【実施例】
【0069】
実施例1:グリシジル系の架橋剤の調製
【化19】
【0070】
2,2−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)10g(67.6mmol)の一定分量を、グリシジルメタクリレート10g(70.4mmol)およびシリカゲル3g(Aldrich社 645524、60オングストローム、200−425メッシュ)と混合した。1時間の攪拌後、さらにグリシジルメタクリレート9g(63.4mmol)を加えて、懸濁液をさらに1.5時間攪拌した。混合液をクロロホルム200mLで希釈して、600mLのフリットガラスブフナー漏斗で濾過して、シリカゲルを除去した。得られたクロロホルム溶液のLC−MS分析では、モノ−グリシジルアミノアルコールは示されず、主に、433.2m/zでの[M+H]
+において、ビス−グリシジルアミノアルコールが示された。溶液を真空中で約50gに濃縮した。得られた重いシロップを、アセトニトリルで100mLに希釈して、−80℃で保存した。
【0071】
実施例2:ペプチド系の架橋剤の調製
【化20】
【0072】
ヘテロ二官能性のテトラペプチド(アクリロイル−Ala−Pro−Gly−Leu−AEE−N−ヒドロキシスクシンイミド)を準備した(Bachem社、カリフォルニア州トーランス)。ペプチド(653mg、1mmol)を、5mLのDMFおよびN−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリド(190mg、1.1mmol)中に溶解させて、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(174μL、1mmol)を加えた。2時間後、ブチル化ヒドロキシトルエン20mgを加えて、反応混合物を空気に曝した。反応混合物をエチルエーテル200mLで沈殿させ、遠心分離で固体を回収した。ペレットを、クロロホルム/メタノール/メタノール+5%アンモニア水の、90/5/5(の割合)の溶液中に再度溶解させて、5×20cmカラム(Aldrich社、60オングストローム、200−425メッシュ)中のシリカゲル50gに適用した。クロロホルム/メタノール/メタノール+5%アンモニア水の90/5/5(の割合)の溶液500mLを用いてシリカゲルカラムで展開させて、ペプチド含有溶離液を真空中で濃縮すると、淡黄色油状物110gが得られた。淡黄色油状物を、メタノール10mL中に溶解させて、−80℃で保存した。生成物のLC−MS分析では、所望の680m/zでの[M+H]
+および702m/zでの[M+Na]
+を示した。
【0073】
実施例3:MA−AEEAc−ALAL−AEEAc−MA、ALALテトラペプチド架橋剤
【化21】
【0074】
清潔な乾燥させた15mLフラスコ中において、乾燥させた攪拌棒および乾燥させたセプタム(septum)を使用して、NHSエステル、MA−AEEAc−ALAL−AEEAc−NHSの841mg(1mmol)に、3−アミノプロピルメタクリレート−HCl179mgを加えて、続けて乾燥ジメチルホルムアミド5mLを加えた。攪拌中に、透明な溶液を得て、ジイソプロピルエチルアミン200μl(1mmol)を一度に全て加えた。1時間後、反応混合物を、3×5mLのメタノールを使用して、250mLの梨型フラスコに移して、真空(vac)ラインに一晩置いた。次の日に、反応混合物を、メタノール2mLと共にシンチレーションバイアルに移して、約35%の固体を得て、−80℃で保存した。このような粗製の架橋剤では、869.9m/zでの[M+H]
+において単一のHPLCピークが得られ、C
41H
72N
8O
12に関して計算される分子量は868.5である。
【0075】
実施例4:カーボネート架橋剤
【0076】
1:1の割合のアセトニトリル:メタノールの500mL中に懸濁されている炭酸セシウム33g(100mmol)に、1時間以上よく攪拌しながら、メタクリル酸17.2g(200mmol)を加えた。さらに2時間攪拌した後、反応混合物から溶媒を取り除き、残留物を乾燥エーテル500mL中に懸濁して、媒体(medium)フリットを備える、乾燥させた600mLのブフナー漏斗上での濾過により回収した。注意して乾燥エーテルで数回漏斗上で固体を洗い流した後、固体を真空オーブン中で一晩乾燥させて、吸湿性のベージュ色の粉末(化合物A)45gを得た。この粉末は、直ぐに乾燥環境中に置いておく必要がある。
【0077】
HEMA−1−クロロエチルカーボネート
乾燥エーテル1000mL中のHEMA24mL(200mmol)に、アルゴン下で4−10℃において、ピリジン16.8mL(213mmol)を加えた。この溶液に、1−クロロエチルクロロカーボネート21.3mL(200mmol)を、30分以上攪拌しながら滴下して加えた。4−10℃での30分の攪拌後、重い沈殿物(化合物B)を濾過により取り除き、濾液を真空下で油状物へ濃縮して、44g(100%)を得た。
【0078】
無水ジメチルホルムアミド40mL中の化合物B4.4g(20mmol)に、化合物A0.9g(4.0mmol)を、よく攪拌しながらアルゴン下で100℃において加えた。15分後、さらに化合物A1.2g(5.4mmol)を、よく攪拌しながらアルゴン下で100℃において加えて、続けて同様の条件下で最後に0.9g(4.0mmol)添加して、合計で化合物Aを2.9g(13.4mmol)とした。黄褐色の反応混合物を、さらに3時間100℃で加熱して、室温に冷却した後、溶媒を真空中で除去して、残留物を一晩真空ライン上に残した。残留物を、1:1のクロロホルム:ヘキサン50mL中に入れて、750gの金のカラムに適用して、ヘキサンとその次に0−20%のヘキサン中の酢酸エチルを用いて溶出させた。27分で、次の構造式のカーボネートがまず出てきて
【化22】
、32分で、次の構造式のカーボネートが最終的に出てきた。
【化23】
【0079】
実施例5:TMP Glyエステル
【化24】
【0080】
TMP−クロロアセトアミド
乾燥テトラヒドロフラン(THF)250mL中のトリアミノトリメチロールプロパンエトキシレート13.2gに、ピリジン6.32g(80mmol)を加えて、この溶液をよく攪拌しながらアルゴン(Ar)下で4−10℃においてTHF250mL中のクロロアセチルクロリド6.44gに加えた。15分間攪拌した後、反応混合物を室温まで温めて、THFおよび他の揮発性物質を真空下で除去した。得られた固体を、クロロホルム200mL中に溶解させて、次に、当該クロロホルムを飽和重炭酸ナトリウム水溶液100mLで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させて、溶媒を真空中で除去した。
【0081】
TMP−NH−Gly−メタクリレート
無水ジメチルホルムアミド75mL中に溶解させた約15gの上記物質に、セシウムメタクリレート18gを加えて、得られた懸濁液を40−50℃で2時間加熱した。
【0082】
クロロホルム500mLで沈殿させた後、無機塩を濾過により回収して、濾液を真空下で油状物に濃縮し、赤褐色油状物18gを得た。この油状物は、80℃でAIBNを用いて重合させると、IPA中で硬いペレットとなった。2−20%のクロロホルム中のメタノール1200mLを用いた上記シリカの栓(plug)でのこの物質6gのクロマトグラフィーでは、明るい赤色の物質6gが得られた。
【0083】
実施例6:ジチオエステル
【化25】
【0084】
テトラヒドロフラン(THF)200mL中の2,2’−(エチレンジオキシ)エタンジチオール6.6mL(40mmol)に、ジイソプロピルエチルアミン20.9mLを加えて、得られた乾燥溶液を1時間以上よく攪拌しながら−5℃で乾燥THF200mL中のメタクリロイルクロリド11.5mL(120mmol)に添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌して、20℃で1時間攪拌した時点でイソプロピルアルコール10mLを添加して、溶媒を真空中で除去した。
【0085】
残留物を最小量のクロロホルム中で330gのシリカ(金)カラムに適用して、塩化メチレン中0−5%イソプロピルアルコールを用いて、200mL/分でカラムから溶出させた。単一のピークとして13−14分において溶出された留分を、黄色油状物1.3gとして単離した。この物質50mgに対するAIBNによる開始反応によって、硬いペレットが現れた。
【0086】
実施例7:ジチオエステル
【化26】
【0087】
メタクリロイルクロリド0.4mL(4mmol)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(THF)40mLに、2.0g(1.33mmol)のポリ(エチレングリコール)ジチオール1500mwおよび0.7mL(4.0mmol)のジイソプロピルエチルアミンを含有する乾燥THF20mLを、0℃において迅速に攪拌しながら5分間以上滴下しながら加えた。2時間攪拌した後、反応混合物を室温まで温めて、溶媒を真空中で除去した。その後、クロロホルム100mLが反応混合物を溶解するために使用され、メタクリロイルクロリドを飛沫同伴するように真空中で除去された。
【0088】
反応混合物を、約30ミクロンでの真空ラインに一晩置くと、黄色の固体が形成された。イソプロピルアルコール50μL中におけるこの物質50mgに対するAIBNによる開始反応によって、スポンジ状黄色のゲルが生成された。
【0089】
実施例8:ジェファーミングリシジルアミン
【化27】
【0090】
ジェファーミン11g(25mmol)に、グリシジルメタクリレート10.5g(75mmol)を加え、続けて4gのシリカゲルおよび100mgのブチル化ヒドロキシトルエンを加えた。反応混合物を20℃で攪拌した。2時間後、クロロホルム50mLを、増粘性の反応混合物に添加して、撹拌を続けた。さらに18時間後、クロロホルム200mLをさらに添加して、シリカゲルを除去するために反応混合物を濾過して、ほとんどの溶媒を真空中で取り除いた。残留物をイソプロピルアルコール20mL中に溶解させて、約50%のジェファーミングリシジルアミン40mLを得た。
【0091】
実施例9:グリシジル系の架橋剤で調製された粒子
【0092】
アクリルアミド6.2gと、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩14.6gと、実施例1のように調製したグリシジル系の架橋剤0.3gとを蒸留水20.0g中で溶解させて、プレポリマー溶液を調製した。この溶液を濾過して、その後5分間真空脱気してアルゴンでフラッシングした。鉱油1リットルを1時間超音波処理して、その後オーバーヘッド攪拌具を備えた密閉反応容器へ加えた。容器を少なくとも1時間真空脱気して、その後真空をアルゴンで置き換えた。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン約3mLを反応容器に添加して、300rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。過硫酸アンモニウム1.0gを蒸留水2.0g中に溶解させて、開始剤溶液を調製した。この溶液を濾過して、約550μLをプレポリマー溶液に添加した。混合後、溶液を反応容器に加えた。5から10分後、鉱油10mL中のSPAN(登録商標)80の0.35mLの溶液を添加して、得られた懸濁液を少なくとも4時間重合させた。
【0093】
実施例10:ペプチド架橋剤で調製された粒子
【0094】
アクリルアミド3.8gと、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩5.4gと、実施例2のように調製したペプチド系の架橋剤0.05gとを蒸留水10.0g中で溶解させて、プレポリマー溶液を調製した。この溶液を濾過して、その後5分間真空脱気してアルゴンでフラッシングした。鉱油(300mL)を1時間超音波処理して、その後オーバーヘッド攪拌具を備えた密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、その後真空をアルゴンで置き換えた。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(2mL)を反応容器に添加して、300rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。過硫酸アンモニウム1.0gを蒸留水2.0g中に溶解させて、開始剤溶液を調製した。この溶液を濾過して、約300μLをプレポリマー溶液に添加した。混合後、溶液を反応容器に加えた。5から10分後、鉱油10mL中のSPAN(登録商標)80の0.5mLの溶液を添加して、得られた懸濁液を5時間重合させた。
【0095】
実施例11:粒子の精製
【0096】
重合が完了した後、鉱油を反応容器からデカントして、ポリマー粒子を新鮮なヘキサンで4回洗浄し、鉱油を除去した。その後、粒子をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)と共に分液漏斗に移して、残留鉱油およびヘキサンから分離した。得られた混合物をPBSで2回洗浄した。
【0097】
粒子をふるいを用いてサイズで分けた。ふるいは、(上部の)大きいサイズから(下部の)小さいサイズへと積層している。ふるい分け工程を補助するために、ふるい振とう機を利用した。PBSと共に、上部のふるい上に粒子を置いた。全ての粒子を仕分けた後、それらのサイズに応じて回収して、ボトル中に入れた。
【0098】
ふるい分け後、粒子をその貯蔵期限を延ばすために脱水した。撹拌しながら、粒子を溶媒/水混合物の一連の勾配中に置いた。アセトンおよびエタノールの両方を、粒子を首尾よく脱水するために使用した。少なくとも4時間、粒子を、75%の溶媒、85%の溶媒、95%の溶媒、97%の溶媒および100%の溶媒中に懸濁した。その後、粒子を凍結乾燥し、包装して滅菌した。
【0099】
実施例12:粒子の送達特性の判定
【0100】
送達特性を評価するために、実施例9と同様の手法で調製した粒子を、4.5×1.5cmのフィギュア・エイト・ノット(figure−eight knot)を備えるヘッドウェイ17マイクロカテーテル(0.017’’、432μm内腔)を介して注入した。2から3mLの粒子、3から4mLの生理食塩水および4から5mLの比較対照を混合することにより、試験サンプルを調製した。サンプルは、マイクロカテーテルを介して1mLシリンジを使用して皿の中へ注入された。マイクロカテーテルを介する注入前後の粒子の写真を撮影した。Axiovision画像分析ソフトウェアを用いて、粒子の直径および真円度を判定した。以下の表は、結果をまとめたものである。
【0101】
ある実施の形態では、領域の形状要素は、その真円度に基づく領域の形状で記載される。完全な円では値は1となる。その領域がより細長くなれば、形状要素がより小さくなる。計算は、領域充填および周囲のクロフトン(Area filled and Perimeter Crofton)パラメータに基づき行われる。
【0102】
【表1】
【0103】
粒子の真円度または直径において変化は観察されず、これは、粒子がマイクロカテーテルを介する送達の間に破損して離れたり断片化しなかったことを示している。即ち、粒子はカテーテルを介する送達の時には実質的に元の状態を維持していた。
【0104】
実施例13:in vitroでの加水分解性の判定
【0105】
異なる量の架橋剤を用いて調製した粒子のサンプルをPBS中に入れて37℃で保存し、分解時間を判定した。視覚分析には、粒子の色および透明性、粒子の輪郭の可視性、ならびに、可視粒子の数、を含ませた。サンプルについての評価尺度には、(5)実験開始から粒子数、輪郭または量に変化が無い、(3)十分な粒子数でぼやけた粒子輪郭がまだ見える、(1)殆ど粒子が見えない、および、(0)サンプル中で粒子が観察されない、を含ませた。結果を
図1に示す。結果は、分解が架橋剤の濃度に依存し得ることを示している。例えば、最長の分解時間は最大の架橋剤の濃度で起こっていた。
【0106】
図2は、架橋剤の量の関数として37℃での分解時間を図式的に示している。図示されるように、架橋剤の割合がより大きいと分解がより長くかかる。さらに、より大きい粒子の直径では(マイクロメートル単位における、グラフの右の数)、分解により長い時間がかかる。このように、最大の分解時間を有する粒子は、最大の架橋剤の濃度および最大の直径を有するものである。これら2つの特性は、必要に応じて分解時間を調整するために変化させることができる。
【0107】
実施例14:テトラエステル架橋剤
【化28】
【0108】
200mLのナス型フラスコに、コハク酸10g(84.8mmol)と、アリルアルコール40g(0.689mol)と、98%のH
2SO
430μLとを加えた。反応混合物を6時間還流して、次いで1M炭酸ナトリウム溶液25mLの添加によりクエンチした。溶媒を真空下で除去して、粗製物質を水25mL中で再構成させて、生成物であるコハク酸ジアリルを4×50mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を回収して、MgSO
4で乾燥させ、その後溶媒を真空下で除去して、コハク酸ジアリル9.26gを得た。
【0109】
1Lの丸底フラスコにおいて、コハク酸ジアリル5.2g(26.3mmol)と、メタ−クロロ過酸化安息香酸(mCPBA)20g(0.116mol)とをジクロロメタン400mL中に溶解させた。反応混合物を40℃で一晩還流した。その後、副生成物のm−クロロ安息香酸を除去するために、反応混合物をアンバーリスト遊離塩基カラムに通した。溶媒を真空下で除去して、粗製物質を得た。210nmでの5%から20%のヘキサン中の酢酸エチルを使用したクロマトグラフィーで、純粋なコハク酸ジグリシジルを得た。
【0110】
20mLのバイアルに、コハク酸ジグリシジル1.15g(5mmol)と、メタクリル酸950mg(11mmol)と、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド([bmim]Br)1.5g(7mmol)とを加えた。反応混合物を75℃で攪拌した。1時間後、TLCではエポキシドが無いことを示していた。反応混合物を1M炭酸ナトリウム溶液50mL中に懸濁して、3×50mLの酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。有機相を回収して、MgSO
4で乾燥させて、その後真空下で濃縮した。50:50の酢酸エチル:ジクロロメタンを用いてTLCで展開させると、1つのスポットのみを示していた。2gの表題のテトラエステル架橋剤が、99%の収率で回収された。
【0111】
実施例15:テトラチオエステル架橋剤
【化29】
【0112】
0℃で冷却されたアルゴン下で、500mLの三つ口丸底フラスコに、100mLの乾燥THFを加えた。攪拌しながら、2,2’−(エチレンジオキシ)エタンチオール20g(0.11mol)と、ジイソプロピルエチルアミン16mL(0.09mol)を加えた。40mLの乾燥THFにスクシニルクロリド5mL(0.045mol)を溶解させた。アルゴン下で激しく攪拌しながら添加漏斗を介して、溶液を0℃で反応混合物中に滴下して加えた。添加後、反応混合物を0℃で1時間攪拌して、その後室温まで温めて一晩攪拌した。その後、反応混合物を氷上で冷却してアミン塩を沈殿させた。媒体フリットガラスフィルターで濾過することにより白色沈殿物を除去して、氷冷THFで洗浄した。濾液を回収して、真空下で濃縮した。254nmでの0%から15%のDCM中の酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで、ジチオールエステル中間体が得られた。
【0113】
0℃に冷却されたアルゴン下で、250mLの三つ口丸底フラスコに50mLの乾燥THFを加えた。攪拌しながら、ジチオールエステル中間体3.17g(7.1mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン3.6mL(20mmol)を加えた。50mLの乾燥THFにメタクリロイルクロリド2mL(20mmol)を溶解させた。アルゴン下で激しく攪拌しながら添加漏斗を介して、溶液を0℃で反応混合物中に滴下して加えた。添加後、反応混合物を1時間以上0℃で攪拌して、その後室温まで温めて一晩攪拌した。その後、反応混合物を氷上で冷却してアミン塩を沈殿させた。媒体フリットガラスフィルターで濾過することにより白色沈殿物を除去して、氷冷THFを用いて洗浄した。濾液を回収して、真空下で濃縮した。254nmでの0%から10%のジクロロメタン中の酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで、4分から12分において、所望のテトラチオールエステル架橋剤が溶出された。質量分析では、C
24H
38O
8S
4の計算された質量の[M+Na]
+に対応する605.1が得られた。
【0114】
実施例16:ペプチド架橋剤で調製された粒子
【0115】
アクリルアミド3.1gと、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩7.3gと、実施例3のように調製したペプチド系の架橋剤0.2gとを蒸留水10.0g中で溶解させて、プレポリマー溶液を調製した。この溶液を濾過して、その後5分間真空脱気してアルゴンでフラッシングした。鉱油(500mL)を1時間超音波処理して、その後オーバーヘッド攪拌具を備えた密閉反応容器へ加えた。容器を少なくとも1時間真空脱気して、その後真空をアルゴンで置き換えた。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン約2mLを反応容器に添加して、300rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。過硫酸アンモニウム1.0gを蒸留水2.0g中に溶解させて、開始剤溶液を調製した。この溶液を濾過して、約250μLをプレポリマー溶液に添加した。混合した後、溶液を反応容器に加えた。次いで、鉱油10mL中のSPAN(登録商標)80の0.35mLの溶液を添加して、得られた懸濁液を少なくとも4時間にわたって重合させた。
【0116】
実施例17:in vitroでの酵素分解性の判定
【0117】
ペプチドの架橋剤を用いて調製した粒子のサンプルを、酵素存在下および酵素不在下のPBS中に入れて、37℃または55℃でインキュベートして、分解時間を判定した。サンプルには、高濃度酵素および低濃度酵素を含ませている。
【0118】
視覚分析には、粒子の色および透明性、粒子の輪郭の可視性、ならびに、可視粒子の数、を含ませた。サンプルについての評価尺度には、(5)実験開始から粒子数、輪郭または量に変化が無い、(3)十分な粒子数でぼやけた粒子輪郭がまだ見える、(1)殆ど粒子が見えない、および、(0)サンプル中で粒子が観察されない、を含ませた。結果を
図3に示す。結果は、粒子はゆっくりと加水分解されるが、適当な酵素の存在下では分解速度が増加し得ることを示している。例えば、最短の分解時間はPBS溶液中の酵素の最高濃度存在下で起こっていた。
【0119】
前述の開示は例示的な実施の形態である。ここに記載された機器、技術および方法は、本開示の実践においてよく機能する代表的な実施の形態を明らかにしているものであることは当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に鑑みて、記載された具体的な実施の形態において多くの変形を作ることが可能であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく類似または同様の産物も得ることができることを理解すべきである。
【0120】
別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量、分子量等の性質、反応条件を表現する全ての数字は、全ての場合において「約(about)」の用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、逆の指示がない限り、明細書および添付の特許請求の範囲において示される数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性によって変わり得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲の範囲に限定しようとする試みとしてではなく、それぞれの数値パラメータは、少なくとも、報告された重要な数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に示される数値はできるだけ正確に報告される。しかしながら、どんな数値もそれぞれの試験測定で見られる標準偏差に必然的に由来する特定の誤差を本質的に含む。
【0121】
本発明を説明する文脈(特に以下に示す特許請求の範囲の文脈)で使用される「a」、「an」、「the」の用語および類似の指示対象は、ここで別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈される。ここでの数値範囲の記載は、その範囲内にある個々の値を別々に指している簡単な方法としての役割を果たすことを目的としているにすぎない。ここで別段の指示がない限り、個々の値は、ここで個々に記載されるかのように、明細書中に組み込まれる。ここに記載される全ての方法は、ここで別段の指示がないか、またはそうでなければ文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な任意の順番で行うことができる。あらゆる全ての実施例、またはここに提供される例示的な文言(例えば「such as」)の使用は、本発明を十分に説明することだけを目的とするものであり、他の形で請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。明細書中の用語は、本発明の実践に必須の任意の請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0122】
本開示では代替物のみと「および/または(and/or)」とを示す定義がサポートされているが、特許請求の範囲における「または(or)」の使用は、明示的に代替物のみを示していたり、または代替物が相互排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するように使用される。
【0123】
ここに記載される本発明の代替の要素または実施の形態のグループ化は限定されるものとして解釈されない。各グループのメンバーは、個々において、または当該グループの他のメンバーもしくはここで見られる他の要素との任意の組み合わせにおいて示してもよく、特許請求の範囲としてもよい。グループの1または複数のメンバーを、利便性および/または特許性の理由でグループに含めてもよいし、グループから削除してもよいことは認識され得ることである。このような包含または削除が起こる場合、明細書は、修正されたグループを包含するものとみなされ、従って、添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュグループの記載を満たす。
【0124】
本発明の好ましい実施の形態は、本発明者が知っている本発明を行うための最良の形態を含めてここに記載される。当然、これらの好ましい実施の形態の変形は、前述の記載を読むことで、当業者にとって明らかになるだろう。本発明者は当業者が適切にこのような変形を用いることを予測しており、本発明者は本発明についてここに具体的に記載される以外の方法で実践される発明についても意図している。従って、本発明は適用法で認められるように、ここに添付された特許請求の範囲に記載される主題の全ての変形および同等物を含む。さらに、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが、ここで別段の指示がないか、またはそうでなければ文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【0125】
ここに記載される具体的な実施の形態は、特許請求の範囲において、「〜からなる」または「本質的に〜からなる」との用語を使用することで、さらに限定してもよい。特許請求の範囲で使用された場合、補正毎での作成または追加で、「〜からなる」との移行用語は、特許請求の範囲において特定されていない、任意の要素、工程または成分を除外する。「本質的に〜からなる」との移行用語は、特定された材料または工程について請求項の範囲を限定するが、それは基本的なものおよび新規特徴(1または複数)に実質的に影響を与えないものである。そのように請求項での本発明の実施の形態は、本質的または明示的にここに記載されており、対応している。
【0126】
さらに、ここに開示される本発明の実施の形態は本発明の原則を例示していると理解されるべきである。採用できる他の変更は本発明の範囲内にある。そのため、例として、限定されることはないが、本発明の代わりの構成をここでの教示に従って利用してもよい。従って、本発明は、正確に示され記載されているものに限定されない。
【0127】
(関連する出願)
本出願は、2013年9月19日に提出された米国仮特許出願第61/880036号の利益を主張しており、その全体の記載は参照によりここに組み込まれる。
【0128】
(付記)
(付記1)
少なくとも1つの官能基を含む少なくとも1つのモノマー、および、
少なくとも1つの架橋剤、を含み、
約40μmと約1200μmとの間の直径を有しており、加水分解または酵素作用による分解を受け易い、
ポリマー粒子。
【0129】
(付記2)
前記ポリマー粒子は、約75μmと約1200μmとの間の直径を有する、付記1に記載のポリマー粒子。
【0130】
(付記3)
前記少なくとも1つの官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレートまたはメタクリルアミドである、付記1に記載のポリマー粒子。
【0131】
(付記4)
前記少なくとも1つのモノマーは、イオン化可能な官能基を含む、付記1に記載のポリマー粒子。
【0132】
(付記5)
前記イオン化可能な官能基は、塩基性である、付記4に記載のポリマー粒子。
【0133】
(付記6)
前記イオン化可能な官能基は、酸性である、付記4に記載のポリマー粒子。
【0134】
(付記7)
前記少なくとも1つの架橋剤は、少なくとも2つの官能基を含む、付記1に記載のポリマー粒子。
【0135】
(付記8)
前記架橋剤は、加水分解または酵素作用による分解を受け易い少なくとも1つの結合を含む、付記1に記載のポリマー粒子。
【0136】
(付記9)
前記架橋剤は、ビス−グリシジルアミノアルコールである、付記8に記載のポリマー粒子。
【0137】
(付記10)
前記架橋剤は、
【化30】
、
【化31】
、
【化32】
、
【化33】
、
【化34】
、
【化35】
、
【化36】
、または、
【化37】
、であり、
式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、1から20である、付記8に記載のポリマー粒子。
【0138】
(付記11)
前記少なくとも1つの結合は、エステル、チオエステル、カーボネート、マトリクスメタロプロテイナーゼにより切断可能なペプチド、マトリクスコラゲナーゼにより切断可能なペプチド、マトリクスエラスターゼにより切断可能なペプチド、マトリクスカテプシンにより切断可能なペプチド、または、それらの組み合わせである、付記8に記載のポリマー粒子。
【0139】
(付記12)
エステル、チオエステル、カーボネート、マトリクスメタロプロテイナーゼにより切断可能なペプチド、マトリクスコラゲナーゼにより切断可能なペプチド、マトリクスエラスターゼにより切断可能なペプチド、および、マトリクスカテプシンにより切断可能なペプチドから選択される第2の結合を含む第2の架橋剤を含む、付記11に記載のポリマー粒子。
【0140】
(付記13)
前記ポリマー粒子は、生分解性である、付記1に記載のポリマー粒子。
【0141】
(付記14)
前記ポリマー粒子は、移植後約1ヶ月以内に、実質的に分解される、付記1に記載のポリマー粒子。
【0142】
(付記15)
前記少なくとも1つのモノマーはジメチルアクリルアミドであり、前記少なくとも1つの架橋剤はビス−グリシジルアミノアルコールである、付記11に記載のポリマー粒子。
【0143】
(付記16)
前記少なくとも1つのモノマーはアクリルアミドであり、前記少なくとも1つの架橋剤は二官能性メタクリロイル−Ala−Pro−Gly−Leu−AEE−メタクリレートである、付記11に記載のポリマー粒子。
【0144】
(付記17)
少なくとも1つの官能基を含む少なくとも1つのモノマーと、加水分解または酵素作用による分解を受け易い少なくとも1つの架橋剤と、開始剤とを含むプレポリマー溶液を油中において反応させること、および、
約40μmと約1200μmとの間の直径を有するポリマー粒子を形成させること、を含む、ポリマー粒子を製造する方法。
【0145】
(付記18)
前記油は、鉱油である、付記17に記載の方法。
【0146】
(付記19)
前記開始剤は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンである、付記17に記載の方法。
【0147】
(付記20)
前記ポリマー粒子は、少なくとも約0.90の真円度を有する、付記17に記載の方法。
【0148】
(付記21)
前記少なくとも1つの官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレートまたはメタクリルアミドである、付記17に記載の方法。
【0149】
(付記22)
前記少なくとも1つの架橋剤は、ビス−グリシジルアミノアルコールである、付記17に記載の方法。
【0150】
(付記23)
前記少なくとも1つの架橋剤は、
【化38】
、
【化39】
、
【化40】
、
【化41】
、
【化42】
、
【化43】
、
【化44】
、または、
【化45】
、であり、
式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、1から20である、付記17に記載の方法。
【0151】
(付記24)
前記ポリマー粒子は、生分解性である、付記17に記載の方法。
【0152】
(付記25)
前記ポリマー粒子は、移植後約6ヶ月以内に、実質的に分解される、付記24に記載の方法。
【0153】
(付記26)
前記少なくとも1つのモノマーはアクリルアミドであり、前記少なくとも1つの架橋剤はビス−グリシジルアミノアルコールである、付記24に記載の方法。
【0154】
(付記27)
前記少なくとも1つのモノマーはアクリルアミドであり、前記少なくとも1つの架橋剤は二官能性メタクリロイル−Ala−Pro−Gly−Leu−AEE−メタクリレートである、付記24に記載の方法。