特許第6405998号(P6405998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405998
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】負荷駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/08 20060101AFI20181004BHJP
   H03K 17/06 20060101ALI20181004BHJP
   H03K 17/695 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H03K17/08 C
   H03K17/06 063
   H03K17/695
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-261586(P2014-261586)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-122965(P2016-122965A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大園 雄太
【審査官】 及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−092277(JP,A)
【文献】 特開2012−175503(JP,A)
【文献】 特開2005−217497(JP,A)
【文献】 特開2013−016959(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/047005(WO,A1)
【文献】 特開2012−139096(JP,A)
【文献】 特開2014−023272(JP,A)
【文献】 特開2011−259223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続される第1の端子と、負荷に接続される第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続されたスイッチング素子と、
前記第1の端子に入力される入力電圧よりも低い第1の基準電圧と前記第2の端子の電圧とを比較することにより前記スイッチング素子がオフ状態で且つ前記第2の端子に前記負荷が接続されていない負荷オープン状態を検出する第1のコンパレータと、
前記負荷オープン状態である場合に、前記第2の端子の電圧を前記第1の基準電圧よりも高く且つ前記入力電圧よりも低いクランプ電圧にクランプするクランプ回路と、
前記入力電圧よりも低く且つ前記クランプ電圧よりも高い第2の基準電圧と前記第2の端子の電圧とを比較することにより前記スイッチング素子がオフ状態で且つ前記第2の端子が前記電源に接続される出力天絡状態を検出する第2のコンパレータと、
一端が前記第2の端子に接続され他端が第3の端子に接続されるコンデンサと、
前記第1の端子の電源の電圧に基づき定電圧を生成し、定電圧により充電電流を前記第3の端子に供給するブートストラップ回路と、
前記第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、前記クランプ回路のクランプ電圧の上昇を抑止するクランプ電圧上昇抑止回路と、
を備え、
前記クランプ電圧上昇抑止回路は、前記第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、前記ブートストラップ回路から前記第3の端子と前記コンデンサを介して前記クランプ回路に流れる電流を停止させる充電電流停止回路からなることを特徴とする負荷駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子を用いてソレノイド等の負荷を駆動する負荷駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の負荷駆動回路としては、特許文献1に記載されたものが知られている。この負荷駆動回路は、出力端子と負荷とを接続する配線が切断される等の原因で、負荷が出力端子に接続されていない負荷オープン状態を検出する。
【0003】
負荷駆動回路は、図5に示すように、MOSFETからなるスイッチング素子Q1、第1のコンパレータCP1と、第2のコンパレータCP2と、クランプ回路14とを備える。第1のコンパレータCP1は、電源端子Vccに入力される電源Eの電圧よりも低い第1基準電圧V1と出力端子OUTの出力電圧Voutとを比較し、出力電圧Voutが第1基準電圧V1以上のときにHレベルを出力することで負荷オープン状態を検出する。
【0004】
第2のコンパレータCP2は、電源Eの電圧よりも低く且つVclamp電圧よりも高い第2基準電圧V2と出力端子OUTの出力電圧Voutとを比較し出力電圧Voutが第2基準電圧V2以上のときにHレベルを出力することで出力天絡状態を検出する。
【0005】
クランプ回路14は、スイッチング素子Q1がオフ状態で且つ出力端子OUTに負荷20が接続されていない負荷オープン状態である場合に、出力端子OUTの電圧を第1の基準電圧V1よりも高く且つ電源Eの電圧よりも低いクランプ電圧にクランプする。
【0006】
以上の構成において、負荷が負荷オープン状態になった場合に、スイッチング素子Q1がオフ状態になると、出力電圧Voutはクランプ回路によりクランプ電圧にクランプされる。
【0007】
第1のコンパレータCP1の第1基準電圧V1は、GND<V1<Vclampと設定されているので、第1のコンパレータCP1によって、負荷オープン状態を検出することができる。また、第2のコンパレータCP2は、第2基準電圧V2は、Vclamp<V2<Eと設定されているので、第2のコンパレータCP2によって、出力天絡は検出されない。出力天絡とは、何らかの理由で出力端子OUTが電源Eに誤接続された状態である。
【0008】
一方、出力天絡状態になった場合には、スイッチング素子Q1がオフ状態であっても出力端子OUTの電圧は電源Eの電圧まで上昇する。この時、第1のコンパレータCP1の第1基準電圧V1は、GND<V1<Vclampと設定されているので、第1のコンパレータCP1によって、負荷オープン状態として検出される。第2基準電圧V2は、Vclamp<V2<Eと設定されているので、第2のコンパレータCP2によって、出力天絡状態として検出することができる。
【0009】
また、出力用のスイッチング素子Q1のハイサイドトランジスタにN型のMOSFETを用いる場合には、図5に示すように、ブートストラップ回路BSを追加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2013−16959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかながら、ブートストラップ回路BSを追加し、負荷が負荷オープン状態になった場合には、以下のような問題が発生する。この問題を図6を参照しながら説明する。図6において、Q1ON/OFFは、スイッチング素子Q1のオン/オフ信号、OUTは出力電圧、CP1は第1のコンパレータCP1の出力、CP2は第2のコンパレータCP2の出力、C1iは、コンデンサC1に流れる充電電流を示す。
【0012】
期間T1において、負荷が負荷オープン状態になった場合には、ブートストラップ回路BSからコンデンサC1を介してクランプ回路14内の抵抗に電流が流れる。このため、クランプ回路14の抵抗による電圧降下が大きくなり、クランプ電圧Vclamp、即ち出力電圧OUTが上昇し、時刻t14において、出力電圧OUTが第2基準電圧V2となる。このため、第2のコンパレータCP2は、Hレベルを出力する。即ち、出力天絡状態でなくても、出力天絡状態を誤検出してしまう。
【0013】
本発明の課題は、ブートストラップ回路を接続した場合に、出力天絡状態の誤検出を防止することができる負荷駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る負荷駆動回路は、電源に接続される第1の端子と、負荷に接続される第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続されたスイッチング素子と、前記第1の端子に入力される入力電圧よりも低い第1の基準電圧と前記第2の端子の電圧とを比較することにより前記スイッチング素子がオフ状態で且つ前記第2の端子に前記負荷が接続されていない負荷オープン状態を検出する第1のコンパレータと、前記負荷オープン状態である場合に、前記第2の端子の電圧を前記第1の基準電圧よりも高く且つ前記入力電圧よりも低いクランプ電圧にクランプするクランプ回路と、前記入力電圧よりも低く且つ前記クランプ電圧よりも高い第2の基準電圧と前記第2の端子の電圧とを比較することにより前記スイッチング素子がオフ状態で且つ前記第2の端子が前記電源に接続される出力天絡状態を検出する第2のコンパレータと、一端が前記第2の端子に接続され他端が第3の端子に接続されるコンデンサと、前記第1の端子の電源の電圧に基づき定電圧を生成し、定電圧により充電電流を前記第3の端子に供給するブートストラップ回路と、前記第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、前記クランプ回路のクランプ電圧の上昇を抑止するクランプ電圧上昇抑止回路とを備え、前記クランプ電圧上昇抑止回路は、前記第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、前記ブートストラップ回路から前記第3の端子と前記コンデンサを介して前記クランプ回路に流れる電流を停止させる充電電流停止回路からなることを特微とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、充電電流停止回路からなるクランプ電圧上昇抑止回路がブートストラップ回路から第3の端子とコンデンサを介してクランプ回路に流れる電流を停止させるので、クランプ回路のクランプ電圧の上昇を抑止する。また、第1のコンパレータが負荷オープン状態を検出した場合に、第2の基準電圧を、前記ブートストラップ回路から前記第3の端子と前記コンデンサを介して前記クランプ回路に流れる電流を含む電流により発生する電圧よりも高い電圧で且つ前記入力電圧よりも低い電圧に設定する。したがって、本発明によれば、出力天絡状態の誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。
図2】本発明の実施例1に係る負荷駆動回路の各部の動作波形を示す図である。
図3】本発明の実施例2に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。
図4】本発明の実施例3に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。
図5】従来の負荷駆動回路の回路構成を示す図である。
図6】従来の負荷駆動回路の各部の動作波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る負荷駆動回路について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図5に示す従来の負荷駆動回路と同一構成には、従来技術で使用した符号と同じ符号を付する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。図1に示す負荷駆動回路は、電源端子Vcc、スイッチング素子Q1、昇圧回路11、バッファ回路12、制御回路13、出力端子OUT、クランプ回路14、定電流回路15、第1のコンパレータCP1、第2のコンパレータCP2、ブートストラップ回路BS、充電電流停止回路16を備え、電源端子Vccに接続された電源Eから入力される電力を用いて、出力端子OUTに接続された負荷20を駆動する。
【0020】
スイッチング素子Q1は、電源端子Vccから出力端子OUTに至る電力供給経路をオン/オフし、オン/オフにより負荷20に流れる電流を制御する。スイッチング素子Q1は、ハイサイドスイッチとしてMOSFETが用いられ、スイッチング素子Q1のドレインが電源端子Vccに接続され、ソースが出力端子OUTに接続されている。なお、スイッチング素子Q1としてバイポーラトランジスタを用いても良い。
【0021】
また、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間には、抵抗R1とゲート保護用定電圧ダイオードZD1とが並列接続されている。スイッチング素子Q1、抵抗R1、ゲート保護用定電圧ダイオードZD1、バッファ回路12及びクランプ回路14は、ハイサイドドライブ回路を構成する。
【0022】
制御回路13は、バッファ回路12を介して昇圧回路11に接続され、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作を制御する制御信号を出力する。制御回路13は、制御信号を、電圧Eを昇圧する昇圧回路11によって電圧Eよりも高い電圧に昇圧してスイッチング素子Q1のゲートに印加し、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作を制御する。
【0023】
定電流回路15は、スイッチング素子Q1と並列に、電源端子Vccと出力端子OUTとの間に接続され、負荷20が駆動されない程度(例えば、数十μA〜100μA)の定電流Iを流す。
【0024】
クランプ回路14は、負荷20のインピーダンスの10倍以上、好ましくは100倍以上のインピーダンスを有し、負荷20と並列に接続されている。スイッチング素子Q1がオフで且つ負荷オープン状態では、定電流回路15が流す定電流Iがクランプ回路14のみに流れる。
【0025】
従って、クランプ電圧は、定電流回路15が流す定電流Iとクランプ回路14のインピーダンスとによって決定され、グランド電位よりも高く且つ電圧Eよりも低い値となる。なお、スイッチング素子Q1がオフで且つ負荷オープン状態でない場合には、定電流回路15が流す定電流Iのほとんどが負荷20を流れ、出力端子OUTの電圧Voutは、ほぼグランド電位となる。
【0026】
第1のコンパレータCP1、第2のコンパレータCP2の機能は、図5に示すそれらと同じであるので、その説明は、省略する。
【0027】
コンデンサC1は、ブートストラップコンデンサであり、一端が出力端子OUTに接続され他端がamp端子に接続される。ブートストラップ回路BSは、電源端子Vccの電源の電圧Eに基づき定電圧を生成する定電圧回路を有し、定電圧により充電電流をamp端子に供給する。なお、実施例では、ブートストラップ回路BSとコンデンサC1とによりブートストラップ回路を構成している。
【0028】
また、ブートストラップ回路BSとamp端子との間には、充電電流停止回路16が設けられている。この充電電流停止回路16は、スイッチからなり、第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出した場合に、クランプ回路14のクランプ電圧の上昇を抑止するクランプ電圧上昇抑止回路を構成する。
【0029】
次に、このように構成された実施例1の負荷駆動回路の動作について図2を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
まず、正常時には、即ち負荷オープン状態及び出力天絡状態でない場合には、スイッチング素子Q1がオン状態になると、負荷20に電流が流れ、出力端子OUTの電圧Voutは、入力電圧Eとなる。正常時、スイッチング素子Q1がオフ状態になると、定電流回路15が流す定電流Iのほとんどが負荷20を流れる。
【0031】
従って、スイッチング素子Q1がオフ状態の出力端子OUTの電圧Voutは、ほぼグランド電位となり、基準電圧V1及び基準電圧V2のいずれをも下回る。これにより、第1のコンパレータCP1及び第2のコンパレータCP2の出力はいずれもLレベルとなり、負荷オープン状態及び出力天絡状態が検出されない。
【0032】
負荷オープン状態である場合にも、スイッチング素子Q1がオン状態になると、出力端子OUTの電圧Voutは、電圧Eとなる。
【0033】
次に、負荷オープン状態である場合に、スイッチング素子Q1がオフ状態になると、定電流回路15が流す定電流Iがクランプ回路14を流れ、出力端子OUTの電圧Voutは、クランプ回路14によってクランプ電圧にクランプされる。従って、スイッチング素子Q1がオフ状態の出力端子OUTの電圧Voutは、基準電圧V1を上回る。これにより、第1のコンパレータCP1の出力はHレベルとなるので、負荷オープン状態が検出される。
【0034】
第1のコンパレータCP1から負荷オープン状態検出信号が充電電流停止回路16に出力されると、充電電流停止回路16のスイッチは、オフするので、ブートストラップ回路10からコンデンサC1への充電電流の供給が停止される。このため、クランプ回路14のクランプ電圧clampは、ブートストラップ回路10からの充電電流により上昇しない。
【0035】
従って、クランプ電圧Vclampが第2の基準電圧V2を超えることがなくなるため、第2のコンパレータCP2は、Lレベルを出力する。これにより、出力天絡状態の誤検出を防止することができる。
【0036】
また、出力天絡状態である場合には、クランプ電圧が電圧Eとなるので、第2のコンパレータCP2の非反転端子には電圧Eが入力され、コンパレータCP2の反転端子には電圧Vclampが入力されるので、第2のコンパレータCP2はHレベルを出力する。これにより、出力天絡状態を検出することができる。
【0037】
図2は、本発明の実施例1に係る負荷駆動回路の各部の動作波形を示す図である。図2に示すように、通常では、時刻t0〜t1において、コンデンサC1への充電電流を停止し(充電電流停止区間T2)、時刻t1〜t2において、コンデンサC1へ充電電流を流している。
【0038】
しかし、コンデンサC1へ充電電流を流すべき時刻t3〜t4を含む区間T1において、負荷オープン状態となった場合には、時刻t3〜t4において、充電電流停止回路16のスイッチをオフすることにより、ブートストラップ回路10からの充電電流を停止させる。これにより、出力端子OUTの電圧、即ちクランプ電圧を一定電圧に維持できることがわかる。
【実施例2】
【0039】
図3は、本発明の実施例2に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。図3に示す実施例2に係る負荷駆動回路は、図1に示す実施例1に係る負荷駆動回路の充電電流停止回路16に代えて、放電停止回路17を設けたことを特徴とする。
【0040】
なお、その他の構成は、実施例1の負荷駆動回路の構成と同じであるので、それらの説明は省略する。
【0041】
放電停止回路17は、ブートストラップ回路BSとグランドとの間に接続されたスイッチからなり、第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出した場合に、スイッチをオフすることにより、コンデンサC1からブートストラップ回路BSを介してグランドに流れる電流の放電を停止させる。
【0042】
このように構成された実施例2の負荷駆動回路の動作を説明する。正常時の動作及び負荷オープン状態時の動作は、実施例1の負荷駆動回路の動作と同様であるので、ここでは、スイッチング素子Q1がオフ状態で且つ第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出した場合の動作を説明する。
【0043】
まず、コンデンサC1からグランドへの放電が始まり、amp端子の出力が低下する。すると、ブートストラップ回路BSの定電圧回路は、定電圧を出力するためにamp端子に電流を流そうとする。
【0044】
しかし、amp端子を介してコンデンサC1に電流が流れると、クランプ回路14の電圧が上昇してしまう。このため、クランプ回路14の電圧が第1の基準電圧V1以上となるので、第1のコンパレータCP1がHレベルを放電停止回路17のスイッチに出力する。
【0045】
このため、放電停止回路17のスイッチがオフし、コンデンサC1からブートストラップ回路BSを介してグランドに流れる放電電流が停止される。
【0046】
これにより、クランプ回路14の電圧が上昇しなくなるので、クランプ電圧Vclampが第2の基準電圧V2を超えることがなくなるため、第2のコンパレータCP2は、Lレベルを出力する。これにより、出力天絡状態の誤検出を防止することができる。
【0047】
また、出力天絡状態である場合には、クランプ電圧が電圧Eとなるので、第2のコンパレータCP2の非反転端子には電圧Eが入力され、コンパレータCP2の反転端子には電圧Vclampが入力されるので、第2のコンパレータCP2はHレベルを出力する。これにより、出力天絡状態を検出することができる。
【実施例3】
【0048】
図4は、本発明の実施例3に係る負荷駆動回路の回路構成を示す図である。実施例3に係る負荷駆動回路は、図1に示す実施例1に係る負荷駆動回路の充電電流停止回路16に代えて、第2のコンパレータCP2が、第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出した場合に、第2の基準電圧V2を、ブートストラップ回路BSからamp端子とコンデンサC1を介してクランプ回路14に流れる電流を含む電流により発生する電圧よりも高い電圧で且つ電圧Eよりも低い電圧に設定することを特微とする。
【0049】
なお、その他の構成は、実施例1の負荷駆動回路の構成と同じであるので、それらの説明は省略する。
【0050】
このように実施例3に係る負荷駆動回路の動作を説明する。正常時の動作及び負荷オープン状態時の動作は、実施例1の負荷駆動回路の動作と同様であるので、ここでは、スイッチング素子Q1がオフ状態で且つ第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出した場合の動作を説明する。
【0051】
まず、第1のコンパレータCP1が負荷オープン状態を検出すると、第1のコンパレータCP1から負荷オープン状態検出信号が第2のコンパレータCP2の第の基準電圧V2に送られる。第2の基準電圧V2は、負荷オープン状態検出信号に応じて、ブートストラップ回路BSからamp端子とコンデンサC1を介してクランプ回路14に流れる電流I1を含む電流I2により発生する電圧Vclamp2よりも高い電圧で且つ電圧Eよりも低い電圧に設定する。第2の基準電圧V2は、電圧Eに応じて設定されることが好ましい。
【0052】
ここで、電流I2は、ブートストラップ回路BSからamp端子とコンデンサC1を介してクランプ回路14に流れる電流I1と、定電流回路15からの電流Iとの合計電流である。電流I2により発生する電圧Vclamp2は、定電流回路15からの電流Iにより発生する電圧Vclampよりも大きい。
【0053】
第2の基準電圧V2は、電圧Vclamp2よりも高い電圧で且つ電圧Eよりも低い電圧であるので、出力天絡状態でない場合には、クランプ電圧Vclamp2が第2の基準電圧V2を超えることがなくなるため、第2のコンパレータCP2は、Lレベルを出力する。これにより、出力天絡状態の誤検出を防止することができる。
【0054】
また、出力天絡状態である場合には、クランプ電圧が電圧Eとなるので、第2のコンパレータCP2の非反転端子には電圧Eが入力され、コンパレータCP2の反転端子には電圧Vclamp2よりも高い電圧で且つ電圧Eよりも低い電圧が入力されるので、第2のコンパレータCP2はHレベルを出力する。これにより、出力天絡状態を検出することができる。
【符号の説明】
【0055】
11 昇圧回路
12 バッファ回路
13 制御回路
14 クランプ回路
15 定電流源
16 充電電流停止回路
17 放電停止回路
20 負荷
BS ブートストラップ回路
Q1 スイッチング素子
E 電源
C1 コンデンサ
Vcc 電源端子
OUT 出力端子
CP1 第1のコンパレータ
CP2 第2のコンパレータ








図1
図2
図3
図4
図5
図6