【文献】
炭野重雄,岩本哲夫,大画面ディスプレイを用いた遠隔型集合教育システムの検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1997年 3月15日,第96巻,第578号,p.41-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子会議システムにおいては、通信回線で互いに接続される各端末の画面に動画、静止画、テキストデータといった複数の種別の画像が表示される。そして、各ユーザーは端末の画面を見ながら、他のユーザーと会話する。例えば、遠隔にいる作業者(ユーザー)が、作業現場で作業をしながら、支援者(ユーザー)と端末の画面を見ながら打合せを行い、作業や打合せの効率化を図ることができる。
このとき、各端末の表示画面には、メイン表示領域を設け、当該メイン表示領域に、対象となる画像を表示する。メイン表示領域に表示する画像は、端末間で共有されるデータであり、例えば、カメラ映像、テキストデータ、様々なファイル形式のデータを表示させることができるホワイトボードである。一の端末のユーザーは、他端末のユーザーと会議を行うときに、このメイン表示領域内の画面を適宜切り替える。
【0005】
しかし、各端末のユーザーは、他端末の画面にどの種別の画像が表示されているかを把握できない。例えば、一の端末のユーザーがホワイトボードの画像を見ながら会話をしているときに、会話の相手である他端末のユーザーがホワイトボードの画像以外(例えば、カメラ映像)を見ていることは、一の端末のユーザーには分からない。このため、一の端末からの音声の内容とその音声の内容に従って作業する他端末の表示内容とが一致せず、ユーザー間のコミュニケーションがうまくとれないという不都合が生じる。
そこで、本発明は、端末間のコミュニケーションの効率性及び利便性を向上させる電子会議システム、電子会議システムにおける表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る電子会議システムは、第1の端末と、第1の端末とデータの送受信が可能な第2の端末と、を備える。第2の端末は、第2の端末で表示されている画像を切り替える場合には、切り替えた画像の種別を示す第1の切替信号を第1の端末に送信する。第1の端末は、受信した第1の切替信号に基づき、第2の端末で表示されている画像の種別を識別可能に表示する。
ここでは、第1の端末のユーザーは、他の端末のユーザーがいずれの画像を見ているかをすぐに把握することができるので、コミュニケーションの効率性及び利便性を向上している。
第2の端末は、第2の端末で表示されている画像のうち、メイン表示画面の画像を切り替えた場合に、第1の端末に第1の切替信号を送信するようにしてもよい。
また、第1の端末は、第2の端末の表示画面を切り替える第2の切替信号を第2の端末に送信し、第2の端末は、第2の切替信号を受信すると、表示画面を第2の切替信号で指定された種別の画像に切り替えるようにしてもよい。
さらに、第1の端末は、第2の端末のメイン表示画面を切り替える第2の切替信号を第2の端末に送信し、第2の端末は、第2の切替信号を受信すると、メイン表示画面を第2の切替信号で指定された種別の画像に切り替えるようにしてもよい。
第1の端末と第2の端末は、画像を構成する要素データをWebSocketを介して送受信するようにしてもよい。
第1の端末は複数であってもよい。この場合、第2の端末は、第2の端末で表示されている画像を切り替える場合には、切り替えた画像の種別を示す第1の切替信号を複数の第1の端末に送信し、複数の第1の端末は、受信した第1の切替信号に基づき、第2の端末で表示されている画像の種別を識別可能に表示する。
【0007】
本発明の他の見地に係る表示制御方法は、第1の端末と、第1の端末とデータの送受信が可能な第2の端末とを用いた電子会議システムにおける表示制御方法である。この方法は、第2の端末において表示されている画像を切り替える場合に、切り替えた画像の種別を示す第1の切替信号を第2端末から第1の端末に送信し、第1の端末において、受信した第1の切替信号に基づき第2の端末で表示されている画像の種別を識別可能に表示する。
本発明のさらに他の見地に係る表示制御プログラムは、第1の端末と、第1の端末とデータの送受信が可能な第2の端末とを用いた電子会議システムにおける表示制御プログラムである。このプログラムは、第2の端末において表示されている画像を切り替える場合に、切り替えた画像の種別を示す第1の切替信号を第2端末から第1の端末に送信し、第1の端末において、受信した第1の切替信号に基づき第2の端末で表示されている画像の種別を識別可能に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、双方向リアルタイム通信において端末間のコミュニケーションの効率性及び利便性を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
(実施の形態1)
[1−1.構成]
[1−1−1.システムの構成]
図1は、本実施形態に係るビデオチャットシステム1(電子会議システムの一例)の概略構成を示す。このビデオチャットシステム1は、複数の情報端末間で情報の共有を行い、リアルタイムに例えば映像、音声、テキストを用いてリアルタイムのコミュニケーションを実現するものである。
なお、以下の例においては、工場の作業現場にいる作業者が用いる端末(作業者端末)と、その作業を支援する支援者が用いる端末(支援者端末)との間のコミュニケーションを例に挙げているが、これはあくまで使用例であり、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0012】
ビデオチャットシステム1は、複数の端末10と、これらの端末10に接続されるサーバー20とを含む。端末10とサーバー20との間は、ネットワーク(例えば、WAN、LAN、インターネット)を介して接続される。また、端末10同士の間は、サーバー20を介さないブラウザ間において、WebRTC等を利用して映像や音声の送受信を行う。
複数の端末10は、支援者端末10A(第1の端末の一例)と、支援者端末10Bと、作業者端末10C(第2の端末の一例)とを含む。支援者端末10A、10Bは、支援者が利用する端末である。支援者は、遠隔にいる作業者の支援を行う。一方、作業者端末10Cは、作業者が利用する端末である。作業者は、遠隔にいる支援者からのサポートを受けながら作業を行う。
なお、一つのルームに入室している端末10の数は3に限られず、2以下であっても4以上であってもよい。また、支援者端末10A、10Bの数及び作業者端末10Cの数も図示例より多くても少なくてもよい。
【0013】
[1−1−2.端末の構成]
図2は、各端末10の概略構成を示す。各端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートホン、ウェアラブルデバイス(スマートグラス、スマートウオッチ、ヘッドマウントディスプレイ)といった、ディスプレイを備えたコンピュータ装置である。端末10は、コントローラ11、RAM12、ROM13、グラフィックコントローラ14、ディスプレイ15、入出力部16、通信部17を備え、更に記憶装置18に接続される。
コントローラ11は、所定のプログラムに従って、端末10による処理を実行する。コントローラ11は、バス19により各部と接続され、各部の動作を制御・実行する。
【0014】
RAM12は、いわゆるワークメモリである。RAM12には、コントローラ11によって実行される上記所定のプログラムが展開される。ROM13は、端末10の起動時のプログラム及びデータを格納するメモリである。
グラフィックコントローラ14は、ディスプレイ15に表示される画像データを生成し、ディスプレイ15の表示動作を制御する。
【0015】
ディスプレイ15は、グラフィックコントローラ14によって生成された画像データを表示する画面150(
図4)を提供する、例えば液晶パネルや有機ELパネルである。
なお、ディスプレイ15は、後述する入力デバイスとしてのタッチパネルを含んでいてもよい。タッチパネルは、操作する者の指の接触を所定の検出回路により検出することにより、情報を入力する。
入出力部16は、入力デバイスや出力デバイスと端末10との接続インターフェースである。入力デバイスは、例えば、マウス161、キーボード162、映像を撮像するカメラ163及びマイクロホン165である。出力デバイスは、例えば、音声を出力するスピーカ164である。
【0016】
通信部17は、ネットワークや、パーソナルコンピュータへの通信を可能にする通信回路である。通信部17は、有線であっても無線であってもよい。通信部17を介してサーバー20や他の端末10との間で、映像、音声、テキストデータといった各種データを送受信する。
バス19は、端末10の各構成要素を相互に接続し、信号を授受可能にする信号線である。
記憶装置18は、例えば、磁気テープ、CD、光ディスク、ハードディスク、DVD、フラッシュメモリを含み、コンピュータプログラム及び送受信データを格納する。
【0017】
[1−1−3.サーバーの構成]
図3は、サーバー20の概略構成を示す。サーバー20は、コンピュータ装置であり、コントローラ21、RAM22、ROM23、通信部27を備え、更に記憶装置28に接続される。
コントローラ21は、所定のプログラムに従って、サーバー20による処理を実行する。コントローラ21は、バス29により各部と接続され、各部の動作を制御・実行する。
RAM22は、いわゆるワークメモリである。RAM22には、コントローラ21によって実行される上記所定のプログラムが展開される。ROM23は、サーバー20の起動時のプログラム及びデータを格納するメモリである。
【0018】
通信部27は、ネットワークやパーソナルコンピュータへの通信を可能にする通信回路である。コントローラ21は、通信部17を介して各端末10との間で、映像、音声、テキストデータといった各種データを送受信する。
バス29は、サーバー20の各構成要素を相互に接続し、信号を授受可能にする信号線である。
記憶装置28は、例えば、磁気テープ、ハードディスク、フラッシュメモリを含み、コンピュータプログラムや送受信データを格納する。
【0019】
なお、図示例では、サーバー20は単独で示されているがこれに限定されない。サーバー20は複数の装置により構成されていてもよい。例えば、サーバー20は、Webサーバー、ICEサーバー、WebSocketサーバーから構成されていてもよい。Webサーバーは、各端末10との間でHTMLデータの送受信を行う。ICEサーバー(STUN/TURNサーバー)は、端末10同士間の音声や映像の双方向リアルタイムタイムIP通信を実現する。STUNサーバーは、端末に外側のネットワークアドレスを教える機能を有し、TURNサーバーは直接(P2Pの)通信ができなかった場合に、通信を中継する機能を有することにより、P2Pの通信を可能にする。
【0020】
[1−1−4.画面構成]
図4は、各端末10のディスプレイ15に表示される画面150の構成を示す。画面150は、本ビデオチャットシステム1により実行される電子会議中に表示される画面である。画面150は、上述したグラフィックコントローラ14により生成され、ディスプレイ15に表示される。画面150は、主にメイン表示領域151と、グループ表示領域152と、操作ボタン表示領域153と、グループ画面用アイコン表示領域154と、を含む。
メイン表示領域151は、当該端末10に関連する情報を表示するための画面であり、例えば、カメラ画面、チャット画面、ホワイトボード画面のうちいずれかの種別の画面を表示する。
【0021】
カメラ画面は、端末10に接続されたカメラ163が撮像する映像を表示し、ユーザーの操作によりカメラの撮像動作(例えば、パン、チルト、ズーム)により映像を取得する。チャット画面は、各ユーザーが端末10に入力したテキストデータをリアルタイムに表示し、ユーザー間のテキストチャットによるコミュニケーションが実現する。ホワイトボード画面は、画面上の所定の枠(例えば、イメージオーガナイザ枠)内に、ユーザーが入力した文字情報又は画像情報を表示する。
メイン表示領域151に表示される画像は、各端末ユーザーの操作により切り替えることができる。メイン表示領域151は、ユーザーが表示される情報を把握しやすいようにある程度の大きさ(解像度)を有するように構成される。
【0022】
グループ表示領域152は、複数の表示セクション152A〜152Dからなる。各画面枠は、現在会議に参加している(以下、ルームに入室しているとも言う)端末の各画面を表示する。表示セクション152Aは、本端末10の画面である(本例では、支援者端末10Aとする)。表示セクション152B、152C、152Dは、接続されている他の端末10の画面である。なお、図示例では、接続される端末10の画面を最大4表示しているが、電子会議に参加可能な端末の数に応じてこれよりも少なくても多くてもよい。また、図示例では、表示セクション152Dに対応する端末は、ルームに入室していないものとする。
操作ボタン表示領域153は、本端末10の操作指示を入力するためのボタンやアイコンを表示する。操作ボタン表示領域153は、
図4に示すように、後述するプレゼンター権限を取得するためのプレゼンターボタン1531と、後述する他の端末10への画面切替指示を出すための画面切替ボタン1532と、を表示する。
【0023】
グループ画面用アイコン表示領域154は、ルームに入室している各端末の画面に表示されている画像の種別を識別可能に表示するアイコンを表示する。具体的には、グループ画面用アイコン表示領域154は、プレゼンター権限を有することを示すプレゼンターアイコン1541と、メイン表示領域151がカメラ画面であることを示すカメラ映像アイコン1542と、メイン表示領域151がチャット画面であることを示すテキストチャットアイコン(以下、TCアイコンという)1543と、メイン表示領域151がホワイトボードであることを示すホワイトボードアイコン(以下、WBアイコンという)1544とを表示する。グループ画面用アイコン表示領域154はまた、各端末のユーザー名(-user)や所属名(-Group)を表示する。
なお、図示例においては、説明を容易にするため、グループ画面用アイコンを全て表示しているが、これらのアイコンは、ルームに入室している端末の画面に対してのみ表示される。
画像の種別を識別可能に表示するアイコンは、図示されているものに限定されず、記号、数字、その他図柄であってもよい。
【0024】
[1−2.動作]
図5から
図8を参照して、本実施形態に係るビデオチャットシステム1の動作について、端末10間における画面切替動作を中心に説明する。
最初に概略的説明を行う。本ビデオチャットシステム1においては、各端末10は、サーバー20との接続(セッションの確立)を行う。具体的には、所定のログイン画面からユーザーがサーバー20へのログイン操作を行う。このとき、例えば、ユーザーIDとパスワード、役割(支援者又は作業者)といった各種情報を入力する。サーバー20からユーザー認証の通知を受けた後、各端末10は、画面150上に表示されるルームリストから参加するルーム(会議)を選択する。各端末10は、入室するルームを選択すると、当該ルームへの入室が完了し、同ルームに入室した他の端末とのコミュニケーションが可能となる。その後、画面150は本ビデオチャットシステム1の初期画面(
図4)に遷移する。なお、この初期画面は、参加したユーザーが支援者か作業者かで異なる画面にしてもよい。
【0025】
続いて、
図5の動作について説明する。
図5においては、支援者端末10Aが作業者端末10Cの画面を切り替える動作例を示す。
S101:支援者端末10Aは、プレゼンターの権限を取得する。具体的には、支援者端末10AのユーザーAが、
図6(a)に示すプレゼンターボタン1531を選択すると、支援者端末10Aは、サーバー20に対しプレゼンターの権限を要求する。サーバー20は、プレゼンターの権限が取得可能かどうかを判断し、取得可能であればプレゼンターの権限を支援者端末10Aに付与する。
【0026】
なお、サーバー20がプレゼンター権限を許可しない場合とは、例えば、プレゼンター権限が支援者端末のみに許可されている場合において、作業者端末からプレゼンターの権限の要求があった場合である。
プレゼンター権限を取得した支援者端末10Aにおいては、
図6(b)に示すように、支援者端末10Aに対応するグループ画面表示領域の表示セクション152Aに対して、支援者端末10Aがプレゼンター権限を有していることを示すプレゼンターアイコン1541を表示させる。
【0027】
S102:支援者端末10Aは、サーバー20に対し、作業者端末10Cの画面切替指示を送信する。
具体的には、支援者端末10AのユーザーAが、
図6(b)に示す画面切替ボタン1532を選択する。すると、
図7(a)に示すように、画面切替対象となる端末(ユーザー)の選択を促すダイアログ155が画面150に表示される。本例におけるルーム入室中のユーザーは、ユーザーAの他に、支援者端末10BのユーザーB、作業者端末10CのユーザーCの3人であるとする。ユーザーAはその中からユーザーを選択する。
【0028】
ユーザーAが、いずれかのユーザ(本例では、ユーザーC)を選択すると、
図7(b)に示すように切り替える画像の種別の選択を促すダイアログ156が、画面150に表示される。ここで、画像の種別は、上述したカメラ画面、チャット画面、ホワイトボード画面のいずれかである。本例では、作業者端末10Cの画面がチャット画面であり、それをホワイトボード画面に切り替えるものとする。ユーザーAは、ダイアログ156におけるホワイトボード画面を選択する。
以上の選択動作に基づき、支援者端末10Aは、画面切替指示(第2の切替信号の一例)を生成し、サーバー20に送信する。ここで、画面切替指示は、画面切替対象の端末のID(ここでは、作業者端末10CのID)と、切り替える画面の種類(ここでは、ホワイトボード画面)を特定する情報とを含む。
【0029】
S103:サーバー20は、画面切替指示に基づいて、作業者端末10Cに画面切替指示を送信する。
S104:作業者端末10Cは、メイン表示領域151を、チャット画面からホワイトボード画面に切り替える。
【0030】
S105:作業者端末10Cは、画面切替えが完了したことを知らせる通知(画面切替完了通知;第1の切替信号の一例)を、サーバー20に送信する。画面切替完了通知は、画面切替対象の端末のID(ここでは、作業者端末10CのID)と、切り替えた画像の種別(ここでは、ホワイトボード画面)を特定する情報とを含む。
S106:サーバー20は、入室中の他の端末の一つである支援者端末10Bに対し、作業者端末10Cの画面切替えが完了したことを知らせる通知である画面切替完了通知を送信する。
【0031】
S107:支援者端末10Bは、画面切替完了通知に基づいて、支援者端末10Bの画面150に表示されるグループ表示領域152において、作業者端末10Cの画面に対応するアイコン表示を変更する。具体的には、TCアイコン1543(
図6(a)及び
図6(b))からWBアイコン1544(
図8)に変更する。
S108:同時に、サーバー20は、支援者端末10Aに対し、同様に画面切替完了通知を送信する。
【0032】
S109:支援者端末10Aは、画面切替完了通知に基づいて、支援者端末10Aの画面150に表示されるグループ表示領域152において、作業者端末10Cの画面に対応するアイコン表示を変更する。具体的には、TCアイコン1543(
図6(a)及び
図6(b))からWBアイコン1544(
図8)に変更する。
なお、
図5において、点線100で囲まれた処理(S106〜S107、S108〜S109)は、同時に並行して行われるものとする。
【0033】
[1−3.効果等]
本実施形態に係るビデオチャットシステム1は、支援者端末10Aと、支援者端末10Aとデータの送受信が可能な作業者端末10Cと、を備え、作業者端末10Cは、作業者端末10Cで表示されている画像を切り替える場合には、画面切替完了通知を支援者端末10Aに送信し、支援者端末10Aは、受信した画面切替完了通知に基づき、作業者端末10Cで表示されている画像の種別を識別可能に表示する。
このため、支援者端末10Aにおいては、ユーザーAは、他の端末のユーザーがいずれの画像(カメラ画面、チャット画面、ホワイトボード画面のいずれか)を見ているかをすぐに把握することができるため、コミュニケーションの効率性及び利便性を向上させることができる。
【0034】
更に、本実施形態に係るビデオチャットシステム1では、作業者端末10Cは、作業者端末10Cで表示されている画像のうち、メイン表示画面(メイン表示領域151の画面)の画像を切り替えた場合に、支援者端末10Aに画面切替完了通知を送信する。
このため、支援者端末10Aにおいては、ユーザーAは、他の端末のユーザーが見ている画面のうち主要な画面においてどの画像を見ているかをすぐに把握することができるので、コミュニケーションの効率性及び利便性を一層向上させることができる。
【0035】
本実施形態に係るビデオチャットシステム1では、さらに、支援者端末10Aは、作業者端末10Cのメイン表示画面を切り替える画面切替指示を作業者端末10Cに送信し、作業者端末10Cは、画面切替指示を受信すると、メイン表示画面を画面切替指示で指定された種別の画像に切り替える。
このため、支援者端末10Aにおいては、ユーザーAは、他の端末のユーザーが見ている主要な画面の画像を直接変更させることができる。よって、ユーザーCが作業をしながら会議に参加する場合、すぐに端末を操作できない、つまり画面を切り替えることができない場合であっても、ユーザーAが操作することによりメイン表示画面を切り替えることができる。よって、コミュニケーションの効率性及び利便性を一層向上させることができる。
【0036】
(実施の形態2)
前記実施形態では作業者端末からサーバーへの画面切替完了通知の送信は、支援者端末及びサーバーからの画面切替指示によって、作業者端末が画面切替を行った後に実行された。しかし、作業者端末からサーバーへの画面切替完了通知の送信は、作業者端末が自発的に(画面切替指示を受けることなく)画面切替を行った後に実行されてもよい。
以下、実施の形態2に係るビデオチャットシステムについて説明する。
[2−1.構成]
本実施形態に係るビデオチャットシステムの構成は、実施の形態1に係るビデオチャットシステム1(
図1〜
図4)と同様である。よって、必要に応じてこれらの図及び符号を用いて説明する。
【0037】
[2−2.動作]
図9を参照して、本実施形態に係るビデオチャットシステム1の動作について、他端末の画面切替動作を中心に説明する。
なお、本ビデオチャットシステム1においては、実施の形態1と同様に、各端末はサーバー20との接続を行い、所定のルームに入室している状態である。その後、他端末の画面切替えを行う場合に、
図9に示す動作を行う。
S201:作業者端末10Cにおいて、画面切替動作が行われる。この切替処理は、ユーザーCの操作により実行される。
【0038】
S202:作業者端末10Cは、S201の画面切替動作が完了すると、画面切替えが完了したことを知らせる通知(画面切替完了通知;第1の切替信号の一例)をサーバー20に送信する。画面切替完了通知は、画面切替対象の端末のID(ここでは、作業者端末10CのID)と、切り替えた画像の種別を特定する情報とを含む。
S203:サーバー20は、入室中の他の端末の一つである支援者端末10Bに対し、作業者端末10Cの画面切替えが完了したことを知らせる通知である画面切替完了通知を送信する。
【0039】
S204:支援者端末10Bは、S203の通知を受けて、支援者端末10Bの画面150に表示されるグループ表示領域152において、作業者端末10Cの画面に対応するアイコン表示を変更する。具体的には、TCアイコン1543(
図6(a)及び
図6(b))からWBアイコン1544(
図8)に変更する。
S205:同時に、サーバー20は、支援者端末10Aに対し、同様に画面切替完了通知を送信する。
【0040】
S206:支援者端末10Aは、S205の通知を受けて、支援者端末10Aの画面150に表示されるグループ表示領域152において、作業者端末10Cの画面に対応するアイコン表示を変更する。具体的には、TCアイコン1543(
図6(a)及び
図6(b))からWBアイコン1544(
図8)に変更する。
なお、
図9において、点線200で囲まれた処理(S203〜S204、S205〜S206)は、同時に並行して行われるものとする。
【0041】
[2−3.効果等]
本実施形態に係るビデオチャットシステム1は、作業者端末10Cが、画面切替指示を受けることなく自発的に画面の切替操作を行った場合であっても、他の端末10A、10Bに一の端末10Cの画面が切り替わったことを通知し、他の端末10A、10Bはその通知に応じて自身の画面において一の端末10Cが表示する画面の画像の種別を表示させる。
このため、ユーザーは、他の端末のユーザーが見ている画面のうち主要な画面においてどの画像を見ているかをリアルタイムに把握することができるため、コミュニケーションの効率性及び利便性を向上させることができる。
【0042】
(実施形態の共通の内容)
上記の実施の形態1及び実施の形態2は、下記の構成及び機能を共通に有している。
電子会議システム(例えば、ビデオチャットシステム1)は、第1の端末(例えば、支援者端末10A)と、第1の端末とデータの送受信が可能な第2の端末(例えば、作業者端末10C)と、を備える。
第2の端末は、第2の端末で表示されている画像を切り替える場合には、切り替えた画像の種別を示す第1の切替信号を第1の端末に送信する(例えば、
図5のS105:画面切替完了通知、
図9のS202:画面切替完了通知)。
第1の端末は、受信した第1の切替信号に基づき、第2の端末で表示されている画像の種別を識別可能に表示する(例えば、
図5のS109:作業者端末10Cの表示画面アイコン切替、
図9のS206:作業者端末10Cの表示画面アイコン切替)。
ここでは、第1の端末のユーザーは、他の端末のユーザーがいずれの画像を見ているかをすぐに把握することができるので、コミュニケーションの効率性及び利便性を向上している。
【0043】
(その他実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1及び2で説明した各構成要素及び機能を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0044】
[1]
上記実施の形態においては、ビデオチャットシステム1は、複数の端末10とサーバー20とを備えているが、これに限定されない。サーバー20を設けず、いずれか一つの又は複数の端末10が上記サーバーの機能を備えていてもよい。
【0045】
[2]
また、上記実施の形態においては、切り替える画像の種別として、カメラ画面、チャット画面、ホワイトボード画面、を挙げていたが、これに限定されない。その他の種別に係る画像の選択を可能にしてもよい。
【0046】
[3]
また、上記実施の形態においては、プレゼンター権限は、他の端末の画面を切り替える権限として説明したが、これに限定されない。プレゼンター権限を有する端末10は、例えば端末10間で共有するホワイトボード画面の変更を行う権限を含んでいてもよい。その場合、プレゼンター権限を有する端末10の操作のみによって、画面上の画像が削除、変更、追記可能となる。
【0047】
[4]
また、上記実施の形態における処理(
図5及び
図9)の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
【0048】
[5]
本発明は、電子会議システムの形態により実施されることに限られない。電子会議システムにより実行される表示制御方法や、ビデオチャットシステム1により実行されるコンピュータプログラム、かかるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標)Disc)、半導体メモリを挙げることができる。
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワークを経由して伝送されるものであってもよい。