(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の斜視図、
図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は複数のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0012】
遊技機本体12は、
図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0013】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0014】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0015】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0016】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0017】
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
【0018】
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
【0019】
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、
図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネルユニット62が嵌め込まれている。
【0020】
窓パネルユニット62は、透明性を有する複数のガラスパネル62aと、それらガラスパネル62aを保持するガラスホルダ(図示略)とを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル62aの保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル62aは仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル62aの間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル62a同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル62aによって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0021】
なお、必ずしも両ガラスパネル62aをガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル62aを個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
【0022】
窓部61の周囲には、各種発光部等が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラー発光部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
【0023】
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0024】
ここで、遊技盤24の構成を
図3に基づいて説明する。
【0025】
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
【0026】
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
【0027】
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
【0028】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0029】
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0030】
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aは、閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。
【0031】
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
【0032】
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
【0033】
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネルユニット62と対向しており、さらに窓パネルユニット62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0034】
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネルユニット62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0035】
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部(図示略)と、作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための結果表示部(図示略)とが設定されている。
【0036】
ラウンド表示部では、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
【0037】
結果表示部では、各作動口33,34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、各作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。各作動口33,34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、結果表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0038】
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、各作動口33,34に対応させてそれぞれ結果表示部が設けられ、作動口33,34への入賞が発生した場合にはその対応する結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該対応する結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【0039】
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
【0040】
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
【0041】
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
【0042】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、結果表示部において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
【0043】
センターフレーム42の前面側における左上部分には、上作動口33及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
【0044】
センターフレーム42の前面側における右上部分には、下作動口34及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
【0045】
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
【0046】
センターフレーム42の下部であって、上記第3保留発光部47の前方には、ステージ部200が設けられている。ここで、ステージ部200の構成について、
図4を参照しながら説明する。なお
図4においては、遊技領域PEにおけるステージ部200以外の部材については、概ね省略して示している。
【0047】
ステージ部200の上面には、遊技球が転動可能な遊技球転動領域210が形成されている。またセンターフレーム42の左右にはそれぞれ開口部211が形成されており、この開口部211から、遊技球転動領域210に向けた誘導通路としてのワープ通路220がそれぞれ形成されている。この左右のワープ通路220には、遊技球の通過を検知可能な通過検知センサ221がそれぞれ設けられている。そのため、遊技領域PEを流下する遊技球がワープ通路220を通過すると、当該遊技球は通過検知センサ221にて検知されてから遊技球転動領域210に誘導される。遊技球転動領域210の後方には後方壁部230が形成されており、当該後方壁部230に上記の第3保留発光部47が設けられている。この後方壁部230によって、ステージ部200から図柄表示装置41側への遊技球の飛び込みが規制されている。
【0048】
遊技球転動領域210は、中央部を中心として左右対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、遊技球転動領域210には、中央部が上方に盛り上がった山部240が形成されており、その左右は下方に凹んで谷部250が形成されている。そして遊技球転動領域210の左右両端は、中央部よりも上方に位置し、上記の左右のワープ通路220が連通されている。山部240の頂部には、前後方向に延び、後方に向けて下方に傾斜した形状をなす後方誘導通路260が形成されている(
図5参照)。また、後方誘導通路260の後方において上記の後方壁部230には、遊技球が通過可能な球通路270が形成されており、この球通路270は、ステージ部200における遊技球転動領域210の下方であって上作動口33の上方に形成された排出口280へ通じている。また、左右の谷部250には、それぞれ前後方向に延び、前方に向けて下方に傾斜した形状をなす前方誘導通路290が形成されている。
【0049】
遊技球転動領域210において谷部250が形成されている領域以外の領域の前端には、上方に起立させた規制壁300が形成されている。当該規制壁300は、遊技球が前方へ移動困難(又は移動不可能)となる高さ(例えば遊技球の直径よりも低く、半径と同程度の高さ)にて形成されている。そのため、遊技球転動領域210から遊技球が前方へ移動する経路は、上記谷部250における前方誘導通路290に限定されている。換言すると、山部240における、遊技球の前方への落下が抑制されている。
【0050】
なお、規制壁300については、少なくとも山部240の前端に設けられていればよく、ワープ通路220から谷部250までの領域においては設けない構成としてもよい。このようにすることで、ステージ部200への遊技球の飛び乗りを許容し、ステージ部200への遊技球の到達経路を多様なものとすることができる。
【0051】
このような構成により、ワープ通路220を通過した遊技球は、ステージ部200に到達して遊技球転動領域210を転動する。そして、遊技球転動領域210において山部240の後方誘導通路260にて後方に誘導される遊技球は、球通路270を経て排出口280から排出される。この遊技球は上作動口33の上方(ほぼ真上)から落下するため、上作動口33に入球し易くなっている。一方、遊技球転動領域210において谷部250の前方誘導通路290にて前方に誘導される遊技球は、上作動口33の斜め上から落下するため、上記排出口280から排出される遊技球と比較すると、上作動口33に入球しにくくなっている。
【0052】
図3に示すように、センターフレーム42の上部には、後方誘導通路260を通過する遊技球及び排出口280から落下する遊技球に対して光を照射する発光手段としての発光部310が設けられている。以下、この発光部310について、
図5〜
図8を参照しながら詳細に説明する。
図5及び
図6は、発光部310とステージ部200との位置関係を説明するための説明図であり遊技盤24の縦断面図である。また
図7及び
図8は、遊技球の動きと発光部310からの光の動きとを説明するための説明図である。
【0053】
発光部310は、センターフレーム42の上側(表示画面Gを挟んでステージ部200と反対側)に、下方に向けて光を照射可能に設けられている。発光部310は、奥側に設けられた第1発光部320と、手前側に設けられた第2発光部330と、を備えている。
【0054】
ここで、第1発光部320及び第2発光部330の構成について、
図5の拡大図を参照しながら説明する。なお、第1発光部320及び第2発光部330はいずれも同じ構成であるため、第1発光部320について特に説明し、第2発光部330については相違点のみを説明する。
【0055】
第1発光部320は、遊技球の直径よりも範囲の狭い光を照射可能な発光源としての半導体レーザー素子321と、当該半導体レーザー素子321及び演出制御装置72に接続され演出制御装置72からの指示に基づいて半導体レーザー素子321の発光制御を行う発光基板322と、半導体レーザー素子321からの光を平行光に矯正する矯正手段としてのコリメータ323と、半導体レーザー素子321からの赤色光を緑色光へ波長変換する波長変換部324と、当該波長変換部324からの光の強度を把握して発光基板322へ伝達する出力制御部325と、を備えている。
【0056】
すなわち、第1発光部320は、半導体レーザー素子321からの光がコリメータ323により平行光に矯正されるため、光の拡散が抑えられ、第1発光部320からの光の照射部位(照射位置、又は照射範囲)が限定されている。また、半導体レーザー素子321からの赤色光が波長変換部324により緑色光(所謂グリーンレーザー)に変換されるため、波長変換されないものと比較すると光を見易く、そのため、同程度の見易さで比較すると光の強度(光量)を抑えることが可能となっている。さらに、出力制御部325により波長変換部324からの光の強度が発光基板322に伝達されるため、発光基板322ではその伝達された光の強度に基づいて半導体レーザー素子321における発光強度を調節する、といった所謂フィードバック制御を行うことが可能となり、波長変換後の光の強度の安定性が向上されている。
【0057】
上記のとおり、第1発光部320及び第2発光部330はセンターフレーム42の上側に設けられており、第1発光部320及び第2発光部330からの光は、いずれもガラスパネル62aへ直接照射されないように設定されている。換言すると、第1発光部320及び第2発光部330からの光の光軸が遊技盤24とガラスパネル62aとの間のみを通過するように設定されており、ガラスパネル62a側に直接光が照射されなくなっている。そのため、遊技者からは両発光部320,330の光を直接見ることが困難(又は不可能)となっている。
【0058】
より具体的には、第1発光部320からの光は、ステージ部200において遊技球転動領域210の後方誘導通路260に向けて照射される。そのため、遊技球が当該後方誘導通路260上に存在する場合には当該遊技球に第1発光部320からの光が照射され、後方誘導通路260上に遊技球が存在しない場合には後方誘導通路260の床面に照射される。第1発光部320からの光は、後方誘導通路260に存在する遊技球の手前側の面、換言するとガラスパネル62a側の面に照射される。そのため、遊技球に当たった光が反射すると、その反射光は、ガラスパネル62a側に向けて照射される。
【0059】
一方、第2発光部330からの光は、ステージ部200下方に配置される排出口280よりも下方の上作動口33に向けて照射される。第2発光部330からの光は、遊技盤24の前面よりも前方から遊技盤24に対して照射される。そのため、遊技球が排出口280から排出されて上作動口33へ向けて落下する場合には、その遊技球に対して第2発光部330からの光が照射され、当該遊技球が存在しなければ上作動口33に照射される。ここで、遊技盤24とガラスパネル62aとの距離は、遊技球1個分の直径よりも長く、遊技球2個分の直径よりも短くなるように設定されている。そのため、排出口280から排出される遊技球に対して、上記第2発光部330からの光が照射される場合、遊技球の手前側の面に照射される場合と、遊技球の奥側の面に照射される場合と、がある。第2発光部330からの光が遊技球の手前側の面、すなわちガラスパネル62a側の面に照射されると、上記第1発光部320からの光と同様に遊技球に当たった光の反射光は、ガラスパネル62a側に照射される。また、第2発光部330からの光が遊技球の奥側の面、すなわち遊技盤24側の面に照射されると、遊技球に当たった光の反射光は遊技盤24側に照射される。ここで、遊技盤24には、排出口280の下方であって上作動口33よりも上方の位置に、鏡のように高反射加工が施された反射部340が設けられており、当該反射部340によって光を反射可能となっている。そのため、上記のように遊技盤24側に照射された遊技球からの反射光は、反射部340にて反射されることでガラスパネル62a側に向けて照射される。
【0060】
このように、両発光部320,330からの光は遊技球に当たることで反射して、その反射光は直接的に又は間接的にガラスパネル62a側に照射される。これにより、遊技者は、両発光部320,330からの光を視認することが可能となる。なお、以下の説明において、いずれかの発光部320,330から発せられた直接光と区別すべく、遊技球や遊技盤24等に反射した光をいずれも反射光といい、この反射光には、1回反射した光だけでなく、複数回反射した光も含むものとする。
【0061】
遊技球の動きと反射光の動きとの関係について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0062】
既に説明したとおり、ステージ部200の後方誘導通路260に遊技球が存在する場合、第1発光部320からの光は遊技球の手前側の面に対して照射される。後方誘導通路260において最も手前側に遊技球が存在する場合、
図7(a)に示すように、第1発光部320からの光の全部が遊技球の手前側の面に照射され、その反射光はガラスパネル62a側に照射される。遊技球が奥側に移動すると、第1発光部320からの光は、
図7(b)に示すように、遊技球に対する入射角が大きくなり、その結果、ガラスパネル62a側に照射される反射光は下方に移動する。遊技球が更に奥側に移動すると、
図7(c)に示すように、第1発光部320からの光の一部は遊技球に照射されずに後方誘導通路260の床面に照射される。また、遊技球に対する入射角が更に大きくなるため、ガラスパネル62a側に照射される反射光は更に下方に移動する。また、この場合、ガラスパネル62a側に反射する光の一部は、後方誘導通路260の手前側端部に設けられた規制壁300によってガラスパネル62aへの照射が遮られる。遊技球が更に奥側に移動すると、
図7(d)に示すように、ガラスパネル62a側に照射される反射光は更に下方に移動し、また、規制壁300によってガラスパネル62aへの照射が遮られる割合が多くなる。遊技球が更に奥側に移動すると、第1発光部320からの光は遊技球に照射されなくなる。
【0063】
当該遊技球が球通路270を経て排出口280から排出され、上作動口33へ向けて落下する場合、
図8(a)に示すように、第2発光部330からの光は先ず遊技球の手前側の面に対して照射される。その結果、当該光の反射光はガラスパネル62a側に照射される。遊技球が落下すると、光の照射位置は遊技球において奥側に移動し、反射光の照射向きは上方に移動する。遊技球が更に落下して、光の照射位置が遊技球の奥側の面、換言すると遊技盤24側の面に移動すると、
図8(b)に示すように、その反射光は遊技盤24側の反射部340に照射され、そして反射部340によって更に反射されてガラスパネル62a側に照射される。
【0064】
この場合、第2発光部330からの光が遊技球のガラスパネル62a側の面に照射されている間は、遊技球が落下すればするほど(下方に移動するほど)、第2発光部330からの光の反射光は上方に移動する。そして、第2発光部330からの光が遊技球の遊技盤24側の面に照射されるようになると、遊技球が落下すればするほど(下方に移動するほど)、第2発光部330からの光の反射光は下方に移動する。このように、遊技球が排出口280から落下する際に、その遊技球からの反射光は上方に移動した後、下方への移動へ方向転換する。
【0065】
遊技球が更に落下して上作動口33に入球し、当該上作動口33の床面を構成する底部302に受けられると、
図8(c)に示すように、第2発光部330からの光の一部は反射部340を介してガラスパネル62a側に照射され、その他は上作動口33の奥側の領域に照射される。この場合、ガラスパネル62a側に照射される光は、
図8(b)の位置よりも下方に移動している。なお、この上作動口33の奥側の領域は遊技者側から視認困難となっている。つまり、当該奥側の領域に照射される光も視認困難となっている。そして遊技球が奥側に移動するほど、反射部340にて反射する反射光の照射向きは上方へと移動する。そして、
図8(d)に示すように、遊技球が底部302を更に奥側に移動すると、第2発光部330からの光は遊技球のガラスパネル62a側の面に対して照射され、その反射光がガラスパネル62a側に照射される。そして、その照射向きは、遊技球が奥側へ向かうほど下方へ移動する。
【0066】
すなわち、遊技球が下方に移動する(落下する)場合、第2発光部330からの光が遊技球のガラスパネル62a側の面に対して当たっている間はガラスパネル62a側への反射光は上方に移動し、第2発光部330からの光が遊技球の遊技盤24側の面に対して当たっている間はガラスパネル62a側への反射光は下方に移動する。一方、遊技球が奥側へ移動する場合、第2発光部330からの光が遊技球のガラスパネル62a側の面に対して当たっている間はガラスパネル62a側への反射光は上方に移動し、第2発光部330からの光が遊技球の遊技盤24側の面に当たっている間はガラスパネル62a側への反射光は下方に移動する。
【0067】
このように、遊技球が排出口280から落下してから上作動口33へ入球し、その後遊技盤24の背面側へ導出される過程で、第2発光部330からのガラスパネル62a側への反射光は、上方に移動した後下方に移動し、さらに上方に移動して下方に移動する。ここで、排出口280から落下した遊技球が上作動口33へ入球しなかった場合、当該遊技球が第2発光部330からの光の経路から外れることによって、第2発光部330からの光は途中でガラスパネル62a側には照射されなくなる。これにより、遊技者は遊技球の動作だけでなく、ガラスパネル62a側への反射光の視認性によっても上作動口33への入球を把握することができる。
【0068】
さらにこの場合、上作動口33への入球がないということは当該遊技球が奥側へ移動しないため、第2発光部330からの光は、上方に移動した後下方に移動し、そのままガラスパネル62a側へ照射されなくなる。すなわち、反射光の移動が中途で終わる(その後の上方への移動がなく、また更にその後の下方への移動がない)ことになる。このように、反射光が視認可能か否かという観点だけでなく、反射光の移動パターンによっても上作動口33への入球を把握することが可能となり、遊技球の動作とともに当該反射光への注目度を高めることが可能となる。
【0069】
以上、遊技球の動きと発光部310からの光の動きをまとめると、遊技球がステージ部200の遊技球転動領域210において後方誘導通路260へ到達すると、第1発光部320の光が当該遊技球に反射して遊技者はその光を見ることが可能となる。この場合、後方誘導通路260が遊技球転動領域210における山部240に設けられているため、遊技球転動領域210において山部240と谷部250とを遊技球が行ったり来たりすると、山部240を通過している場合のみ第1発光部320からの光(反射光)を見ることができ、その光の視認性によって、その後に球通路270側(上作動口33側)に誘導されるか否かを楽しむことが可能となる。
【0070】
そして、後方誘導通路260の傾斜により当該遊技球が奥側に誘導されると、第1発光部320からの光は下方に移動するため、遊技者は、遊技球の動きだけでなく、その光の動きによっても遊技球が球通路270へ誘導されることを把握することができる。
【0071】
ステージ部200において、遊技球転動領域210の構成について補足説明する。遊技球転動領域210の左右両端(ワープ通路220の出口)と、遊技球転動領域210の中央の山部240(より詳しくは後方誘導通路260)と、の前後方向の幅を比較すると、左右両端よりも中央の山部240のほうが狭くなるように形成されている。そして山部240において後方誘導通路260は、遊技球1個のみが前後に転動可能な程度の幅となるように形成されている。そのため、遊技球転動領域210は、第1発光部320の照射位置に対してワープ通路220からの高低差による左右方向への遊技球の誘導だけでなく、前後方向の幅が狭くなることに基づく前後方向への遊技球の誘導も行われるように形成されている。そして、後方誘導通路260の前後方向の幅が上記のように定められていることから、後方誘導通路260に到達した遊技球に対して第1発光部320の光が照射させない、といった事象を回避することが可能となっている。このように照射位置周辺の形状を定めることで、第1発光部320からの光の向きを遊技球の動作によって変更する必要が生じず、複雑な構成を用いることなく好適に光の演出を実行することが可能となる。
【0072】
球通路270を経て排出口280から遊技球が排出されると、第2発光部330からの光が当該遊技球に反射して遊技者はその光を見ることが可能となる。そして、遊技球の落下に伴い、その光は上方に移動し、その後下方に移動し、上作動口33へ入球することでその光は上方へ方向転換してその後下方へ移動する。これにより、遊技球が上作動口33に入球したことを、光の動きによって把握することができる。
【0073】
ここで、既に説明したとおり、遊技機前方から光が直接視認されることを抑制するため、両発光部320,330からの光はレーザー光が採用されており、指向性が高められている。一方、両発光部320,330からの光は遊技球の球面によって反射されるため、平面によって反射される構成と比較すると光の拡散度合いが高く照射領域が広められており、当該反射光の視認性の向上が図られている。さらに、
図5等に示すように、窓パネルユニット62の内側(遊技盤24側)のガラスパネル62aにおいて横方向の中央部分には、縦方向に延びる光拡散領域350が設けられている。両発光部320,330からの反射光は当該光拡散領域350に照射され、拡散した光が遊技者に視認される。そのため、指向性の高い両発光部320,330からの光は、遊技球の球面と、ガラスパネル62aにおける光拡散領域350と、によって拡散された状態で遊技者に視認されることになる。このようにすることで、両発光部320,330からの光の直接視認を抑制しつつも、その反射光をより見易くすることが可能となる。
【0074】
次に、両発光部320,330及びこれら発光部320,330からの光を遊技機前方から視認しにくくする構成について説明する。
【0075】
既に説明したとおり、両発光部320,330はセンターフレーム42の上部から下方に向けて光を照射可能に設けられている。そして、
図5及び
図6に示すように、センターフレーム42において両発光部320,330の前側には、下方に向けて起立させて上側規制部360が設けられている。この上側規制部360は両発光部320,330の高さよりも高く(両発光部320,330よりも下方に突出させて)形成されており、そのため、遊技機前方から見ると両発光部320,330を視認しにくくなっている。これにより、両発光部320,330から光が発せられていることを把握しにくくさせることができ、遊技球からの反射光の光源を悟られにくくすることができる。
【0076】
一方、両発光部320,330から照射された光は、遊技球に反射しなければ、それぞれの照射位置にそのまま照射される。すなわち、第1発光部320から照射された光は、遊技球が後方誘導通路260に存在しない場合には、当該後方誘導通路260の底面に照射される。この場合、
図6において拡大して示すように、後方誘導通路260において第1発光部320からの光の照射位置の部材は、光の透過性が高められた光透過部材370により形成されており、第1発光部320から照射された光は当該光透過部材370によって透過される。そして、センターフレーム42において光透過部材370の下層には、低反射加工(光吸収加工)が施された低反射部材380が設置されており、上記光透過部材370を透過した第1発光部320からの光を受けることが可能となっている。そのため、第1発光部320からの光は、照射位置である後方誘導通路260よりも下層にて受けられ、その位置(低反射部材380)によって光が吸収される。
【0077】
光透過部材370に対して照射された光は、上記のように当該光透過部材370を透過するものの、その一部は光透過部材370によって反射される。そして、後方誘導通路260の手前側に設置された規制壁300は、光透過部材370にて反射される光を受けることが可能な程度の高さに形成されており、光透過部材370からの反射光は規制壁300によって受けられる。これにより、光透過部材370からの反射光が遊技機前方から視認されることが抑制されている。
【0078】
ここで、第1発光部320は、その光の経路(光軸)が手前に向かうほど下り傾斜となるように設置されている。さらに、後方誘導通路260における第1発光部320からの照射位置371も、手前に向かうほど下り傾斜となるように形成されている。換言すると、規制壁300に向けて傾斜させており、規制壁300との角度が鋭角となっている。そのため、第1発光部320から光透過部材370への光の入射角が大きくなり、それに伴い光透過部材370からの光の反射角も大きくなる。これにより、規制壁300で受ける反射光の高さを低くすることができ、遊技球からの反射光をガラスパネル62a側へ照射可能としつつも、光透過部材370からの反射光を規制壁300にて受けることが可能となる。
【0079】
さらに、規制壁300において上記光透過部材370からの光を受ける部分は、手前に向かうほど下り傾斜となるように傾斜部301が形成されている。換言すると、第1発光部320からの光を受ける照射位置371に向けて傾斜させており、当該照射位置371との角度が鋭角となっている。そのため、この傾斜部301によって光透過部材370からの反射光が受けられる場合、その入射角が小さくなり、傾斜部301における反射角も小さくなる。そして、傾斜部301の傾斜は、傾斜部301からの反射光が光透過部材370に照射されるように設定されている。その結果、光透過部材370からの反射光は、傾斜部301によって受けられ、更にこの傾斜部301に反射して光透過部材370に照射される。光透過部材370では上記のように多くの光が透過され、その光は下層に配置された低反射部材380によって受けられる。このように、規制壁300からの反射光も遊技機前方から視認困難となるように設定されているため、後方誘導通路260に向けて光が照射されていることが悟られにくくなっている。
【0080】
さらに、光透過部材370は、後方誘導通路260において第1発光部320からの光の照射位置371の前後方向の長さが遊技球の半径よりも短くなるように設定されており、その手前側端部に規制壁300が設けられている。そのため、遊技球が当該光透過部材370における光の照射位置371側に転がろうとしても、規制壁300と衝突することで当該照射位置371上に進入することができなくなっている。このようにすることで、後方誘導通路260において遊技球が手前側に転がってしまい遊技球が規制壁300手前で停止してしまう、という事象を抑制するだけでなく、光透過部材370における照射位置371上を遊技球が転がることによる光透過部材370の表面の摩擦を防止し、光透過部材370の透過性の低下を抑制することが可能となっている。
【0081】
第2発光部330からの光が遊技球に反射しない場合は、
図6に示すように、上作動口33において遊技球を下方から受ける底部302に対して第2発光部330からの光が照射される。なお、上作動口33を構成する手前側の壁部である前側壁部303の前面には、模様等の装飾が施されており光の透過が抑制されている。底部302は奥側に向けて下り傾斜となるように形成されており、上作動口33へ入球した遊技球は奥側に誘導される。そして第2発光部330からの光の経路も、奥側に向けて下り傾斜となるように第2発光部330が設けられている。これら底部302及び第2発光部330からの光の経路の傾斜により、第2発光部330からの底部302への入射角が大きくなり、それに伴い反射角も大きくなる。その結果、第2発光部330からの光が底部302にて反射すると、当該反射光は底部302から遊技盤24の後方へ向けた遊技球の排出通路304内に向けて照射される。当該排出通路304内は、上記上作動口33の前側壁部303によって前方から視認できなくなっている。そのため、第2発光部330からの光が反射する底部302だけでなく、当該底部302からの反射光も遊技機前方から視認できない。したがって、上作動口33に向けて光が照射されていることが悟られにくくなっている。
【0082】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0083】
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
【0084】
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック16を備えており、当該裏パック16に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
【0085】
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0086】
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0087】
裏パック16には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
【0088】
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成を
図9のブロック図に基づいて説明する。
【0089】
主制御装置71に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0090】
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置71に設けられた停電監視基板605、払出制御装置77、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、遊技領域PEの一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,31b,31c,32d,33a,34c,35a,35b(以下、これらをまとめて入賞検知センサ31a〜35bという)が電気配線を介して電気的に接続されており、主制御装置71のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0091】
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置77及び演出制御装置72が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口32aへの入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0092】
演出制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。特に、遊技回用のコマンドとしての変動用コマンドには、当該各種情報として、各遊技回の遊技結果の情報及び各遊技回の変動表示時間に関する情報が含まれている。
【0093】
また、MPU602の出力側には、下作動口34に付随した電動役物34aを駆動させる電動役物駆動部34b、可変入賞装置32の開閉扉32bを駆動させる可変入賞駆動部32cが接続されている。またMPU602の出力側にはメイン表示部43と、役物用表示部44と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部32c,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
【0094】
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU602において可変入賞装置32における可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、下作動口34の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU602において役物用表示部44の表示制御が実行される。
【0095】
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
【0096】
停電監視基板605は、主制御基板601と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0097】
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0098】
演出制御装置72は、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられた各種発光部63,64やスピーカ部65を制御するものである。
【0099】
また、演出制御装置72は、主制御装置71から入力した各種コマンドや、演出制御装置72に接続された通過検知センサ221の検知結果に基づいて遊技盤24に設けられた発光部310の制御を実行する。
【0100】
演出制御装置72はMPU652が搭載された演出制御基板651を有してなり、MPU652には各種制御プログラムや固定値データを記憶したROM653、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM654が内蔵されている。
【0101】
MPU652には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU652の入力側には、主制御装置71が接続されており、主制御装置71からの各種コマンドを受信する。また、MPU652の入力側には、センターフレーム42のワープ通路220に設置された通過検知センサ221が接続されており、遊技球がワープ通路220を通過して通過検知センサ221にて検知されるとその情報を受信する。
【0102】
MPU652の出力側には、前扉枠14に設けられた各種発光部63,64やスピーカ部65が接続されているとともに表示制御装置170が接続されている。また、MPUの出力側には、遊技盤24に設けられた発光部310が接続されている。
【0103】
表示制御装置170はMPU702が搭載された表示制御基板701を有してなり、MPU702には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM703、そのプログラムROM703内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM704、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)705、画像データが格納されたキャラクタROM706、キャラクタROM706から読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAM707などが内蔵されている。
【0104】
表示制御装置170のMPU702では、演出制御装置72から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、表示制御装置170では、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0105】
ここで、図柄表示装置41の表示内容について
図10に基づいて説明する。
図10は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
【0106】
図10(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、第1表示画面G1では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図10(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0107】
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0108】
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
【0109】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0110】
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
【0111】
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
【0112】
第1保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【0113】
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
【0114】
また、第2保留表示領域Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【0115】
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
【0116】
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0117】
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図11に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の結果表示部並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0118】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ631において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア632に格納される。
【0119】
保留球格納エリア632は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ631に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
【0120】
この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア632には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【0121】
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0122】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0123】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
【0124】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【0125】
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
【0126】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0127】
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
【0128】
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
【0129】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
【0130】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0131】
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0132】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0133】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0134】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
【0135】
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0136】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルとしては、第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
【0137】
第1結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
【0138】
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0139】
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0140】
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0141】
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0142】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0143】
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0144】
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0145】
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0146】
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0147】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
【0148】
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
【0149】
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
【0150】
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
【0151】
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【0152】
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
【0153】
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
【0154】
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0155】
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
【0156】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【0157】
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0158】
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
【0159】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0160】
図10の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0161】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0162】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の結果表示部における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、定期的に実行される通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0163】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
【0164】
既に説明したように、MPU602では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、結果表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、結果表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
【0165】
<発光部310の制御>
次に、演出制御装置72のMPU652にて実行される発光部310の制御に関する処理について説明する。発光部310の制御に関する制御としては、大別して、発光部310を発光させることが可能な状態(発光許可状態)の設定に関する発光許可制御処理と、発光部310のON/OFF制御に関する発光制御処理と、が設けられている。これらの処理は、予め定められた周期(例えば2msec)にて起動される。
【0166】
先ず、発光許可制御処理について、
図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0167】
発光許可制御処理では、先ずステップS101にて、遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する。主制御装置71では、遊技回の開始と終了に際して当否判定の結果や遊技回の変動表示時間(変動表示期間)などの情報を含むコマンドを演出制御装置72側へ出力するよう設定されており、演出制御装置72では、これらのコマンドに基づいて遊技回用の演出を図柄表示装置41等により実行する。ステップS101では、これらコマンドに基づいて遊技回の終了タイミングか否かを判定する。遊技回の終了タイミングではない場合には、そのまま発光許可制御処理を終了する。すなわち、発光許可状態の設定及び解除は遊技回の終了タイミングにおいて実行され、遊技回の最中には行われない。
【0168】
遊技回の終了タイミングである場合には、ステップS102に進む。ステップS102では、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果であったか否かを判定する。この遊技結果も、主制御装置71側から受信するコマンドに基づいて判定可能となっている。非明示2R確変大当たり結果であった場合には、ステップS103に進み、発光許可状態に設定する。具体的には、RAM654に発光許可状態を示す発光許可フラグを格納する処理を実行する。これにより、MPU652は発光許可状態であることを把握可能となる。
【0169】
続くステップS104では、RAM654に設けられた遊技回数カウンタYに「50」を入力する処理を実行する。遊技回数カウンタYは、発光許可状態において実行された遊技回の回数をMPU652が把握するためのカウンタである。ステップS104の処理を実行した後は、発光許可制御処理を終了する。
【0170】
ステップS102にて非明示2R確変大当たり結果ではない場合、ステップS105に進む。ステップS105では、今回の遊技回の遊技結果が特別外れ結果であったか否かを判定する。この判定も上記ステップS102と同様に、主制御装置71側からのコマンドに基づいて判定可能となっている。特別外れ結果であった場合には、ステップS106に進み、RAM654に発光許可フラグを格納することにより発光許可状態に設定する。そして、ステップS107にて、遊技回数カウンタYに「25」を入力する処理を実行してから、発光許可制御処理を終了する。
【0171】
ステップS105にて特別外れ結果ではない場合には、ステップS108に進む。ステップS108では、その他の大当たり結果であるか否か、すなわち、15R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のうちのいずれかであったか否かを判定する。これらのうちのいずれかの結果であった場合、ステップS109に進み、遊技回数カウンタYを「0」にクリアする。そしてステップS110にて、RAM654の発光許可フラグをクリアすることにより発光許可状態の解除を行う。続くステップS111では、発光部310の消灯(OFF)処理を実行する。この処理では、発光部310における第1発光部320及び第2発光部330の発光基板322,332への信号を、ON信号(例えばHI信号)からOFF信号(例えばHI信号と異なるLOW信号)に切換制御し、両発光部320,330における半導体レーザー素子321,331の発光を停止する。なお、既に発光部310が消灯されている場合には、ステップS111ではその状態を維持する。ステップS111の後は、発光許可制御処理を終了する。
【0172】
ステップS108にてその他の大当たり結果ではない場合、すなわち、今回の遊技回の遊技結果が通常外れ結果であった場合には、ステップS112に進む。ステップS112では、RAM654の発光許可フラグを確認することにより発光許可状態であるか否かを判定する。発光許可状態ではない場合には、そのまま発光許可制御処理を終了する。発光許可状態である場合には、ステップS113にて、遊技回数カウンタYを1減算して更新する処理を実行する。そして、続くステップS114にて、ステップS113の処理結果に基づいて、遊技回数カウンタYが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、そのまま発光許可制御処理を終了する。「0」である場合には、ステップS110側に進み、発光許可状態の解除(ステップS110)及び発光部310の消灯処理(ステップS111)を行ってから、発光許可制御処理を終了する。
【0173】
次に、発光制御処理について、
図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0174】
ステップS201では、デモ表示中であるか否かを判定する。デモ表示とは、予め定められた開始待ち期間が経過している場合に、図柄表示装置41の表示画面Gにて表示される開始待ち演出のことをいう。デモ表示では、メーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示されるが、これに限定されることはなく任意に変更できる。但し、デモ表示では、表示画面Gからの光の強度が予め定められた所定値よりも低い強度で表示を行うように設定されており、そのため、デモ表示を行うことにより開始待ち時の電力消費量の抑制が図られている。
【0175】
デモ表示中ではない場合は、ステップS202に進む。ステップS202では、特定演出中であるか否かを判定する。特定演出とは、遊技回や開閉実行モードにおける演出の一種として設定されている演出であり、表示画面Gからの光の強度が予め定められた所定値よりも低い強度で行う演出である。例えば、表示画面Gが消灯する演出などが特定演出に相当する。
【0176】
特定演出中ではない場合は、ステップS203に進む。ステップS203では、RAM654の発光許可フラグを確認することにより発光許可状態に設定されているか否かを判定する。発光許可状態に設定されていない場合には、そのまま発光制御処理を終了する。
【0177】
ステップS203にて発光許可状態に設定されている場合には、ステップS204にて、ワープ通路220に設けられた通過検知センサ221が遊技球の通過を検知したか否かを判定する。遊技球の通過を検知した場合、すなわち、遊技球がワープ通路220からステージ部200へ誘導され、その後、後方誘導通路260に到達する可能性がある場合には、ステップS205にて、発光部310の発光(ON)制御を実行する。この処理では、発光部310における第1発光部320及び第2発光部330の発光基板322,332への信号を、OFF信号(例えばLOW信号)からON信号(例えばLOW信号と異なるHI信号)に切換制御し、両発光部320,330における半導体レーザー素子321,331の発光を開始する。なお、既に発光部310が発光されている場合には、ステップS205ではその状態を維持する。
【0178】
そしてステップS206では、RAM654に設けられたタイマカウンタTに「2500」を入力する処理を実行する。当該タイマカウンタTは、MPU652が発光部310の発光を行う期間を把握するためのカウンタであり、発光制御処理が起動されるたび(2msec毎)に1減算されて更新される。すなわち、ステップS206にて入力する数値は、5secに相当する。
【0179】
ステップS204にて通過検知センサ221にて遊技球の通過を検知していない場合、又はステップS206の処理を実行した後は、ステップS207に進む。ステップS207では、上記のタイマカウンタTが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS208にて、発光部310の消灯制御を実行する。この処理は、上記ステップS110の処理と同様である。ステップS207にてタイマカウンタTが「0」ではない場合、又はステップS208の処理を実行した後は、発光制御処理を終了する。
【0180】
一方、ステップS201にてデモ表示中である場合、又はステップS202にて特定演出中である場合は、ステップS209に進む。ステップS209では、発光部310が発光しているか否かを判定する。発光してない場合には、そのまま発光制御処理を終了する。発光している場合、すなわち、デモ表示中や特定演出中であるにもかかわらず、発光部310の発光が行われている場合には、ステップS210にて発光部310の消灯制御を実行する。この処理は、上記ステップS110やステップS208の処理と同様である。そして、ステップS211にて、タイマカウンタTを「0」にクリアしてから、発光制御処理を終了する。
【0181】
このように、本実施形態では、遊技球がワープ通路220を通過してから予め定められた所定期間(5sec)に亘って発光部310から光が発せられる。換言すると、遊技球がワープ通路220を通過するまで、及び通過後所定期間が経過した後は、発光部310からは光が発せられない。そのため、常時、発光部310から光が発せられている構成と比較して、遊技球に反射した反射光が発光部310からの光であることを悟られにくくすることができる。
【0182】
さらに、発光部310からの光が照射される照射位置においては、光による温度上昇が考えられる。特に、本実施形態のように光の指向性が高められたレーザー光においてはその温度上昇が顕著になり得る。そこで、発光部310から常時光が発せられる構成ではなく、上記のように遊技球が到達する付近だけ発光する構成とすることで、照射位置の温度上昇による部品の劣化を抑制することが可能となる。
【0183】
なお、当該照射位置における温度変化を抑制する手段として、例えば、当該照射位置の部品を温度変化による劣化が抑制された部材により形成したり、冷却ファンを取り付けたりする手段を適用又は併用してもよい。
【0184】
また、発光部310の発光が行われる発光許可状態には、非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となった遊技回において設定される。既に説明したとおり、非明示2R確変大当たり結果と特別外れ結果とでは、その後の当否抽選モードは、非明示2R確変大当たり結果の場合には高確率モードへ移行するものの、特別外れ結果ではそれまでの当否抽選モードが引き継がれる。一方、図柄表示装置41における遊技回の演出(停止結果等)は同じ演出が行われ、開閉実行モードの開閉制御の態様も同じものが採用される。さらに、サポートモードの高低も変更がなされない。そのため、遊技者からは、当該遊技結果が非明示2R確変大当たり結果であったか、それとも特別外れ結果であったかを、把握することが困難となっている。そこで本実施形態では、非明示2R確変大当たり結果の場合には発光許可状態が継続される遊技回の回数を「50」とし、特別外れ結果の場合には「25」として、発光許可状態が継続される遊技回数に差を設け、遊技結果の予測を遊技球からの反射光(発光部310からの光)に基づいて行わせる、という斬新な遊技としている。これにより、遊技への注目度を好適に高めることが可能となっている。
【0185】
この場合、非明示2R確変大当たり結果に基づいて移行される高確率モードは、遊技者にとって有利な状態(特典)であるため、上記の反射光の演出は、その有利な状態(特典)であることを示唆する示唆演出ということもできる。また、この高確率モードは次に大当たり結果となるまで継続されるものであり、この示唆演出は高確率モードに移行してから(非明示2R確変大当たり結果となってから)設定された回数の遊技回が消化されるまで継続して行われる演出である。遊技者にとって有利な状態である(若しくはその可能性がある)場合には、遊技者は遊技へ高い関心を寄せていることが想定され、そのような状態において示唆演出を行うことで、当該示唆演出に対する注目度を好適に高めることができる。
【0186】
特に、このような示唆演出を、図柄表示装置41ではなく、第1発光部320及び第2発光部330の発光によって行うため、表示画面Gによる演出と比較して処理負荷の増加を抑制するとともに、遊技球の挙動と示唆演出とを連携させ、注目度の向上を図ることが可能となる。
【0187】
また、一般的な図柄表示装置41による演出では、遊技球の発射の有無や遊技球の発射態様の如何によらず行われる一方で、第1発光部320及び第2発光部330からの光の反射光は、遊技球を発射させ、更に後方誘導通路260に遊技球が到達すること及び排出口280から遊技球が排出されることで視認することが可能となる。すなわち、第1発光部320及び第2発光部330からの反射光による演出は、遊技球を発射させていることと、その発射態様が所定の発射態様であることと、を条件に把握可能な演出といえる。そのため、単に、遊技機側から一方的に演出が行われる構成と比較して、遊技者の遊技への積極参加を促すことが可能となり、遊技への注目度向上に寄与することができる。
【0188】
更に、このような示唆演出を図柄表示装置41で行う構成と比較すると、処理負荷の極端な増加を抑制することができる。また、このように遊技球の動作を演出に利用する構成とすることで、遊技球を流下させて所定の入球部へ入球させるという遊技機本来の遊技を存分に楽しませることが可能となる。特に、近年、表示画面G等の役物の大型化に伴い遊技球が流下する領域が狭くなる傾向があり、そのため、遊技球の動作が単調化して当該遊技球の動作を存分に楽しませることができない、といった課題が生じている。かといって、遊技球の動きを多様なものとするにも限度がある。そこで、遊技球の動作と発光部310の発光とを本発明のように融合させることで、限られた遊技領域PEを流下する遊技球の動作への注目度を好適に高めることが可能となる。
【0189】
なお、非明示2R確変大当たり結果と特別外れ結果とで、発光許可状態が継続する遊技回の回数は上記の回数に限定されず、各遊技結果で遊技回の継続回数に差が設けられていれば任意である。また、特別外れ結果のほうが非明示2R確変大当たり結果よりも多い回数が選択される構成としてもよい。さらに、抽選によって遊技回数を選択する構成としてもよく、この場合、各遊技結果においてその抽選の平均値や中央値に差が設けられていればよい。
【0190】
さらに、デモ表示や特定演出といった表示画面Gからの光の強度が予め定められた所定値よりも低い強度となる状況では、発光許可状態に設定されていても発光部310の発光を行わない構成としたことにより、発光部310からの光の経路が表示画面Gの前方で視認可能となる事象を抑制することができる。換言すると、表示画面Gからの光の強度が予め定められた所定値以上である状況で、発光部310の発光を行うことで、表示画面Gの前方において発光部310からの光の経路を視認しにくくすることができ、発光部310が発光していることを悟られにくくすることが可能となる。
【0191】
そして、このような構成を、上作動口33よりも下作動口34へ入賞したほうが遊技者にとって有利となる遊技機に適用することで、注目度の低下しがちな通常遊技状態における上作動口33への入球にも注目させることが可能となる。これにより、上記のような入賞に基づく有利度の差を持たせて遊技性のメリハリを有しつつも、全体的な注目度の向上を図ることができる。
【0192】
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0193】
発光手段としての発光部310(第1発光部320及び第2発光部330)を設け、第1発光部320からの光がステージ部200における後方誘導通路260に照射され、第2発光部330からの光が上作動口33に照射されるとともに、当該後方誘導通路260や上作動口33への光の経路上に遊技球が存在する場合にはその遊技球にて反射した光がガラスパネル62a側に照射される構成とした。このようにすることで、発光部310からの光は遊技球に反射することで遊技者に視認可能となり、あたかも遊技球自体が発光しているかのように見せることができる。
【0194】
両発光部320,330を、レーザー光を照射可能に構成したため、両発光部320,330からの光の指向性が高まり、両発光部320,330からの光が遊技球に反射しない場合に、遊技機前方側へ照射されることを抑制することができる。これにより、両発光部320,330から光が照射されているということを遊技者に悟られにくくすることができ、遊技球からの反射光を遊技球自身の発光によるものと思わせる効果を高めることが可能となる。
【0195】
両発光部320,330を上側規制部360によって、遊技機前方から視認困難とした。これにより、遊技球から反射光が照射されてもその発光源を悟られにくくすることができる。
【0196】
第1発光部320からの光を受ける位置を、規制壁300によって遊技機前方から視認困難とした。これにより、第1発光部320から光が発せられていることを悟られにくくすることができ、遊技球から反射光が照射された場合の意外性を高めることができる。
【0197】
第1発光部320からの光を受ける位置に、光透過性を有する光透過部材370を配置した。これにより、第1発光部320からの光が反射を抑制し、その反射光の遊技機前方からの視認性を低下させることができる。
【0198】
光透過部材370からの反射光を、規制壁300によって受けることが可能なように、規制壁300の高さ、第1発光部320からの光の向き、光透過部材370の傾斜を設定した。具体的には、第1発光部320からの光の経路が、手前に向かうほど下り傾斜に、すなわち規制壁300側に傾く(規制壁300との角度が鋭角となる)ように設定した。また、光透過部材370において第1発光部320からの光を受ける照射位置371を手前に行くほど下り傾斜に、すなわち規制壁300側に傾けて(照射位置371との角度が鋭角となるように)設けた。さらに、規制壁300において光透過部材370からの反射光を受ける部位(傾斜部301)を手前に向かうほど下り傾斜に、すなわち光透過部材370側に傾けて設けた。そして、規制壁300を遊技球の直径よりも低くなる高さ、より具体的には、規制壁300を遊技球の半径程度の高さで形成した。これらにより、光透過部材370において第1発光部320からの光が反射してもその反射光を遊技機前方から視認することが困難となり、第1発光部320から光が発せられていることを悟られにくくする効果を高めることができる。
【0199】
後方誘導通路260において、第1発光部320からの光の照射位置371の前後方向の長さを遊技球の半径よりも短くなるように設定した。これにより、遊技球が第1発光部320からの光の照射位置371側へ移動できず、後方誘導通路260において手前側に遊技球が停留してしまうことを抑制するだけでなく、光透過部材370と遊技球との摩擦による光の照射位置371の光透過性の劣化を抑制することが可能となる。
【0200】
両発光部320,330からの光は、遊技球の直径よりも短い範囲に照射される。したがって、遊技球が当該照射される位置を通過すると、遊技球の位置によって照射光の入射角が変化して、反射光の向きも変化する。これにより、遊技球の動きと、反射光の動きと、を連動させることが可能となり、これら遊技球や光に対する注目度を高めることができる。
【0201】
遊技球が前後に移動したり、遊技球が上下に移動すると、発光部310からに光が遊技球に反射する反射光は上下に移動する。このように、遊技球の動作方向と反射光の動作方向とを関連付け、両者に対する注目度を高めることができる。
【0202】
遊技球が発光部310からの光を受けつつ移動する区間に、発光部310からの光が遊技球におけるガラスパネル62a側の面に当たる場合と遊技盤24側の面に当たる場合とが連続して発生する連続区間(例えば排出口280から上作動口33への区間や、上作動口33における底部302にて受けられてから排出通路304側へ誘導される区間)を設けた。そして遊技盤24側の面に当たった場合には、その反射光を反射部340にて反射させてガラスパネル62a側へ照射させる構成とした。これにより、この連続区間においては、ガラスパネル62a側への照射光の移動が上方から下方、下方から上方へと切り換わり、当該ガラスパネル62a側への照射光の動作を多様なものとすることができる。よって、遊技球の動作だけでなく、光(照射光)の動作に対する注目度を高めることが可能となる。
【0203】
両発光部320,330からの光が表示画面Gの前方を通過する構成としたため、後方の表示画面Gからの光によって両発光部320,330から照射位置までの経路における光が前方から見えにくくなり、両発光部320,330から光が発せられていることを悟られにくくすることができる。
【0204】
<第2の実施形態>
本実施形態では、発光部310が設けられている位置が上記第1の実施形態と異なっている。以下、
図14及び
図15を参照しながら本実施形態における遊技盤24の構成を詳細に説明する。
【0205】
本実施形態の遊技盤24では、可変入賞装置32とは別に、第2可変入賞装置85がセンターフレーム42の右下に配置されている。
【0206】
第2可変入賞装置85は、可変入賞装置32と同様に、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口85aと、当該大入賞口85aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉85bとを備えている。開閉扉85bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉85bは、遊技盤24の背面側に設けられた可変入球駆動部85c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉85bは閉状態のまま維持され、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく当否抽選において所定の結果となった場合に開放モードに切り替えられるようになっている。
【0207】
ここで、本実施形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく当否抽選の結果として、第1の実施形態にて説明した大当たり結果、特別外れ結果及び通常外れ結果の他に、上記の所定の結果として特別当たり結果が設けられている。なお、特別当たり結果は、当否抽選において、例えば大当たり結果よりも当選確率が高い100分の1の確率で当選するように設定されている。遊技結果が特別当たり結果の場合には、図柄表示装置41にて特別当たり結果用の図柄の組合せが停止表示されるとともに、所定期間(約15sec)が経過するまで開閉扉85bが開放されるように設定されている。
【0208】
第2可変入賞装置85について詳細には、第2可変入賞装置85には、大入賞口85aから流入した遊技球を後述する回収通路へと案内する案内通路92が設けられている。案内通路92は、当該案内通路92における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されており、その途中位置にて2股に分岐している。つまり、案内通路92は、分岐位置の上流側に位置する1条の上流側通路92aと、同分岐位置の下流側に位置する2条の下流側通路92b,92cとを有している。
【0209】
上流側通路92aの途中位置には検知センサ95aが設けられており、第2可変入賞装置85へ流入した遊技球が同検知センサ95aによって検知される。詳しくは、検知センサ95aは、上流側通路92aに設けられた検知領域DE0を遊技球が通過することで入球を検知する。検知センサ95aは主制御装置71に対して電気的に接続されており、当該検知センサ95aから出力される検知情報に基づいて第2可変入賞装置85(詳しくは大入賞口85a)への入球の有無が判定される。検知センサ95aからの検知情報は、主制御装置71を介して演出制御装置72に出力される。演出制御装置72側の処理については、後に詳細に説明する。
【0210】
上流側通路92aにおいて出口部分を含んだ下流側の一部は上下方向に延びており、同出口部分が下方に開放されている。上流側通路92aの下流側への延長上には一方の下流側通路92b(以下便宜上、第1下流側通路92bと称する)の入口部分が位置しており、同入口部分は上流側通路92aの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の下流側通路92c(以下便宜上、第2下流側通路92cと称する)の入口部分は、上流側通路92aの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向に開放されている。このため、上流側通路92aに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路92bへと流入し、第2下流側通路92cへの流入が回避されることとなる。
【0211】
また、上記分岐位置には、上流側通路92aから流出した遊技球を第2下流側通路92cへと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材93が設けられている。切替部材93は、非誘導状態においては案内通路92(詳しくは第1下流側通路92bの入口部分)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同入口部分を覆い当該入口部分への遊技球の流入を不可とする位置へと突出する(
図15の2点鎖線参照)。
【0212】
より具体的には、切替部材93には、誘導状態において上流側通路92aの延長上に位置し、第2下流側通路92cの入口部分へ向けてと下り傾斜する誘導傾斜面93aが形成されている。このため誘導状態においては、上流側通路92aから流出した遊技球は、誘導傾斜面93aに衝突し、同誘導傾斜面93aに沿って移動することで第2下流側通路92cへと導かれることとなる。
【0213】
また、第2可変入賞装置85には、切替部材93の他に、同切替部材93を案内通路92への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材(図示略)と、同付勢部材の付勢力に抗して切替部材93を突出位置へと移動させるソレノイド式の駆動部94とが設けられている。駆動部94は、主制御装置71に対して電気的に接続されており、同主制御装置71から出力される信号に基づいて駆動する。
【0214】
本実施形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材93が非誘導状態にて保持され、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく抽選にていて特別当たり結果が発生した場合に、上記のとおり所定期間(約15sec)が経過するまで開閉扉85bが開放されるとともに、所定頻度(例えば0.5secの誘導状態と2.5secの非誘導状態と繰り返しを5回行う)で駆動部94が駆動することで同切替部材93が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が所定頻度で許容されることとなる。
【0215】
第1下流側通路92bの途中位置には検知領域DE1が設けられており、当該第1下流側通路92bへと流入した遊技球が当該検知領域DE1を通過した場合に同遊技球が検知センサ95bによって検知される。また、第2下流側通路92cの途中位置には検知領域DE2が設けられており、当該第2下流側通路92cへと流入した遊技球が当該検知領域DE2を通過した場合に同遊技球が検知センサ95cによって検知される。それら検知センサ95b,95cは、主制御装置71に対して電気的に接続されており、当該検知センサ95b,95cから出力される検知情報に基づいて第1下流側通路92b及び第2下流側通路92cへの入球の有無が判定される。上述の如く、検知センサ95a〜95cを採用することにより、第2可変入賞装置85へ流入した遊技球が案内通路92内にて残存しているか否かを監視可能となっている。
【0216】
開放モードにおいては、検知センサ95bからの検知情報に基づいて有利入球部としての第2下流側通路92cへの入球が発生したと主制御装置71にて判定した場合には、可変入賞装置32が15Rの高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する。
【0217】
また、第2可変入賞装置85においては、案内通路92内を流下する遊技球を遊技機前方から視認可能となるように当該案内通路92を構成する通路壁面部の一部が無色透明な合成樹脂材料を用いて形成されている。これにより、上述した遊技球の流入先の振分に基づく抽選の様子や残存球等の発生の有無を目視にて確認可能となっている。
【0218】
本実施形態における発光部である第3発光部400は、案内通路92の上壁において第2下流側通路92cよりも上方の位置に設けられている。第3発光部400は、上記第1の実施形態における第1発光部320及び第2発光部330と同様の構成であり、レーザー光を照射可能となっている。そして第3発光部400は、遊技機前方側には直接光を照射せず、第2下流側通路92cを流下する遊技球の前側の球面に対して光を照射するように配置されている(
図15の1点鎖線参照)。そのため、遊技球が第2下流側通路92cを通過して第3発光部400からの光が当該遊技球に反射すると、その反射光は遊技機前方側に照射されることになる。
【0219】
次に、本実施形態における発光制御処理について、
図16のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、発行制御処理は、演出制御装置72のMPU652において所定頻度(2msec毎)に実行される処理である。なお、本実施形態では、発光許可状態の設定は行わない。そのため、発光許可制御処理は実行しない。
【0220】
先ずステップS301では、検知センサ95aからの検知情報に基づいて案内通路92内に遊技球が流入したか否か、すなわち第2可変入賞装置85への入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生している場合には、続くステップS302にて、切替部材93を誘導状態に切り替えるタイミングか否かを判定する。上記のとおり、開放モードにおいて切替部材93は所定頻度で誘導状態に切り替えられる。MPU652は、開放モードにおいてRAM654に設けられた開放モード用のタイマカウンタを用いて上記の切替タイミングを把握可能となっている。切替タイミングである場合には、ステップS303にて第3発光部400の発光制御を実行する。この処理は、第1の実施形態におけるステップS205の処理と同様である。そして、ステップS304にてタイマカウンタTに「500」を入力する。既に説明したとおり、タイマカウンタTは所定周期(2msec毎)に1ずつ減算されるカウンタであり、ステップS304にて入力する数値は、1secの期間に相当する。そして、この期間は、案内通路92へ遊技球が入球してから第2下流側通路92cへ遊技球が流入するまでに要するのに十分な期間であって、更に、切替部材93が非誘導状態である期間(2.5sec)よりも短い期間として設定されている。
【0221】
ステップS301若しくはステップS302にて否定判定した場合、又はステップS304の処理を実行した後は、ステップS305に進む。ステップS305では、タイマカウンタTが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、続くステップS306にて第3発光部400の消灯制御を実行する。この処理は、上記第1の実施形態におけるステップS111等と同様である。ステップS305にてタイマカウンタTが「0」ではない場合、又はステップS306の処理を実行した後は、発光制御処理を終了する。
【0222】
以上のとおり、本実施形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく当否抽選において特別当たり結果となると、第2可変入賞装置85が所定期間に亘って開放状態となる開放モードに移行する。開放モードでは、切替部材93が所定頻度で誘導状態に切り替えられ、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が許容される。そして、第2下流側通路92cへ遊技球が流入すると、可変入賞装置32が15Rの高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへ移行する。そのため遊技者は、当否抽選において特別当たり結果となると、遊技球の発射態様を第2可変入賞装置85に入賞可能な態様(右打ち)に変更するとともに、遊技球が第2可変入賞装置85へ入賞すること、及び入賞後に第2下流側通路92cへ流入することに期待して遊技を行う。
【0223】
そして、遊技球が第2下流側通路92cへ流入すると、第3発光部400からの光が当該遊技球に反射して、その反射光が遊技機前方から視認可能となる。これにより、第2下流側通路92cへ流入したことを遊技者は容易に把握することが可能となる。
【0224】
特に、上記のとおり案内通路92を構成する通路壁面部の一部が無色透明な合成樹脂材料を用いて形成しているとはいえ、通路壁を介さずに視認可能な遊技球と比較するとその視認性は低下し得る。かといって、通路壁を介さない構成とすると、案内通路92における遊技球の流下経路の限定が比較的困難となり得る。そこで、上記のように案内通路92において通路壁を設けて遊技球の流下経路を限定しつつも、第3発光部400からの反射光を視認可能とすることで、第2下流側通路92cへ遊技球が流入することを好適に把握させることが可能となる。
【0225】
また、第3発光部400を常時発光とせず、遊技球が案内通路92に流入したことが検知された場合に発光する構成としたため、第3発光部400から光が発せられていることを遊技者に悟られにくくすることができ、更に、常時発光と比較して第3発光部400からの照射位置の温度上昇が抑制されるため、当該照射位置の部材の劣化を抑制することができる。
【0226】
さらに、遊技球が案内通路92に流入した場合であっても第2下流側通路92cへ流入しにくい状況、すなわち切替部材93の誘導状態への切替タイミングではない場合には第3発光部400の発光制御を行わない構成としたため、第3発光部400が発光している期間を短くすることができ、第3発光部400から光が発せられていることを更に悟られにくくすることができる。そして、仮に第3発光部400からの光が、遊技球に反射せずにぼんやりと遊技機前方から視認されたとしても、そのタイミングは第2下流側通路92cへ流入しやすいタイミングであるため、そのタイミングで遊技者に第2下流側通路92cを注視させること、すなわち、第2下流側通路92cへ遊技球が流入することを好適に把握させることが可能となる。
【0227】
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態において、当否判定における遊技結果の種類と、発光許可フラグが設定される遊技結果と、第1発光部の構成と、が異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する内容について説明する。
【0228】
本実施形態では、開閉実行モード後に回数制限のある高頻度サポートモードに設定される通常大当たり結果が複数種類設定されている。具体的には
図17(a)に示すように、その開閉実行モード後に設定される高頻度サポートモードの遊技回回数を相違させて、通常大当たり結果Aと通常大当たり結果Bとが設定されている。通常大当たり結果Aの場合には15Rの開閉実行モード後に25回の高頻度サポートモードに設定され、通常大当たり結果Bの場合には15Rの開閉実行モード後に50回の高頻度サポートモードに設定される。
【0229】
なお、本実施形態では、上作動口33への入賞に基づく当否抽選と、下作動口34への入賞に基づく当否抽選と、でいずれの当否抽選においても通常大当たり結果A及びBのいずれにも当選可能なように、第1結果表示部用の振分テーブルと、第2結果表示部用の振分テーブルとが設定されている。但し、いずれかの作動口への入賞に基づいてのみ両方の通常大当たり結果A,Bに当選可能なように設定してもよいし、いずれかの作動口への入賞に基づいて一方の通常大当たり結果に当選可能とし他方の作動口への入賞に基づいて他方の通常大当たり結果に当選可能としてもよい。
【0230】
通常大当たり結果Aと通常大当たり結果Bとのいずれの遊技結果となる場合であっても、図柄表示装置41における遊技回の演出は同じ演出が行われ、非特定図柄の組合せが表示されて大当たり結果が報知されるように設定されている。また、開閉実行モード中の演出も同じ演出が行われるように設定されている。そして、開閉実行モード後の高頻度サポートモードにおいても、同じ演出が行われるように設定されている。すなわち、遊技者は、図柄表示装置41による演出によっては、いずれの通常大当たり結果A,Bであったか、いずれの回数の高頻度サポートモードに設定されるかを、把握することができなくなっている。
【0231】
なお、メイン表示部43では、通常大当たり結果Aと通常大当たり結果Bとが区別可能な態様で報知される。そのため、遊技ホールの管理者等は、いずれの通常大当たり結果A,Bであるか、いずれの回数の高頻度サポートモードに設定されるか、を把握することができる。
【0232】
次に、本実施形態における第1発光部320の構成について、
図17(b)を参照しながら説明する。
【0233】
本実施形態における第1発光部320は、上記第1の実施形態と同様に、半導体レーザー素子321aと、発光基板322と、コリメータ323aと、波長変換部324aと、出力制御部325aと、を備えており、これらにより緑色光のレーザー光を照射可能となっている。さらに本実施形態では、発光基板322により発光制御される半導体レーザー素子321bと、当該半導体レーザー素子321bからの光を平行光に矯正するコリメータ323bと、コリメータ323bを介した光の強度を発光基板322に伝達する出力制御部325bと、を備えている。すなわち、波長変換部を有さない発光部のセットを備えており、これらにより赤色光のレーザー光を照射可能となっている。すなわち、本実施形態における第1発光部320では、緑色光と赤色光とのレーザー光を照射可能となっている。
【0234】
本実施形態では、いずれかの通常大当たり結果A,Bとなることで発光許可状態に設定され、遊技回数が所定回数に至ることで同発光許可状態が解除される。以下、本実施形態における発光許可制御処理について、
図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0235】
本実施形態では、ステップS401で遊技回の終了タイミングである場合にはステップS402に進み、通常大当たり結果Aであるか否かを判定する。通常大当たり結果Aである場合には、続くステップS403にて、発光許可フラグをセットすることで発光許可状態に設定する。そしてステップS404にて、発光許可状態が継続する遊技回の回数の設定として、遊技回数カウンタYに「25」を入力する処理を実行する。
【0236】
続くステップS405では、ROM653に設けられた発光頻度テーブル記憶エリアから通常大当たり結果Aに対応する発光頻度テーブルAを読み出して、RAM654に設けられた発光頻度テーブル設定エリアに設定する処理を実行する。発光頻度テーブルとは、発光許可状態に設定されている状況において、通過検知センサ221にて遊技球の通過が検知された場合に第1発光部320の発光を行うか否かを決定するために用いられるテーブルである。発光頻度テーブル記憶エリアには、本実施形態において発光許可状態に設定される通常大当たり結果Aと通常大当たり結果Bとに対応させて、発光頻度テーブルAと発光頻度テーブルBとが記憶されている。ステップS405の処理を実行した後は、発光許可制御処理を終了する。
【0237】
ステップS402にて通常大当たり結果Aではない場合には、ステップS406にて通常大当たり結果Bであるか否かを判定する。通常大当たり結果Bである場合には、ステップS407にて発光許可フラグをセットし、ステップS408にて遊技回数カウンタYに「25」を入力する。そして、ステップS409にて、ROM653から発光頻度テーブルBを設定して、発光許可制御処理を終了する。
【0238】
ステップS410〜ステップS416の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS108〜ステップS114の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0239】
次に、本実施形態における発光制御処理について
図19のフローチャートを参照しながら説明する。
【0240】
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS201〜ステップS204の処理と同様に、ステップS501〜ステップS504にて、表示画面Gでの発光強度の確認と、発光許可状態の確認、通過検知センサ221の確認、の処理を実行する。ステップS505では、上記ステップS405又はステップS409にて設定した発光頻度テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップS506にて発光抽選処理を実行する。この発光抽選処理では、ステップS505にて設定した発光頻度テーブルとRAM654の抽選用のカウンタとを用いて、発光部310の発光制御を行うか否かを決定する処理である。
【0241】
発光頻度テーブルでは、
図17(c)に示すように、発光抽選処理における当選率、すなわち発光頻度が設定されている。具体的には、発光頻度テーブルBは発光頻度テーブルAよりも発光頻度が高く設定されており、発光頻度テーブルAでは通過検知センサ221にて検知した50%を発光当選とし、発光頻度テーブルBでは通過検知センサ221にて検知した75%を発光当選とする。
【0242】
ステップS506にて発行抽選処理を行った後は、続くステップS507にて、ステップS506の処理結果に基づいて、発光抽選に当選したか否かを判定する。発光抽選に当選した場合には、ステップS508にて、発光色の決定を行う。発光頻度テーブルでは、
図17(c)に示すように、発光抽選処理にて発光当選した場合の発光色が設定されている。具体的には、発光当選時の発光色は、発光頻度テーブルAでは赤色光よりも緑色光のほうが選択され易く(それぞれ赤色光が25%で緑色光が75%)、発光頻度テーブルBでは同じ程度で選択される(いずれも50%)ようになっている。
【0243】
ステップS508にて発光色の決定処理を行った後は、ステップS509にて対応する発光色を発光するように各発光部320,330を発光制御する。この場合、第1発光部320はステップS509にて決定した発光色を発光させ、第2発光部330では緑色光を発光するように制御する。
【0244】
ステップS510〜ステップS515の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS206〜ステップS211の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0245】
以上のとおり、本実施形態では、開閉実行モード後に設定される回数制限のある高頻度サポートモードとして、その回数が複数種類設定されており、遊技者は図柄表示装置41の演出からはいずれの回数の高頻度サポートモードに設定されたかを把握することができなくなっている。このような構成において、設定された回数が多いほど第1発光部320及び第2発光部330の発光頻度が高くなるようにしたため、両者が関連付けられた示唆演出となり、第1発光部320及び第2発光部330からの反射光によっていずれの回数の高頻度サポートモードに設定されたかを予測する、という斬新な遊技とすることができる。
【0246】
発光頻度テーブルでは、高頻度サポートモードの回数が多くなるほど、第1発光部320から赤色光のレーザー光が照射される確率を高くし、反対に緑色光のレーザー光が照射される確率を低くした。このようにすることで、第1発光部320からの発光頻度だけでなく、発光色によって高頻度サポートモードの回数を予測することが可能となる。一方で、第2発光部330からは、上記第1の実施形態と同様に緑色光のレーザー光が照射される。そのため、後方誘導通路260及び排出口280を経た遊技球からの反射光が、赤色光から緑色光に変化する場合よりも、緑色光のままで変化しない場合のほうが、多い回数の高頻度サポートモードに対応していることになる。つまり、反射光の色の変化によっても、高頻度サポートモードの回数を予測することが可能となる。このようにすることで、反射光に対する関心を高め、遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
【0247】
第1発光部320を複数の色の光を照射可能にし、赤色光を照射する部位と緑色光を照射する部位とを、波長変換部324aの有無のみを相違させて構成した。これにより、他の部材(半導体レーザー素子321a,321b、コリメータ323a,323b、出力制御部325a,325b)の共通化が図られ、部材点数の増大による製造コストの増加を抑制することが可能となる。また、赤色光側と緑色光側とで発光基板322を兼用したため、部材点数の削減とともに、設置領域の削減を図ることが可能となる。
【0248】
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組合せて上記各実施形態に対して適用してもよい。
【0249】
(1)各発光部320,330,400の設けられる位置と、その照射位置と、の関係は上記各実施形態のもの限定されない。例えば、下方から上方に向けて光を照射する発光部を設け、その上方に設けられた遊技球通過領域を遊技球が通過する際に、当該遊技球にて反射した反射光が遊技機前方へ向けて照射される構成としてもよい。また、左方(右方)から右方(左方)に向けて光を照射する発光部を設け、その光の経路上に遊技球通過領域を設置して反射光を遊技機前方へ照射させる構成としてもよい。要は、少なくとも光の経路上に遊技球が存在しない場合には遊技機前方以外に照射され、当該光の経路上に遊技球が進入することで遊技球に反射した光が遊技機前方へ照射されるように、各発光部320,330,400と照射位置とが設定されていればよい。
【0250】
例えば、以下のように発光部を設置してもよい。
図20は発光部の設置場所の変形例を示す図であり、
図20(a)は遊技盤24の正面図、
図20(b)は
図20(a)におけるA−A線断面図である。
【0251】
図20(a)に示すように、本変形例における発光部である第4発光部500は、外レール26に対して設けられている。既に説明した通り、外レール部26と内レール部25は遊技領域PEを囲うように湾曲させて設けられており、内レール部25と外レール部26とにより遊技領域PEへの誘導レールが形成されている。第4発光部500は、上記誘導レールを通過する遊技球の手前側の面に対して光が照射されるように配置されている。第4発光部500は、
図20(b)に示すように、外レール26の周壁に形成された開口部501から光を照射可能に形成されている。また第4発光部500からの光は、同じく外レール26に対して設けられた受光部510の開口部(図示略)にて受けられる。
【0252】
上記のように、遊技球の誘導レールに対して光を照射可能とすることで、遊技球に対して光が照射される頻度を最大限高めることができる。つまり、誘導レールは遊技領域PEへ案内される遊技球が必ず通過する領域であり、このような領域を通過する遊技球に対して光を照射可能とすることで、光が照射される頻度が高められる。これにより、遊技球に光を反射させた演出を好適に実行することができる。この場合、第4発光部500の発光頻度や発光継続期間を調節することで、遊技球からの反射光が前方から視認可能となる頻度や期間を調節することができる。このようにすることで、第4発光部500からの光の反射光を遊技機前方へ照射させるタイミングをより遊技機側で管理することができ、演出を好適に実行することができる。
【0253】
第4発光部500の開口部501は、外レール26において遊技盤24からガラスパネル62a側へ遊技球の半径よりも離間させた位置に設けられている。そのため、遊技球が遊技領域PEへ打ち出される場合、外レール26の周壁に沿って遊技球が誘導されるものの、当該第4発光部500の開口部501に対して遊技球が接触(干渉)せず、第4発光部500の損傷を回避することができる。なお、受光部510についても同様に、外レール26において遊技盤24からガラスパネル62a側へ遊技球の半径よりも離間させた位置に設けられており、当該受光部510に対する遊技球の接触(干渉)が抑制されている。
【0254】
(2)第1,第3の実施形態において発光部320,330を、その光の経路が遊技球の流下方向(上方から下方)に対して傾くように設置したが、第2の実施形態のように遊技球の流下方向と平行となるように設置してもよい。この場合、遊技球に光が当たる位置がガラスパネル62a側の面と遊技盤24側の面とで連続する連続区間は設けられないものの、遊技球とその反射光とが同じ方向に動作することになり、両者をより密接に関連付けることができる。
【0255】
(3)各発光部320,330,400の発光源はレーザー光に限定されない。例えば、LEDであってもよく、白熱灯であってもよい。これらの場合であっても、コリメータ323等により光を平行光に矯正可能な構成とすることで、照射範囲を限定することが可能となる。
【0256】
(4)コリメータ323により光を平行光に矯正して照射範囲を限定する構成としたが、凹レンズ又は凸レンズ等により光の焦点位置を調節して照射範囲を限定する構成としてもよい。この場合、光の焦点位置を、照射位置に存在する遊技球の表面付近に調節すると、照射位置に遊技球が存在しない場合には、焦点位置から遊技球分ずれた状態で照射位置に対して光が照射される。そのため、遊技球にて反射される場合よりも、反射されずにそのまま照射位置へと照射される場合のほうが、単位面積当たりの光の強度が低くなり、遊技球が存在しない場合において発光部320,330,400から光が発せられていることを悟らせにくくすることができる。
【0257】
(5)各発光部320,330,400において波長変換部324によって波長変換する構成としたが、波長変換しない構成としてもよい。この場合、当該波長変換部324だけでなく、波長変換後の光量を調節するための出力制御部325が必要なくなるため、発光手段のコストを抑制するとともに、発光手段のサイズを小さくして設置領域を削減することができる。
【0258】
(6)第1,第3の実施形態において、第1発光部320からの光を光透過部材370に反射させ、その反射光を規制壁300にて受ける構成としたが、第1発光部320からの光を規制壁300にて反射させ、その反射光を光透過部材370にて受ける構成としてもよい。また、光透過部材370ではなく、他の部材にて反射させた光を規制壁300にて受ける構成としてもよい。
【0259】
(7)第1,第3の実施形態において、第2発光部330では、反射部340を介して反射光を遊技機前方へ照射する構成としたが、この反射部340の位置や反射させる数は上記のものに限定されない。例えば、反射部340から別の反射部に対して光が反射され、当該別の反射部から遊技機前方に反射光が照射される構成としてもよい。但し、反射部と遊技球との位置が離れれば離れるほど、遊技球自体が発光している印象は薄れ得るため、できるだけ遊技球と近い位置にて反射させる構成が好ましい。
【0260】
(8)第1,第3の実施形態において、光拡散領域350を複数のガラスパネル62aのうちの内側のガラスパネル62aに設けたが、外側のガラスパネル62aに設けてもよく、3枚以上のガラスパネル62aを有する構成においてはガラスパネル62aとガラスパネル62aとに挟まれるガラスパネル62aに設けてもよい。また、ガラスパネル62aが1枚の場合には、光拡散領域350を内面に設けてもよく、外面に設けてもよく、内部に設けてもよい。但し、遊技者に触れられることによる汚れ等を抑制する、という観点からすると外側ではなく内側や内部に設ける構成が好ましい。また、ガラスパネル62aにて光拡散領域350を設けるのではなく、他の部位(例えばセンターフレーム42)に光拡散領域を設け、当該光拡散領域を介してガラスパネル62a側へ照射する構成としてもよい。また、ガラスパネル62aに光拡散領域350を設けたが、設けなくてもよい。この場合であっても、各発光部320,330からの光は少なくとも遊技球の球面にて拡散されるため視認性が高められている。
【0261】
(9)第1,第3の実施形態において、ガラスパネル62a側に所定の光を受けることで演出が行われる透過液晶等を設け、当該所定の光として発光部310からの反射光を設定してもよい。このようにすることで、遊技球からの反射光の有無や反射光の移動だけでなく反射光を利用した他の演出を行うことができ、演出の多様化を図ることができる。
【0262】
(10)第1,第3の実施形態において、表示画面Gの前方に発光部320,330からの光の経路が配置される構成としたが、少なくとも光の経路の後方に別の発光手段が設けられていれば、上記光の経路の視認性を低下させる効果を期待することができる。
【0263】
(11)第1,第3の実施形態において、発光部320,330からの発光を停止する表示画面Gの光の強度の所定値は任意であり、発光部320,330からの光が遊技機前方から視認しやすくなる値であればよい。そして遊技機前方からの視認しやすくなる値は、遊技ホールの明るさによっても変化するため、例えば遊技ホールの管理者等がこの値を変更可能としてもよい。
【0264】
(12)第1,第3の実施形態において、発光部320,330からの発光を停止する表示画面Gの光の強度は、発光部320,330の光の経路と前後方向に重なる位置付近の光の強度であっても、表示画面Gの全体平均強度であってもよい。全体平均強度とすれば、構成の簡素化を図ることができる。
【0265】
(13)第1,第3の実施形態において、表示画面Gにおいてデモ表示や特定演出を行っている状況では、発光部320,330からの発光を停止する構成としたが、表示画面Gの光の強度が所定値よりも高くなる所定の演出を行っている状況でのみ発光部320,330からの発光を行う構成としてもよい。
【0266】
例えば、表示画面Gを縦方向に剣で切り裂くような演出を行う構成とし、当該演出において切り裂かれる際のエフェクトを発光部320,330からの光の経路に対応させて表示し、当該演出を実行する際に発光部320,330からの発光を行う構成としてもよい。この場合、発光部320,330からの光の色(緑、赤)に合わせたエフェクトとすると、光の経路を見えにくくする効果を高めることが可能となる。
【0267】
(14)第1の実施形態では遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となった後であって、遊技回が所定の回数消化されるまでを発光許可状態とし、第3の実施形態では遊技結果が通常大当たり結果A,Bとなった後であって、遊技回が所定の回数消化されるまでを発光許可状態としたが、発光許可状態とする遊技結果やその後の状況は上記のものに限定されない。例えば、15R確変大当たり結果や明示2R確変大当たり結果の後に発光許可状態としてもよく、他の遊技結果であってもよい。また、その後に所定の遊技結果(例えば大当たり結果)となるまでを発光許可状態としてもよく、発光許可状態を継続させるか否かを所定の契機(例えば所定の遊技回)で抽選により決定する構成としてもよい。
【0268】
(15)第1の実施形態では発光許可状態が継続される遊技回の回数によって非明示2R確変大当たり結果か特別外れ結果かを把握させ、第3の実施形態では発光許可状態における発光頻度や発光色によって回数制限ありの高頻度サポートモードの回数を把握させたが、他の情報を把握させる構成としてもよい。例えば、高頻度サポートモードを継続させるか否かを所定の契機(例えば所定の遊技回)で抽選により決定する構成とし、その継続率を上記の発光許可状態が継続される遊技回の回数や発光頻度、発光色等によって把握させる構成としてもよい。また、高確率モードが予め定められた所定回数の遊技回に亘って継続する回数制限ありの高確率モードや、所定の契機で抽選によって継続か否かを決定する高確率モードを設定し、この継続回数や継続率を把握させる構成としてもよい。
【0269】
(16)保留球格納エリア632に格納されている保留情報が当否判定の対象となるよりも前に当該当否判定の結果に対応する情報を取得し、当該当否判定の結果に対応する特別報知を、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングで実行する、といった所謂予告演出に、発光部310からの反射光の演出を適用してもよい。
【0270】
より具体的には、予め定められた取得条件(例えば上下の作動口33,34への入球)が成立したことに基づいて、特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置71による保留情報を取得する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置71における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定(当否判定)を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置71における当否判定の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果(例えばいずれかの大当たり結果)となったことに基づいて、遊技者に対して特典(例えば開閉実行モード)を付与する特典付与手段(例えば主制御装置71における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(演出制御装置72における遊技回の演出を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置71において保留球格納エリア632に格納されている保留情報の確認を行う機能)と、
前記先特定手段により特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知(予告演出)を実行する特別報知制御手段(演出制御装置72において予告演出を実行する機能)と、
を備える遊技機、に対して、当該特別報知として発光部310からの反射光を利用した演出を実行する構成としてもよい。
【0271】
この場合、発光部310からの反射光に基づいて保留情報の内容を予測するという斬新な遊技とすることができる。特に、図柄表示装置41における表示画面Gによる演出ではなく、発光部310の発光と遊技球の挙動とを利用した演出であるため、予告演出のための処理負荷が極端に増加する事象を抑制しつつも、上記のような保留情報の内容の予測という新たな遊技を追加し、更に遊技球の流下態様を楽しむといった遊技機本来の楽しみを復活させ、これらを通じて、遊技への注目度を好適に高めることができる。
【0272】
またこの場合、保留情報の取得と発光部310からの光の反射による予告演出(特別報知)とは、それぞれ独立して実行される。具体的には、保留情報は遊技球が上作動口33又は下作動口34へ入球したことに基づいて予め定められた所定数(それぞれ4つ)を上限に取得されるものであり、発光部310はワープ通路220を通過した遊技球が通過検知センサ221によって検知されることに基づいて発光する。すなわち、予告演出としての特別報知は、上記のとおり遊技球を発射させていること、及びその遊技球が発光部310からの照射位置に到達すること、を条件として行われ、上下の作動口33,34への入球の有無は影響しない。そのため、遊技者がこの特別報知を見たいと思えば、少なくとも遊技球を発射させて上記照射位置に遊技球を到達させる必要が生じ、例えば保留球格納エリア632に上限数の保留情報が格納されている状況であっても遊技球を発射させるなど、遊技の継続を促すことが可能となる。また逆に、遊技者がこの特別報知を見たくないと思えば、遊技球を発射させなければよいし、更に遊技球を発射させていても、なるべくワープ通路220を通過しないように遊技球を発射させることによっても特別報知を行わせなくすることもできる。このように、特別報知を行わせるか否かを遊技者が遊技の態様によって選択できる構成とすることで、遊技への積極参加を促しつつ、それによる演出への注目度を好適に高めることも可能となる。
【0273】
予告演出として発光部310からの光の反射の演出を用いる場合、保留情報の内容に応じて発光頻度や発光色を変更するとよい。例えば、保留情報に所定の結果が含まれる場合に発光部310から発光する構成としてもよいし、保留情報の大当たり期待度に応じて発光色を変化させてもよい。
【0274】
(16)第1の実施形態において、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の方向を左右方向としたが、上下方向としてもよい。すなわち、発光部320,330からの光の経路と略平行となる方向にて表示画面Gの変動表示を行う構成としてもよい。このように、発光部320,330からの光の経路と表示画面Gの変動表示の方向とを略平行とすることで、発光部320,330からの光の経路を見にくくすることができ、発光部320,330から光が発せられていることを悟られにくくすることが可能となる。この観点からすると、発光許可状態ではない状況では図柄列Z1〜Z3の変動表示の方向を上記実施形態のように左右方向(発光部320,330からの光の経路と交差する方向)とし、発光許可状態となる状況では図柄列Z1〜Z3の変動表示の方向を上下方向(発光部320,330からの光の経路と略平行となる方向)とする構成としてもよい。
【0275】
(17)通過検知センサ221や、検知センサ95aにて検知した場合に、発光部310の発光制御を行う構成としたが、常時発光させる構成としてもよい。この場合、構成の簡素化を図ることができる。それだけでなく、発光と消灯との切替時には、遊技者に違和感を与えやすいため、常時発光とすることで、遊技者に与える違和感を低減することも可能となる。但しこの場合、発光部310からの光の照射位置を昇温抑制部材にて形成するなど、温度上昇を抑制する手段を設けることが好ましい。
【0276】
(18)照射対象を遊技者にとって有利となる入球部に設定し、当該有利となる入球部への入球を遊技球からの反射光によって遊技者に把握させる構成を、有利となる入球部を含めた複数の入球部が回転等の一定の動作が繰り返し行われる構成に適用してもよい。この場合、当該回転等の一定の動作に対応させて発光部の照射位置を移動させてもよい。さらにこの場合、発光部自体を動作させてもよいし、発光部からの光を反射する反射部を設けて当該反射部を動作させることで照射位置を移動させてもよい。なお、反射部を設ける場合、発光部だけでなく当該反射部も遊技機前方から視認困難とすることが好ましい。
【0277】
(19)第2の実施形態において、第2下流側通路92c側を通過する遊技球に対して光を照射するように第3発光部400を設けたが、第1下流側通路92b側を通過する遊技球に対して光を照射するように設けてもよい。第1下流側通路92bと第2下流側通路92cとでは、第2下流側通路92cのほうが(特に第2下流側通路92cの上流部において)遊技球が途中でカーブを描いて流下するように通路が定められているため、遊技球の流下方向に対して略平行な光を照射することによる効果をより奏するためには第1下流側通路92b側に第3発光部400を設けるほうが好ましい。但し、第1下流側通路92bに対して第3発光部400を設ける構成とすると、第2下流側通路92c側へ誘導される遊技球に対しても光が照射し得るため、各下流側通路92b,92cを流下する遊技球のうちのいずれか一方のみに対して光を照射するという観点からすると、第2下流側通路92c(案内通路92の下流側に配置される通路)に対して第3発光部400を設ける構成が好ましい。
【0278】
さらに、第1下流側通路92bと第2下流側通路92cとのいずれに対しても発光部310を設け、それぞれの下流側通路92b,92bに対して設ける発光部310の光の色を異ならせることによって、遊技者にいずれの下流側通路92b,92cを流下したかを把握させる構成としてもよい。
【0279】
(20)第2の実施形態において、第2可変入賞装置85をセンターフレーム42の右下方に設けたが、第2可変入賞装置85の位置はこれに限定されない。例えば、センターフレーム42の右上方や上方に設けてもよいし、左方(左上方、左下方)に設けてもよいし、下方に設けてもよい。但し、第2可変入賞装置85内の案内通路92を流下する遊技球の動作に対する注目度を高める、という観点からすると、第2可変入賞装置85への入賞が期待できる状況(開放モード)では遊技球の発射態様を通常の発射態様と異なる態様となるように、第2可変入賞装置85の位置を定める構成が好ましい。
【0280】
(21)第2の実施形態において、第2可変入賞装置85への入球は所定の遊技結果(特別当たり結果)となった場合に、許容される構成としたが、常時入球可能な構成であってもよい。
【0281】
(22)発光部310からの光の色は、緑や赤に限定されず、波長を変えて青や黄でもよい。また、第3の実施形態の第1発光部320のように複数の色を照射可能な構成を他の発光部330、400に適用してもよい。さらに、各発光部320,330,400において発光色をそれぞれ異ならせてもよい。例えば、第1の実施形態において、第1発光部320を緑色光とし、第2発光部330を赤色光としてもよい。この場合、第1発光部320からの照射位置に遊技球が存在するよりも第2発光部330からの照射位置に遊技球が存在するほうが、上作動口33へ入球する可能性が高いことから、遊技者は光の色によって入球率(有利度)を把握することが可能となる。この観点からすると、例えばステージ部200において谷部250に第1発光部320からの照射位置を設定し、山部240に第2発光部330からの照射位置を設定してもよい。
【0282】
(23)発光部310が演出制御装置72により制御される構成としたが、主制御装置71により制御される構成としてもよく、他の制御装置によって制御される構成としてもよい。
【0283】
(24)第1発光部320からの光が光透過部材370に反射して規制壁300によって再度光透過部材370へ反射させる構成を、光透過部材370と規制壁300との傾斜を利用して行う構成としたが、再帰性反射を利用してもよい。この場合、球体のレンズによる屈折と反射を利用したビーズ方式と、3面体のプリズムを構成する3つの面における鏡面反射を利用してたプリズム方式とのいずれを利用してもよく、いずれかの方式の反射部を規制壁300側に設け、その反射部に対して光透過部材370からの反射光が照射される構成とするとよい。
【0284】
(25)第1,第3の実施形態において、左右のワープ通路220の通過検知センサ221にて遊技球を検知したことに基づいて発光部310の発光制御を行う構成としたが、所定周期で発光部310の発光制御を行う構成としてもよい。例えば、発光許可状態において所定周期として10sec周期で発光部310を発光させる構成としてもよい。この場合、発光制御の所定周期を遊技球の発射周期(0.6sec)の倍数とならないように設定することで、遊技球からの反射光が視認される周期をランダムにすることができ、演出の多様化を図ることができる。
【0285】
(26)第1,第3の実施形態において、左右いずれかのワープ通路220の通過検知センサ221にて遊技球を検知したことに基づいて発光部310の発光制御を行う構成としたが、いずれか一方のワープ通路220に通過検知センサ221を設ける構成としてもよい。また、それぞれのワープ通路220を通過した場合で、発光頻度や発光色を異ならせる構成としてもよい。
【0286】
さらに、所定のタイミングで遊技球を左右いずれかのワープ通路220を通過させる指示演出(例えば、「右を狙え!」といった表示を表示画面Gにて行う演出)を設定し、当該指示演出が行われている状況で指示された側のワープ通路220を遊技球が通過した場合に、発光部310の発光制御を行う構成としてもよい。この場合、指示された側のワープ通路220を通過させることで、所定の特典が得られる構成とすることで当該遊技に対する遊技者の積極参加を促すことが可能となる。所定の特典としては、例えば、高頻度サポートモードや高確率モード、開閉実行モード等であってもよいし、遊技者に遊技結果の情報を通常よりも速いタイミングで提供する所謂予告演出等であってもよい。
【0287】
(26)第3の実施形態において、波長変換部324の有無によって光の色を異ならせる構成としたが、発光源(半導体レーザー素子321a,321b)において随時波長を変換可能としてもよい。この場合、一の発光源によって多波長の光(多色の光)を照射することが可能となり、発光部310の小型化を図ることが可能となる。
【0288】
(27)第1,第3の実施形態において、発光部310の照射位置における光を遊技機前方から視認困難とする構成(後方誘導通路260や上作動口33の内部の構成)は上記のものに限定されない。例えば、発光部310からの光の色と同色又は同系色の部材で当該光を受けることで、発光部310からの光が吸収される構成としてもよい。特に、発光部310は単色のレーザー光であるため、それを受ける部材も単色でよく、簡易な構成で遊技機前方からの視認性を低下させることが可能となる。
【0289】
また、第3の実施形態の第1発光部320のように、複数色の光を発光可能な発光部に対しては、それぞれの光の照射位置を対応する光の色と同色又は同系色とするとよい。この場合、上記第3の実施形態のように、第1発光部320において複数の色の光の光軸が異なるように配置することで、その照射位置もそれぞれ異ならせることが可能となる。
【0290】
(28)上記第1,第3の実施形態において、上作動口33の前側壁部303を透明部材により形成するなどし、遊技球に反射した第2発光部330からの光が上作動口33の排出通路304へ照射される様子を、遊技機前方から視認可能としてもよい。このように遊技球の誘導先を反射光が照射される構成とすることで、遊技球が上作動口33へ入球する様子をより認識し易くさせることができる。
【0291】
この場合、例えば第2の実施形態における第2可変入賞装置85内において、第2下流側通路92cへ向けて流下する遊技球に対して光を照射し、その反射光が第2下流側通路92cへ向けて照射される構成とすると、遊技者にとって有利となる流下先と光の照射先とが関連付けられ、遊技球の挙動に対する注目度を高めることが可能となる。
【0292】
すなわち、本発明は、反射光が遊技機前方へ照射される構成に限定されない。例えば、左右方向に反射光が照射される構成であってもよいし、後方に反射光が照射される構成であってもよい。そして、その照射先において上記のように所定の入球部を配置すると、流下先と光の照射先とを関連付けることができる。また、その照射先において演出用の役物を配置すると、遊技球の挙動と役物演出とを関連付けることができ、演出効果を高めることが可能となる。
【0293】
(29)第1,第3の実施形態において所定の遊技結果後の所定期間に亘って発光部310を発光させる構成としたが、これを開閉実行モード中において発光される構成としてもよい。例えば、低頻度入賞モードとなる開閉実行モード中に発光させる構成としてもよい。この場合、例えば、非明示2R確変大当たり結果と特別外れ結果に基づく低頻度入賞モードの開閉実行モード中に発光部310を発光させる構成とし、非明示2R確変大当たり結果の場合の発光態様と特別外れ結果の場合の発光態様とを異ならせることで、当該低頻度入賞モードの開閉実行モード中において非明示2R確変大当たり結果か特別外れ結果かを予測させる、という新たな遊技を創出することができる。そして、この低頻度入賞モードの開閉実行モードにおいては、大入賞口32aへの入賞がさほど期待できない、といった理由から、遊技球の発射が停止される可能性がある。このような状況において、上記の光演出を適用することで、遊技球の継続発射を促すことが可能となる。この場合、ステージ部200から大入賞口32aへ入球可能な配置としているため、この光演出を見るために発射させた遊技球も大入賞口32aへ入球可能であり、光演出中の発射が完全な無駄打ちとはならず、遊技球の継続発射をより好適に促すことができる。
【0294】
(30)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0295】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0296】
下記の特徴に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機には、遊技領域が形成される遊技盤と、この遊技盤を遊技機前方から視認可能とするガラスパネルなどの透明板とが備えられている。遊技領域には入賞口、入賞装置等の各種遊技機器が設けられている。遊技球が遊技領域に向けて発射され、その遊技球が入賞口や入賞装置などに入賞すると、それに伴い所定個数の遊技球が払い出される。このようなパチンコ機においては、上記遊技領域に発光手段としての発光部が設けられていることが多い。遊技状況に応じてこれら発光部が点灯又は点滅することで、例えば遊技演出(発光演出)が行われる(例えば特開2008−155008号参照)。」という背景技術について、「上述した遊技機において、遊技への注目度を高める上で、発光手段を用いた演出等に未だ改善の余地があると考えられる。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0297】
特徴1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤と対向し、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする透明板(ガラスパネル62a)と、
前記遊技領域における特定領域(後方誘導通路260、上作動口33、第2下流側通路92c)を通過するようにして光を照射する光源(半導体レーザー素子321)を有し、当該特定領域に遊技球が到達した場合に、当該遊技球に照射された当該光が前記透明板に向けて反射することにより、遊技機前方から当該光が視認可能となるように構成された発光手段(発光部310)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0298】
上記構成によれば、透明板を介して遊技領域を流下する遊技球が視認される構成において、その遊技領域における特定領域を遊技球が通過すると、遊技者はその遊技球の動作を視認して楽しむだけでなく、その遊技球によって発光手段からの光が透明板側、すなわち遊技者側に反射されるため、その光によって当該特定領域を遊技球が通過したことを把握することができる。これにより、特定領域に到達した遊技球への注目度を向上させることができる。
【0299】
特徴2.前記発光手段から前記特定領域に向けた光の照射範囲が、前記透明板と前記遊技盤との間隔よりも狭くなるように設定されており、前記特定領域に遊技球が到達していない場合に、前記発光手段からの光が前記透明板側から視認不可又は困難となるように構成されていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0300】
上記構成によれば、発光手段から特定領域に向けた光は透明板と遊技盤との間で照射されるため、発光手段から特定領域に向けた光は透明板側、すなわち遊技者側からは視認不可又は視認困難となる。これにより、遊技球が特定領域を通過する状況、すなわち遊技球からの反射光が遊技者側に照射される状況と、遊技球が特定領域を通過していない状況、すなわち発光手段からの光が遊技者側から視認不可又は視認困難となっている状況と、の差を大きくすることが可能となる。
【0301】
なお、「光の照射範囲を前記透明板と前記遊技盤との間隔よりも狭くする手段」として、
「発光手段からの光を平行光に矯正する矯正手段」や、
「発光手段からの光の焦点を調節する焦点調節手段」を備えている構成としてもよい。
【0302】
特徴3.予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技者に対して特典(開閉実行モード、高頻度サポートモード、高確率モードなど)を付与する特典付与手段(主制御装置71、払出装置76)と、
前記特典付与手段による前記特典に応じて前記発光手段の発光制御を実行する発光制御手段(演出制御装置72における発光制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
【0303】
上記構成によれば、特典付与手段による特典に応じて、発光手段からの光が遊技球に反射されて遊技者が視認可能となる。これにより、特定領域に到達する遊技球と、当該遊技球からの反射光と、遊技によって得られる特典と、が関連付けられ、これら遊技球と反射光への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0304】
特に、このような特典に関連付けられた演出を、遊技機に設けられている表示画面等によって行うのではなく、上記のように発光手段からの光の反射によって行うことで、制御装置の処理負荷の極端な増加を抑制することが可能となる。また、この演出は遊技球の挙動を利用して行われるため、遊技球の流下態様を楽しむ、といった遊技機本来の楽しみを逸脱せずに遊技への注目度を高めることができる。
【0305】
さらに、上記の反射光による演出は、遊技球を遊技領域に向けて発射させること、及びその遊技球が特定領域に到達すること、が条件として視認可能となる。そのため、単に表示画面等により遊技機側から一方的に行われる演出と比較して、遊技者の遊技態様をより反映することができる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる。
【0306】
特徴4.前記特典付与手段により前記特典が付与されるよりも前のタイミングで、当該特典に対応する情報を特定する先特定手段(演出制御装置72によるステップS102,S105,S402,S405の処理を実行する機能)を備え、
前記発光制御手段による前記発光手段の発光制御は、前記先特定手段により特定された情報に基づいて行われるものであることを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
【0307】
上記構成によれば、発光制御により、特典付与手段による特典が付与されるよりも前のタイミングでその特典に応じた情報を把握させることが可能となる。これにより、遊技者は、特典に応じた情報を把握すべく、より積極的に遊技球を特定領域へ到達させるよう発射することが考えられる。
【0308】
なお、「特典が付与されるよりも前のタイミング」とは、
「特典が付与され終わるよりも前のタイミング」としてもよく、
「全ての特典が付与されるよりも前のタイミング」としてもよい。
【0309】
特徴5.前記特典付与手段による前記特典は、所定期間(高頻度サポートモード、高確率モード又は開閉実行モードのラウンドの回数など)に亘って継続して付与されるものであり、
前記先特定手段は、前記所定期間の経過よりも前のタイミングで当該所定期間の長さ又は継続率を特定するものであり、
前記発光制御手段は、前記先特定手段の特定した前記特典の前記所定期間の長さ又は継続率に応じて発光制御するものであることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0310】
上記構成によれば、特典が付与される所定期間の経過よりも前のタイミングで、その所定期間の長さ又は継続率を把握させることができる。つまり、遊技者は、所定期間の開始前又は所定期間中にその所定期間の長さ又は継続率を把握することができる。所定期間中においては特典が付与されるため、遊技への注目度が高められており、そのような期間において光の演出を行うことで、当該演出への注目度を高めやすくすることができる。
【0311】
特徴6.前記発光制御手段は、前記発光手段を前記特典に応じて異なる頻度で発光させる手段を備えていることを特徴とする特徴3乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
【0312】
上記構成によれば、発光手段の発光頻度を異なられるといった簡易な構成で、特典に対応する情報を把握させることができる。これにより、処理負荷の増加を抑制することができる。また、この場合、単に発光手段の発光頻度だけでなく、遊技球が特定領域に到達する到達頻度、という遊技者の遊技態様に起因する条件も付与されているため、遊技者に向けた光を発する発光部による演出と比較するとランダム性が向上し、注目度の向上が図られる。
【0313】
特徴7.前記発光手段は、複数の色の光を照射可能となっており、
前記発光制御手段は、前記特典に応じた色の光を発光するよう発光制御する手段を備えていることを特徴とする特徴3乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
【0314】
上記構成によれば、発光手段の発光色を異ならせるといった簡易な構成で、特典に対応する情報を把握させることができる。これにより、処理負荷の増加を抑制することができる。また、この場合、単に発光手段の発光色だけでなく、遊技球が特定領域に到達する到達頻度、という遊技者の遊技態様に起因する条件も付与されているため、遊技者に向けた光を発する発光部による演出と比較するとランダム性が向上し、注目度の向上が図られる。
【0315】
特徴8.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置71、払出装置76)と、
を備え、
前記特定領域は、前記入球部への入球経路として設けられていることを特徴とする特徴1乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
【0316】
上記構成によれば、遊技者に特典が付与される契機となる入球部への入球経路が、特定領域として設定されているため、特定領域に到達する遊技球への注目度を高めやすく、その遊技球からの反射光による演出を好適に実行することができる。
【0317】
特徴9.前記発光手段の発光制御を実行する発光制御手段(演出制御装置72による発光制御処理を実行する機能)を備え、
前記発光制御手段は、予め定められた条件成立に基づいて前記発光手段を発光させ、特定期間が経過したことに基づいて前記発光手段を消灯させるものであることを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
【0318】
上記構成によれば、発光手段が常時発光している構成と比較して、発光手段からの光を遊技球に反射させた場合に、その光源が把握されにくくなる。よって、遊技球から反射光が視認可能となった場合の意外性を高め当該演出の注目度を向上させることができる。さらに、発光手段が常時発光している構成と比較して、照射位置の温度上昇が抑制されるため、当該照射位置における部材の劣化を抑制することも可能となる。
【0319】
特徴10.前記発光手段からの光が遊技球に反射した反射光を拡散する拡散部(光拡散領域350)を備えたことを特徴とする特徴1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
【0320】
上記構成によれば、遊技球に反射した反射光が拡散部によって拡散されるため、その反射光を見え易くすることができる。これにより、当該反射光を利用した演出を好適に実現することが可能となる。遊技球の表面は球面であるため入射光の拡散をある程度期待できるものの、それ以上に当該遊技球の表面に拡散機能を持たせることは、遊技球の自由な流下を阻害し得るという観点から好ましくない。また、既存の遊技球を流用するという観点等からも、遊技球自体の構成を変更する思想は好ましくない。そこで、上記のように反射光を拡散する拡散部を設けることで、遊技球の反射光を利用した演出を好適に実現することができる。
【0321】
特に、遊技球への入射光の指向性(直進性)を高めると、その反射光の指向性も高まり、当該反射光を利用した演出が見えにくくなるという不都合が生じ得る。そこで、上記構成を適用することで、入射光の指向性を高めた効果を奏しつつも、反射光を見え易くし、当該反射光を利用した演出を好適に実現することが可能となる。
【0322】
特徴11.遊技球が前記特定領域に存在しない場合において前記発光手段からの光を受けた場合、当該光が前記遊技機前方に向けて照射される照射量を、遊技球が前記特定領域に存在する場合よりも抑制する抑制手段(規制壁300、光透過部材370、前側壁部303など)を備えていることを特徴とする特徴1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
【0323】
上記構成によれば、遊技機前方に向けて照射される照射量を抑制する抑制手段が設けられていることから、遊技球が特定領域に存在する場合と存在しない場合とで、遊技機前方側への照射量の差を大きくすることができ、特定領域に存在する遊技球に対する注目度を好適に高めることが可能となる。
【0324】
特徴12.前記発光手段からの光が前記特定領域にて反射された反射光を、前記透明板側にて受けて遮光する遮光部(規制壁300)を備え、
前記遮光部は、遊技球が前記特定領域に存在しない場合において前記反射光が前記遊技機前方に向けて照射される照射量を、遊技球が前記特定領域に存在する場合よりも抑制するものであることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
【0325】
上記構成によれば、特定領域からの反射光を遮光部によって遮光する、という簡素な構成で、特徴11の効果を奏することができる。
【0326】
特徴13.前記発光手段からの光は前記特定領域における底部に向けて照射される構成であり、
前記遮光部は、前記底部からの高さが遊技球の直径よりも低くなるように設定されていることを特徴とする特徴12に記載の遊技機。
【0327】
上記構成によれば、特定領域の底部に遊技球が乗ると遊技球のほうが遮光部よりも発光手段に近くなる。そのため、発光手段からの光を遊技球に好適に反射させて、透明板側に照射させることが可能となる。よって、遊技球からの反射光を透明板側に好適に照射させつつ、遊技球が特定領域に存在しない場合には遮光部によって底部からの反射光を遮光することが可能となる。
【0328】
特徴14.前記発光手段からの光は前記特定領域における底部に向けて照射される構成であり、
前記遮光部は、前記底部に向けて傾斜させて設けられていることを特徴とする特徴12又は特徴13に記載の遊技機。
【0329】
上記構成によれば、底部と遮光部との距離を短くするとともに、底部からの反射光を遮光部にて受け易くすることができる。よって、底部からの反射光を遊技機前方から視認しにくくさせる効果を高めることができる。
【0330】
特徴15.前記発光手段からの光は前記特定領域における底部に向けて照射される構成であり、
前記底部は、前記遮光部に向けて傾斜させて設けられていることを特徴とする特徴12乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
【0331】
上記構成によれば、底部と遮光部との距離を短くするとともに、底部からの反射光を遮光部にて受け易くすることができる。よって、底部からの反射光を遊技機前方から視認しにくくさせる効果を高めることができる。
【0332】
なお、特徴14及び特徴15において、遮光部と底部との角度が鋭角となるようにすると、それぞれの効果をより好適に奏することが可能となる。
【0333】
特徴16.前記発光手段からの光は前記特定領域における底部に向けて照射される構成であり、
前記底部は、透光性を有する材料にて形成されていることを特徴とする特徴12乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
【0334】
上記構成によれば、発光手段からの光が特定領域における底部に照射されても、その底部が透光性を有する材料にて形成されているため、当該照射された光は底部をそのまま通過しやすい。換言すると、底部にて反射されにくい。このようにすることで、特定領域に遊技球が存在しない場合において発光手段からの光が反射して、発光手段から光が発せられていることが遊技者に悟られてしまう事象を抑制することができる。
【0335】
特徴17.前記発光手段からの光が前記特定領域に照射されるまでの経路と前後方向に重なるように設けられ、前記透明板側に向けて光を照射する第2発光手段(図柄表示装置41)を備えていることを特徴とする特徴1乃至16のいずれか1に記載の遊技機。
【0336】
上記構成によれば、第2発光手段からの光が発光手段からの光の経路と前後方向に重なるため、発光手段からの光の経路を見えにくくすることができる。よって、発光手段から光が発せられていることを遊技者に悟られにくくすることができる。
【0337】
特徴18.前記第2発光手段からの光の強度が予め定められた所定の強度よりも弱い場合には、前記発光手段からの光の照射を規制する規制手段(演出制御装置72におけるステップS201、S202、S501、S502の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
【0338】
上記構成によれば、第2発光手段からの光の強度が弱い場合に発光手段からの光の照射が規制されるため、発光手段から光が発せられていることを遊技者に悟られにくくすることができる。
【0339】
特徴19.表示画面(表示画面G)を有し、所定の表示演出を実行する表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記第2発光手段は、前記表示手段であることを特徴とする特徴17又は特徴18に記載の遊技機。
【0340】
上記構成によれば、所定の表示演出を実行する表示手段という、既存の構成をうまく利用して特徴17の効果を奏することができる。
【0341】
特徴20.前記発光手段は、前記遊技盤に沿った方向に光を照射するものであり、
前記特定領域は、前記透明板側から前記遊技盤側に向けて又は前記遊技盤側から前記透明板側に向けて遊技球が通過可能に形成されていることを特徴とする特徴1乃至19のいずれか1に記載の遊技機。
【0342】
上記構成によれば、遊技球が通過領域を通過すると発光手段からの光の反射光の向きが発光手段からの光の向きと交差する方向に変位する。このようにすることで、遊技球の動きと光の動きとを連動させた演出を行うことが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
【0343】
なお、「前記透明板側から前記遊技盤側に向けて又は前記遊技盤側から前記透明板側に向けて」とは、「前後方向」と表現することもできる。
【0344】
特徴21.前記特定領域を通過する遊技球に、当該遊技球の前記遊技盤側の面に対して前記発光手段からの光が照射される構成であり、
前記遊技盤には、前記遊技球における遊技盤側の面に照射された光の反射光を受け、前記透明板側に反射させる反射部(反射部340)が設けられていることを特徴とする特徴1乃至20のいずれか1に記載の遊技機。
【0345】
上記構成によれば、遊技球の透明板側の面に反射させるだけでなく、遊技盤側の面に反射させた光も利用することができる。これにより、発光手段と特定領域との配置の自由度が向上する。
【0346】
特徴22.前記特定領域を遊技球が通過する場合において、前記発光手段からの光の当該遊技球に対する照射面が、前記透明板側の面から前記遊技盤側の面又は前記遊技盤側の面から前記透明板側の面へと変位するように、前記特定領域における遊技球が通過可能な領域と前記発光手段とが設けられていることを特徴とする特徴1乃至21のいずれか1に記載の遊技機。
【0347】
上記構成によれば、特定領域を遊技球が通過すると、その通過に伴い遊技球に反射する光の照射方向が透明板側と遊技盤側とに切り換わる。これにより、光の動きと遊技球の動きとを連携させることができ、よって遊技球及び光へ注目させることができる。
【0348】
この構成を、特徴21の構成に適用することで、遊技盤側に照射された光を透明板側に照射させることができ、且つ、遊技球の動作に伴う照射光の移動方向を切り替えることが可能となる。
【0349】
特徴23.前記発光手段を前記透明板側から遮蔽する遮蔽部(上側規制部360)を備えていることを特徴とする特徴1乃至22のいずれか1に記載の遊技機。
【0350】
上記構成によれば、発光手段が透明板側から遮蔽されるため、透明板側すなわち遊技機前方から視認することが困難、又は不可能となる。よって、発光手段から光が発せられていることを、遊技者から悟られにくくすることができる。
【0351】
特徴24.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤と対向し、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする透明板(ガラスパネル62a)と、
第1位置(センターフレーム42の上部)に設けられ、第2位置(ステージ部200、上作動口33、第2下流側通路92c)に向けて光を照射する発光手段(発光部310)と、
を備え、
前記発光手段は、当該発光手段からの光の光軸が、前記遊技盤と前記透明板との間のみを通過して前記第2位置に照射されるように設けられており、
前記遊技領域には、前記光軸を遊技球が通過可能な特定領域(後方誘導通路260、排出口280から上作動口33への領域、第2下流側通路92c)が形成されていることを特徴とする遊技機。
【0352】
上記構成によれば、透明板を介して遊技領域を流下する遊技球が視認される構成において、その遊技領域における特定領域を遊技球が通過すると、遊技者はその遊技球の動作を視認して楽しむだけでなく、その遊技球が発光手段からの光の光軸を通過するため発光手段からの光が遊技球に反射して、その反射光を視認して楽しむことができる。よって、特定領域に到達した遊技球への注目度を向上させることができる。
【0353】
なお、上記構成に対して、特徴1乃至23のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【0354】
特徴25.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤と対向し、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする透明板(ガラスパネル62a)と、
前記遊技領域における特定領域(後方誘導通路260、排出口280から上作動口33への領域、第2下流側通路92c)に向けて光を照射する発光手段(発光部310)と、
を備え、
前記特定領域には、遊技球を通過可能な領域が形成されており、
前記発光手段は、前記特定領域を通過する遊技球へ前記発光手段からの光が照射されるとその反射光が前記遊技盤側よりも前記透明板側に反射され易くなるように設けられていることを特徴とする遊技機。
【0355】
上記構成によれば、透明板を介して遊技領域を流下する遊技球が視認される構成において、その遊技領域における特定領域を遊技球が通過すると、遊技者はその遊技球の動作を視認して楽しむだけでなく、その遊技球が発光手段からの光が遊技球に反射して透明板側、すなわち遊技者側に反射されるため、その光によって当該特定領域を遊技球が通過したことを把握することができる。よって、特定領域に到達した遊技球への注目度を向上させることができる。
【0356】
なお、「反射光」とは、発光手段から照射された光が、少なくとも1度は何らかの部位(例えば遊技球や遊技盤の所定部位)に当って反射された光をいい、例えば、発光手段からの光が遊技球に反射してその光が更に他の部位に反射した光も該当する。
【0357】
なお、上記構成に対して、特徴1乃至24のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【0358】
特徴26.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技領域における特定領域(後方誘導通路260、上作動口33、第2下流側通路92c)に向けて光を照射する発光手段(発光部310)と、
を備え、
前記特定領域には、遊技球を通過可能な領域が形成されており、
遊技球が前記特定領域に存在しない場合において前記発光手段からの光を受けた場合、当該光が遊技機前方に向けて照射される照射量を、遊技球が前記特定領域に存在する場合よりも抑制する抑制手段(規制壁300、光透過部材370など)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0359】
上記構成によれば、遊技機前方に向けて照射される照射量を抑制する抑制手段が設けられていることから、遊技球が特定領域に存在する場合と存在しない場合とで、遊技機前方側への照射量の差を大きくすることができる。これにより、特定領域を通過する遊技球に対する注目度を好適に高めることができる。
【0360】
なお、上記構成に対して、特徴1乃至25のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【0361】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0362】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構27)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部25,26)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。