【実施例】
【0034】
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示す。下記実施例は本発明方法を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0035】
(BET比表面積の測定方法)
除去剤サンプルを約100mg採取し、120℃で12時間真空乾燥した後、秤量した。自動比表面積装置ジェミニ2375(マイクロメリティックス社製)を使用し、液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着量を相対圧が0.02〜0.95の範囲で徐々に高めながら40点測定し、前記サンプルの吸着等温線を作製した。(相対圧0.02〜0.15での結果をBETプロットし、重量当りのBET比表面積[m
2/g]を求めた。)
【0036】
(酸性ガス除去剤除去性能の評価方法:二酸化硫黄除去)
酸性ガス吸着・除去剤サンプル200mgを内径15mmのガラスカラム内に充填し、二酸化硫黄ガス100ppmを含む温度25℃、相対湿度50%の空気を流量2.0L/minで流通した。ガラスカラム内の温度は25℃一定とした。ガラスカラムの入口、出口濃度を光音響ガスモニター1312(INNOVA社製)により、測定開始から1時間の二酸化硫黄ガスの濃度変化を連続的に測定し、二酸化硫黄ガス供給量と除去率から二酸化硫黄ガス除去量を算出した。そして、二酸化硫黄ガス除去量と時間の曲線を積分することにより、二酸化硫黄ガス除去量[mg]を算出し、この二酸化硫黄ガス除去量[mg]をサンプル重量で割ることにより、サンプル当りの二酸化硫黄ガス除去量[mg/g]を算出した。
【0037】
(酸性ガス除去剤除去性能の評価方法:二酸化窒素除去)
酸性ガス吸着・除去剤サンプル300mgを内径26mmのガラスカラム内に充填し、二酸化窒素ガス1.0ppmを含む温度25℃、相対湿度50%の空気を流量10L/minで流通した。ガラスカラム内の温度は25℃一定とした。ガラスカラムの入口、出口濃度をNO−NO
2−NO
x Analyzer Model 42C(Thermo Fisher Scientific社製)により、測定開始から二酸化窒素ガス除去率が40%に到達するまで、二酸化窒素ガスの濃度変化を連続的に測定し、二酸化窒素ガス供給量と除去率から二酸化窒素ガス除去量を算出した。そして、二酸化窒素ガス除去量と時間の曲線を積分することにより、二酸化窒素ガス除去量[mg]を算出し、この二酸化窒素ガス除去量[mg]をサンプル重量で割ることにより、サンプル当りの二酸化窒素ガス除去量[mg/g]を算出した。
【0038】
<実施例1>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)19.8gを67.5mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)6.8mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム13.3g(ナカライテスク株式会社製)を225mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、350℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は125m
2/gであった。得られたマンガン酸化物を密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級し、粒状サンプルを得た。
また、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、得られたマンガン酸化物3.0gと炭酸カリウム添着加工を施したヤシ殻活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0039】
<実施例2>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)19.8gを67.5mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)6.8mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム13.3g(ナカライテスク株式会社製)を225mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、250℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は220m
2/gであった。得られたマンガン酸化物を密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級し、粒状サンプルを得た。
また、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、得られたマンガン酸化物3.0gと炭酸カリウム添着加工を施したヤシ殻活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0040】
<実施例3>
過マンガン酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gを50mlのイオン交換水に溶解させ、しばらく撹拌した。その後、スクロース(和光純薬工業株式会社製)4.8gを20mlのイオン交換水に溶解したスクロース溶液を添加した後、1時間撹拌した。得られたゾルを濾別し、120℃で乾燥処理を行った。その後、250℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は311m
2/gであった。得られたマンガン酸化物を密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級し、粒状サンプルを得た。
また、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、得られたマンガン酸化物3.0gと炭酸カリウム添着加工を施したヤシ殻活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0041】
<実施例4>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル1.0gと炭酸カリウム添着活性炭10gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0042】
<実施例5>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル2.0gと炭酸カリウム添着活性炭4.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0043】
<実施例6>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭2.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0044】
<実施例7>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル5.0gと炭酸カリウム添着活性炭2.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0045】
<実施例8>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)0.1gをイオン交換水199.9gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)100gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム0.03重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0046】
<実施例9>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会製)0.2gをイオン交換水199.8gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)100gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム0.05重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0047】
<実施例10>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)2.0gをイオン交換水18gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム5重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0048】
<実施例11
>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)2.5gをイオン交換水17.5gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム7.5重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0049】
<実施例12>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.5gをイオン交換水16.5gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム12.5重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0050】
<実施例13>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)4.0gをイオン交換水16gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム15重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0051】
<実施例14>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)6.0gをイオン交換水14gに溶解し、
作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m2/g)10
gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで
炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム20重量部)を得
た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添
着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0052】
<実施例15
>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)8.0gをイオン交換水12gに溶解し、
作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m2/g)10
gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで
炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム30重量部)を得
た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添
着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0053】
<実施例16>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:820m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0054】
<実施例17>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1150m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0055】
<実施例18>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1500m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0056】
<実施例19>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:2900m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0057】
<実施例20>
硝酸マンガン(II)六水和物(ナカライテスク株式会社製)60.0gを200mlのイオン交換水に溶解し、しばらく撹拌した。次に、過マンガン酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)20.0gを100mlのイオン交換水に溶解し、しばらく撹拌した。その後、硝酸マンガン水溶液を過マンガン酸カリウム水溶液に撹拌下でゆっくり滴下し、約30分間反応させたところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別、イオン交換水にて水洗し、120℃で乾燥させた後、300℃で1時間焼成処理を施したところマンガン酸化物が得られた。得られたマンガン酸化物の結晶形はγ型、BET比表面積は152m
2/gであった。得られたマンガン酸化物を密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級し、粒状サンプルを得た。
また、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、得られたマンガン酸化物3.0gと炭酸カリウム添着加工を施したヤシ殻活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0058】
<比較例1>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)19.8gを67.5mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)6.8mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム13.3g(ナカライテスク株式会社製)を225mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、550℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は88m
2/gであった。得られたマンガン酸化物を密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級し、粒状サンプルを得た。
また、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、得られたマンガン酸化物3.0gと炭酸カリウム添着加工を施したヤシ殻活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0059】
<比較例2>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル1.0gと炭酸カリウム添着活性炭20gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0060】
<比較例3>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル4.0gと炭酸カリウム添着活性炭1.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0061】
<比較例4>
実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gとヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0062】
<比較例5>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:500m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで炭酸カリウム添着活性炭(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
そして、実施例2で得られたマンガン酸化物の造粒サンプル3.0gと炭酸カリウム添着活性炭3.0gを均一になるように混合し、酸性ガス吸着・除去剤を得た。
【0063】
<比較例6>
実施例2で得られたマンガン酸化物6.0gを密度1.9g/cm
3になるように打錠成型後、粉砕し、355〜500μmに分級して、酸性ガス吸着・除去剤を得た。得られた酸性ガス吸着・除去剤のBET比表面積は220m
2/gであった。
【0064】
<比較例7>
炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0gをイオン交換水17gに溶解し、作製した炭酸カリウム水溶液にヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m
2/g)10gを入れ、30min攪拌し、その後、溶液を濾過し、120℃で6時間乾燥することで、酸性ガス吸着・除去剤(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)を得た。
【0065】
以下表1により本発明の効果を説明する。本発明である実施例1〜20は、α型酸化マンガンを含むマンガン酸化物のBET比表面積が100m
2/gよりも小さい場合(比較例1)、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物を添着した活性炭/マンガン酸化物の重量混合比率が10より大きい場合(比較例2)、0.4より小さい場合(比較例3)、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物が活性炭へ添着されていない場合(比較例4)、活性炭のBET比表面積が600m
2/gよりも小さい場合(比較例5)と比較して、二酸化硫黄ガス、二酸化窒素ガス除去容量が高いことがわかる。また、α型酸化マンガンを含むマンガン酸化物単体(比較例6)、アルカリ金属塩を添着した活性炭単体(比較例7)と比較しても、二酸化硫黄ガス、二酸化窒素ガス除去容量が高いことがわかる。
【0066】
【表1】