特許第6405893号(P6405893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6405893運動情報測定装置、運動支援方法、運動支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405893
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】運動情報測定装置、運動支援方法、運動支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   A63B69/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-221257(P2014-221257)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-86885(P2016-86885A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151194
【弁理士】
【氏名又は名称】尾澤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 佑樹
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−171954(JP,A)
【文献】 特開2008−029418(JP,A)
【文献】 特開2009−142333(JP,A)
【文献】 特開2013−220176(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0015586(US,A1)
【文献】 国際公開第2004/109575(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
A63B 71/06
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定部と、
装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定部と、
装着者の移動中において前記移動ペース測定部により測定された移動ペース及び前記生体情報測定部により測定された生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、
指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定部と、
前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分を前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正部と、
前記移動ペース補正部による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドするガイド部と、を備え
前記移動ペース補正部は、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分と、前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報と、を用いて、前記指定された距離を前記設定された移動ペースの配分で移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて前記移動ペースの配分を補正する運動情報測定装置。
【請求項2】
装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定部と、
装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定部と、
装着者の移動中において前記移動ペース測定部により測定された移動ペース及び前記生体情報測定部により測定された生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、
指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定部と、
前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分を前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正部と、
前記移動ペース補正部による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドするガイド部と、
装着者が移動する経路の勾配情報を取得する勾配情報取得部と、を備え、
前記記憶制御部は、装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報と前記移動中の経路の勾配情報とを対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記移動ペース補正部は、前記記憶部に記憶されている、前記移動ペース、前記生体情報、及び前記勾配情報と、前記設定された移動ペースの配分及び前記指定された距離が設定される経路の勾配情報と、を用いて、前記指定された距離を移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて、前記設定された移動ペースの配分を補正する運動情報測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の運動情報測定装置であって、
前記移動ペース補正部は、前記推定した生体情報が前記指定された距離の全区間にわたって閾値以下となるように、前記移動ペースの配分を補正する運動情報測定装置。
【請求項4】
運動情報測定装置の装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定ステップと、
前記装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定ステップと、
前記装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定ステップと、
前記移動ペース配分設定ステップで設定した移動ペースの配分を前記記憶部に記憶した移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正ステップと、
前記移動ペース補正ステップによる補正後の移動ペースの配分にしたがって前記装着者の移動ペースをガイドするガイドステップと、を備え
前記移動ペース補正ステップでは、前記移動ペース配分設定ステップにより設定された移動ペースの配分と、前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報とを用いて、前記指定された距離を前記設定された移動ペースの配分で移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて前記移動ペースの配分を補正する運動支援方法。
【請求項5】
運動情報測定装置の装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定ステップと、
前記装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定ステップと、
前記装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定ステップと、
前記移動ペース配分設定ステップで設定した移動ペースの配分を前記記憶部に記憶した移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正ステップと、
前記移動ペース補正ステップによる補正後の移動ペースの配分にしたがって前記装着者の移動ペースをガイドするガイドステップと、
装着者が移動する経路の勾配情報を取得する勾配情報取得ステップと、を備え、
前記記憶制御ステップでは、装着者の移動中に測定された前記移動ペース及び前記生体情報と前記移動中の経路の勾配情報とを対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記移動ペース補正ステップでは、前記設定された移動ペースの配分及び前記指定された距離が設定される経路の勾配情報と、前記記憶部に記憶されている、前記移動ペース、前記生体情報、及び前記勾配情報と、を用いて、前記指定された距離を移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて、前記設定された移動ペースの配分を補正する運動支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項4又は5記載の運動支援方法の各ステップを実行させるための運動支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動情報測定装置、運動支援方法、及び運動支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加速度センサ及び角速度センサ等の装着者の体の動きを検出する動き検出センサを用いることにより、活動量(歩数、歩行距離、消費カロリー等)及び運動による移動ペース(歩行速度、走行速度等)等の運動情報を測定することのできる運動情報測定装置の開発が盛んである。
【0003】
こういった運動情報測定装置には、運動負荷が高くなり過ぎないよう、移動ペースを誘導するものが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、適正歩行ペースを歩行中に通知するとともに、歩行中の心拍数に応じて適正歩行ペースをリアルタイムに修正して、歩行ペースをガイドする運動情報測定装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、予め決めた運動パターンを、目標脈拍数を維持した状態で行うための適正歩行ペースを算出し、算出した歩行ペースを運動中に通知して、歩行ペースをガイドする運動情報測定装置が記載されている。
【0006】
特許文献3には、運動中に検出した脈拍数に応じて、この運動中における最適なペース配分を振動で知らせる運動情報測定装置が記載されている。
【0007】
特許文献4には、利用者の過去のロードワークのデータ(移動ペースと脈拍の履歴)を記憶しておき、この全てのデータから、目標脈拍数の上下5%の範囲内にある脈拍数であったときの移動ペースの平均値を適正ペースとして算出して設定する運動情報測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−193485号公報
【特許文献2】特開平08−084706号公報
【特許文献3】特開2011−171954号公報
【特許文献4】特開2009−142333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えばウォーキングを行う場合、歩き始めは速く歩き、その後は一定のペースで歩き、最後に遅く歩いてウォーキングを終了させるといったように、歩行ペースを運動期間内で変動させることで、効率的な運動が可能となる場合がある。
【0010】
特許文献1,3,4に記載の装置は、運動中の心拍数や過去の運動時の心拍数によって、最適な移動ペースを通知するものである。しかし、上記のように、運動期間内で移動ペースを変動させる場合を考慮していない。
【0011】
特許文献2に記載の装置は、移動ペースを変動させる運動パターンで運動を行うに当たり、実験的に求めた関係式と、利用者の生体情報及び目標脈拍数とから、運動期間中において脈拍が目標脈拍数に維持されるような移動ペースの配分を算出して利用者に通知している。
【0012】
しかし、特許文献2に記載の装置は、運動パターンが予め決められたものしか設定できない。このため、例えば、利用者が任意の運動パターンを設定する場合には、移動ペースの配分を正確に決めることが難しい。また、利用者の過去の運動時の脈拍数を利用して関係式が作成されているわけではない。このため、利用する人によっては移動ペースの配分が正確にならない可能性がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、利用者の運動負荷を適正にするための移動ペースを正確に求めて利用者の効率的な運動を支援することのできる運動情報測定装置、運動支援方法、及び運動支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の運動情報測定装置は、装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定部と、装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定部と、装着者の移動中において前記移動ペース測定部により測定された移動ペース及び前記生体情報測定部により測定された生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定部と、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分を前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正部と、前記移動ペース補正部による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドするガイド部と、を備え、前記移動ペース補正部は、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分と、前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報と、を用いて、前記指定された距離を前記設定された移動ペースの配分で移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて前記移動ペースの配分を補正するものである。
本発明の運動情報測定装置は、装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定部と、装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定部と、装着者の移動中において前記移動ペース測定部により測定された移動ペース及び前記生体情報測定部により測定された生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定部と、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分を前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正部と、前記移動ペース補正部による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドするガイド部と、装着者が移動する経路の勾配情報を取得する勾配情報取得部と、を備え、前記記憶制御部は、装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報と前記移動中の経路の勾配情報とを対応づけて前記記憶部に記憶し、前記移動ペース補正部は、前記記憶部に記憶されている、前記移動ペース、前記生体情報、及び前記勾配情報と、前記設定された移動ペースの配分及び前記指定された距離が設定される経路の勾配情報と、を用いて、前記指定された距離を移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて、前記設定された移動ペースの配分を補正するものである。
【0015】
本発明の運動支援方法は、運動情報測定装置の装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定ステップと、前記装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定ステップと、前記装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定ステップと、前記移動ペース配分設定ステップで設定した移動ペースの配分を前記記憶部に記憶した移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正ステップと、前記移動ペース補正ステップによる補正後の移動ペースの配分にしたがって前記装着者の移動ペースをガイドするガイドステップと、を備え、前記移動ペース補正ステップでは、前記移動ペース配分設定ステップにより設定された移動ペースの配分と、前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報とを用いて、前記指定された距離を前記設定された移動ペースの配分で移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて前記移動ペースの配分を補正するものである。
本発明の運動支援方法は、運動情報測定装置の装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定ステップと、前記装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定ステップと、前記装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定ステップと、前記移動ペース配分設定ステップで設定した移動ペースの配分を前記記憶部に記憶した移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正ステップと、前記移動ペース補正ステップによる補正後の移動ペースの配分にしたがって前記装着者の移動ペースをガイドするガイドステップと、装着者が移動する経路の勾配情報を取得する勾配情報取得ステップと、を備え、前記記憶制御ステップでは、装着者の移動中に測定された前記移動ペース及び前記生体情報と前記移動中の経路の勾配情報とを対応づけて前記記憶部に記憶し、前記移動ペース補正ステップでは、前記設定された移動ペースの配分及び前記指定された距離が設定される経路の勾配情報と、前記記憶部に記憶されている、前記移動ペース、前記生体情報、及び前記勾配情報と、を用いて、前記指定された距離を移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報の推移に基づいて、前記設定された移動ペースの配分を補正するものである。
【0016】
本発明の運動支援プログラムは、コンピュータに、前記運動支援方法の各ステップを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者の運動負荷を適正にするための移動ペースを正確に求めて利用者の効率的な運動を支援することのできる運動情報測定装置、運動支援方法、及び運動支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態を説明するための運動情報測定装置10の概略構成を示すブロック図である。
図2図1の運動情報測定装置10の制御部2の機能ブロックを示す図である。
図3】運動情報測定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図3のステップS1で設定した移動ペースの一例を示す図である。
図5図3のステップS2で取得された勾配情報の例を示す図である。
図6図3のステップS3で補正後の移動ペースを示す図である。
図7図3のステップS4で推定した心拍数の推移を示す図である。
図8図6の符号63で示す補正後の移動ペースと、図7に示す推定した心拍数推移とを重ねて示した図である。
図9図3のステップS5で補正後の移動ペースを示す図である。
図10】変形例の制御部2の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための運動情報測定装置10の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
運動情報測定装置10は、体動検出部1と、全体を統括制御する制御部2と、報知部3と、操作部4と、フラッシュメモリやROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を含む記憶部5と、各種情報を表示するための表示部6と、心拍センサ7と、を備える。
【0021】
体動検出部1は、運動情報測定装置10が装着(衣服のポケットに入れた状態も含む)されたユーザ(以下、装着者という)の体の部位の動きに応じた情報(加速度、角速度等)を検出する。
【0022】
体動検出部1は、加速度センサ、角速度センサ、及び地磁気センサ等の各種センサと、各種センサから出力された信号を処理する信号処理部とを含む。体動検出部1は、少なくとも1つの動き検出センサとこの動き検出センサからの信号を処理する信号処理部を含んでいればよい。
【0023】
制御部2は、記憶部5のROMに記憶されたプログラムを実行するプロセッサを主体に構成される。
【0024】
報知部3は、装着者に報知を行うためのインターフェースである。報知部3は、例えばスピーカやバイブレータにより構成される。
【0025】
操作部4は、制御部2に各種指示を入力するためのデバイスである。操作部4は、ボタンや表示部6に搭載されたタッチパネル等により構成される。
【0026】
記憶部5は、体動検出部1によって検出された検出情報を記憶したり、運動情報測定装置10の動作に必要な情報を記憶したりする。記憶部5には、後述する処理で使用する地図データが記憶される。この地図データには各地の勾配情報も含まれる。
【0027】
表示部6は、運動情報測定装置10の操作に必要な情報や、運動情報測定装置10で測定した活動量等を表示するものである。表示部6は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置等で構成される。
【0028】
心拍センサ7は、装着者の心拍を検出するセンサである。
【0029】
図2は、図1の運動情報測定装置10の記憶部5に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより制御部2によって実現される機能ブロックを示す図である。
【0030】
図2に示すように、制御部2は、移動ペース測定部20と、生体情報測定部21と、記憶制御部22と、移動ペース配分設定部23と、勾配情報取得部24と、移動ペース補正部25と、ガイド部26と、を備える。
【0031】
移動ペース測定部20は、体動検出部1により検出される検出情報に基づいて装着者の移動ペースを測定する。
【0032】
例えば、移動ペース測定部20は、検出情報に基づいて検出した所定期間での歩数と、予め設定されている歩幅との積から、所定期間における移動距離を算出する。移動ペース測定部20は、この所定期間と移動距離を用いることで、単位時間(例えば60分)あたりの移動距離を移動ペースとして測定する。
【0033】
なお、体動検出部1とは別にGPS(Global Positioning System)受信機を運動情報測定装置10に搭載しておき、移動ペース測定部20は、このGPS受信機で検出される信号に基づいて移動ペースの測定を行ってもよい。
【0034】
生体情報測定部21は、心拍センサ7により検出される心拍データに基づいて、装着者の運動負荷を示す生体情報としての心拍数を測定する。生体情報としては、心拍数に限らず、例えば脈拍数であってもよい。この場合は、心拍センサ7の代わりに脈拍センサが用いられる。本明細書では、心拍数を1分間における心拍回数として説明する。
【0035】
移動ペース配分設定部23は、装着者によって指定された距離(操作部4を介して入力された目標距離)を装着者が移動する際の移動ペースの配分を設定する。
【0036】
例えば、記憶部5には、距離Xを所定時間Yかけて移動する際における移動ペースの配分を複数パターン記憶しておく。
【0037】
具体的には、距離Xの最初の10%の区間は移動ペースAとし、距離Xの10%から80%の区間は移動ペースBとし、距離Xの80%から100%の区間は移動ペースCとするといったパターンにおいて移動ペースA,B,Cの数値を変えたパターンや、移動ペースA,B,Cを設定する区間の長さの配分を変えたパターンを記憶しておく。移動ペースを2つまたは4つ以上設定したパターンがあってもよい。
【0038】
また、記憶部5には地図データが記憶されており、制御部2の制御により、表示部6には地図データに基づく地図が表示される。装着者は、これから移動しようとする予定移動経路を、操作部4を操作して地図上で指定する。
【0039】
移動ペース配分設定部23は、地図上の予定移動経路の距離を地図データから求め、これを装着者の目標距離として設定する。また、移動ペース配分設定部23は、装着者から入力された目標タイム(目標距離を移動完了するのに要する時間)を設定する。
【0040】
目標距離と目標タイムが設定されると、移動ペース配分設定部23は、表示部6に移動ペースの配分パターンの選択画面を表示させる。
【0041】
装着者が、選択画面上で特定の移動ペースの配分パターンを指定すると、移動ペース配分設定部23は、指定されたパターンを記憶部5から読み出す。移動ペース配分設定部23は、読みだしたパターンの距離Xを、指定された目標距離に置き換えた場合の移動ペースの配分を設定する。更に、移動ペース配分設定部23は、所定時間Yが設定された目標ペースとなるように、ここで設定した移動ペースを加工して最終的な移動ペースの配分を設定する。
【0042】
なお、装着者が、予定移動経路によって決まる目標距離に対して移動ペースの配分を手操作で入力し、この入力された配分を移動ペース配分設定部23が設定する構成としてもよい。
【0043】
また、ここでは記憶部5に地図データを記憶しているが、運動情報測定装置10にインターネットなどのネットワークに接続可能な通信インターフェースを追加しておき、制御部2は、ネットワークを介して地図データを取得してもよい。
【0044】
勾配情報取得部24は、装着者が移動する経路の勾配情報を取得する。この勾配情報は、記憶部5に記憶されている地図データから取得可能である。なお、この勾配情報は、地図データと同様に、ネットワークを介して外部から取得してもよい。
【0045】
記憶制御部22は、装着者が任意の経路を移動したときの移動ペース測定部20により測定された移動ペース及び生体情報測定部21により測定された生体情報と、勾配情報取得部24によって取得される、この任意の経路の勾配情報とを対応付けて記憶部5に記憶する。
【0046】
つまり、記憶部5には、装着者が過去に移動したときの移動経路と、この移動経路の勾配情報と、この移動経路を移動中の移動ペースの履歴と、この移動経路を移動中の心拍数の履歴とが記憶される。
【0047】
移動ペース補正部25は、移動ペース配分設定部23により設定された移動ペースの配分を、記憶部5に記憶されている移動ペース、生体情報、及び勾配情報と、勾配情報取得部24により取得される予定移動経路の勾配情報とに基づいて補正する。
【0048】
ガイド部26は、移動ペース補正部25による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドする。例えば、設定された移動ペースで移動できるように、移動ペースにしたがったタイミングで報知部3から音を鳴らしたり、バイブレータを振動させたりすることで、移動ペースのガイドを行う。
【0049】
以上のように構成されたシステム100の動作を説明する。
【0050】
図3は、運動情報測定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
【0051】
まず、運動情報測定装置10の装着者が、表示部6に表示されたマップにおいて予定移動経路を指定し、表示部6に表示された移動ペースの配分のパターンを1つ選択し、予定移動経路を移動完了するのにかかる目標タイムを入力する。
【0052】
これにより、移動ペース配分設定部23は、指定された予定移動経路から目標距離を求めて設定し、この目標距離と選択されたパターンとから、目標距離に対する移動ペースの配分を設定し、更に、入力された目標タイムを設定する(ステップS1)。
【0053】
図4は、ステップS1で設定した目標距離に対して設定された移動ペースの配分の一例を示す図である。図4には、総距離が6.5kmである指定された予定移動経路を、入力された目標タイムで移動する場合に設定される移動ペースの配分が示されている。
【0054】
次に、勾配情報取得部24は、装着者から指定された予定移動経路の勾配情報を記憶部5の地図データから取得する(ステップS2)。図5は、ステップS2で取得された勾配情報の例を示す図である。図5に示すように、勾配情報は、距離毎の高度の情報により構成される。
【0055】
次に、移動ペース補正部25は、ステップS2で取得された勾配情報に基づいて、ステップS1で設定した移動ペースを補正する(ステップS3)。
【0056】
例えば、ステップS1で設定した予定移動経路において、傾斜が所定値以上の上り坂部分については移動ペースを下げる補正を行い、傾斜が所定値以上の下り坂部分については移動ペースを上げる補正を行う。
【0057】
この補正により、補正後の移動ペースの配分で目標距離を移動したときの移動完了までに要する時間と、設定された目標タイムとにはずれが生じる。このため、移動ペース補正部25は、目標距離の移動完了に要する時間を目標タイムと一致させるべく、移動ペースを更に補正する。具体的には、移動ペースを全体で一律に大きくする補正を行う。
【0058】
図6は、ステップS3で補正後の移動ペースを示す図である。図6において符号61は、ステップS1で設定した移動ペースを示す。符号62は、符号61で示す移動ペースを図5の勾配情報に基づいて補正した後の移動ペースを示す。符号63は、符号62で示す移動ペースを目標タイムに合わせるために補正した後の移動ペースを示す。
【0059】
次に、移動ペース補正部25は、記憶部5に記憶されている移動ペース、生体情報、及び勾配情報と、ステップS2で取得された図5に示す勾配情報と、補正後の符号63で示す移動ペースとに基づいて、装着者から指定された予定移動経路を、補正後の符号63で示す移動ペースで移動した場合に、各距離到達時点での心拍数がどの程度の値になるかを示す心拍数の推移を推定する(ステップS4)。
【0060】
記憶部5に記憶されている移動ペース、生体情報、及び勾配情報からは、どういった勾配の経路をどういった移動ペースで移動すると、どれくらいの心拍数になるのかが分かる。
【0061】
したがって、移動ペース、生体情報、及び勾配情報の関係を示す関係式と、装着者から指定された予定移動経路の勾配情報と、図6の符号63で示される補正後の移動ペースとを用いることで、この予定移動経路を、この補正後の移動ペースで移動した場合の心拍数の推移を推定することができる。
【0062】
図7は、ステップS4で推定した心拍数の推移を示す図である。図8は、符号63で示すステップS3で補正後の移動ペースと、図7に示す推定した心拍数推移とを重ねて示した図である。
【0063】
図8には、心拍数の上限閾値が示されている。この上限閾値は、装着者が操作部4を操作して任意に入力できるようにしてもよいし、制御部2が算出して設定してもよい。
【0064】
制御部2が算出する場合、制御部2は、例えば、{(最高心拍数−安静時心拍数)×α+(安静時心拍数)}を上限閾値とする。ここでいう最高心拍数とは(220−装着者の年齢)拍/分である。安静時心拍数とは一般に70拍/分、係数αは体力水準が低い人を0.5、体力水準の高い人を0.85としている。
【0065】
最高心拍数と安静時心拍数を装着者が手入力又は心拍センサ7によって測定して入力することで、制御部2が上記式により上限閾値を設定する。この上限閾値は、心拍数がこれ以上になると、装着者の心臓に過度な負担がかかってしまうことを示す値となる。
【0066】
なお、上限閾値はこれに限らず、装着者の要望に応じて決めることができる。例えば、最大心拍数のxx%以上は危険なので、その値を越えないようにしたい、などの要望に応じて、移動ペース補正部25が、上限閾値を設定してもよい。
【0067】
ステップS4の後、移動ペース補正部25は、予定移動経路の区間の全体に渡って、ステップS4で推定した心拍数が上限閾値以下(例えば上限閾値の90%)となるように、符号63で示す移動ペースを補正する(ステップS5)。
【0068】
つまり、移動ペース補正部25は、図8において、推定された心拍数が上限閾値を超えている区間については、その区間における心拍数が上限閾値以下になるよう移動ペースを下げる補正を行って、図9の符号70で示す移動ペースを得る。
【0069】
ステップS5の補正により、補正後の移動ペースで目標距離を移動したときの移動完了に要する時間と、設定された目標タイムとにはずれが生じる。このため、移動ペース補正部25は、目標距離の移動完了に要する時間を目標タイムと一致させるべく、符号70で示した移動ペースを更に補正する。
【0070】
移動ペース補正部25は、具体的には、目標距離の移動完了に要する時間が目標タイムと一致するように、ステップS5で移動ペースを変更した区間を除く全ての区間において、移動ペースを一律に大きくする又は小さくする補正を行う。
【0071】
そして、移動ペース補正部25は、補正後の移動ペースを最終的な移動ペースとして記憶部5に記憶する(ステップS6)。
【0072】
装着者が操作部4を操作して、ワークアウトの開始を指示すると(ステップS7:YES)、ガイド部26は、ステップS6で記憶部5に記憶された最終的な移動ペースに基づいて、報知部3から定期的に報知を行うことで、装着者の移動ペースをガイドする(ステップS8)。
【0073】
以上のように、運動情報測定装置10によれば、装着者が最初に指定した予定移動経路に対して設定された移動ペースが、この予定移動経路の勾配情報と、装着者の過去の任意の移動経路に対する移動ペース、この移動経路を移動中の生体情報、この移動経路の勾配情報と、に基づいて補正される。記憶部5に記憶された装着者の過去のデータに基づいて、設定された移動ペースが補正されるため、運動情報測定装置10を装着する人に応じた適切な移動ペースのガイドが可能となる。
【0074】
なお、図9に示したように、補正後の移動ペース(符号70)の全体的な推移は、設定した移動ペースの全体的な推移に準じたものとなる。このため、装着者の希望する負荷での運動を、装着者の心臓に負担をかけすぎることなく行うことができる。このように、運動情報測定装置10は、単に一定ペースで歩く又は走るだけではなく、より複雑な運動パターンにも対応可能であり、利便性を向上させて、商品価値を高めることができる。
【0075】
また、運動情報測定装置10によれば、設定された予定移動経路の勾配情報を考慮して移動ペースが補正される。このため、装着者が選んだ任意の経路に応じた適切な補正を行うことができ、運動する経路に限定されることなく、任意の経路に応じた正確なガイドを受けることができる。
【0076】
なお、図2に示す制御部2の機能ブロックのうち、勾配情報取得部24は省略してもよい。勾配情報取得部24を省略した変形例の制御部2では、記憶制御部22が、移動ペース測定部20で測定された移動ペースと生体情報測定部21で測定された生体情報とを対応づけて記憶部5に記憶する。
【0077】
また、この変形例の制御部2では、移動ペース補正部25が、移動ペース配分設定部23により設定された移動ペースの配分と、記憶部5に記憶されている任意の移動経路に対する移動ペース及び心拍数とに基づいて、設定された移動ペースで目標距離を移動するときの装着者の心拍数推移を推定する。移動ペース補正部25は、この心拍数推移に基づいて、設定された移動ペースを補正する。
【0078】
また、上記説明では、図3のステップS5において、推定した心拍数が上限閾値以下となるように移動ペースを補正するものとしている。しかし、移動ペースをどのように補正するかは、利用形態によって様々である。
【0079】
例えば、最大心拍数のxx%〜xx%以内で走りたいという要望に対応する場合には、図3のステップS5において、推定した心拍数が予め決められた範囲(例えばユーザによって指定された範囲)に収まるように移動ペースを補正する構成とすればよい。この構成でも、移動ペース補正部25は、心拍数がこの範囲の上限値以下となるように移動ペースを補正することに変わりはない。
【0080】
図10は、変形例の制御部2の動作を説明するためのフローチャートである。図10において図3と同様の処理には同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
ステップS1の後、移動ペース補正部25は、移動ペース配分設定部23により設定された移動ペースの配分と、記憶部5に記憶されている任意の移動経路に対する移動ペース及び心拍数とに基づいて、設定された移動ペースで予定移動経路を移動するときの装着者の心拍数推移を推定する(ステップS4a)。
【0082】
記憶部5に記憶されている移動ペース及び生体情報からは、どういった移動ペースで移動すると、どれくらいの心拍数になるのかが分かる。したがって、移動ペース及び生体情報の関係を示す関係式と、図4に示す設定された移動ペースとを用いることで、指定された予定移動経路を、図4に示す移動ペースで移動した場合の心拍数の推移を求めることができる。
【0083】
ステップS4aの後、移動ペース補正部25は、指定された予定移動経路の全区間に渡って、心拍数が上限閾値以下となるように移動ペースを補正する(ステップS5a)。具体的には、推定した心拍数が上限閾値を超える区間の移動ペースを、心拍数が上限閾値以下となるように小さくする補正を行う。
【0084】
ステップS5aの補正により、補正後の移動ペースで目標距離を移動した場合の移動完了までに要する時間と、設定された目標タイムとにはずれが生じる。このため、移動ペース補正部25は、目標距離を移動完了するまでに要する時間を目標タイムと一致させるべく、ステップS5aで補正後の移動ペースを更に補正する。
【0085】
移動ペース補正部25は、具体的には、目標距離の移動完了までに要する時間が目標タイムと一致するように、ステップS5aで移動ペースを変更した区間を除く全ての区間において、移動ペースを一律に大きくする又は小さくする補正を行う。
【0086】
そして、移動ペース補正部25は、補正後の移動ペースを最終的な移動ペースとして記憶部5に記憶する(ステップS6)。
【0087】
以上のように、勾配情報を用いない場合でも、運動情報測定装置10を装着する人に応じた移動ペースの補正がなされることになる。このため、移動ペースを一定としない運動をする際でも、心拍数が上限閾値を超えない状態での運動を行うよう支援することが可能となる。
【0088】
なお、運動情報測定装置10の制御部2は、ワークアウト開始後、心拍センサ7の検出情報に基づく心拍数の変動をモニタして、心拍数が上限閾値を超えないように、設定済みの移動ペース配分を適宜補正するようにしてもよい。
【0089】
コンピュータに、図3,10に示したフローチャートの各ステップを実行させるためのプログラム、又は、コンピュータを図2の各機能ブロックとして機能させるためのプログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記録媒体に記録されて提供可能である。
【0090】
このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体や、メモリカード等の磁気記録媒体等を含む。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0091】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0092】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0093】
開示された運動情報測定装置は、装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定部と、装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定部と、装着者の移動中において前記移動ペース測定部により測定された移動ペース及び前記生体情報測定部により測定された生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定部と、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分を前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正部と、前記移動ペース補正部による補正後の移動ペースの配分にしたがって装着者の移動ペースをガイドするガイド部と、を備えるものである。
【0094】
開示された運動情報測定装置は、前記移動ペース補正部は、前記移動ペース配分設定部により設定された移動ペースの配分と、前記記憶部に記憶されている移動ペース及び生体情報とを用いて、前記指定された距離を前記設定された移動ペースの配分で移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報が前記指定された距離の全区間にわたって閾値以下となるように、前記移動ペースの配分を補正するものである。
【0095】
開示された運動情報測定装置は、装着者が移動する経路の勾配情報を取得する勾配情報取得部を更に備え、前記記憶制御部は、装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報と前記移動中の経路の勾配情報とを対応づけて前記記憶部に記憶し、前記移動ペース補正部は、前記設定された移動ペースの配分を、前記記憶部に記憶されている移動ペース、生体情報、及び勾配情報と、前記勾配情報取得部により取得される前記指定された距離が設定される経路の勾配情報とに基づいて補正するものである。
【0096】
開示された運動情報測定装置は、前記移動ペース補正部は、前記設定された移動ペースの配分及び前記指定された距離が設定される経路の勾配情報と、前記記憶部に記憶されている移動ペース、生体情報、及び勾配情報とを用いて、前記指定された距離を移動する際の装着者の生体情報の推移を推定し、前記推定した生体情報が前記指定された距離の全区間にわたって閾値以下となるように、前記移動ペースの配分を補正するものである。
【0097】
開示された運動支援方法は、運動情報測定装置の装着者の移動ペースを測定する移動ペース測定ステップと、前記装着者の運動負荷を示す生体情報を測定する生体情報測定ステップと、前記装着者の移動中に測定された移動ペース及び生体情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、指定された距離を移動する際の移動ペースの配分を設定する移動ペース配分設定ステップと、前記移動ペース配分設定ステップで設定した移動ペースの配分を前記記憶部に記憶した移動ペース及び生体情報に基づいて補正する移動ペース補正ステップと、前記移動ペース補正ステップによる補正後の移動ペースの配分にしたがって前記装着者の移動ペースをガイドするガイドステップと、を備えるものである。
【0098】
開示された運動支援プログラムは、コンピュータに、前記運動支援方法の各ステップを実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0099】
2 制御部
3 報知部
5 記憶部
7 心拍センサ
20 移動ペース測定部
21 生体情報測定部
22 記憶制御部
23 移動ペース配分設定部
24 勾配情報取得部
25 移動ペース補正部
26 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10