特許第6405452号(P6405452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405452
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ポリウレタン接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20181004BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20181004BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20181004BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20181004BHJP
   C08G 18/66 20060101ALI20181004BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20181004BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   C09J175/04
   C09J11/06
   C08G18/42 008
   C08G18/48
   C08G18/66 003
   C08G18/76 007
   C08G18/00 C
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-510857(P2017-510857)
(86)(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公表番号】特表2017-531062(P2017-531062A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】CN2014085083
(87)【国際公開番号】WO2016029336
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チェンヤン・バイ
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/094227(WO,A1)
【文献】 特開平07−173245(JP,A)
【文献】 特開平04−359081(JP,A)
【文献】 特開平11−061082(JP,A)
【文献】 特開2004−051778(JP,A)
【文献】 特開2002−212258(JP,A)
【文献】 特開2003−055431(JP,A)
【文献】 特開2010−007043(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0149510(US,A1)
【文献】 特表2009−537667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 175/00−175/16
C08G 18/00−18/87、71/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン分散液と、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、1.2%〜20%のポリイソシアネート架橋剤と、を含むポリウレタン接着剤組成物であって、前記ポリウレタン分散液が、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、10%〜40%のモノマー性芳香族ジイソシアネートと、30%〜65%のポリエーテルポリオールと、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有する15%〜30%のポリエステルポリオールと、0.1%〜8%のポリアミンと、0.5%〜10%のイオン性界面活性剤との反応生成物である、前記ポリウレタン接着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリオールが各々、500〜4000g/molの分子量、及び1.8〜4の官能価を有する、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項3】
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項4】
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、300g/mol未満の分子量を有する、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエーテルポリオールが、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項6】
前記ポリエーテルポリオールが、ポリエチレングリコールと、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールのうちの少なくとも1つとの組み合わせである、請求項5に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項7】
前記ポリエステルポリオールが、ジオールとジカルボン酸との縮合生成物である、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、トリオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項9】
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、テトラオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項10】
前記ジオールが、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項11】
前記イオン性界面活性剤が、陰イオン性であり、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項12】
前記イオン性界面活性剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、請求項11に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項13】
前記ポリアミンが、エチレンジアミン、1,2−及び1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項14】
前記ポリイソシアネート架橋剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、ジ−イソシアナトメチル−シクロヘキサン、及びそれらの任意の組み合わせから選択されるモノマー性脂肪族ジイソシアネートのトリマーである、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【請求項15】
前記ポリイソシアネート架橋剤が親水性改変されたポリイソシアネート架橋剤である、請求項14に記載のポリウレタン接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体を作製するための接着剤組成物に関する。具体的には、本発明は、ポリウレタン分散液を含む接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤組成物は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、金属、紙、またはセロハンなどの基材を一緒に接着して、複合フィルム、即ち、積層体を形成するために使用される。積層体は、通常、包装産業において、特に食品包装のために使用される。環境、健康、及び安全上の理由から、接着剤は、水性または溶媒であることが好ましい。ポリウレタン分散液は、無溶媒接着剤に一般に使用される構成成分の1つである。
【0003】
異なる基材は、通常、それらに適用される接着剤に関して異なる要件を有する。例えば、PE基材を金属基材と接着するためには、接着剤は、接着力(BS)、ヒートシール力(HS)、ならびに低摩擦係数(COF)において特に優れている必要がある。BS、HS、及びCOFにおいて高性能を有し、故に、PE及び金属の接着に特に好適であるポリウレタン接着剤組成物を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ポリウレタン分散液と、ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、1.2%〜20%のポリイソシアネート架橋剤とを含むポリウレタン接着剤組成物を提供する。
【0005】
このポリウレタン分散液は、ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、10%〜40%のモノマー性芳香族ジイソシアネートと、30%〜65%のポリエーテルポリオールと、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有する15%〜30%のポリエステルポリオールと、0.1%〜8%のポリアミンと、0.5%〜10%のイオン性界面活性剤との反応生成物である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本ポリウレタン接着剤組成物は、ポリウレタン分散液を含む。
【0007】
ポリウレタン分散液は、好ましくは、固形分、即ち、ポリウレタンポリマー粒子含有量を25%〜60%、好ましくは30%〜55%、より好ましくは35%〜50%の範囲で有する。
【0008】
ポリウレタン分散液は、モノマー性芳香族ジイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有するポリエステルポリオールと、ポリアミンと、イオン性界面活性剤との反応生成物である。ポリウレタン分散液は、ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、10%〜40%、好ましくは12%〜38%、より好ましくは15%〜35%のモノマー性芳香族ジイソシアネート、30%〜65%、好ましくは35%〜60%、より好ましくは40%〜55%のポリエーテルポリオール、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有する、15%〜30%、好ましくは18%〜28%、より好ましくは20%〜25%のポリエステルポリオール、0.1%〜8%、好ましくは0.2%〜6%、より好ましくは0.5%〜5%のポリアミン、ならびに0.5%〜10%、好ましくは1%〜8%、より好ましくは1.5%〜6%のイオン性界面活性剤を含む。
【0009】
これらのポリオールは各々、500〜4000g/mol、好ましくは750〜3500g/mol、より好ましくは800〜3000g/molの分子量(Mw)を有する。これらのポリオールは各々、1.8〜4、好ましくは1.9〜3、より好ましくは2〜2.5の官能価(分子あたりのイソシアネート反応部位の平均数)を有する。
【0010】
本ポリウレタン接着剤組成物は、ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、1.2%〜20%、好ましくは1.5%〜15%、より好ましくは2.5%〜10%のポリイソシアネート架橋剤をさらに含む。
【0011】
ポリウレタン分散液
本発明のポリウレタン分散液は、ポリウレタンプレポリマーから調製される。本発明のポリウレタンプレポリマーは、縮合重合などの当業者に周知の任意の方法で、モノマー性芳香族ジイソシアネート、ポリエーテルポリオール、ならびに少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有するポリエステルポリオールを用いて調製される。ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、NCO基末端プレポリマーである。有機溶媒は、好ましくは、ポリウレタンプレポリマーの調製に使用されない。
【0012】
モノマー性芳香族ジイソシアネートは、好ましくは、300g/mol未満、好ましくは275g/mol未満の分子量Mwを有する。モノマー性芳香族ジイソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、及びそれらの組み合わせから選択される。TDIは、概して、任意の一般に入手可能な異性体分布で使用され得る。最も一般に入手可能なTDIは、80%の2,4−異性体及び20%の2,6−異性体の異性体分布を有する。他の異性体分布にあるTDIも使用され得る。MDIが使用される場合、それは、好ましくは、純粋な4,4’−MDI、またはMDI異性体の任意の組み合わせである。より好ましくは、それは、純粋な4,4’−MDI、及び他のMDI異性体と4,4’−MDIの任意の組み合わせである。他のMDI異性体と4,4’−MDIとの組み合わせが使用される場合、4,4’−MDIの好ましい濃度は、全MDI異性体の25%〜75%である。
【0013】
ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、及びブチレンオキシドの重付加、共付加、及びグラフト生成物、多価アルコールの縮合生成物、ならびにそれらの任意の組み合わせである。ポリエーテルポリオールの好適な例としては、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリブチレングリコール(PBG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましくは、ポリエーテルポリオールは、PEGと上記の少なくとも1つの別のポリエーテルポリオールとの組み合わせである。より好ましくは、ポリエーテルポリオールは、PEGと、PPG、ポリブチレングリコール、及びPTMEGのうちの少なくとも1つとの組み合わせである。
【0014】
少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有するポリエステルポリオールは、ジオールとジカルボン酸との縮合生成物である。
【0015】
ジオールの好適な例は、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせである。2を超えるポリオール官能価を達成するために、トリオール及び/またはテトラオールも使用され得る。トリオールの好適な例としては、トリメメチロールプロパン及びグリセロールが挙げられる。テトラオールの好適な例としては、エリトリトール及びペンタエリトリトールが挙げられる。
【0016】
ジカルボン酸は、芳香族酸と脂肪族酸との混合物である。芳香族酸の好適な例は、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸であり、脂肪族酸の好適な例は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、2−メチルコハク酸、3,3−ジエチルグルタル酸、及び2,2−ジメチルコハク酸である。これらの酸の無水物も同様に使用され得る。好ましくは、脂肪族酸及び芳香族酸は、飽和され、それぞれ、アジピン酸及びイソフタル酸である。安息香酸及びヘキサンカルボン酸などのモノカルボン酸は、最小限にされるか、または除外されるべきである。
【0017】
ポリウレタンプレポリマーは、ポリウレタン分散液を調製するために、イオン性界面活性剤、次いでポリアミンの助けを借りて水中に分散される。
【0018】
好ましくは、イオン性界面活性剤は、陰イオン性である。陰イオン性界面活性剤の好適な例は、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、n−デシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン、及びヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩である。より好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
【0019】
イオン性界面活性剤は、好ましくは、水の添加前に、ポリウレタンプレポリマーに導入されるが、界面活性剤がポリウレタンプレポリマーの添加前に水中に投入されることは本発明の範囲外ではない。
【0020】
次いで、ポリアミンが、イオン性界面活性剤及び水の添加後に、鎖延長の目的で添加される。
【0021】
好ましくは、ポリアミンは、ジアミンであり、各アミン基は、一級または二級アミンである。ジアミンの好適な例としては、エチレンジアミン、1,2−及び1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0022】
ポリイソシアネート架橋剤
本発明のポリイソシアネート架橋剤は、分子あたり2つ以上のイソシアネート基を有する。好ましいポリイソシアネート架橋剤は、分子あたり3つ以上のイソシアネート基を有する。より好ましいポリイソシアネート架橋剤は、モノマー性ジイソシアネートのトリマーである。
【0023】
ポリイソシアネート架橋剤の作製における使用に好ましいモノマー性ジイソシアネートは、モノマー性脂肪族ジイソシアネートである。モノマー性脂肪族ジイソシアネートの好適な例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、ジ−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(ADI)、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましいモノマー性脂肪族ジイソシアネートは、HDI及びADIであり、最も好ましいモノマー性脂肪族ジイソシアネートは、HDIである。上記のモノマー性芳香族ジイソシアネートは、ポリイソシアネート架橋剤の調製に任意に使用され得る。
【0024】
好ましくは、ポリイソシアネート架橋剤は、親水性改変される。親水性改変とは、イソシアネート基のうちの1つ以上が化合物と反応して、親水性基をその主鎖に結合させるプロセスである。好ましい親水性基は、陰イオン性基、または少なくとも1つのエチレンオキシド単位を含有する基である。
【0025】
ポリイソシアネート架橋剤は、本発明のポリウレタン接着剤組成物を調製するために撹拌下でポリウレタン分散液に添加される。
【0026】
他の添加剤
ポリウレタン分散液は、ポリウレタンプレポリマーの主鎖に反応的に結合する接着促進剤をさらに含み得る。接着促進剤はまた、後の添加剤としてポリウレタン接着剤組成物に添加され得る。適切な接着促進剤の選択は当該技術分野において周知であり、それはポリウレタンプレポリマーの総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、0.1%〜3%、好ましくは0.1%〜2%、より好ましくは0.1%〜1%の範囲の量で使用される。
【0027】
任意の接着促進剤が本発明において使用されるが、シラン接着促進剤が好ましい。シラン接着促進剤の好適な例としては、アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン、及びガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランが挙げられる。
【0028】
積層体
本ポリウレタン接着剤組成物は、金属箔、ポリエステルフィルム、及びナイロンフィルムなどの基材の表面上に適用される。好ましくは、それは、金属箔の表面上に適用される。より好ましくは、金属箔はアルミニウム(Al)箔である。
【0029】
次いで、適用されたポリウレタン接着剤組成物を乾燥させて、乾燥層を形成する。適用されたポリウレタン接着剤組成物は、残りの水が適用されたポリウレタン接着剤組成物の10%未満であるときに乾燥していると見なされる。
【0030】
ポリエチレンフィルムの表面が、適用されたポリウレタン接着剤組成物の乾燥層上に被覆され、その結果、ポリエチレンフィルム−ポリウレタン接着剤−金属箔複合物(複合フィルム、及び積層体としても知られる)が形成される。金属箔は、異なる用途では、ポリエステルフィルムまたはナイロンフィルムに置き換えられ得る。積層体は、好ましくは、フィルムをさらにより密接に押し付けるために機械力に供される。そのような機械力は、好ましくは、積層体をローラ間に通過させることにより適用される。
【0031】
積層体は、追加フィルム及び追加接着剤組成物を含むより厚い積層体の一部であり得る。追加フィルムは、ポリマーフィルム、紙、及び金属箔など、積層産業でよく使用される任意のフィルムであり得る。追加接着剤組成物は、本発明のポリウレタン接着剤組成物と同じであり得るか、またはそれと異なり得、積層産業でよく使用される任意の接着剤組成物であり得る。
【実施例】
【0032】
I.原材料
イソシアネート:
ISONATE(商標)50 O,P’イソシアネート(50 O,P’)は、The Dow Chemical Companyから市販されている2,4−MDIと4,4’−MDIとの混合物である。
【0033】
ISONATE(商標)125M イソシアネート(125M)は、The Dow Chemical Companyから市販されている純粋な4,4’−MDIである。
【0034】
ポリエステルポリオール:
BESTER(商標)104 ポリオール(BESTER 104)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0035】
HSM−822−3 ポリオール(HSM)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、Xuchuan Chemical (Suzhou) Co.,Ltdから市販されている。
【0036】
XCP−940AD ポリオール(XCP)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、Xuchuan Chemical (Suzhou)Co.,Ltdから市販されている。
【0037】
BESTER(商標)127 ポリオール(BESTER 127)は、1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0038】
BESTER(商標)264 ポリオール(BESTER 264)は、1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0039】
ポリエーテルポリオール:
VORANOL(商標)CP750 ポリオール(CP750)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0040】
VORANOL(商標)2120 ポリオール(VORANOL 2120)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0041】
VORANOL(商標)WD2139 ポリオール(WD2139)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0042】
VORANOL(商標)V1010 ポリオール(V1010)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0043】
CARBOWAX(商標)ポリエチレングリコール 1000(PEG 1000)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0044】
TERATHANE(商標)PTMEG 2000 ポリオール(PTMEG 2000)は、ポリエーテルポリオールであり、Invista Companyから市販されている。
【0045】
架橋剤:
CR3A架橋剤(CR3A)は、The Dow Chemical Companyから市販されている親水性改変されたポリイソシアネート架橋剤である。
【0046】
その他:
RHODACAL(商標)DS−4 界面活性剤(DS−4)は、Rhodia Companyから市販されている、24%固形分を有する陰イオン性界面活性剤である。
【0047】
1,2−プロパンジアミン(PDA)は、Sigma−Aldrich Companyから市販されているジアミンである。
【0048】
II.試験方法
1.接着力(BS)
本発明の積層体を、T字剥離試験のために、Instron Corporationから入手可能な5940シリーズシングルコラム卓上システムを使用して、250mm/分のクロスヘッド速度で幅15mmの条片に切断した。試験中、各条片の末端を指で少し引っ張って、該末端が剥離方向に90度に保たれるようにした。各試料につき3つの条片を試験し、平均値を計算した。結果をN/15mmの単位で示した。値が高いほど、接着力が高い。
【0049】
2.ヒートシール力(HS)
積層体を、Brugger Companyから入手可能なHSG−Cヒートシール機を使用して、140℃のシール温度及び300Nの圧力で1秒間シートヒールした後、冷まして、ヒートシール力試験のために、Instron Corporationから入手可能な5940シリーズシングルコラム卓上システムを使用して、250mm/分のクロスヘッド速度で幅15mmの条片に切断した。各試料につき3つの条片を試験し、平均値を計算した。結果をN/15mmの単位で示した。値が高いほど、ヒートシール力が高い。
【0050】
3.摩擦係数(COF)
積層体を、50℃の炉に48時間入れた後、取り出し、冷まして、64mm×64mm及び10cm×10cmの小片に切断した。64mm×64mmの小片をスライダー上に貼り付け、10cm×10cmの小片をGuangzhou Biaoji Packaging Equipment Co.,Ltd.から入手可能なGM−1摩擦係数試験機(GM−1試験機)のプラットフォーム上に貼り付け、両方の小片のポリエチレン側を互いに向かい合わせた。GM−1試験機を試験前に較正した。各試料につき3対の小片(一方は64mm×64mmの小片、他方は10cm×10cmの小片)を試験し、平均値を計算した。結果を純数として報告した。値が低いほど、COF性能が高い。
【0051】
III.実施例
1.本発明ポリウレタン分散液1〜5(PU1〜5)及び比較ポリウレタン分散液6〜11(比較PU6〜11)の調製
【0052】
イソシアネートをポリオール混合物に添加し、混合物が理論イソシアネート基(NCO)含有量に達し、ポリウレタンプレポリマーが作製されるまで、65〜90℃で4〜5時間反応させた。このポリウレタンプレポリマーをプラスチック瓶に入れ、このプラスチック瓶にRHODACAL DS−4界面活性剤を2000〜3000rpmで1〜3分間撹拌しながら添加した。撹拌しながら、5℃のDI水を同じ瓶に添加して、均一分散液を作製した。次いで、1,2−プロパンジアミン(PDA)水溶液(20%)をこの分散液に1000〜1500rpmで15〜30分間撹拌しながら緩徐に添加して、ポリウレタン分散液を作製した。各PU分散液の構成成分を表1に詳細に列挙した。
【0053】
【表1】
【0054】
2.ポリウレタン接着剤組成物及び積層体の調製
上記のポリウレタン分散液を各々、PU分散液の総重量に基づいて2重量%のCR3A架橋剤と15分間混合して、ポリウレタン接着剤組成物を作製した。ポリウレタン接着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)裏当てAl箔に適用し、炉内で、80℃で40秒間乾燥させた後、炉から取り出し、Cheminstruments,Incから入手可能なHL−101積層機を使用して、40um厚のPEフィルムで被覆した(または積層した)。Al箔−ポリウレタン接着剤組成物−PEフィルム積層体を50℃で48時間硬化し、試験した。
【0055】
IV.結果
【0056】
【表2】
【0057】
比較PU6は、非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)の反応生成物であり、不十分なポリエーテル濃度であった。比較PU7は、非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)を使用した。比較PU8は、PU1〜5と比較してより高いイソシアネートを使用した。比較PU9は、PU1〜5と比較して高いポリエーテルポリオールを使用し、かついかなるポリエステルポリオールも使用しなかった。比較PU10は、高及び非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)を使用し、不十分なポリエーテルポリオールであった。一方で、比較PU11は、非推奨イソシアネート、及びPU1〜5と比較してより高いポリエステルポリオールを使用した。これらすべての比較ポリウレタン分散液は、比較ポリウレタン接着材組成物(接着剤)になったときに、発明ポリウレタン分散液、即ち、PU1〜5で作製されたものと比較してより劣ったBS、HS、及びCOFを提供した。
【0058】
これらの結果は、本発明、つまり、ポリウレタン接着剤組成物の構成成分及びそれらの濃度の重要な技術的特徴を示した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ポリウレタン分散液と、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、1.2%〜20%のポリイソシアネート架橋剤と、を含むポリウレタン接着剤組成物であって、前記ポリウレタン分散液が、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、10%〜40%のモノマー性芳香族ジイソシアネートと、30%〜65%のポリエーテルポリオールと、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有する15%〜30%のポリエステルポリオールと、0.1%〜8%のポリアミンと、0.5%〜10%のイオン性界面活性剤との反応生成物である、前記ポリウレタン接着剤組成物。
項2.
前記ポリオールが各々、500〜4000g/molの分子量、及び1.8〜4の官能価を有する、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項3.
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、及びそれらの組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項4.
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、300g/mol未満の分子量を有する、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項5.
前記ポリエーテルポリオールが、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項6.
前記ポリエーテルポリオールが、ポリエチレングリコールと、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールのうちの少なくとも1つとの組み合わせである、項5に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項7.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールとジカルボン酸との縮合生成物である、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項8.
前記ジオールが、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項9.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、トリオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項10.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、テトラオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項11.
前記イオン性界面活性剤が、陰イオン性であり、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項12.
前記イオン性界面活性剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、項11に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項13.
前記ポリアミンが、エチレンジアミン、1,2−及び1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項14.
前記ポリイソシアネート架橋剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、ジ−イソシアナトメチル−シクロヘキサン、及びそれらの任意の組み合わせから選択されるモノマー性脂肪族ジイソシアネートのトリマーである、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項15.
前記ポリイソシアネート架橋剤が親水性改変される、項14に記載のポリウレタン接着剤組成物。