(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
[放射線画像撮影システムの全体的な構成について]
図1(A)は、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体的な概念図である。本実施形態では、放射線画像撮影システム100は、少なくとも、可搬型の放射線画像撮影装置1と、可搬型コンピューターで構成されるコンソール20とを備えている。
【0025】
放射線画像撮影装置1は、図示を省略するが、被写体である患者の身体を介して照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列されており、各放射線検出素子内で発生した電荷を読み出し回路で読み出して画像データを生成し、放射線検出素子1内の記憶手段に保存するようになっている。また、放射線画像撮影装置1には、アンテナ等を備える無線通信モジュールが内蔵されており、放射線画像撮影装置1は、撮影が終了するごとに、或いは、複数回の一連の撮影が終了した後でまとめて、画像データやその他のデータ等をコンソール20に無線通信で転送することができるようになっている。
【0026】
コンソール20は、本実施形態では、
図1(B)に示すように、CPU(Central Processing Unit)21やROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入出力インターフェース24等がバスに接続されたコンピューターとして構成されている。
【0027】
また、
図1(A)、(B)に示すように、コンソール20には、キーボードやマウス等の入力手段25や、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備える表示部26等が接続されている。そして、本実施形態では、コンソール20であるラップトップ型市販コンピューターには、上記のように放射線画像撮影装置1から転送されてきた画像データ等を受信することが可能な第1の無線通信手段27として、例えば表示部26の裏側にアンテナ等を備える無線通信モジュールが内蔵されている。
【0028】
一方、本実施形態では、コンソール20は、放射線画像撮影装置1から転送されてきた画像データ等に対して画像処理を施して放射線画像すなわち診断提供画像を生成することができるようになっている。そして、コンソール20は、生成した診断提供画像の情報を、前述したホストコンピューターやQAステーション、PACS等の外部の装置やシステム(以下、まとめて外部システムSo(
図1(A)参照)という。)に送信するようになっている。
【0029】
そのため、本実施形態では、コンソール20には、外部システムSoが接続されている、病院の院内ネットワーク等のネットワークNoのアクセスポイントAPoとの間で無線通信を行うことが可能な第2の無線通信手段28として、例えば、キーボードを有する本体部に無線アンテナ等を有する着脱可能な無線モジュールが取り付けられるようになっている。
【0030】
なお、本実施形態のコンソール20を、例えば
図2に示すように、回診車40上に搭載するように構成することが可能である。この場合、図示を省略するが、回診車40を例えば病室等に搬送し、病室等で撮影を行うことができるようになっている。そのため、回診車40は、例えば持ち運び可能な放射線源41を備えている。なお、放射線源41は、回診車40の搬送時には搬送の邪魔にならないように本体部42の上方に配置されるが、撮影の際には、例えば図中に矢印で示すように支柱43を中心に回動させることができるようになっている。
【0031】
回診車40の本体部42内には、放射線源41から放射線を照射させる放射線発生装置44や、回診車40の車輪を回転駆動させるための図示しないモーター等が内蔵されている。また、回診車40の後部には、放射線技師等が操作して放射線発生装置44に放射線の照射を指示するための曝射スイッチ45が設けられている。
【0032】
また、例えば回診車40の本体部42上に、可搬型コンピューターであるコンソール20等を載置することができるようになっており、回診車40の後部には放射線画像撮影装置1やCRカセッテC等を収納可能なカセッテホルダー46等が設けられている。そして、本体部70上にコンソール20を載置し、カセッテホルダー46に放射線画像撮影装置1等を収納する等して、回診車40の搬送にあわせてコンソール20や放射線画像撮影装置1等も搬送できるようになっている。
【0033】
そして、図示を省略するが、放射線画像撮影装置1は、上記のようにして病室等に搬送されると、例えば、ベッドと患者の身体との間に差し込まれたり、或いは患者の身体にあてがわれたりして撮影に用いられるようになっている。また、コンソール20は、各病室等において、撮影者の作業が行いやすく、撮影された放射線画像を視認しやすい位置にセットされる。そして、前述したように、放射線画像撮影装置1からは、撮影が終了するごとに、或いは、複数回の一連の撮影が終了した後でまとめて、画像データやその他のデータ等をコンソール20に無線通信で転送されるようになっている。
【0034】
[無線通信が干渉しないようにするための構成等について]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100において、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1とコンソール20との間の無線通信と、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信とが干渉しないようにするための構成等について、いくつかの実施形態に分けて説明する。また、各実施形態に係る放射線画像撮影システム100の作用についてもあわせて説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
本発明に係る第1の実施形態では、上記のような干渉が生じないようにするために、コンソール20は、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1とコンソール20との間の無線通信を、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信よりも優先して行い、両者の無線通信が同時に行われないように構成される。以下、いくつかの構成例を挙げて具体的に説明する。
【0036】
[構成例1−1]
放射線画像撮影は、大別して、放射線画像撮影装置1と放射線発生装置44とが信号等をやり取りし同期をとりながら行われる場合(以下、これを連携方式という。)と、放射線画像撮影装置1と放射線発生装置44とが信号等をやり取りせずに行われる場合(以下、これを非連携方式という。)とがある。
【0037】
そして、撮影が非連携方式で行われる場合、通常、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を検出するように構成される。なお、放射線画像撮影装置1が自ら放射線の照射開始を検出する方法については、例えば特開2009−219538号公報や国際公開第2011/135917号パンフレット、国際公開第2011/152093号パンフレット等を参照されたい。
【0038】
放射線画像撮影を非連携方式で行う場合も同様であるが、放射線画像撮影を連携方式で行う場合、コンソール20は、撮影に先立って、コンソール58には、
図1に示した外部システムSoの1つであるHISやRISから、前述した第2の無線通信手段28(
図1や
図2参照)を介して、例えば
図3に例示するような撮影オーダー情報を取得する。
【0039】
撮影オーダー情報は、各撮影に関して、撮影対象である患者の情報や撮影条件等を指定する情報であり、例えば
図3に例示するように、患者情報としての「患者ID」P2、「患者氏名」P3、「性別」P4、「年齢」P5、「診療科」P6や、撮影条件としての「撮影部位」P7、「撮影方向」P8等がそれぞれ設定される。そして、例えば撮影オーダーが登録された順に「撮影オーダーID」P1が割り当てられる。
【0040】
そして、放射線技師等が、コンソール20が取得した各撮影オーダー情報の中から、これから行う撮影に関する撮影オーダー情報を選択すると、コンソール20は、必要に応じて、放射線画像撮影装置1や放射線発生装置40に選択された撮影オーダー情報の一部、或いは、全部を送信する。また、コンソール20は、放射線画像撮影装置1を撮影に向けて起動せしめる等の制御を開始する。
【0041】
撮影が連携方式で行われる場合、実際の撮影では、例えば
図4に示すような撮影シーケンスに則って撮影が行われる。すなわち、放射線技師等により放射線発生装置44(
図2参照)の曝射スイッチ45が操作されると、放射線発生装置44から、コンソール20を経由して、放射線画像撮影装置1に照射開始信号が送信される。
【0042】
放射線画像撮影装置1では、予め各放射線検出素子内に残存する電荷を除去するリセット処理が行われているが、上記のように放射線発生装置44から照射開始信号が送信されてくると、放射線画像撮影装置1は、放射線検出素子のリセット処理を停止する。そして、各放射線検出素子のスイッチ素子を全てオフ状態として、照射された放射線に応じて各放射線検出素子内で発生した電荷を各放射線検出素子内にそれぞれ蓄積させる電荷蓄積状態に移行した後、コンソール20を介して、放射線発生装置44にインターロック解除信号を送信する。
【0043】
放射線発生装置44は、放射線画像撮影装置1からのインターロック解除信号を受信すると、放射線源41からの放射線の照射を開始する。そして、設定された照射時間だけ放射線を照射させると、放射線発生装置44は、放射線の照射を終了する。
【0044】
放射線画像撮影装置1は、放射線の照射が終了すると、各放射線検出素子内に蓄積された電荷を読み出し回路で読み出して放射線検出素子ごとに画像データDを生成して(
図4の「D生成」参照)、生成した各画像データDを記憶手段に保存する。そして、放射線画像撮影装置1は、生成した画像データDの中から一定の割合で画像データDを抽出し、抽出した画像データDをプレビュー画像用データDpとしてコンソール20に無線通信で転送する。
【0045】
コンソール20は、前述した第1の無線通信手段27(
図1や
図2参照)を介してプレビュー画像用データDpを受信すると、それらに基づいてプレビュー画像p_preを生成して、表示部26上に表示する。放射線技師等は、表示されたプレビュー画像p_preを見て、再撮影の要否を判断し、再撮影が不要であると判断すると、放射線画像撮影装置1やコンソール20が行っている診断提供画像の生成処理(すなわちオフセット等の補正処理や部位に応じた諧調処理等)処理を継続して行わせ、また、再撮影が必要であると判断すると、放射線画像撮影装置1やコンソール20が行っている処理を停止させて再撮影を行う。
【0046】
また、放射線画像撮影装置1は、撮影の前や後に、放射線が照射されない状態で、上記の放射線検出素子のリセット処理から電荷蓄積状態への移行、画像データDの生成処理までのシーケンスを繰り返して、オフセットデータOの生成処理(
図4の「O生成」参照)を行う。なお、
図4における「R」は、オフセットデータOの生成処理の際の放射線検出素子のリセット処理を表す。
【0047】
そして、オフセットデータOの生成処理が終了すると、放射線画像撮影装置1は、生成した画像データD、或いは既に転送済みのプレビュー画像用データDp以外の画像データDや、生成したオフセットデータOをコンソール20に無線通信で転送する。
【0048】
コンソール20は、第1の無線通信手段27を介して画像データDやオフセットデータOを受信すると、それらに基づいて診断提供画像pを生成して、生成した診断提供画像pを表示部26上に表示する。放射線技師等は、必要があれば診断提供画像pに対して画像補正を施す等する。そして、例えば表示部26上に表示された確定ボタンアイコンをクリックする。
【0049】
そして、コンソール20は、放射線技師等により上記のようにして診断提供画像pが承認されると、診断提供画像pの情報等を、当該診断提供画像pの撮影の基となった撮影オーダー情報に対応付けて確定する。そして、第2の無線通信手段28を介して、確定した撮影オーダー情報や診断提供画像pの情報等をホストコンピューターやQAステーション、PACS等の外部システムSo(
図1参照)に送信する。
【0050】
以上が、連携方式で撮影を行う場合の撮影シーケンスの一例であるが、このような撮影シーケンスにおいて、例えば、確定された診断提供画像pと撮影オーダー情報をコンソール20から外部システムSoに送信する際に、次の撮影で放射線画像撮影装置1が生成した画像データDが放射線画像撮影装置1からコンソール20に転送されてくるような場合に、上記の干渉が生じ得る。
【0051】
そこで、上記のように、放射線技師等により放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作されると放射線発生装置44から放射線が照射されて撮影が行われ、放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データDが転送されてくるため、これを利用して、構成例1−1では、例えば、放射線技師等による曝射スイッチ45の操作をトリガーとして、曝射スイッチ45が操作された時点で、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成することが可能である。
【0052】
本実施形態では、上記のように、放射線発生装置44と放射線画像撮影装置1とがコンソール20を介して通信する構造としたが、放射線技師等により曝射スイッチ45が操作されると、放射線発生装置44からコンソール20のみならず放射線画像撮影装置1にも照射開始信号を送信せしめる構成としも良い。或いは、放射線発生装置44と放射線画像撮影装置1とが直接通信を行い、放射線発生装置44から照射開始信号を受信した放射線画像撮影装置1からコンソール20に信号を送信するように構成したり、或いは、放射線画像撮影装置1から放射線発生装置44に送信するインターロック解除信号をコンソール20にも送信するように構成する等して、コンソール20で曝射スイッチ45が操作されたことを認識するように構成することが可能である。
【0053】
このように構成し、少なくとも放射線画像撮影装置1からの画像データDやオフセットデータO等の転送が完了するまで第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成することで、第1の無線通信手段27を介した無線通信(すなわち例えば放射線画像撮影装置1からコンソール20への画像データD等の転送)と、第2の無線通信手段28を介した無線通信(すなわち例えばコンソール20から外部システムSoへの診断提供画像pおよび撮影オーダー情報等の送信)とが干渉することを的確に防止することが可能となる。
【0054】
なお、コンソール20が、第2の無線通信手段28を介して外部システムSoに診断提供画像pおよび撮影オーダー情報等を送信している最中に、上記のように第2の無線通信手段28を介した外部システムSoとの間の無線通信を禁止した場合には、例えば、その後、第2の無線通信手段28を介した外部システムSoとの間の無線通信が許容される状態になった時点で、送信していた診断提供画像pおよび撮影オーダー情報等を送信し直したり、或いは、未送信の診断提供画像pおよび撮影オーダー情報等を送信するように構成される。
【0055】
また、放射線発生装置44と放射線画像撮影装置1とがコンソール20を介して通信する構造の場合には、インターロック解除信号の放射線発生装置44への送信(曝射許可)は、外部システムSoとの無線送信の区切りの良いタイミング(例えば複数の診断提供画像p等の送信中の場合には、送信中の一の診断提供画像pの送信が完了したタイミング等)で行うことが好ましい。
【0056】
[構成例1−2]
また、
図4に示したように、放射線技師等が放射線発生装置44の曝射スイッチ45を操作してから、放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データD等が転送されてくるまでには時間がある。そして、放射線画像撮影装置1がインターロック解除信号を送信して電荷蓄積状態に移行してからオフセットデータOの生成処理が完了するまでの時間は予め分かっている。
【0057】
そのため、上記の構成例1−1のように、放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作された時点で即座に第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成する代わりに、曝射スイッチ45が操作されてから所定時間が経過した時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成することが可能である。
【0058】
このように構成すれば、上記の構成例1−1の場合と同様に、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信とが干渉することを的確に防止することが可能となる。
【0059】
また、例えば、コンソール20が、放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作された時点で、上記の所定時間の間に外部システムSoに送信可能なデータ量を算出し、上記の所定時間の間に、このデータ量以下のデータ(例えば診断提供画像pの情報および撮影オーダー情報等)を送信するように構成することができる。そして、このように構成すれば、第2の無線通信手段を介してデータが送信されている最中にデータの送信が停止されてしまうことを防止することが可能となり、データの破損等が生じることを的確に防止することが可能となる。
【0060】
[構成例2−1]
一方、非連携方式で行われる実際の撮影では、例えば
図5に示すような撮影シーケンスに則って撮影が行われる。すなわち、放射線画像撮影装置1では、
図4に示した連携方式の場合と異なり、放射線検出素子のリセット処理の代わりに、或いはそれと並行して放射線の照射開始の検出処理が行われる。
【0061】
そして、放射線技師等により放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作されても、連携方式の場合のように放射線発生装置44から放射線画像撮影装置1に照射開始信号は送信されずに(そのため放射線画像撮影装置1から放射線発生装置44にインターロック解除信号も送信されずに)、放射線発生装置44から放射線が照射される。
【0062】
放射線画像撮影装置1は、放射線の照射開始を検出すると、即座に各放射線検出素子のスイッチ素子を全てオフ状態として電荷蓄積状態に移行させる。そして、その後の画像データDの生成処理(
図5の「D生成」参照)以降の各処理は、連携方式の場合とほぼ同様に行われる。
【0063】
このように、撮影が非連携方式で行われる場合、上記の連携方式の場合のように、放射線技師等により曝射スイッチ45が操作されることにより放射線発生装置44から放射線画像撮影装置1に送信される照射開始信号や、放射線画像撮影装置1から放射線発生装置44に送信されるインターロック解除信号をコンソール20にも送信するように構成する等して、コンソール20が、曝射スイッチ45が操作されたことを認識するように構成することができない。
【0064】
そこで、放射線発生装置44の曝射スイッチ45が放射線技師等により操作されたことを検出する手段や、曝射スイッチ45が操作可能な状態となったことを検出する手段を設けるように構成し、コンソール20が、これらの手段が曝射スイッチ45の操作を検出した時点や、曝射スイッチ45が操作可能な状態となったことを検出した時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成することが可能である。
【0065】
放射線発生装置44の曝射スイッチ45が放射線技師等により操作されたことを検出する手段として、曝射スイッチ45に、例えば
図6に例示するような検出手段60を取り付けるように構成することが可能である。そして、検出手段60は、例えば、曝射スイッチ45のボタン部45aの先端に略L字状の可動片61の一端を取り付け、曝射スイッチ45のボタン部45aが押下されることにより可動片61が移動すると、可動片61の他端が、発光素子62から受光素子63への光の照射を遮断することで、曝射スイッチ45が放射線技師等により操作されたことを検出するように構成することが可能である。
【0066】
また、放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作可能な状態となったことを検出する手段として、例えば、
図7に示すようなカバー装置70を設けるように構成し、カバー装置70の本体部71内に曝射スイッチ45を収容するように構成し、カバー装置70の蓋部72を開放しないと放射線技師等が曝射スイッチ45を操作することができないように構成する。
【0067】
また、蓋部72を開放した際に、発光素子73から照射した光が蓋部72で反射されて、反射光が受光素子74に入射する位置に発光素子73と受光素子74とを配置するようにしてカバー装置70を構成することで、曝射スイッチ45が操作可能な状態となったこと(すなわちこの場合は蓋部72が開放されたこと)を検出するように構成することが可能である。
【0068】
[構成例2−2]
また、この構成例2−1においても、上記の構成例1−2の場合と同様に、コンソール20が、上記の検出手段60やカバー装置70等から検出信号が送信されてきた時点で即座に第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成する代わりに、検出信号が送信されてきた時点から所定時間が経過した時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成することが可能である。このように構成すれば、上記の構成例1−2の場合と同様の有益な効果が得られる。
【0069】
また、上記の説明では、構成例2−1や構成例2−2を、非連携方式で撮影を行う放射線画像撮影システム100に適用することを前提として説明したが、上記の構成例2−1、2−2を連携方式で撮影を行う放射線画像撮影システム100に適用することも可能である。
【0070】
[構成例3]
ところで、上記の構成例1−1から構成例2−2までは、放射線技師等による放射線発生装置44の曝射スイッチ45の操作をトリガーとし、それ以降、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止することで、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1とコンソール20との間の無線通信を、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信よりも優先して行う場合について説明した。
【0071】
しかし、曝射スイッチ45の操作以外の事項をトリガーとして、それ以降、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成することも可能である。
【0072】
例えば、撮影が連携方式と非連携方式のいずれの方式で行われる場合も、上記のように、放射線技師等は、撮影前に、コンソール20が取得した各撮影オーダー情報の中から、これから行う撮影に関する撮影オーダー情報を選択する。すなわち、放射線技師等が撮影オーダー情報を選択することで撮影が始まる。
【0073】
そのため、構成例3では、例えば、この放射線技師等がこれから行われる撮影に関する撮影オーダー情報を選択することをトリガーとし、コンソール20は、取得した撮影オーダー情報の中から、これから行われる撮影に関する撮影オーダー情報が選択された時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成される。
【0074】
このように構成すれば、撮影オーダー情報が選択されて撮影が行われる間、すなわち放射線画像撮影装置1から画像データDやオフセットデータO等が転送されてくるまでの間、第2の無線通信手段28を介した無線通信が禁止されるため、上記の各構成例の場合と同様に、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信とが干渉することを的確に防止することが可能となる。
【0075】
そして、この構成例3においても、上記の構成例1−2や構成例2−2と同様に、撮影オーダー情報が選択された時点で即座に第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を禁止するように構成する代わりに、撮影オーダー情報が選択された時点から所定時間が経過した時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成することも可能である。このように構成すれば、上記の構成例1−2や構成例2−2で説明した有益な効果が得られる。
【0076】
[構成例4]
また、撮影が連携方式と非連携方式のいずれの方式で行われる場合も、上記のように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了し、画像データDの生成処理が行われると、放射線画像撮影装置1からコンソール20にプレビュー画像用データDpが転送されてくる。また、放射線画像撮影システム100の構成の仕方によっては、放射線画像撮影装置1で画像データDの生成処理が終了すると、画像データDから抽出したプレビュー画像用データDpではなく画像データDそのもの(いわゆるrawデータ)を転送するように構成される場合もある。
【0077】
そこで、構成例4では、例えば、放射線画像撮影装置1からコンソール20にプレビュー画像用データDpや画像データDが転送されてきたことをトリガーとし、コンソール20は、プレビュー画像用データDpや画像データDが転送されてきた時点で、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止するように構成される。この場合は、第2の無線通信手段28を介した無線通信は、プレビュー画像用データDpや画像データDが転送されてきた時点で即座に停止される。
【0078】
このように構成すれば、放射線画像撮影装置1からコンソール20にプレビュー画像用データDpや画像データDが転送されてきた時点で、コンソール20が第2の無線通信手段28を介して外部システムSoと無線通信を行っている場合には、その瞬間には干渉が生じ得るが、第2の無線通信手段28を介した無線通信が即座に停止されるため、少なくともその後は干渉が生じなくなる。
【0079】
そのため、その後は、放射線画像撮影装置1からオフセットデータO等の必要なデータ等が転送されてきて撮影が完了するまでの間、第2の無線通信手段28を介した無線通信が禁止されるため、上記の各構成例の場合と同様に、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信とが干渉することを的確に防止することが可能となる。また、通信タイムアウトエラーの発生も抑制されるので、タイムアウトエラーからの復帰処理時の誤操作起因の画像喪失リスクを解消することができる。
【0080】
[構成例5]
一方、撮影が連携方式と非連携方式のいずれの方式で行われる場合も、1人の患者(被写体)に対して放射線発生装置44から放射線を1回ずつ照射し、1人につき1回ずつ撮影が行われるような場合、放射線技師等は、1人の患者に対する撮影が終了すると、次の患者の所に放射線画像撮影装置1を持って行き、或いは先の患者と次の患者を入れ替わってもらい、次の患者に対して放射線画像撮影装置1をあてがう等して放射線画像撮影装置1のポジショニングを行う等した後で、ようやく次の撮影が行われる。そのため、1人の患者につき1回ずつ撮影を行うような場合には、撮影が終わってから次の撮影が行われるまでに比較的時間がかかる。
【0081】
そのため、このような場合、今回の撮影が終了し、放射線技師等が放射線画像撮影装置1のポジショニングを行っている間に、コンソール20は、今回の撮影が終了して放射線画像撮影装置1から転送されてきた画像データDやオフセットデータO等に基づく診断提供画像pの生成処理や、それを撮影オーダー情報と対応付けて確定する処理(
図4や
図5参照)を完了してしまい、対応付けた診断提供画像と撮影オーダー情報の外部システムSoへの送信を完了することができる場合が多い。
【0082】
なお、対応付けた診断提供画像と撮影オーダー情報の外部システムSoへの送信を完了する前に、第2の無線通信手段28を介した無線通信が禁止される可能性があることは、上記の各構成例で説明した通りである。
【0083】
しかし、例えば、1人の患者(一の被写体)に対して複数回の撮影が行われるような場合には、1回の撮影が終了するごとに、同じ患者に対して放射線画像撮影装置1のポジショニングを変えたり、或いは放射線画像撮影装置1に対する患者の姿勢を変える等して比較的短時間でポジショニングを終了して、次の撮影を行うことになる。そのため、1回の撮影に要する時間が短くなる。
【0084】
そのため、このような場合に、上記のケースと同様に、放射線画像撮影装置1から転送されてくる画像データD等に基づいてコンソール20で診断提供画像pを生成し、撮影ごとに診断提供画像p等を外部システムSoに送信するように構成すると、コンソール20から外部システムSoに診断提供画像p等を送信している最中に、次の撮影で取得された画像データDが放射線画像撮影装置1からコンソール20に転送されてくるような事態が生じ得る。
【0085】
そのため、1人の患者(一の被写体)に対して複数回の撮影が行われるような場合、撮影ごとにコンソール20から外部システムSoに診断提供画像を送信するように構成すると、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信とが干渉してしまう可能性が高い。
【0086】
しかし、1人の患者の複数の一連の撮影が終了し、撮影の対象が次の患者に移る際には、上記のように、患者の入れ替えや放射線画像撮影装置1の持ち運び・ポジショニング等が必要になるため、次の撮影までの間隔が長くなる。
【0087】
そこで、上記のように、例えば撮影オーダー情報が選択される場合に、同じ患者に関する撮影オーダー情報が複数選択される等して、1人の患者(一の被写体)に対して複数回の撮影が行われるような場合には、その患者に対する複数の一連の撮影が終了するまでは第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止し、当該患者に対する複数の一連の撮影が終了した時点で、第2の無線通信手段28を介して、当該複数回分の診断提供画像pおよび撮影オーダー情報をまとめて外部システムSoに送信するように構成することが可能である。
【0088】
なお、実際の放射線画像撮影システム100では、上記のように1人の患者に対して複数回の撮影を行う場合以外にも、コンソール20から外部システムSoに、複数の診断提供画像pおよび撮影オーダー情報の組をまとめて送信するように構成される場合があるが、これを行うと、コンソール20から外部システムSoへの第2の無線通信手段28を介した無線通信の時間が比較的長くなり、第1の無線通信手段27を介した無線通信との干渉を生じる可能性が高くなる。
【0089】
そのため、コンソール20から外部システムSoに診断提供画像p等を送信する場合には、診断提供画像pを1枚ずつ、すなわち診断提供画像pおよび撮影オーダー情報を1組ずつ第2の無線通信手段28を介して外部システムSoに送信するように構成することが好ましい。そして、その際、1回の撮影に要する時間程度の時間をあけて、診断提供画像pを1枚ずつ送信するように構成することが好ましい。
【0090】
このように構成すれば、コンソール20から外部システムSoへの第2の無線通信手段28を介した無線通信の時間が短くなり、第1の無線通信手段27を介した無線通信との干渉を生じる可能性をより低下させることが可能となる。また、仮に干渉が生じても、第2の無線通信手段28を介した無線通信が長くなってタイムアウトになるような事態が生じることを回避することが可能となり、少なくとも、画像データDや診断提供画像pの情報が失われてしまうことを防止することが可能となる。
【0091】
[構成例6]
また、第1の実施形態における、第1の無線通信手段27を介した無線通信優先の概念をより拡げて、例えば、コンソール20は、放射線画像撮影装置1が撮影可能な状態にある場合は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を禁止し、放射線画像撮影装置1が撮影に用いることができない状態にある場合にのみ、第2の無線通信手段28を介した無線通信を許容するように構成することも可能である。
【0092】
この場合、放射線画像撮影装置1が撮影に用いることができない状態としては、例えば、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態や、放射線画像撮影装置1がいわゆるスリープモード(省電力モード等ともいう。)になっている場合を挙げることができる。また、例えば放射線画像撮影装置1に加速度センサーを取り付けたり、或いは放射線画像撮影装置1に取っ手を設け、放射線技師等が取っ手を把持するとそれを検出する手段を設ける等して、放射線画像撮影装置1が持ち運ばれており撮影に使用できない状態であることを検出するように構成することも可能である。
【0093】
そして、このように構成すれば、コンソール20は、放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてこないことが確実な場合にのみ、第2の無線通信手段28を介して外部システムSoと無線通信を行うことになるため、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信との間で干渉が生じることを確実に防止することが可能となる。
【0094】
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信との間で干渉が生じないようにするために、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1とコンソール20との間の無線通信を優先するように構成する場合について、いくつかの構成例を挙げて説明した。
【0095】
次に、本発明に係る第2の実施形態では、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信との間で干渉が生じないようにするために、コンソール20が、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの間の無線通信を優先して行うように構成される場合について説明する。
【0096】
[構成例7]
この場合、例えば、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている間は、そもそも撮影を行わせないように構成することが可能である。すなわち、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている場合には、その第2の無線通信手段28を介した無線通信が終了するまでは、放射線発生装置44からの放射線の照射を禁止するように構成することが可能である。
【0097】
このように構成すれば、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている間は、第1の無線通信手段27を介して放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてくることはないため、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信との間で干渉が生じることはない。
【0098】
また、これを実現する方法としては、例えば、前述した連携方式で撮影が行われる場合には、放射線技師等により放射線発生装置44の曝射スイッチ45が操作されて放射線発生装置44から放射線画像撮影装置1に照射開始信号が送信された際に、放射線画像撮影装置1がコンソール20に対して放射線発生装置44にインターロック解除信号を送信してよいか否かを問い合わせる信号を送信し、コンソール20から許可信号が送信された場合に初めて放射線発生装置44にインターロック解除信号を送信するように構成することが可能である。
【0099】
このように構成し、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信が終了するまでは、放射線画像撮影装置1に許可信号を送信しないように構成すれば、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信が終了するまでは、放射線発生装置44から放射線が照射されないようにすること(すなわち放射線の照射を禁止すること)が可能となる。
【0100】
また、撮影が連携方式と非連携方式のいずれの方式で行われる場合も、例えば、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている場合にそれを表示したり音声で伝達する等して、放射線技師等の放射線を照射させないように警告する警告手段を設けるように構成することも可能である。この場合、例えばコンソール20を警告手段として、その表示部26上に警告を表示したり発声する等して警告するように構成することも可能であり、また、回診車40(
図2参照)に警告手段を設けるように構成することも可能である。
【0101】
さらに、例えば、
図6に示した検出手段60や、
図7に示したカバー装置70等を用い、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている際にコンソール20から送信された信号を受信すると、例えば検出手段60の可動片61を動かなくさせたり、或いはカバー装置70の蓋部72が開かなくなるように構成することで、放射線技師等が曝射スイッチ45を操作することができなくなるようにすることも可能である。
【0102】
[構成例8]
一方、撮影が連携方式と非連携方式のいずれの方式で行われる場合も同様であるが、例えば、救急患者を撮影するような場合、放射線画像撮影システム100は、患者を撮影すると、すぐに放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データD等を転送し、コンソール20で診断提供画像pを生成して外部の読影端末等に送信し、読影端末上に診断提供画像pを表示して、医師がそれを見て速やかに診断することができるように構成されることが望ましい。
【0103】
そのため、このような場合も、コンソール20は、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1との間の無線通信よりも、第2の無線通信手段27を介した外部システムSo(この場合は例えば読影端末)との間の無線通信を優先して行うように構成することが望ましい。しかし、同時に、患者が救急患者である場合には、患者の身体の必要な箇所を次々と撮影していくことが望まれる。そのため、上記の構成例7のように、第2の無線通信手段28を介した無線通信を優先させるために、放射線発生装置44からの放射線の照射を禁止してしまうと、撮影を行うことができなくなってしまう。
【0104】
そこで、構成例8では、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている間は、第1の無線通信手段27を介した無線通信を禁止し、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っていない場合にのみ第1の無線通信手段27を介した無線通信を許容するように構成することが可能である。
【0105】
この場合は、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っていて、第1の無線通信手段27を介した無線通信を行えない場合でも、放射線技師等は、放射線発生装置44から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して撮影を行うことが可能となる。
【0106】
そして、この場合は、例えば、放射線画像撮影装置1が、コンソール20に対して画像データD等の転送要求を送信し、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている間は、放射線画像撮影装置1に対して転送を禁止する信号を返信する。また、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っていない場合は、放射線画像撮影装置1に対して転送を許可する信号を返信するように構成することが可能である。
【0107】
このように構成すれば、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を行っている間は、その第2の無線通信手段28を介した外部システムSoとの間の無線通信を優先して行うことが可能となり、放射線画像撮影装置1は、その間、撮影を継続して行うことが可能となる。そして、記憶手段に保存された画像データD等を、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した無線通信を終了した後で転送することが可能となる。
【0108】
そのため、例えば、コンソール20から救急患者を撮影した診断提供画像pの情報を優先的に外部の読影端末等に送信するとともに、放射線画像撮影装置1を用いた救急患者の撮影を次々と行うことが可能となり、医師が的確かつ速やかに救急患者に関する診断を行うことが可能となる。
【0109】
[第3の実施の形態]
ところで、上記の第1の実施形態や第2の実施形態では、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかが予め設定されている場合について説明した。しかし、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを、状況に応じて切り替えることができるように構成することも可能である。
【0110】
[構成例9]
例えば、放射線画像撮影装置1が本発明のように可搬型である場合、1台の放射線画像撮影装置1を、複数の回診車40で使用することができる。そして、回診車40に搭載されている放射線発生装置44ごとに放射線源41の性能や放射線の照射特性等に違いがあること等により、例えば
図4や
図5に示した電荷蓄積状態を継続させる時間をより長く設定することが必要になる場合がある。
【0111】
そして、電荷蓄積状態の継続時間が長くなると、
図4や
図5に示したその後に行われるオフセットデータOの生成処理(図中の「O生成」参照)の前の電荷蓄積状態の継続時間も同様に長くなる。そのため、例えば放射線技師等が放射線発生装置44の曝射スイッチ45を操作して放射線を照射されてから、放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データDやオフセットデータO等が転送されてくるまでの時間が、電荷蓄積状態の継続時間が短く設定された場合に比べて長くなる。
【0112】
その際、電荷蓄積状態の継続時間が長く設定されているにもかかわらず、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した無線通信を、第2の無線通信手段28を介した無線通信よりも優先する状態のままであると、上記のように画像データDやオフセットデータO等が転送されてくるまでの長い時間の間、コンソール20から第2の無線通信手段28を介して外部システムSoに撮影オーダー情報に対応付けられた診断提供画像pの情報等を送信することができなくなってしまう。
【0113】
しかし、これでは、診断提供画像p等を外部システムSoに送信するまでの工程を含む撮影の効率が非常に悪いものとなる。そして、上記の場合は、寧ろ第2の無線通信手段28を介した無線通信を第1の無線通信手段27を介した無線通信より優先するように構成する方が、撮影の効率が向上する。
【0114】
一方、今度は、コンソール20が、常に第2の無線通信手段28を介した無線通信を第1の無線通信手段27を介した無線通信より優先する状態とすると、例えば、コンソール20が第2の無線通信手段28を介して外部システムSoに大量の診断提供画像pの情報等を送信する等した場合に、第1の無線通信手段27を介して放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データD等を転送できない状態が続く。
【0115】
そして、放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データD等を転送できない状態が続く場合に、当該放射線画像撮影装置1を用いた撮影が次々と行われると、放射線画像撮影装置1の記憶手段に保存される画像データD等の量が記憶手段の容量をオーバーしてしまい、その放射線画像撮影装置1を用いた撮影を行うことができなくなる。
【0116】
そして、例えば、
図2に示した回診車40に放射線画像撮影装置1を1台しか搭載しなかった場合等には、替えの放射線画像撮影装置1がなく、放射線画像撮影装置1の記憶手段に保存された画像データD等をコンソール20に転送するまで次の撮影を行うことができなくなったり、或いは、放射線技師等が保管場所まで行って他の放射線画像撮影装置1を持って来なければならず、放射線技師等が煩わしさを感じてしまう。
【0117】
そこで、例えば、上記のように撮影時に放射線画像撮影装置1に設定される電荷蓄積状態の継続時間の長さに応じて、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを切り替えるように構成することが可能である。
【0118】
例えば、上記の場合は、撮影時に放射線画像撮影装置1に設定される電荷蓄積状態の継続時間の長さが例えば設定された閾値以下である場合には、コンソール20は、第1の無線通信手段27を介した無線通信を優先して行うように切り替え、設定される電荷蓄積状態の継続時間の長さが例えば設定された閾値より長い場合には、コンソール20は、第2の無線通信手段28を介した無線通信を優先して行うように切り替えるように構成される。
【0119】
このように構成すれば、上記のような種々の問題が生じることを的確に防止して、撮影の効率を的確に向上させつつ、しかも、放射線技師等に煩わしさを感じさせず、放射線技師等にとって放射線画像撮影システム100を使い勝手がよいものとすることが可能となる。
【0120】
なお、この場合、放射線画像撮影装置1からコンソール20に、設定された電荷蓄積状態の継続時間の長さの情報を送信するように構成してもよく、また、例えば、放射線技師等が撮影に使用される回診車40や放射線源41の識別情報をコンソール20に入力し、コンソール20が予め備えている、識別情報と電荷蓄積状態の継続時間とを対応付けたテーブル等を参照することで、撮影時に放射線画像撮影装置1に設定される電荷蓄積状態の継続時間の長さを割り出すように構成することも可能である。
【0121】
或いは、コンソール20が、予め、回診車40や放射線源41の識別情報と、第1の無線通信手段27または第2の無線通信手段28とを対応付けたテーブル等を備えておき、回診車40や放射線源41の識別情報が入力されると、当該テーブル等に基づいて、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを直接割り出すように構成することも可能である。
【0122】
[構成例10]
また、上記の構成例9では、放射線画像撮影装置1に設定された電荷蓄積状態の継続時間の長さに基づいて、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを自動的に切り替える場合について説明した。
【0123】
しかし、例えば、放射線技師等が、必要に応じて、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを切り替えるように構成することも可能である。
【0124】
すなわち、例えば、上記のように、1人の患者に対して複数回の撮影を行うような場合には、1回の撮影が終了するごとに放射線画像撮影装置1から画像データDやオフセットデータO等が転送されてくるため、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信を優先するように切り替える。また、患者ごとに1回ずつ撮影を行う場合は、患者の入れ替え等に時間がかかるため、放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてくる間隔も長くなる。そのため、このような場合は、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信を優先するように切り替える。
【0125】
また、例えば、高齢の患者や病状が重い患者、或いは安静を命じられている患者等に対して複数回の撮影を行うような場合、患者が撮影ごとに姿勢を変える際に時間がかかる等して、撮影の間隔が長くなる場合がある。そのため、例えば、このような場合は、上記のように1人の患者に対して複数回の撮影を行うような場合であっても、コンソール20が第2の無線通信手段28を介した外部システムSoとの間の無線通信を優先するように切り替えるように構成することも可能である。
【0126】
このように、患者の年齢や病状等に応じて、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを切り替えるように構成することも可能である。
【0127】
さらに、一般の患者に対する撮影と、救急患者に対する撮影とで、放射線技師等が、コンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを切り替えるように構成することも可能である。
【0128】
すなわち、この場合は、一般の患者に対する撮影の場合は、放射線画像撮影装置1からコンソール20に画像データD等を転送する第1の無線通信手段27を介した無線通信の方を優先するように切り替え、救急患者に対する撮影の場合は、上記のようにコンソール20から読影端末等の外部システムSoへの診断提供画像p等の送信が優先されるため、第2の無線通信手段28を介した無線通信の方を優先するように切り替える。
【0129】
このように、各場合に応じて放射線技師等が判断してコンソール20が第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信のいずれの無線通信を優先して行うかを切り替えるように構成することで、各撮影をそれぞれ的確に行うことが可能となるとともに、撮影の効率を向上させることが可能となる。
【0130】
[第4の実施の形態]
[構成例11]
ところで、本発明の目的である、放射線画像撮影装置1からコンソール20への画像データD等の無線通信による転送(すなわち第1の無線通信手段27を介した無線通信)と、コンソール20と外部システムSoとの無線通信(すなわち第2の無線通信手段28を介した無線通信)との間で干渉を生じないということを端的に実現するためには、例えば、以下のように構成することも可能である。
【0131】
すなわち、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信とを、いずれも、放射線画像撮影システム100が適用される病院等の施設で使用されている無線通信のチャンネルと同じチャンネルを使用して行わせれば、例えば無線LANにおける調停機能により、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信と、施設内の通信機器との無線通信が調停されるようになる。そのため、少なくとも、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信との間で干渉が生じることを的確に防止することが可能となる。
【0132】
このように、例えば、事前にコンソール20に施設で使用されているチャンネルの情報を入力したり、或いは、病室(撮影場所)を移動する際に、コンソール20等でサーベイする等して施設で使用されているチャンネルの情報を割り出しておき、各撮影場所において、コンソール20が、第1の無線通信手段27を介した無線通信と、第2の無線通信手段28を介した無線通信とを、いずれも、施設で使用されている無線通信のチャンネルと同じチャンネルを使用して行わせるように構成することが可能である。
【0133】
そのため、例えば、放射線画像撮影装置1からコンソール20への画像データD等の転送と、コンソール20から外部システムSoへの診断提供画像pの情報等の送信との間で干渉が生じることを的確に防止することが可能となり、放射線画像撮影装置1−コンソール20間或いはコンソール20−外部システムSo間のいずれかの無線通信がタイムアウトになって通信エラーになり、エラー回復操作時に画像データDや診断提供画像pの情報が失われるような事態が生じせしめてしまうことを的確に防止することが可能となる。
【0134】
[構成例12]
また、よく知られているように、2つの無線通信系がそれぞれ使用しているチャンネル(すなわち周波数帯域)を2チャンネル以上離すと、2つの無線通信系の間で干渉が生じなくなる。そこで、コンソール20は、各撮影場所において、第1の無線通信手段27を介した無線通信で使用するチャンネルと、第2の無線通信手段28を介した無線通信で使用するチャンネルとが少なくとも2チャンネル以上離れたチャンネルをそれぞれ使用するように設定して、第1の無線通信手段27を介した無線通信と第2の無線通信手段28を介した無線通信とをそれぞれ行わせるように構成することが可能である。
【0135】
そして、この場合、コンソール20と、ホストコンピューターやQAステーション、PACS、HIS、RIS等の外部システムSoとの間の無線通信は、病院等の施設にすでに設置されている無線ネットワークが用いられる場合が多いと考えられる。そのため、例えば、コンソール20は、第1の無線通信手段27を介した無線通信で使用するチャンネルの方を、第2の無線通信手段28を介した無線通信で使用するチャンネルから少なくとも2チャンネル以上離れたチャンネルを使用するチャンネルを使用して第1の無線通信手段27を介した無線通信を行わせるように構成することが可能である。
【0136】
[効果]
以上のように、上記の各実施形態に係る放射線画像撮影システム100によれば、第1の無線通信手段27を介した放射線画像撮影装置1からコンソール20への画像データD等の無線通信による転送と、第2の無線通信手段28を介したコンソール20と外部システムSoとの無線通信との間で干渉が生じることを的確に防止することが可能となる。
【0137】
そのため、干渉が生じるため放射線画像撮影装置1からコンソール20への画像データD等の転送やコンソール20から外部システムSoへの診断提供画像pの情報等の送信のいずれかがタイムアウトになってしまい、通信エラーになる等して、画像データDや診断提供画像pの情報が失われる事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
【0138】
なお、
図1や
図2に示したように、コンソール20の本体部に第2の無線通信手段28としての無線アンテナ等を直接接続する代わりに、干渉が生じにくくするために、図示を省略するが、例えば、コンソール20の本体部からケーブルを延ばし、その先端に無線アンテナ等を取り付ける等して、第1の無線通信手段27(前述したように市販コンピューターの場合には表示部の裏側にアンテナが配置されていることが多い。)と第2の無線通信手段28とを互いにできるだけ遠ざける等の措置をとることも可能であり、適宜対策がとられる。
【0139】
[アクセスポイントの切り替えの問題について]
ところで、上記のように、例えば、回診車40に搭載されたコンソール20(或いは放射線技師等がコンソール20等を持ち運ぶ場合等においても同様。)と、ホストコンピューターやQAステーション等の外部システムSoとの間の無線通信は、病院等の施設に既設の無線ネットワークが用いられる場合が多い。
【0140】
そして、この場合、通常、施設内の複数の箇所に無線ネットワークのアクセスポイントAP(例えば
図1におけるAP
O参照)が設けられ、コンソール20が回診車40に搭載されたり放射線技師等により持ち運ばれる等して施設内を移動すると、それにあわせてコンソール20と無線通信を行うアクセスポイントAPが順次切り替えられ、無線ネットワークのいずれかのアクセスポイントAPを介して、コンソール20と外部システムSoとの無線通信が維持されるように構成される。
【0141】
しかし、本発明者らが研究を重ねたところ、上記のようなコンソール20の移動に伴うアクセスポイントAPの切り替えがうまく行かず、例えばコンソール20から外部システムSoへの診断提供画像pの情報等の送信に要する時間が異常に長くなったり、最悪の場合、コンソール20と無線ネットワークとの無線通信が途切れてしまい、コンソール20と外部システムSoとが無線通信を行うことができなくなるケースが生じ得ることが分かってきた。
【0142】
そこで、その原因を調べたところ、以下のような原因が存在することが分かった。なお、以下では、上記の各実施形態に即して、コンソール20とアクセスポイントAPとが無線通信を行う場合について説明するが、コンソール20の場合だけでなく一般の無線通信可能な電子機器においても同様に説明することができる。
【0143】
[原因1]
すなわち、コンソール20は、この場合は第2の無線通信手段28(
図1や
図2参照)とアクセスポイントAPとの間の無線通信の電波強度を定期的に検出しており、検出した電波強度Iが設定された閾値レベルIthより低下すると、新たなアクセスポイントAPの探索を開始するが、検出した電波強度Iが設定された閾値レベルIth以上である限り、新たなアクセスポイントAPの探索を開始しない。
【0144】
そのため、
図8に示すように、例えば、コンソール20を、アクセスポイントAP−Aの近傍からアクセスポイントAP−Bの設置場所に向かって搬送した場合(持ち運び等を含む。)、アクセスポイントAP−Aとの無線通信の電波強度Iが低下し、アクセスポイントAP−Bとの無線通信の電波強度Iの方が大きくなっているにもかかわらず、アクセスポイントAP−Aとの無線通信の電波強度Iが閾値レベルIth以上であるため、コンソール20との無線通信を行うアクセスポイントAPがAP−AからAP−Bにうまく切り替わらない状態が生じ得る。
【0145】
この場合、コンソール20とアクセスポイントAP−Aとの無線通信は行われるため、コンソール20と外部システムSoとの無線通信が途切れることはないが、電波強度Iが弱いため、コンソール20とアクセスポイントAP−Aとの通信速度が遅くなり、例えばコンソール20から外部システムSoへの診断提供画像pの情報等の送信に要する時間が異常に長くなる状態が生じるようになる。
【0146】
[原因2]
また、
図9に示すように、例えば、コンソール20を、アクセスポイントAP−Aの近傍からアクセスポイントAP−Bの設置場所に向かって搬送する際に、アクセスポイントAP−Aとの無線通信の電波強度Iが低下して閾値レベルIthより低下し、アクセスポイントAP−Bとの無線通信の電波強度Iも閾値レベルIthを下回っている場合には、コンソール20と各アクセスポイントAP−A、AP−Bとの無線通信が途切れるように構成されている場合があることも分かってきた。
【0147】
このように構成されてしまうと、上記のように、コンソール20といずれのアクセスポイントAPとの無線通信の電波強度Iも閾値レベルIthを下回ってしまうと無線通信が途切れてしまい、コンソール20と外部システムSoとが無線通信を行うことができなくなってしまう。
【0148】
そこで、これらの問題が生じないようにするために、例えば、以下のように構成することが可能である。
【0149】
[対策1]
新たなアクセスポイントAPとの無線通信が確立されるまでは、元のアクセスポイントAPとの無線通信を維持する(すなわち切断しない)ように構成する。
【0150】
このように構成すれば、少なくともコンソール20を搬送する際に、アクセスポイントAPとの無線通信の電波強度Iが閾値レベルIthより低下してコンソール20とアクセスポイントAPとの無線通信が途切れてしまう事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
【0151】
[対策2]
上記の電波強度Iの閾値レベルIthを、可変して設定することができるように構成する。
【0152】
すなわち、コンソール20が無線通信するアクセスポイントAPを切り替える基準となる電波強度Iの閾値レベルIthを可変して設定することができるように構成すると、例えば
図8に示したようにコンソール20がアクセスポイントAP−Aの位置からアクセスポイントAP−Bに向かって移動する際に、閾値レベルIthをより高い値に設定するほど、アクセスポイントAP−Bの近傍まで行かなくても、より早い段階で、すなわちよりアクセスポイントAP−Bからより遠い位置(よりアクセスポイントAP−Aにより近い位置)で無線通信するアクセスポイントAPを切り替えることが可能となる。
【0153】
このように、電波強度Iの閾値レベルIthを可変して設定することができるように構成すると、コンソール20が無線通信するアクセスポイントAPを、放射線技師等が意図した位置で切り替えることが可能となり、しかも、コンソール20が無線通信するアクセスポイントAPを的確に切り替えることが可能となる。
【0154】
[対策3]
また、コンソール20が行う電波強度測定のインターバルを変更することができるように構成することも可能である。
【0155】
すなわち、例えば、コンソール20が周囲の電波強度を測定する測定処理のインターバルを短くすれば、電波強度Iがより強い新たなアクセスポイントAPをより早期に発見することが可能となり、早期に新たなアクセスポイントAPに切り替えて、より強い電波強度Iで無線通信を行うことが可能となる。しかし、測定処理のインターバルを短くするほど、その分、電力の消費量が増大するため、例えばバッテリーが内蔵された可搬型のコンソール20では、バッテリーの消耗度合いがより大きくなってしまう。
【0156】
そのため、例えば、デフォルトの状態ではインターバルを長く設定しておき、放射線技師等がコンソール20から外部システムSoに診断提供画像pの情報等を送信する時点でインターバルを短くするように変更すれば、バッテリーの消耗を抑えつつ、診断提供画像pの情報等を外部システムSoにより強い電波強度Iで無線通信することが可能となる。
【0157】
[対策4]
一方、上記のように、コンソール20とアクセスポイントAP−Aとの無線通信の電波強度Iが閾値レベルIthより低下したため、アクセスポイントAPを切り替えようとしても、新たなアクセスポイントAPとコンソール20との無線通信の電波強度Iが弱ければ、アクセスポイントAPを切り替える意味がない。
【0158】
そこで、例えば、上記の閾値レベルIとして、2段階の閾値レベルを採用し、高い値の閾値レベルIth_highと低い値の閾値レベルIth_lowの2段階に設定するように構成することが可能である。なお、上記の閾値レベルIとIth_highとIth_lowとを比較すると、Ith_high>Ith_low>Iとなる。
【0159】
そして、例えば、コンソール20とアクセスポイントAP−Aとの無線通信の電波強度Iが低い値の閾値レベルIth_lowを下回った時点で、新たなアクセスポイントAPの探索を開始する。そして、高い値の閾値レベルIth_high以上の電波強度IのアクセスポイントAP−Bがあれば無線通信を行う対象を当該新たなアクセスポイントAP−Bに切り替えるが、新たなアクセスポイントAP−Bとの無線通信の電波強度Iが高い値の閾値レベルIth_high未満であれば、アクセスポイントAPを切り替えずに元のアクセスポイントAP−Aとの無線通信を継続するように構成することが可能である。
【0160】
このように構成すれば、電波強度Iがより強い新たなアクセスポイントAPがあれば無線通信を行う対象を新たなアクセスポイントAPに的確に切り替え、電波強度Iがより強い新たなアクセスポイントAPがない場合には、元のアクセスポイントAPとの無線通信が的確に継続されるようにすることが可能となるといったメリットがある。
【0161】
なお、本発明が上記の各実施形態や構成例等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。