(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ローラー(10、11、12、13、14)に応じた前記フラップ(20)の継続的な回転は、ユーザーに見えるディスプレー位置において、前記フラップ(20)のインジケーションが前記ローラー(10、11、12、13、14)の1回転当たり180°回転するように行われる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスプレー機構(100)。
前記第2の駆動手段(32)は、前記ローラー(10、11、12、13、14)が備える他のフラップ(20)とは独立に、前記フラップ(20)を一度に1つのみ回転するように構成している
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスプレー機構(100)。
前記第2の駆動手段(32)は、前記ローラー軸(D10)に対する前記フラップ軸(D20)の単一の特定の位置において、単一の前記フラップ(20)を回転するように構成している
ことを特徴とする請求項7に記載のディスプレー機構(100)。
前記フラップ(20)をそれぞれオリエンテーション位置に保持するために、前記フラップ(20)はそれぞれ、前記フラップ(20)の面(201、202)の数と同じ数の凹んだ点(26)があるフラップカム(25)又は心臓状部品を有し、
前記ローラー(10、11、12、13、14)は、少なくとも1つのばね(15)を有し、
このばね(15)は、前記フラップカム(25)又は心臓状部品の位置のインデクシングをするために前記フラップカム(25)又は心臓状部品のそれぞれの近傍に配置されたジャンパー(17)に力を与えるか、あるいは前記ジャンパー(17)を形成している
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスプレー機構(100)。
少なくとも1つの前記ローラー(10、11、12、13、14)は、前記面(201、202)を複数有する前記フラップ(20)を介して、少なくとも1つの固定ディスプレー位置及び少なくとも1つの動性ディスプレー位置を有する
ことを特徴とする請求項1、4、5のいずれかに記載のディスプレー機構(100)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】カレンダータイプの本発明に係るローラーディスプレー機構を有する腕時計の概略正面図を示している。
【
図2】
図1と同様な形態で、本発明に係るフラップを有する十の位ローラー及び一の位ローラー上の日付ディスプレーを示している。
【
図3】
図1と同様な形態で、
図2の十の位ローラーを駆動するギヤ列を示している。
【
図4】
図1と同様な形態で、
図2の一の位ローラーを駆動するギヤ列を示している。
【
図5】
図2の一の位ローラーのローラーの回転軸に垂直な平面における概略的に端面図を示しており、このローラーのフラップのうちの1つのフラップの回転運動の様子を点線で示している。
【
図6】
図1と同様な形態で、
図5の一の位ローラーの詳細を示している。
【
図7】
図5と同様な形態で、
図2の一の位ローラーの変種を示しており、フラップを駆動し保持する手段を示しており、ローラーフラップのうちの1つが回転運動する様子を点線で示している。
【
図8】
図1と同様な形態で、
図7の一の位ローラーの詳細を示している。
【
図9】
図7の一の位ローラーの概略斜視図を示している。
【
図10】ローラーの回転軸に垂直な平面における中間位置にある
図7の一の位ローラーの概略断面図を示している。
【
図11】ローラーの回転軸に垂直な平面における中間位置にある
図7の一の位ローラーの概略端面図を
図9においても示しているばねの表現とともに示している。このばねは、フラップカムの近傍に配置されているジャンパーに力を与えるように構成しており、これによって、これらのカム及び対応するフラップの位置のインデクシングをする。
【
図12】
図9〜11と同様な形態で、本発明に係る月ローラーを示している斜視図である。
【
図13】
図9〜11と同様な形態で、本発明に係る月ローラーを示している断面図である。
【
図14】
図9〜11と同様な形態で、本発明に係る月ローラーを示している端面図である。
【
図15】
図3及び4と同様な形態で、5つのフラップを備えた一の位ローラーの回転を示している。
【
図16】
図15と同様な形態で、曜日に対応する7つのインジケーションを備えた特定のローラーの回転制御を示している。
【
図17】
図7と同様な形態で、フラップを駆動し磁気的に保持する手段を示している
図2の一の位ローラーの別の変種を示しており、ローラーフラップのうちの1つの回転運動の様子を点線で示している。
【
図19】上記のマルタクロス式システムではなく部分的な歯列を有する別の変種を示している。
【
図20】上記のマルタクロス式システムではなく部分的な歯列を有する別の変種を示している。
【
図21】
図5と同様な形態で、フラップカムの位置のインデクシングが、ジャンパーとしてもはたらく単一のばねによって行われるような変種を示している。
【
図22】
図22〜26は、閏年のディスプレーのための変種を概略的に示している。
図22は、月ローラー軸から延びている120°ごとの3つ組の針を示している斜視図である。
【
図23】3つ組の針を駆動するジャンパーによって保持される星車を示している前記月ローラー軸に垂直な面の断面図である。
【
図24】
図23と同様な形態だがジャンパーを示さずに、フラップと一体化されている偏心レバーを介する、星車の駆動のための星車の連係を示している。
【
図25】
図23と同様な形態だがジャンパーを示さずに、フラップと一体化されている偏心レバーを介する、星車の駆動のための星車の連係を示している。
【
図27】
図7と同様な形態で、ジャンパーを用いずにフラップを保持する別の変種を示している。これは、部分的な歯列によって駆動され、実際のフラップに接する外周によってガイドされる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図において、本発明を、曜日、日(十の位ローラー及び一の位ローラー)及び月のためのローラーを備えるものに基づいて示している。なお、これに制限されない。
【0015】
図1は、例として、ローラーを有する腕時計を示しており、直径5.00mmのローラー上の文字の縦の長さは、2.20mmよりも大きい。なお、これに制限されない。
【0016】
このように、本発明は、少なくとも1つのローラー10を有する計時器用ディスプレー機構100に関する。これらのローラー10には、図面において異なる参照符号11、12、13、14が割り当てられており、ローラー軸D10のまわりを回転する。このローラー10、11、12、13、14は、少なくとも1つのフラップ20を有し、これは、ローラー軸D10と平行であるがローラー軸D10とは異なるフラップ軸D20のまわりを回転するようにマウントされる。この少なくとも1つのフラップ20は、少なくとも1つの第1の面201及び少なくとも1つの第2の面202を有しており、所与の時間においてユーザーがこれらの面201、202のうちの1つの面のみを見ることができるように構成している。
【0017】
ディスプレー機構100は、ローラー軸D10のまわりにローラー10、11、12、13、14を回転させる第1の駆動手段31を有する。
【0018】
このディスプレー機構100は、第1の駆動手段31とは異なる第2の駆動手段32を有し、この第2の駆動手段32は、ローラー軸D10に対するフラップ軸D20の少なくとも1つの所定の位置において、少なくとも1つの前記フラップ20をそのフラップ軸D20のまわりに回転させる。
【0019】
具体的には、ディスプレー機構100において、フラップ20の継続的な回転が、ユーザーに見えるディスプレー位置においてフラップ20のインジケーションがローラー10、11、12、13、14の1回転当たり180°回転するように、ローラー10、11、12、13、14の関数として定められる。
【0020】
具体的には、第2の駆動手段32は、ローラー10、11、12、13、14が備える他のフラップ20とは独立に、一度に1つのフラップ20のみが回転するように構成している。
【0021】
別の変種では、第2の駆動手段32は、ローラー10、11、12、13、14が備える各フラップ20を同期させて回転するように構成している。これによって、ディスプレー機構に必要なエネルギーを節約することができる。
【0022】
小さい空間しか用いないために有利であるような好ましい変種において、第2の駆動手段32は、一度に1つのフラップ20のみを回転させるように構成しており、具体的には、第2の駆動手段32は、ローラー軸D10に対するフラップ軸D20の位置のうちの特定の1つの位置のみにおいて単一のフラップ20を回転させるように構成している。
【0023】
本発明によると、第2の駆動手段32は、各フラップ20において、フラップ軸D20を中心とする少なくとも1つのフラップ駆動ピニオン35を有する。具体的には、このフラップ駆動ピニオン35は、ディスプレー機構100が備える制御手段と連係して、順次的に又は継続的に、同じローラー10、11、12、13、14の連続するフラップ20の位置を変えたり、要求に応じて特定のフラップ20の位置を変えたりするように構成している。したがって、要求に応じて特定のフラップの位置を変えることができる。
【0024】
特に、第2の駆動手段32のモーター駆動、又は腕時計ステム、押し部品又は引き部品を介しての制御によって、腕時計が長い期間止まっていたときにカレンダーを更新することが促進される。
【0025】
具体的には、各フラップ20をオリエンテーション位置に保持するために、各フラップ20は、フラップカム25を有する。フラップカム25は、特に、心臓状の部品であり、フラップ20にある面201、202の数と同じ数の凹んだ点26を有する。ローラー10、11、12、13、14は、好ましくは、少なくとも1つのばね15を有し、これは、
図9及び11に示すように、前記フラップカム25の位置のインデクシングのために、各フラップカムの近くに配置されたジャンパー17に力を与えるように構成している。
【0026】
特定の変種において、
図21に示すように、このジャンパーとばねによって形成される対を特別な形状の少なくとも1つのばね15、特に、図示したような単一のばね、によって置き換えることができ、このばねは、ばねとジャンパーの2つの機能を組み合わせるものであり、
図9及び11の変種のジャンパー17のすべてを置き換えるものである。
【0027】
具体的には、
図17に示すように、同様な機能を有する変種において、各フラップ20をオリエンテーション位置に保持するために、各フラップ20は、フラップ20にある面201、202の数と同じ数の凹んだ点26を有するフラップカム25又は心臓状部品を有し、ローラー10、11、12、13、14は、各フラップカム25又は心臓状部品に対して、そのフラップカム25又は心臓状部品に力を与えるように構成している磁性材料によって作られた少なくとも1つの磁石70を有しており、これによって、フラップカム25又は心臓状部品の位置のインデクシングをする。
【0028】
具体的には、
図3及び4に示すように、第1の駆動手段31は、歯のいくらかが欠けている制御車3120及び3130を有しており、これらは、直接又は減速ギヤ3131を介してローラー駆動ピニオン312、313と噛み合って、所望の減速を達成する。このことによって、特に、日付をディスプレーすることができる。
【0029】
具体的には、
図16に示すように、少なくとも1つのローラー10、11、12、13、14は、複数の面201、202を有するフラップ20を介して、少なくとも1つの固定ディスプレー位置と、及び少なくとも1つの動性ディスプレー位置とを有する。これによって、体積を少ししか占めずに、あらゆる種類のインジケーションを行うローラーディスプレーをすることができる。
【0030】
具体的には、第1の駆動手段31は、メイン車60を駆動する入力列61を有し、このメイン車60の1回転は、ローラー10、11、12、13、14のディスプレー期間に対応しており、このメイン車60は、凹部52によって分離される周部区画51を担持しているメインカム50を担持しており、周部区画51の幅は等しくなく、最も狭い周部区画51の幅は、固定ディスプレー位置に対応しており、最も広い周部区画51の幅は、動性ディスプレー位置に対応している。メインカム50は、凹部52が通過したときに回転するように構成している偏心性のマルタクロス式の第2のカム40と連係している。この第2のカム40は、ローラー駆動車62と噛み合う第2の車42を担持している。メイン車60は、さらに、メインフラップ駆動車63を担持しており、このメインフラップ駆動車63は、フラップピニオン64と噛み合う。このフラップピニオン64は、フラップ軸D20を中心としているフラップ駆動ピニオン35を制御するように構成していたり、あるいは実際に前記のようなフラップ駆動ピニオン35を形成していたりする。
【0031】
本発明は、さらに、少なくとも1つの前記ディスプレー機構100を有する腕時計1000に関する。
【0032】
図面に、本発明の特定の実施形態を示している。
【0033】
図2は、ローラー上の日付ディスプレーを示している。直径5mmほどのローラーの周に31日をディスプレーすることができないので、2つのローラーにわたって一の位と十の位が分布している。すなわち、十の位ローラー12に4つの数、一の位ローラー13に10個の数が分布している。
【0034】
2つのローラーは、2つの制御車3120及び3130によって駆動され、各制御車には31の歯の位置があるが、対応するローラーの回転が不必要な日に対応する箇所では歯が欠けている。
【0035】
図3は、以下のような十の位ローラー12のための駆動列を示している。すなわち、第1の駆動手段31は、第1の制御車3120を有しており、この第1の制御車3120には、31の理論的な歯のうち4つの歯しかなく、十の位ローラー12を駆動する四歯星車312の4つの歯を駆動する。四歯星車312の位置を維持して駆動機能を完成させるために、ジャンパー(図示せず)が必要である。
【0036】
図4は、以下のような一の位ローラー13のための駆動列を示している。第1の駆動手段31は、第2の制御車3130を有しており、これには、行うディスプレーのタイプに応じて31の仮想的な歯のうちいくつかの歯のみがあり、一の位ローラー13を駆動する一の位ピニオン313の10の歯を駆動する。したがって、第2の制御車3130には、30の歯、又はこの場合のように29の歯を有することができ、2つの歯が欠けていることで、31から01へと変わるときに一の位が回転しないようにすることができる。10歯の一の位ピニオン313の位置を維持してディスプレー位置を維持するために、ジャンパー(図示せず)が必要とされる。
【0037】
この駆動原理は、大きな開口の日付ディスプレーの周知な原理と同様である。
【0038】
図5及び6は、一の位ローラー13上の一の位のディスプレーを示している。10個の一の位の数を直径5mmのローラーの周に分布させたのでは、文字の寸法を十分に大きくすることができない。したがって、本発明に係る一の位ローラー13は、いくつかのフラップ20A、20B、20C、20D、20Eを有しており、その各フラップは、その少なくとも2つの異なる面201、202に、少なくとも2つの一の位の数を担持している。このようにして、この例において、2つの面が10個の一の位の数を支える5つのフラップ20に、一の位ローラー13が分割されている。これらのフラップ20は、それらの2つの面201及び202のいずれかをユーザーに見せ、一の位の文字の縦の長さを2倍にすることができる。
【0039】
図7〜11は、キャリヤローラ10の回転時及び自転時におけるフラップ20の回転及び保持について示している。
【0040】
フラップ20を、ローラー10の回転に対して2分の1の比で連続的に回転駆動することができる。この手法は、単純であるが、ローラー10の全周にわたる空間を必要とし、また、これは必ずしも可能だとは限らない。
【0041】
システムが占める空間を抑えるために、ローラー10の周上の1点のみにおいてフラップ20の回転を制御するような下記の手法を利用することが有利である。このようにして、フラップ20はそれぞれ、フラップカム25に連係するジャンパー17によって所定の位置に保持される。このフラップカム25は、特に、心臓状部品タイプのものであり、2つの位置を有しており、当該フラップの軸にマウントされており、凹んだ点26がジャンパー17の突起部と連係している。ばね15、特に、
図7のような複数のアームを備えたばねは、フラップ20の位置を維持するジャンパー17に力を与える。また、ピニオン35もフラップ20の軸にマウントされる。
【0042】
このピニオンは、第2の駆動手段32(図示せず)が備えるギヤ列によって駆動されることができる。
図7の特定の変種では、第2の駆動手段32は、ローラー10の周部の1点に位置する歯列の固定区画を有する。ローラー10の回転時に、フラップピニオン35が、この区画と接触し、この区画と連係する。このことによって、当該フラップ20が180°回転する。
【0043】
図12〜14は、同様な形態で、6つのフラップ20を有する月ローラーの回転を示している。当然、周に12個のインジケーションを配置するために、面が3つの4つのフラップ、又は面が4つの3つのフラップを用いることもできる。
【0044】
図15は、一の位ローラーの回転を5つのフラップで示している。上で説明したように、一の位ローラーの回転は、10歯のピニオンを通過させるために1つ又は2つの歯が欠けている31歯の車によって達成することができる。5つのフラップを備えたローラーの場合に1日当たり1/5回転させるために、10歯のピニオンを5つの歯に減らすべきであるが、幾何学的に、この減速は機能に支障がなく行わせることはできない。したがって、所望の減速に対応する1対の減速ギヤ3132、3133を備えるギヤ減速機構を加えることが必要である。この例において、以下のギヤ列の異なる車は、以下を行う。
− 31歯の車3130: 月当たり1回転
− 10歯の車3132: 10日当たり1回転
− 20歯の車3133: 10日当たり1回転
− 10歯の車313: 5日当たり1回転
【0045】
マルタクロス式機構を備えた特定の実施形態において、第1の駆動手段31は、メイン車60を駆動する入力列61を有し、このメイン車60の1回転は、ローラー10、11、12、13、14のディスプレー期間に対応しており、このメイン車60は、幾何学的構成が等しくない周部区画を担持しているメインカム50を担持しており、同心の区画51は、固定ディスプレー位置に対応しており、駆動ピン5Xを備える凹んだ区画52は、ディスプレーローラー10、11、12、13、14の動性位置に対応している。このメインカム50は、偏心性のマルタクロス式の第2のカム40と連係しており、このカム40は、固定点のまわりを回転し、凹部52及びピン5Xが通過する際に回転するように構成している。この第2のカム40は、ローラー駆動車62と噛み合う第2の車42を担持しており、メイン車60は、さらに、メインフラップ駆動車63を担持しており、このメインフラップ駆動車63は、フラップピニオン64と噛み合い、このフラップピニオン64は、フラップ軸D20を中心とするフラップ駆動ピニオン35を制御するように構成しており、あるいは実際にフラップ駆動ピニオン35を形成している。
【0046】
具体的には、
図16は、このマルタクロス式実施形態の特定の変種を示しており、これは、週の曜日に対応する7つのインジケーションを備えたローラーの回転を制御する。曜日の場合には、曜日の数が素数であるため、上と同じようにフラップに曜日を分布させることはできない。ローラーが周に7つの曜日をディスプレーすることができなければ、解決策は以下に限られる。すなわち、
− 固定位置が6つのローラー及び面が2つの1つのフラップ
− 固定位置が5つのローラー及び面が2つの2つのフラップ
− 固定位置が4つのローラー及び面が2つの3つのフラップ
− 固定位置が1つのローラー及び面が3つの2つのフラップ
である。
【0047】
図16は、固定位置が6つのローラー及び面が2つの1つのフラップの第1の変種を示している。他の変種への適応も同様な形態で達成することができる。第1の駆動手段31は、メイン車60を駆動する入力列61を有し、メイン車60の1回転は、ローラー10のディスプレー期間に対応しており、曜日のディスプレーへの応用において、このメイン車60は、1日当たり1/7回転駆動される。
【0048】
一般的には、N個の期間をディスプレーする場合、メイン車60は、1日当たり1/N回転駆動される。
【0049】
メイン車60は、N個の異なる周部区画に分割されているメインカム50を担持している。これらの周部区画の幾何学的構成は、以下のように等しくない。同心の区画51は、固定ディスプレー位置に対応しており、駆動ピン5Xを備える凹んだ区画52は、ディスプレーローラーの動性位置に対応している。また、下で説明するように、同心の区画51の角度的な幅は変わっていることができる。
【0050】
このメインカム50は、前記ピン及びノッチを介してマルタクロス式の第2のカム40と連係している。この第2のカム40は、偏心しており、固定点のまわりを回転し、凹部52とピン5Xが通過する際に回転するように構成している。
【0051】
この第2のカム40は、当該ディスプレーローラー10と一体化されているローラー駆動車62と噛み合う第2の車42を担持している。
【0052】
このようにして、マルタクロス式の第2のカム40は、ローラーの6つの固定位置に対応する7つの曜日のうちの6つの曜日に1/6回転するようにローラー駆動車62を駆動する。
【0053】
7つ目の曜日に、マルタクロス式の第2のカム40の肩部41は、同心の区画51のうちの最も広い区画510上で休み続ける。したがって、マルタクロス式の第2のカム40は、回転することができない。ローラー駆動車62は、駆動されず、したがって、ローラーは不動のままである。
【0054】
メイン車60は、さらに、メインフラップ駆動車63を担持しており、このメインフラップ駆動車63は、フラップピニオン64と噛み合い、このフラップピニオン64は、フラップ軸D20を中心とするフラップ駆動ピニオン35を制御するように構成しており、あるいは実際にフラップ駆動ピニオン35を形成している。
【0055】
このメインフラップ駆動車63は、メイン車60のように、1日当たり1/7回転する。
【0056】
フラップピニオン64は、面が2つのフラップ20を担持しており、メインフラップ駆動車63と3.5の比で噛み合っている。
【0057】
したがって、ローラー駆動車62が不動であり、メイン車60が1/7回転する場合、フラップピニオン64は1/2回転して、フラップ20が面を変える。
【0058】
ローラー駆動車62が解放され1/6回転し、メイン車60が1/7回転する場合、フラップピニオン64は1/12回転する。したがって、フラップピニオン64は、6日で始点に戻る。
【0059】
図17及び18は、本発明の好ましい変種を示しており、これにおいては、フラップが所定の位置に保持されることを確実にするジャンパー及びばねが、磁性材料によって作られたカムに対して、力、特に、引力、を与える磁石70と置き換えられている。
【0060】
上記のマルタクロス式システムの代わりに部分的な歯列を備えた別の特定の実施形態において、第1の駆動手段31は、メイン車60を駆動する入力列61を有し、このメイン車60の1回転は、ローラー10、11、12、13、14のディスプレー期間に対応しており、このメイン車60は、以下のように幾何学的構成が等しくないいくつかの周部区画を担持しているメインカム50を担持している。すなわち、同心の区画51は、固定ディスプレー位置に対応しており、区画は、凹部52の近くに駆動手段53を有する。メインカム50は、偏心星車71と連係しており、この偏心星車71は、固定点のまわりを回転し、前記駆動手段53が通過する際に回転して、偏心星車71が備える2つの歯72が同心の区画51上で休んでいるときにその角度位置を維持するように構成している。この星車71は、ローラー10、11、12、13、14と一体化されているローラー駆動車62と噛み合う第2の車70を担持している。前記のように、メイン車60は、メインフラップ駆動車63を担持しており、このメインフラップ駆動車63は、フラップピニオンと噛み合っており、このフラップピニオンは、フラップ軸D20を中心とするフラップ駆動ピニオン35を制御するように構成しているか、あるいは実際にフラップ駆動ピニオン35を形成している。
【0061】
具体的には、
図19及び20は、部分的な歯列があるこの実施形態の変種を示している。この変種を、マルタクロスがなく面が2つの2つの動性フラップ20B及び20Eを有する固定位置が5つあるバージョンの特定の場合(これに限定されない)に基づいて示している。
【0062】
入力列61(図示せず)の駆動ピニオンは、1日当たり1回転し、メイン車60を駆動する。このメイン車60は、1日当たり1/N回転する。ここでは、1日当たり1/7回転する。
【0063】
メイン車60は、メインカム50を担持しており、これは、7つの異なる周部区画に分割されており、この周部区画は、駆動手段(ここでは歯53によって構成している)を有していることもできるし有していないこともできる。同心の区画51は、ローラー20の固定ディスプレー位置に対応しており、駆動手段53を有する区画は、ディスプレーローラーの動性位置に対応している。
【0064】
このメインカム50は、ジャンパー(図示せず)によって保持される四歯星車71と連係している。この四歯星車71は、偏心しており、固定点のまわりに回転し、駆動手段、特に、図示した実施形態(これに限定されない)における歯、を通過する際に回転するように構成している。
【0065】
ここで歯を有する駆動手段53は、好ましくは、凹部52と組み合わさっており、四歯星車71の歯72と噛み合うように構成している。しかし、四歯星車71の2つの連続する歯72が同心の区画51上で同時に休んでいるときには、四歯星車71は回転することができない。
【0066】
したがって、プレート上で回転する四歯星車71は、週当たり2日を除いて、1日当たり1/4回転するように構成している。図示した例において、この星車71が月曜から火曜へと回転すると、この星車71は、水曜から木曜へと位置を変える前には、火曜と水曜の位置に留まる。同様に、星車71が金曜から土曜へと回転したときに、星車71は、日曜から月曜へと位置を変える前に土曜と日曜の位置に留まる。フラップ20Bは、火曜に第1の位置をディスプレーし、火曜から水曜へと180°回転し、水曜に第2の位置をディスプレーする。同様に、フラップ20Eは、土曜に第1の位置をディスプレーし、土曜から日曜へと180°回転し、日曜に第2の位置をディスプレーする。他の日に、ユーザーは、以下のようにローラー20の周部における固定ディスプレーを見る。すなわち、月曜に20A、木曜に20C、金曜に20Dを見る。
【0067】
この四歯星車71は、第2の車70を担持しており、この第2の車70は、ローラー駆動車62と噛み合う。このローラー駆動車62自身がディスプレーローラー10と一体化されている。
【0068】
四歯星車71は、結果的に、ローラーの5つの固定位置に対応する7つの曜日のうちの5つの曜日にて、ローラー駆動車62を1/5回転駆動する。
【0069】
2つの付加的な曜日においては、四歯星車71は、同心の区画51上にて休み続け、したがって、回転することができない。ローラー駆動車62は、駆動されず、ローラー10は不動のままである。
【0070】
メイン車60は、さらに、メインフラップ駆動車63を担持しており、このメインフラップ駆動車63は、フラップピニオンと噛み合い、このフラップピニオンは、フラップ軸D20を中心とするフラップ駆動ピニオンを制御するように構成しているか、あるいは実際にフラップ駆動ピニオン35を形成している。
【0071】
このメインフラップ駆動車63は、メイン車のように、1日当たり1/7回転する。
【0072】
フラップピニオンは、2つの面でフラップ20B及び20Eを担持しており、メインフラップ駆動車63と3.5の比で噛み合っている。
【0073】
したがって、ローラー駆動車62が不動の場合、メイン車60は1/7回転し、フラップピニオンは1/2回転し、当該フラップ20は面を変える。
【0074】
ローラー駆動車62が解放され1/5回転し、メイン車60が1/7回転すると、フラップピニオンは1/10回転する。したがって、5日で始点に戻る。
【0075】
図22〜26は、閏年ディスプレー400を行う変種を概略的に示している。この閏年ディスプレー400は、一又は複数の針を用いて達成することができる。具体的には、図の例におけるように120°ごとの3つ組の針401を用いることができる。これらの針401は、月ローラーアーバー402から延びており、1、2、3、L又はBのような通常のマーキングを有する相補的な閏年ディスプレー403に対向している。ジャンパー405によって保持される星車404は、この3つ組の針401を駆動し、フラップ407と一体化されている偏心レバー406によって駆動される。図示した例において、3月/9月の月に、フラップ407と一体化されている偏心レバー406を介して、星車404が回転する。
図24及び25に示すように、このフラップ407が歯付き区画408を介して回転するとき、歯付き区画408が星車404を1ノッチ押す。ローラーは、6か月で1回転し、7月には、レバーは星車を回転させない。
【0076】
図27は、ジャンパーなしでフラップ407を保持する別の変種を示している。このフラップ407は、部分的な歯列によって駆動され、実際のフラップ407に接している外周420によってガイドされる。具体的には、
図27に示すように、フラップ407は、その駆動ピニオン409の2つの歯410、411によって所定位置にガイドされる。この駆動ピニオン409は、機能を促進するために、凹部412にて1つ又は複数の歯が欠けていることができる。好ましいことに、ガイド周と交差する回転周の境界を定める2つの歯によって、部分的な外側又は内側のガイド周上の支持が実現される。この交差は、ローラーの回転をその軸のまわりに制限する。ガイド周は、回転を可能にする部分421で途切れている。この回転は、回転を可能にするために設けられた歯列区画408によって制御される。図におけるように、この歯列区画408は、ガイド周420の一部を形成することができる。
【0077】
同様に、ジャンパーがないフラップの変種において、フラップは、実際のフラップに接する外周によって直接ガイドされることができる。このようにして、ガイド周は、フラップを通すことが可能になるように途切れている。そして、駆動ピニオンは、
図7〜11又は
図17及び18の変種の構成を有することができる。
【0078】
本発明の異なる変種によって、風防外の寸法、すなわち又は風防とケース裏側の寸法が、10mmのオーダーの総厚みを有するような、通常の寸法の腕時計の小さな体積内にあらゆる種類のインジケーションのためのローラーディスプレーをすることができる。フラップは、腕時計のいずれの部分にも接しておらず、その通常の動作時にいずれの衝撃又は摩擦の影響も受けない。