特許第6406040号(P6406040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406040
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電極組立体及び電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20181004BHJP
   H01M 2/18 20060101ALI20181004BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M2/18 Z
   H01M10/0583
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-16777(P2015-16777)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-143491(P2016-143491A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】木村 真也
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−116663(JP,A)
【文献】 特開平07−057716(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103887472(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103490089(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0104567(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0052972(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0160263(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/161926(WO,A1)
【文献】 特開2003−045474(JP,A)
【文献】 特表平08−501409(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/125867(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 10/12
H01M 10/28
H01M 10/38
H01M 2/14
H01M 6/42
H01M 4/04
H01G 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極が、互いの間にセパレータが介在した状態で積層された電極組立体であって、
前記正極及び前記負極の一方を含む第1電極体は、長尺の第1帯状電極と、複数の第1個片電極と、を有し、
前記正極及び前記負極の他方を含む第2電極体は、長尺の第2帯状電極と、複数の第2個片電極と、を有し、
前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とは、互いに重ね合わされる折り重ね部分が形成されるように長手方向に折り畳まれてつづら折り形状をなし、
前記第1個片電極は、前記第2帯状電極における前記第1帯状電極の反対面同士の間に挟まれており、
前記第2個片電極は、前記第1帯状電極における前記第2帯状電極の反対面同士の間に挟まれている、電極組立体。
【請求項2】
前記第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片である、請求項1記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片であり、
前記第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片である、請求項記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなり、
前記第2個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなる、請求項記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片であり、
前記第2個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなる、請求項記載の電極組立体。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項記載の電極組立体がケースに収容されてなる電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体及び電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正極及び負極が、互いの間にセパレータが介在した状態で積層された電極組立体が知られている。例えば、特許文献1に開示された電極組立体では、長尺かつ帯状の正極及び負極が、互いに重ね合わされる折り重ね部分が形成されるように長手方向に折り畳まれてつづら折り形状をなしている。また、特許文献1には、この構成とは別に、長尺かつ帯状の負極が折り畳まれてつづら折り形状をなすと共に、折り重ね部分のそれぞれにおいて、対向する負極同士の間に板状の正極が挟まれた構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−116663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、正極及び負極が折り畳まれた構成の場合、積層作業が容易であり、生産速度を向上できる。しかしながら、折り重ね部分において対向する正極同士及び負極同士が重なり合っており、重なり合った部分が電池容量に寄与しないデッドスペースとなる。このため、正極及び負極が交互に積層された場合と比較して、エネルギー密度が小さくなる。一方、折り畳まれた負極の間に板状の正極が挟まれた構成の場合、そのようなデッドスペースを低減できる。しかしながら、積層作業時に複数の正極を所定の位置に順次セットする必要があることから、生産速度が遅くなる。
【0005】
本発明は、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる電極組立体及び電池セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る電極組立体は、正極及び負極が、互いの間にセパレータが介在した状態で積層された電極組立体であって、正極及び負極の一方を含む第1電極体は、長尺の第1帯状電極と、複数の第1個片電極とを有し、正極及び負極の他方を含む第2電極体は、長尺の第2帯状電極を有し、第1帯状電極と第2帯状電極とは、互いに重ね合わされる折り重ね部分が形成されるように長手方向に折り畳まれてつづら折り形状をなし、第1個片電極は、第2帯状電極における第1帯状電極の反対面同士の間に挟まれている。
【0007】
この電極組立体では、第1帯状電極と第2帯状電極とが折り畳まれてつづら折り形状をなしており、第1個片電極が、第2帯状電極における第1帯状電極の反対面同士の間に挟まれている。これにより、第2帯状電極の折り重ね部分において第2帯状電極同士が重なり合うことが回避され、デッドスペースの低減が図られている。また、第2帯状電極の反対面同士の間のみに第1個片電極が挟まれていることから、第2帯状電極における第1帯状電極側の面同士の間、及び反対面同士の間の双方に個片電極が挟まれる場合と比較して、個片電極の数が低減され、生産速度の向上が図られている。よって、この電極組立体によれば、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる。
【0008】
また、第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片であってもよい。この場合、第2帯状電極とセパレータとが一体となることから、積層作業が容易化され、生産速度を更に向上できる。
【0009】
また、第2電極体は、複数の第2個片電極を更に有し、第2個片電極は、第1帯状電極における第2帯状電極の反対面同士の間に挟まれていてもよい。この場合、第1帯状電極の折り重ね部分において第1帯状電極同士が重なり合うことが回避され、デッドスペースの低減が図られる。また、1つの帯状電極が折り畳まれてつづら折り形状をなすと共に、折り重ね部分のそれぞれにおいて、対向する電極同士の間に個片電極が挟まれた構成と比較して、個片電極の数が低減され、生産速度の向上が図られている。よって、この電極組立体によっても、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる。
【0010】
また、第1帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片であり、第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片の連結体であってもよい。この場合、第1帯状電極及び第2帯状電極のそれぞれとセパレータとが一体となることから、積層作業が容易化され、生産速度を向上できる。ここで、第1個片電極及び第2個片電極のそれぞれは、電極片が袋状セパレータで包まれてなるものでもよいし、袋状セパレータによって包まれていない電極片でもよい。ただし、第1個片電極及び第2個片電極を袋状セパレータによって包まれていない電極片とすれば、これらの電極片を袋状セパレータで包む処理を省略できることから、生産速度を向上できると共に、材料コストを低減できる。
【0011】
また、第1個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなり、第2個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなっていてもよい。この場合、第1帯状電極、第2帯状電極、第1個片電極、及び第2個片電極のそれぞれを構成する電極片が袋状セパレータによって包まれることから、各電極片の表面に設けられた活物質層の微粉が落下すること(粉落ち)を抑制できる。
【0012】
また、第2帯状電極は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片であり、第2個片電極は、電極片が袋状セパレータで包まれてなっていてもよい。この場合、第1帯状電極及び第1個片電極のそれぞれを構成する電極片は、セパレータによって包まれない。このような構成とすれば、これらの電極片をセパレータで包む処理を省略できることから、生産速度を向上できると共に、材料コストを低減できる。特に、長尺の第1帯状電極を構成する電極片をセパレータで包む処理を省略できることから、材料コストを効果的に低減できる。
【0013】
また、本発明の一側面に係る電池セルは、上記電極組立体がケースに収容されてなる。
【0014】
この電池セルでは、第1帯状電極と第2帯状電極とが折り畳まれてつづら折り形状をなしており、第1個片電極が、第2帯状電極における第1帯状電極の反対面同士の間に挟まれている。これにより、第2帯状電極の折り重ね部分において第2帯状電極同士が重なり合うことが回避され、デッドスペースの低減が図られている。また、第2帯状電極の反対面同士の間のみに第1個片電極が配置されていることから、第2帯状電極における第1帯状電極側の面同士の間、及び反対面同士の間の双方に第1個片電極が配置される場合と比較して、個片電極の数が低減され、生産速度の向上が図られている。よって、この電池セルによれば、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる電極組立体及び電池セルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る電池セルの概略断面図である。
図2図1のII−II線における電極組立体の概略断面図である。
図3】(a)は、電極組立体の組立工程の概略図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
図4】第1変形例の概略図である。
図5】第2変形例の概略図である。
図6】第3変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態の電池セル1を示す概略断面図であり、図2は、図1のII−II線における電極組立体20の概略断面図である。図3(a)は、組立工程の概略図であり、図3(b)は、図3(a)の部分拡大図である。図1において、矢印Dは、例えば鉛直方向を示している。電池セル1は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。
【0019】
図1及び図2に示すように、電池セル1は、ケース10及び電極組立体20を備えている。ケース10は、例えば略直方体状の筐体である。ケース10は、例えばアルミニウム等の金属から形成されている。ケース10は、鉛直上方に開口した本体部12と、本体部12の開口を塞ぐ蓋部14と、を有している。
【0020】
電極組立体20は、ケース10内に収容されている。図1及び図2に示すように、電極組立体20では、負極(第1電極体)30と正極(第2電極体)50とが、互いの間にセパレータ70が介在した状態で積層されている。セパレータ70は、例えば微多孔膜であり、セパレータ70には電解液が含浸されている。電解液は、例えば有機溶媒系又は非水系の電解液であり、後述する負極活物質層36,42及び正極活物質層60にも含浸されている。
【0021】
図1に示すように、負極30は、鉛直上方へ突出するタブ部72を有しており、タブ部72において導電部材74に電気的に接続されている。この導電部材74は、ケース10の蓋部14を貫通するように配置された負極端子76に電気的に接続されている。蓋部14と負極端子76の間は、絶縁部材78A及び絶縁部材78Bによって絶縁されている。
【0022】
正極50は、鉛直上方へ突出するタブ部82を有しており、タブ部82において導電部材84に電気的に接続されている。この導電部材84は、ケース10の蓋部14を貫通するように配置された正極端子86に電気的に接続されている。蓋部14と正極端子86の間は、絶縁部材78A及び絶縁部材78Bによって絶縁されている。
【0023】
図2及び図3に示すように、負極30は、長尺かつ帯状の第1帯状電極32と、複数の第1個片電極38と、を有している。第1帯状電極32は、長尺かつ帯状の金属箔34と、金属箔34における正極50側の一方面を覆う負極活物質層36と、を含んでいる。
【0024】
金属箔34は、例えば銅箔である。負極活物質層36は、例えば負極活物質及びバインダを含んで構成されている。負極活物質としては、例えば、黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、及びソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、並びに、ホウ素添加炭素等が挙げられる。
【0025】
第1個片電極38は、矩形板状の電極片40と、電極片40の両面を覆う負極活物質層42と、を含んでいる。電極片40は、例えば銅箔等の金属箔である。負極活物質層42は、負極活物質層36と同様の負極活物質及びバインダを含んで構成されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、正極50は、長尺かつ帯状の第2帯状電極52を有している。本実施形態では、第2帯状電極52は、帯状のセパレータ70と一体となっている。セパレータ70は、複数の袋状セパレータ58が互いに連結されてなり、長尺かつ帯状に形成されている。これら各袋状セパレータ58内に、第2帯状電極52を構成する矩形板状の電極片56が配置されている。第2帯状電極52は、電極片56を袋状セパレータ58で包んだ個片電極の連結体に相当する。換言すれば、第2帯状電極52は、帯状セパレータで包まれた複数の電極片56である。
【0027】
電極片56は、例えばアルミニウム箔等の金属箔である。電極片56の両面には、正極活物質層60が設けられている。正極活物質層60は、例えば正極活物質及びバインダを含んで構成されている。正極活物質としては、例えば、複合酸化物、金属リチウム、及び硫黄等が挙げられる。複合酸化物は、例えば、マンガン、ニッケル、コバルト、及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとを含むものが挙げられる。
【0028】
各袋状セパレータ58は、例えばタブ部82の引き出し部分が開口した袋状をなしている。これら袋状セパレータ58同士は、長手方向の端部において溶着されて連結されている。図2では、この溶着部分が符号59で示されている。第2帯状電極52の形成方法としては、帯状の2枚のセパレータの間に複数の電極片56を所定の間隔で配置し、電極片56の周囲を囲むようにセパレータ同士を溶着する方法が挙げられる。また、袋状セパレータ58で包まれた電極片56を複数用意し、袋状セパレータ58の端部同士を溶着していく方法でもよい。
【0029】
図2に示すように、第1帯状電極32と第2帯状電極52とは、互いに重ね合わされる折り重ね部分32A,52Aが形成されるように長手方向に折り畳まれてつづら折り形状をなしている。ここで、つづら折り形状とは、長尺の帯状体が、山折りと谷折りが交互に繰り返されるように、例えば所定間隔で折り畳まれた形状をいう。第1帯状電極32及び第2帯状電極52においては、折り重ね部分32Aと折り重ね部分52Aとが互いに重ね合わされており、負極活物質層36と袋状セパレータ58とが重なり合って接触している。また、第1帯状電極32の折り重ね部分32Aにおいては、第1帯状電極32の金属箔34同士が重なり合って接触している。
【0030】
そして、第2帯状電極52における第1帯状電極32の反対面(第1帯状電極32と反対側の面)53同士の間に、第1個片電極38が挟まれている。この場合、反対面53は、袋状セパレータ58における第1帯状電極32と反対側の面である。すなわち、第2帯状電極52の折り重ね部分52Aにおいては、第2帯状電極52同士は重なり合っておらず、第1個片電極38の両面の負極活物質層42と、第2帯状電極52の袋状セパレータ58とが重なり合って接触している。
【0031】
このように、電極組立体20では、負極30と正極50とが、第1帯状電極32、第2帯状電極52、第1個片電極38、第2帯状電極52、第1帯状電極32、第1帯状電極32、第2帯状電極52、第1個片電極38、…、の順に繰り返し積層されている。また、負極30と正極50の間には、セパレータ70(袋状セパレータ58)が介在している。
【0032】
続いて、図3を参照しつつ、電極組立体20の組立工程について説明する。なお、図3では、溶着部分59は省略されている。組立工程では、第1帯状電極32と第2帯状電極52とを互いに重ね合わせるように長手方向に折り畳むと共に、第2帯状電極52の反対面53同士の間に第1個片電極38を挟み込む。このとき、図3(a)に示すように、第1帯状電極32及び第2帯状電極52の所定位置に複数の第1個片電極38を差し込む(押し込む)ことによって第1帯状電極32及び第2帯状電極52を一括して折り畳み、電極組立体20を組み立ててもよい。
【0033】
あるいは、重ね合わせた第1帯状電極32及び第2帯状電極52を、所定位置に第1個片電極38を挟み込みつつ、逐次折り畳んでいってもよい。この場合、重ね合わせた第1帯状電極32及び第2帯状電極52を第2帯状電極52同士が対向する側へ折り返す前に、第2帯状電極52上に第1個片電極38を載置し、その後、第1帯状電極32及び第2帯状電極52を載置された第1個片電極38上に折り返す工程を繰り返し行うことによって、電極組立体20を組み立てればよい。
【0034】
以上説明した電極組立体20では、第1帯状電極32と第2帯状電極52とが折り畳まれてつづら折り形状をなしており、第1個片電極38が、第2帯状電極52の反対面53同士の間に挟まれている。これにより、第2帯状電極52の折り重ね部分52Aにおいて第2帯状電極52同士が重なり合うことが回避され、デッドスペースの低減が図られている。また、第2帯状電極52の反対面53同士の間のみに第1個片電極38が挟まれていることから、第2帯状電極52における第1帯状電極32側の面同士の間、及び反対面53同士の間の双方に個片電極が挟まれる場合と比較して、個片電極の数が低減され、生産速度の向上が図られている。よって、電極組立体20、及びこれを含んでなる電池セル1によれば、デッドスペースの低減によるエネルギー密度の増加と生産速度の向上を両立することができる。
【0035】
また、電極組立体20では、第2帯状電極52が、電極片が袋状セパレータ58で包まれた個片電極の連結体に相当し、第2帯状電極52とセパレータ70とが一体となっていることから、積層作業が容易化され、生産速度が更に向上されている。
【0036】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0037】
例えば、図4に示す第1変形例のように、正極50は、複数の第2個片電極62を更に有していてもよい。第2個片電極62は、第1個片電極38と同様に、矩形板状の電極片と、この電極片の両面を覆う正極活物質層と、を含んでいる。この電極片は、例えばアルミニウム箔等の金属箔である。正極活物質層は、正極活物質層60と同様の正極活物質及びバインダを含んで構成されている。また、第1変形例では、負極30の第1帯状電極32についても、第2帯状電極52と同様に、電極片66を袋状セパレータ68で包んだ個片電極の連結体となっている。電極片66は、例えば銅箔等の金属箔である。
【0038】
第1変形例の電極組立体では、第1帯状電極32における第2帯状電極52の反対面33同士の間に、第2個片電極62が挟まれる。この場合、反対面33は、袋状セパレータ68における第2帯状電極52と反対側の面である。第1変形例では、第1帯状電極32の折り重ね部分32Aにおいても、第1帯状電極32同士は重なり合わず、第2個片電極62の両面の正極活物質層と、第1帯状電極32の袋状セパレータ68とが重なり合って接触する。
【0039】
第1変形例によれば、第1帯状電極32の折り重ね部分32Aにおいて第1帯状電極32同士が重なり合うことが回避され、デッドスペースの低減が図られる。また、1つの帯状電極が折り畳まれてつづら折り形状をなすと共に、折り重ね部分のそれぞれにおいて、対向する電極同士の間に個片電極が挟まれた構成と比較して、個片電極の数が低減され、生産速度の向上が図られている。よって、第1変形例の電極組立体によっても、デッドスペースの低減と生産速度の向上を両立できる。
【0040】
また、第1変形例によれば、第1帯状電極32及び第2帯状電極52のそれぞれとセパレータとが一体となっていることから、積層作業が容易化され、生産速度が向上されている。また、第1個片電極38及び第2個片電極62のそれぞれを構成する電極片がセパレータによって包まれていないことから、これらの電極片をセパレータで包む処理を省略できる。よって、生産速度を向上できると共に、材料コストを低減できる。
【0041】
また、図5に示す第2変形例のように、第1個片電極38が、電極片(図3中の電極片40)が袋状セパレータ39で包まれてなると共に、第2個片電極62が、電極片が袋状セパレータ63で包まれてなっていてもよい。第2変形例の電極組立体では、第1個片電極38の袋状セパレータ39と第2帯状電極52の袋状セパレータ58とが重なり合って接触し、第2個片電極62の袋状セパレータ63と第1帯状電極32の袋状セパレータ68と重なり合って接触する。
【0042】
第2変形例によれば、第1帯状電極32、第2帯状電極52、第1個片電極38、及び第2個片電極62のそれぞれを構成する電極片が袋状セパレータ68,58,39,63によって包まれることから、各電極片の表面に設けられた活物質層の微粉が落下すること(粉落ち)を抑制できる。
【0043】
また、図6に示す第3変形例のように、第2帯状電極52が、電極片56を袋状セパレータ58で包んだ個片電極の連結体であると共に、第2個片電極62が、電極片が袋状セパレータ63で包まれてなっていてもよい。第3変形例では、第1帯状電極32及び第1個片電極38のそれぞれを構成する電極片は、セパレータによって包まれていない。
【0044】
第3変形例によれば、第1帯状電極32及び第1個片電極38のそれぞれを構成する電極片をセパレータで包む処理を省略できることから、生産速度を向上できると共に、材料コストを低減できる。特に、長尺の第1帯状電極32を構成する電極片をセパレータで包む処理を省略できることから、材料コストを効果的に低減できる。
【0045】
なお、上記実施形態では、正極及び負極の一方を含む、電極そのもの又はセパレータに包まれた電極を総称し、電極体として説明した。帯状電極は、正極及び負極の一方を含み、長尺帯状をなすと共に、積層式の電極組立体内に屈曲して配置される電極体である。したがって、上述したように、長尺帯状の金属箔上に連続した活物質層が形成された電極そのもの、又は、帯状の2枚のセパレータの間に複数の電極片を所定の間隔で配置し、電極片の周囲を囲むようにセパレータ同士を溶着したもの、を含む。その他では、例えば、長尺かつ帯状の金属箔上に間欠塗工によって複数の活物質層が形成されたもの、又は、電極の両面上に長尺かつ帯状セパレータが溶着によって固定されたもの、であってもよい。個片電極は、正極及び負極の一方を含むと共に、枚葉状をなし、積層式の電極組立体内に屈曲されることなく配置される電極体である。具体的には、電極片そのもの、又は、電極片を個別の袋状セパレータに収容したもの、を含む。
【0046】
また、上記実施形態及び第1〜第3変形例では、第1電極体が負極30を含み、第2電極体が正極50を含む構成としたが、第1電極体が正極50を含み、第2電極体が負極30を含む構成としてもよい。また、セパレータ70が第1帯状電極32及び第2帯状電極52と別体であってもよく、例えば負極30及び正極50とは別体に形成されたシート状のセパレータを負極30と正極50の間に介在させてもよい。この場合、第1帯状電極32及び第2帯状電極52の双方が長尺かつ帯状の金属箔により構成されていてよい。ただし、上述したように、第1帯状電極32又は第2帯状電極52とセパレータとを一体とした方が、積層作業が容易化され、生産速度を向上できる。
【符号の説明】
【0047】
1…電池セル、10…ケース、20…電極組立体、30…負極(第1電極体)、32…第1帯状電極、32A,52A…折り重ね部分、33,53…反対面、38…第1個片電極、39,58,63,68…袋状セパレータ、40,56,66…電極片、50…正極(第2電極体)、52…第2帯状電極、62…第2個片電極、70…セパレータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6