特許第6405366号(P6405366)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6405366ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品
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  • 特許6405366-ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品 図000013
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405366
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20181004BHJP
   C08F 4/22 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   C08L23/08
   C08F4/22
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-511761(P2016-511761)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-517907(P2016-517907A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】US2014034881
(87)【国際公開番号】WO2014179103
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2017年4月18日
(31)【優先権主張番号】61/818,540
(32)【優先日】2013年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ミリドゥラ・カプール
(72)【発明者】
【氏名】マーク・デイヴィス
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−513533(JP,A)
【文献】 特表2007−534812(JP,A)
【文献】 特開平11−071422(JP,A)
【文献】 特表2006−512454(JP,A)
【文献】 特表2006−521455(JP,A)
【文献】 特表2009−533512(JP,A)
【文献】 特表2009−533511(JP,A)
【文献】 特表2009−533513(JP,A)
【文献】 特表2011−511107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/00−23/36
C08F 4/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも95重量パーセントのエチレン由来単位と、
5重量パーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位と、を含む、ポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物が、0.930〜0.945g/cmの範囲の密度と、Z平均分子量の重量平均分子量に対する比(Mz/Mw)が5未満であることを特徴とする分子量分布と、0.08〜0.5g/10分の範囲の溶融指数I(190℃、2.16kgで測定)と、10〜20g/10分の範囲の高流動溶融指数I21(190℃、21.6kgで測定)と、
を有し、
前記ポリエチレン組成物が、支持体及び触媒の総重量に基づいて、0.05〜3.0重量パーセントのクロムを有する酸化クロム触媒を利用して生成され、前記ポリエチレン組成物が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり1ビニル未満のビニル不飽和度を有する、前記ポリエチレン組成物。
【請求項2】
前記ポリエチレン組成物が、0.934〜0.942g/cmの密度を有する、請求項1に記載の前記ポリエチレン組成物。
【請求項3】
前記ポリエチレン組成物が、0.02s−1及び190℃で決定される、少なくとも100,000Pa・sの複素粘度(η)を有する、請求項1または2に記載の前記ポリエチレン組成物。
【請求項4】
前記ポリエチレン組成物が、90超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する複素粘度比を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物を含む物品であって、以下の特性、すなわち、少なくとも10%の45度光沢度、60%未満の全ヘイズのうちの1つ以上を示す、前記物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品に関する。
【背景技術】
【0002】
クロム含有触媒は、高密度、幅広い分子量分布、及びわずかな溶融指数を有するポリエチレン組成物を生成するために典型的に使用される。かかる特性に因り、重合プロセス中の良好な操作性(例えば、反応器の汚損の無さ、低静電気)が実現される。中密度ポリエチレン組成物は、良好な操作性を維持する傾向があるが、かかる最終用途に関して、光学特性の十分な改善を示さなくもある。低密度ポリエチレン組成物は、より改善した光学特性を提供するが、重合反応器は、より多くの汚損及び静電気を受ける。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品である。
【0004】
一実施形態において、本発明は、少なくとも95重量パーセントのエチレン由来単位と、5重量パーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位と、を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、0.930〜0.945g/cmの範囲の密度と、Z平均分子量の重量平均分子量に対する比(Mz/Mw)が5未満であることを特徴とする分子量分布と、0.08〜0.5g/10分の範囲の溶融指数I(190℃、2.16kgで測定)と、10〜20g/10分の範囲の高流動溶融指数I21(190℃、21.6kgで測定)と、を有し、このポリエチレン組成物は、酸化クロム触媒を利用して生成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明を例示する目的のために、例示的な形態が図面に示されるが、本発明は、示される正確な配置及び手段に限定されないことが理解されよう。
【0006】
図1】発明の実施例1〜5及び比較例1〜4の溶融強度を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、ポリエチレン組成物及びそれから作製される物品である。
【0008】
本発明によるポリエチレン組成物は、少なくとも95重量パーセントのエチレン由来単位と、5重量パーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位とを含み、該ポリエチレン組成物は、0.930〜0.945g/cmの範囲の密度と、Z平均分子量の重量平均分子量に対する比(Mz/Mw)が5未満であることを特徴とする分子量分布と、0.08〜0.5g/10分の範囲の溶融指数I(190℃、2.16kgで測定)と、10〜20g/10分の範囲の高荷重溶融指数I21(190℃、21.6kgで測定)と、を有し、このポリエチレン組成物は、酸化クロム触媒を利用して生成される。
【0009】
本発明による物品は、本明細書に記載されるいずれかの実施形態による組成物を含む、物品を含む。
【0010】
本発明によるポリエチレン組成物は、少なくとも95重量パーセントのエチレン由来単位を含む。少なくとも95重量パーセントの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、エチレン由来単位の量は、少なくとも95重量パーセントであり得るか、または代替的に、エチレン由来単位の量は、少なくとも96重量パーセントであり得るか、または代替的に、エチレン由来単位の量は、少なくとも97重量パーセントであり得るか、または代替的に、エチレン由来単位の量は、少なくとも98重量パーセントであり得るか、または代替的に、エチレン由来単位の量は、少なくとも99重量パーセントであり得る。
【0011】
本発明によるポリエチレン組成物は、5重量パーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位由来の少なくとも95重量パーセントの単位を含む。5重量パーセント未満の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位の量は、5重量パーセント未満であり得るか、または代替的に、1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位の量は、4重量パーセント未満であり得るか、または代替的に、1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位の量は、3重量パーセント未満であり得るか、または代替的に、1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位の量は、2重量パーセント未満であり得るか、または代替的に、1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位の量は、1重量パーセント未満であり得る。
【0012】
ポリエチレン組成物は、0.930〜0.945g/cmの範囲の密度を有する。0.930〜0.945g/cmの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、ポリエチレン組成物は、下限0.930、0.934、0.938、0.941、または0.944g/cmから上限0.931、0.925、0.939、0.942、または0.945g/cmを有する密度を有し得る。例えば、密度は、0.930〜0.945g/cmであり得るか、または代替的に、密度は、0.934〜0.942g/cmであり得るか、または代替的に、密度は、0.930〜0.940g/cmであり得るか、または代替的に、密度は、0.938〜0.945g/cmであり得る。
【0013】
ポリエチレン組成物は、Z平均分子量の重量平均分子量に対する比(Mz/Mw)が5未満であることを特徴とする分子量分布を有する。5未満の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、Mz/Mwは、5未満であり得るか、または代替的に、Mz/Mwは、4.5未満であり得るか、または代替的に、Mz/Mwは、4未満であり得る。
【0014】
ポリエチレン組成物は、0.08〜0.5g/10分の範囲の溶融指数I(190℃、2.16kgで測定)を有する。0.08〜0.5g/10分(g/10分)の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、Iは、下限0.08、0.1、0.2、0.3、または0.4g/10分から上限0.1、0.2、0.32、0.44、または0.5g/10分であり得る。例えば、Iは、0.08〜0.5g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、Iは、0.08〜0.25g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、Iは、0.25〜0.5g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、Iは、0.1〜0.4g/10分の範囲であり得る。
【0015】
ポリエチレン組成物は、10〜20g/10分の範囲の高荷重溶融指数I21(190℃、21.6kgで測定)を有する。10〜20g/10分の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、I21は、下限10、12、14、16、または18g/10分から上限11、13、15、17、19、または20g/10分であり得る。例えば、ポリエチレン組成物のI21は、10〜20g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物のI21は、15〜20g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物のI21は、10〜15g/10分の範囲であり得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物のI21は、12〜18g/10分の範囲であり得る。
【0016】
ポリエチレン組成物は、酸化クロム系触媒を利用して生成される。本明細書で開示される実施形態によるポリエチレン組成物の生成において有益な酸化クロム系触媒には、米国特許第4,011,382号で開示されるものが含まれ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。かかる酸化クロム(CrO)系触媒は、好適なクロム化合物、チタン化合物、及び任意選択的にフッ素化合物を乾燥支持体に置き、次いで得られた組成物を、300℃〜900℃の温度で、少なくとも2時間、空気中または酸素中で加熱して活性化させることによって形成され得る。使用され得るクロム化合物は、CrO及び触媒調製条件下で、CrOに転換可能な他のクロム含有化合物を含み、これらの化合物には、例えば、クロムアセチルアセトナート、硝酸クロム、酢酸クロム、塩化クロム、硫酸クロム、及びクロム酸アンモニウムが含まれる。他のクロム化合物には、米国特許第2,825,721号及び同第3,622,521号で開示されるものが含まれ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、酸化クロム触媒は、ゼロ超〜2.5重量パーセントのフッ素を含む。ゼロ超〜2.5重量パーセントのフッ素の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、フッ素が存在するとき、支持体及び触媒の総重量に基づいて、下限0.01、0.1、0.5、1、1.5、2、または2.25重量パーセントから上限0.1、0.5、1、1.5、2、または2.5重量パーセントであり得る。酸化クロム系触媒は、支持体及び触媒の総重量に基づいて、0.05〜3.0重量パーセントのクロムを有し得る。0.05〜3.0重量パーセントの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、クロムの量は、支持体及び触媒の総重量に基づいて、下限0.05、0.1、0.5、1、1.5、2、または2.5重量パーセントから上限0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、または3.0重量パーセントであり得る。酸化クロム系触媒は、支持体及び触媒の総重量に基づいて、1.5〜9.0重量パーセントのチタンを有し得る。1.5〜9.0重量パーセントの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、チタンの量は、支持体及び触媒の総重量に基づいて、下限1.5、2.5、3.5、4.5、6.5、7.5、または8.5重量パーセントから上限2、3、4、5、6、7、8、または9重量パーセントであり得る。
【0017】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり1ビニル未満のビニル不飽和度を有することを除く。ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり1ビニル未満の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書で開示され、本明細書で開示される。例えば、ビニル不飽和度は、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり1ビニル未満であり得るか、または代替的に、ビニル不飽和度は、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.95ビニル未満であり得るか、または代替的に、ビニル不飽和度は、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.93ビニル未満であり得るか、または代替的に、ビニル不飽和度は、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.9ビニル未満であり得る。代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が、ポリエチレンの主鎖に存在する炭素原子1000個当たり少なくとも0.5ビニルのビニル不飽和度を有することを除く。
【0018】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が、0.02s−1及び190℃で決定される、少なくとも100,000Pa・sの複素粘度(η)を有することを除く。少なくとも100,000Pa・sの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、ポリエチレン組成物は、0.02s−1及び190℃において少なくとも100,000Pa・sのηを有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、0.02s−1及び190℃において少なくとも105,000Pa・sのηを有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、0.02s−1及び190℃において少なくとも110,000Pa・sのηを有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、0.02s−1及び190℃において少なくとも112,000Pa・sのηを有し得る。代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が、0.02s−1及び190℃において300,000Pa・s以下のηを有し得ることを除く。
【0019】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が85超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有することを除く。90超の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、ポリエチレン組成物は、85超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、90超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、94超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有し得るか、または代替的に、ポリエチレン組成物は、96超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有し得る。代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、ポリエチレン組成物が250未満である、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する比を有することを除く。
【0020】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品が、以下の特性、すなわち、少なくとも10%の45度光沢度、60%未満の全ヘイズのうちの1つ以上を示すことを除く。少なくとも10%の全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、本物品は、少なくとも10%の45度光沢度を有し得るか、または代替的に、本物品は、少なくとも12%の45度光沢度を有し得るか、または代替的に、本物品は、少なくとも14%の45度光沢度を有し得るか、または代替的に、本物品は、少なくとも15%の45度光沢度を有し得る。60%未満の全ヘイズの全ての個別の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。例えば、本物品は、60%未満のヘイズを有し得るか、または代替的に、本物品は、58%未満のヘイズを有し得るか、または代替的に、本物品は、55%未満のヘイズを有し得るか、または代替的に、本物品は、50%未満のヘイズを有し得るか、または代替的に、本物品は、45%未満のヘイズを有し得るか、または代替的に、本物品は、44%未満のヘイズを有し得る。
【0021】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品は、押出吹込成形物品であることを除く。
【0022】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品が、本明細書に記載される実施形態のいずれか1つに従うポリエチレン組成物を含む少なくとも1つの層を含むフィルムであることを除く。
【0023】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品が、収縮フィルムである、フィルムであることを除く。
【0024】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品が、重量輸送袋であるフィルムであることを除く。
【0025】
代替実施形態において、本発明は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従うポリエチレン組成物及びそれから作製される物品を提供するが、本物品が、加工助剤、酸中和剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、加工安定剤、金属不活性剤、耐酸化性または耐塩素性を改善するための添加剤、顔料、及び着色料からなる群から選択される1つ以上の添加剤を更に含むポリエチレン組成物である、フィルムであることを除く。
【0026】
任意の従来型のエチレン(共)重合反応を、本発明のポリエチレン組成物を生成するために用いてもよい。かかる従来型のエチレン(共)重合反応として、気相重合法、スラリー相重合法、液体相重合法、ならびに1つ以上の従来型反応器、例えば流動床気相反応器、ループ反応器、攪拌槽反応器、バッチ反応器を、平行して、連続して、及び/またはそれらの任意の組み合わせで用いる、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、本発明のポリエチレン組成物は、触媒系を調整することによって高圧反応器中で生成され得る。例えば、本発明による本発明のポリエチレン組成物は、気相反応器中で気相重合法によって生成され得るが、本発明は、それに限定されず、上記の重合法のどれを用いてもよい。一実施形態において、重合反応器は、連続した、平行した、またはそれらの組み合わせの2つ以上の反応器を含んでもよい。好ましくは、重合反応器は、単一の反応器、例えば流動床気相反応器である。別の実施形態において、重合反応器は、エチレン、及び任意の好適な手段によって、連続的に重合反応器を通って流動する1つ以上のα−オレフィン等の任意選択的に1つ以上のコモノマーを含む供給流または気体サイクルを含む連続重合反応器である。
【0027】
生成中、本明細書の下記においてより詳細に説明される、酸化クロム触媒、エチレン、任意選択的に1つ以上のアルファ−オレフィンコモノマー、水素、任意選択的にO、任意選択的に1つ以上の不活性ガス及び/または液体、例えばN、イソペンタン、ヘキサン、ならびに任意選択的に1つ以上の、例えば、エトキシル化ステアリルアミン等の連続添加剤が、反応器、例えば、流動床気相反応器の中へ連続的に供給される。反応器は、1つ以上の排出タンク、サージタンク、パージタンク、及び/または再循環コンプレッサーと、流体連通していてもよい。反応器中の温度は、典型的に、70〜115℃、好ましくは75〜110℃、より好ましくは75〜100℃の範囲であり、圧力は、15〜30気圧(atm)、好ましくは17〜26atmの範囲である。ポリマー床の底部の分配板は、上向きに流れるモノマー、コモノマー、不活性ガス流の均一な流れを提供する。固体粒子とコモノマーガス流との間の接触を提供するために、機械攪拌器を設けてもよい。垂直円筒型反応器である流動床は、ガス速度の低下を促進するために、上端が球形であってもよく、したがって、粒状ポリマーを上向きに流れるガスから分離させることができる。未反応ガスは続いて、重合熱を除去するために冷却され、再圧縮され、次いで反応器底部に再循環される。残留炭化水素が除去され、樹脂がN下においてパージ容器に移されると、本発明のポリエチレン組成物が酸素に晒される前に、Oとの任意の残留触媒反応の存在を減少させるために、湿分を導入してもよい。次いで、本発明のポリエチレン組成物は、ペレット化のために、押出機に移され得る。かかるペレット化技術は一般的に既知である。本発明のポリエチレン組成物は、更に溶融選別されてもよい。押出機中の溶融プロセスに続いて、溶融組成物は、それぞれのアクティブスクリーンが、約5〜約100lb/時/in(1.0〜約20kg/秒/m)の質量流束で、約2〜約400(2〜4×10−5m)の、好ましくは約2〜約300(2〜3×10−5m)の、最も好ましくは約2〜約70(2〜7×10−6m)のミクロン保持サイズを有する、(1つを超えて連続して配置される)1つ以上のアクティブスクリーンを通過させられる。かかる更なる溶融選別は、米国特許第6,485,662号に開示され、それが溶融選別を開示する範囲内で本明細書に組み込まれる。
【0028】
流動床反応器の実施形態において、モノマー流は重合部に送られる。流動床反応器は、速度低減区画と流体連通する反応区画を含んでもよい。反応区画は、反応区画を通る補給供給流及び再循環流体の形態にある重合可能及び改質ガス状成分の連続流によって流動化される、成長しているポリマー粒子、形成されたポリマー粒子、及び触媒組成物粒子の床を含む。好ましくは、補給供給流は、重合可能なモノマー、最も好ましくはエチレンと、少なくとも1つの他のα−オレフィンとを含み、また、当業者に既知の、例えば、米国特許第4,543,399号、米国特許第5,405,922号、及び米国特許第5,462,999号に開示される縮合剤を含んでもよい。
【0029】
流動床は、床を通るガスのろ過により生じる、個別に動く粒子、好ましくはポリエチレン粒子の稠密体という全体的な外観を有する。床による圧力低下は、床の重量を断面積で除したものと等しいか、またはわずかに大きい。したがって、これは反応器の形状に依存する。反応区画において実行可能な流動床を維持するために、床を通る表面ガス速度は、流動化に必要な最低限の流れを上回らなければならない。好ましくは、表面ガス速度は、少なくとも最小流速の2倍である。通常、表面ガス速度は、1.5m/秒を上回らず、いくつかの実施形態において、0.76ft/秒以下で十分である。
【0030】
一般的に、反応区画の高さ対直径の比は、約2:1〜約5:1の範囲で変動し得る。この範囲は、当然のことながら、より大きいまたはより小さい比へと変動し得、所望の生産能力に依存する。速度低減区画の断面積は、典型的に、約2〜約3に反応区画の断面積を乗じた範囲内にある。
【0031】
速度低減区画は、反応区画よりも大きい内径を有し、円錐状に先細りした形状であり得る。名称から示唆されるように、速度低減区画は、断面積の増大によって、ガスの速度を遅くする。このガス速度の低減により、連行粒子が床に落下し、反応器から流れる連行粒子の量が減少する。反応器の塔頂から出るこのガスは、再循環ガス流である。
【0032】
再循環流は、圧縮器中で圧縮され、次いで熱交換区画を通過し、そこで熱を除去した後に流れは床へ戻る。熱交換区画は、典型的に熱交換器であり、水平型または垂直型であり得る。所望であれば、循環ガス流の温度を段階的に下げるため、いくつかの熱交換器が用いられ得る。圧縮器を熱交換器の下流に、または数個の熱交換器の中間点に配置することも可能である。冷却後、再循環流は、再循環吸入口ラインを通って反応器に戻される。冷却された再循環流は、重合反応により生じた反応熱を吸収する。
【0033】
好ましくは、再循環流は、ガス分配板を通じて反応器及び流動床に戻される。ガス偏向器は、含有ポリマー粒子が沈降し、固体塊へ凝集することを防ぐため、かつ反応器の底部での液体の蓄積も防ぐために、ならびに循環ガス流中に液体を含むプロセスと含まないプロセスとの間の、かつ逆の場合も同様の、容易な移行を促進するために、好ましくは反応器への吸入口に設置される。かかる偏向器は、米国特許第4,933,149号及び米国特許第6,627,713号に記載される。
【0034】
流動床において使用される酸化クロム系触媒系は、好ましくは、ガスの覆いの下で貯蔵器において供給用に貯蔵され、これは、窒素またはアルゴン等の貯蔵材料に対して不活性である。酸化クロム系触媒系は、任意の時点及び任意の好適な手段により、反応系、または反応器に添加されてよく、好ましくは、反応系に、流動床内に直接、または再循環ラインにおける、最後の熱交換器の下流、すなわち流れに対して最も遠い交換器の下流に添加され、この場合、活性剤は、ディスペンサーから、床または再循環ライン内に供給される。酸化クロム系触媒系は、分配板上の地点において、床に注入される。好ましくは、酸化クロム系触媒系は、ポリマー粒子との良好な混合が起こる床における地点で注入される。酸化クロム系触媒系を分配板上の地点において注入することは、流動床重合反応器の申し分ない動作を提供する。
【0035】
モノマーは、限定されるものではないが、床または循環ガスラインへのノズルを通じた直接注入を含めた、様々な方法で導入され得る。モノマーはまた、床上に位置するノズルを通じて床の上面に噴霧され得、循環ガス流による微粉の何らかのキャリーオーバーを除去することを助成し得る。
【0036】
補給流体は、反応器への分離ラインを通じて床に供給されてもよい。補給流の組成は、ガス分析器によって決定される。ガス分析器は、再循環流の組成を決定し、補給流の組成は、反応区画内の本質的に定常状態のガス状組成を維持するために、適宜調節される。ガス分析器は、供給流の成分比を維持するために再循環流の組成を決定する、従来型のガス分析器であり得る。かかる装置は、広く多様な供給源から市販されている。ガス分析器は、典型的に、速度低減区画と熱交換器との間に配置されるサンプリング点からガスを受け取るように布置される。
【0037】
発明のポリエチレン組成物の生成速度は、触媒組成物の注入速度、活性剤の注入速度、またはその両方を調節することにより、便宜に制御され得る。触媒組成物の注入速度の任意の変化は、反応速度を変化させ、したがって床において熱が生じる速度を変化させるであろうことから、反応器に入る再循環流の温度が、発熱速度の任意の変化に適合するように調節される。これが、床における本質的に一定の温度の維持を確保する。流動床及び再循環流冷却システム両方の完全な計装は、当然のことながら、オペレータまたは従来型の自動制御システムのいずれかに再循環流の温度の好適な調節を可能にさせるために、床における任意の温度変化を検出するために有用である。
【0038】
所定の設定の動作条件下、流動床は、床の一部を生成物として粒状ポリマー生成物の形成速度で取り出すことによって、本質的に一定の高さに維持される。発熱速度が生成物形成の速度に直接関連するため、反応器にわたる流体の温度上昇、すなわち入口流体温度と出口流体温度の差の測定が、揮発性の液体が入口流体中に全く存在しないかまたは無視できるほどしか存在しない場合、一定の流体速度における発明のポリエチレン組成物の形成速度を示す。
【0039】
反応器からの粒状ポリマー生成物の排出において、生成物から流体を分離し、再循環ラインに流体を戻すことが望ましく、好ましい。この分離を達成するために、当該技術分野で既知の多数の方法がある。代わりに用いられ得る生成物排出システムは、米国特許第4,621,952号に開示及び特許請求されている。かかるシステムは、典型的に、直列に配置された沈降タンク及び移送タンクを含み、沈降タンクの上部から流動床の上部近くの反応器における地点に戻された分離された気相を有する、少なくとも1対(並列)のタンクを用いる。
【0040】
流動床気相反応器の実施形態において、本明細書における流動床プロセスの反応器温度は、70℃、または75℃、または80℃〜90℃、または95℃、または100℃、または110℃、または115℃の範囲であり、望ましい温度範囲は、本明細書に記載される任意の下限温度と組み合わせた任意の上限温度を含む。一般に、反応器温度は、反応器内部の本発明のポリエチレン組成物の焼結温度及び反応器または再循環ライン(複数可)で発生する可能性のある汚損を考慮し、実現可能な最高温度で動作される。
【0041】
本発明の方法は、エチレン由来単位を含むホモポリマー、またはエチレン由来単位及び少なくとも1つ以上の他のオレフィン(複数可)由来単位を含むコポリマーの生成のために好適である。
【0042】
本発明における適切な触媒生産性を維持するために、エチレンが、160psia(1100kPa)、または190psia(1300kPa)、または200psia(1380kPa)、または210psia(1450kPa)、または220psia(1515kPa)の分圧、またはそれよりも高い分圧で、反応器中に存在することが好ましい。
【0043】
コモノマー、例えば1つ以上のα−オレフィンコモノマーは、重合反応器中に存在する場合、完成したポリエチレン中への、コモノマーの所望の重量パーセントの包含を達成するであろう、任意のレベルで存在する。これは、本明細書に記載されるコモノマーのエチレンに対するモル比として表され、循環ガスにおけるコモノマーモルのガス濃度の循環ガスにおけるエチレンモルのガス濃度に対する比である。
【0044】
水素ガスも重合反応器(複数可)に添加されて、本発明のポリエチレン組成物の最終的な特性(例えば、I21及び/またはI)を制御し得る。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は、本発明を例示するが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。発明の実施例1〜5及び比較例1〜4を調製した。本発明の実施例の反応器の条件及び触媒の種類は、表1Aで示される。表1Bは、比較例3の反応器の条件及び触媒の種類を提供する。表1Cは、比較例1の反応器の条件及び触媒の種類を提供し、表1Dは、比較例4の反応器の条件及び触媒の種類を提供する。UCAT(商標)G−150、UCAT(商標)B−300、UCAT(商標)B−375、及びUCAT(商標)B−400触媒は、Univation Technologiesから市販されている。本発明の及び比較例の樹脂を、抗酸化剤を用いて安定させた。
【0046】
【表1A】
【0047】
【表1B】
【0048】
【表1C】
【0049】
【表1D】
【0050】
表2及び3はそれぞれ、発明の実施例1〜5及び比較例1〜4の各々のポリマーの特徴を提供する。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
比較例2は、MARFLEX HHM TR−130という商標名の下、Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されている中密度ポリエチレン樹脂である。
【0054】
フィルム製造条件
単一層吹き付けフィルムを、31/2インチ、30:1のL/DのSterling押出機において、比較例の樹脂及び発明の実施例の樹脂から製造した。押出ラインには、内部泡冷却部が備え付けられている。追加のフィルム製造条件には、以下が含まれる。
型直径:8インチ
型隙間:70ミル
速度:15〜16lb/時/インチ
BUR:2.5:1
フィルム厚:2ミル
平置き状態:31.4インチ
【0055】
追加の条件は、表4で提供される。
【0056】
【表4】
【0057】
比較例及び発明の実施例の各々の分子量データは、表5で示される。表6は、比較例及び発明の実施例の各々の粘弾特性データを提供する。表7は、本発明の実施例及び比較例2〜4の各々の光学特性データを提供する。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
前述の説明及び表1〜3で見られるように、本発明の組成物は、例えば低ヘイズ及び高い透明度等の良好な光学特性と溶融強度とのバランスを備えた成形物品をもたらす。
【0062】
試験方法
試験方法は以下の通りである。
【0063】
密度
イソプロパノール内の樹脂密度を、アルキメデス置換方法、ASTM D792、方法Bによって測定した。検体を、23℃のイソプロパノール浴で8分間調整して、測定前に熱平衡を実現した後、成形の1時間以内に測定した。検体を、手順C毎に、ASTM D4703、Annex A−1に従って圧縮成形した。
【0064】
押出プラストマによる溶融流量
溶融流量測定を、ASTM D1238、それぞれ、I2、、I10、及びI21として既知である条件190℃、2.16kg、条件190℃、5kg、条件190℃、10kg、及び条件190℃、21.6kgに従って実施した。溶融流量は、ポリマーの分子量に反比例する。したがって、分子量が高いほど、溶融流量は低下するが、その関係は線形ではない。
【0065】
示差走査熱量測定(DSC)
RCS(冷蔵冷却系)冷却補機及びオートサンプラーが備え付けられたTA Instruments Model Q1000DSCによって、ピーク溶融温度(T)、融解熱(ΔHm)、結晶化ピーク温度(Tc)、及び結晶化熱(ΔHc)を発生させた。全体を通して、50ml/分の窒素パージガス流動を使用した。試料を、プレスを使用して、175℃及び最高圧力1500psi(10.3MPa)で、約15秒間プレス加工して薄いフィルムにし、次いで、大気圧において、室温まで空冷した。「直径6mm」のディスク(約3〜10mg)を、紙穴あけ器を使用して、フィルムから切り取り、0.001mgの最近似値になるように計量し、軽量(約50mg)アルミニウム鍋内に配置し、その後圧着閉鎖した。
【0066】
試料の熱的挙動を、以下の温度プロフィールを用いて調査した。試料を、急速に180℃まで加熱し、一切の熱の前履歴を取り除くために、その等温を3分間維持した。次に、試料を、10℃/分の冷却速度で−40℃に冷却し、−40℃で3分間維持した。続いて、試料を、10℃/分の加熱速度で150℃に加熱した。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録した。Tc及びΔHcを、冷却曲線から決定し、Tm及びΔHmを、第2の加熱曲線から決定した。
【0067】
GPCによる分子量(MW)及び分子量分布(MWD)の決定
3段検出GPCからの従来型データ
赤外線検出器(PolymerChar,Valencia,SpainのIR4)が備え付けられた、Waters(Milford,MA)150C高温クロマトグラフからなる高温3段検出ゲル浸透クロマトグラフィー(3D−GPC)システムを使用した。赤外線検出器を用いて、濃度を測定した。
【0068】
Viscotek TriSECソフトウェアバージョン3及び4つのチャネルViscotek Data Manager DM400を使用して、データ収集を実施した。担体溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であった。このシステムには、Polymer Laboratoriesのオンライン溶媒脱気装置が備え付けられていた。カルーセル区画を、150℃で動作させ、カラム区画を150℃で動作させた。カラムは、4つのPolymer Laboratories Mixed−A30cmの20ミクロンのカラムであった。試料を、50mlのTCB中0.1グラムのポリマーの濃度で調製した。クロマトグラフィー溶媒(TCB)及び試料調製溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有し、両方の溶媒源に窒素をスパージした。ポリエチレン試料を、160℃で、4時間穏やかに撹拌した。注入容量は、200μlであり、流量は、1.0ml/分であった。
【0069】
21の狭分子量分布ポリスチレン標準を用いて、GPCカラムセットの校正を実施した。標準分子量は、580〜8,400,000g/モルの範囲であり、個別の分子量間で、少なくとも10の隔たりを有しながら、6個の「カクテル」混合物内に配列された。ポリスチレン標準ピーク分子量を、以下の等式(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載される)を使用してポリエチレン分子量に変換し、
ポリエチレン=A(Mポリスチレン(1)
式中、Bは、1.0の値を有し、実験的に決定されたAの値は、約0.38である。
【0070】
一次多項式を使用して、等式(1)から得られたそれぞれのポリエチレン当量校正点をそれらの観察された溶出量に適合させた。実際の多項式適合は、ポリエチレン当量分子量の対数を、各ポリスチレン標準物について観察された溶出量(及び関連する累乗)に関連付けるように得た。
【0071】
数、重量、及びZ平均分子量を、以下の等式に従って計算し、
【0072】
【化1】
【0073】
式中、Wfが、i番目の成分の重量分率であり、Mが、i番目の成分の分子量である。
【0074】
分子量分布MWDを、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比、またはZ平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比として表した。
【0075】
A値を、等式(3)及び対応する保持容量多項式を使用して計算されたMw、すなわち重量平均分子量が、115,000g/モルの既知の重量平均分子量を持つ直鎖ホモポリマー参照物により得られた、独立して決定されたMwの値と一致するまで、等式(1)中のA値を調節することによって決定した。
【0076】
レオロジーDMS
レオロジー測定のために、各試料を圧縮成形してディスクにした。試料を押下して「3.0mm厚」のプラークにし、続いて、「直径25mm」のディスクに切り取ることによって、ディスクを調製した。圧縮成形手順は以下の通りであった:1500psi(10.3MPa)、N2パージ保護下で、350°F(177℃)で5分経過後、次に、型枠を、環境温度の炉の中に移し、N2パージで試料プラークが凝固させてからプラークを型枠から取り除いた。
【0077】
樹脂レオロジーを、TA InstrumentsのARES−LSモデルレオメーターにおいて測定した。ARESは、歪み制御レオメーターである。回転アクチュエータ(サーボモータ)は、歪みの形態でせん断変形を試料に適用する。これに対し、試料は、回転力を発生させ、この回転力はトランスデューサーによって測定される。歪量及びトルクを使用して、弾性率及び粘度性等の動的機械特性を計算する。190℃の「直径25mm」の平行板セットアップを使用して、可変周波数(0.01s−1〜500s−1の範囲)の関数として、溶融した試料の粘弾特性を測定した。小規模の定歪み(5%)を適用して、測定が線形粘弾性領域にあることを確実にした。樹脂の貯蔵弾性率(G′)、損失弾性率(G′′)、損失正接(G′′/G′)、及び複素粘度(etaまたはη)を、Rheometrics Orchestratorソフトウェア(v.6.5.8)を使用して決定した。
【0078】
溶融強度
Rheotens(Goettfert Inc.,Rock Hill,SC,USA)溶融強度測定を、190℃で実行した。溶融物を、平らな30/2型を備えるGoettfert Rheotester2000キャピラリーレオメーターによって、38.2s−1のせん断速度で生成した。レオメーター(直径:12mm)の円筒を、1分未満で満たした。適切な溶融のために、10分延期した。Rheotensの輪の巻き取り速度を、2.4mm/秒の一定の加速度で変化させた。引っ張られるストランドの張力を、そのストランドが破断する時間において監視した。定常状態力及び破断速度を報告した。
【0079】
本発明は、その趣旨及び本質的な特質から逸脱することなく、その他の形態に具体化されてもよく、したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書よりもむしろ、添付される特許請求の範囲に参照がなされるべきである。

本発明は、以下の態様を含む。
[1]
少なくとも95重量パーセントのエチレン由来単位と、
5重量パーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位と、を含む、ポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物が、0.930〜0.945g/cmの範囲の密度と、Z平均分子量の重量平均分子量に対する比(Mz/Mw)が5未満であることを特徴とする分子量分布と、0.08〜0.5g/10分の範囲の溶融指数I(190℃、2.16kgで測定)と、10〜20g/10分の範囲の高流動溶融指数I21(190℃、21.6kgで測定)と、
を有し、
酸化クロム触媒を利用して生成される、前記ポリエチレン組成物。
[2]
前記ポリエチレン組成物が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり1ビニル未満のビニル不飽和度を有する、[1]に記載の前記ポリエチレン組成物。
[3]
前記ポリエチレン組成物が、0.934〜0.942g/cmの密度を有する、[1]または[2]に記載の前記ポリエチレン組成物。
[4]
前記ポリエチレン組成物が、0.02s−1及び190℃で決定される、少なくとも100,000Pa・sの複素粘度(η)を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の前記ポリエチレン組成物。
[5]
前記ポリエチレン組成物が、90超の、0.02s−1及び190℃におけるηの200s−1及び190℃におけるηに対する複素粘度比を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の前記ポリエチレン組成物。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の前記ポリエチレン組成物を含む、物品。
[7]
以下の特性、すなわち、少なくとも10%の45度光沢度、60%未満の全ヘイズのうちの1つ以上を示す、[6]に記載の前記物品。
[8]
前記物品が、押出吹込成形物品である、[6]または[7]に記載の前記物品。
[9]
前記物品が、前記ポリエチレン組成物を含む少なくとも1つの層を含むフィルムである、[6]または[7]に記載の前記物品。
[10]
前記フィルムが、収縮フィルムである、[9]に記載の前記フィルム。
[11]
前記ポリエチレン組成物が、190℃で測定された10cN以上の溶融強度を有することで示される、改善された加工性を示す、[1]〜[5]のいずれかに記載の前記ポリエチレン組成物。
図1