特許第6405372号(P6405372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405372
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ゲーミングシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20181004BHJP
   G06Q 50/34 20120101ALI20181004BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20181004BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20181004BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20181004BHJP
   A63F 5/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   A63F13/80 F
   G06Q50/34
   A63F13/30
   A63F13/53
   A63F13/70
   A63F5/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-517603(P2016-517603)
(86)(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公表番号】特表2016-525915(P2016-525915A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】EP2014061718
(87)【国際公開番号】WO2014195414
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】61/831,829
(32)【優先日】2013年6月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14157712.2
(32)【優先日】2014年3月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515336010
【氏名又は名称】グルブミュラー,ウォルター
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100116241
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 一郎
(72)【発明者】
【氏名】グルブミュラー,ウォルター
【審査官】 上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−178457(JP,A)
【文献】 特開2011−004799(JP,A)
【文献】 特開2008−212294(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02551829(EP,A2)
【文献】 国際公開第2008/039174(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0102119(US,A1)
【文献】 特開2007−075593(JP,A)
【文献】 特開2007−117658(JP,A)
【文献】 ルーレット,龍が如く OF THE END 完全攻略極ノ書,日本,株式会社エンターブレイン,2011年 7月20日,初版,第386-387頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00−13/98
A63F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーミングサービスの中央オフィスを本拠とするルーレットベッティングシステムであって、
前記中央オフィス内には、ルーレットの修正版をプレイするための命令セットを実行するサーバシステムが収容され、
前記サーバシステムは、永続的情報を記憶しているデータベースサーバ、ドローサーバ、ベット引き受けサーバ、テーブル管理サーバ、および認証/承認サーバを備え、
前記ベット引き受けサーバ、前記テーブル管理サーバ、および前記認証/承認サーバは、データベースインタフェースを介して前記データベースサーバと通信可能とされ、
前記サーバシステムは、前記中央オフィスの外部の実体と通信するために通信リンクによりインターネットに接続されており、前記実体は少なくとも1つの電子ルーレットゲーミングエリアを有し、前記電子ルーレットゲーミングエリアは中央テーブルを有し、前記中央テーブルはドロー提示クライアントを含み、前記ドロー提示クライアントは、ルーレットホイールの電子的ディスプレイをプレイヤに提供し、
前記ドローサーバは、前記ベット引き受けサーバおよび前記ドロー提示クライアントに対してのみ個別に通信可能であって、
前記中央テーブルは前記プレイヤのそれぞれのための電子インタフェースを有し、前記電子インタフェースは、
前記プレイヤが前記ルーレットベッティングシステムにベットすることを可能とするベット引き受けクライアントと、
ベッティングテーブルのグラフィック描写をユーザに提供するテーブル提示クライアントと、
を備え、
前記電子ルーレットゲーミングエリアは、前記インターネットを介した電子的通信リンクを経由して前記中央オフィスの前記サーバシステムと通信し、
前記ドローサーバは、数字の所与のセット内でランダムな結果を生成する乱数発生器を利用し、前記乱数発生器の結果を前記ドロー提示クライアントおよび前記ベット引き受けサーバに個別に渡すものであって、
前記ベット引き受けサーバは、
接続されている全ての前記ベット引き受けクライアントからのベットを受け取り、
前記認証/承認サーバとの相互作用を介して入力を検証し、
それらベットを記憶し、
ベットに関する情報を前記ベット引き受けクライアントに返送し、
前記テーブル管理サーバに転送するものであり、
前記電子インタフェースは、前記ベット引き受けサーバおよび前記テーブル管理サーバを介して、前記データベースサーバに接続されること
を特徴とするルーレットベッティングシステム。
【請求項2】
前記電子インタフェースのディスプレイは、
ベットを置くためのユーザ入力を提供する画面上に一連のタッチセンサ式ボタンが組み込まれた前記ベット引き受けクライアントを下部に備え、
ベッティングテーブルのグラフィカル表示であってルーレットベッティングテーブルをグラフィック的にシミュレートすることができる前記テーブル提示クライアントを上部に備える、請求項1に記載のルーレットベッティングシステム。
【請求項3】
前記テーブル提示クライアントディスプレイは、各プレイヤに、同じ前記ゲーミングエリアを共有している他のプレイヤのベットに関する情報を、前記ルーレットテーブル上に仮想チップが置かれる形態で示す、請求項1または2に記載のルーレットベッティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して偶然的要素の強いゲーム(games of chance)をプレイするための装置及び方法に関する。より詳細には、本開示は、ルーレットの電子的変形をプレイするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレットゲームは18世紀のフランスにおいて最初に考案され、200年以上にわたり現在の形態でプレイされてきた。ルーレットはカジノゲームの1つであり、プレイヤは、単一の数字若しくは複数の数字の範囲に、赤若しくは黒の色に、又は数字が奇数であるのか偶数であるのかにベット(bets)を置くことを選択することができる。勝利した数字及び色を決定するために、クルーピエ(croupier)は、ホイールを1方向に回転させ、次いでホイールの周囲に沿って傾斜して設けられた円形トラックに沿って反対方向にボールを1つ転がす。ボールはやがてその運動量を失い、ホイール上へと、そしてホイール上の着色され数字が付されたポケット内へと落ちる。フレンチルーレット又はヨーロピアンルーレットにおいては、ホイール上に37ポケットあり、アメリカンルーレットにおいてはホイールは38ポケットを有する。ポケットには1〜36の数字が付されており、各数字は赤色又は黒色のいずれかに関連付けられている。エクストラポケットは典型的には緑であり、フレンチホイールに対してはゼロで識別され、あるいはアメリカンホイールに対してはゼロ及びダブルゼロで識別され、これでポケットのラベリングが完了している。
【0003】
これらの数字は、ホイールに付随するテーブルの表面上でも、当該産業において知られる標準化されたパターンで、対応する着色されたブロック内にラベル化されている。ルーレットプレイヤは、種々のベッティング選択肢(betting options)を有する。インサイドベット(inside bets)を置く場合、ボールが入ると予想されるポケットの的確な数字を選択するか、あるいはテーブルレイアウト上での近接状況に基づく複数ポケットの小さな範囲を選択する。「アウトサイド」にベットすることを望むプレイヤは、より大きな位置的グルーピング上へのベットを選択することになり、これらのグルーピングは、複数のポケットであり、ポケットの色であり、又は勝利する数字が奇数であるのか偶数であるのかである。各種類のベットに対する払い戻しオッズ(payout odds)は、成就達成が発生する数学的確率に基づく。
【0004】
ルーレットテーブルは、通常、最低ベット及び最高ベットを課しており、これらの規則は、通常、ホイールの各回転毎にプレイヤの全てのインサイドベット及びアウトサイドベットに対して別々に適用される。テーブルでのインサイドベットに対して、幾つかのカジノでは、テーブルについている複数のプレイヤを見分けるために、種々の色の別々のルーレットテーブルチップを用いることがある。プレイヤは、ボールがホイールの周りを回っているときでも、ディーラが「ノーモアベット(No more bets)」を宣言する迄は、ベットを置くことを継続することができる。
【0005】
勝利した数字及び色がルーレットホイールによって決定されると、ディーラは、ルーレットテーブルレイアウト上のその勝利した数字の上にマーカを置く。マーカがテーブル上にあるときには、プレイヤは、ベットを置き、ベットを集め、あるいはテーブルからいかなるベットを移動させてもならない。ディーラは、次いで、全ての負けベットを手で又はレーキ(rake)を用いて一掃し、残っている勝利したインサイドベット及びアウトサイドベットに対する全ての払い戻しを決定する。ディーラが払い戻しを済ませると、マーカはボードから取り去られ、プレイヤは、次いですぐに彼らの勝ち分を受け取り新たなベットを行うことができる。勝利したチップはボード上にとどまる。
【0006】
ベッティングに関するハウス側の優位点(house edge)は、緑のゼロ及びダブルゼロにおいて見出される。勝利した数字としてのその数字上へのインサイドベット以外には、緑のスロットのいずれに関係するアウトサイドベットも無いからである。シングルゼロ又はダブルゼロが勝利した数字である場合には、アウトサイドベットは常に負けることになる。一方、勝利する数字にベットすることの数学的オッズが、どちらのホイールが用いられているのかに応じて1:37又は1:38であるにもかかわらず、払い戻しは常に35:1に設定されているので、ハウス側はインサイドベットについても優位性を有している。
【0007】
ブラックジャックテーブルでディーラがデッキのカードを配ったり、クラップスでプレイヤが2つのサイコロを物理的に転がしたり、ルーレットでディーラがホイールを回したりというように、カジノゲームは元々は機械的装置に頼っていたが、エレクトロニクス時代がカジノゲームに追い付いてきている。これらのゲームの電子版は、ディスプレイ画面及びタッチセンサ式画面等のプレイヤ交流のためのクライアントに相互接続されたコンピュータサーバと、プレイヤがベットしている事象の発生をランダム化する電子的乱数発生器と、を利用する。ハウス側は、電子的なプレイを監視するのに必要なスタッフの数を減らすことによって、またこれが最も重要なのであるが、1時間当たりのベッティングサイクル数を増やすことによって、上記の近代化の利益を享受する。サイクル数の増大は、ディーラが各ベットに個別的に対処する代わりに、より高速にコンピュータ化されたベットの収集及び勝ち分の分配によって促進される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
数多くの政府機関がそれらの境界内でのゲーミングを、管理されてはいるものの、合法的活動として認可してきていることもあり、カジノゲーミングはますます競争の激しいものになりつつある。例えば米国内では、ゲーミングは、伝統的には唯一の州(ネバダ)の範囲であったものから現在に至るまで拡大してきており、現在では多くの州でカジノを見つけることができる。公衆に利用可能なカジノの数がますます増大していることにより、個々のカジノは、顧客(patrons)を獲得するために更に熱心に競争することを余儀なくされている。競争の1つのやり方は、新しいゲームの導入及び伝統的なカジノゲームの変形の導入である。しかし、これらの新しいゲーム又は修正されたゲームは、典型的には、ゲームをプレイするためのテーブル及び固有の装置に対する大きな投資を必要とする。コンピュータ化されたゲーミングは、新しいゲーム又は修正されたゲームの導入を大きく促進してきた。顧客が見ているディスプレイ上で生じる視覚的な変化を伴う種々のゲーミングアプリケーションに対するソフトウェアの変更は、物理的なテーブルや機械的なマシンの購入に比べて、コスト及び時間の面でより効果的である。
【0009】
しかし、物理的なルーレットのゲームは、何世紀にもわたって実施されてきたものを超えては、ゲームの新たな物理的変形の確立にはとりたてて役に立つことはない。従って、種々のゲームを顧客に提示して興味を持続させカジノ間での競争力を改善するために、ルーレットのゲームのコンピュータ化された又は電子的な変形が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、概してルーレットの修正された電子版をプレイする方法に向けられており、中央サーバシステムと、乱数発生器と、電子的ネットワークに接続されたデータベースと、プレイヤにルーレットホイールの表示、ルーレットベッティングテーブルの表示、及びプレイヤがベットを置くためのベット引き受け(acceptance)ディスプレイを提示するための少なくとも1つのディスプレイと、を有するゲーミングシステム上でホストされる実行可能命令セットを提供することを含む。プレイヤのベットがベット引き受けディスプレイから受け取られ、ランダムな数字がシステムによって選択され、勝利した数字としてベッティングテーブル表示上のフィールドの数字の1つと関連付けられる。勝利したベット及び負けたベットが決定され、勝利した数字はベッティングテーブル上のフィールドの数字から除かれる。この除かれた数字は、テーブル上のフィールド内に残っている数字のうちのランダムに選択された1つで置き換えられ、各可能なベットのオッズが再計算される。
本発明によると、ルーレットの修正された電子版をプレイする方法が提供され、この方法は、電子的ネットワーク及び少なくとも1つのディスプレイに接続された中央サーバシステム、乱数発生器及びデータベースをゲーミングサービス会社の中央オフィスが有するタイプのシステムであって、少なくとも1つのディスプレイは、ルーレットホイールの表示をディスプレイするためのドロー提示と、ルーレットベッティングテーブルの表示をディスプレイするためのテーブル提示ディスプレイと、プレイヤがベットを置くためのベット引き受けディスプレイと、をプレイヤに提示するためのものであるシステム上でホストされる実行可能命令セットを提供するステップと、プレイヤが所望するベットをベット引き受けディスプレイから受け取るステップと、ランダムな数字を選択し、テーブル提示ディスプレイ上に提示されたフィールドの数字の1つにランダムな数字を関連付けるステップと、フィールドの数字のうちのこの関連付けられた1つを勝利した数字として指定するステップと、勝利したベット及び負けたベットを決定するステップと、テーブル提示ディスプレイ上に提示されたフィールドの数字から勝利した数字を除くステップと、この除かれた数字を、テーブル提示ディスプレイ上に提示されたフィールド内に残っている数字のうちのランダムに選択された1つで置き換えるステップと、各可能なベットのオッズを再計算するステップと、ベッティングサイクルを繰り返すステップと、を備える。
【0011】
本発明のこれらの及び他の特徴、側面、及び利点は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによって当業者に更に理解され評価されるはずである。本発明の1つの側面は、「回転(spin)」の結果を表す乱数発生器で代用することができる「物理的な」ルーレットホイールに関係し、その結果は次いでコンピュータディスプレイ又はディスプレイされたルーレットホイール等の電子的ディスプレイ上に表示され得る。乱数発生器は、ランダムな数字を選択することができ、そのランダムな数字をテーブル提示ディスプレイ上に提示されたフィールドの数の1つに関連付けることができ、例えばそのランダムな数字はルーレットホイール上に表示されてよい。
乱数発生器は、ルーレットホイールがクルーピエによって手動で動作させられることを許容するハードウェア及び/又はソフトウェア実装を介して電子的にランダムな数字を選択することができ、その結果はシステムに送信され(自動的に)、あるいは実在のルーレットボールを伴う実在のルーレットホイールを介して自動的に送信され、この場合、ボールの投げ入れ及び取り出しは完全自動で動作する(例えば空気的な、機械的な、又は同等の機構によって)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
次に添付図面を参照して本発明を例として説明するが、図面において同様の数字は同様の要素を表す。
【0013】
図1図1はルーレットの修正された電子版をプレイするためのネットワークベースのシステムの概略図を示す。
【0014】
図2図2図1のシステムのためのサーバネットワーク及びインターモジュール通信の概略図を示す。
【0015】
図3図3はルーレットの修正された電子版をプレイするためのカジノにおけるゲーミングエリアの平面図レイアウトを示す。
【0016】
図4図4はプレイヤインタフェースのためのベッティングテーブル提示及びベット引き受けモジュールのサンプル画面図を示す。
【0017】
図5図5は置き換えられたベッティングフィールドの数字でのベッティングの複数サイクルの後の修正されたベッティングテーブル提示のサンプル画面図を示す。
【0018】
図6図6はルーレットの修正された電子版をプレイするための方法のブロック図を示す。
【0019】
これらの図面のうちの種々の図面を通して同様の参照番号は同様の部分を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明は、本来的に単なる例示であり、説明されている実施形態又は説明されている実施形態の応用及び使用を限定することを意図するものではない。ここで用いられる場合、「例示的な("exemplary" or "illustrative")」の語は、「例、事例、又は例示としての役割を果たしている(serving as an example, instance, or illustration)」を意味する。「例示的な」ものとしてここで説明される任意の実装(implementation)は、必ずしも他の実装に対して好ましい又は有利であるものとして解釈すべきではない。以下に説明される全ての実装は、当業者が本開示の実施形態を作り又は使用することを可能にするために提供された例示的な実装であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲によって画定される。ここでの説明の目的で、用語の「上」、「下」、「左」、「後」、「右」、「前」、「垂直」、「水平」、及びそれらの派生語は、図1において方向付けられる本発明に関するものとする。更に、前述の技術分野、背景若しくは概要又は以下の詳細な説明において提示される、表現された又は暗示された理論のいずれにも制約される意図はない。また、添付図面に図示され以下の明細書に記載される特定のデバイス及びプロセスは、添付の特許請求の範囲において画定される発明概念の単なる例示的な実施形態であることを理解すべきである。よって、特許請求の範囲に特段の定めがない限り、ここに開示される実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は限定的であると考えるべきではない。
【0021】
本発明の1つの例示的な実装においては、ルーレットのゲームの電子的修正版をプレイするためのルーレットベッティングシステム100は、その種々の構成要素を表す図1〜3に示されている。システム100はルーレットホイール上での回転(spins)に基づいており、このルーレットホイールは、典型的には、37個の数字のヨーロピアンホイール又は38個の数字のアメリカンホイールのいずれかに基づく。しかし、より多い数の又はより少ない数の数字のホイールも可能である。物理的なルーレットホイールは、「回転(spins)」の結果を表す乱数発生器で代用することができ、その結果は、コンピュータディスプレイ等の電子的ディスプレイ上に順に表示することができる。ルーレットベッティングシステム100はゲーミングサービスの中央オフィス102を本拠としており、ゲーミングサービスの中央オフィス102内には、ルーレットの修正版をプレイするための命令セットを実行する中央サーバシステム110が収容されている。サーバシステム110は、ルーレットの修正された電子版をプレイするための実行可能な命令セットをホストし(hosts)、中央オフィス102の外部の実体(entities)と通信するために通信リンクによりインターネット150に接続されている。
【0022】
プレイヤ/システムインタフェースは、概して3つの要素を備える。ベット引き受けクライアント168a(図2)は、プレイヤがタッチ画面コンピュータ又はソフトウェアアプリケーションを用いてシステム100上にベットを置くことを可能にするインタフェース要素であり、そのソフトウェアアプリケーションは、コンピュータ120上、パーソナル電子デバイス123等の無線デバイス上、又はカジノ140,142若しくはアーケード144内のゲーミングステーション160にある専用インタフェース上で実行することができる。テーブル提示クライアント168bは、ベッティングテーブルのグラフィック描写をユーザに提供する。ベット引き受けクライアント168a及びテーブル提示クライアント168bは、典型的には、ゲーミングエリア160内におけるユーザのプレイングステーションに配置された統合化ユーザインタフェースデバイス168である。しかし、システムの機能的モジュール性(functional modularity)は、所望により、ベット引き受けクライアント168a及びテーブル提示クライアント168bの分離を促す。
【0023】
ルーレットベッティングシステム100は、単一プレイヤモードにおいて及び複数プレイヤモードにおいてプレイヤを支援する。複数プレイヤモードにおいては、賭け金を請け負うための1つ以上のカジノ140,142又は娯楽プレイのための1つ以上のアーケード144が、ゲーミングサービス102によって提供されるルーレットの修正された電子版に加入する(subscribe to)。各カジノ140,142及びアーケード144は、少なくとも1つの電子ルーレットゲーミングエリア160を有しており、ここでは電子ルーレットゲーミングエリア160はネットワーク端末として図示されている。好ましくは、図3に示すように、ゲーミングエリア160は、座席を配列する方法により電子ルーレットでそう称される「クイーンシアター(Queen Theater)」として配置され得る。図示されたルーレットゲーミングエリア160においては、24人のプレイヤを同時にホストすることを容易にするような受け入れ(accommodation)がなされている。中央テーブル162はドロー(draw)提示クライアント166を含み、ドロー提示クライアント166は、ルーレットホイールの電子的ディスプレイをプレイヤに提供する。中央テーブル162はその周囲に沿って8人のプレイヤを受け入れることができ、各プレイヤは専用の電子インタフェース168を有し、電子インタフェース168は、プレイヤが望むベットの量及び種類をシステムに入力するためのインタラクティブベット引き受けクライアント168a(図2)及びテーブル提示クライアント168b(図2)を備える複数のモジュールを含む。中央テーブル162を囲んで複数のシアターテーブル164があり、各シアターテーブル164は4人のプレイヤを受け入れることができ、従って全部で24人のプレイヤとなる。当業者であれば、このように受け入れられるプレイヤの数は24に限定されず、むしろルーレットベッティングシステム100において利用されるプロトコルの機能によるものであることを認識するはずである。ユーザ入力及び情報の提示は、システム100を種々のハードウェア設計に適合させるために、種々のクライアント又はモジュール内へと分けられる。典型的には、ユーザ入力には、物理的ボタンを含んでいてよい入力パネルと、ディスプレイ画面、オーディオ出力及び光源が組み込まれた出力システムと、が組み込まれている。当業者であれば、入力機能及び出力機能が各プレイヤのための単一のタッチセンサ式ディスプレイ内に組み込まれ得ることを認識するはずである。これらのデバイス機能は完全にトランスペアレント(transparent)であり、システム100に固有のハードウェアは一切ない。ルーレットゲーミングエリア160は、インターネット150を介した電子的通信リンク124を経由して中央オフィス102のサーバシステム110と直接的に又は間接的に通信する。代替的には、大規模なカジノ140,142又はアーケード144に対しては、ルーレットベッティングシステム100は、複数のルーレットゲーミングエリア160の運用のために、カジノ140,142又はアーケード144内にあってよく、あるいはカジノ140,142又はアーケード144に専用であってよい。
【0024】
また、ルーレットベッティングシステム100は、単一プレイヤモードにおいて複数のプレイヤをサポートし、ゲーミングサービス中央オフィス102によって提示されたルーレットの修正された電子版に各単一プレイヤが参加することを可能にする。単一プレイヤ120は典型的にはパーソナルコンピュータ122を利用し、パーソナルコンピュータ122は、電子的通信リンク124によってインターネット150に通信可能に相互接続される。代替的には、単一プレイヤ120は、携帯型パーソナル電子デバイス123及び専用通信ネットワーク126のモバイル電子リンク125を利用して、インターネット150を介してルーレットシステム100と通信することもできる。通信ネットワーク126は、更に、通信リンク127を介してインターネット150と通信する。当業者であれば、パーソナル電子デバイス123は、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、ネットブック、ラップトップコンピュータ、又は現在利用可能な若しくは将来利用可能になるであろう他の類似のデバイスであってテキストメッセージ送信、eメール、インターネットアクセス若しくは他の通信プロトコル等の電子通信能力を提供するデバイスであり得ることを容易に認識するはずである。パーソナルコンピュータ122又はパーソナル電子デバイス123は、単一プレイヤ120とルーレットベッティングシステム100の間でインタラクティブプレイヤのためのディスプレイクライアント、入力クライアント、及び出力クライアントとして機能する。
【0025】
図2に示すように、サーバシステム110はデータベースサーバ111を備え、データベースサーバ111はサーバシステム110の中心的な要素である。データベースサーバ111は永続的情報を記憶しており、接続されている全てのモジュールはデータベースサーバ111から必要な情報をフェッチする(fetch)。ドローサーバ112は、乱数発生器113を利用して数字の所与のセット内でランダムな結果を生成する。この結果生じる数字は、以前のドローに関する情報を用いて再処理される。ドローサーバ112は、次いで、その結果をドロー提示クライアント166及びベット引き受けサーバ114に渡す。ベット引き受けサーバ114に情報を渡した後、新たなドローのための新たな規則が受け取られる。ベット引き受けサーバ114は、接続されている全てのベット引き受けクライアント168aからのベットを受け取り、認証/承認サーバ116との相互作用を介して入力を検証し、それらベットを記憶する。ベットに関する情報は、ベット引き受けクライアント168aに返送され、またテーブル管理サーバ115へと転送される。一旦全ての係属中ベットの結果が受け取られ処理され、その結果が記憶されベット引き受けクライアント168a及びテーブル管理サーバ115へ転送されると、ゲームの状態に応じて、新たな「結果」に対する要求がドローサーバ112へ送られる。次いで新たな規則のセットがドローサーバ112へ送られる。バックオフィス117、エージェントウェブインタフェース118、カウンタアプリケーション119、及び認証/承認サーバ116は、システム110を管理するために必要な標準的なモジュールであり、当該産業において知られている。更に、ベット引き受けサーバ114、テーブル管理サーバ115、認証/承認サーバ116、バックオフィス117、エージェントウェブインタフェース118、及びカウンタアプリケーション119は、データベースインタフェースを介してデータベースサーバ111と通信する。
【0026】
ユーザインタフェースデバイス168の典型的なディスプレイ出力が図4に示されている。ディスプレイの下部は、ベットを置くためのユーザ入力を提供する画面上に一連のタッチセンサ式ボタンが組み込まれたベット引き受けクライアント168aを備える。ユーザのタッチに反応するこれらの仮想ボタンは、置かれるベットの量、特定のベットに勝利するオッズ、置かれた総ベット、及びユーザのステーク(stake)内に残っているクレジットを制御するためのボタン並びにチップの置き/移動(placement/removal)を制御するためのボタンを含み得る。ディスプレイの上部は、ベッティングテーブルのグラフィカル表示であるテーブル提示クライアント168bであって当該産業で知られる典型的なルーレットベッティングテーブルをグラフィック的にシミュレートすることができるテーブル提示クライアント168bを備える。カジノ140,142又はアーケード144内のゲーミングエリア160等を伴う複数プレイヤモードの場合には、各プレイヤは、同じテーブル(ゲーミングエリア160)を共有している他のプレイヤのベットに関する情報を受け取る。単一プレイヤモードの場合には、そのプレイヤ自身の活動に関する情報のみが画面上に表示される。複数プレイヤモードであるのか又は単一プレイヤモードであるのかにかかわらず、典型的なルーレットテーブル上に仮想チップが置かれる形態で、それぞれのベットをテーブル提示クライアントディスプレイ168b上に示すことができる。
【0027】
ルーレットシステム100のプレイの一般的概念は、ユーザがN個の数字を有するルーレットホイールの回転の結果にベットするというものである。回転の結果が特定の数字になる確率は1/Nである。新たなベッティングシーケンスを開始するとき、ルーレットホイールの各フィールドは、0〜(N−1)の範囲の数字のためのプレースホルダ(placeholder)である。結果のセット(result-set)における各数字に対して、第2の特性、即ち「色」の特性が付加される。色特性は、ルーレットテーブル上の数字の色に従いその数字に割り当てることができる。
ホイールの1回目の回転の後、勝利した数字は、ベッティングテーブルレイアウトにおいて置き換えられ、残りの(N−1)個の数字からランダムで選択された数字で置き換えられる。追加された数字の第2の特性(色)は、置き換えられた数字から受け継がれる。その後、ベッティングテーブル上のフィールドの数字は、再び、次の回転のためのN個の数字を含む。しかし、追加された数字に対する確率は2/Nであり、これはその数字が数字フィールドにおいて2回生じているからである。この数字の各発生は、異なる色特性を有していてよい。
【0028】
シーケンスはN個の数字のテーブルフィールドで続くが、1回目のドローの後は、1つ以上の数字が複数回生じることになり、ある単一の数字に対するオッズは、その数字が他の取り下げられた数字のための置き換えとして何回用いられたのかに応じて変化することになる。後続の回転のうちの1つにおいて、テーブルフィールドで複数回生じている数字が選択された場合、それら複数回生じている数字の全てが、フィールドの利用可能な数字から選択された同じ数字で置き換えられることになる。最後に選択された数字を置き換えるのに用いられる数字の確率は、数字フィールドにおいて生じている回数にも依存する。各置き換えの数字は、それが置き換える数字のブロックからの色特性を受け継ぐことになる。
【0029】
ベッティングシーケンスの開始にあっては、数字フィールド内の実体(entity)を表している各数字は固有のものであり、従って固有の色属性を有している。同じ数字を伴う複数の実体が生じるとすぐに、それらは異なる色属性を有してよい。これらの事例においては、数字へのベット又は特定の色属性を伴う数字へのベットがプレイヤに対して提供され得る。これらのベットの利用可能性は、ゲーミングクライアント168のレイアウトに依存し、ランダムであってよい。
【0030】
ルーレットベッティングシステム100を利用するルーレットの電子的修正版をプレイするための方法600のダイヤグラム的フローチャートを図6に示す。プレイのベッティングシーケンスラウンドがブロック602において開始され、ブロック604において、ユーザは、ベッティングシーケンスに際しての使用のためのベッティングステーク又はクレジットを取得する。クレジットはユーザのアカウントに加えることができ、ステークは、完全にトランスペアレントであり、BNAを介してキャッシュイン(cash in)を加えることによって、コイン受け入れ器を介したキャッシュインによって、「電子財布」からの送金によって、又はカウンタからの「リモートイン(remote in)」によって、達成することができる。ユーザのステークをクレジットする他の既知の方法は、当該産業において予想され、よく知られている。また、パーソナル電子デバイス123又はホームコンピュータ上での単一プレイヤモードでプレイする遠隔のユーザ120は、当該産業でよく知られた方法でアカウントを確立しアカウントに資金投入する(fund)ことができる。
【0031】
修正されたルーレットプレイング方法600の残りの説明のために、カジノ140内のゲーミングエリア160(図3)を利用する複数プレイヤモードを説明する。ブロック606において、ゲーミングエリア160に居るそれらのユーザは、中央テーブル162又はシアターテーブル164にある彼らのそれぞれのプレイングステーションで専用のユーザインタフェースデバイス168のベット引き受けクライアント168aを利用して、テーブル提示クライアントディスプレイ168bの仮想ベッティングテーブル上に所望のベットを置く。種々のベットを置くことができ、例えば、単一の数字へのインサイドベットや、スプリットベット(split bets)や、ネイバーベット(neighbor bets)や、ラインベット(line bets)や、シンプルチャンス(simple chances)へのベットが可能である。ベッティングシステム100は、次いでブロック608において、テーブル提示クライアントディスプレイ168bにおける典型的なルーレットベッティングテーブルのレイアウトを利用することによって、彼らのベットの量により彼らのそれぞれのステークを自動的に差し引く。
【0032】
ブロック606及び608においてベッティング及びアカウントの調節が一旦完了すると、ブロック610においてルーレットホイールが「回転される(spun)」。ルーレットホイールの回転は、乱数発生器113がランダムな数字を選択し、次いで内部アルゴリズムを介してそのランダムな数字をドロー提示クライアント166上におけるルーレットホイール表示上の数字が付されたスロットと関連付けることによって達成される。選択された数字が付されたスロットは、ブロック612においてテーブル提示クライアント168bのベッティングテーブル上に表示された数字が付されたスクエア(squares)の1つと色とに対応する。システム100は、次いでブロック614において、負けているベットを決定し、それらのベットを集める。システム100は、次いでブロック616において、勝利をユーザのステークに加えることによって勝利したベットをそのユーザにクレジットする。一旦前回の回転に対するベットの調整が済む(reconciled)と、システム100は、ブロック618において、前回のスピンがベッティングシーケンスの最終の回転であったかどうかを判断する。前回の回転が最終の回転であった場合には、ベッティングシーケンスはブロック630において終了し、次いで新たなベッティングシーケンスをステップ602で開始することができる。
【0033】
一方、前回の回転が最終の回転でなかった場合には、方法はブロック620に進み、そこでは、勝利した数字が、ドロー提示クライアント166上に表示されているルーレットホイール上及びテーブル提示クライアント168b上に表示されているベッティングテーブル上のフィールドの数字から除かれる。乱数発生器113は、ブロック622において、内部アルゴリズムを介して、フィールドの残っている数字から1つの数字をランダムに選択し、その新たな数字を空きになっている数字のブロックに割り当てる一方で、そのブロックはその元の色を維持する。テーブル提示クライアント168b上に表示されるときに、ベッティングテーブル上にある新たな数字の事例(instances)は今や少なくとも2つということになる。二重化された数字の追加の結果として、各可能なベットのオッズがブロック624において再計算され、ブロック626において、提示クライアント168bのテーブルレイアウトは、修正された数字割り付け(numbering)及び再計算されたオッズで改定される。プロセスは、次いで、参加しているプレイヤによるベットのためにブロック606に戻る。サイクルは、ブロック618において、ある数の繰り返しの所定の限度が生じたこと又は現在のシーケンス内で所定回数のベッティングサイクルが生じたことをシステムが判断するまで続く。
【0034】
図5を参照すると、修正されたベッティングテーブルレイアウトディスプレイ168bの例が示されており、数字4,9,13,15,24,34がプレイから除かれている。これらの数字は、追加的な事例の数字1,23,29で置き換えられている。更に、追加された数字の多重(multiples)は今や両方の色に関連付けられており、新たな払い戻しオッズが各ベッティング確率と共に記されている。
【0035】
詳細において多くの修正、変形、及び変更が本発明の説明された好ましい実施形態に対してなされ得るので、以上の説明における及び添付図面に示される全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり限定的な意味ではないことが意図されている。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその請求項の法的に均等なものによって決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6