(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記目視検査装置は吸着装置301をさらに備え、前記被検査対象物搬送部10b上の被検査対象物2bは、前記吸着装置301によって前記被検査対象物搬送部10bから前記目視検査ユニット20に搬送されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の目視検査装置。
前記目視検査ユニット20は、前記被検査対象物2bが搬送されるときには水平状態であり、検査時には水平状態から傾斜状態に移動できる目視検査台を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の目視検査装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の目視検査装置を、図に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。
【0022】
図1は、従来技術による光学表示装置の製造システムにおいて、自動検査装置のみが設けられる構成を概略に示すものである。
【0023】
一般的に、
図1に示すように、光学表示装置の製造システムは、上流側に光学フィルム貼付装置3を備え、この光学フィルム貼付装置3の下流側に自動検査装置4が設けられている。
【0024】
光学フィルム貼付装置3により、光学フィルムが貼り付けられたガラス基板、即ち光学表示装置(表示パネル)を製造する。自動検査装置4により、光学フィルムの貼付後の光学表示装置に対して自動的に欠点検査を行う。
【0025】
この従来技術のシステムでは、自動検査装置の検査結果のみで製品の良否を判定するものであるため、自動検査装置の精度により、精度が低い場合には不良光学表示装置を見逃がして、不良光学表示装置が正常な合格製品として製造ラインの下流側に搬送され、一方、精度が高すぎると、正常であると判定されるべき光学表示装置であっても、これを不良であると誤って判定し、無駄を生じる恐れがある。
【0026】
そのため、貼付後の光学表示装置に対して自動欠点検査を行う自動検査装置4の後に、該自動検査装置4の下流側に、目視検査装置1がさらに設けて、目視検査により自動検査装置の判定結果精度を再度確認することが望まれる。
【0027】
図2は、本発明による光学表示装置製造システムにおいて、自動検査装置に加えて、目視検査装置がさらに設けられた構成を概略的に示す図である。
【0028】
具体的に述べると、自動検査装置により不良光学表示装置と判定されていない光学表示装置に対して、ランダムに目視検査装置により目視検査する抜き取り検査を行うことが望まれる。また、自動検査装置により既に不良光学表示装置と判定された光学表示装置に対しては、全部について目視検査装置により目視検査することが望まれる。
【0029】
以下の説明においては、自動検査装置により不良光学表示装置と判定されてておらず、ランダムに検査される光学表示装置、及び自動検査装置により既に不良光学表示装置と判定された光学表示装置を、目視検査すべき光学表示装置として、不良光学表示装置又は被検査対象物と総称し、符号2bで表示する。
【0030】
以下、本発明の実施形態による目視検査装置の具体的な構造を、図面を参照して詳しく説明する。
【0031】
<第1実施形態>
図3a、3bは本発明の目視検査装置の構成を概略に示す上面図と側面図である。
【0032】
本発明の目視検査装置1は、自動検査工程における自動検査装置4の下流側に設けられて、光学表示装置(検査対象物)2を目視検査する、抜き取り搬送ユニット10と、目視検査ユニット20とを備える。
【0033】
<抜き取り搬送ユニット10>
抜き取り搬送ユニット10は、
図3(b)に示すように、正常光学表示装置搬送部(正常検査対象物搬送部)10aと、該正常検査対象物搬送部10aの下側に配置された不良光学表示装置搬送部(被検査対象物搬送部)10bとからなる、上下二段配置を有する。
【0034】
正常光学表示装置搬送部(正常検査対象物搬送部)10aは、正常光学表示装置(正常検査対象物)2aを搬送するものであり、不良光学表示装置搬送部(被検査対象物搬送部)10bは、不良光学表示装置(被検査対象物)2bを搬送するものである。
【0035】
製造ライン全体に、光学表示装置2(正常光学表示装置2aと不良光学表示装置2bを含む)の搬送状況を即時監視するセンサが設けられる。
【0036】
被検査対象物2bが搬送されてくることをセンサ(図示なし)により検出したとき、抜き取り搬送ユニット10が、制御装置の制御によって、該被検査対象物2bが被検査対象物搬送部10bに搬送されるように、上方に移動するとともに、該被検査対象物2bが被検査対象物搬送部10bに搬送された後に、該抜き取り搬送ユニット10が、制御装置の制御によって、正常検査対象物2aを搬送可能な位置に戻るように移動し、吸着装置301により該被検査対象物搬送部10b上の被検査対象物2bを目視検査ユニット20に搬送する。そして、後で詳しく説明する目視検査ユニット20により、目視で搬送されてくる被検査対象物2bを目視検査する。
【0037】
図4(a)〜4(c)は本発明の一実施形態による目視検査装置1における光学表示装置の搬送状況を概略に示す図である。
【0038】
本発明の第1の実施形態においては、
図4(a)〜4(c)に示すように、正常検査対象物搬送部10aは、被検査対象物搬送部10bの上方に位置している。
図4(a)に示す状態においては、正常検査対象物搬送部10aにより正常光学表示装置2aを搬送する。正常光学表示装置2aを搬送しているとき、正常検査対象物搬送部10aは、生産ラインの主搬送部と略共面をなす位置に位置し、不良光学表示装置搬送部、すなわち、被検査対象物搬送部10bは主搬送部の下方に位置している。
【0039】
図4bに示すように、センサにより不良光学表示装置すなわち被検査対象物2bが搬送されてくることが検出されたとき、抜き取り搬送ユニット10が、制御装置の制御によって、該被検査対象物搬送部10bが主搬送部と略共面をなす位置になるように上向きに移動し、不良光学表示装置すなわち被検査対象物2bが不良光学表示装置搬送部、すなわち被検査対象物搬送部10bに搬送される。また、
図4(c)に示すように、不良光学表示装置2bが不良光学表示装置搬送部10bに搬送された後に、抜き取り搬送ユニット10は、制御装置の制御によって、正常光学表示装置搬送部10aが主搬送部と略共面をなして正常光学表示装置2aを搬送可能な位置に戻るように、下向きに移動する。
【0040】
好ましくは、正常光学表示装置搬送部10aには、普通に知られている単層ローラ構造を有する搬送装置を使用する。このような単層ローラ構造の搬送装置は、光学表示装置の主搬送部の上流から下流への主搬送方向に沿って光学表示装置を搬送することができる。当該単層ローラ構造搬送装置は、構造が簡単で、価格が低廉である。
【0041】
好ましくは、不良光学表示装置搬送部10bには、二重ローラ構造を有する搬送装置を使用する。このような二重ローラ構造搬送装置は、光学表示装置の主搬送部の上流から下流への主搬送方向に沿って光学表示装置を搬送することができるとともに、上から見て当該主搬送方向と略垂直な垂直方向に沿って光学表示装置を搬送することもできる。当該二重ローラ構造搬送装置により、略垂直な2つの方向における搬送が実現できる。前記二重ローラ構造を有する搬送装置は、後で詳しく説明する。
【0042】
従って、目視検査すべき不良光学表示装置、すなわち被検査対象物2bは、二重ローラ構造搬送装置を有する不良光学表示装置搬送部10bにより、まず主搬送方向に沿って不良光学表示装置搬送部10bまで搬送される。そして、該不良光学表示装置2bは、依然として二重ローラ構造搬送装置を有する不良光学表示装置搬送部、すなわち被検査対象物搬送部10bにより、上から見て当該主搬送方向と略垂直な垂直方向に沿って主搬送部から離れて、目視検査を行う目視検査ユニット20へ搬送される。
【0043】
また、本実施形態においては、図示されていない機械アームをさらに備えることができる。この機械アームには吸着装置301が設けられ(
図7a)、当該吸着装置301により、主搬送方向と略垂直方向へ搬送された不良光学表示装置2bを吸着し、目視検査ユニット20に搬送することができる。
【0044】
不良光学表示装置である被検査対象物2bを吸着して目視検査ユニット20に搬送することができるものであれば、当該機械アーム及び吸着装置としては、従来の機械アーム及び吸着装置を使ってもよい。
【0045】
<二重ローラ構造を有する搬送装置>
前述したように、好ましくは、不良光学表示装置搬送部すなわち被検査対象物搬送部10bとして、二重ローラ構造を有する搬送装置を使用する。この二重ローラ構造を有する搬送装置を、双方向搬送装置50と呼ぶこともある。
図5は、主搬送方向搬送装置を利用して光学表示装置を搬送する状態を概略的に示すものである。
図6は、垂直方向搬送装置を利用して光学表示装置を搬送する状態を概略的に示す図である。
【0046】
図5及び
図6に示すように、双方向搬送装置50は、二重ローラ構造を有する搬送装置である。具体的に述べると、双方向搬送装置50は、主搬送方向に光学表示装置を搬送する主搬送方向搬送装置501と、上から見て該主搬送方向と略垂直な横方向に光学表示装置を搬送する横方向搬送装置502と、を備える。
【0047】
主搬送方向搬送装置501は、一連の搬送ローラからなるローラ搬送装置であり、主搬送方向に光学表示装置を搬送することができる。主搬送方向搬送装置501においては、所定数の搬送ローラが回転可能に搬送ローラ軸に設けられ、搬送ローラ列を構成する。複数の搬送ローラ列が主搬送方向に沿って、所定間隔をおいて平行に並んで配置されて、主搬送方向に沿って光学表示装置を搬送する搬送装置を形成する。
【0048】
横方向搬送装置502は、一連の搬送ローラからなるローラ搬送装置であり、上から見て該主搬送方向と略垂直な横方向に光学表示装置を搬送する。該横方向搬送装置502においては、所定数の搬送ローラが回転可能に搬送ローラ軸に設けられ、搬送ローラ列を構成する。複数の搬送ローラ列が主搬送方向と略垂直な横方向に沿って、所定間隔をおいて平行に並んで配置され、上から見て該主搬送方向と略垂直な横方向に沿って光学表示装置を搬送することができる。
【0049】
言い換えると、上から見て、主搬送方向搬送装置501の搬送ローラ列は、横方向搬送装置502の搬送ローラ列と互いに直交するように配置されている。
【0050】
主搬送方向搬送装置501の搬送ローラ列の間の間隔距離は、少なくとも横方向搬送装置502の搬送ローラの厚さよりも大きい距離である。つまり、横方向搬送装置502の搬送ローラを主搬送方向搬送装置501の搬送ローラ列の間に通すことができる。
【0051】
そして、該横方向搬送装置502の搬送ローラの間の間隔距離は、少なくとも主搬送方向搬送装置501の搬送ローラの直径よりも大きい距離である。つまり、主搬送方向搬送装置501の搬送ローラを横方向搬送装置502の搬送ローラ列の間に通すことができる。
【0052】
これにより、横方向搬送装置502は、主搬送方向搬送装置501から独立して昇降させることができる。
【0053】
なお、横方向搬送装置502を構成する搬送ローラの直径は、主搬送方向搬送装置501を構成する搬送ローラの直径よりも大きくする。
【0054】
該双方向搬送装置50は、主搬送方向搬送装置501と横方向搬送装置502とを切り換える切換装置(図示なし)を更に備える。
【0055】
図5に示すように、光学表示装置の主搬送部の上流側から下流側への主搬送方向に沿って光学表示装置を搬送する過程においては、主搬送方向搬送装置501は、横方向搬送装置502の上方に位置している。即ち、主搬送方向搬送装置501を構成する搬送ローラの表面は、横方向搬送装置502を構成する搬送ローラの表面よりも高い位置にある。したがって、主搬送方向に上流から送られてくる光学表示装置を主搬送方向搬送装置501により受けて、下流側へ搬送することができる。
【0056】
図6に示すように、不良光学表示装置である被検査対象物2bが被検査対象物搬送部10bに搬送された後に、双方向搬送装置50の二重ローラ構造を切り換える。即ち、切換装置により横方向搬送装置502を上昇させて、該横方向搬送装置502を構成する搬送ローラの表面を主搬送方向搬送装置501の搬送ローラの表面よりも高い位置にすることで、横方向搬送装置502により主搬送方向と垂直な方向に光学表示装置を搬送することができるようになる。
【0057】
このように構成された双方向搬送装置50により、主搬送方向に沿う搬送と、主搬送方向と垂直な方向に沿う搬送とが、同時に実現できる。
【0058】
<目視検査ユニット20>
図7(a)、7(b)は本発明の目視検査装置における目視検査ユニットの水平状態及び傾斜状態を概略に示す図である。
【0059】
該目視検査ユニット20は、目視観察装置として、被検査対象物2bが搬送されるときには水平状態にあり、検査時には水平状態から傾斜状態に移動できる目視検査台を有する。
【0060】
該目視検査ユニット20は、非検査対象物である、検査すべき不良光学表示装置2bを保持するための光学表示装置保持部21と、この光学表示装置保持部21を操作者が目視検査するときの適当な角度に傾斜させる揺動機構(図示なし)と、不良光学表示装置2bが傾斜状態に立ち上がったときに該不良光学表示装置2bの背面側から光を照射するバックライトユニット22と、を有する。
【0061】
上記したような機械アームに設けられている吸着装置301により、目視検査すべき不良光学表示装置2bを、
図7(a)に示す水平状態で、光学表示装置保持部21に搬送する。図示されていない制御手段により前述した揺動機構を制御し、不良光学表示装置2bが載置されている光学表示装置保持部21を揺動させ、操作者が目視検査するのに適当な角度に傾斜させて立ち上げ、傾斜状態にする。
図7(b)に示すように、この傾斜状態において、光学表示装置保持部21の背面側から検査用光を照射することにより、操作者は目視で不良光学表示装置2bを検査することができる。
【0062】
検査結果が正常光学表示装置2aであると判定された光学表示装置は、検査後に、機械アームに設けられている吸着装置を介して、不良光学表示装置搬送部10bに返送され、該不良光学表示装置搬送部10bが主搬送部と略共面をなすように上向きに移動し、正常光学表示装置2aを下流側工程に搬送する。
【0063】
検査結果が確かに不良であると判定された光学表示装置2bは、検査後に排出されて、リワークされるか、廃棄される。
【0064】
なお、上記不良光学表示装置2bは、主搬送部から目視検査ユニット20に搬送され、目視搬送ユニットで目視検査され、合格光学表示装置が主搬送部に返送される各過程において、人手により光学表示装置に触れる必要がなく、光学検査装置が汚損されたり、損傷されたりすることを防止できる。
【0065】
図8は本発明の一実施形態における目視検査装置の作動フロー図である。以下、
図8を参照しながら本発明の該実施形態における目視検査装置1の作動を説明する。
【0066】
まず、ステップS11において、ガラス基板に光学フィルムを貼り付けて光学表示装置2を形成し、該光学表示装置2を自動検査装置1に搬送する。そして、ステップS12において、光学表示装置2を自動検査する(自動光学検査)。次に、ステップS13において、自動検査により光学表示装置2に欠点があるかを判定する。「YES」と判定された場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップS21に移行する。「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、ステップS14に移行する。ステップS14において、光学表示装置2に対してランダム検査が必要とされるか否かを判定する。「YES」と判定された場合、即ちランダム検査が必要とされる場合には、ステップS21に移行する。「NO」と判定された場合、即ちランダム検査は必要でない場合には、ステップS15に移行し、抜き取り搬送ユニット10は作動せず、光学表示装置を次の工程に搬送する。
【0067】
ステップS13において「YES」と判定した場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップ21に移行する。
【0068】
ステップS14において「YES」と判定した場合、即ちランダム検査が必要とされる場合にも、ステップ21に移行する。
【0069】
ステップS13又はステップS14の後にステップS21に移行する場合において、目視検査の対象とされる光学表示装置を、「不良光学表示装置2b」又は「被検査対象物2b」と総称する。
【0070】
ステップS21で始まる手順において、目視検査装置1により不良光学表示装置2bを目視検査する。ステップ21において、不良光学表示装置2bを、抜き取り搬送ユニット10の上流かつ該抜き取り搬送ユニット10のすぐ隣の位置(すぐ隣の上流位置と呼ぶ)に搬送する。ステップS22において、抜き取り搬送ユニット10が作動する(即ち、抜き取り搬送ユニット10が上昇する)。ステップS23において、不良光学表示装置2bを抜き取り搬送ユニット10の下段(不良光学表示装置搬送部10b)に送り込む。その後で、ステップS24において、抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、該抜き取り搬送ユニット10が下降する。ステップS25において、不良光学表示装置2bを目視検査ユニット20に搬送する。ステップS26において、目視で不良光学表示装置2bを目視検査する。ステップS27において、目視検査で不良光学表示装置2bに欠点が検出されたか否かを判定する。
【0071】
ステップS27において「YES」と判定された場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップS31に移行し、ここで、不良光学表示装置2bに欠点があると判定する。そしてステップS32に移行し、不良光学表示装置2bを抜き取り搬送ユニット10の下段(不良光学表示装置搬送部10b)に搬送する。ステップS33において、抜き取り搬送ユニット10の上段に位置する正常光学表示装置搬送部10a又はその上流に、別の光学表示装置があるかを判定する。
【0072】
ステップS33において「YES」と判定された場合、このステップに戻り、もう一度、判定を行う。
【0073】
ステップS33において「NO」と判定された場合、ステップS41に移行し、抜き取り搬送ユニット10が作動させられて、該抜き取り搬送ユニット10が上昇し、次にステップS42に移行する。ステップS42において、不良光学表示装置2bを不良光学表示装置収納部に搬送する。
【0074】
ステップS27において「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、ステップS28に移行する。ステップS28において、不良光学表示装置2bを、抜き取り搬送ユニット10の下段に位置する不良光学表示装置搬送部10b)に搬送し、ステップS29に移行する。ステップS29において、抜き取り搬送ユニット10の上段に位置する正常光学表示装置搬送部10a又はその上流にすでに光学表示装置があるか否かを判定する。
【0075】
ステップS29において「YES」と判定された場合には、同ステップに戻り、もう一度、判定を行う。
【0076】
ステップS29において「NO」と判定された場合には、ステップS51に移行し、抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、該抜き取り搬送ユニット10が上昇させられ、次いで、ステップS52に移行する。ステップS52において、不良光学表示装置2bを正常光学表示装置2aとして次の工程に搬送する。なお、ステップS27において「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、それ以降であれば何れのタイミングでも、被検査対象物であった不良光学表示装置2bを、正常光学表示装置2aとして認識するすことができる。そして、ステップS52に移行する。
【0077】
<第2実施形態>
また、
図9(a)〜9(c)は、本発明の他の実施形態による目視検査装置1における光学表示装置の搬送状況を概略に示す図である。
【0078】
本発明の第2実施形態は、抜き取り搬送ユニット10の構造が第1実施形態と異なる以外は、他の構造は全部同様である。ここでは同じ部分の説明を省略する。
【0079】
具体的に述べると、抜き取り搬送ユニット10として、本発明の第2実施形態のような構造を有するものとすることができる。
【0080】
第2実施形態においては、
図9(a)〜9(c)に示すように、正常検査対象物搬送部10aが被検査対象物搬送部10bの下方に配置される。
図9(a)に示す状態において、正常光学表示装置搬送部10aにより正常光学表示装置2aを搬送する。正常光学表示装置2aを搬送しているときには、該正常光学表示装置搬送部10aは生産ラインの主搬送部と略共面をなす位置にあり、不良光学表示装置搬送部、すなわち被検査対象物搬送装置10bは、主搬送部の上方に位置している。
【0081】
図9(b)に示すように、センサで前記不良光学表示装置2bが搬送されてくることが検出されたとき、抜き取り搬送ユニット10は、制御装置の制御によって、被検査対象物搬送部10bが主搬送部と略共面をなす位置になるように下向きに移動し、不良光学表示装置2bが不良光学表示装置搬送部10bに搬送される。また、
図9(c)に示すように、不良光学表示装置2bが不良光学表示装置搬送部10bに搬送された後で、抜き取り搬送ユニット10は、制御装置の制御によって、該正常光学表示装置搬送部10aが主搬送部と略共面をなして正常光学表示装置2aを搬送可能な位置に戻るように上向きに移動する。
【0082】
この第2実施形態においては、好ましくは、正常光学表示装置搬送部10aと不良光学表示装置搬送部10bに、通常の単層ローラ構造を有する搬送装置を使用する。このような単層ローラ構造搬送装置は、光学表示装置の主搬送部の上流から下流への主搬送方向に沿って光学表示装置を搬送することができる。当該単層ローラ構造搬送装置は、構造が簡単で、価格が低廉である。
【0083】
また、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、図示されていない機械アームを備えることができる。この機械アームに吸着装置301が設けられ、当該吸着装置301により、不良光学表示装置搬送部10b上の不良光学表示装置2bを吸着し、目視検査ユニット20に搬送することができる。
【0084】
不良光学表示装置2bを吸着して目視検査ユニット20に搬送することができる構成である限り、当該機械アーム及び吸着装置には、従来の機械アーム及び吸着装置を使用することができる。
【0085】
第2実施形態においては、上記の通り、他の構造は第1実施形態と同様である。同じ部分を同じ符号で表示し、その説明を省略する。
【0086】
図10は、本発明の第2実施形態による目視検査装置の作動フロー図である。以下、
図10を参照しながら本発明の第2実施形態の目視検査装置1の作動を説明する。
【0087】
まず、ステップS11において、ガラス基板に光学フィルムを貼り付けて光学表示装置2を形成し、該光学表示装置2を自動検査装置1に搬送する。ステップS12において、光学表示装置2を自動検査する(自動光学検査)。ステップS13において、自動検査で光学表示装置2に欠点があるかを判定する。「YES」と判定された場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップS21に移行する。「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、ステップS14に移行する。ステップS14において、光学表示装置2に対してランダム検査が必要とされるか否かを判定する。「YES」と判定された場合、即ちランダム検査が必要とされる場合にはステップS21に移行する。「NO」と判定された場合、即ちランダム検査が必要とされない場合には、ステップS15に移行し、抜き取り搬送ユニット10は作動せず、光学表示装置を次の工程に搬送する。
【0088】
ステップS13において「YES」と判定された場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップ21に移行する。
【0089】
ステップS14において「YES」と判定された場合、即ちランダム検査が必要とされる場合にも、ステップ21に移行する。
【0090】
ステップS13又はステップS14の後にステップS21に移行し、目視検査が行われる光学表示装置を、「不良光学表示装置2b」又は「被検査対象物2b」と総称する。
【0091】
ステップS21で始まる手順にしたがって、目視検査装置1により不良光学表示装置2bを目視検査する。ステップS21において、不良光学表示装置2bを、抜き取り搬送ユニット10の上流側で該抜き取り搬送ユニット10のすぐ隣の位置(すぐ隣の上流位置と呼ぶ)に搬送する。次に、ステップS22’において、抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、該抜き取り搬送ユニット10が下降させられる。次いでステップS23’において、不良光学表示装置2bを、抜き取り搬送ユニット10の上段に位置する不良光学表示装置搬送部10bに搬送する。そして、ステップS24’において、該抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、抜き取り搬送ユニット10が上昇させられる。その後で、ステップS25において、不良光学表示装置2bを目視検査ユニット20に搬送し、ステップS26において、目視で不良光学表示装置2bを目視検査する。次に、ステップS27において、目視検査により不良光学表示装置2bに欠点が検出されたか否かを判定する。
【0092】
ステップS27において「YES」と判定された場合、即ち欠点が検出された場合には、ステップS31に移行し、ここで、不良光学表示装置2bに欠点があると判定する。そしてステップS32’に移行し、不良光学表示装置2bを、抜き取り搬送ユニット10の上段に位置する不良光学表示装置搬送部10bに搬送する。ステップS33’において、抜き取り搬送ユニット10の下段に位置する正常光学表示装置搬送部10a又はその上流側にすでに他の光学表示装置があるか否かを判定する。
【0093】
ステップS33’において「YES」と判定された場合には、同ステップに戻り、もう一度、判定を行う。
【0094】
ステップS33’において「NO」と判定された場合には、動作はステップS41’に移行し、抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、該抜き取り搬送ユニット10が下降する。そして、次にステップS42に移行し、ステップS42において、不良光学表示装置2bを不良光学表示装置収納部に搬送する。
【0095】
ステップS27において「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、ステップS28’に移行する。ステップS28’において、不良光学表示装置2bを抜き取り搬送ユニット10の上段に位置する不良光学表示装置搬送部10bに搬送する。そして、ステップS29’に移行する。ステップS29’において、抜き取り搬送ユニット10の下段に位置する正常光学表示装置搬送部10a又はその上流側にすでに他の光学表示装置があるか否かを判定する。
【0096】
ステップS29’において「YES」と判定された場合には、このステップに戻り、もう一度、判定を行う。
【0097】
ステップS29’において「NO」と判定された場合には、ステップS51’に移行し、抜き取り搬送ユニット10が作動させられ、抜き取り搬送ユニット10が下降させられる。そして、ステップS52に移行する。ステップS52において、不良光学表示装置2bを正常光学表示装置2aとして次の工程に搬送する。なお、ステップS27において「NO」と判定された場合、即ち欠点が検出されなかった場合には、その以降であれば何れのタイミングでも、検査対象物であった不良光学表示装置2bを正常光学表示装置2aとして認識することができる。その後、ステップS52に移行する。
【0098】
本発明の目視検査装置は上記の通りであるが、これに限られたものではなく、本発明の思想の範囲内において、適当に変更することができる。
【0099】
産業上の実用性
本発明の目視検査装置は、シート状部材を製造する各種類の製造装置に適用することができる。