に、試験回路に必要なハードウェア面積を低減させ、製造コストを削減できる。本発明は単一の信号チャネルにより複数のパッドを試験するため、試験機は他の信号チャネルを用いて他の試験ユニット又はダイを同時に試験でき、試験機の同時試験の数を増加でき、試験スループットを向上できる。本発明の試験回路を型番の異なる試験装置に取り付けることができ、試験回路を交換し、対応する試験フローを更新することで、型番の異なる試験装置に互換性をもたらすことができる。従って、試験装置の製造者は、異なる集積回路チップの設計に応じて、購入済みの試験装置を用いて他の型番の試験装置の試験順序を実現できる。これによって、試験装置の製造者の試験コストを効果的に低減できる。
以上は単なる本発明の好ましい実施例を説明し、本発明の特許請求の範囲を均等に変更、修正したものは本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0032】
1、2、3、4 試験装置
10、20、30、40、50、60、70 プローブカード
201〜208、301、302、401、52、62、72 スイッチ
CH1〜CH8 信号チャネル
P1〜PM パッド
11 試験機
12 被試験装置
51、61、71 基板
63、73、74 貫通穴
75 印刷配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7