特許第6405474号(P6405474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405474
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電池コネクタシステム用のバスバー
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-538932(P2017-538932)
(86)(22)【出願日】2015年11月10日
(65)【公表番号】特表2017-531304(P2017-531304A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015059818
(87)【国際公開番号】WO2016077266
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年4月12日
(31)【優先権主張番号】62/077,667
(32)【優先日】2014年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/935,625
(32)【優先日】2015年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ヅァオ, ウェイピン
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−119043(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/178114(WO,A1)
【文献】 特開2012−243689(JP,A)
【文献】 特開2013−073929(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/073443(WO,A1)
【文献】 特開2010−287568(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02432048(EP,A1)
【文献】 特開平08−307032(JP,A)
【文献】 特開2001−095130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール(110)の隣接する電池セル(112)を電気的に接続するバスバー(130)であって、
可撓継手(144)によって接続された第1の脚部(140)および第2の脚部(142)を有する基部(132)であって、前記可撓継手は、前記第1の脚部が前記第2の脚部の上になるように折り畳まれる、基部(132)と、
前記第1の脚部から延びる第1の端子タブ(134)であって、前記電池セルのうちの第1の電池セルの対応する電池セル端子(120)へ終端されるように構成された第1の端子タブと、
前記第2の脚部から延びる第2の端子タブ(136)であって、前記電池セルのうちの第2の電池セルの対応する電池セル端子(122)へ終端されるように構成された第2の端子タブとを備え、
前記第1の端子タブおよび前記第2の端子タブは前記可撓継手の一方の側において前記第1の脚部と平行な平面方向に並んで配置され、前記第1の端子タブは、前記第2の端子タブから独立して前記可撓継手によって垂直方向に位置決め可能である、
バスバー(130)。
【請求項2】
前記可撓継手(144)は、前記第1の端子タブ(134)および前記第2の端子タブ(136)より薄い、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項3】
前記第1の脚部(140)、第2の脚部(142)、および前記可撓継手(144)は、単体構造として一体形成される、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項4】
前記第1の端子タブ(134)および第2の端子タブ(136)は、概ね共平面であるが、互いに対して独立して可動である、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項5】
前記可撓継手(144)はU字状である、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項6】
前記第1の脚部(140)は、前記第1の端子タブ(134)および前記第2の端子タブ(136)に沿って長手方向に延びる、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項7】
前記第1の端子タブ(134)は、前記第1の電池セル(112)の前記電池端子(120)に押し付けられてそこにレーザ溶接されるように構成され、前記第2の端子タブ(136)は、前記第1の端子タブから独立して、前記第2の電池セル(112)の前記電池端子(122)に押し付けられてそこにレーザ溶接されるように構成される、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項8】
前記第1の端子タブ(134)は、前記可撓継手(144)とは反対側に前縁部(150)を有し、前記第2の端子タブ(136)は、前記可撓継手とは反対側に前縁部(152)を有し、前記第1の端子タブの前記前縁部は、前記第2の端子タブの前記前縁部と概ね位置合わせされる、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項9】
前記第1の端子タブ(134)は、内側面(160)および外側面(162)を有し、前記第2の端子タブ(136)は、内側面(164)および外側面(166)を有し、前記内側面は、互いに隣接して位置決めされて互いの方を向き、前記外側面は、互いから離れる方を向く、請求項1に記載のバスバー(130)。
【請求項10】
前記第1の端子タブ(134)および第2の端子タブ(136)は、前記対応する内側面(160、164)と外側面(162、166)の間で幅方向に延び、前記基部(132)の幅(168)は、前記第1の端子タブおよび前記第2の端子タブを組み合わせた幅より大きい、請求項9に記載のバスバー(130)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、電池コネクタシステム用の可撓性のバスバーに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車またはハイブリッド自動車向けなどの電池モジュールは、典型的には、複数のセルを含み、これらのセルをまとめて電池モジュールを形成する。これらの電池モジュールをともに接続して電池パックを形成する。セルはそれぞれ、ともに電気的に接続された正のセル端子および負のセル端子を含む。正のセル端子および負のセル端子は、バスバーを使用して接続される。典型的には、正のセル端子および負のセル端子は、典型的には、ねじ付きのポストまたはボルトを含む。バスバーは、ナットを使用してポストに接続される。そのような接続は時間がかかり、トルク過多もしくはトルク不足、またはねじ山の潰れなどの他の問題を有することがある。他の構成では、ねじ付きのポストまたはボルトに伴う問題は、バスバーをセル端子に溶接することによって回避される。しかし、バスバーをセル端子に溶接する際にも問題が生じる。
たとえば、レーザ溶接などによる溶接には、バスバーと対応するセル端子との間に十分な物理的接触が必要である。しかし、製造位置公差の蓄積によりセル端子が異なる垂直位置にあるときには問題が生じる。剛性のバスバーを有することも、バスバーの一方の側を下方に押して対応する端子に押し付けるとき、バスバーの他方の側が対応するセル端子から持ち上げられることがあるため、問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バスバーをセル端子へ終端させるために低コストの可撓性のバスバーを使用する電池モジュールが、依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題は、電池モジュールの隣接する電池セルを電気的に接続する本明細書に開示するバスバーによって解決され、このバスバーは、可撓継手によって接続された第1の脚部および第2の脚部を有する基部を含む。可撓継手は、第1の脚部が第2の脚部の上になるように折り畳まれる。第1の脚部からは、第1の端子タブが延びる。第1の端子タブは、電池セルのうちの第1の電池セルの対応する電池端子へ終端されるように構成される。第2の脚部からは、第2の端子タブが延びる。第2の端子タブは、電池セルのうちの第2の電池セルの対応する電池端子へ終端されるように構成される。第1の端子タブおよび第2の端子タブは並んで配置され、第1の端子タブは、第2の端子タブから独立して可撓継手によって垂直方向に位置決め可能である。
【0005】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な実施形態によって形成された電池コネクタシステムの上面斜視図である。
図2図1に示す電池コネクタシステムの電池モジュールの上面斜視図である。
図3】電池モジュールの電池セルへ終端されたバスバーアセンブリを示す電池コネクタシステムの一部分の上面斜視図である。
図4】例示的な実施形態によって形成されたバスバーの上面斜視図である。
図5】製造中のバスバーを示す図である。
図6図4の線6−6に沿って切り取ったバスバーの一部分の断面図である。
図7図4の線7−7に沿って切り取ったバスバーの一部分の断面図である。
図8】例示的な実施形態によるバスバーアセンブリの上面斜視図である。
図9】例示的な実施形態による電池コネクタシステムの、一体化されたサーミスタを有するキャリアアセンブリの上面斜視図である。
図10】例示的な実施形態による電池コネクタシステムのキャリアアセンブリの上面斜視図である。
図11】例示的な実施形態によるバスバーアセンブリの上面斜視図である。
図12】例示的な実施形態によるバスバーアセンブリの上面斜視図である。
図13】例示的な実施形態によるバスバーアセンブリの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、例示的な実施形態によって形成された電池コネクタシステム100の上面斜視図である。電池コネクタシステム100は、電池モジュール110およびキャリアアセンブリ102を含む。キャリアアセンブリ102は、複数のバスバーアセンブリ106を保持する1つまたは複数のキャリアハウジング104を含む。バスバーアセンブリ106は、回路モジュール108に電気的に接続することができ、回路モジュール108は、電池モジュール110の監視および/または電池モジュール110に関連する機能の制御を行うことができる。
【0008】
図2は、電池モジュール110の上面斜視図であり、電池モジュール110の電池セル112を示すためにキャリアアセンブリ102(図1に示す)が取り除かれている。電池モジュール110は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車などの車両内で電池システムの一部として使用することができる。代替実施形態では、電池モジュール110を他の適用分野で使用することができる。複数の電池モジュール110を1組にして、電池パックアセンブリを形成することができる。
【0009】
各電池モジュール110は、角形電池セルなどの複数の電池セル112を含む。電池セル112は、積層型の構成で並んで配置されて、電池モジュール110を形成する。任意選択で、電池モジュール110は、電池セル112を保持するケースまたは他のハウジングを含むことができる。電池セル112およびキャリアアセンブリ102の上部を覆って、電池カバー(図示せず)を設けることができる。電池カバーは、電池セル112のそれぞれを覆うことができる。
【0010】
各電池モジュール110は、正の電池端子114および負の電池端子116を含む。端子114、116は、外部の電力ケーブルに結合するように構成され、または別法として、モジュール間コネクタなどを使用して、別の電池モジュール110の電池セル端子にバス接続することができる。各電池セル112は、正の電池セル端子120および負の電池セル端子122を含む。例示的な実施形態では、正のセル端子120は、対応するバスバーアセンブリ106(図1に示す)によって、隣接する電池セル112の隣接する負の電池セル端子122に接続される。同様に、負のセル端子122は、対応するバスバーアセンブリ106によって、隣接する電池セル112の隣接する正の電池セル端子120に接続される。末端の電池セル112のセル端子120、122は、電池端子114、116を画定することができる。
【0011】
図3は、対応する電池セル112へ終端されたバスバーアセンブリ106の1つを示す電池コネクタシステム100の一部分の上面斜視図である。キャリアハウジング104は、正の電池セル端子120および負の電池セル端子122(図2に示す)の垂直方向上方など、電池セル112に対してバスバーアセンブリ106を位置決めする。例示的な実施形態では、バスバーアセンブリ106は、電池セル端子120、122に溶接される。たとえば、バスバーアセンブリ106は、電池セル端子120、122に対してレーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、または他のタイプの溶接で溶接することができる。代替実施形態では、バスバーアセンブリ106は、他のプロセスまたは方法で終端させることができる。
【0012】
バスバーアセンブリ106は、基部132を有するバスバー130を含み、基部132から第1の端子タブ134および第2の端子タブ136が延びる。第1の端子タブ134は、正の電池セル端子120などの電池セル端子の一方へ終端されるように構成され(レーザ溶接など)、第2の端子タブ136は、負の電池セル端子122などの他方の電池セル端子へ終端されるように構成される(レーザ溶接など)。端子タブ134、136は、端子タブ134、136が対応する電池セル端子120、122の上に位置決めされるように並んで配置される。任意選択で、バスバー130および電池セル端子120、122は、同じまたは類似の金属から製造することができる(たとえば、バスバー130をアルミニウム、電池セル端子120、122をアルミニウムとし、またはバスバー130を銅、電池セル端子120、122を銅とする)。
別法として、バスバー130および電池セル端子120、122は、異なる金属から製造することができる(たとえば、バスバー130をアルミニウムとし、電池セル端子120、122を銅とする)。任意選択で、バスバー130は、たとえば、一部分をアルミニウム(またはアルミニウム合金)とし、一部分を銅(または銅合金)とするなど、バイメタルとすることができる。
【0013】
レーザ溶接など終端中、第1の端子タブ134は、矢印Aで示す押圧によって下方に押され、第2の端子タブ136は、矢印Bで示す押圧によって下方に押される。端子タブ134、136は、下方に押されて電池セル端子120、122に物理的に接触し、電池セル端子120、122にレーザ溶接される。端子タブ134、136と電池セル端子120、122との間の十分な物理的接触を確実にするために、例示的な実施形態では、端子タブ134、136は、互いに対して独立して可動である。たとえば、端子タブ134は、端子タブ136が電池セル端子122に対して下方に押し付けられるのとは独立して、電池セル端子120に対して下方に押し付けることができる。
【0014】
例示的な実施形態では、端子タブ134、136は、互いから独立して垂直方向に位置決め可能である。したがって、第1の端子タブ134を第2の端子タブ136よりさらに下方へ押すことができ、または第2の端子タブ136を第1の端子タブ134よりさらに下方へ押すことができる。したがって、端子タブ134、136は、異なる垂直位置に電池セル端子120、122を有する隣接する電池セル112に対応することができる。たとえば、電池モジュール110内で、電池セル112のいくつかは、異なる向きまたは位置に移動または保持することができる。加えて、電池セル112は、異なる公差で製造することができ、その結果、電池セル端子120、122が共平面でなくてもよい。レーザ溶接などの効果的な終端のために、端子タブ134、136はどちらも、対応する電池端子120、122に密接に接触しなければならない。
端子タブ134、136を独立して位置決め可能にすることで、端子タブ134、136を電池セル端子120、122に対して適切に位置決めすることが可能になる。例示的な実施形態では、基部132は、端子タブ134、136の独立した動きを可能にするように可撓性を有する。
【0015】
図4は、例示的な実施形態によって形成されたバスバー130の上面斜視図である。バスバー130の後ろには基部132が設けられ、バスバー130の前には端子タブ134、136が設けられる。基部132は、可撓継手144によって接続された第1の脚部140および第2の脚部142を有する。可撓継手144は、第1の脚部140が第2の脚部142の上になるように折り畳まれる。第1の脚部140、第2の脚部142、および可撓継手144は、単体構造として一体形成される。例示的な実施形態では、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136は、単体構造の一部として一体形成される。例示的な実施形態では、可撓継手144は、第1の脚部140と第2の脚部142との間でU字状である。第1の脚部140、第2の脚部142、および可撓継手144は、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136の両方の後ろで、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136の両方に沿って長手方向に延びる。
したがって、第1の端子タブ134は、第1の脚部140および可撓継手144の前方に位置決めされる。第2の端子タブ136は、第1の脚部140および可撓継手144の前方に位置決めされる。端子タブ134、136は、第1の脚部140の前方に位置決めされることに加えて、またはその代替として、第2の脚部142の前方に位置決めすることができる。
【0016】
例示的な実施形態では、第2の端子タブ136は、第1の端子タブ134と共平面になるように上方へ曲げられている。たとえば、第2の端子タブ136は、第1の端子タブ134と第2の端子タブ136を共通の垂直平面に沿って位置合わせするように第2の脚部142から上方へ移行する移行部分146を含むことができる。移行部分146は、第1の端子タブ134と共平面に第2の端子タブ136を位置決めするために、2つの90°の屈曲部を含むことができる。代替実施形態では、第2の端子タブ136が移行部分を有することに加えて、またはその代わりに、第1の端子タブ134が移行部分を含むことができる。
【0017】
第1の端子タブ134は、可撓継手144とは反対側の前縁部150まで、第1の脚部140から前方へ延びる。第2の端子タブ136は、可撓継手144とは反対側の前縁部152まで、第2の脚部142から前方へ延びる。例示的な実施形態では、前縁部150、152は、可撓継手144に対して概ね平行に延びる前軸154に沿って概ね位置合わせされる。
【0018】
第1の端子タブ134は、内側面160と、内側面160とは反対側の外側面162とを有する。内側面160および外側面162は、第1の脚部140から前縁部150まで延びる。内側面160および外側面162は、線形とすることができる。内側面160および外側面162は、前縁部150に概ね直交することができる。
【0019】
第2の端子タブ136は、内側面164と、内側面164とは反対側の外側面166とを含む。内側面164および外側面166は、第2の脚部142から前縁部152まで延びる。内側面164および外側面166は、線形とすることができる。内側面164および外側面166は、前縁部152に概ね直交することができる。
【0020】
例示的な実施形態では、端子タブ134、136は、内側面160、164が互いに隣接して位置決めされて互いの方を向くように、並んで配置される。外側面162、162は、互いから離れる方を向く。第1の端子タブ134は、内側面160と外側面162との間で前縁部150に沿って幅方向に延びる。同様に、第2の端子タブ136は、内側面164と外側面166との間で前縁部152に沿って幅方向に延びる。基部132は、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136の後ろで幅方向に延び、基部132の幅168は、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136を組み合わせた幅と少なくとも同じ幅である。たとえば、第1の端子タブ134と第2の端子タブ136との間には、わずかな間隙を画定することができる。
【0021】
第1の端子タブ134は、電池セル端子120(図2に示す)の方を向くように構成された内面170と、内面170とは反対側の外面172とを有する。第2の端子タブ136は、電池セル端子122(図2に示す)の方を向くように構成された内面174と、内面174とは反対側の外面176とを有する。例示的な実施形態では、内面170、174は、静止位置などで概ね共平面である。しかし、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136が電池セル端子120、122に押し付けられたとき、内面170、174は、電池セル端子120、122の高さの変動に対応するために、共平面にならないことが可能である。たとえば、端子タブ134、136は、静止位置から撓み位置へ撓むことができる。
【0022】
バスバー130は、静止位置を画定する特定の形状に打抜きおよび形成することができる。静止位置で、内面170、174は、概ね共平面であってよい。しかし、端子タブ134、136が撓み位置まで電池セル端子120、122に対して下方に押し付けられた後、端子タブ134、136は、もはや共平面でなくてもよい。
【0023】
図5は、打ち抜かれた後の、しかし最終の形状に形成される前のバスバー130を示す。打ち抜かれた後、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136は、基部132の両側に位置する。しかし、基部132の一部分の圧延または折畳みなどによって可撓継手144を形成した後、第1の端子タブ134および第2の端子タブ136は次いで、基部132の同じ側に位置決めされる(たとえば、図3参照)。
【0024】
図5では、基部132のうち可撓継手144を画定する領域が、領域180として識別される。そのような領域180は、バスバー130を形成する前に薄くすることができる。たとえば、領域180を薄くするために、領域180を押込みまたはプレスすることができる。領域180を薄くするために、領域180を延伸することもできる。領域180を薄くするために、領域180から材料を除去することもできる。領域180を薄くすることによって、可撓継手144の可撓性をより高くすることができる。代替として、バスバー130を形成する前にそのような領域180を薄くしなくてもよい。
【0025】
図6は、図4の線6−6に沿って切り取ったバスバー130の一部分の断面図である。図7は、図4の線7−7に沿って切り取ったバスバー130の一部分の断面図である。図6および図7は、それぞれ対応する電池セル端子120、122へ終端された端子タブ134、136を示す。端子タブ134、136は、概ね共平面である。可撓継手144は、第1の脚部140を第2の脚部142の上に位置決めする。移行部分146は、第2の端子タブ136を第2の脚部142から第1の端子タブ134と同じ垂直方向の高さまで上方へ移行させる。
【0026】
図8は、例示的な実施形態によるバスバーアセンブリ106の上面斜視図である。バスバーアセンブリ106は、バスバー130と、バスバー130に結合された電圧センサ190と、バスバー130に結合されたサーミスタ192とを含む。
【0027】
電圧センサ190は、集中電池管理システムなどに対して、対応する電池セル112の電圧感知などの感知を提供する。電圧センサ190は、電圧センサ190を基部132に溶接することなどによって、対応するバスバー130に電気的に接続される。代替実施形態では、電圧センサ190は、圧着、はんだ付け、圧接接続、クイック接続、配線などの他のプロセスまたは方法によって終端させることができる。電圧センサ190は、回路モジュール108(図1に示す)へ終端されることができる終端部194を含む。たとえば、終端部194は、回路モジュール108の回路基板にプレス嵌めされるように構成されたピンとすることができる。終端部194は、回路モジュール108の回路基板にはんだ付けされるように構成されたピン、末端、梁、または他の構造とすることができる。
終端部194は、圧接接続などによって、回路モジュール108のワイヤにはんだ付け、圧着、または他の形で終端させることができる。終端部194は、バスバー130にカチッと嵌めることができる端子とすることができる。終端部194は、バスバー130に直接終端させることができるワイヤとすることができる。
【0028】
サーミスタ192は、セル温度を表すバスバー130の温度感知などの感知を提供する。例示的な実施形態では、バスバー130は、第1の脚部140からなど、バスバー130から延びるタブを含み、このタブは、円筒196に形成される。サーミスタ192は、円筒196内に受け取られた1つまたは複数のワイヤ198を含む。サーミスタ192は、ワイヤ198に接続された温度センサを含むことができる。ワイヤ198および/または温度センサは、円筒196内に熱伝導材料を注封することなどによって、円筒196に熱的に接触するように円筒196内に埋設することができる。円筒196は、サーミスタ192および注封材料の容器を画定する。他の代替実施形態では、円筒196をワイヤ198に圧着してもよい。ワイヤ198は、回路モジュール108へ終端されることができる終端部を含む。
たとえば、ワイヤ198は、回路モジュール108の回路基板にプレス嵌めすることができる。ワイヤ198は、回路モジュール108の回路基板にはんだ付けすることができる。ワイヤ198は、回路モジュール108(図9参照)のワイヤにはんだ付け、圧着、または他の形で終端させることができる。
【0029】
図9は、例示的な実施形態によるキャリアアセンブリ102の上面斜視図である。複数のバスバーアセンブリ106を保持するキャリアアセンブリ102を示す。図1に示す回路モジュール108が回路基板を含むのとは対照的に、図示の実施形態では、キャリアアセンブリ102は、ワイヤハーネス200およびコネクタ202を含む回路モジュール208を含む。コネクタ202は、中央電池管理システムなど、キャリアアセンブリ102から遠くに位置決めすることができる。別法として、コネクタ202は、キャリアハウジング104によって保持することができる。
【0030】
ワイヤハーネス200は、対応する電圧感知リード190に接続された複数のワイヤ204を含む。ワイヤハーネス200は、対応するサーミスタ192に接続された複数のワイヤ206を含む。例示的な実施形態では、各バスバーアセンブリ106は、対応する電圧感知リード190を含むが、バスバーアセンブリ106のいくつかのみが、サーミスタ192を含む。
【0031】
図10は、例示的な実施形態によるキャリアアセンブリ102の上面斜視図である。複数のバスバーアセンブリ106を保持するキャリアアセンブリ102を示す。キャリアアセンブリ102は、電池セル端子120、122に対するバスバー130の溶接中にバスバー130の曲げまたは動きに対応するために、可撓性を有することができる。たとえば、キャリアハウジング104のいくつかの部分を分割して、動きを可能にすることができる。代替実施形態では、バスバー130を保持するキャリアハウジング104内のポケットが、端子タブ134、136の独立した動きを可能にするように、バスバー130を保持することができる。図示の実施形態では、回路モジュール108は、回路基板210を含む。回路基板210は、キャリアハウジング104の上部に沿って配置される。回路基板210上に電気構成要素を設けて、対応する電圧センサ190および/またはサーミスタ192に電気的に接続することができる。
【0032】
回路基板210は、対応する電圧感知リード190を受け取る複数のバイア212を含む。電圧感知リード190は、バイア212内にはんだ付けすることができる。回路基板210は、対応するサーミスタ192に接続された複数のバイア214を含む。サーミスタ192は、バイア214内にはんだ付けすることができる。例示的な実施形態では、各バスバー130は、対応する電圧感知リード190を含むが、バスバー130のいくつかのみが、サーミスタ192を含む。回路基板210は、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル、または別のタイプの基板とすることができる。
【0033】
図11は、例示的な実施形態によるバスバーアセンブリ106の上面斜視図であり、このバスバーアセンブリ106は、図8に示す実施形態のような別個の電圧センサとは対照的に、一体型電圧センサ220を有する。バスバーアセンブリ106は、アルミニウム端子タブ134および銅端子タブ136を有するバスバーなど、バイメタルのバスバー(たとえば、Cu−Alバイメタル)とすることができる。電圧センサ220は、銅材料またはアルミニウム材料など、対応する端子タブと同じ材料を含有することができる。図示の実施形態では、電圧センサ220は、可撓継手144またはその付近などで、端子タブ134から延びる。しかし、電圧センサ220は、バスバー130に沿って任意の位置に設けることができる。電圧センサ220は、端子タブ134から直立するように1つまたは複数の屈曲線で折り畳むなど、バスバー130とともに打抜きおよび形成することができる。
【0034】
図12は、キャリアハウジング104内に一体型電圧センサ220を有するバスバーアセンブリ106の上面斜視図である。バスバー130は、対応する電池端子116を受け取る開口230を端子タブ136内に含む(他の様々な実施形態では、開口230は、電池端子114を受け取るように端子タブ134内に設けることができる)。バスバーアセンブリ106は、バイメタルのバスバーとすることができる。
【0035】
図13は、キャリアハウジング104内に一体型電圧センサ240を有するバスバーアセンブリ106の上面斜視図である。図示の実施形態では、端子タブ134、136は、平坦または平面であり、端子タブ134、136間に可撓継手を含まない。しかし、電圧センサ240は、回路モジュール108(図1に示す)に対する終端部244の浮動係合を可能にする可撓継手242を含む。端子タブ136は、対応する電池端子116を受け取る開口246を含む。電圧センサ240は、バイメタルの電圧センサとすることができる。電圧センサ240は、回路モジュール108に位置合わせするように、可撓性を有する可動の所望の3次元形状に上下および/または左右などに屈曲させることができる。
【0036】
上記の説明は、限定的ではなく例示的であることが意図されることを理解されたい。たとえば、前述の実施形態(および/またはそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。本明細書に記載する寸法、材料のタイプ、様々な構成要素の向き、ならびに様々な構成要素の数および位置は、特定の実施形態のパラメータを定義することが意図され、決して限定的ではなく、単に例示的な実施形態である。上記の説明を読めば、特許請求の範囲の精神および範囲内の多くの他の実施形態および修正形態が、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲に与えられる均等物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して判定されるべきである。
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図13