特許第6405992号(P6405992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6405992インクジェット印刷用チタン紙およびそれを用いた化粧原紙および化粧板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405992
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】インクジェット印刷用チタン紙およびそれを用いた化粧原紙および化粧板
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/52 20060101AFI20181004BHJP
   B41M 5/50 20060101ALI20181004BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20181004BHJP
   D21H 19/72 20060101ALI20181004BHJP
   D21H 27/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   B41M5/52 110
   B41M5/50 120
   B41J2/01 501
   D21H19/72
   D21H27/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-260239(P2014-260239)
(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-120600(P2016-120600A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水谷 準
【審査官】 樋口 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−508682(JP,A)
【文献】 特開2014−009430(JP,A)
【文献】 特表2010−531251(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/084280(WO,A1)
【文献】 特開2003−127524(JP,A)
【文献】 特開平03−169545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M5/00,5/50−5/52
B32B1/00−43/00
D21B1/00−D21J7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン紙の表面にアンカー層およびインク受理層を設けたインクジェット印刷用チタン紙において、前記アンカー層に表面サイズ剤を0.02g/m以上、0.05g/m以下含有し、前記インク受理層が炭酸カルシウムを70重量%以上含有してなり、前記炭酸カルシウムが体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が1μm以下であり、前記インク受理層の塗布量が固形分で7.5g/m以上であることを特徴とするインクジェット印刷用チタン紙。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット印刷用チタン紙を用いて製造されることを特徴とする化粧原紙。
【請求項3】
請求項2に記載の化粧原紙を用いて製造されることを特徴とする化粧板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット印刷用チタン紙およびそれを用いた化粧紙および化粧板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在インクジェット印刷はさまざまな分野で、さまざまな用途に実用化がなされており、身近な存在となっている。たとえば一般家庭においても、パソコンの出力装置としてあるいは年賀状や写真のプリンターとして使用されることは多く、また産業用においてもバーコードプリンター、あるいは看板、POP、広告媒体など商業印刷物への利用例は多い。
【0003】
インクジェット印刷の利点は、プリンターが比較的安価で且つ高画質が得られる点が第一である。また印刷といっても印刷用の版を必要とせず、パソコンや専用の機器からのデータによって出力の印刷物を得ることができる。これは単に印刷用の版の価格が節約できるということにとどまらず、印刷までに要する時間を短縮し、校正刷りといわれる試作、試し刷りを簡略なものにできるなどの利点が多い。
【0004】
一方インクジェット印刷においては、プリンターとのマッチングを最適化した専用の用紙が必要とされる場合が多い。インクジェットインクとインクジェット用紙の適合性が悪い場合には、印刷物について、色の再現性に問題がでたり、ムラが出たり、コックリングと呼ばれる波うち現象が出たり、印刷品質に影響が出る場合がある。
【0005】
印刷物が用いられる分野のひとつに、建材用途がある。壁紙、化粧紙を用いた化粧板、あるいはテーブル、机などの水平面に用いられるメラミン化粧板用の化粧紙などに主にグラビア印刷が用いられているが、インクジェット印刷を応用した例はほとんど実用化されていない。
【0006】
それはこの分野において、印刷物がさらに後加工されるときの適性を持つ必要があることや、隠蔽性のあるチタン紙と呼ばれる特殊紙を使うことが一般的であること、などがインクジェット印刷普及の阻害要因として挙げられる。
【0007】
また特許文献1に見られるように、インクジェット印刷におけるコックリング現象を防止するためにオレフィン系サイズ剤を用いる提案もなされているが、化粧原紙に用いる場合には樹脂含浸適性にも考慮する必要があり、加工適性において十分なものではなかった。
【0008】
このような状況がある一方で、インクジェット印刷にはいくつもの利点がありまたインクジェットプリンターも進歩を遂げている現在、インクジェット印刷によって、化粧原紙、またそれを用いた化粧板を実現することが求められるようになってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−299378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、インクジェット印刷用チタン紙およびそれを用いた化粧紙および化粧板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、チタン紙の表面にアンカー層およびインク受理層を設けたインクジェット印刷用チタン紙において、前記アンカー層に表面サイズ剤を0.02g/m以上、0.05g/m以下含有し、前記インク受理層が炭酸カルシウムを70重量%以上含有してなり、前記炭酸カルシウムが体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が1μm以下であり、前記インク受理層の塗布量が固形分で7.5g/m以上であることを特徴とするインクジェット印刷用チタン紙である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット印刷用チタン紙を用いて製造されることを特徴とする化粧原紙である。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の化粧原紙を用いて製造されることを特徴とする化粧板である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、インクジェット印刷用チタン紙およびそれを用いた化粧紙および化粧板を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙の一実施例の部分断面模式図である。
図2図2は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙に印刷を施した化粧原紙の一実施例の部分断面模式図である。
図3図3は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙に印刷を施した化粧原紙を用いた化粧板の一実施例の部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を実施するための形態について図1図3を参照しながら詳細な説明を加える。なお、本文中においては、インクジェット印刷用チタン紙にインクジェット印刷によって絵柄を設けたものを、化粧板を構成する要素として化粧原紙と呼ぶことにする。
【0017】
図1は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙の一実施例の部分断面模式図である。インクジェット印刷用チタン紙(10)はチタン紙(1)にアンカー層(2)を設け、さらにその上にインク受理層(3)を設けてなる。
【0018】
図2は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙に印刷を施した化粧原紙の一実施例の部分断面模式図である。インクジェット印刷によって表面に吹きつけられたインク(4)は、インク受理層(3)表面からインク受理層内部ににじむことなく吸収されて定着する。図2ではインク受理層(3)に吸収されたインク(5)の断面模式図を示してある。
【0019】
図3は本発明に係る、インクジェット印刷用チタン紙に印刷を施した化粧原紙を用いた化粧板の一実施例の部分断面模式図である。化粧原紙(6)には、本発明によるインクジェット用チタン紙にインクジェットプリンターで絵柄(9)を設けてあり、コアー原紙(7)および基材(8)と積層されて化粧板(11)を構成している。
【0020】
以下本発明に係る各構成要素について、さらに詳細に説明する。
【0021】
チタン紙(1)は紙に二酸化チタンを抄きこんで、隠蔽性を持たせた特殊紙である。二酸化チタンの白色のみならず、さらに着色した紙であっても良い。二酸化チタンは白色原料であって隠ぺい力に優れ、化粧板としたときには下地、基材の影響を無くすことができる。
【0022】
化粧原紙を構成するチタン紙には通常印刷適性のほか樹脂含浸性、耐熱性、耐水性、耐光性などが要求される。使用できるチタン紙の坪量は35g/m〜200g/mであるが、特に50g/m〜120g/mの範囲のものが好ましく用いられる。
【0023】
化粧原紙とするための印刷の絵柄はたとえば木目や石目、抽象柄、などを印刷することができ、単色の場合はベタの印刷をすることができる。本発明においてはインクジェットプリンターを用いて印刷して化粧原紙とする。
【0024】
現在一般的にはチタン紙を用いた化粧原紙を得るための印刷は、グラビア印刷を用いることが多いが、グラビア印刷に比較してインクジェットプリンターは、高価なグラビア版を使う必要がないため、安価且つ短納期に対応して印刷を行なうことができる。また高精細も可能であって色数を増やすことも容易であることなどから、意匠性においても従来にない高品位なものが可能である。
【0025】
またインクジェットプリンターを用いることによって、印刷の仕上がりをデータから直接シミュレーションすることも可能になり、従来の校正システムを簡便にかつ精度良く行なうことが可能である。
【0026】
化粧原紙は、たとえばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸をして用いる。メラミン化粧板には高圧メラミン化粧板、あるいは低圧メラミン化粧板があるが、たとえば高圧メラミン化粧板の場合には、表面にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含浸させた透明紙(オーバーレイ紙)、含浸化粧原紙、コアー原紙を裏打ち紙、裏面にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含浸させた透明紙(オーバーレイ紙)を、この順に積層して加熱、加圧のプレスをして化粧板とすることができる。またプレスにおいてエンボス版を用いる場合には化粧板表面の光沢の調整や凹凸を設けることも可能である。
【0027】
あるいは低圧メラミン化粧版のように、さらに基材を加えた形で同時にプレスして化粧板することもできる。こうして得られた化粧板は机や家具の表面材あるいは壁面材として使用される。熱硬化性樹脂にはそのほか、DAP(ジアリルフタレート)、あるいはポリエステルなどを用いることができる。
【0028】
コアー原紙は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含浸させて裏打ち紙として用いるものであり、化粧板の強度保持層として用いる。用途によって、コアー原紙を用いずにパーティクルボード、MDF(中密度繊維版)などの木質系基材、あるいは金属板などを用いて化粧板を構成することも可能である。
【0029】
アンカー層(2)はチタン紙(1)上にインク受理層(3)を設けるに際して、それらの間に位置して、インクのにじみを抑制するために設ける。アンカー層は表面サイズ剤を0・02g/m以上、0.05g/m以下含有しており、インク受理層に浸透しアンカー層に達したインクのにじみを抑制することができる。チタン紙上にアンカー層を設ける方法については特に限定するものではなく公知のコーティング方法を用いることができ、たとえばグラビア印刷法を用いて設けることができる。
【0030】
サイズ剤は、紙に対してインクの浸透性を抑え、インクのにじみを押さえる役割を持つが、半面樹脂含浸に対してはそのしみこみを抑制するために、含浸効率が悪くなり生産性を阻害する要因となることがある。
【0031】
したがってチタン紙にサイズ剤が内添されている場合には、含浸を阻害する恐れがあるが、本発明によればサイズ剤がアンカー層に適量添加されていることによって、チタン紙へのサイズ剤を添加する必要がなくなり、にじみを抑制する効果を損なわずに含浸効率を維持することが可能になる。
【0032】
本発明のインクジェット印刷用チタン紙においてはインク受理層(3)は、炭酸カルシウムを70重量%以上含有しており、また炭酸カルシウムは体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が1μm以下であり、インク受理層の塗布量は固形分で7.5g/m以上である。これによってインク受理層は、インクジェット印刷のインクが吹き付けられた際に、にじみを抑えて定着させることができる。
【0033】
チタン紙上にアンカー層を介してインク受理層を設ける方法については、特に限定するものではなく公知のコーティング方法を用いることができ、たとえばグラビア印刷法を用いて設けることができる。
【0034】
このとき、塗布液のバインダーとして特に限定をするものではないが、インク受理層としてインクの発色性、耐水性、また熱硬化性樹脂の含浸適性などを考慮して適切なものを選択すればよく、たとえばアクリルスチレン共重合樹脂を用いることができ、さらにカゼインを添加して用いても良い。
【0035】
インク(4)は、インクジェットプリンターに適合したものから選ぶことができ、特に制限を加えるものではないが、化粧板としての要求品質に適合した材料から選択することができる。たとえば耐光性が要求される場合においては、一般的には着色材に顔料タイプを選択するなどすることができる。
【0036】
本発明によるインクジェットプリンター用チタン紙を使用することによって、インク受理層のにじみ抑制効果でインクの印刷適性が向上し、演色性も優れたものとなる。これはインク受理層の炭酸カルシウムの粒子径と含有率、インク受理層の塗布固形分のバランスによって左右される。
【0037】
これについて我々は鋭意検討を重ねた結果、アンカー層は表面サイズ剤を0・02g/m以上、0.05g/m以下を含有しており、インク受理層は、炭酸カルシウムを70重量%以上含有しており、また炭酸カルシウムは体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が1μm以下であり、インク受理層の塗布量は固形分で7.5g/m以上であることが最適であることを見出した。
【0038】
本発明によるインクジェットプリンター用チタン紙の表面に絵柄を設けてなる化粧原紙は、化粧板に加工するに当たっては化粧原紙に熱硬化性樹脂を含浸させて、熱および圧力によるプレス加工を行なう。したがって化粧原紙には熱硬化性樹脂の含浸性が良好であることが求められる。
【0039】
これについて我々は鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂含浸性はアンカーコートに含まれる表面サイズ剤固形分が0・02g/m以上、0.05g/m以下であることに加えて、インク受理層の炭酸カルシウムが70重量%以上であることが必要であることを見出した。
【0040】
またインクジェットプリンターの印刷直後においては、化粧原紙がコックリングと呼ばれる波うち現象を呈することがあるが、このコックリングも少ないほうが化粧板の加工において好ましい。しかしコックリングは紙そのものの特性でもあり、インクの吐出量にも左右されるが、本発明においてはインク受理層およびアンカー層の最適化によってこの問題を最小にとどめることに成功している。
【0041】
このようにして本発明によれば、インクジェット印刷用チタン紙、およびインクジェット印刷の利点を生かしてそれを用いた化粧原紙および化粧板を提供することが可能になる。
【実施例】
【0042】
以下実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
【0043】
<実施例1>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を1.6g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.027g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)38.43gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは70重量%であり、乾燥後の塗布量が8.0g/mとなるようにして本発明によるインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0044】
<比較例1>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を1.6g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.027g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0045】
<比較例2>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は塗工していない。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0046】
<比較例3>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.055g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0047】
<比較例4>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.015g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0048】
<比較例5>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を1.6g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.027g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.3μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製PZ)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)38.43gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは70重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0049】
<比較例6>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は塗工していない。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.3μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製PZ)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0050】
<比較例7>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.055g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.3μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製PZ)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0051】
<比較例8>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.015g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.3μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製PZ)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0052】
<比較例9>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を1.6g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.027g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が5μmのアルミニウムシリケート(Degussa社製820A)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)38.43gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは70重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0053】
<比較例10>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は塗工していない。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が5μmのアルミニウムシリケート(Degussa社製820A)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0054】
<比較例11>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.055g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が5μmのアルミニウムシリケート(Degussa社製820A)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0055】
<比較例12>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.015g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が5μmのアルミニウムシリケート(Degussa社製820A)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で8.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0056】
<比較例13>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を1.6g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.027g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)38.43gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは70重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で5.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0057】
<比較例14>
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は塗工していない。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で5.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0058】
<比較例15>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.055g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で5.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0059】
<比較例16>
下記の材料と手順でインクジェット印刷用チタン紙を作成した。
(1)チタン紙として坪量80g/mの印刷用白色原紙((株)興人製KSH−801P)を用いた。
(2)アンカー層は以下のとおりである。
塗工液として、水100gに表面サイズ剤(ハリマ化成(株)製ハーサイズKN−280)を3.3g添加し、グラビア印刷でアンカー層に含まれる表面サイズ剤が0.015g/mとなるように塗工した。
(3)インク受理層は以下のとおりである。
塗工液として、水75gに体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製Brilliant−1500)を用い、これを35gとカチオン系エマルジョン(中央理化工業(株)製FK−820)59.82gとを攪拌機で分散させ、これを前記チタン紙の表面にグラビア印刷機を用いて塗工した。
(4)200℃のオーブンで乾燥して後インク受理層の炭酸カルシウムは60重量%であり、乾燥後の塗布量が固形分で5.0g/mとなるようにしてインクジェット印刷用チタン紙を得た。
【0060】
実施例1および比較例1〜比較例16で得たインクジェット印刷用チタン紙に対し、発色性評価(マゼンタ、イエロー)、コックリング評価、熱硬化性樹脂含浸性評価を行なった。
【0061】
<発色性評価>
インクジェットプリンター(ローランド社製:XR−640)を用い、純正エコソルベント顔料インクを使用してマゼンタ、イエローのベタ印刷を行なった。印刷物の色相は傾向分光濃度計(コニカミノルタ社製:FD−7)で測色した。色相でマゼンタのa値が高いほど発色性が良く、イエローのb値が高いほど発色性が良い。
【0062】
<評価基準>
マゼンタのa値が60以上を○
イエローのb値が80以上を○
とした。
【0063】
<コックリング評価>
コックリング評価にはインクジェットプリンター(エプソン社製:PM−5002)を用いて600mm×500mmのサイズで印刷してコックリングを目視で評価した。
【0064】
<評価基準>
印刷直後のコックリングの数が5個以下を○
印刷直後のコックリングの数が5個を越えるものを×
とした。
【0065】
<熱硬化性樹脂含浸性評価>
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙の上にフェノール−ホルムアルデヒド樹脂が含浸されたコアー紙を2枚重ねその上に、インクジェット印刷用チタン紙にインクジェット印刷を施しメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が含浸された化粧原紙を積層し、さらにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙を積層したのち、プレス機で加熱、加圧して化粧板を得た。この化粧板のブリスター(ふくれ)の有無を目視観察して評価した。
【0066】
<評価基準>
ブリスターの発生が見られないものを○
ブリスターの発生が見られるものを×
とした。
【0067】
評価結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
表1から明らかなように、評価項目である、発色性評価(マゼンタおよびイエロー)、コックリング評価、熱硬化性樹脂含浸性のすべての項目で「○」評価になったのは、実施例1のみである。
【0069】
インクジェット印刷適性(マゼンタおよびイエロー)の評価結果からは、炭酸カルシウムの粒子径が1μm以下で、且つインク受理層の塗布量が7.5g/mであることが必要であることが明らかになった。
【0070】
コックリングの評価結果からは、アンカーコートに含まれる表面サイズ剤固形分が0.02g/m以上、必要であることが明らかになった。
【0071】
熱硬化性樹脂含浸性の評価結果からは、アンカーコートに含まれる表面サイズ剤固形分が0.05g/m以下であることが必要であり、0.027g/mの場合にはインク受理層の炭酸カルシウムが70重量%以上であることが必要であること、が明らかになった。
【0072】
したがってこれらの結果から、本発明によれば、インクジェット印刷用チタン紙を提供することができ、それによって化粧原紙および化粧板を提供することが可能であることを検証することができた。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によるインクジェット印刷用チタン紙は、化粧原紙として高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、DAP化粧板等に使用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・チタン紙
2・・・アンカー層
3・・・インク受理層
4・・・インク
5・・・吸収されたインク
6・・・化粧原紙
7・・・コアー原紙
8・・・基材
9・・・絵柄
10・・・インクジェット印刷用チタン紙
11・・・化粧板
図1
図2
図3