(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405514
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ナットランナーの反力測定装置
(51)【国際特許分類】
G01L 3/00 20060101AFI20181004BHJP
B25B 23/14 20060101ALI20181004BHJP
B23P 19/06 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
G01L3/00 C
B25B23/14 640M
B23P19/06 P
B25B23/14 640W
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-211292(P2014-211292)
(22)【出願日】2014年10月16日
(65)【公開番号】特開2016-78161(P2016-78161A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】池上 幸紀
【審査官】
大森 努
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−144625(JP,A)
【文献】
特開昭60−016370(JP,A)
【文献】
特開2012−086284(JP,A)
【文献】
特開2003−083822(JP,A)
【文献】
特開平08−338790(JP,A)
【文献】
特開2014−124763(JP,A)
【文献】
特開2004−114256(JP,A)
【文献】
実開平07−033568(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第02722132(EP,A1)
【文献】
独国特許発明第00605512(DE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00,5/00,5/24,
G01M 13/00,
B25B 23/00−23/18,
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸周りに回転可能にナットランナーを支持する支持手段と、
前記ナットランナーのハンドルに連結された測定手段と
を備え、
前記ナットランナーが駆動された際の前記ハンドルにおける反力を前記測定手段によって測定するように構成されており、
前記支持手段は、
基台と、
前記基台に立設された立設体と、
前記立設体の延在方向に互いに離間して前記立設体に取り付けられた一対の軸受体と
を含む
ことを特徴とするナットランナーの反力測定装置。
【請求項2】
前記測定手段によって測定された測定反力の時間変化を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記測定反力の時間変化に基づいて反力指標値を算出する演算手段と
をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のナットランナーの反力測定装置。
【請求項3】
前記反力指標値は、前記ナットランナーがインパルス駆動された際の前記測定反力の継続時間に前記測定反力のピーク値が乗算されることで算出されることを特徴とする請求項2記載のナットランナーの反力測定装置。
【請求項4】
前記支持手段は、前記出力軸が鉛直方向に沿って延在するように前記ナットランナーを支持し、前記反力が水平方向に沿って前記測定手段に作用することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のナットランナーの反力測定装置。
【請求項5】
前記ナットランナーは、前記出力軸がモータ回転軸に沿って延在されるとともに、前記ハンドルが前記モータ回転軸に対して垂直な方向に沿って延在されたピストルタイプのナットランナーであり、
前記モータ回転軸に沿う前記ピストルタイプのナットランナーの一端側及び他端側が前記一対の軸受体によって回転可能に支持されることで、前記ピストルタイプのナットランナーが前記支持手段によって前記出力軸周りに回転可能に支持される
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のナットランナーの反力測定装置。
【請求項6】
前記一対の軸受体に回転可能に支持された軸体と、
前記軸体に取り付けられた接続体と
をさらに備え、
前記ナットランナーは、前記出力軸がモータ回転軸に対して垂直な方向に沿って延在されるとともに、前記ハンドルが前記モータ回転軸に沿って延在されたアングルタイプのナットランナーであり、
前記アングルタイプのナットランナーは、前記モータ回転軸が前記立設体の延在方向に垂直な方向に沿って延在されるように配置され、
前記モータ回転軸に沿う前記アングルタイプのナットランナーの一端側及び他端側が前記接続体によって前記軸体に接続されることで、前記アングルタイプのナットランナーが前記支持手段によって前記出力軸周りに回転可能に支持される
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のナットランナーの反力測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナットランナーの反力を測定するナットランナーの反力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回転式動力工具の一種であるナットランナーは、ナットを締める際に用いられている。例えば下記の特許文献1,2等に示されているように、回転式動力工具の出力軸の回転トルクを検出することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−100772号公報
【特許文献2】実開平2−110480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナットランナーを用いてナットを締めつけるとき、ナットランナーは比較的大きな回転トルクを発生する。このとき、ナットランナーのハンドルには、回転トルクの反力が作用する。反力の大きさは、出力軸の回転トルクの大きさのみならず、出力軸とハンドルとの間の距離にも影響を受ける。上記のような従来構成では、回転式動力工具の出力軸の回転トルクを検出しているが、ハンドルに作用する反力そのものは測定できていない。ハンドルに作用する反力は、利用者に直接作用するものであり、利用者にとって大きな関心事項である。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ハンドルに作用する反力を定量化することができるナットランナーの反力測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るナットランナーの反力測定装置は、出力軸周りに回転可能にナットランナーを支持する支持手段と、ナットランナーのハンドルに連結された測定手段とを備え、ナットランナーが駆動された際のハンドルにおける反力を測定手段によって測定するように構成されて
おり、支持手段は、基台と、基台に立設された立設体と、立設体の延在方向に互いに離間して立設体に取り付けられた一対の軸受体とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明のナットランナーの反力測定装置によれば、ナットランナーが駆動された際のハンドルにおける反力を測定手段によって測定するように構成されているので、ハンドルに作用する反力を定量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1によるナットランナーの反力測定装置を示す正面図である。
【
図4】
図1のナットランナーがインパルス駆動された際の測定反力の時間変化を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施の形態2によるナットランナーの反力測定装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるナットランナーの反力測定装置1を示す正面図であり、
図2は
図1の反力測定装置1を示す側面図であり、
図3は
図1の反力測定装置1を示す平面図である。
【0010】
図1〜
図3に示す反力測定装置1は、ナットランナー2のハンドル20に作用する反力を測定するための装置である。本実施の形態のナットランナー2は、ピストルタイプと呼ばれるものである。ピストルタイプのナットランナー2では、出力軸2aがモータ回転軸2bに沿って延在されるとともに、ハンドル20がモータ回転軸2bに対して垂直な方向に沿って延在されている。出力軸2aとはビット21の回転軸を意味し、モータ回転軸2bとはナットランナー2に内蔵されたモータ(図示せず)の回転軸を意味する。
【0011】
反力測定装置1は、支持手段10、測定手段11、記憶手段12及び演算手段13を含んでいる。
【0012】
支持手段10は、出力軸2a周りに回転可能にナットランナー2を支持するものである。支持手段10には、基台100、立設体101及び一対の軸受体102
1,2が含まれている。
【0013】
基台100は、複数の脚部100aを有する平板状部材である。各脚部100aは、基台100の底面からの各脚部100aの突出量を変更できるように構成されている。各脚部100aの突出量が調節されることで、水平面に対する基台100の傾きが調節される。
図3に特に示されているように、基台100には、ナットランナー2の反力を測定する際にナットランナー2によって試験的に締められる複数のナット3aが設けられた試験体3が載置されている。
【0014】
立設体101は、基台100の延在面に垂直な方向に沿って基台100に立設された部材である。
図2に特に示されているように、立設体101は、互いに離間して基台100に立設された一対の支柱体101aと、支柱体101a間に設けられた一対のレール体101bとを有している。
【0015】
一対の軸受体102
1,2は、例えばベアリング等によって構成されるものであり、基台100の延在面に対して垂直な方向に互いに離間して立設体101に取り付けられている。具体的には、一対の軸受体102
1,2は、レール体101bに取り付けられており、レール体101bの延在方向に沿って変位可能とされている。モータ回転軸2bに沿うナットランナー2の一端側及び他端側が軸受体102
1,2によって回転可能に支持されることで、ナットランナー2が出力軸2a周りに回転可能に支持手段10に支持されている。
【0016】
上述のように、基台100の底面からの各脚部100aの突出量が調節されることで、水平面に対する基台100の傾きが調節される。基台100が水平面に沿って延在されることで、軸受体102
1,2に支持されたナットランナー2の出力軸2aが鉛直方向に沿って延在される。ハンドル20に作用する反力は、出力軸2a周りの回転力である。このため、出力軸2aが鉛直方向に沿って延在されることで、反力が水平方向に沿って測定手段11に作用される。
【0017】
測定手段11は、例えばロードセル等によって構成されるものであり、連結材11a(
図3参照)によりナットランナー2のハンドル20に連結されている。本実施の形態では、ナットランナー2によってナット3aが締められる際に、測定手段11はナットランナー2のハンドル20から引っ張られる力を受ける。但し、測定手段11の位置を変更して、ナットランナー2のハンドル20から測定手段11に圧縮力を加えてもよい。
【0018】
記憶手段12及び演算手段13は、例えばコンピュータ等により構成されるものであり、測定手段11に接続されている。記憶手段12は、測定手段11によって測定された測定反力の時間変化を記憶する。演算手段13は、記憶手段12に記憶された測定反力の時間変化に基づいて反力指標値を算出する。
【0019】
次に、
図4は、
図1のナットランナー2がインパルス駆動された際の測定反力の時間変化を示す説明図である。周知のように、ナットランナー2は、ナット3aが着座した後にインパルス駆動される。ナットランナー2がインパルス駆動された際の測定反力は、
図4に示すようにパルス状に時間変化する。演算手段13は、ナットランナー2がインパルス駆動された際の測定反力の継続時間T
Dに測定反力のピーク値Pを乗算することで反力指標値を算出する。なお、
図4では測定反力が直線状に変化するように示しているが、
図4の波形は例示であり、測定反力は滑らかに変化することもある。また、演算手段13は、反力指標値として測定反力の積分値(力積)を算出してもよい。
【0020】
このようなナットランナー2の反力測定装置1によれば、ナットランナー2が駆動された際のハンドル20における反力を測定手段11によって測定するので、ハンドル20に作用する反力を定量化することができる。
【0021】
また、記憶手段12に記憶された測定反力の時間変化に基づいて演算手段13が反力指標値を算出するので、利用者にナットランナー2の情報をより明確に提示でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0022】
さらに、反力指標値は、ナットランナー2がインパルス駆動された際の測定反力の継続時間T
Dに測定反力のピーク値Pが乗算されることで算出されるので、簡単な演算により反力指標値を得ることができる。
【0023】
さらにまた、支持手段10は、出力軸2aが鉛直方向に沿って延在するようにナットランナー2を支持し、反力が水平方向に沿って測定手段11に作用するので、反力測定への重力の影響を少なくでき、反力測定の精度を向上させることができる。
【0024】
また、モータ回転軸2bに沿うピストルタイプのナットランナー2の一端側及び他端側が一対の軸受体102
1,2によって回転可能に支持されることで、ピストルタイプのナットランナー2が支持手段10によって出力軸2a周りに回転可能に支持されるので、より確実にピストルタイプのナットランナー2を出力軸2a周りに回転可能に支持することができる。
【0025】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2によるナットランナーの反力測定装置1を示す正面図であり、
図6は
図5の反力測定装置1を示す側面図であり、
図7は
図5の反力測定装置1を示す平面図である。
【0026】
本実施の形態のナットランナー2は、アングルタイプと呼ばれるものである。アングルタイプのナットランナー2では、出力軸2aがモータ回転軸2bに対して垂直な方向に沿って延在されるとともに、ハンドル20がモータ回転軸2bに沿って延在されている。
【0027】
本実施の形態の反力測定装置1は、実施の形態1の反力測定装置1に軸体103及び接続体104を追加したものである。軸体103は、一対の軸受体102
1,2に回転可能に支持されている。接続体104は、軸体103に取り付けられて、軸体103にナットランナー2を接続している。接続体104には、第1接続体104
1と、第2接続体104
2とが含まれている。第1接続体104
1は、ナットランナー2を挟むように配置された一対の斜材によって構成されており、モータ回転軸2bに沿うナットランナー2の一端側(ハンドル20)と軸体103の上部との間に設けられている。第2接続体104
2は、ナットランナー2を挟むように配置された一対のL字材によって構成されており、モータ回転軸2bに沿うナットランナー2の他端側と軸体103の下部との間に設けられている。このようにナットランナー2の一端側及び他端側が接続体104によって軸体103に接続されることで、アングルタイプのナットランナー2が支持手段10によって出力軸2a周りに回転可能に支持されている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0028】
このように実施の形態1の反力測定装置1に軸体103及び接続体104を追加することで、アングルタイプのナットランナー2においてもハンドル20に作用する反力を測定できる。換言すれば、支持手段10が、基台100、立設体101及び一対の軸受体102
1,2を含むことで、ピストルタイプのナットランナー2のみならず、アングルタイプのナットランナー2においても反力を測定できる。
【符号の説明】
【0029】
1 反力測定装置
10 支持手段
100 基台
101 立設体
102
1,2 軸受体
103 軸体
104 接続体
11 測定手段
12 記憶手段
13 演算手段
2 ナットランナー
2a 出力軸
2b モータ回転軸
20 ハンドル