【実施例】
【0032】
I.原材料
イソシアネート:
ISONATE(商標)50 O,P’イソシアネート(50 O,P’)は、The Dow Chemical Companyから市販されている2,4−MDIと4,4’−MDIとの混合物である。
【0033】
ISONATE(商標)125M イソシアネート(125M)は、The Dow Chemical Companyから市販されている純粋な4,4’−MDIである。
【0034】
ポリエステルポリオール:
BESTER(商標)104 ポリオール(BESTER 104)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0035】
HSM−822−3 ポリオール(HSM)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、Xuchuan Chemical (Suzhou) Co.,Ltdから市販されている。
【0036】
XCP−940AD ポリオール(XCP)は、1つの脂肪族基及び1つの芳香族基を有するポリエステルポリオールであり、Xuchuan Chemical (Suzhou)Co.,Ltdから市販されている。
【0037】
BESTER(商標)127 ポリオール(BESTER 127)は、1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0038】
BESTER(商標)264 ポリオール(BESTER 264)は、1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0039】
ポリエーテルポリオール:
VORANOL(商標)CP750 ポリオール(CP750)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0040】
VORANOL(商標)2120 ポリオール(VORANOL 2120)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0041】
VORANOL(商標)WD2139 ポリオール(WD2139)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0042】
VORANOL(商標)V1010 ポリオール(V1010)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0043】
CARBOWAX(商標)ポリエチレングリコール 1000(PEG 1000)は、ポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。
【0044】
TERATHANE(商標)PTMEG 2000 ポリオール(PTMEG 2000)は、ポリエーテルポリオールであり、Invista Companyから市販されている。
【0045】
架橋剤:
CR3A架橋剤(CR3A)は、The Dow Chemical Companyから市販されている親水性改変されたポリイソシアネート架橋剤である。
【0046】
その他:
RHODACAL(商標)DS−4 界面活性剤(DS−4)は、Rhodia Companyから市販されている、24%固形分を有する陰イオン性界面活性剤である。
【0047】
1,2−プロパンジアミン(PDA)は、Sigma−Aldrich Companyから市販されているジアミンである。
【0048】
II.試験方法
1.接着力(BS)
本発明の積層体を、T字剥離試験のために、Instron Corporationから入手可能な5940シリーズシングルコラム卓上システムを使用して、250mm/分のクロスヘッド速度で幅15mmの条片に切断した。試験中、各条片の末端を指で少し引っ張って、該末端が剥離方向に90度に保たれるようにした。各試料につき3つの条片を試験し、平均値を計算した。結果をN/15mmの単位で示した。値が高いほど、接着力が高い。
【0049】
2.ヒートシール力(HS)
積層体を、Brugger Companyから入手可能なHSG−Cヒートシール機を使用して、140℃のシール温度及び300Nの圧力で1秒間シートヒールした後、冷まして、ヒートシール力試験のために、Instron Corporationから入手可能な5940シリーズシングルコラム卓上システムを使用して、250mm/分のクロスヘッド速度で幅15mmの条片に切断した。各試料につき3つの条片を試験し、平均値を計算した。結果をN/15mmの単位で示した。値が高いほど、ヒートシール力が高い。
【0050】
3.摩擦係数(COF)
積層体を、50℃の炉に48時間入れた後、取り出し、冷まして、64mm×64mm及び10cm×10cmの小片に切断した。64mm×64mmの小片をスライダー上に貼り付け、10cm×10cmの小片をGuangzhou Biaoji Packaging Equipment Co.,Ltd.から入手可能なGM−1摩擦係数試験機(GM−1試験機)のプラットフォーム上に貼り付け、両方の小片のポリエチレン側を互いに向かい合わせた。GM−1試験機を試験前に較正した。各試料につき3対の小片(一方は64mm×64mmの小片、他方は10cm×10cmの小片)を試験し、平均値を計算した。結果を純数として報告した。値が低いほど、COF性能が高い。
【0051】
III.実施例
1.本発明ポリウレタン分散液1〜5(PU1〜5)及び比較ポリウレタン分散液6〜11(比較PU6〜11)の調製
【0052】
イソシアネートをポリオール混合物に添加し、混合物が理論イソシアネート基(NCO)含有量に達し、ポリウレタンプレポリマーが作製されるまで、65〜90℃で4〜5時間反応させた。このポリウレタンプレポリマーをプラスチック瓶に入れ、このプラスチック瓶にRHODACAL DS−4界面活性剤を2000〜3000rpmで1〜3分間撹拌しながら添加した。撹拌しながら、5℃のDI水を同じ瓶に添加して、均一分散液を作製した。次いで、1,2−プロパンジアミン(PDA)水溶液(20%)をこの分散液に1000〜1500rpmで15〜30分間撹拌しながら緩徐に添加して、ポリウレタン分散液を作製した。各PU分散液の構成成分を表1に詳細に列挙した。
【0053】
【表1】
【0054】
2.ポリウレタン接着剤組成物及び積層体の調製
上記のポリウレタン分散液を各々、PU分散液の総重量に基づいて2重量%のCR3A架橋剤と15分間混合して、ポリウレタン接着剤組成物を作製した。ポリウレタン接着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)裏当てAl箔に適用し、炉内で、80℃で40秒間乾燥させた後、炉から取り出し、Cheminstruments,Incから入手可能なHL−101積層機を使用して、40um厚のPEフィルムで被覆した(または積層した)。Al箔−ポリウレタン接着剤組成物−PEフィルム積層体を50℃で48時間硬化し、試験した。
【0055】
IV.結果
【0056】
【表2】
【0057】
比較PU6は、非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)の反応生成物であり、不十分なポリエーテル濃度であった。比較PU7は、非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)を使用した。比較PU8は、PU1〜5と比較してより高いイソシアネートを使用した。比較PU9は、PU1〜5と比較して高いポリエーテルポリオールを使用し、かついかなるポリエステルポリオールも使用しなかった。比較PU10は、高及び非推奨ポリエステルポリオール(1つの脂肪族基を有するが芳香族基を有しないポリエステルポリオール)を使用し、不十分なポリエーテルポリオールであった。一方で、比較PU11は、非推奨イソシアネート、及びPU1〜5と比較してより高いポリエステルポリオールを使用した。これらすべての比較ポリウレタン分散液は、比較ポリウレタン接着材組成物(接着剤)になったときに、発明ポリウレタン分散液、即ち、PU1〜5で作製されたものと比較してより劣ったBS、HS、及びCOFを提供した。
【0058】
これらの結果は、本発明、つまり、ポリウレタン接着剤組成物の構成成分及びそれらの濃度の重要な技術的特徴を示した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ポリウレタン分散液と、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、1.2%〜20%のポリイソシアネート架橋剤と、を含むポリウレタン接着剤組成物であって、前記ポリウレタン分散液が、前記ポリウレタン分散液の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で、10%〜40%のモノマー性芳香族ジイソシアネートと、30%〜65%のポリエーテルポリオールと、少なくとも1つの芳香族基及び1つの脂肪族基を有する15%〜30%のポリエステルポリオールと、0.1%〜8%のポリアミンと、0.5%〜10%のイオン性界面活性剤との反応生成物である、前記ポリウレタン接着剤組成物。
項2.
前記ポリオールが各々、500〜4000g/molの分子量、及び1.8〜4の官能価を有する、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項3.
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、及びそれらの組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項4.
前記モノマー性芳香族ジイソシアネートが、300g/mol未満の分子量を有する、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項5.
前記ポリエーテルポリオールが、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項6.
前記ポリエーテルポリオールが、ポリエチレングリコールと、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールのうちの少なくとも1つとの組み合わせである、項5に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項7.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールとジカルボン酸との縮合生成物である、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項8.
前記ジオールが、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項9.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、トリオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項10.
前記ポリエステルポリオールが、ジオールと、テトラオールと、ジカルボン酸との縮合生成物である、項7に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項11.
前記イオン性界面活性剤が、陰イオン性であり、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項12.
前記イオン性界面活性剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、項11に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項13.
前記ポリアミンが、エチレンジアミン、1,2−及び1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項14.
前記ポリイソシアネート架橋剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、ジ−イソシアナトメチル−シクロヘキサン、及びそれらの任意の組み合わせから選択されるモノマー性脂肪族ジイソシアネートのトリマーである、項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
項15.
前記ポリイソシアネート架橋剤が親水性改変される、項14に記載のポリウレタン接着剤組成物。