特許第6405654号(P6405654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405654
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】シート状物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/20 20120101AFI20181004BHJP
   D06M 15/564 20060101ALI20181004BHJP
   B24B 21/00 20060101ALI20181004BHJP
   G11B 5/84 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   B24B37/20
   D06M15/564
   B24B21/00 B
   G11B5/84 A
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-49938(P2014-49938)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-174153(P2015-174153A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金子 誠
(72)【発明者】
【氏名】土本 貴大
(72)【発明者】
【氏名】西村 一
(72)【発明者】
【氏名】松崎 行博
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−283420(JP,A)
【文献】 特開2008−155358(JP,A)
【文献】 特開2008−254146(JP,A)
【文献】 特開2009−083093(JP,A)
【文献】 特開2014−005585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/20
B24B 21/00
D06M 15/564
G11B 5/84
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均単繊維径が450nm以下であって、繊維径CV値が10%以下の極細繊維を主体とする、1000〜10000本/束の極細繊維束からなる繊維絡合体と弾性重合体で構成されたシート状物であって、少なくとも片面が前記極細繊維からなる立毛面となって極細繊維で被覆されており、前記立毛面におけるタテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度が15本/10μm幅以上であることを特徴とするシート状物。
【請求項2】
極細繊維が、ポリエステル繊維またはポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1記載のシート状物。
【請求項3】
弾性重合体の含有率が、繊維絡合体の総質量に対して20〜80質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状物。
【請求項4】
シート状物が研磨布であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシート状物。
【請求項5】
シート状物が洗浄加工布であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシート状物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載のシート状物を製造する方法であって、
(1)1000〜10000島を有する海島型口金を用いて海島型複合繊維を溶融紡糸して、海島型複合繊維からなる繊維絡合体を製造し、
(2)該繊維絡合体における海島型複合繊維から極細繊維を発生させて、平均単繊維径が450nm以下であって、繊維径CV値が10%以下の極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体で構成されたシートを得て、さらに、
(3)該シートに対して、少なくとも片面を液体で湿潤状態とし、バフィング処理することを特徴とするシート状物の製造方法。
【請求項7】
前記シート状物が研磨布であることを特徴とする請求項記載のシート状物の製造方法。
【請求項8】
前記シート状物が洗浄加工布であることを特徴とする請求項記載のシート状物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状物に関するものであり、特に、磁気記録ディスクに用いられるアルミニウム合金基板やガラス基板の超高精度の仕上げ加工に好適に用いられるシート状物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気記録ディスクは、近年の高記憶密度化に伴い、ディスク表面の極限までの平滑化が求められている。近年の磁気記録ディスクへの記録方式は、磁性膜内の磁化容易軸が垂直方向に配向した垂直記録媒体が主流となっている。このため、磁性層形成前の基板に凹凸や傷が存在すると、磁性膜製膜後に磁化容易軸が傾き異常部となるおそれがある。このような課題に対し、磁性膜形成前のディスク表面は、基板表面粗さを0.2nm以下とし、かつスクラッチ欠点と呼ばれる基板表面の傷を極小化することが要求されている。また、垂直記録媒体以降に開発された記録方式においても、磁性層製膜前の基板への要求は、前記と同様極限までの平滑化である。
【0003】
磁気記録ディスクの基板には、硬質ポリウレタンフォームなどからなる研磨パッドによってスラリー研削を行った後、微小な傷や突起を研削して平滑性を高めるべく、研磨布の表面に遊離砥粒を付着させ、研磨加工を行う方法が用いられている。
【0004】
研磨加工とは具体的には、磁気記録ディスクの基板を連続回転させた状態で、テープ状の研磨布(研磨テープ)をゴムローラーにより基板に押し付けながら、基板の径方向に往復運動させ、連続的に研磨テープを走行させる。このとき、スラリーを研磨テープと基板との間に供給し、スラリー中に含まれる遊離砥粒が、研磨テープ表面の繊維に微分散した状態で把持され、基板に押し付けられることによって研磨を行うものである。また、同加工において、遊離砥粒を用いない洗浄加工も行われている。
【0005】
研磨加工や洗浄加工に用いられるシート状物としては、極細繊維立毛を有する不織布とその内部に弾性重合体が含有された研磨布および洗浄加工布が提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
この提案の研磨布によれば、基板表面の平滑性が大幅に向上し、磁気欠点やエラー欠点が抑えられる傾向にある。しかしながら、文献中に記載の繊維径1.4μm程度の極細繊維では、研磨加工時の砥粒の分散性が十分でなく、基板表面にスクラッチ欠点が入りやすい問題があった。
【0007】
上記のような背景を鑑み、ポリマーアロイから得られる単繊維の直径が1〜400nmの極細繊維がランダムに配列した人工皮革用基体の研磨布および洗浄加工布が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案では、研磨加工時の砥粒の均一把持性が十分なレベルと言えず、基板表面の極限までの平滑化、およびスクラッチ欠点の極小化に寄与できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−299041号公報
【特許文献2】特開2007−144614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の実状に鑑み、ナノファイバーレベルの極細繊維を極めて緻密に配列した立毛表面を得ることにより、特に磁気記録ディスクの仕上げの研磨加工および/または洗浄加工を施す際に好適に用いられるシート状物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明のシート状物は、平均単繊維径が450nm以下であって、繊維径CV値が10%以下の極細繊維を主体とする、1000〜10000本/束の極細繊維束からなる繊維絡合体と弾性重合体で構成されたシート状物であって、少なくとも片面が前記極細繊維からなる立毛面となって極細繊維で被覆されており、前記立毛面におけるタテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度が15本/10μm幅以上であることを特徴とするシート状物である。
【0012】
本発明のシート状物の好ましい態様によれば、前記の極細繊維は、ポリエステル繊維またはポリアミド繊維である。
【0013】
本発明のシート状物の好ましい態様によれば、前記の弾性重合体の含有率は、前記の繊維絡合体の総質量に対して20〜80質量%である。
【0014】
本発明のシート状物は、研磨布に好ましく用いられる。
【0015】
本発明のシート状物は、洗浄加工布に好ましく用いられる。
【0016】
また、本発明のシート状物の製造方法は、前記のシート状物を製造する方法であって、
(1)1000〜10000島を有する海島型口金を用いて海島型複合繊維を溶融紡糸して、海島型複合繊維からなる繊維絡合体を製造し、
(2)該繊維絡合体における海島型複合繊維から極細繊維を発生させ、平均単繊維径が450nm以下であって、繊維径CV値が10%以下の極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体で構成されたシートを得て、さらに、
(3)該シートに対して、少なくとも片面を液体で湿潤状態とし、バフィング処理することを特徴とするシート状物の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ナノファイバーレベルの極細繊維を極めて緻密に配列させることにより、特に磁気記録ディスクの仕上げの研磨加工および/または洗浄加工を施す際に、表面粗さの極小化および磁気記録媒体用基板の不良率の低減に優れたシート状物を得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のシート状物は、平均繊維径が450nm以下であって、繊維径CV値が10%以下の熱可塑性ポリマーからなる極細繊維を主体とする、1000〜10000本/束の極細繊維束からなる繊維絡合体と弾性重合体により構成されたシート状物であり、その少なくとも片面が前記極細繊維からなる立毛面となっており、その立毛面におけるタテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度が15本/10μm幅以上であることを特徴とするシート状物である。
【0019】
本発明において、極細繊維の平均繊維径は、450nm以下とすることが重要である。平均繊維径を450nm以下、好ましくは300nm以下とすることにより、研磨砥粒を高分散に把持し、高精度の仕上げができる。一方、繊維径が細すぎると繊維強度および剛性が低くなり研削不足となることから、平均繊維径は50nm以上であり、さらには100nm以上であることが好ましい。
【0020】
特に、繊維径の均一性に関しては、極細繊維の繊維径CV値は10%以下であることが重要である。ここでいう繊維径CV値とは、任意の100カ所の極細繊維の繊維径を測定して平均値および標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で割った値を百分率(%)表示したものであり、値が小さいほど均一であることを示すものである。繊維径CV値を10%以下とすることにより、立毛面上の極細繊維の基板表面に対する押し付け力と掻き出し力が、基板表面全体にわたり均一となり、研磨加工時のスクラッチ発生が低減する。
【0021】
実施例の測定方法においても後述するように、繊維径が5μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維径の測定対象から除外するものとする。
【0022】
本発明では、その少なくとも片面が前記極細繊維からなる立毛面となってその立毛面における極細繊維の配向の度合いとして、タテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度を定義する。すなわち、シート状物を製造する際の長手方向をタテ方向、その直交方向をヨコ方向とする。そしてシート状物の立毛面を観察面として、走査型電子顕微鏡(SEM)により、シート状物の観察倍率5000倍の画像を30枚撮影する。撮影した画像より、表面にポリウレタンなどの高分子弾性体が露出し極細繊維が存在しない部分や、ニードルパンチなどにより大きな孔を形成している部分は避けて、ヨコ方向に10μmの基準線を一箇所引く。基準線と交差する鋭角が60°以上の極細繊維をタテ方向に配列した繊維とし、その本数を測定し、n数30の平均値を算出して、タテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度とする。
【0023】
本発明のシート状物は、当該線密度を15本/10μm幅以上とすることが重要である。当該線密度が15本/10μm幅未満である場合には、表面繊維の緻密性に劣り、砥粒を微細に分散させるに至らず、高精度の仕上げを達成できないとともに、研磨加工時に研磨布表面上の繊維が存在しない部分に砥粒が凝集し、スクラッチの発生につながりやすい。当該線密度を15本/10μm幅以上、好ましくは25本/10μm幅以上とすることにより、研磨時の砥粒の分散性が著しく向上し、スクラッチの発生を防ぎ、高精細な研磨加工が可能となる。一方、線密度は、130本/10μm幅以下とすることが好ましい。線密度を130本/10μm幅以下とすることにより、後述の起毛処理後に繊維束が十分に開繊されるとともに、極細単繊維間にタテ方向およびシート状物の深さ方向に自由度が高い空隙を有することになり、研磨加工時の砥粒や洗浄加工時の拭き取り異物がシート内部へと進入しやすくなり、シート状物表面の極細繊維間での砥粒や異物の凝集によるスクラッチの発生が低減する。
【0024】
本発明のシート状物は、表面にポリウレタンなどの高分子弾性体が露出し極細繊維が存在しない部分や、ニードルパンチなどによる大きな孔が一部にあってもよい。前記箇所は、研磨加工時の砥粒や洗浄加工時の残渣のシート状物内部への流入孔となり、加工性能には直接影響しないためである。
【0025】
本発明では、極細短繊維束内の繊維数は、1000〜10000本/束であることが重要である。2000本〜6000本/束であることがより好ましい。1000本/束以上とすることで、シート状物立毛面における緻密性に優れる。一方、10000本/束以下とすることで、バフィング処理を施した後に均一な立毛表面が得られるとともに、研磨加工時にスラリーを付与した際の極細繊維の膠着が起こりにくいため、砥粒が均一に分散し、スクラッチが発生しにくい。
【0026】
極細繊維を形成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィド(PPS)等を挙げることができる。ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは融点が高いものが多く、研磨加工時に発生する熱に対する耐熱性に優れており、好ましく用いられる。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポチトリメチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、ポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン12等を挙げることができる。とりわけ、ポリアミド類は、スラリー液とのなじみが特に良好であり、スラリー液中の研磨砥粒の保持性と分散性に優れており、非研磨物に傷をつけることなく研磨することができるとともに、柔軟性に優れることにより、被研磨物との接触抵抗が低いため、微細研磨に好適に用いられる。
【0027】
また、極細繊維を構成するポリマーには、他の成分が共重合されていても良く、また、粒子、難燃剤および帯電防止剤等の添加剤を含有させることもできる。
【0028】
極細繊維の断面形状としては、例えば、丸、楕円、扁平、三角などの多角形、扇、十字、Y、H、X、W、C、およびπ型などを用いることができる。
【0029】
繊維絡合体を構成する極細繊維は、極細繊維束の形態をとることが好ましい。極細繊維束の形態としては、極細繊維同士が多少離れていてもよいし、部分的に結合していてもよいし、凝集していてもよい。
【0030】
本発明のシート状物に用いられる不織布としては、短繊維をカードおよびクロスラッパーを用いて積層ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータジェットパンチを施して得られる短繊維不織布や、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる長繊維不織布、および抄紙法で得られる不織布などを適宜採用することができる。中でも、短繊維不織布やスパンボンド不織布は、後述するような極細繊維束の態様をニードルパンチ処理により得ることができるため、好ましく用いられる。
【0031】
本発明のシート状物は、前記の繊維絡合体が弾性重合体を含有しているものである。弾性重合体を含有させることによって、弾性重合体のバインダー効果により極細繊維がシート状物から抜け落ちるのを防止し、起毛時に均一な立毛を形成することが可能となる。また、弾性重合体を含有させることによって、シート状物にクッション性を付与しスクラッチ欠点等の発生を抑制することができる。
【0032】
本発明で用いられる弾性重合体としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマー等を用いることができる。中でも、ポリウレタンおよびポリウレタン・ポリウレアエラストマーなどのポリウレタン系エラストマーが好ましく用いられる。
【0033】
ポリウレタン系エラストマーのポリオール成分としては、ポリエステル系、ポリエーテル系およびポリカーボネート系のジオール、もしくはこれらの共重合物を用いることができる。また、ジイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート、脂環式イソシアネートおよび脂肪族系イソシアネートなどを使用することができる。
【0034】
ポリウレタン系エラストマーの重量平均分子量は、50,000〜300,000であることが好ましい。重量平均分子量を50,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは150,000以上とすることにより、シート状物の強度を保持し、また極細繊維の脱落を防ぐことができる。また、重量平均分子量を300,000以下、より好ましくは250,000以下とすることにより、ポリウレタン溶液の粘度の増大を抑えて極細繊維層への含浸を行いやすくすることができる。
【0035】
また、弾性重合体には、ポリエステル系、ポリアミド系およびポリオレフィン系などのエラストマー樹脂、アクリル樹脂およびエチレン−酢酸ビニル樹脂などが含まれていても良い。
【0036】
また、弾性重合体には、必要に応じて、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤および防臭剤などの添加剤を配合させることができる。
【0037】
弾性重合体の含有率は、極細繊維束が絡合してなる不織布(繊維構造体)に対し、20〜80質量%であることが好ましい。弾性重合体の含有量によって、シート状物の表面状態、クッション性、硬度および強度などを調節することができる。含有率を20質量%以上、より好ましくは25質量%以上とすることにより、繊維脱落を少なくすることができる。一方、含有率を80質量%以下、より好ましくは50質量%以下とすることにより、加工性及び生産性が向上するとともに、表面上に弾性重合体が露出せず、極細繊維リッチな表面となるため好ましい。
【0038】
本発明のシート状物の、後述する補強層を除く部分の目付は、100〜600g/mであることが好ましい。目付を100g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることにより、シート状物の形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時の研磨布の伸びによる加工ムラおよびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、目付を600g/m以下、より好ましくは300g/m以下とすることにより、シート状物のクッション性を適度に抑え、研磨加工時の研磨布による押付圧を加工表面に適度に伝播させ、効率的な研磨加工を行うことができる。本発明のシート状物の密度については特に限定されるものではないが、均一な加工性を得るためには0.1〜1.0g/cmの範囲が好適である。
【0039】
また、本発明のシート状物の、後述する補強層を除く部分の厚さは、0.1〜10mmであることが好ましい。この厚さを0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、シート状物の形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時の伸びによる加工ムラ、スクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、厚さを10mm以下、より好ましくは5mm以下とすることにより、研磨布の押付圧を充分に伝播させることができる。
【0040】
また、本発明のシート状物は、後述する極細繊維起毛面(研磨加工に供する側の面)の他方の面に補強層を有することも好ましい態様である。このようにすることで、シート状物の形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時の研磨布の伸びによる加工ムラやスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。
【0041】
補強層としては、織物、編物、不織布(紙を含む)、およびフィルム状物(プラスチックフィルム、や金属薄膜シートなど)等を採用することができる。
【0042】
後に詳しく説明するが、上記のような極細繊維が緻密に配列した表面を得るためには、立毛処理時、極細繊維に対して適切な砥粒のサイズと、シート状物の工程移動速度に対し適切なサンドペーパー回転速度をとることが好ましい。これにより、ポリウレタン(弾性重合体)と結合した極細繊維が効率的に掘り起こされ、極細繊維の分散した立毛を有するシート状物が得られる。
【0043】
次に、本発明のシート状物を製造する方法について説明する。
【0044】
まず、極細繊維束が絡合した繊維絡合体等の不織布を得る手段としては、極細繊維発生型繊維である海島型複合繊維を用いることである。極細繊維から直接繊維絡合体等の不織布を製造することは困難であるが、海島型複合繊維から繊維絡合体を製造し、この繊維絡合体における海島型複合繊維から極細繊維を発生させることにより、極細繊維束が絡合してなる繊維絡合体を得ることができる。
【0045】
海島型繊維には、海島型複合用口金を用い海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する海島型複合繊維や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸繊維等がある。これらの海島型繊維の中でも、高精度に制御された極細繊維が得られる点、また十分な長さの極細繊維が得られ、不織布および不織布を有してなるシート状物の強度にも資する点から、本発明においては海島型複合繊維を用いる
【0046】
海成分と島成分の比率は、海島型複合繊維に対する島繊維の質量比が0.2〜0.8であることが好ましい。質量比を0.2以上とすることにより、海成分の除去率が少なくなり、生産性が向上する。また、質量比を0.8以下とすることにより、島繊維の開繊性を向上させ、また島成分の合流を防止することができるため好ましい。
【0047】
海島型繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、およびポリ乳酸等を用いることができる。
【0048】
上記の不織布(繊維絡合体)を得る方法としては、前述のとおり、繊維ウェブをニードルパンチやウォータジェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法、および抄紙法などを採用することができる。中でも、前述のような極細繊維束の態様とする上で、ニードルパンチやウォータジェットパンチなどの処理を経る方法が好ましく用いられる。
【0049】
ニードルパンチ処理に用いられるニードルにおいて、ニードルバーブ(切りかき)の数は好ましくは1〜9本である。ニードルバーブを1本以上とすることにより効率的な繊維の絡合が可能となる。一方、ニードルバーブを9本以下とすることにより繊維損傷を抑えることができる。
【0050】
パンチング本数は、好ましくは1000〜6000本/cmである。パンチング本数を1000本/cm以上とすることにより、緻密性が得られ、高精度の仕上げを得ることができる。一方、パンチング本数を6000本/cm以下とすることにより、加工性の悪化、繊維損傷および強度低下を防ぐことができる。
【0051】
また、ウォータジェットパンチ処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。具体的には、直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力2〜60MPaで水を噴出させることが好ましい態様である。
【0052】
ニードルパンチ処理あるいはウォータジェットパンチ処理後の極細繊維発生型繊維で構成された不織布の見掛け密度は、0.15〜0.45g/cmであることが好ましい。見掛け密度を0.15g/cm以上とすることにより、形態安定性と寸法安定性が優れた不織布にでき、研磨加工時の研磨布の伸びによる加工ムラ、およびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、見掛け密度を0.45g/cm以下とすることにより、弾性重合体を付与するための十分な空間を繊維間に維持することができる。
【0053】
このようにして得られた極細繊維発生型繊維で構成された不織布は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱、またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい。また、カレンダー処理等により厚み方向に圧縮させることもできる。
【0054】
海島型複合繊維から海成分を溶解するなど、極細繊維発生型繊維から易溶解性ポリマー(海成分)を溶解除去する極細繊維発生加工は、上記の不織布に弾性重合体を付与する前、付与した後、および立毛処理の前後、のいずれのタイミングでも行うことができる。
【0055】
上記の易溶解性ポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレンなどのポリオレフィンやポリスチレン等であれば、トルエンやトリクロロエチレン等の有機溶媒が用いられる。また、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。
【0056】
また、極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の装置を用いることができる。
【0057】
また、シート状物表面の繊維分布の緻密性および均一性を得るためには、ポリウレタンを主成分とした弾性重合体は、極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布(繊維絡合体)について、極細繊維の繊維束内部には実質的に存在しないことが好ましい。繊維束内部にまで弾性重合体が存在すると、弾性重合体が各極細繊維と接着して存在することになるため、バフィング処理の際に表面繊維が引きちぎられやすく、かつ、立毛を形成し難い。
【0058】
弾性重合体が、極細繊維の繊維束内部には実質的に存在しない形態を得る方法としては、例えば、弾性重合体をジメチルホルムアミドなどの溶剤により溶液とし、
(1)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、前記弾性重合体溶液を含浸し、水もしくは有機溶媒水溶液中で凝固させた後、海島型複合繊維の海成分を、弾性重合体は溶解しない溶剤で溶解除去する方法や、
(2)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、鹸化度が好ましくは80%以上のポリビニルアルコールを付与し、繊維の周囲の大部分を保護した後、海島型複合繊維の海成分を、ポリビニルアルコールは溶解しない溶剤で溶解除去し、次いで弾性重合体の溶液を含浸し、水もしくは有機溶剤水溶液中で凝固させた後、ポリビニルアルコールを除去する方法などを好ましく用いることができる。
【0059】
前記の弾性重合体を不織布に付与する際に用いられる溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられる。また、弾性重合体としては、水中にエマルジョンとして分散させた水分散型弾性重合体を用いることもできる。
【0060】
溶媒に溶解した弾性重合体溶液に不織布を浸漬するなどして弾性重合体を繊維絡合体に付与し、その後、乾燥することによって弾性重合体を実質的に凝固し固化させる。乾燥にあたっては、不織布および弾性重合体の性能が損なわない程度の温度で加熱することができる。
【0061】
繊維絡合体に高分子弾性体の付与後、高分子弾性体付与シート状物を厚み方向に半裁、ないしは数枚に分割することは、生産効率に優れ好ましい態様である。
【0062】
本発明のシート状物は、極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシート状物の少なくとも一面に、極細繊維の立毛を有することが重要である。この立毛は一般的にはバフィング処理により得られるが、ここでいうバフィング処理とは、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて極細繊維不織布のシート表面を研削する方法などにより施すことが好ましい。とりわけ、シート表面を、サンドペーパーを使用して、起毛処理することにより均一で緻密な立毛を形成することができる。さらにシート状物の表面に前記のような均一な極細繊維の立毛を形成するためには、極細繊維と用いられるサンドペーパーの砥粒径の比率、サンドペーパー回転速度とシート速度の比率、研削量、および研削負荷を適切な範囲に制御することが好ましい。
【0063】
また、研削負荷を低減するために、起毛処理前に、極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシートを、水や薬品で湿潤状態とすることも好ましい態様である。極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシートを湿潤状態とすることにより、加工時の極細繊維不織布シートの滑り性が良くなり、融着なく極細繊維を分散させることが可能となる。上記の湿潤状態のシートは、加工性の観点から、湿潤状態のシート質量と乾燥時質量の比率(ウェットピックアップ量)が130質量%から350質量%の範囲になるように、立毛処理前に窄液することが好ましい。ウェットピックアップ量が130質量%以下だと、立毛処理時のシートの滑り性が不十分となり、単繊維の分散したシートが得られない。またバフィング処理を受ける面のみを液体で湿潤状態としても良い。この場合、液体の塗布量を少なくとも10g/m以上にすることで、融着なく起毛処理できる。これらシートを湿潤状態とする方法としては、前述のシート全体を湿潤状態とした後に窄液する手法が、斑無く緻密な表面が得られるため、より好ましい。
【0064】
バフィング処理により研削する量は、1g/m以上とすることが好ましい。研削量を1g/m以上とすることにより、極細繊維束間の弾性重合体が除去されて、シート状物の長手方向に極細繊維束が配列した表面が得られる。また、前記研削量を10g/m以上とすることにより、繊維リッチな表面となり、研磨加工時の砥粒分散性が向上する。また、研削量を120g/m以下とすることが加工性、生産性の観点から好ましい。
【0065】
本発明のシート状物を用いて研磨および/または洗浄加工を行う方法は、加工効率と安定性の観点から、シート状物のタテ方向がテープの長手方向となるように、30〜50mm幅のテープ状にシート状物をカットしたテープを研磨テープとして用いる。
【0066】
その研磨テープと遊離砥粒を含むスラリーとを用いて、アルミニウム合金磁気記録ディスクの研磨加工を行う方法が好適である。研磨条件として、スラリーは、ダイヤモンド微粒子などの高硬度砥粒を水系分散媒に分散したものが好ましく用いられる。砥粒の保持製と分散性の観点から、本発明の研磨布を構成する極細繊維に適合した砥粒径としては、0.2μm以下であることが好ましい。
【0067】
次に、実施例を用いて本発明のシート状物についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。次に、実施例と比較例で用いた評価法とその測定条件について説明する。
【0068】
(1)平均繊維径および繊維径CV値
シート状物を厚み方向にカットした断面を観察面として、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、任意の100カ所の極細繊維の繊維径を測定し、これを母集団とした標準偏差および平均値を算出する。また、繊維径が5μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維径の測定対象から除外するものとする。
【0069】
この平均値を平均繊維径とし、標準偏差を平均値で割った値を百分率(%)表示したものを繊維径CV値とした。
【0070】
(2)線密度及び線密度CV値
シート状物の立毛面を観察面として、走査型電子顕微鏡(SEM)により、シート状物の観察倍率5000倍の画像を30枚撮影する。撮影した画像より、表面にポリウレタンなどの高分子弾性体が露出し極細繊維が存在しない部分や、ニードルパンチなどにより大きな孔を形成している部分は避けて、ヨコ方向に10μmの基準線を一箇所引く。基準線と交差する鋭角が60°以上の極細繊維をタテ方向に配列した繊維とし、その本数を測定し、n数30の平均値を算出して、タテ方向に配列した繊維のヨコ方向の線密度とする。またn数30を母集団とした標準偏差値および平均値から線密度のCV値を算出する。
【0071】
(3)研磨加工
本発明のシート状物を、40mm幅のテープとした。研磨対象として、表面粗さが0.2nm以下に制御されたHOYA社製のアモルファスガラスからなる基板を用いた。基板の両面を一度に研磨すべく、テープを基板の両面にセットして、研磨布表面に1次粒子径1〜10nmの単結晶ダイヤモンド粒子が平均径50nmにクラスター化した遊離砥粒を0.01%含む研磨剤を、15ml/分で両面側に滴下し、基板へのテープの押付圧を1000g重、基板回転数を400rpm、基板揺動数を5Hz、テープ走行速度2.5cm/分として、10秒間研磨した。
【0072】
(4)洗浄加工
研磨加工直後の基板を、研磨材を洗浄剤(三洋化成株式会社製“ケミクリーン”(登録商標)PR−122)に代えて、テープの押付圧を750g重、加工時間を30秒とすること以外は、研磨加工と同じ条件で洗浄加工し、流水で洗浄した。
【0073】
(5)基板表面粗さ
JIS B0601(2013年度版)に準拠して、シュミットメジャーメントシステム社(Schmitt measurement Systems, Inc)製TMS−2000表面粗さ測定器を用いて、研磨加工後のディスク基板サンプル表面の任意の10ヶ所について平均粗さを測定し、10ヶ所の測定値を平均することにより基板表面粗さを算出した。数値が低いほど、高性能であることを示す。基盤表面粗さが0.20nm以下を加工性良好とし、0.20nmを超える場合は加工性不良とした。
【0074】
(6)スクラッチ点数
研磨加工後の基板5枚の両面、すなわち計10表面の全領域を測定対象として、Candela6100光学表面分析計を用いて、深さ3nm以上の溝をスクラッチとし、スクラッチ点数を測定し、10表面の測定値の平均値で評価した。数値が低いほど高性能であることを示す。スクラッチ点数が30以下を加工性良好とし、30を超える場合は加工性不良とした。
【0075】
[実施例1]
(原綿)
(海成分と島成分)
融点が220℃で、MFRが58.3g/10分のナイロン6を島成分とし、融点が53℃で、MFRが300g/分のアクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSt)を海成分として用いた。
【0076】
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用い、2000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率30/70、吐出量1.4g/分・ホール、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0077】
(極細繊維発生型繊維不織布)
上記の原綿を用い、カード工程とクロスラッパー工程を経て、積層繊維ウェブを形成した。次いで、トータルバーブデプス0.08mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度7mm、パンチ本数3200本/cmでニードルパンチを施し、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0078】
(シート状物)
上記の極細繊維発生型繊維不織布を85℃の温度で熱水収縮させた後、ポリビニルアルコールを繊維質量に対し54質量%付与後、乾燥させた。次に、この極細繊維発生型不織布にトリクロロエチレンを含浸させ、海成分を除去する極細繊維発生加工を施して、極細繊維で構成された不織布を得た。
【0079】
このようにして得られた不織布に、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で30質量%付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の熱水で処理し、DMFおよびポリビニルアルコールを除去した。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により、厚み方向に半裁した。半裁後のシートを、水を含むシートの質量が乾燥質量に対して200%となるように水を浸透させ窄液した後に、半裁面をJIS#320番のサンドペーパーを用いて、サンドペーパーの回転と逆方向にシートを進行させ、シート速度1m/分、2段バフィングの条件下、15g/mバフィング処理し、立毛を形成させシート状物を作製した。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が37本/10μmで、厚さが0.55mm、目付が188g/mであり、見かけ密度は0.330g/cmであった。
【0080】
得られたシート状物をシート状物のタテ方向がテープの長手方向となるように40mm幅のテープとし、研磨し洗浄加工を行ったところ、得られたディスクは、表面粗さが0.09nmで、スクラッチ点数は6であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0081】
[実施例2]
(原綿)
8000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率15/85、吐出量0.9g/分・ホール、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が2.5dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0082】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が820g/mで、見掛け密度が0.231g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0083】
(シート状物)
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が60nmであり、線密度が122本/10μmで、厚さが0.56mm、目付が182g/m、見かけ密度は0.313g/cmであった。
【0084】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.18mで、スクラッチ点数は19であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0085】
[実施例3]
(原綿)
5000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率15/85、吐出量1.1g/分・ホール、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.2dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0086】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.202g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0087】
(シート状物)
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が100nmであり、線密度が76本/10μm、厚さが0.56mm、目付が178g/m、見かけ密度は0.322g/cmであった。
【0088】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.11nmで、スクラッチ点数は12であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0089】
[実施例4]
(原綿)
島本数1000島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量1.2g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0090】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が770g/mで、見掛け密度が0.207g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0091】
(シート状物)
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が400nmであり、線密度が16本/10μm、厚さが0.56mm、目付が196g/m、見かけ密度は0.342g/cmであった。
【0092】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.16nmで、スクラッチ点数は16であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0093】
[実施例5]
(原綿)
固有粘度が1.20のポリエチレンテレフタレートを島成分としたこと以外は、実施例4と同様にして、単繊維繊度が3.1dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0094】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例4と同様にして、目付が840g/mで、見掛け密度が0.225g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0095】
(シート状物)
実施例4と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が400nmであり、線密度が19本/10μmで、厚さが0.56mm、目付が201g/m、見かけ密度は0.345g/cmであった。
【0096】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨、洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.19nmで、スクラッチ点数は22であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0097】
[実施例6]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度3.8dtex、繊維長51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0098】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0099】
(シート状物)
ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%からなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で60質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が31本/10μmで、厚さが0.56mm、目付が191g/m、見かけ密度は0.338g/cmであった。
【0100】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.17nmで、スクラッチ点数は15であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0101】
[実施例7]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0102】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0103】
(シート状物)
ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%からなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で23質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が29本/10μmで、厚さが0.56mm、目付が187g/m、見かけ密度は0.329g/cmであった。
【0104】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.18nmで、スクラッチ点数は18であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0105】
[実施例8]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0106】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0107】
(シート状物)
半裁後のシートを水に浸透させ窄液した後の質量が、乾燥質量に対して150%としたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度は24本/10μm、厚さが0.55mm、目付が175g/m、見かけ密度は0.317g/cmであった。
【0108】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.13nmで、スクラッチ点数は9であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0109】
[実施例9]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0110】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0111】
(シート状物)
半裁後のシートを水に浸透させ窄液した後の質量が、乾燥質量に対して120%としたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、一部単繊維の融着が見られた。線密度は19本/10μm、厚さが0.54mm、目付が180g/m、見かけ密度は0.323g/cmであった。
【0112】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.18nmで、スクラッチ点数は24であった。結果を表1に示す。
【0113】
[実施例10]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0114】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0115】
(シート状物)
起毛処理時の研削量を8g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が31本/10μmで、厚さが0.58mm、目付が202g/m、見かけ密度は0.331g/cmであった。
【0116】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.14nmで、スクラッチ点数は15であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0117】
参考例1
(長繊維不織布)
特開2007−100249号公報に記載の実施例1に準じて、溶融粘度310poise(240℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6(N6)(40質量%)、と重量平均分子量12万、溶融粘度720ポイズ(240℃、剪断速度121.6sec−1)、融点170℃のポリ乳酸(PLA)(光学純度99.5%以上)(60質量%)を、2軸押出混練機を用いて220℃の温度で混練して、ブレンドチップを得た。ここでPLAの重量平均分子量は、次の方法を用いて求めた。
【0118】
すなわち、試料のクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とし、これをWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)Waters2690を用いて、25℃の温度で測定し、ポリスチレン換算で求めた。測定は、各試料につき3点行い、その平均値を重量平均分子量とした。
【0119】
スパンボンド法により、上記ポリマーアロイチップを紡糸温度240℃で細孔より紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4000m/分で紡糸し、移動するネットコンベアー上に捕集し、圧着率16%のエンボスロールで、温度80℃、線圧20kg/cmの条件で熱圧着し、単繊維繊度が2.0dtexで、目付が150g/mの長繊維不織布を得た。
【0120】
(シート状物)
得られたポリマーアロイ繊維からなる長繊維不織布に油剤(SM7060EX:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を繊維質量に対し2重量%付与し、4枚積層し、バーブ数1、バーブ深さ0.06mmのニードルを用いて、ニードルパンチを5000本/cmで施すことにより、目付600g/mのポリマーアロイ繊維からなる不織布を得た。
【0121】
この不織布を液温約85℃、濃度約12%のポリビニルアルコール溶液に含浸させ、ニップロールで窄液し、ポリマーアロイ繊維質量に対して固形分で20質量%のポリビニルアルコールを付与した後、乾燥した。次に、この極細繊維発生型不織布にトリクロロエチレンを含浸させ、海成分を除去する極細繊維発生加工を施して、極細繊維で構成された不織布を得た。
【0122】
以降、実施例1と同様に極細繊維不織布へのポリウレタン付与、湿潤状態でのバフィング処理を行い、極細繊維の平均繊維径が220nmで、線密度が36本/10μm、厚さが0.95mm、目付が400g/m、見かけ密度が0.345g/cmのシート状物を得た。
【0123】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.12nmで、スクラッチ点数は15であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0124】
参考例2
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0125】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0126】
(シート状物)
半裁後のシートに50g/mの水を塗布した後にバフィング処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が29本/10μm、厚さが0.55mm、目付が186g/m、見かけ密度は0.327g/cmであった。
【0127】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.14nmで、スクラッチ点数は12であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0128】
[比較例1]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0129】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0130】
(シート状物)
立毛加工の際に、シートを乾燥状態で、JIS#320番のサンドペーパーを用いて、サンドペーパーの回転と逆方向にシートを進行させ、シート速度1m/分、2段バフィングとしたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維が融着しており、線密度は測定不可であった。また、厚さは0.56mmで、目付は181g/mであり、見かけ密度は0.328g/cmであった。
【0131】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.43nmで、スクラッチ点数は182であり、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0132】
[比較例2]
(原綿)
融点が220℃で、MFRが58.3g/10分のナイロン6と、融点53℃、MFR300g/分のアクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSt)を質量比率で3:5の割合で混合して島成分とし、島成分に用いたのと同様の共重合ポリスチレン(co−PSt)を海成分とした。島本数200島/ホールの海島型複合口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が5.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0133】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が760g/mで、見掛け密度が0.223g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0134】
(シート状物)
バフィング処理の際にシートに水を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均単繊維径が200nmであり、線密度が6本/10μm、厚さが0.55mm、目付が174g/m、見かけ密度は0.311/cmであった。
【0135】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.24nm、スクラッチ点数は45であり、表面繊維の緻密感に欠け、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0136】
[比較例3]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0137】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0138】
(シート状物)
ポリマージオールがポリエーテル系ジオール75質量%とポリエステル系ジオール25質量%からなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で100質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が13本/10μm、厚さが0.56mm、目付が191g/m、見かけ密度は0.334g/cmであった。
【0139】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.31nm、スクラッチ点数は55であり、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0140】
[比較例4]
(原綿)
島本数450島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量1.1g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0141】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が770g/mで、見掛け密度が0.216g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0142】
(シート状物)
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が600nmであり、線密度は12本/10μmであり、厚さは0.54mmであり、目付は190g/mであり、見かけ密度は0.350g/cmであった。
【0143】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.23nmであり、スクラッチ点数は33であり、繊維径が太く、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0144】
[比較例5]
(原綿)
島本数200島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量2.0g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0145】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が760g/mで、見掛け密度が0.230g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0146】
(シート状物)
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が1000nmであり、線密度8本/10μmであり、厚さが0.55mmであり、目付が164g/mであり、見かけ密度が0.340g/cmであった。
【0147】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.28nmであり、スクラッチ点数は39であり、繊維径が太く、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0148】
[比較例6]
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
【0149】
(極細繊維発生型繊維不織布)
実施例1と同様にして、目付が800g/mで、見掛け密度が0.205g/cmの極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
【0150】
(シート状物)
半裁後のシートの半裁面のバフィング処理を行わず、馬毛のブラシロールで整毛処理した以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、線密度が12本/10μm、厚さが0.60mm、目付が211g/m、見かけ密度は0.330g/cmであった。
【0151】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.27nmで、スクラッチ点数は84であり、線密度が低いため、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0152】
[比較例7]
(長繊維不織布)
実施例11と同様にして、単繊維繊度が2.0dtexで、目付が150g/mの長繊維不織布を得た。
【0153】
(シート状物)
実施例11と同様にして、目付600g/mのポリマーアロイ繊維からなる不織布を得た。
【0154】
この不織布を液温約85℃、濃度約12%のポリビニルアルコール溶液に含浸させ、ニップロールで窄液し、ポリマーアロイ繊維質量に対して固形分で20質量%のポリビニルアルコールを付与した後、乾燥した。
【0155】
次に、濃度約12%のポリエステル・ポリエーテル系のポリウレタンのDMF溶液に含浸し、ニップロールで窄液し、繊維質量に対して固形分で30質量%のポリウレタンを付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の熱水でDMFおよびポリビニルアルコールを除去した。
その後、JIS#320番のサンドペーパーを用いて、サンドペーパーの回転と逆方向にシートを進行させ、シート速度1m/分(比率:300)、2段バフィングによって、15g/mバフィング処理し、立毛を形成させシート状物を作製した。
【0156】
最後に、液流染色機(ユニエースFLR型)によって80mmのノズルを用い、浴比1/27において、80℃の温度の4%水酸化ナトリウム水溶液を用いて30分間処理した後、水洗4回行い、乾燥させ、極細繊維の平均繊維径が220nmで、線密度が9本/10μm、厚さが0.92mm、目付が395g/m、見かけ密度が0.331g/cmのシート状物を得た。
【0157】
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.22nmで、スクラッチ点数は48であり、線密度が低いため、スクラッチ点数の多いものであった。結果を表1に示す。
【0158】
【表1】