(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示することを許容する第1のプロセッサと、
前記共有ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶するメモリと、
前記複数の端末装置のそれぞれと通信する第1の通信インタフェースと、
を有し、
前記第1のプロセッサは、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の2台以上の端末装置それぞれの前記表示領域に共通する共通領域を特定し、
前記共通領域の中心を前記特定の1台の端末装置へ前記第1の通信インタフェースによって通知する、
ことを特徴とするドキュメント表示支援装置。
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示することを許容する第1のプロセッサと、
前記共有ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶するメモリと、
前記複数の端末装置のそれぞれと通信する第1の通信インタフェースと、
を有し、
前記第1のプロセッサは、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の端末装置のうちの、表示の解像度が当該特定の1台の端末装置の表示の解像度以下である2台以上の端末装置それぞれの前記表示領域に共通する共通領域を特定し、
前記共通領域または当該共通領域の中の所定の点を前記特定の1台の端末装置へ前記第1の通信インタフェースによって通知する、
ことを特徴とするドキュメント表示支援装置。
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示することを許容する第1のプロセッサと、
前記共有ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶するメモリと、
前記複数の端末装置のそれぞれと通信する第1の通信インタフェースと、
を有し、
前記第1のプロセッサは、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の端末装置のうちの、前記表示領域の単位時間当たりの変化の量が所定の量以下である2台以上の端末装置それぞれの当該表示領域に共通する共通領域を特定し、
前記共通領域または当該共通領域の中の所定の点を前記特定の1台の端末装置へ前記第1の通信インタフェースによって通知する、
ことを特徴とするドキュメント表示支援装置。
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示するのを許容する、管理手段と、
前記ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶する、記憶手段と、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の2台以上の端末装置それぞれの前記表示領域に共通する共通領域を特定する、特定手段と、
前記共通領域の中心を前記特定の1台の端末装置へ通知する、通知手段と、
を有することを特徴とするドキュメント表示支援装置。
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示するのを許容する、管理手段と、
前記ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶する、記憶手段と、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の端末装置のうちの、表示の解像度が当該特定の1台の端末装置の表示の解像度以下である2台以上の端末装置それぞれの前記表示領域に共通する共通領域を特定する、特定手段と、
前記共通領域または当該共通領域の中の所定の点を前記特定の1台の端末装置へ通知する、通知手段と、
を有することを特徴とするドキュメント表示支援装置。
それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、前記複数の端末装置が前記共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示するのを許容する、管理手段と、
前記ドキュメントの中の、前記複数の端末装置のそれぞれにおいて表示されている表示領域を少なくとも記憶する、記憶手段と、
前記複数の端末装置のうちの特定の1台の端末装置以外の端末装置のうちの、前記表示領域の単位時間当たりの変化の量が所定の量以下である2台以上の端末装置それぞれの当該表示領域に共通する共通領域を特定する、特定手段と、
前記共通領域または当該共通領域の中の所定の点を前記特定の1台の端末装置へ通知する、通知手段と、
を有することを特徴とするドキュメント表示支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1は、ドキュメント共有システム100の全体的な構成の例を示す図である。
図2は、ドキュメントサーバ1のハードウェア構成の例を示す図である。
図3は、端末装置2Aのハードウェア構成の例を示す図である。
図4は、端末装置2B、2C、2Dのハードウェア構成の例を示す図である。
図5は、ドキュメントサーバ1および端末装置2の機能的構成の例を示す図である。
図6は、ドキュメント4の例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、ドキュメント共有システム100は、ドキュメントサーバ1、3台以上の複数台の端末装置2、液晶プロジェクタ等のプロジェクタ23、表示面24、および通信回線3などによって構成される。以下、各端末装置2を「端末装置2A」、「端末装置2B」、…と区別して記載することがある。
【0019】
ドキュメント共有システム100によると、互いに離れた場所にいる複数のユーザがドキュメントを共有し、同時に閲覧することができる。
【0020】
ドキュメントサーバ1と各端末装置2とは、通信回線3を介して通信を行うことができる。通信回線3として、公衆回線、インターネット、またはLAN(Local Area Network)回線などが用いられる。
【0021】
ドキュメントサーバ1は、ドキュメントを表示するためのデータを管理し、各端末装置2へデータを配信する。
【0022】
ドキュメントサーバ1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、およびNIC(Network Interface Card)10eなどによって構成される。
【0023】
NIC10eは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによって端末装置2と通信を行う。
【0024】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、コンピュータプログラムである後述するドキュメント管理プログラム10Pが記憶されている。ドキュメント管理プログラム10Pは、RAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。大容量記憶装置10dやRAM10bが、ドキュメント4や、後述する構成テーブル、オブジェクトデータ、端末データを含む各種の情報を記憶するメモリとして機能する。
【0025】
端末装置2は、ドキュメントサーバ1のクライアントであって、ドキュメントサーバ1から受信したデータに基づいてドキュメントを表示する。端末装置2として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。以下、複数台の端末装置2のうちの端末装置2Aとしてパーソナルコンピュータが用いられ、端末装置2B、2C、および2Dとして小型のタブレットコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
【0026】
端末装置2Aは、
図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、大容量記憶装置20d、液晶ディスプレイ等のディスプレイ20e、キーボード20f、ポインティングデバイス20g、NIC20h、および画像出力インタフェース20iなどによって構成される。
【0027】
ディスプレイ20eは、ユーザの操作に応じて、ドキュメントの全部分または一部分を表示する。
【0028】
キーボード20fおよびポインティングデバイス20gは、ユーザがコマンドまたは情報を入力するために用いられる。
【0029】
NIC20hは、TCP/IPなどのプロトコルによってドキュメントサーバ1と通信を行う。
【0030】
画像出力インタフェース20iは、画像の信号を出力する回路である。画像出力インタフェース20iとして、例えばHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)の回路が用いられる。
【0031】
画像出力インタフェース20iには、プロジェクタ23が接続される。そして、ディスプレイ20eに表示される画面と同じ画面が、プロジェクタ23によって壁または映写幕などの表示面24に表示される。これにより、容易に一度に複数のユーザがドキュメントを見ることができる。
【0032】
ROM20cまたは大容量記憶装置20dには、コンピュータプログラムである後述するドキュメント閲覧プログラム20Pが記憶されている。ドキュメント閲覧プログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。
【0033】
端末装置2B、2C、および2Dは、
図4に示すように、CPU21a、RAM21b、ROM21c、フラッシュメモリ21d、タッチパネルディスプレイ21e、操作ボタン群21f、および無線通信装置21gなどによって構成される。
【0034】
タッチパネルディスプレイ21eには、ディスプレイ20eと同様に、ドキュメントの全部分または一部分が表示される。また、タッチパネルディスプレイ21eは、タッチされた位置を検知し、CPU21aにその位置を通知する。
【0035】
操作ボタン群21fは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、および電源のオン/オフを切り換えるためのボタンなどによって構成される。
【0036】
無線通信装置21gは、無線LANの規格、つまり、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて基地局を介してTCP/IPなどのプロトコルによってドキュメントサーバ1と通信を行う。
【0037】
ROM21cまたはフラッシュメモリ21dには、コンピュータプログラムである後述するドキュメント閲覧プログラム21Pが記憶されている。ドキュメント閲覧プログラム21Pは、RAM21bにロードされ、CPU21aによって実行される。
【0038】
CPU10aがドキュメント管理プログラム10Pを実行することによって、
図5に示すオブジェクトテーブル記憶部101、端末データ記憶部102、オブジェクトデータ送信部103、端末データ更新部104、注目点算出部105、および注目点通知部106などの機能がドキュメントサーバ1に実現される(オブジェクトテーブル記憶部101、及び、端末データ記憶部102は、大容量記憶装置10dやRAM10bによって実現される)。また、ドキュメント管理プログラム10Pを実行するCPU10aは、それぞれディスプレイを備える複数の端末装置に表示される共有ドキュメントを管理するとともに、複数の端末装置が共有ドキュメントの任意の部分をそれぞれ独立して表示するのを許容する、管理手段として機能する。
【0039】
また、CPU20aがドキュメント閲覧プログラム20Pを実行し、または、CPU21aがドキュメント閲覧プログラム21Pを実行することによって、
図5に示すドキュメントデータ取得部201、画面表示処理部202、注目領域通知部203、および注目点問合部204などの機能が端末装置2に実現される。端末装置2A〜2Dは、同じドキュメント4を同時に閲覧でき、また、それぞれが同じドキュメント4の異なる部位を任意に各自の端末装置のディスプレイに表示することができる。
【0040】
以下、ドキュメントサーバ1および端末装置2それぞれの機能について、
図6のようなドキュメント(共有ドキュメント)4を、端末装置2A〜2Dにおいて同時期に表示する場合を例にして説明する。ドキュメント4は、複数のオブジェクト4Jによって構成されている。各オブジェクト4Jを「オブジェクト4J1」、「オブジェクト4J2」、…と区別して記載することがある。
【0041】
〔データ〕
図7は、構成テーブル5Lおよびオブジェクトデータ5Jの例を示す図である。
図8は、端末データ5Tの例を示す図である。
【0042】
オブジェクトテーブル記憶部101には、ドキュメント4ごとの構成テーブル5Lが記憶されている。構成テーブル5Lには、
図7のように、この構成テーブル5Lに対応するドキュメント4を構成するオブジェクト4Jごとのオブジェクトデータ5Jが格納されている。さらに、このドキュメント4の識別子(ドキュメントコード)およびサイズ(幅および高さ)が対応付けられている。
【0043】
オブジェクトデータ5Jにおいて、「オブジェクトコード」は、このオブジェクトデータ5Jに対応するオブジェクト4Jを識別するコードである。「テキスト」は、このオブジェクト4Jの文字列である。
【0044】
「左上X座標」および「左上Y座標」は、それぞれ、このオブジェクト4Jの左上端のX座標(横方向の座標)およびY座標(縦方向の座標)である。なお、原点は、ドキュメント4の左下端である。「幅」および「高さ」は、それぞれ、このオブジェクト4Jの幅および高さである。
【0045】
「フォント色」、「フォント種類」、および「フォントサイズ」は、それぞれ、このオブジェクト4Jのテキストに用いられるフォントの色、種類、およびサイズである。
【0046】
ドキュメント4は、予め端末装置2A〜2Dや外部の端末装置を用いて作成され、端末機器2A〜2Dや外部の端末装置からネットワークを介してサーバ1に共有ドキュメントとして登録される。ユーザは、ドキュメント4を作成する際に、各オブジェクト4Jのテキスト、左上X座標、左上Y座標、幅、高さ、フォント色、フォント種類、およびフォントサイズをドキュメントサーバ1に対して指定する。これらの内容は、テキストエディタによって指定してもよいし、ドキュメントの作成のための専用のエディタによって指定してもよい。
【0047】
ユーザが端末装置2A〜2D等からサーバ1に対してドキュメントの登録を要求すると、ドキュメントサーバ1のオブジェクトテーブル記憶部101にドキュメント4の構成テーブル5Lが新たに生成され、ドキュメント4のドキュメント識別子が新たに発行されてこの構成テーブル5Lに対応付けられる。そして、端末装置2A〜2D等から送信されるドキュメントのデータに基づいて、オブジェクト4Jごとに、上述の指定された内容を示すデータが生成され、オブジェクトデータ5Jとしてこの構成テーブル5Lに格納(登録)される。
【0048】
端末データ記憶部102は、
図8のように、端末装置2ごとの端末データ5Tが記憶されている。
【0049】
端末データ5Tにおいて、「端末コード」は、この端末データ5Tに対応する端末装置2を識別するコードである。
【0050】
「表示面幅」および「表示面高さ」は、それぞれ、この端末装置2のディスプレイ20eまたはタッチパネルディスプレイ21eにおける表示の幅方向および高さ方向の解像度である。
【0051】
「注目領域幅」および「注目領域高さ」は、それぞれ、ドキュメント4の中の、現在この端末装置2によって表示されている領域の幅および高さである。以下、ドキュメント4の中の、現在表示されている領域を「注目領域4R」と記載する(
図9参照)。
【0052】
「左上X座標」および「左上Y座標」は、それぞれ、注目領域4Rの左上端のX座標およびY座標である。本実施形態においては、このX、Y座標を、注目領域4Rを特定するための基準として用いているが、右上X座標、右上Y座標等、他の座標を用いてもよい。
【0053】
端末コード、表示面幅、および表示面高さは、固定的な値であり、予め端末データ5Tに示されている。注目領域幅、注目領域高さ、左上X座標、および左上Y座標は、端末装置2が未だドキュメント4を表示していないときは、端末データ5Tに示されない。これらは、後述するように、端末装置2がドキュメント4を表示した際に端末データ5Tに示される。そして、ユーザによる端末装置2の操作に応じて変更される。
【0054】
〔ドキュメント4の表示の基本的な処理〕
図9は、注目領域4Rの例を示す図である。
図10は、注目領域4Rの遷移の例を示す図である。なお、以下においては、説明が煩雑になることを避けるため、予めサーバ1に登録されたドキュメントをユーザが閲覧する態様のみを想定して説明を行っている。しかしながら、これに限るものではなく、ユーザが共有ドキュメントに追記したり、ドキュメント内のオブジェクトを消去したり、新たなオブジェクトをドキュメントに追加したりできるようにしてもよい。
【0055】
端末装置2Aのユーザは、端末装置2Aにドキュメント閲覧プログラム20Pを起動させる。そして、ドキュメント4のドキュメントコードを入力する。
【0056】
すると、端末装置2Aにおいて、ドキュメントデータ取得部201は、ドキュメント4を表示するためのデータをドキュメントサーバ1に対して要求する。この際に、入力されたドキュメントコードを通知する。
【0057】
ドキュメントサーバ1において、オブジェクトデータ送信部103は、ドキュメント4を表示するためのデータを端末装置2Aへ送信する。例えば、通知されたドキュメントコードに対応する構成テーブル5L(
図7参照)に格納されている各オブジェクトデータ5Jおよびドキュメント4のサイズを示すサイズデータ5Sを送信する。ドキュメント4のサイズは、構成テーブル5Lに対応付けられている。または、これらのオブジェクトデータ5Jおよびドキュメント4のサイズに基づいてドキュメント4の画像データを生成し、送信してもよい。以下、オブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sを送信する場合を例に説明する。
【0058】
そして、端末装置2Aにおいて、ドキュメントデータ取得部201は、オブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sを、表示用のデータとして取得する。
【0059】
画面表示処理部202は、オブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sが取得されると、ドキュメント4をディスプレイ20eに表示させる。
【0060】
具体的には、画面表示処理部202は、ドキュメント4の全体の範囲を表わす枠を、サイズデータ5Sに基づいて描画し、表示させる。そして、各オブジェクト4Jを、それぞれのオブジェクトデータ5Jに示されるテキスト、幅、高さ、フォント色、フォント種類、およびフォントサイズの通りに描画し、枠の中の、それぞれのオブジェクトデータ5Jに示される左上X座標および左上Y座標の位置に表示させる。
【0061】
本例では、
図7および
図8に示す通り、端末装置2Aのディスプレイ20eの解像度(表示面幅および表示面高さ)およびドキュメント4のサイズ(幅および高さ)が等しい。よって、拡大しない限り、ドキュメント4の全体がディスプレイ20eに表示される。画面表示処理部202は、最初は拡大も縮小も行わずに(つまり、等倍で)ドキュメント4を表示させる。したがって、最初は、端末装置2Aにおける注目領域4Rの範囲は、ドキュメント4の全体の範囲と一致し、注目領域4Rの左上端は、ドキュメント4の左上端と一致する。
【0062】
また、端末装置2Aにはプロジェクタ23が接続されているので、プロジェクタ23によってドキュメント4が表示面24に表示(投影)される。
【0063】
端末装置2B、2C、および2Dにおいても、ユーザによって同様に操作が行われる。そして、ドキュメントデータ取得部201および画面表示処理部202によって同様に処理が行われる。
【0064】
ただし、端末装置2B、2C、および2Dそれぞれのタッチパネルディスプレイ21eの解像度は、端末装置2Aのディスプレイ20eの解像度よりも低い。しかも、ドキュメント4のサイズよりも小さい。よって、縮小しない限り、ドキュメント4の全体を表示することができない。
【0065】
そこで、端末装置2B、2C、および2Dの画面表示処理部202は、最初は、等倍でドキュメント4のデフォルトの領域を注目領域4Rとして表示させる。例えば、デフォルトの領域が中央の領域である場合は、
図9のように注目領域4Rを表示させる。または、解像度に合わせてドキュメント4を縮小し、表示させてもよい。
【0066】
さらに、ユーザは、予め定められた所定の操作を行うことによって、ドキュメント4をスクロールさせたり、拡大させたり、縮小させたりすることできる。
【0067】
例えば、注目領域4Rが
図10(A)の状態であるときに、ユーザがタッチパネルディスプレイ21eを右へフリックすると、画面表示処理部202は、ドキュメント4を右へスクロールさせる。これにより、注目領域4Rが
図10(B)のように変わる。さらに、ユーザがタッチパネルディスプレイ21eをピンチアウトすると、画面表示処理部202は、ドキュメント4を拡大させる。これにより、注目領域4Rが
図10(C)のように変わる。
【0068】
注目領域通知部203は、ドキュメント4が表示された際に、注目領域4Rの左上端のX座標およびY座標と包含サイズとを示す注目領域データ5Rをドキュメントサーバ1へ送信する。包含サイズは、ドキュメント4のうちの、注目領域4Rに含まれる部分のサイズ(幅および高さ)である。等倍であれば、包含サイズは、端末装置2の表示の解像度に等しい。そして、包含サイズは、拡大すると小さくなり、縮小すると大きくなる。
【0069】
ドキュメントサーバ1において、端末データ更新部104は、注目領域データ5Rを端末装置2から受信すると、その注目領域データ5Rに示される注目領域4Rの左上端の座標(X座標およびY座標)および包含サイズ(幅および高さ)を、それぞれ、左上X座標、左上Y座標、表示幅、および表示高さとしてその端末装置2の端末データ5T(
図8参照)に書き込む。
【0070】
また、注目領域通知部203は、注目領域4Rが変化するごとに、変化後の左上端のX座標およびY座標と包含サイズ(幅および高さ)とを示す注目領域データ5Rをドキュメントサーバ1へ送信する。
【0071】
すると、端末データ更新部104は、その端末装置2の端末データ5Tの左上X座標、左上Y座標、表示幅、および表示高さを、それぞれ、その注目領域データ5Rに示されるX座標、Y座標、幅、および高さに書き換える。
【0072】
〔注目されている部分への移動〕
図11は、注目点の算出の方法を説明するための図である。
図12は、注目点の他の算出の方法を説明するための図である。
【0073】
例えば、各地のユーザがそれぞれの端末装置2を使用してドキュメント4を見ながらテレビ会議を行う場合を想定すると、参加者がドキュメント4の特定の部分に注目して議論を進める場合がある。ここで、会議の参加者である各地のユーザが各自の端末装置で共有ドキュメントの任意の部位を自由に閲覧できるようにしていると、各ユーザが共有のドキュメント4の任意の部分を見ている間に会議が進行し、しばしば、共有のドキュメント4のどの部分が注目されて議論がなされているのか、ユーザが把握できなくなることがある。特に、端末装置2が小型のタブレットコンピュータであれば、表示画面のサイズが小さく、表示の解像度が低い場合も多いので、特定の部位を拡大して閲覧していると、現在会議で注目されている部分を見失いやすい。
【0074】
ドキュメント共有システム100によると、注目されている部分を次のように表示させることができる。以下、注目されている部分を、端末装置2Dを使用するユーザが見失った場合を例にして説明する。
【0075】
端末装置2Dのユーザは、注目されている部分を見失ったら、注目点に移動するために予め定められた所定の操作を端末装置2Dに対して行う。例えば、タッチパネルディスプレイ21eの右下端をダブルタップする。
【0076】
すると、端末装置2Dの注目点問合部204は、注目されている部分の中心点(以下、「注目点」と記載する。)をドキュメントサーバ1に対して問い合せる。
【0077】
ドキュメントサーバ1において、注目点算出部105は、端末装置2Dからの問合せを受け付けると、注目点を、以下に説明する手順で算出する。
【0078】
注目点算出部105は、端末装置2D以外の端末装置2すなわち端末装置2A、2B、および2Cそれぞれの端末データ5T(
図8参照)より、それぞれの注目領域4Rを特定する。
【0079】
注目点算出部105は、これら3つの注目領域4Rのすべてに共通する共通領域4Kを特定する。例えば、端末装置2A、2B、および2Cそれぞれの注目領域4Rが、
図11において点線で示す注目領域4Ra、4Rb、および4Rcである場合は、一点鎖線で示す領域が共通領域4Kとして特定される。なお、点線で示す注目領域4Rdは、端末装置2Dの注目領域4Rである。端末装置2B、2C、および端末装置2Dの表示の解像度が同じであるにも関わらず、注目領域4Rdが注目領域4Rbおよび4Rcよりも小さいのは、端末装置2Dがドキュメント4を拡大して表示しているからである。
【0080】
そして、注目点算出部105は、共通領域4Kの中心4KSの座標を、注目点の座標として算出する。注目点通知部106は、注目点算出部105によって注目点の座標が算出されると、これを示す注目点データ5Pを端末装置2Dへ送信する。
【0081】
端末装置2Dにおいて、ドキュメントサーバ1から注目点データ5Pが送信されてくると、画面表示処理部202は、ドキュメント4の中の、この注目点データ5Pに示される座標の点が、タッチパネルディスプレイ21eの中央になるように、ドキュメント4をスクロールさせる。表示の倍率は、変えない。これにより、注目領域4Rdが、
図11において二点鎖線で示す位置に変わる。
【0082】
または、注目点算出部105は、注目点を以下のように算出してもよい。上述したのと同様に、他の端末装置2それぞれの注目領域4Rを特定し、共通領域4Kを特定する。
【0083】
そして、注目点算出部105は、各オブジェクト4Jの中心と共通領域4Kの中心(中心4KS)との距離を算出し、その距離が最も短い(つまり、共通領域4Kの中心に最もの近い)オブジェクト4Jの中心の座標を、注目点として算出する。
【0084】
図11に示した例の場合は、オブジェクト4J5の中心4J5Sと中心4KSとの距離Lが最も短い。したがって、
図12に示すように、オブジェクト4J5の中心4J5Sが、注目されている部分の中心点に決まる。
【0085】
図13は、ドキュメントサーバ1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図14は、注目点算出処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図15は、端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0086】
次に、ドキュメントサーバ1および端末装置2の全体的な処理の流れを、各地のユーザが会議を行っている場合を例にして、フローチャートを参照しながら説明する。
【0087】
ドキュメントサーバ1は、会議中、端末装置2からデータなど受信するごとに、
図13に示すように処理を実行する。一方、端末装置2は、ユーザの操作またはドキュメントサーバ1から受信したデータなどに応じて、
図15に示すように処理を実行する。
【0088】
端末装置2は、ドキュメント4のドキュメントコードがユーザによって指定されると(
図15の#621でYes)、このドキュメントコードをドキュメントサーバ1へ通知し、ドキュメント4のオブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sをドキュメントサーバ1からダウンロードする(#622)。オブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sに基づいてドキュメント4を表示する(#623)。ただし、表示の解像度によって、ドキュメント4の全部分を表示できる場合と、一部分しか表示できない場合とがある。端末装置2は、表示した部分(つまり、注目領域4R)を示す注目領域データ5Rをドキュメントサーバ1へ送信する(#624)。
【0089】
一方、ドキュメントサーバ1は、端末装置2からドキュメントコードを通知されると(
図13の#601でYes)、これに基づいてドキュメント4の構成テーブル5L(
図7参照)を特定し、構成テーブル5Lに格納されているオブジェクトデータ5Jおよび構成テーブル5Lに対応するサイズデータ5Sをこの端末装置2へ送信する(#602)。その後、注目領域データ5Rを受信したら(#603でYes)、この注目領域データ5Rに示される内容が反映されるように、この端末装置2の端末データ5T(
図8参照)を更新する(#604)。
【0090】
または、ユーザがドキュメント4をフリックしたり、ピンチインしたり、ピンチアウトしたりすると(#625でYes)、端末装置2は、操作に応じてドキュメント4をスクロールし、拡大し、または縮小する(#626)。これにより、注目領域4Rが変わる。端末装置2は、新たな注目領域4Rの位置およびサイズを示す注目領域データ5Rをドキュメントサーバ1へ送信する(#627)。
【0091】
ドキュメントサーバ1は、注目領域データ5Rを受信すると(#603でYes)、上述の通り、この端末装置2の端末データ5Tを更新する(#604)。
【0092】
または、ユーザが問合せの操作を行うと(#628でYes)、端末装置2は、中心点をドキュメントサーバ1に対して問い合せる(#629)。
【0093】
ドキュメントサーバ1は、端末装置2からの問合せを受け付けると(#605でYes)、注目点の座標を算出し(#606)、この端末装置2へ回答する(#607)。注目点の算出は、
図14(A)に示すサブルーチンに基づいて実行される。すなわち、まず、注目点算出部105が、端末装置2D以外の端末装置2すなわち端末装置2A、2B、および2Cそれぞれの端末データ5Tより、それぞれの注目領域4Rを特定する(ステップ#701)。そして、注目点算出部105は、これら3つの注目領域4Rのすべてに共通する共通領域4Kを特定し(#702)、共通領域4Kの中心4KSの座標を、注目点の座標として算出する(#703)。あるいは、
図14(B)に示すサブルーチンに基づいて、他の端末装置2それぞれの注目領域4Rを特定し(#711)、共通領域4Kを特定した後(#712)、注目点算出部105が、各オブジェクト4Jの中心と共通領域4Kの中心(中心4KS)との距離を算出し、その距離が最も短いオブジェクト4Jの中心の座標を、注目点として算出する(#713)。
【0094】
端末装置2は、ドキュメントサーバ1からの回答を受信すると(#630)、注目点が自らのディスプレイ20eまたはタッチパネルディスプレイ21eの中心になるようにドキュメント4をスクロールする(#631)。
【0095】
本実施形態によると、ドキュメント4の中の他のユーザが注目している部分が分からなくなったユーザの端末装置2に、この部分を表示させることができる。また、視線検知デバイス等の、各ユーザの注目点を直接検知するデバイスを設けなくても、共有ドキュメントのうち多くのユーザが注目している部位を特定できる。従って、簡素な装置構成及びシステム構成で注目点を決定することができる。
【0096】
本実施形態では、ドキュメントサーバ1は、注目点を端末装置2へ通知したが、共通領域4Kを通知してもよい。この場合は、端末装置2は、共通領域4Kを、適宜、拡大しまたは縮小することによってディスプレイ20eまたはタッチパネルディスプレイ21eに合わせて表示すればよい。以下の他の実施形態でも同様である。
【0097】
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態における注目点算出処理のフローチャートである。
【0098】
上記実施形態では、ある端末装置2から注目点の問合せがあった場合に、ドキュメントサーバ1は、
図14(A)のステップ#702または
図14(B)のステップ#712において、他の端末装置2のすべての注目領域4Rに共通する部分を共通領域4Kとして特定した。これに対して本実施形態では、一部の注目領域4Rに共通する部分を共通領域4Kとして特定する。他の構成は第1実施形態と同様である。具体的には、
図16(A)に示す本実施形態の注目点算出処理を示すサブルーチンに従って、注目点を通知する対象となる端末装置の解像度以下の解像度の端末の有無を確認し(#801)、対象端末装置以下の解像度の端末装置が所定数以上存在する場合は(#802でYes)、これらの端末装置の注目領域から共通領域を特定し(#803)、注目点を特定する処理を実行する(#804)。この処理を実行することで、例えば、端末装置2Dから問合せがあった場合に、ドキュメントサーバ1は、表示の解像度が端末装置2Dの表示の解像度である端末装置2(
図8の例においては、端末装置2Bおよび端末装置2C)の注目領域4Rに共通する部分を共通領域4Kとして特定する。このようにすることで、同じかそれより低い解像度の端末装置を使用するユーザの注目点に移動することができる。
【0099】
または、他の端末装置2のうちの、注目領域4Rが定まってから所定の時間(例えば、10秒)以上が経過した端末装置2の注目領域4Rに共通する部分を共通領域4Kとして特定してもよい。
図16(B)は、この変形例に対応するサブルーチンである。図に示すように、注目点を通知する対象となる端末装置以外の各端末装置の表示経過時間を確認し(#811)、経過時間が閾値以上の端末が所定数以上存在する場合は(#812でYes)、これらの端末装置の注目領域から共通領域を特定し(#813)、注目点を特定する処理を実行する(#814)。本処理を実行することにより、注目領域4Rが定まっていない端末装置2を使用するユーザが注目点の算出から除外され、注目されている部分を見失っている可能性が高いユーザを注目点の算出に含めてしまうことを防止できる。注目領域4Rが定まってからの経過時間は、注目領域データ5Rを受信した時刻を記録しておき、この時刻と現在の時刻との差を算出することによって得られる。
【0100】
<第3実施形態>
注目領域4Rの変化量が大きいときは注目点を確定することが難しいことも想定される。そこで、本実施形態においては、注目点を算出するに当たって、他の端末装置2のうちの、注目領域4Rの単位時間当たりの変化量が所定の量以下(例えば、画面スクロールの速度が所定値以下)である端末装置2に共通する部分を共通領域4Kとして特定する。他の構成は第1実施形態と同様である。
図17は、本実施形態の注目点算出処理を示すサブルーチンである。図に示すように、注目点を通知する対象となる端末装置以外の各端末装置の注目領域を特定し(#821)、注目領域の変化量が閾値以下の端末装置の有無を確認し(#822)、所定数以上の端末が存在する場合は(#823でYes)、これらの変化量が小さい端末装置の注目領域から共通領域を特定し(#824)、注目点を特定する処理を実行する(#825)。
【0101】
<第4実施形態>
ドキュメントが編集されて複数の版が作成され、会議等において、ドキュメントの過去の内容に基づいて議論が行われることがある。そこで、本実施形態においては、
図5に示したドキュメントサーバ1および端末装置2の各部が、ドキュメント4を次のように取り扱うように構成している。他の構成は第1実施形態と同様である。以下の説明において、
図18は、構成テーブル5Lの例を示す図である。
図19は、端末データ5T’の例を示す図である。
図20は、注目点算出処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0102】
オブジェクトテーブル記憶部101は、
図18に示すように、ドキュメント4の構成テーブル5Lを版(バージョン、エディション)ごとに、その版の編集が行われた日付(以下、「タイムスタンプ」と記載する。)と対応付けて記憶する。
【0103】
端末データ記憶部102は、
図19に示すように、端末装置2ごとの端末データ5T’が記憶される。端末データ5T’には、基本的に端末データ5T(
図8参照)と同様の事項が示されるが、さらに、端末装置2が現在表示しているドキュメント4の版のタイムスタンプが示される。
【0104】
ユーザは、端末装置2に対して、ドキュメント4のドキュメントコードだけでなく、閲覧したい版のタイプスタンプを指定する。
【0105】
すると、ドキュメントデータ取得部201は、ドキュメント4の表示のためのデータを取得するために、指定されたドキュメントコードおよびタイプスタンプをドキュメントサーバ1へ通知する。
【0106】
オブジェクトデータ送信部103は、通知されたドキュメントコードおよびタイプスタンプに対応する構成テーブル5Lに記憶されているオブジェクトデータ5Jおよびこれに対応するサイズを示すサイズデータ5Sを、通知元の端末装置2へ送信する。
【0107】
そして、画面表示処理部202は、オブジェクトデータ5Jおよびサイズデータ5Sに基づいてドキュメント4を表示する。
【0108】
注目領域通知部203は、ドキュメント4が表示された際に注目領域データ5R’をドキュメントサーバ1へ送信する(
図5における符号5Rが、符号5R’となる)。注目領域データ5R’には、基本的に注目領域データ5Rと同様の事項が示されるが、さらに、端末装置2が現在表示しているドキュメント4の版のタイムスタンプが示される。
【0109】
また、注目領域通知部203は、注目領域4Rが変化した際にも、注目領域データ5R’をドキュメントサーバ1へ送信する。
【0110】
端末データ更新部104は、注目領域データ5R’を端末装置2から受信すると、注目領域データ5Rを受信した場合と同様に、その注目領域データ5R’に示される内容をその端末装置2の端末データ5T’に書き込む。これにより、端末データ5T’の左上X座標、左上Y座標、表示幅、および表示高さに加え、タイプスタンプが更新される。
【0111】
ユーザは、例えば会議中、どの部分が注目されているのか分からなくなった場合は、上述の通り、自分の端末装置2に対して所定の操作を行えばよい。すると、注目点問合部204は、注目点をドキュメントサーバ1に対して問い合せる。
【0112】
注目点算出部105は、端末装置2からの問合せを受け付けると、注目点を、
図20に示す手順で算出する。以下、問合せが端末装置2Dからあった場合を例に、算出の方法を説明する。
【0113】
注目点算出部105は、端末装置2D以外の端末装置2の端末データ5T’に基づいて、これらの端末装置2において現在表示されているドキュメント4の版を特定する(
図20の#721)。そして、端末装置2D以外の端末装置において表示されているドキュメント4の版が全て端末装置2Dで表示されているドキュメントの版と同じ場合は(#722でYes)、さらに、これらの端末装置2の注目領域4Rを特定する(#723)。一方、端末装置2D以外の端末装置において表示されているドキュメント4に、端末装置2Dで表示されているドキュメントと異なる版のものが含まれている場合は(#722でNo)、端末装置2D以外の端末装置において最も多く表示されているドキュメント4の版を特定し、それらに該当する端末装置を特定し(#724)、抽出された端末装置から注目領域4Rが特定される(#725)。いずれの場合も、この後、これらの注目領域4Rのすべてに共通する共通領域4Kを特定し(#726)、共通領域4Kの注目点の座標を算出する(#727)。注目点の座標は、第1実施形態で説明したように、共通領域4Kの中心としてもよいし、共通領域4Kの中心との距離が最も短いオブジェクト4Jの中心の座標としてもよい。
【0114】
注目点通知部106は、ステップ#721で特定された版およびステップ#724で算出された注目点を示す注目点データ5P’を問合せ元の端末装置2(端末装置2D)へ送信する。
【0115】
なお、端末装置2D以外の端末装置2のすべてにおいて同一の版が表示されているとは、限らない。そこで、版が異なる場合は、注目点算出部105は、最も多く表示されている版をステップ#721において特定すればよい。そして、ステップ#722において、端末装置2D以外の端末装置2のうち、特定した版を表示している端末装置2のみの注目領域4Rを特定すればよい。すなわち、他の版を表示している端末装置2の注目領域4Rを考慮しないようにすればよい。さらに、上述の方法と同様に、表示の解像度または変化量などに応じて、特定する注目領域を限定してもよい。
【0116】
ドキュメントデータ取得部201および画面表示処理部202は、注目点データ5P’を受信すると、次のように処理を実行する。
【0117】
ドキュメントデータ取得部201は、ドキュメント4の、注目点データ5P’に示される版のオブジェクトデータ5Jをドキュメントサーバ1から取得する。この際に、この版のタイムスタンプおよびドキュメント4のドキュメントコードをドキュメントサーバ1へ通知する。
【0118】
画面表示処理部202は、取得されたオブジェクトデータ5Jに基づいて、注目点データ5P’に示される版のドキュメント4を表示する。この際に、注目点データ5P’に示される注目点がディスプレイ20eまたはタッチパネルディスプレイ21eの中心になるように、注目領域4Rを調整する。
【0119】
<その他の実施形態>
上記各実施形態では、オブジェクト4Jとして文字列を記した矩形のオブジェクトを用いた場合を例に説明したが、JPEG(Joint Photographic Experts Group)またはGIF(Graphics Interchange Format)などのフォーマットのオブジェクトを用いてもよい。
【0120】
また、上記各実施形態では、
図5に示した各機能をCPUによってプログラムを実行することによって実現したが、すべての機能または一部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアや回路によって実現してもよい。
【0121】
その他、ドキュメント共有システム100、ドキュメントサーバ1、端末装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成、ドキュメント4の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。