特許第6405462号(P6405462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405462
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20181004BHJP
   G02B 5/124 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G02B27/22
   G02B5/124
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-523719(P2017-523719)
(86)(22)【出願日】2016年6月10日
(86)【国際出願番号】JP2016067401
(87)【国際公開番号】WO2016199902
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2017年8月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-119732(P2015-119732)
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-151007(P2015-151007)
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭
(72)【発明者】
【氏名】北條 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】林 智博
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−118193(JP,A)
【文献】 特開2015−040943(JP,A)
【文献】 特開平11−305018(JP,A)
【文献】 特表平11−507745(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/067583(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
G02B 5/12 − 5/136
G09F 13/00 − 13/46
H04N 13/30 − 13/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフミラーと、
前記ハーフミラーの一面に光を出力する画像出力装置と、
前記ハーフミラーの一面で鏡面反射する光及び前記ハーフミラーの一面を透過する光の少なくとも一方を再帰反射する再帰反射部材と、
を備え、
前記再帰反射部材は、基材層と前記基材層の片面または両面に形成される複数のプリズム型再帰反射素子とを有し、
前記プリズム型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度が0°を超えており、
前記再帰反射部材の表面と前記ハーフミラーの一面とがなす角度φが前記プリズム型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度よりも大きく、前記角度φと前記プリズム型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度との差が30°未満である、
画像表示装置。
【請求項2】
前記光学軸の傾斜角度が、15°以下である請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記プリズム型再帰反射素子が三角錐型再帰反射素子またはフルキューブコーナー型再帰反射素子である請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記プリズム型再帰反射素子が内部全反射型再帰反射素子である請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記プリズム型再帰反射素子が鏡面反射型再帰反射素子である請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記プリズム型再帰反射素子を構成する透明材料の屈折率が1.45以上1.70以下である請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記再帰反射部材の観測角0.2°、入射角5°における再帰反射係数が、600cd・lx・m−2以上である請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再帰反射部材を備えた画像表示装置に関する。
【0002】
専用眼鏡を用いることなく3次元画像を視認できる画像表示装置として、再帰反射部材と画像出力装置とハーフミラーとを備えた画像表示装置は広く知られている。
【0003】
たとえば特許文献1には、プロジェクターとハーフミラーと回帰反射スクリーンとを備えた3次元画像投射システムが開示されている。この投射システムでは、プロジェクターから投射された画像がハーフミラーに照射されそこで鏡面反射し、次いで回帰反射スクリーンに照射されそこで再帰反射し、再度ハーフミラーに照射した画像がそこを透過して、高画質の3次元画像が表示される。
【0004】
特許文献2には、ハーフミラーと再帰反射素子とが具備され、被投影物の実鏡映像を結像する結像光学系が開示されている。この結像光学系では、被投影物から発せられる光がハーフミラーで反射し、次いで再帰反射素子にて再帰反射し、さらにハーフミラーを透過して、ハーフミラーに対し面対象位置に被投影物の実鏡映像が結像する。また、特許文献2には、3つの隣接する鏡面から構成されるキューブコーナーが再帰反射素子に好適であること、3つの鏡面を再帰反射素子内での鏡面同士の角度関係を維持しつつ、個々の再帰反射素子では任意の方向に向けること、がそれぞれ開示されている。
【0005】
ここで、再帰反射部材について説明する。
特にシート状の再帰反射部材を再帰反射シートと呼ぶ。
代表的な再帰反射シートとしては、プリズム型再帰反射シートとビーズ型再帰反射シートとが知られている。
プリズム型再帰反射シートは、ビーズ型再帰反射シートと比較して格段に高い再帰反射性能を示すため、たとえば道路標識、工事標識に代表される各種標識類に好適に用いられている。
【0006】
プリズム型再帰反射シートのようなプリズム型再帰反射部材は、複数のプリズム型再帰反射素子を有する。通常、再帰反射部材の片面または両面に隙間なく複数のプリズム型再帰反射素子が形成されている。
代表的なプリズム型再帰反射素子は、3つの互いに直交する平面から構成される。プリズム型再帰反射素子に入射した光は、3つの平面に順に反射することで、光源方向へと再帰反射する。
【0007】
プリズム型再帰反射素子としては、たとえば三角錐型再帰反射素子やフルキューブコーナー型再帰反射素子が知られている。
代表的な三角錐型再帰反射素子は、特許文献2の図6に示されている。この再帰反射素子では、特許文献2の図6(b)に示されているように3つの互いに直交する平面である同形同大の直角二等辺三角形が三角錐を構成し、再帰反射素子を正面視した場合に正三角形が形成される。代表的な三角錐型再帰反射素子の基準平面内には、特許文献2の図6(a)に示されているようにこの三角錐型再帰反射素子が隙間なく形成(充填)されている。
また、代表的なフルキューブコーナー型再帰反射素子は、特許文献2の図7に示されている。この再帰反射素子では、特許文献2の図7(b)のように3つの互いに直交する平面が同形同大の正方形がフルキューブコーナー形状を構成し、再帰反射素子を正面視した場合に正六角形が形成される。代表的なフルキューブコーナー型再帰反射素子の基準平面内には、特許文献2の図7(a)に示されているようにこのフルキューブコーナー型再帰反射素子が隙間なく形成(充填)されている。
【0008】
再帰反射素子に入射する光と、再帰反射部材の表面(光が入射する面)の法線とがなす角度を入射角と称する。たとえば、再帰反射部材にその法線と同一方向で光が入射する場合の入射角は0°となる。
【0009】
プリズム型再帰反射素子では、入射角が大きくなるにつれて再帰反射性能が急激に低下する。これは、入射角が大きくなると、光は再帰反射素子の3つの各平面で反射することができる範囲が狭くなり、2平面または1平面のみの反射となる範囲が広くなるためである。大きな入射角でも再帰反射性能を維持する性能、すなわち入射角特性を改善したプリズム型再帰反射素子は広く知られている。
【0010】
特許文献3には、光学軸の傾斜角度が3°〜15°の範囲である三角錐型再帰反射素子が開示されている。
また、特許文献4には、光学軸の傾斜角度が0.5°〜15°の範囲であるフルキューブコーナー型再帰反射素子が開示されている。
一般に、再帰反射素子に入射する光と再帰反射素子の光学軸とがなす角度が小さければ、光は良好に再帰反射する。
【0011】
ここで、再帰反射部材と画像出力装置とハーフミラーとを備えた画像表示装置において、画像出力装置が出力する光(画像)は、ハーフミラーで鏡面反射した後、再帰反射部材に0°以上の入射角で入射し、入射した方向へと再帰反射する。
特許文献1の図1および特許文献2の図1(b)によれば、画像表示装置が備える再帰反射部材には、いずれも0°を超えた入射角で光(画像)が入射する。
【0012】
【特許文献1】特開2001−66696号
【特許文献2】特開2009−25776号
【特許文献3】特開平11−305018号
【特許文献4】国際公開第2010/067583号パンフレット
【発明の概要】
【0013】
従来の再帰反射部材を備えた画像表示装置は、画像の明るさが不十分であり、観察者が画像を視認しにくいという問題があった。
本発明者は、入射角特性が優れるプリズム型再帰反射部材を用いることで画像表示装置が表示する画像の明るさが改善されることを見出した。本発明は、画像表示装置であって、表示する画像を明るくし、画像の結像性(視認性)を高めることを目的とする。
【0014】
前記課題を達成するための手段は、以下のとおりである。
ハーフミラーと、前記ハーフミラーの一面に光を出力する画像出力装置と、前記ハーフミラーの一面で鏡面反射する光及び前記ハーフミラーの一面を透過する光の少なくとも一方を再帰反射する再帰反射部材と、を備え、前記再帰反射部材は、基材層と前記基材層の片面または両面に形成される複数のプリズム型再帰反射素子とを有し、前記プリズム型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度が0°を超えている、画像表示装置である。
【0015】
前記光学軸の傾斜角度が、15°以下とされても良い。
【0016】
前記プリズム型再帰反射素子が三角錐型再帰反射素子またはフルキューブコーナー型再帰反射素子のいずれかとされても良い。
【0017】
前記プリズム型再帰反射素子が内部全反射型再帰反射素子とされても良い。
【0018】
或いは、前記プリズム型再帰反射素子が鏡面反射型再帰反射素子とされても良い。
【0019】
前記プリズム型再帰反射素子を構成する透明材料の屈折率が1.45以上1.70以下とされても良い。
【0020】
前記再帰反射部材の観測角0.2°、入射角5°における再帰反射係数が、600cd・lx・m−2以上とされても良い。
【0021】
本発明の画像表示装置は、光学軸の傾斜角度が0°を超えているプリズム型再帰反射素子が形成された再帰反射部材を備えるため、表示する画像を明るく、画像の結像性(視認性)を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は本発明の第1実施形態にかかる画像表示装置の断面模式図である。
図2図2は三角錐型再帰反射素子の一例である。
図3図3はフルキューブコーナー型再帰反射素子の一例である。
図4図4は本発明の第2実施形態にかかる画像表示装置の断面模式図である。
図5図5は本発明の第3実施形態にかかる画像表示装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施できる。
【0024】
本明細書において、プリズム型再帰反射素子を単に素子とも称する。また、素子を構成する面を素子面とも称し、素子面のうち互いに直交する面を、反射側面とも称する。
【0025】
(第1実施形態)
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置の一例である本実施形態を、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の画像表示装置11は、再帰反射部材12、画像出力装置13およびハーフミラー14を有する。本実施形態の例では、画像表示装置11は、再帰反射部材12、画像出力装置13およびハーフミラー14の他に、箱状の躯体15および台16を有している。
躯体15は、底壁と側壁とを有し、一面が開口する箱状の形状をしており、ハーフミラー14は、当該開口を覆い、躯体15の側壁は、ハーフミラー14を支えている。再帰反射部材12、画像出力装置13および台16は、躯体15とハーフミラー14とで形成される空間内であるハーフミラー14の一面F1側に配置されている。
台16は、再帰反射部材12を配置する第1ベース16aと、画像出力装置13を配置する第2ベース16bとを有する。
第1ベース16aに配置される再帰反射部材12の配置面F10は、ハーフミラー14の一面F1に対して傾斜している。再帰反射部材12は、本実施形態の例では、シート状の基材層12Aと、その基材層12Aの片方の面を界面としてその界面から突出するように形成される複数の再帰反射素子12Bとで構成されている。すなわち、基材層12Aと再帰反射素子12Bとが一体とされつつ、基材層12A上に再帰反射素子12Bが配置されていると理解できる。従って、当該界面が配置面F10である。
なお、特に図示しないが、シート状の基材層12Aの両方の面に対して複数の再帰反射素子12Bが形成されていても良い。また、再帰反射部材12は、1つの部材から基材層12Aと複数の再帰反射素子12Bとを成形して得る場合と、別々の部材である基材層12Aと複数の再帰反射素子12Bとを結合して得る場合とのどちらでも良い。
第2ベース16bに配置される画像出力装置13の画像出力面F20は、ハーフミラー14の一面F1に対して傾斜している。画像出力装置13は、画像の光を出力する画面を有しており、その画面が画像出力面F20である。
再帰反射部材12の配置面F10と、画像出力装置13の画像出力面F20とは、所定の角度をなして対向している。
このような画像表示装置11では、画像出力装置13が画像出力面F20から光Lを出力し、次いでハーフミラー14が光Lを一面F1で鏡面反射し、次いで再帰反射部材12が入射角βで基材層12Aから入射した光Lを複数の再帰反射素子12Bによって入射した方向へと再帰反射し、次いでハーフミラー14が光Lを透過することで、その透過した光Lが画像Fとして表示される。
通常、観察者は、視点17で示した位置の近傍で画像Fを観察できる。
なお、図1において、Tは再帰反射部材12の表面(光Lが入射する面)に対する法線である。再帰反射部材12の表面(光Lが入射する面)は、再帰反射素子12Bの頂点に対向する素子面であることから、Tはその素子面が配置される配置面F10の法線ということもできる。法線Tと、再帰反射部材12に入射する光Lとがなす角度が入射角βである。
光Lが法線Tと平行に再帰反射部材12へと入射した場合、入射角βは0°となる。
【0026】
画像表示装置11には、薄型化(小型化)が求められる。また、画像出力装置13は一般に高価であるため、通常、画像表示装置11において再帰反射部材12の表面(配置面F10)の面積は、画像出力装置13の出力面の面積よりも大きくすることが好ましい。さらに、画像Fを大きく表示するため、ハーフミラー14の一面F1の面積をより大きくすることが好ましい。
上記の画像表示装置の各種改良(要望)に対応するため、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度φは45°以下が好ましい。画像表示装置11の薄型化等、各種改良のため、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度φは、5°以上40°以下が好ましく、30°以下がより好ましい。
また、光Lが画像出力装置13からハーフミラー14を経由せずに直接再帰反射部材12に直接入射しないように、画像出力装置13の出力面(画像出力面F20)と再帰反射部材12の表面(配置面F10)とがなす角度は、90°以上が好ましく、より好ましくは90°である。
本発明の画像表示装置11は、後述するように特定の再帰反射部材12を備えるため、画像表示装置11を薄型化する等の各種改良に対応でき、画像出力装置13が小型化されても画像Fの視認性を維持できる。
【0027】
光Lの入射角βは、画像出力装置13とハーフミラー14と再帰反射部材12との位置関係により定まる。
光Lは、0°を超えて90°未満の入射角βで再帰反射部材12の表面(配置面F10)に入射する。たとえば、画像出力装置13の出力面(画像出力面F20)と再帰反射部材12の表面(配置面F10)とがなす角度が90°であり、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度が35°であれば、光Lは入射角20°で再帰反射部材12の表面(配置面F10)に入射する。
【0028】
本発明の画像表示装置11では、後述するように再帰反射部材12における再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度が0°を超えている再帰反射素子により形成されていることで再帰反射部材12の入射角特性が優れるため、たとえば画像表示装置11の薄型化ができる。
画像表示装置11において、画像Fの明るさと画像表示装置11の薄型化とを両立できる入射角βの好ましい範囲は、5°以上50°以下であり、より好ましくは10°以上40°以下であり、さらに好ましくは15°以上30°以下である。また、画像Fの明るさと画像表示装置11の薄型化とを両立するため、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度φは、再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度よりも大きいことが好ましい。この角度φと再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度との差は30°未満であることがより好ましい。
【0029】
本発明の画像表示装置11は、いわゆる3次元画像表示装置として用いられる。たとえば、各種看板、情報表示装置、情報入力装置、アミューズメント機器の用途に好適である。また、本発明の画像表示装置11で標示される画像Fが特定の方向のみで視認できる特性があるため、たとえば、道路で定められる正規の方向とは逆方向に走行する場合に画像Fが表示され、当該正規の方向に走行する場合に画像Fが表示されないように本発明の画像表示装置11を道路交通標識として道路に設けることや、エスカレーターや歩道の進行方向の表示装置としても可能である。
【0030】
本発明の画像表示装置11によれば、表示する画像Fが明るいため、観察者は画像Fを十分視認できる。また、粗くならず、ボケ等がなく鮮明に画像Fが表示されるすなわち結像性が高いため、観察者は画像Fを十分視認できる。
【0031】
[再帰反射部材]
画像表示装置11が備える再帰反射部材12の再帰反射素子12Bとしては、上述したように、基材層12Aと、その基材層12Aの片面または両面に形成される再帰反射素子12Bとで構成される。この再帰反射素子12Bは、リニアプリズム素子、クロスプリズム素子、三角錐型再帰反射素子、フルキューブコーナー型再帰反射素子、テント型再帰反射素子および円錐型再帰反射素子などのなかから、少なくとも1種のプリズム型再帰反射素子が用いられる。再帰反射部材12の基材層12Aの片面または両面には、上述したように、複数の前記プリズム型再帰反射素子が形成されている。通常、プリズム型再帰反射素子は再帰反射部材12の基材層12Aの片面に隙間なく充填(形成)されている。
前記三角錐型再帰反射素子は、三角形状の3つの反射側面が互いに直交して三角錐形状を構成する。また、フルキューブコーナー型再帰反射素子は、四角形状の3つの反射側面が互いに直交してフルキューブコーナー形状を構成する。
代表的な三角錐型再帰反射素子を図2(A)、図2(B)に示す。また、代表的なフルキューブコーナー型再帰反射素子を図3(A)、図3(B)に示す。
【0032】
画像表示装置11が備える再帰反射部材12の基材層12Aに形成された再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度は0°を超えている。前記光学軸の傾斜角度は、15°以下が好ましく、1°〜10°の範囲内がより好ましく、5°〜7°の範囲内がさらに好ましい。
再帰反射部材12の基材層12Aに形成された再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度は0°を超えているため、入射角特性が優れ、再帰反射部材12にたとえば15°以上の入射角で入射した光に対しても十分再帰反射できる。そのため、画像Fは明るく、結像性が高い。
【0033】
また、前記光学軸の傾斜角度は、15°以下であれば、素子を構成する3つの反射側面の面積比が偏らないため、再帰反射性能の低下が起きず好ましい。
【0034】
本明細書において、プリズム型再帰反射素子の光学軸とは、再帰反射素子を構成する3つの反射側面から等しい距離で定義される直線(軸)であり、また、光学軸の傾斜角度とは、再帰反射素子の頂点から再帰反射素子の基準平面におろした垂線と光学軸とがなす角度を意味する。再帰反射部材の基準平面は、再帰反射部材12の表面つまり光が入射する面(配置面F10)と同義である。一般に、プリズム型再帰反射素子は、反射側面である素子面と、基準平面である素子面とから構成される。
たとえば、特開2009−25776号の図6に示されている三角錐型再帰反射素子および図7に示されているフルキューブコーナー型再帰反射素子では、再帰反射素子の頂点から素子の基準平面におろした垂線と光学軸とがいずれも同一の方向であり、光学軸の傾斜角度はいずれの素子も0°である。
【0035】
図2(A)、図2(B)を用いて、三角錐型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度をより詳しく説明する。
図2(A)は、素子の平面図の、図2(B)は素子の断面図のそれぞれ一例である。図2(A)および図2(B)はいずれも2つの素子が示されている。この2つの素子を素子対とも呼ぶ。
プリズム型再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度は、素子形状を計測することで求められる。図2(A)、図2(B)に示した三角錐型再帰反射素子(ABCで定義される三角錐型素子)12Bの光学軸の傾斜角度θについて説明する。図2(B)で光学軸HQは、素子の反射側面a、b、cから等距離にある直線である。光学軸の傾斜角度θは、光学軸HQと素子の頂点Hから素子の底面Sx’−Sx(基準平面)におろした垂線HPとがなす角で定義される。素子の底面(三角形ABC)の辺AB、辺BC、辺CAの各辺長を測定し、素子の反射側面a、b、cが互いに直交する条件を当てはめて計算すれば光学軸の傾斜角度θが求まる。たとえば、三角錐型再帰反射素子12Bで辺ABの長さが212.9μm、辺BCおよび辺CAの長さがいずれも193.3μmであれば、この素子の光学軸の傾斜角度θを計算すれば6°となる。
【0036】
図3(A)、図3(B)を用いて、フルキューブコーナー型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度をより詳しく説明する。
図3(A)は、素子の前面図の、図3(B)は素子の断面図のそれぞれ一例である。
図3(A)、図3(B)に示した素子の反射側面a、b、cの形状は、いずれも同一の正方形である。
図3(A)に示したように、フルキューブコーナー型再帰反射素子12Bは、互いに直交する反射側面a、b、cから形成される。反射側面a、b、cが共有する点は、HとDとの2つがある。頂点Hは図面の手前側に位置し、また、点Dは図面の奥側に位置する。
2つの点のうちHを特に頂点とも呼ぶ。
図3(B)に示したように、フルキューブコーナー型再帰反射素子12Bで、複数の点Dを含む素子面を基準平面Scとする。素子の頂点Hから基準平面Scに垂線をおろして基準平面Scと交わる点をPとする。
素子の光学軸は、反射側面a、b、cのそれぞれから等距離にある直線である。フルキューブコーナー型再帰反射素子が立方体形状、つまり3つの同一の形状の正方形から形成される場合、素子の光学軸は立方体の対角線と同一となる。
フルキューブコーナー型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は、三角錐型再帰反射素子と同様に、素子形状を計測することで求められる。
【0037】
なお、光学軸および光学軸の傾斜角度について、特開平10−123309号の段落0034〜0036、特開平11−305018号の段落0031〜0037、0057〜0060、国際公開第2010/067583号パンフレットの段落0052〜0058のそれぞれにより詳しく説明されている。
【0038】
特開2009−25776号に開示されているように、従来の画像表示装置では、光学軸の傾斜角度が0°のプリズム型再帰反射素子が用いられている。そのため、再帰反射部材の入射角特性が劣り、画像Fの明るさが十分ではなく、観察者が画像Fを視認しにくいという問題がある。
本実施形態では再帰反射素子12Bの光学軸の傾斜角度が0°を超えているため、再帰反射部材12に対し0°を超えた入射角、特に5°以上の入射角で光が入射する場合であっても、本発明の画像表示装置11が表示する画像Fは、明るく、かつ視認性(結像性)が高い。特に光学軸の傾斜角度が1°〜10°の範囲内であれば、画像Fが動画画像である場合の結像性が優れる。
再帰反射部材12に形成されるプリズム型再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度を考慮し、再帰反射部材12が最適の入射角特性になるように設計することが好ましい。
【0039】
素子の高さは、素子の底面(基準平面)と素子の頂点との距離で定義される。たとえば図2(A)、図2(B)に示した三角錐型再帰反射素子において、辺ABの長さが212.9μm、辺BCおよび辺CAの長さが193.3μmの三角錐型再帰反射素子の高さHPは80μmである。また、たとえば図3(A)、図3(B)に示したフルキューブコーナー型再帰反射素子において、一辺の長さが139μmの正方形3つで形成される素子の高さHPは80μmである。
【0040】
本発明において、素子の高さの範囲は特に制約がないが、10μm以上1000μm以下が好ましく、50μm以上250μm以下がより好ましく、65μm以上100μm以下がさらに好ましい。素子の高さが10μm以上であれば、素子による回折効果の影響が小さく、再帰反射する光が広がりにくいため、画像表示装置11が画像Fを鮮明に表示できるため好ましく、また、1000μm以下であれば、再帰反射部材12が薄くなり、画像表示装置11が薄型化でき、画像Fを鮮明に表示できる。
【0041】
再帰反射素子の方向は、再帰反射部材12の再帰反射性能が高くなるように台16に固定することが好ましい。
【0042】
再帰反射部材12の基材層に形成されている素子は、三角錐型再帰反射素子またはフルキューブコーナー型再帰反射素子のいずれかであることが好ましい。
三角錐型再帰反射素子またはフルキューブコーナー型再帰反射素子のいずれかであれば、再帰反射部材12の製造時に用いる金型を精度よく製造できるため好ましい。また、前記金型の設計、製造および再帰反射部材の製造時、素子の光学軸の傾斜角度を容易に制御でき、画像Fの明るさや結像性がより向上するため好ましい。
【0043】
再帰反射部材12の基材層に形成されている素子は、フルキューブコーナー型再帰反射素子がより好ましい。
三角錐型再帰反射素子は、図2(A)、図2(B)に示すように、一般に三角錐型素子が対となり隙間なく充填されている。この対となる三角錐型再帰反射素子は、一般に対称である。図2(A)、図2(B)に示すように、対となる三角錐型再帰反射素子の光学軸は、それぞれ対称方向(反対方向)を示す。つまり、光学軸の傾斜角度が0°を超える三角錐型再帰反射素子は、部材内に少なくとも2方向かつ互いにその大きさが同一の光学軸を有する。
一方、フルキューブコーナー型再帰反射素子は、一般に対となる再帰反射素子を有さない。つまり、光学軸の傾斜角度が0°を超える素子から形成されるフルキューブコーナー型再帰反射素子は、1方向の光学軸に設計できる。従って、それぞれの再帰反射素子12Bの光学軸の方向を法線Tを基準として光Lの入射方向側に傾けることが好ましく、さらに光Lの入射方向とが略同一になるように第1ベース16aに設置すれば、再帰反射部材12の入射角特性をより高めることができる。
また、フルキューブコーナー型再帰反射素子は、一般に特定の入射角度を超えない範囲、たとえば40°未満であれば三角錐型再帰反射素子よりも高い再帰反射性能を示す。
フルキューブコーナー型再帰反射素子が形成された再帰反射部材12を備えると、再帰反射性能、特に入射角特性がより向上することで、画像表示装置11はより明るい画像Fを表示できる。
【0044】
再帰反射部材12を形成する再帰反射素子12Bの形状は、光学軸の傾斜角度が0°を超え、かつ本発明の優れた特性が失われなければ特に制約はない。ただし、再帰反射素子12Bの頂点に対向する基準平面としての素子面(配置面F10)の法線Tを境界として、当該頂点が画像出力装置13側に配置されていることが好ましい。また、再帰反射素子12Bが有する複数の素子面のうち、当該素子面と素子面とを結ぶ線(稜線)L1,L2は、画像出力装置13の画像出力面F20に対向されていることが好ましい。
前記素子の形状は、たとえば、特開平11−305018号、特開2001−166119号にそれぞれ開示されているように、三角錐型再帰反射素子を規定する3つのV溝の高さが異なった形状であってもよい。なお、複数の再帰反射素子の高さが異なるときには、再帰反射素子12Bの頂点に対向する素子面が複数となり配置面F10が複数存在することになるが、これらは平行であるため、複数の再帰反射素子の高さが異なる場合であっても、当該再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は変わらない。
また、前記素子の形状は、特開平11−305017号に開示されているように、三角錐型再帰反射素子を構成する3つの反射側面が互いに異なる形状、いわゆる不等辺素子形状であってもよい。
また、前記素子は、特開2005−49385号に開示されているように、素子を構成する少なくとも一つの反射側面が副反射側面を有してもよい。
また、特開2001−264525号に開示されているように、対となる三角錐型再帰反射素子同士の高さが異なっていてもよい。なお、上述したように、再帰反射素子の高さが異なるときには、再帰反射素子12Bの頂点に対向する基準平面としての素子面が複数となり、基材層12Aと界面をなす再帰反射素子12Bの配置面F10が複数存在することになるが、当該再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は変わらない。
また、再公表特許2005/054909に開示されているように、素子を構成する少なくとも一つの反射側面が曲面または複平面であってもよい。
また、前記素子は、再公表特許2003/014779に開示されているように、四面型再帰反射素子であってもよい。
また、前記素子の形状は、再公表特許2007/142356に開示されているように、直線状の平行V溝群と屈曲線形状の平行V溝群とから規定される素子形状であってもよい。
また、前記素子の形状は、特表2002−508085号、特表2006−520019号、再公表特許2009/028162にそれぞれ開示されているように、2つの四辺形の反射側面と1つの五角形または三角形の反射側面から構成されたキューブコーナー形状であってもよい。
また、前記素子は、再公表特許2012/57295に開示されているように、外形が六角形の素子における1つまたは2つの反射側面の一部が切り取られた形状の素子であってもよい。
さらに、前記素子は、再公表特許2009/122713に開示されているように、多方向性キューブコーナー型再帰反射素子であってもよい。
【0045】
特表2000−503417号に開示されているように、一つの再帰反射部材内で、三角錐型再帰反射素子の形状が90°異なる(配置面F10で素子が互いに90°の回転対称となる)素子が配置されてもよい。
【0046】
本発明の画像表示装置11に用いる再帰反射部材12は、本発明の優れた効果が損なわれない範囲で、複数の異なる形状の素子を有してもよい。また、前記複数の異なる形状の素子は、光学軸の傾斜角度が互いに異なっていてもよい。再帰反射部材12における基材層の片面または両面には、たとえば、光学軸の傾斜角度が0°の素子と6°の素子とが再帰反射部材の同一面に混在して形成されていてもよい。
【0047】
プリズム型再帰反射素子は、内部全反射型再帰反射素子と鏡面反射型再帰反射素子とが知られている。
本発明の画像表示装置11に用いる再帰反射部材12が備えるプリズム型再帰反射素子は、明るい画像Fを得る観点から内部全反射型再帰反射素子が好ましく、画像Fの結像性を向上させる観点から鏡面反射型再帰反射素子が好ましい。
内部全反射型再帰反射素子を構成する透明材料は空気と接している。透明材料と空気とは屈折率差があるため、臨界角を超えた角度で素子に入射した光は内部全反射する。つまり、素子の各反射側面での合計3回の内部全反射により、内部全反射型再帰反射素子に入射した光は再帰反射する。なお、内部全反射型再帰反射素子で、反射側面での反射効率は通常それぞれ99%以上である。また、一般に、内部全反射型再帰反射素子を備えた再帰反射部材12は、鏡面反射型再帰反射素子よりも高い再帰反射性能を示す。従って、再帰反射部材12の再帰反射素子12Bが内部全反射型再帰反射素子である場合、画像Fを明るくすることができる。
ところで、本発明の画像表示装置11が出力する画像は、さまざまな色、言い換えると波長が異なる光により構成されている。また、画像がモノクロであっても、白は波長が異なる複数の光により構成されている。再帰反射素子を構成する透明材料は波長が異なると屈折率が変化するためその臨界角も異なる。そのため、再帰反射部材12の再帰反射素子12Bが内部全反射型再帰反射素子である場合、一部の波長の光は再帰反射されない場合がある。しかし、再帰反射部材12の再帰反射素子12Bが鏡面反射型再帰反射素子である場合、反射する光の波長によらず光を再帰反射することができる。従って、本発明者は、再帰反射部材12の再帰反射素子12Bが鏡面反射型再帰反射素子であれば、画像Fの結像性をより良好にすることができると考えている。
また、鏡面反射型再帰反射素子は、アルミニウム、銀等の金属による鏡面反射層を有する。このような鏡面反射層は、プリズム型再帰反射素子の表面に金属を蒸着やスパッタ等をすることで設けられる。鏡面反射層の厚みは、十分に光を反射できるのであれば特に制限はないが、たとえば80〜200nmである。鏡面反射型再帰反射素子に入射した光は、この素子の鏡面反射層で3回鏡面反射することで再帰反射する。なお、鏡面反射型再帰反射素子で、反射側面での反射効率は通常それぞれ約90%である。
素子への鏡面反射層の設ける方法は、特開2001−290013号に記載されている。
一般に、内部全反射型再帰反射素子は鏡面反射型再帰反射素子よりも高い再帰反射性能を示す。
【0048】
再帰反射部材12における基材層の片面または両面には、内部全反射型再帰反射素子、鏡面反射型再帰反射素子のいずれの素子が形成されていてもよい。再帰反射性能が高く、また蒸着やスパッタ等の工程を経ずに製造できるため、再帰反射部材12の基材層に形成される素子は、製造を容易にする観点では内部全反射型再帰反射素子であることが好ましい。
また、別の態様として、プリズム型再帰反射素子の表面に鏡面反射層が形成される鏡面反射型再帰反射素子の場合、その鏡面反射層においてプリズム型再帰反射素子側とは逆側の面の全体に粘着剤層を設けることで再帰反射部材12が第1ベース16aに歪みなく設置可能となり、画像Fに歪みが生じない。したがって、第1ベース16aに対して歪みなく再帰反射部材12を設ける観点では鏡面反射型再帰反射素子であることが好ましい。
【0049】
各種標識類用途で市販されている内部全反射型再帰反射素子が形成された再帰反射部材12は、通常屋外で用いられる。屋外で再帰反射部材を用いる場合、雨や結露等の水が素子の表面に付着して起こる再帰反射性能の低下を抑制する必要があるため、セル状に加工した再帰反射部材が広く用いられている。このような再帰反射部材は、特開昭52−110592号に開示されている。
なお、セル状に加工される場合、一部の再帰反射素子は、内部全反射条件を満たさず、光が入射しても再帰反射が抑制される傾向にある。
【0050】
本発明の画像表示装置11には、セル状に加工された内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材12を用いることができる。しかしながら、上記のように再帰反射が抑制される部位があると、セル状に加工された内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材12を用いた場合に画像Fの結像性は劣る傾向にある。
【0051】
そこで、本実施形態では、再帰反射部材12が図1に示したように躯体15とハーフミラー14とで形成される空間内に格納され、雨等の影響を受けにくいため、セル状の加工が不要であり、再帰反射素子が露出していても良い。このようにセル状に加工されていない内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材12が用いられることで、再帰反射性能がより向上することで表示される画像Fがより明るくなり、かつ結像性がより向上するため好ましい。
【0052】
なお、セル状に加工されていない内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材12を用いる場合、たとえば内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材12において光が入射しない部分の四隅をピンまたは接着剤を用いて台16に固定すればよい。
【0053】
再帰反射部材12は、たとえば所定の形状に切削加工した金型上に、樹脂等の透明材料を流入後、溶融し、次いで固化させて得られる。
前記金型の詳しい製造方法は、たとえば特開平11−19006号に記載されている。
再帰反射部材12の代表的な製法は、特開昭59−140021号、特開平6−214103号、特表2006−521230号、再公表特許2010/021133のそれぞれに記載されている。
【0054】
一般に、再帰反射部材12の基材層に形成される素子は透明材料から構成される。透明材料とは、全光線透過率が30%以上の材料である。全光線透過率は、JIS K7105に基づき、A光源を用いて測定する。
好適な透明材料には、ガラスに代表される無機材料と、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルに代表される有機材料とがある。
再帰反射部材12がプリズム型再帰反射シートである場合、そのプリズム型再帰反射シートが構成する透明材料は単独(単層)でもよく、また複数の透明材料を組み合わせて用いてもよい。
再帰反射部材12の基材層に形成される素子は、特にアクリル系樹脂およびポリカーボネートのいずれかから構成されることが、全光線透過率、成形性、耐久性、耐熱性がいずれも優れるため好ましい。
【0055】
前記透明材料の屈折率は、1.45以上1.70以下が好ましい。前記屈折率が1.45以上であれば、内部全反射条件に適し、再帰反射部材12の再帰反射性能が優れる。
好適な透明材料は、アクリル系樹脂(屈折率 1.49〜1.50)、ポリカーボネート(屈折率 1.59)、ポリ塩化ビニル(屈折率 1.54)、ポリスチレン(屈折率 1.59〜1.60)、ポリエステル(屈折率 1.60)、ポリウレタン(屈折率 1.49)、ポリプロピレン(屈折率 1.48)、シクロオレフィン樹脂(屈折率 1.50〜1.54)、ソーダ石灰ガラス(屈折率1.51)などが挙げられる。
なお、屈折率は、JIS K7105に基づいて測定できる。本明細書において、屈折率は波長589nmにおける値である。
【0056】
屈折率が1.59と高くかつ全光線透過率が90%以上と高いため、ポリカーボネートは、プリズム型再帰反射素子に好適な透明材料の一つである。しかしながら、ポリカーボネートは、屋外での使用時に経時で加水分解し、全光線透過率が低下しやすい。そのため、標識類用途では、ポリカーボネートからなるプリズム型再帰反射素子を単層で用いることが難しい。
しかし、本実施形態では、前述したとおり再帰反射部材12が躯体15内に格納されるため、ポリカーボネート単層の再帰反射部材12を用いることができる。
【0057】
再帰反射部材12は、同一の組成から構成される一つの層、つまり単層が好ましい。再帰反射部材12が単層であれば、素子に光Lが入射した際に多層からなる再帰反射部材では起こりうる層間での反射が起こらず、光の損失や、画像のずれ、ボケ、歪みがないため、画像表示装置11は鮮明な画像Fを表示できるため好ましい。特に、動画画像での結像性が向上する。
また、再帰反射部材12が単層であれば、画像表示装置11において、多層からなる再帰反射部材では起こりうる画像出力装置13からの熱の影響による層間の剥離や層間での気泡の発生がなく、画像表示装置11は鮮明な画像Fを表示できるため好ましい。また、1つの部材から基材層と再帰反射素子とを成形した構成の再帰反射部材12を用いた場合、別々の部材となる基材層と再帰反射素子とを結合した構成の再帰反射部材12を用いる場合に比べて、基材層と再帰反射素子との間の剥離や気泡の発生がなく、画像表示装置11は鮮明な画像Fを表示できるため好ましい。
【0058】
なお、各種標識類用途で市販されているプリズム型再帰反射素子を有する再帰反射部材、たとえば日本カーバイド工業社製 商品名ニッカライト クリスタル・グレード92000シリーズ、3M社製 商品名ダイヤモンドグレードDG3 超高輝度反射シート、3M社製 商品名ハイ・インテンシティグレード プリズム型高輝度反射シートは、いずれも多層構造である。より詳しくは、この再帰反射部材はアクリル系樹脂からなる表面層と、ポリカーボネートからなるプリズム型再帰反射素子および基材層からなる再帰反射シートとが積層され、さらにポリエステル系樹脂をセル状になるように部分的に結合し、さらにポリエステル系樹脂の再帰反射部材の裏面(光の入射面の裏面)に粘着剤層が積層された多層構造である。
【0059】
さらに、前記透明材料は、各種添加剤を加えて用いてもよい。たとえば、熱安定剤や屈折率調整剤を含むポリカーボネートを、素子を構成する透明材料に用いてもよい。
【0060】
標識類用途で市販されている再帰反射部材に形成されている素子は、車両を運転する運転者が十分に標識を視認できるように、光が適度な広がりを持って再帰反射するように設計されている。再帰反射する光の広がりの特性を観測角特性と呼ぶ。観測角特性を改善した、つまり光が適度に広がるように設計したプリズム型再帰反射素子は、たとえば特開昭63−143502号、再公表特許2005/054909にそれぞれ開示されている。
再帰反射部材の観測角特性は、たとえば入射角が5°または30°、観測角0.2°および1.0°の各再帰反射係数を測定することで判断できる。
ここで再帰反射係数とは、JIS Z9117に定義されている通り、再帰反射性能を表すものであり、値が大きいほど優れた再帰反射性能を示す。
なお、観測角の定義は、JIS Z9117に開示されている。
【0061】
本発明者は、標識類用途に市販されているプリズム型再帰反射素子を有する再帰反射部材で要求される観測角特性が画像表示装置11では不要であり、むしろ再帰反射する光の広がりを抑えれば、画像表示装置11が表示する画像Fが明るくなり、結像性が向上すると考えている。
【0062】
そこで、本発明の画像表示装置11が備える再帰反射部材12の観測角0.2°、入射角5°における再帰反射係数は、600cd・lx・m−2以上であることが好ましい。また、観測角1.0°、入射角5°における再帰反射係数は、60cd・lx・m−2以下であることが好ましい。
再帰反射部材12の入射角5°における再帰反射係数は、600cd・lx・m−2以上であれば、光の広がりが抑えられているため、画像表示装置11に用いれば画像Fが明るくなり、結像性が向上するため好ましい。
同様に、観測角1.0°、入射角5°における再帰反射係数は、60cd・lx・m−2以下であれば光の広がりが抑えられるため、画像表示装置11に用いれば画像Fが明るくなり、結像性が向上するため好ましい。
特に、再帰反射部材12の観測角0.2°、入射角5°における再帰反射係数と、観測角1.0°、入射角5°における再帰反射係数との比が10以上、より好ましくは15以上であれば、画像Fがより明るくなり、結像性がより向上するため好ましい。
なお、再帰反射部材12の再帰反射係数は、JIS Z9117に記載されている反射性能試験装置で測定できる。
【0063】
本発明の画像表示装置11には、市販されている再帰反射部材12、たとえば日本カーバイド工業社製 商品名ニッカライト クリスタル・グレード92000シリーズ、3M社製 商品名ダイヤモンドグレードDG3 超高輝度反射シート、3M社製 商品名ハイ・インテンシティグレード プリズム型高輝度反射シートをそれぞれ用いることができる。
【0064】
再帰反射部材12は、平面を有する台16の平面上に、ハーフミラー14と正対するように配置することが好ましい。ただし、台16が曲面を有してもよく、かつその曲面上に再帰反射部材12を配置してもよい。
【0065】
[画像出力装置]
画像表示装置11が備える画像出力装置13は、十分な強度の光(画像)を出力できれば特に制約はない。画像出力装置13は、たとえば液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、レーザーディスプレイ、CRT等である。画像出力装置13が備える光源は、たとえば白熱電球、蛍光灯、高輝度放電ランプ(HID)、LED、EL、各種レーザーが挙げられる。
また、画像出力装置13は、たとえば液晶プロジェクターであってもよい。
画像出力装置13の出力面(画像出力面F20)に各種レンズを設けてもよい。各種レンズを設けることで、画像出力装置13を小型化できる。
【0066】
画像表示装置11に、たとえば2つ以上の画像出力装置13を設け、同一の画像を出力してもよい。
【0067】
画像出力装置13が出力する画像は、静止画像、動画画像のいずれであってもよい。
本発明の画像表示装置11は、画像出力装置13が出力する画像が動画画像であっても
画像Fを明るくかつ結像性(視認性)を高くできる。
【0068】
[ハーフミラー]
画像表示装置11が備えるハーフミラー14は、入射する光の一部を反射しかつ一部を透過する板状部材である。ハーフミラー14の透過率と反射率との比(透過率/反射率)は、95/5〜5/95の範囲であることが好ましく、80/20〜20/80の範囲であることがより好ましい。
画像表示装置11が備えるハーフミラー14は、たとえば、透明樹脂やガラス等の白板の片面に反射膜をコーティング処理したフィルムや、一方の面に薄膜の金属層を蒸着やスパッタ等で形成したガラスまたはフィルム、ワイヤグリッド偏光板、反射型偏光板、ビームスプリッタなどが挙げられる。
【0069】
このようなハーフミラー14は、たとえばガラスにアルミニウムを厚さが50nm〜80nm程度になるように蒸着したものを使用できる。このようなハーフミラーは、鏡面反射率および光透過率が共に約50%である。
また、画像表示装置11に好適なワイヤグリッド偏光板である市販のハーフミラー14は、たとえば旭化成イーマテリアルズ社製 商品名WGF#8408が挙げられる。
なお、ハーフミラー14の透過率および反射率は、日立製作所製分光光度計(U−4100Spectrophotometer)を用いて、入射角度φ= 5度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、400nm〜700nm、スリットは5nmとし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定し、平均値を計算することで求めた。
【0070】
[その他]
本発明の画像表示装置11は、再帰反射部材12、画像出力装置13、ハーフミラー14以外を備えてもよい。
たとえば、再帰反射部材12の光が入射する面上にさらに1/4波長板を設けてもよい。このような画像表示装置11は、ハーフミラー14から入射する光が、1/4波長板の透過する際に直線偏光に位相差が与えられ、再帰反射部材12で再帰反射し、再度1/4波長板の透過時に位相差が与えられることで、画像Fをより明るく表示できるため好ましい。
なお、前記1/4波長板としては、たとえば基材がシクロオレフィンポリマーであるグンゼ社製 商品名Fフィルムが市販されている。
【0071】
また、本発明の画像表示装置11は、各種センサーカメラと連動させて画像を表示してもよい。各種センサーカメラと連動させて、たとえば仮想スイッチ、仮想キーボード、仮想タッチパネルなど、直接スイッチに触れずに空中に表示された画像Fに対しての各種操作や、情報を入力できる装置に用いることができる。
また、再帰反射部材12の光が入射する面上に、ARコーティング等の反射防止処理を行った部材、たとえば反射防止フィルムを設けることが好ましい。再帰反射部材12にこのような部材を設けることで、観察される画像Fは、たとえば2重となるような残像の表示を抑制でき、結像性がより良好となる。
また、再帰反射部材12の光が入射する面上に、モスアイ構造を多数有する反射防止層を設けることが好ましい。モスアイ構造とは、可視光の波長たとえば400nm以下の大きさを有する微細な凹凸構造である。再帰反射部材12にモスアイ構造を有する反射防止層を設けることで、観察される画像Fは、前述した残像の表示による結像性がより良好となる。なお、モスアイ構造を多数有する反射防止層を設けた再帰反射部材は、たとえば、ピッチ250nm以下でありアスペクト比1以上の多数の凹凸構造を表面に有するフィルムである、三菱レイヨン株式会社製 商品名モスマイト(登録商標)を、再帰反射部材12の光が入射する面上に設けることで得られる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0073】
図4は本発明の第2実施形態にかかる画像表示装置の断面模式図である。図4に示すように本実施形態の画像表示装置21は、画像出力装置13と再帰反射部材12とが、ハーフミラー14を挟んで互いに反対側に配置される点において、第1実施形態の画像表示装置11と主に異なる。
本実施形態では、画像出力装置13は躯体15の壁面に沿って配置され、ハーフミラー14は画像表示装置13の画像出力面F20に対して傾斜している。また、第1ベース16aに配置される再帰反射部材12の配置面F10は、画像出力装置13の画像出力面F20に対して傾斜すると共に、ハーフミラー14に対して所定の角度をなしている。本実施形態では、再帰反射部材12の配置面F10とハーフミラー14とは概ね垂直とされる。ただし、配置面F10が画像出力装置13の画像出力面F20と平行とされて、再帰反射部材12が画像出力装置13の画像出力面F20と対向するように配置されても良く、再帰反射部材12の配置面F10とハーフミラー14とが垂直とされなくても良い。
【0074】
本実施形態の画像表示装置21では、画像出力装置13から画像を形成する光Lが出射し、当該光Lのうち一部の光Laが、ハーフミラー14を透過して、再帰反射部材12に入射する。再帰反射部材12に入射する光Laは、それぞれの再帰反射素子12Bにて再帰反射して、ハーフミラー14に向かい、ハーフミラー14で光Laの一部が反射する。こうして、ハーフミラー14で反射する光Laが結像して成る画像Fが形成される。
【0075】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0076】
図5は本発明の第3実施形態にかかる画像表示装置の断面模式図である。図5に示すように本実施形態の画像表示装置31は、ハーフミラー14を基準として画像出力装置13と同じ側に第2の再帰反射部材112が更に配置される点において、第2実施形態の画像表示装置21と主に異なる。従って、再帰反射部材112と再帰反射部材12とはハーフミラー14を挟んで互いに反対側に配置されることとなる。
再帰反射部材112は、再帰反射部材12と同様の構成とされ、本実施形態では躯体15の底壁に配置されている。このため、本実施形態では、再帰反射部材112の配置面F10は、画像出力装置13の画面と概ね垂直とされる。ただし、再帰反射部材112の配置面F10と画像出力装置13の画面とは垂直とされなくても良い。また、再帰反射部材12と再帰反射部材112とは、1つの再帰反射部材が折り曲げられて、折り曲げ部を基準とした一方側が再帰反射部材12とされ、他方側が再帰反射部材112とされても良い。
【0077】
本実施形態の画像表示装置31では、画像出力装置13から画像を形成する光Lが出射し、当該光Lの一部の光Laが、ハーフミラー14を透過して、再帰反射部材12に入射する。再帰反射部材12に入射する光Laは、それぞれの再帰反射素子12Bにて再帰反射して、ハーフミラー14に向かい、ハーフミラー14で光Laの一部が反射する。こうして、ハーフミラー14で反射する光Laが結像する。この光Laが結像して得られる画像は、第2実施形態における画像Fと同様である。
また、本実施形態の画像表示装置31では、画像出力装置13から画像を形成する光Lが出射し、当該光Lのうちハーフミラー14で反射する光Lbは、再帰反射部材112に入射する。再帰反射部材112に入射する光Lbは、それぞれの再帰反射素子12Bにて再帰反射して、ハーフミラー14に向かい、ハーフミラー14で光Lbの一部が透過する。こうして、ハーフミラー14で反射する光Lbが結像する。
【0078】
本実施形態の画像表示装置31では、上記光Laと光Lbとが結像することで、画像Fが形成される。本実施形態の画像表示装置31によれば、第2実施形態の画像表示装置21と比べて、光Lbの寄与により画像Fが明るくなる。
【0079】
<実施例>
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、その趣旨を超えない限りこれらの実施例に限定されない。
【0080】
(実施例1)
図2(A)に示す辺ABの長さが212.9μm、辺BCおよび辺CAの長さが193.3μmであり、光学軸の傾斜角度θが6°かつ三角錐型再帰反射素子12Bが基材層12Aの片面に隙間なく形成されている三角錐型再帰反射素子12Bを有する再帰反射部材12を用意した。この素子の高さは80.0μmである。この再帰反射部材12は、セル状に加工されていない内部全反射型再帰反射素子を有する再帰反射部材であり、また、屈折率1.59のポリカーボネート単層で構成されている。さらに、この再帰反射部材12の観測角0.2°、入射角5°における再帰反射係数は、680cd・lx・m−2であり、また、観測角1.0°、入射角5°における再帰反射係数は、35cd・lx・m−2であった。
【0081】
図1に示したように、再帰反射部材12、画像出力装置13、ワイヤグリッド偏光板であるハーフミラー14を配置した。画像出力装置13の出力面(画像出力面F20)と再帰反射部材12の表面(配置面F10)とがなす角度を90°とし、再帰反射部材12の表面(配置面F10)とハーフミラー14の一面F1とがなす角度φを35°とし、再帰反射部材12に入射する光Lの入射角βを20°とした。
画像出力装置13から動画画像を出力し、表示された画像Fを目視で観察したところ、画像Fは明るくかつ結像性が良好であった。
【0082】
(実施例2)
実施例1で、さらに再帰反射部材12の光Lが入射する面上に1/4波長板を設けた以外は、実施例1と同様にして画像Fを表示した。
目視で観察したところ、実施例1と比べて画像Fがさらに明るくかつ結像性が良好であった。
【0083】
(実施例3)
実施例1で、アルミニウムを厚さが約50nmになるようにガラスに蒸着することで得られたハーフミラーに替えた以外は実施例1と同様にして画像Fを表示した。
目視で観察したところ、実施例1とほぼ同程度に画像Fが明るく表示されかつ結像性も良好であった。
【0084】
(実施例4)
辺の長さが56.6μmおよび80.0μmの長方形2つと、辺の長さが80.0μmの正方形1つとのあわせて3つの四角形状の反射側面から構成されたフルキューブコーナー型再帰反射素子12Bが基材層12Aの片面に隙間なく形成されている再帰反射部材12を用意した。この素子の光学軸の傾斜角度は9.8°であり、素子の高さは80.0μmである。この再帰反射部材12を用いた以外は、実施例1と同様にして画像Fを表示した。
目視で観察したところ、実施例1〜3と比べて画像Fがさらに明るくかつ結像性がさらに良好であった。
【0085】
(比較例1)
図2(A)に示す辺AB、辺BCおよび辺CAの長さがいずれも2940μmであり、素子の高さが1200μmであり、光学軸の傾斜角度θが0°かつ三角錐型再帰反射素子12Bが基材層12Aの片面に隙間なく形成されている再帰反射部材12を用意した以外は実施例1と同様にして画像Fを表示した。
目視で観察したところ、実施例1と比べて画像Fが暗く、また結像性が特に劣っていた。
【0086】
本発明の画像表示装置は、従来の画像表示装置と比べ、表示する画像をより明るくし、画像の結像性(視認性)をより高めることができる。本発明の画像表示装置は、たとえば各種看板、情報表示装置、情報入力装置、アミューズメント機器に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0087】
11,21,31・・・画像表示装置
12,112・・・再帰反射部材
13・・・画像出力装置
14・・・ハーフミラー
15・・・躯体
16・・・台
17・・・視点
L,La,Lb・・・光
F・・・画像
T・・・再帰反射部材表面の法線
図1
図2
図3
図4
図5