(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に1対1に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、すべての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(1対1対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0017】
本実施の形態である情報処理装置100は、患者の治療に関する文書を登録するものであって、
図1の例に示すように、患者登録モジュール110、文書記憶モジュール115、文書登録モジュール120、文書処理モジュール130、文書種管理用データ記憶モジュール155、表示モジュール160を有している。特に、患者の治療に関する文書としてのカルテの量的監査のためのものである。ここで、量的監査とは、対象となっているカルテが存在すること(電子文書であるカルテが登録されていること)を検査することである。
治療が完了した後に監査が行われる。そのため、治療後の日数が経過してしまうと、必須の情報(診療記録)が得られない可能性がある。また、例えば、レセプト(医療機関が健康保険組合に請求する診療報酬明細書)に問題ありと判断されても、診療記録が存在しないと何が正しいレセプトか判断ができない。
結果であるレセプトからの正当性監査は限界がある。このため、レセプトの情報源となる診療記録が正しく登録されているかを監査する必要がある。この監査がカルテ監査といわれる。
しかし、診療行為は患者の容体で臨機応変に実施されるため、患者の入院時や治療中に治療パターンを定義することは難しい。したがって、治療中に監査上問題なく治療を行いたくても、治療パターンを定義する対応では、診療記録が正しく登録されているかを判断するための正解の治療パターン(診療記録セット)が事前には定義できない。
本実施の形態である情報処理装置100は、必須で登録しなければいけない文書のセットを、治療パターン毎ではなく、登録された文書種毎に定義している。そして、文書が登録されたときに、必須で登録しなければいけない文書を動的に更新する。
【0018】
患者登録モジュール110は、文書記憶モジュール115と接続されている。患者登録モジュール110は、患者情報を登録する。例えば、初診、患者が入院するときに、登録が行われる。患者情報として、少なくとも、本実施の形態において患者を一意に識別するための情報があり、さらに、患者の氏名、住所、性別等の情報が含まれていてもよい。
文書記憶モジュール115は、患者登録モジュール110、文書登録モジュール120と接続されている。文書記憶モジュール115は、患者情報とその患者に対応する文書を記憶する。つまり、患者毎に診療記録(患者の治療に関する文書)を登録・管理するストレージ(リポジトリ管理)としての機能を有する。なお、患者情報と登録済み文書は、1対多(1対0、1対1の関係を含む)の関係を持つ。
文書登録モジュール120は、文書記憶モジュール115、文書処理モジュール130と接続されている。文書登録モジュール120は、患者の治療に関する文書を受け付け、その文書の患者情報と関連付けて文書記憶モジュール115に登録する。
【0019】
文書処理モジュール130は、文書種取得モジュール135、検索モジュール140、必須文書取得モジュール145、納期処理モジュール150を有しており、文書登録モジュール120、文書種管理用データ記憶モジュール155、表示モジュール160と接続されている。
文書種取得モジュール135は、文書登録モジュール120によって受け付けられた文書の種別を取得する。例えば、文書の属性の一つとして、種別がその文書に記憶されており、文書から種別を取り出せばよい。文書の種別とは、文書のカテゴリーを表す。すべての文書には文書種が定義されており、オブジェクト指向においては文書種をインスタンス化したものが文書となる。
検索モジュール140は、文書種管理用データ記憶モジュール155から、文書種取得モジュール135によって取得された文書の種別を検索する。具体的には、後述する
図7の例に示す文書種管理テーブル700の文書種コード欄710(又は文書種名欄720)から、対象としている文書の種別を検索する。
【0020】
必須文書取得モジュール145は、検索モジュール140によって検索された文書の種別に対応する第2の文書の種別を抽出する。具体的には、後述する
図7の例に示す文書種管理テーブル700から、検索モジュール140によって検索された文書種コード欄710に対応する行の必須登録文書欄730内の値を抽出すればよい。
また、必須文書取得モジュール145は、文書登録モジュール120によって受け付けられた文書が複数ある場合であって、必須文書取得モジュール145によって既に抽出された第2の文書の種別が、既に抽出された第2の文書の種別と重複するときは、重複した抽出を行わないようにしてもよい。ここで「文書登録モジュール120によって受け付けられた文書が複数ある場合」とは、その患者に対して2回目以降の文書の登録があった場合である。文書の登録がある都度に、登録すべきである第2の文書の種別を抽出しているので、既に抽出したものは抽出する必要がない。また、後述するバリアンスが発生した場合は、既に抽出された第2の文書の種別と重複しない場合が多いので、抽出することとなる。もちろんのことながら、バリアンスが発生した場合であっても、一部の文書において既に抽出された第2の文書の種別と重複する場合は、抽出しないこととなる。
納期処理モジュール150は、登録されていない文書をアラート通知する機能を有する。納期処理モジュール150は、納期から予め定められた期間にある場合は、登録すべき第2の文書があることの警告を発する。
【0021】
文書種管理用データ記憶モジュール155は、文書処理モジュール130と接続されている。文書種管理用データ記憶モジュール155は、文書種毎に、登録されなければいけない文書セットを管理する。具体的には、文書種管理用データ記憶モジュール155は、第1の文書の種別とその第1の文書が登録されたならば登録すべきである第2の文書(以下、必須登録文書ともいう)の種別を対応させて記憶する。文書には文書種が定義されており、文書種管理用データ記憶モジュール155には文書種毎に必須登録文書のセットが対応づけて管理されている。文書種と必須登録文書は、1対多(1対0、1対1の関係を含む)の関係を持つ。具体的には、後述する
図7の例に示す文書種管理テーブル700を記憶している。
また、文書種管理用データ記憶モジュール155は、さらに第2の文書の登録すべき納期を記憶していてもよい。具体的には、後述する
図10の例に示す文書種管理テーブル1000を記憶している
表示モジュール160は、文書処理モジュール130と接続されている。表示モジュール160は、患者毎に登録されなければいけない文書を、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する機能を有する。表示モジュール160は、必須文書取得モジュール145によって抽出された第2の文書の種別を、文書登録モジュール120によって取得された文書にともなって登録すべき文書として提示する。また、表示モジュール160は、文書が登録されたタイミングで、登録されなければいけない文書を動的に更新する。必須登録文書の情報は文書種管理用データ記憶モジュール155から取得したものであり、文書の登録状況は文書記憶モジュール115から取得したものである。
表示モジュール160は、納期処理モジュール150が警告を発した場合は、登録すべき第2の文書があることの警告を提示するようにしてもよい。
【0022】
図2は、本実施の形態を実現した場合のシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100、ユーザー用端末210A、ユーザー用端末210B、文書管理サーバー220は、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。例えば、ユーザー用端末210のブラウザに対する操作者の操作によって、情報処理装置100が使用される。ここで、操作者とは主に医師である。また、操作としては、患者、文書等の登録操作がある。文書管理サーバー220は、文書記憶モジュール115としての機能を有していてもよい。この場合、文書記憶モジュール115は情報処理装置100内ではなく、文書管理サーバー220内に備え付けられていることになる。もちろんのことながら、情報処理装置100と文書管理サーバー220を組み合わせた装置、情報処理装置100とユーザー用端末210を組み合わせた装置、情報処理装置100とユーザー用端末210と文書管理サーバー220を組み合わせた装置であってもよい。
【0023】
図3は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
通常の治療パターンとして、例えば、入院305に関連して入院同意書310が作成され、検査315に関連して検査レポート320が作成され、手術325に関連して手術同意書330、手術結果レポート332が作成され、経過観察335に関連して検査レポート340が作成され、退院345に関連して退院サマリー350が作成される。
この場合、本実施の形態では、入院同意書310が登録されたタイミングで、検査レポート320、手術同意書330、手術結果レポート332、検査レポート340、退院サマリー350が必要であることを表示する。文書登録のタイミングで必須登録文書が分かることとなる。その表示にしたがって必須登録文書を登録した場合、診療完了時にはレセプトに必要な文書が登録された状態となる。
【0024】
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。診療において、しばしば発生する「バリアンス」に、本実施の形態が対応する例を示したものである。ここでバリアンス(Variance)とは、クリニカルパス(治療や検査にあたってどのような処置を行うのか、その実施内容や順序を入力したスケジュール表のこと)で予想されたプロセスと異なる経過や結果(アウトカム)のことをいう。例えば、クリニカルパスになかった検査が追加されたときや、患者の都合で退院日が延長されたときなどが患者のバリアンスとなる。
例えば、入院405に関連して入院同意書410が作成され、検査415に関連して検査レポート420が作成され、手術425に関連して手術同意書430、手術結果レポート432が作成され、経過観察435に関連して検査レポート440が作成される。
経過観察435中にバリアンス発生442があった場合、再手術445に関連して手術同意書450、手術結果レポート452が作成され、経過観察455に関連して検査レポート460が作成され、退院465に関連して退院サマリー470が作成される。
この場合、本実施の形態では、入院同意書410が登録されたタイミングで、検査レポート420、手術同意書430、手術結果レポート432、検査レポート440、退院サマリー470が必要であることを表示する。そして、手術同意書450が登録されたタイミングで、手術結果レポート452、検査レポート460、退院サマリー470が必要であることを表示する。なお、バリアンス発生442後の手術同意書450が登録されたタイミングでは、手術同意書450の登録にともなって抽出した退院サマリー470は、既に抽出された退院サマリー470(入院同意書410の登録にともなって抽出した退院サマリー470)の種別と重複することを検知することになるので、重複した抽出を行わない。つまり、2つの退院サマリー470が登録必要であるとは表示されない。
【0025】
図5は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、患者の入院から退院までに発生する文書登録の処理例について説明する。
ステップS502では、患者登録モジュール110が、患者に関する情報である患者情報を登録する。本実施の形態は、例えば、治療対象の患者を登録することから開始する。具体的には、患者が入院したタイミングで登録される。患者が登録されると文書記憶モジュール115に患者用のリポジトリが作成される。
ステップS504では、文書登録モジュール120が、文書を登録する。患者の治療により作成された文書は、文書記憶モジュール115の患者リポジトリに登録される。例えば、入院同意書等がある。
ステップS506では、情報処理装置100が、必要な文書が定義されているか否かを判断し、定義されている場合はステップS508へ進み、それ以外の場合はステップS510へ進む。つまり、ステップS504で登録された文書の文書種に、必須登録文書が定義されているかを判定する。必須登録文書は文書種管理用データ記憶モジュール155内の文書種管理テーブル700で管理される。
ステップS508では、情報処理装置100が、必要な文書を追加する。ステップS506で必須登録文書が定義されていると判定された場合、表示モジュール160が表示装置に、必須登録文書を追加表示する。なお、このステップS508の処理が行われた場合は、次のステップS510の判断では「NO」となる。
ステップS510では、情報処理装置100が、全文書が登録済みであるか否かを判断し、登録済みである場合は処理を終了し(ステップS599)、それ以外の場合はステップS504に戻る。つまり、必須で登録しなければいけない文書がすべて登録されればフローは終了となる。未登録の文書が残っている場合、継続して文書登録を待つ。
【0026】
図6は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図5の例に示したフローチャート内のステップS506,ステップS508の詳細な処理例を示したものである。ここでは、文書が登録されたときに、情報処理装置100が関連する必須登録文書を追加する作業について説明する。
ステップS602では、文書種取得モジュール135が、登録された文書の文書種を取得する。つまり、文書に割り振られている文書種属性を取得する。
ステップS604では、検索モジュール140が、文書種管理テーブル700から登録された文書種を検索する。つまり、取得した文書種に該当するレコードを、文書種管理テーブル700から検索する。
ステップS606では、必須文書取得モジュール145が、必須登録文書を取得する。つまり、検索したレコードに定義されている必須登録文書を取得する。
ステップS608では、表示モジュール160が、表示を更新する。つまり、追加された必須登録文書について、表示装置上の表示を更新する。具体的には、患者についての文書登録状況画面に、文書が未登録の状態として、項目の追加を行う。
【0027】
次に、文書種管理用データ記憶モジュール155内に記憶されている文書種管理テーブル700の例について説明する。
図7は、文書種管理テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。
文書種管理テーブル700は、文書種コード欄710、文書種名欄720、必須登録文書欄730を有している。文書種コード欄710は、文書種コードを記憶している。文書種名欄720は、その文書種コードに対応する文書種名を記憶している。必須登録文書欄730は、その文書種コードに対応する文書の登録にともなって登録すべき文書(必須登録文書)を記憶している。なお、
図7では、文書種名を記憶する例を示しているが、必須登録文書欄730には、文書種コードで記憶してもよい。
ここで、文書種には便宜上、文書種コードを割り振る。これにより文書種名が重複しても区別して処理することができる。なお、文書の種別が重複しているか否かは、この文書種コードを用いて判断すればよい。
【0028】
文書種には、同意書、レポート、サマリー、問診票、紹介状、記録などの種類が存在する。その中でも同意書は、ある診療行為を実施する際に必要となる文書であるため、対象の診療行為実施後の結果レポートが対で存在する。このため同意書の場合には、対応する結果レポートを必須登録文書に定義することができる。なお、同意書に限らず、必須登録文書を定義できるようになっている。例えば、病院の運用に合わせて管理者に定義してもらうようにしてもよい。なお、同意書とは、手術や入院などの診療について、患者の同意があることを証明するための文書である。次工程の診療について同意するか否かを患者が記入する。退院サマリーとは、入院から退院までの経過・治療内容を要約し、最終診断名と転帰が記載されたものである。
患者が同意書に同意しなかった場合、次工程の診療を実施しなかったエビデンスを残す必要があるため、対応する文書は登録しなければいけない。例えば、手術同意書に同意しない場合、同意しなかったことを証明する文書と、手術を実施しなかった結果レポートの登録が必要となる。これらを、文書種管理テーブル700に定義すればよい。
また、必須登録文書欄730には、複数の文書種別が登録されていてもよい。そして、その場合は、登録の順序が定義されていてもよい。例えば、必須登録文書欄730に記載されている順序で、登録すべきことを示していてもよい。
【0029】
図8は、文書登録状況表示画面800の例を示す説明図である。表示モジュール160が文書登録状況表示画面800を表示装置に表示する。
文書登録状況表示画面800には、患者A欄810、患者B欄820、患者C欄830が表示されている。つまり、患者毎に、登録必須文書を一覧(ここでは一行)で表現する。登録済みの文書には「○」を、未登録の文書には「×」を表示し、現在の登録状況を一覧できるようにする。文書が登録されると、必須登録文書に定義されている文書が追加される。
患者A欄810では、「心筋梗塞入院同意書」が登録されており、「心臓検査レポート」が登録されており、「心臓手術同意書」が登録されており、「心臓手術結果レポート」が登録されており、「退院サマリー」が登録されている。
患者B欄820では、「肺がん入院同意書」が登録されており、「肺検査レポート」が登録されており、「肺手術同意書」が登録されており、「肺手術結果レポート」が登録されておらず、「退院サマリー」が登録されている。
患者C欄830では、「心筋梗塞入院同意書」が登録されており、「心臓検査レポート」が登録されており、「肺検査レポート」が登録されており、「心臓手術同意書」が登録されており、「肺手術同意書」が登録されており、「肺手術結果レポート」が登録されておらず、「心臓手術結果レポート」が登録されており、「退院サマリー」が登録されていない。
この
図8の例に示す文書登録状況表示画面800では、患者Bの「肺手術結果レポート」が登録されずに診療が完了してしまったことが分かる。
また、患者Cについて、心臓手術後に肺の手術が必要になり(バリアンスが発生し)、「肺手術同意書」が新たに登録されたことで、「肺手術検査レポート」が必須登録文書に追加されている。
【0030】
図9は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。重複処理の詳細を示したものであり、
図6の例に示したフローチャートにステップS908、ステップS910を付加したものである。
ステップS902では、文書種取得モジュール135が、登録された文書の文書種を取得する。
ステップS904では、検索モジュール140が、文書種管理テーブル700から登録された文書種を検索する。
ステップS906では、必須文書取得モジュール145が、必須登録文書を取得する。
ステップS908では、必須文書取得モジュール145が、既に取得した文書と重複するか否かを判断し、重複する場合はステップS910へ進み、それ以外の場合はステップS912へ進む。
ステップS910では、必須文書取得モジュール145が、重複処理を行う。ここでは、重複した抽出を行わない処理を行う。したがって、次のステップS912では、ステップS906で取得した必須登録文書で同じものが2つ表示されることはない。
ステップS912では、表示モジュール160が、表示を更新する。
【0031】
図10は、文書種管理テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。文書種管理テーブル700に納期欄1025、納期欄1035を付加したものである。
文書種管理テーブル1000は、文書種コード欄1010、文書種名欄1020、納期欄1025、必須登録文書欄1030、納期欄1035を有している。文書種コード欄1010は、文書種コードを記憶している。文書種名欄1020は、その文書種コードに対応する文書種名を記憶している。納期欄1025は、その文書種コードに対応する文書を登録すべき納期を記憶している。必須登録文書欄1030は、その文書種コードに対応する文書の登録にともなって登録すべき文書(必須登録文書)を記憶している。納期欄1035は、その必須登録文書を登録すべき納期を記憶している。ここで、納期とは、例えば、文書が登録された日を開始日として、期間で示されるものである。
そして、この納期欄1035内の納期を利用して、その納期から予め定められた期間(例えば、最終日の3日前から後)にある場合は、登録すべき必須登録文書があることの警告を提示する。さらに、納期遅れとなった場合は、さらに他の警告表示をするようにしてもよい。例えば、最終日の3日前は赤で表示し、最終日過ぎは点滅等の動的表示にしてもよいし、上司、管理者等に電子メール等の通知を行うようにしてもよい。
なお、納期欄1035だけを追加したもの(納期欄1025を削除した文書種管理テーブル1000)であってもよい。
【0032】
納期管理を行った場合に、表示モジュール160が行う表示について説明する。
図11は、文書登録状況表示画面1100の例を示す説明図である。文書登録状況表示画面1100は、
図8の例に示した文書登録状況表示画面800に対して納期欄を設けたものである。つまり、未だ登録されていない文書について納期欄(患者B欄1120の肺手術結果レポートにおける納期欄1122、患者C欄1130の肺手術検査レポートにおける納期欄1132、患者C欄1130の退院サマリーにおける納期欄1134)を表示している。前述したように、現在の日時と納期の最終日との関係に応じて、警告となる表示としてもよい。
【0033】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図12に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1201を用い、記憶装置としてRAM1202、ROM1203、HD1204を用いている。HD1204として、例えばハードディスクを用いてもよい。患者登録モジュール110、文書登録モジュール120、文書処理モジュール130、文書種取得モジュール135、検索モジュール140、必須文書取得モジュール145、納期処理モジュール150、表示モジュール160等のプログラムを実行するCPU1201と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1202と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1203と、文書記憶モジュール115、文書種管理用データ記憶モジュール155としての機能を有する補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1204と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1206と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1205と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1207、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1208により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0034】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図12に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図12に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図12に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。特に、文書登録として、スキャナを用いた登録であってもよい。
なお、前述の各種の実施の形態において、各モジュールの処理内容として背景技術で説明した技術を採用してもよい。
【0035】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。