特許第6405435号(P6405435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6405435セキュアな締結機構を備えた腕時計を分解するための分解ベンチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405435
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】セキュアな締結機構を備えた腕時計を分解するための分解ベンチ
(51)【国際特許分類】
   G04D 3/00 20060101AFI20181004BHJP
   G04D 1/10 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G04D3/00
   G04D1/10
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-202378(P2017-202378)
(22)【出願日】2017年10月19日
(65)【公開番号】特開2018-72334(P2018-72334A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2017年10月19日
(31)【優先権主張番号】16195648.7
(32)【優先日】2016年10月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ・ヴュイユ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3145459(US,A)
【文献】 特開昭59−137879(JP,A)
【文献】 特開2015−132582(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0041583(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04D 1/00− 3/00
G04B 37/00
A44C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュアな締結機構を備える腕時計(100)の第1の部品(1)と第2の部品(2)をアンロックして分解するための分解ベンチ(500)であって、
前記腕時計(100)は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)をロック位置にて動けなくするために少なくとも2つの摺動体(5)を有し、
当該分解ベンチ(500)は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相対的な分解運動を行わせるように作用するように構成しているハンドリングデバイス(530)を有し、遠心力利用デバイス(510)及び/又は気圧ないし液圧利用デバイス(520)を有し、これによって、前記腕時計(100)に対する遠心力及び/又は過大圧力又は過小圧力を前記摺動体(5)のすべてに対して同時に与えて前記摺動体(5)のすべてを自由通過位置に動かし、
前記ハンドリングデバイス(530)の前記作用は、前記摺動体(5)のすべてが前記自由通過位置にあるときにのみ可能である
ことを特徴とする分解ベンチ(500)。
【請求項2】
当該分解ベンチ(500)は、磁気的手段(540)を有し、この磁気的手段(540)は、一又は複数の前記摺動体(5)に対して、前記腕時計(100)に属する磁気的に引きつける又は斥ける手段に及ぼされる磁場を与えて、前記摺動体(5)を斥け又は引きつけるように構成している
ことを特徴とする請求項1に記載の分解ベンチ(500)。
【請求項3】
請求項1に記載の分解ベンチ(500)と、及び少なくとも1つのセキュアな締結機構を備える腕時計(100)とを有する腕時計用の組み合わせ(1000)であって、
前記腕時計(100)は、第1の表面(11)と第2の表面(12)を通して相補的な形態で一緒に嵌まり合うように構成している第1の部品(1)と第2の部品(2)を有し、
前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)は、組み立て位置にて、前記第1の部品(1)の側のレベルにおける第1のインデクシング手段(51)と前記第2の部品(2)の側のレベルにおける第2のインデクシング手段(52)からなる対(50)の少なくとも2つによってインデクシングされており、
前記第1のインデクシング手段(51)と前記第2のインデクシング手段(52)は、前記対(50)のそれぞれの中で、互いに対して又は前記摺動体(5)に対して相補的であり、
前記対(50)のそれぞれの前記第1のインデクシング手段(51)と前記第2のインデクシング手段(52)は、前記組み立て位置において互いに整列しており、これによって、チャンバー(40)を定めており、
前記摺動体(5)は、前記自由通過位置とロック位置の間で運動可能であり、
前記摺動体(5)は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)を組み立てられロックされた位置にロックするように構成しており、
前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)及び少なくとも1つの前記対(50)の前記組み立てられロックされた位置において、前記第1のインデクシング手段(51)、前記第2のインデクシング手段(52)及び前記摺動体(5)には、いずれの工具によってもアクセスできず、
前記遠心力利用デバイス(510)及び/又は気圧ないし液圧利用デバイス(520)は、前記チャンバー(40)のそれぞれに対して、遠心力及び/又は過大圧力又は過小圧力を同時に与えるように構成しており、
前記腕時計(100)に属する前記対(50)のそれぞれに対して、前記遠心力利用デバイス(510)によって遠心力及び/又は前記気圧ないし液圧利用デバイス(520)によって圧力変化を同時に与えることによってのみ、前記腕時計(100)に属する前記対(50)のそれぞれにおいて前記摺動体(5)のそれぞれの解放運動をアクチュエートして、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)のアンロックを可能にし、前記ハンドリングデバイス(530)の作用の下での前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相対的運動を可能にする
ことを特徴とする腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項4】
前記腕時計(100)には、前記チャンバー(40)が複数あり、前記チャンバー(40)のそれぞれの中を、前記チャンバー(40)が延在している曲がった方向又は直線状の方向(L)に前記摺動体(5)が運動可能である
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項5】
前記チャンバー(40)の少なくとも2つの方向(L)は、平行ではない
ことを特徴とする請求項4に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記摺動体(5)は、弾性戻し手段(30)によって前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)をロックするロック位置に保持され、
前記分解ベンチ(500)は、前記摺動体(5)に対して遠心力及び/又は圧力変化を与え、前記摺動体(5)に対して前記弾性戻し手段(30)の戻し力を克服するために十分な力を与え、対応するチャンバー(40)内において前記摺動体(5)が変位することを確実にするように構成している
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記摺動体(5)は、磁気的に引きつける又は斥ける手段(60)によって前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)をロックするロック位置に保持され、
前記分解ベンチ(500)は、磁気的手段(540)を有し、アンロックするのために前記分解ベンチ(500)によって遠心力又は圧力変化を与えているときに、前記摺動体(5)に対して、前記磁気的に引きつける又は斥ける手段(60)に及ぼされる磁場を前記磁気的手段(540)によって与えるように構成している
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項8】
前記第1のインデクシング手段(51)及び/又は前記第2のインデクシング手段(52)は、非磁性である
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項9】
前記第1のインデクシング手段(51)及び/又は前記第2のインデクシング手段(52)は、静電気の導体である
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項10】
前記第1の表面(11)と前記第2の表面(12)は、バヨネットタイプのアセンブリーを形成するように互いと連係するように構成している接触面である
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項11】
前記腕時計(100)は、少なくとも1つの開口(101)を有する第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の組み立てられロックされた位置の摺動体(5)の位置を表示するように構成している
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項12】
前記腕時計(100)には、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の前記組み立てられロックされた位置にある前記摺動体(5)のそれぞれの位置を表示するように構成している少なくとも1つの開口(101)がある
ことを特徴とする請求項11に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項13】
前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)は、これらを組み立てるときに互いにねじ留めされるように構成しており、
少なくとも1つの前記摺動体(5)は、対応する前記チャンバーにおける並進運動にてのみ自由に運動可能であり、前記摺動体(5)が前記第1のインデクシング手段(51)と前記第2のインデクシング手段(52)と同時に連係する場合に、第1の側に、ねじ留めのときに前記摺動体(5)が摺動することができるように傾斜した又は曲がった傾斜があり、第2の側に、ねじ緩めのときに前記摺動体(5)の通過を防ぐように構成している急傾斜のエッジがある
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項14】
前記腕時計(100)は、前記腕時計(100)に属する前記チャンバー(40)それぞれの内側又は外側のチャネル(410)を介して流体を入れ込む又は取り出すためのインレット(102)を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【請求項15】
前記腕時計(100)は、安全値を超えた過大圧力となった場合に前記流体を排出する少なくとも1つのヘリウム解放弁を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の腕時計用の組み合わせ(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュアな締結機構を備えた腕時計の第1の部品及び第2の部品をアンロックし分解する分解ベンチに関する。この腕時計は、前記第1の部品と前記第2の部品をロック位置にして動けなくする少なくとも2つの摺動体を有する。
【0002】
本発明は、さらに、前記のような分解ベンチと、及び前記のようなセキュアな締結機構を備える腕時計とを有する腕時計用の組み合わせに関する。
【0003】
本発明は、いずれの汚染、密封性の破壊、劣化又は調整のずれをも回避するように熟練者ではない者によって開けることができてはならない、潜水用腕時計や複雑機構を備える腕時計のような高品質な腕時計の分野に関する。本発明は、特に、前記のような腕時計の外装部品、ケースとベース部の間のリンクなどに関する。
【背景技術】
【0004】
潜水用腕時計又は複雑機構を備えた腕時計を誰でも開けることができるようになってはならない。なぜなら、締め付け度合い、クリーン度合い、潤滑、また、調整において、特定の制約があるからである。腕時計の機能の特徴がすべて維持されており美的外観が完全であることをユーザーに保証するために、工場に腕時計を戻して内部を修理する必要があることもある。したがって、工場において又は認証されたアフターサービスにおいて、適切な工具のセットを持っていない腕時計製造業者が開くことができないように設計されているセキュアな締結機構を備えた腕時計を開くことができるデバイスがあると有用である。
【0005】
特定の工具がないときに開けられない腕時計の設計は、この腕時計の製造を過度に複雑にしてはならない。その組み立て作業は、可能な限り伝統的な手法のままであるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、いずれの不適当な分解も防ぐように特別に設計されたセキュアな締結機構を備えた腕時計を分解することができる工具のセットを腕時計製造業者が利用可能にすることを提案するものである。また、本発明は、この目的のために設計された腕時計構成を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、請求項1に記載のセキュアな締結機構を備えた腕時計の第1の部品と第2の部品をアンロックし分解するための分解ベンチに関する。
【0008】
本発明は、さらに、このような分解ベンチ及びこのようなセキュアな締結機構を備えた腕時計を有する腕時計用の組み合わせに関する。
【0009】
添付図面を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点が明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】互いに嵌まり合う腕時計の外側の第1の部品と内側の第2の部品の概略平面図である。これらの部品のそれぞれには溝があり、この溝は、インデクシングされた組み立て位置において、摺動体が中を動くことができるチャンバの境界を定めるように整列する。この図では、摺動体はそれぞれ、そのチャンバー内において完全に自由であり、重力のみが与えられる。図における最も下側の摺動体が外側の部品に接するように位置しており、他の2つの摺動体が内側の部品に接するように位置しているような垂直位置にある腕時計を示している。この内側の部品の側のチャンバーの端は、流体を入れ込む又は取り出すための中央インレットにチャネルを介して接続している。
図2】チャンバーがそれぞれ摺動体を包囲しており、摺動体がボールによって形成されており、ボールがばねによって外側の部品から押されるような別の腕時計を、図1と同様な形態で示している。この変形態様において、チャンバーは外側には通じておらず、遠心力のみがすべてのボールの位置を変えることができる。これとは対照的に、衝撃を受けたときには、一部のボールのみの位置が変わる。図2は、ボールがそれぞれ内側の部品と外側の部品の間のいずれの相対的な回転をも防ぐようなロック位置を示している。
図3】内側の部品と外側の部品が同期回転をしているときの図2の機構を示しており、このときには、ボールが遠心力の影響の下で中心から離れ、2つの部品の間の相対的な回転が可能になる。
図4図3の同期回転のステップの後の前記2つの部品の間の相対的回転とそれらの分解を可能にする差動回転のときの図2の機構を示している。
図5】ばねによって外側の部品から押される摺動体を各チャンバーが包囲する別の腕時計を図1と同様な形態で示している。内側の部品の側のチャンバーの端は、チャネルによって流体を入れ込む又は取り出すための中央インレットに接続している。
図6】摺動体には回転自由度がなく、通常のドアロックの摺動体と同様な形態であり、一方向では2つの部品の間の相対的回転が可能であるが、反対方向では2つの部品の間の相対的回転を阻止するような、別の腕時計の詳細を図1と同様な形態で示している。
図7】互いに120°離れている3つの弾性摺動体を有する別の腕時計を図1と同様な形態で示している。各摺動体は、歯を支持している慣性ブロックを有し、弾性アームによって外側の第1の部品に接続しており、この第1の部品の内面は、遠心力で動く止め面を形成しており、内側の第2の部品は、摺動体の歯列を受けるように構成している一連のノッチを有する。
図8】前記の変形態様の1つに係る開口がある腕時計の概略平面図であり、ロック位置にあるときに、この開口を通してユーザーが摺動体を見ることができる。
図9】ハンドリングデバイス、遠心力利用デバイス及び気圧ないし液圧デバイスを有する分解ベンチと、前記の異なるデバイスのすべて又はいくつかの作用の影響を受けるセキュアな締結機構を備える腕時計とを有するアセンブリーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
腕時計のケース中間部とベース部の間の接続をセキュアにすることについて、何ら制約されない形態で、本発明を説明する。当然、腕時計の他の部品にも本発明を適用可能である。なお、「摺動体」と呼ぶ要素を固定するために必要な空間があることが前提となる。
【0012】
本発明は、セキュアな締結機構を備える腕時計100の第1の部品1と第2の部品2をアンロックし分解するための分解ベンチ500に関する。
【0013】
本発明によると、この分解ベンチ500は、第1の部品1と第2の部品2の間の相対的な分解運動を伝達するように構成しているハンドリングデバイス530を有する。
【0014】
この分解ベンチ500は、さらに、前記のような腕時計100に遠心力及び/又は過大圧力(overpressure)又は過小圧力(underpressure)を同時に与えて一又は複数の摺動体5を押して自由通過位置にする遠心力利用デバイス510及び/又は気圧ないし液圧利用デバイス520を有する。これらの摺動体のそれぞれは、まず、この腕時計100において、第1の部品1と第2の部品2をロック位置にて動けなくするように構成している。すなわち、摺動体5は、ロック位置と自由通過位置の間で動くことができ、摺動体5をロック位置から離脱させて自由通過位置に戻すことができるのは、本発明に係るベンチ500のみである。なお、ハンドリングデバイス530の作用は、すべての摺動体5が自由通過位置にある場合にのみ可能である。特定の変形態様では、この自由通過位置は、不安定な位置である。ここで、弾性戻し手段30、特に、ばね、の作用が摺動体5に与えられる場合には、特に、不安定な位置になる。
【0015】
なお、ハンドリングデバイス530の作用が、ベンチ500の特定のデバイス、具体的には、遠心力を利用するデバイス、を用いているときに及ぼされ、摺動体5のすべてが自由でなければこのハンドリングデバイス530は有効とはならないことがわかるであろう。
【0016】
もちろん、このベンチ500が分解ベンチとされるのは、セキュアなロックを解除できる能力のためである。しかし、所望であれば、このベンチ500の機能のいくつかによって、特定の組み立て機能を行うことができる。例えば、初期の組み立てステージにおいて、他のデバイスからアクセス不能な空洞内に摺動体のような部品をいくつか収容するという組み立て機能を行うことができる。
【0017】
ベンチ500は、分解される腕時計のタイプに応じて単純化することができ、言及したすべてのデバイス、すなわち、ハンドリングデバイス、遠心力利用デバイス、及び気圧ないし液圧利用デバイス、を必ずしも有していなくてもよい。
【0018】
本発明は、さらに、このような分解ベンチ500と、及びセキュアな締結機構を備える少なくとも1つの腕時計100を有する腕時計用の組み合わせ1000に関する。
【0019】
このセキュアな締結機構を備える腕時計100には、第1の部品1と第2の部品2があり、これらの第1の部品1と第2の部品2はそれぞれ、第1の表面11と第2の表面12を通して相補的な形態で一緒に嵌められ、第1の部品1の側のレベルにある第1のインデクシング手段51と第2の部品2の側のレベルにある第2のインデクシング手段52によって構成する少なくとも1つの対50によって組み立て位置においてインデクシングされるように構成している。これらの第1のインデクシングデバイス51と第2のインデクシングデバイス52は、互いに対して相補的であり、又は図示した実施形態(これに限定されない)におけるように、前記対50のそれぞれの中にある摺動体に対して相補的である。
【0020】
図面には、図示した腕時計のそれぞれに対して、3つの対50A、50B、50Cを示している。
【0021】
各対50の第1のインデクシングデバイス51と第2のインデクシングデバイス52は、組み立て位置において2つずつ整列して(アライメント状態となって)おり、自由通過位置とロック位置の間で摺動体5が中を運動可能であるようなチャンバー40を定める。ロック位置においては、この摺動体5は、第1の部品1と第2の部品2を、組み立てられロックされた位置にロックするように構成している。
【0022】
本発明によると、第1の部品1と第2の部品2が前記組み立てられロックされた位置にあるときに、少なくとも1つの前記対50において、第1のインデクシングデバイス51と第2のインデクシングデバイス52及び前記摺動体5には、いずれの工具からもアクセスすることができない。
【0023】
また、ベンチ500の遠心力利用デバイス510及び/又は気圧ないし液圧利用デバイス520は、各チャンバー40に対して遠心力及び/又は過大圧力又は過小圧力を同時に与えるように構成している。このように同時に与えることによってのみ、摺動体5が同時に運動することが可能になり、このことだけで、第1の部品1と第2の部品2の相対的な変位が可能になる。
【0024】
また、腕時計100に属する各対50に対して、前記遠心力利用デバイス510によって遠心力を、及び/又は前記気圧ないし液圧利用デバイス520によって圧力変化を、同時に与えることによってのみ、腕時計100に属する各対50の中の各摺動体5の解放運動がアクチュエートされ、第1の部品1と第2の部品2のアンロックが可能になり、ハンドリングデバイス530の作用の下で第1の部品1と第2の部品2の間の相対的運動が可能になる。ハンドリングデバイス530は、例えば、一方の部品を保持する手段と、及び他方の部品のねじ込み又はねじ緩めをする手段を有する。
【0025】
具体的には、腕時計100は、前記チャンバー40を複数有し、このチャンバー40のそれぞれの中で、このチャンバー40が延在している曲がった方向又は直線的な方向Lに摺動体5が運動可能である。
【0026】
少なくとも2つの前記チャンバー40の方向(L)は、好ましくは、平行ではない。
【0027】
具体的には、図示した変形態様におけるように、これらの方向(L)は、直線状である。しかし、曲がった方向であっても何ら問題ない。特に、ヘアピン状のチャンバーの場合において、ボールのような摺動体5が、ベンチ500に属する異なるデバイスをナビゲートするコンピューター化された手段を必要とする複雑なマヌーバー運動で、あるブランチから別のブランチへと通ることができるようにすることができる。
【0028】
具体的には、図2〜7において明らかなように、少なくとも1つの摺動体5は、弾性戻し手段30によって、第1の部品1と第2の部品2をロックするロック位置に保持され、分解ベンチ500は、この摺動体5に対して、遠心力及び/又は圧力変化を与え、この弾性戻し手段30の戻し力を克服するために十分な力を与え、そして、チャンバー40内の摺動体5の自由通過位置の方への変位を確実にして、アンロックを確実にするように構成している。
【0029】
具体的には、図示していない変形態様において、少なくとも1つの前記摺動体5は、磁気的に引きつける又は斥ける手段60によって第1の部品1と第2の部品2をロックする位置に保持される。
【0030】
また、この場合に、分解ベンチ500は、磁気的手段540を有する。この磁気的手段540は、アンロックのために遠心力又は圧力変化を与えているときに、一又は複数の摺動体5に対して、腕時計100に属する前記磁気的に引きつける又は斥ける手段60に及ぼされる磁場を与えて、摺動体5を斥ける又は引きつけるように構成している。
【0031】
具体的には、第1のインデクシング手段51及び/又は第2のインデクシング手段52は、非磁性である。
【0032】
具体的には、第1のインデクシング手段51及び/又は第2のインデクシング手段52は、静電気の導体である。
【0033】
具体的には、前記第1の表面11と前記第2の表面12は、バヨネットタイプのアセンブリーを形成するように互いに連係するように構成している接触面である。
【0034】
具体的には、図8に示すように、腕時計100には、第1の部品1と第2の部品2が組み立てられロックされた位置にあるときに摺動体5の位置を表示するように構成している少なくとも1つの開口101がある。具体的には、腕時計100には、この組み立てられロックされた位置にある各摺動体5の位置を表示するように構成している少なくとも1つの開口101がある。
【0035】
図6に示す変形態様では、第1の部品1と第2の部品2は、それらの組み立て時に互いに対してねじ留めされるように構成しており、少なくとも1つの摺動体は、そのチャンバー40内における並進運動のみ自由に運動可能であり、第1の側には、傾いた又は曲がった傾斜58があり、この傾斜58は、ねじ留め時にこの傾斜58を摺動体5が滑ることができるように構成しており、第2の側には、尖ったエッジ59があり、この尖ったエッジ59は、摺動体5が第1のインデクシング手段51と第2のインデクシング手段52と同時に連係しているときにねじ緩め時に摺動体5の通過を防ぐように構成している。
【0036】
特定の変形態様において、腕時計100には、腕時計100に属する各チャンバー40の内側又は外側にてチャネル410を通して流体を入れ込む又は取り出すためのインレット102がある。
【0037】
特定の変形態様(図示せず)において、腕時計100は、安全値を超える過大圧力の場合に流体を排出するための少なくとも1つのヘリウム解放弁を有する。
【0038】
構造的な変形態様の1つにおいて、チャンバー40の一部を形成している第1のインデクシング手段51又は第2のインデクシング手段52は、腕時計100の製造時に、特に、分解ベンチ500を介して遠心力又は圧力変化を与える作用の下で、摺動体5が初期に挿入されるように構成しているチャネルによって延長されており、このとき、高圧の航空機のハイドロリクスにおいて用いられるように、このチャネルは、リープラグ(Lee Plug)などによって密封され、摺動体5にてロックされ、大きな度合いの締め付け度合いがあることが確実になる。
【0039】
当然、これらの異なる構造的な変形態様は、通常のガスケットの構成、特に、潜水用腕時計のためのガスケットの構成、と互換性がある。また、これらは、弾性要素、特に、形状記憶素子、の使用とも互換性があり、これによって、第1の要素と第2の要素の組み立て時のクランプを増強できることが確実になる。
【符号の説明】
【0040】
1 第1の部品
2 第2の部品
5 摺動体
11 第1の表面
12 第2の表面
30 弾性戻し手段
40 チャンバー
50 インデクシング手段の対
51 第1のインデクシング手段
52 第2のインデクシング手段
60 磁気的に引きつける又は斥ける手段
100 腕時計
101 開口
102 インレット
410 チャネル
500 分解ベンチ
510 遠心力利用デバイス
520 気圧ないし液圧利用デバイス
530 ハンドリングデバイス
540 磁気的手段
1000 腕時計用の組み合わせ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9