特許第6405810号(P6405810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405810
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】モジュール部品製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20181004BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20181004BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20181004BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01L25/04 C
   H01L21/60 301A
   H01L21/52 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-181857(P2014-181857)
(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公開番号】特開2016-58464(P2016-58464A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】難波 兼二
【審査官】 柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/009996(WO,A1)
【文献】 特開昭56−115553(JP,A)
【文献】 特開平01−064293(JP,A)
【文献】 特開平04−056137(JP,A)
【文献】 特開2011−146480(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/006724(WO,A1)
【文献】 特開2007−329362(JP,A)
【文献】 特開2002−076190(JP,A)
【文献】 特開2003−303919(JP,A)
【文献】 特開2008−181959(JP,A)
【文献】 特開昭61−156792(JP,A)
【文献】 特開2002−134555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 21/52
H01L 21/60
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材上に複数個の素子をフェイスアップで搭載し、
前記支持部材上に搭載された複数個の前記素子の周囲を覆うように充填材料を形成し、
前記支持部材より周囲に前記充填材料が形成された複数個の前記素子を剥離し、
基板上に接続材料を供給し、周囲に前記充填材料が形成された複数個の前記素子をフェイスアップで実装し、
複数個の前記素子上に形成された任意の素子電極間、又は任意の前記素子電極と基板電極間を金属ワイヤで接続する
モジュール部品製造方法。
【請求項2】
前記支持部材表面に突出部分が形成され、
前記突出部分上に複数個の前記素子をフェイスアップで搭載し、
前記支持部材上に搭載された複数個の前記素子の周囲および底面の一部を覆うように充填材料を形成する請求項記載のモジュール部品製造方法。
【請求項3】
感光性の絶縁性樹脂を前記支持部材上に搭載された複数個の前記素子の周囲または周囲と底面の一部を覆うように供給し、
前記支持部材裏面より光を当て感光させることで硬化させ充填材料を形成する請求項1または2に記載のモジュール部品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子と基板との接続強度を高めるモジュール部品、及びモジュール部品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール部品において、半導体素子の周辺に樹脂コートを形成するモジュール部品が知られている。このモジュール部品は、半導体素子と基板との接続強度を高める。
【0003】
モジュール部品の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたモジュール部品は、半導体スイッチの線膨張係数と基板の線膨張係数の違いに由来する、熱応力によるはんだのクラックを、半導体スイッチの周辺に形成したポリイミドコートの機械的強度及び応力分散効果により防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−183038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術は、半導体スイッチの周辺だけにポリイミドコートが形成されている。半導体素子と基板とを接続する接続材料は導電性材料であり、特許文献1においてははんだを使用している。このようなモジュール部品において、半導体素子の厚みが薄い場合、素子の発熱を逃がすこと、十分な接続強度を得ることを両立させるためには、接続材料の厚みを一定量確保する必要がある。しかし、素子の厚みが100マイクロメートル以下の場合、接続材料の供給量を制御することが困難である。そのため、供給量過多による素子回路面への接続材料の這い上がりや、供給量不足による接続強度不足が発生する。したがって、特許文献1に記載された技術は、電気的特性の劣化や接続不良が発生するという問題点がある。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述した問題点を解決できるモジュール部品およびモジュール部品製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態における第1のモジュール部品は、あらかじめ素子間および素子の側面の周囲に充填材料が形成された複数個の素子を、素子と充填材料の形成物の底面全域に接続材料を供給され、基板上にフェイスアップで実装される。
【0008】
本発明の一形態における第1のモジュール部品製造方法は、支持部材上に複数個の素子をフェイスアップで搭載し、支持部材上に搭載された複数個の素子の周囲を覆うように充填材料を形成し、支持部材より周囲に充填材料が形成された複数個の素子を剥離し、基板上に接続材料を供給し、周囲に絶縁性樹脂膜が形成された複数個の素子をフェイスアップで実装し、複数個の素子上に形成された任意の素子電極間、又は任意の素子電極と基板電極間を金属ワイヤで接続する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モジュール部品の接続信頼性の向上が図られ、また電気的不良を抑制できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモジュール部品1000の構成を示す上面図である。
図2図2は、第1の実施の形態の図1におけるA−A‘断面図である。
図3図3は、第1の実施の形態に係る支持部材800上に素子200、201、202が載せられ、各素子の位置が決定された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図4図4は、第1の実施の形態に係る支持部材800上において位置が決定された素子200、201、202側面の周囲および各素子間に、充填材料400による層が形成された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図5図5は、第1の実施の形態に係る支持部材800上の形成物から支持部材800が剥離された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図6図6は、第1の実施の形態に係る支持部材800から剥離された形成物が基板100上に接続材料300を介して接続された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図7図7は、第1の実施の形態に係る基板100上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続されたモジュール部品の一例を示す断面図である。
図8図8は、本発明の第2の実施形態に係るモジュール部品1001の構成を示す断面図である。
図9図9は、第2の実施の形態に係る支持部材801上に素子200、201、202が載せられ、各素子の位置が決定された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図10図10は、第2の実施の形態に係る支持部材801上において位置が決定された素子200、201、202側面の周囲、底面の一部および各素子間に、充填材料401による層が形成された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図11図11は、第2の実施の形態に係る支持部材801上の形成物から支持部材801が剥離された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図12図12は、第2の実施の形態に係る支持部材801から剥離された形成物が基板100上に接続材料301を介して接続された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
図13図13は、第2の実施の形態に係る基板100上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続されたモジュール部品の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモジュール部品1000の構成を示す上面図である。また、図1のA−A‘断面図を図2に示す。図1および図2を参照すると、モジュール部品1000は、基板100上に素子200、201、202を備える。また、電子部品である素子200、201、202の側面の周囲および各素子間には充填材料400による層が形成されている。基板100の上面と素子200、201、202および充填材料400の底面とは接続材料300を介して固定または接着される。
【0013】
モジュール部品1000は、基板100の上面に6つの基板電極600、601を備える。基板電極600は、図1の左側に形成された3つの電極で、基板電極601は、図1の右側に形成された3つの電極である。また、各素子の上面に6つの素子電極を備え、金属ワイヤによって特定の素子間が電気的に接続される。各素子の底面及び側面には、電気的接続のための電極および端子は、形成されていない。素子200の片側3つの素子電極は、基板電極600に接続され、素子202の片側3つの素子電極は、基板電極601に接続される。
【0014】
その電気的接続の一例をさらに詳しく説明する。基板100の上面の3つの基板電極600と素子200の上面の3つの素子電極500とは、金属ワイヤ700によってそれぞれ電気的に接続される。素子200の上面の3つの素子電極501と素子201の上面の3つの素子電極502とは、金属ワイヤ701によってそれぞれ電気的に接続される。素子201の上面の3つの素子電極503と素子202の上面の3つの素子電極504とは、金属ワイヤ702によってそれぞれ電気的に接続される。素子202の上面の3つの素子電極505と基板100の上面の3つの基板電極601とは、金属ワイヤ703によってそれぞれ電気的に接続される。なお、基板100上の基板電極の数および各素子上の素子電極の数はこれに限らない。
【0015】
充填材料400は、絶縁性を有する材料である。たとえば感光性樹脂や熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂が用いられる。
【0016】
接続材料300は、基板100と素子200、201、202を接続する。接続材料300は、通電中の素子が放出する熱を拡散することおよび素子と基板との十分な接続強度を得ることが求められる。通常、銀(Ag)や銅(Cu)などの金属フィラを含有した導電性樹脂が使用される。なお、基板100および素子200、201、202の接続材料300が接触する面部分には、電極等の導電材料が形成されていない。接続材料300は、導電性樹脂であるが、素子200、201、202の間の電気的接続材料として、および各素子と基板100との間の電気的接続材料として機能させる目的で使用されていない。しかし、素子のタイプによっては、そのような目的を兼ねてもよい。
【0017】
次に、第1の実施の形態におけるモジュール部品1000の製造方法について図3図7を参照して説明する。なお、図3図7図2と同様のA−A‘断面図として示す。
【0018】
まず、支持部材800上に素子200、201、202がフェイスアップで載せられ、モジュール部品1000における各素子の位置が決定される。図3は、本実施の形態に係る支持部材800上に素子200、201、202が載せられ、各素子の位置が決定された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
【0019】
支持部材800は、載せられた素子を固定するために表面に一定の粘着性を有する部材である。支持部材800としてはたとえばアクリルシートが用いられる。また、一定の粘着性とは、後述する剥離工程で容易に支持部材800上の形成物から支持部材800が剥離される程度の粘着力を有することである。本実施形態では平面状の支持部材800を用いる。
【0020】
次に、位置が決定された素子200、201、202の各側面の周囲および各素子間に、充填材料400による層が形成される。図4は、本実施の形態に係る支持部材800上において位置が決定された素子200、201、202側面の周囲および各素子間に、充填材料400による層が形成された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。充填材料400の供給方法としては、ディスペンス方式など、どのような方法でもよい。充填材料400の供給量は、層形成後に各素子と密着性が確保でき、また各素子の周囲が全て覆われる供給量であればよい。また充填材料400の層の厚さは、充填材料400の層が接する素子の厚みより薄くても構わない。また、素子の厚みよりも充填材料400の層が厚く形成された場合においても、素子上の素子電極に充填材料400が付着していなければよい。また、充填材料400による層の形成方法は、たとえば支持部材800上の素子200、201、202側面の周囲および各素子間に樹脂状の材料を注入し、硬化して層を形成する。硬化の手段は使用する材料の種類によって決定される。たとえば、支持部材800としてアクリルシートが用いた場合、アクリルシートに耐熱性がないため、充填材料400として感光性樹脂を使用する。この場合、支持部材800上の素子200、201、202の側面の周囲および各素子間に感光性樹脂を注入した後、光を照射して感光性樹脂を硬化させる。
【0021】
次に、前工程によって形成された支持部材800上の形成物から支持部材800が剥離される。図5は本実施の形態に係る支持部材800上の形成物から支持部材800が剥離された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。支持部材800を剥離するに際して、前工程によって形成された支持部材800上の形成物を、図示しない吸着固定手段により固定した上で支持部材800を剥離してもよい。
【0022】
次に、支持部材800から剥離された図5に示す形成物が基板100上に接続材料300を介して接続される。図6は本実施の形態に係る支持部材800から剥離された形成物が基板100上に接続材料300を介して接続された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。このとき各素子がフェイスアップとなるよう支持部材800から剥離された形成物が接続される。素子200、201、202とその側面の周囲および各素子間に形成された充填材料400の層からなる形成物の底面全域に接続材料300が塗布され、通電中の素子が放出する熱を十分拡散でき、かつ素子と基板との十分な接続強度が得られる厚みとなるよう接続材料300の供給量や供給パターンを制御することが望ましい。接続材料300の供給方法としては、ディスペンス方式や印刷方式など、どのような方法でもよい。また、素子と基板との十分な接続強度が得られるための後処理を適宜実施してもよい。たとえば、接続材料300にAgやCuなどの金属フィラを含有した導電性樹脂を用いた場合、熱硬化処理を行う。
【0023】
次に、基板100上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続する。図7は本実施の形態に係る基板100の上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続されたモジュール部品1000の一例を示す断面図である。具体的な接続は、図1で説明した通りである。
【0024】
以上で、モジュール部品1000の製造方法の説明を終了する。
【0025】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について説明する。
【0026】
上述した本実施形態におけるモジュール部品1000は、接続信頼性の向上が図られ、また電気的不良を抑制できる。
【0027】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、モジュール部品1000において、複数個の素子の周囲に充填材料400が形成され、基板100上に接続材料300を介し接続されているからである。また、このような構成により、素子と基板100との接続面積を広く採ることができる。
【0028】
また、各素子は互いに離れて配置され、また、各素子間が充填材料400の層が形成されている。これにより、モジュール部品1000は、十分な接続強度が得られ、また、接続材料300の供給量が過剰になったとしても、導電性の接続材料300の各素子の回路面への這い上がりを防止できる。したがって、接続信頼性の一層の向上が図られ、また電気的不良を抑制できるという効果を高めることができる。
【0029】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0030】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るモジュール部品1001の構成を示す断面図である。この断面図は第1の実施の形態における図2のモジュール部品1000のA−A‘断面図と同じ位置の断面図である。
【0031】
図8を参照すると、本実施形態におけるモジュール部品1001は、第1の実施形態のそれと比べて、接続材料301と充填材料401が異なる。また、製造工程において使用される支持部材801の形状が第1の実施形態における支持部材800と異なる。
【0032】
充填材料401は、第1の実施形態の充填材料400と異なり、底面が各素子の底面と同一平面上にはなく、充填材料401の層が各素子の底面の一部にまで形成され、かつ各素子底面より突出した構造となっている。これに伴い、接続材料301は各素子とその側面の周囲および各素子間に形成された充填材料の層からなる形成物の底面のみならず、充填材料401が形成する突出部の側面でも接続されている。
【0033】
次に、第2の実施の形態におけるモジュール部品1001の製造方法について図9図13を参照して説明する。なお、図9図13図2図8と同様のA−A‘断面図として示す。第1の実施形態と重複する内容については省略する。
【0034】
まず、支持部材801上に素子200、201、202がフェイスアップで載せられ、モジュール部品1001における各素子の位置が決定される。図9は、本実施の形態に係る支持部材801上に素子200、201、202が載せられ、各素子の位置が決定された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。
【0035】
支持部材801は、第1の実施形態における支持部材800と同様、載せられた素子を固定するために表面に一定の粘着性を有する部材であるが、素子200、201、202が載せられる部分のみ各素子に接する面が突出していることが異なる。また、支持部材801の突出部分すなわち各素子に接する部分は、それぞれ載せられている素子より小さい面積とする。また、支持部材801の突出部分の高さ(厚さ)は、後述する接続材料301が、通電中の素子が放出する熱を十分拡散でき、かつ十分な接続強度が得られる厚みとなるよう調整された高さとしてもよい。また更に、後述する剥離工程で容易に剥離するため、支持部材801の突出部分の側面はテーパ状とし、支持部材801の突出部分を含めた支持部材801の上面には離型材を供給してもよい。また、支持部材801の表面に一定の粘着性を有さず、載せられた素子を固定する機構、たとえば吸引する機構を有してもよい。
【0036】
次に、位置が決定された素子200、201、202の側面の周囲および各素子間に、充填材料401による層が形成される。図10は、本実施の形態に係る支持部材801上において位置が決定された素子200、201、202側面の周囲、底面の一部および各素子間に、充填材料401による層が形成された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。充填材料401による層の形成方法は、たとえば充填材料401として感光性樹脂を用いる場合、支持部材801の材質に透明なガラスなどを用い、支持部材801の底面側より光を当て感光させることで硬化することができる。支持部材801の底面側より光を当てることで、各素子の底面の一部に供給された充填材料401すなわち感光性樹脂も感光し硬化することができる。
【0037】
次に、前工程によって形成された支持部材801上の形成物から支持部材801が剥離される。図11は本実施の形態に係る支持部材801上の形成物から支持部材801が剥離された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。この時、支持部材801の突出部分の側面がテーパ状であること、支持部材801の突出部分を含む支持部材801上面には離型材が供給されている場合、容易に支持部材801から周囲に充填材料401が形成された複数の素子を剥離することができる。ここで、各素子の底面や充填材料401の表面に離型材が残存している場合、離型材を除去するために必要な処置を行ってもよい。たとえばArプラズマ処理などでエッチングし各素子の底面や充填材料401の表面の改質を図ってもよい。剥離後の充填材料401は、支持部材801の突出部分の高さの分、各素子の底面より突出した形状として形成される。従って、支持部材801の突出部分の高さによって、充填材料401の突出部分の高さを容易に制御することが可能である。
【0038】
次に、支持部材801から剥離された形成物が基板100上に接続材料301を介して接続される。図12は本実施の形態に係る支持部材801から剥離された形成物が基板100上に接続材料301を介して接続された製造途中のモジュール部品の一例を示す断面図である。このとき各素子がフェイスアップとなるよう支持部材801から剥離された形成物が接続される。素子200、201、202とその側面の周囲、底面の一部および各素子間に形成された充填材料401の層からなる形成物の底面全域に接続材料300が塗布され、通電中の素子が放出する熱を十分拡散でき、かつ素子と基板との十分な接続強度が得られる厚みとなるよう接続材料300の供給量や供給パターンを制御することが望ましい。また、基板100上に周囲に充填材料401が形成された複数の素子を加重制御方式で実装し、充填材料401で支持され、素子の底面では任意の接続材料301の厚みが得られるようにしてもよい。
【0039】
次に、基板100上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続する。図13は本実施の形態に係る基板100上面の各基板電極と各素子上面の各素子電極とを金属ワイヤを用いて電気的に接続されたモジュール部品1001の一例を示す断面図である。
【0040】
以上で、モジュール部品1001の製造方法の説明を終了する。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について説明する。
【0042】
上述した本実施形態におけるモジュール部品1001は、より高く接続信頼性の向上が図られる。
【0043】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、モジュール部品1001は、充填材料401の層が各素子の裏面より突出した構造であり、充填材料401が形成する突出部の側面でも接続材料と接続することができる。したがって、より広く接続面積が確保されるので、モジュール部品1001は、より高く接続信頼性の向上が図られるという効果が得られる。
【0044】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0045】
100 基板
200、201、202 素子
300、301 接続材料
400、401 充填材料
500、501、502、503、504、505 素子電極
600、601 基板電極
700、701、702、703 金属ワイヤ
800、801 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13