特許第6406148号(P6406148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406148
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 11/00 20060101AFI20181004BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20181004BHJP
   B60K 6/44 20071001ALI20181004BHJP
   B60K 6/38 20071001ALI20181004BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20181004BHJP
   B60K 6/36 20071001ALI20181004BHJP
【FI】
   F16D11/00 A
   B60K6/547
   B60K6/44
   B60K6/38
   B60K6/40
   B60K6/36
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-145664(P2015-145664)
(22)【出願日】2015年7月23日
(65)【公開番号】特開2017-26050(P2017-26050A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2017年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】森 英文
(72)【発明者】
【氏名】井口 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆男
(72)【発明者】
【氏名】長田 育充
(72)【発明者】
【氏名】林 陽介
(72)【発明者】
【氏名】山下 真吾
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−166409(JP,A)
【文献】 実開平02−021336(JP,U)
【文献】 特開平08−121333(JP,A)
【文献】 特開2013−011324(JP,A)
【文献】 特開2007−085467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/00 −23/14
B60K 6/20 − 6/547
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される動力伝達装置であって、
内燃機関出力軸と、
連結部と、
前記連結部を介して前記内燃機関出力軸に回転駆動力を伝達可能に接続される第一回転子と、
車両駆動機構に回転駆動力を伝達可能に接続される第二回転子と
を備え、
前記第一回転子及び前記第二回転子は、互いに対向し且つ相対的に回転可能に設けられ、
前記連結部は、
前記内燃機関出力軸に一体に回転するように設けられた第一トルク伝達部材と、
前記第一トルク伝達部材に対向して位置し且つ前記第一回転子に一体に回転するように設けられた第二トルク伝達部材と
を含み、
前記第一トルク伝達部材は、前記第二トルク伝達部材が有する第二テーパー状嵌合部に、回転駆動力を伝達可能に嵌合する第一テーパー状嵌合部を有し、
前記第一テーパー状嵌合部及び前記第二テーパー状嵌合部は、互いに向かう方向にテーパー状になった形状を有し、
前記第一トルク伝達部材及び前記第二トルク伝達部材の少なくとも一方が、他方に対して弾性押圧力を作用させるように弾性的に撓んでいる動力伝達装置。
【請求項2】
前記第一テーパー状嵌合部は、前記第一トルク伝達部材の回転方向に沿って並ぶ複数の第一突起を含み、
前記第二テーパー状嵌合部は、前記第二トルク伝達部材の回転方向に沿って並ぶ複数の第二突起を含み、
前記第一突起及び前記第二突起は、互いに向かって突出する先細のテーパー形状を有すると共に互いの間に嵌合可能である請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記第一突起は、前記内燃機関出力軸の回転方向側に位置し且つ前記内燃機関出力軸の径方向に沿って延在する第一直立側面と、前記内燃機関出力軸の回転方向と反対側に位置し且つ前記内燃機関出力軸の軸方向に対して傾斜して前記第一突起を先細にするように延在する第一テーパー側面とを有し、
前記第二突起は、前記内燃機関出力軸の回転方向側に位置し且つ前記内燃機関出力軸の軸方向に対して傾斜して前記第二突起を先細にするように延在する第二テーパー側面と、前記内燃機関出力軸の回転方向と反対側に位置し且つ前記内燃機関出力軸の径方向に沿って延在する第二直立側面とを有し、
前記第一突起及び前記第二突起の嵌合時、前記第一直立側面と前記第二直立側面とが隣接し、前記第一テーパー側面と前記第二テーパー側面とが隣接する請求項2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記第一突起及び前記第二突起の嵌合時、前記第一突起の先端は、前記第二テーパー状嵌合部との間に間隙を有し、前記第二突起の先端は、前記第一テーパー状嵌合部との間に間隙を有する請求項2または3に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記第一トルク伝達部材及び前記第二トルク伝達部材の少なくとも一方が、ダイヤフラムから形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記第一回転子及び前記第二回転子の一方が、巻線を含み、前記第一回転子及び前記第二回転子の他方が、磁石を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ガソリンエンジンと、クラッチモータと、アシストモータとを備え、駆動軸に動力を伝達する動力伝達装置が記載されている。
エンジンのクランクシャフトは、クラッチモータ及びアシストモータを介して駆動軸に結合されている。
クラッチモータは、エンジンのクランクシャフトに機械的に結合されたアウタロータと、アウタロータの内側に配置されたインナロータとを、相対回転可能に備えている。アウタロータには、永久磁石が配設され、インナロータには、三相コイルが配設されている。
アシストモータは、クラッチモータのインナロータに機械的に結合されたロータと、ロータの外側に固定して配置されたステータとを備えている。ロータには、永久磁石が配設され、ステータには、三相コイルが配設されている。さらに、ロータには、駆動軸が機械的に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−46966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される動力伝達装置において、エンジンとクラッチモータのアウタロータとの機械的結合部では、部品間に遊びが存在すると、エンジンのトルク変動が生じた際に、歯打ち音等の騒音が生じる。一方、機械的結合部に遊びを生じさせないような構造とするには、高い部品精度と高い組立精度とが要求され、コストが上昇する。
【0005】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、エンジンつまり内燃機関とロータつまり回転子とが連結される構成において、連結部の連結を容易にし且つ連結部での騒音を低減する動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る動力伝達装置は、車両に搭載される動力伝達装置であって、内燃機関出力軸と、連結部と、連結部を介して内燃機関出力軸に回転駆動力を伝達可能に接続される第一回転子と、車両駆動機構に回転駆動力を伝達可能に接続される第二回転子とを備え、第一回転子及び第二回転子は、互いに対向し且つ相対的に回転可能に設けられ、連結部は、内燃機関出力軸に一体に回転するように設けられた第一トルク伝達部材と、第一トルク伝達部材に対向して位置し且つ第一回転子に一体に回転するように設けられた第二トルク伝達部材とを含み、第一トルク伝達部材は、第二トルク伝達部材が有する第二テーパー状嵌合部に、回転駆動力を伝達可能に嵌合する第一テーパー状嵌合部を有し、第一テーパー状嵌合部及び第二テーパー状嵌合部は、互いに向かう方向にテーパー状になった形状を有し、第一トルク伝達部材及び第二トルク伝達部材の少なくとも一方が、他方に対して弾性押圧力を作用させるように弾性的に撓んでいる。
【0007】
第一テーパー状嵌合部は、第一トルク伝達部材の回転方向に沿って並ぶ複数の第一突起を含み、第二テーパー状嵌合部は、第二トルク伝達部材の回転方向に沿って並ぶ複数の第二突起を含み、第一突起及び第二突起は、互いに向かって突出する先細のテーパー形状を有すると共に互いの間に嵌合可能であってよい。
第一突起は、内燃機関出力軸の回転方向側に位置し且つ内燃機関出力軸の径方向に沿って延在する第一直立側面と、内燃機関出力軸の回転方向と反対側に位置し且つ内燃機関出力軸の軸方向に対して傾斜して第一突起を先細にするように延在する第一テーパー側面とを有し、第二突起は、内燃機関出力軸の回転方向側に位置し且つ内燃機関出力軸の軸方向に対して傾斜して第二突起を先細にするように延在する第二テーパー側面と、内燃機関出力軸の回転方向と反対側に位置し且つ内燃機関出力軸の径方向に沿って延在する第二直立側面とを有し、第一突起及び第二突起の嵌合時、第一直立側面と第二直立側面とが隣接し、第一テーパー側面と第二テーパー側面とが隣接してよい。
第一突起及び第二突起の嵌合時、第一突起の先端は、第二テーパー状嵌合部との間に間隙を有し、第二突起の先端は、第一テーパー状嵌合部との間に間隙を有してよい。
第一トルク伝達部材及び第二トルク伝達部材の少なくとも一方が、ダイヤフラムから形成されてよい。
第一回転子及び第二回転子の一方が、巻線を含み、第一回転子及び第二回転子の他方が、磁石を含んでよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る動力伝達装置によれば、内燃機関と回転子とが連結される構成において、連結部の連結を容易にし且つ連結部での騒音を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る動力伝達装置を含む車両駆動装置の構成を示す模式図である。
図2図1の動力伝達装置の構成を示す模式断面側面図であり、内燃機関のケースとトランスミッションケースとが連結されていない状態を示す図である。
図3図2の動力伝達装置において、内燃機関のケースとトランスミッションケースとが連結された状態を示す図である。
図4図2の動力伝達装置における連結部の第一突起と第二突起との状態を示す側面図である。
図5図3の動力伝達装置における連結部の第一突起と第二突起との状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置100を含む車両駆動装置200の構成が示されている。なお、以下の実施の形態では車両駆動装置200は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関とモータ等の回転電機とを備えるハイブリッド自動車に搭載されるものとして説明する。
【0011】
車両駆動装置200は、内燃機関1、動力伝達装置100、減速機27、デファレンシャルギヤ28、ドライブシャフト30、車輪31、インバータ32、二次電池33及び電子制御ユニット(以下、ECUと呼ぶ)34を備えている。
動力伝達装置100は、内燃機関1に機械的に接続されると共に、減速機27に機械的に接続されている。
減速機27は、デファレンシャルギヤ28に機械的に接続され、デファレンシャルギヤ28は、車輪31に接続されたドライブシャフト30に機械的に接続されている。
【0012】
動力伝達装置100は、カップリングモータ10と、マニュアルトランスミッション(以下、MTと呼ぶ)20と、カップリングモータ10と内燃機関1との連結部3とを備えている。
連結部3、カップリングモータ10及びMT20は、トランスミッションケース2内に配設されている。なお、図1では、トランスミッションケース2内の連結部3、カップリングモータ10、MT20等の各要素が、実線で示されている。
MT20、減速機27及びデファレンシャルギヤ28は、車輪31を駆動するための車両駆動機構29を構成している。
【0013】
図1及び図2をあわせて参照すると、トランスミッションケース2は、その端部に形成された開口部2aaを囲むフランジ部2aを含んでいる。図3に示すように、トランスミッションケース2は、フランジ部2aが内燃機関1のケース1aに取り付けられ、フランジ部2aを貫通するボルト16を用いてケース1aに固定されるように構成されている。
【0014】
図1及び図2をあわせて参照すると、カップリングモータ10は、三相交流電力によって動作するダブルロータ型モータである。カップリングモータ10及び内燃機関1は、ハイブリッド自動車の動力源を構成し、カップリングモータ10は、回転電機を構成している。
カップリングモータ10は、インナロータ11と、インナロータ11の外周側に配置されたアウタロータ12とを備えている。カップリングモータ10は、2つのロータ11及び12を備えているが、ステータを備えていない。ここで、インナロータ11は第二回転子を構成し、アウタロータ12は第一回転子を構成している。
【0015】
円筒状のインナロータ11は、同軸上にある出力軸9に連結部材8を介して結合されている。インナロータ11は、出力軸9を中心として出力軸9と一体に回転することができる。インナロータ11は、その外周面近傍に周方向に沿って設けられた三相巻線11aを含んでいる。出力軸9は、MT20に向かって延在している。
【0016】
円筒状のアウタロータ12は、インナロータ11の外周を囲むように径方向外側に設けられている。アウタロータ12の内部には、永久磁石12aが、三相巻線11aに対向するようにして周方向に沿って埋め込まれている。
アウタロータ12は、インナロータ11に対して、インナロータ11の外周に沿って相対回転を行うことができるように構成されている。アウタロータ12は、出力軸9と同軸上に且つ反対方向に向かって、つまり内燃機関1に向かって延在する入力軸4に、連結部材5を介して結合されている。入力軸4及びアウタロータ12は、出力軸9及びインナロータ11に対して、入力軸4を中心とした相対回転を一体となって行うことができる。
【0017】
出力軸9には、同軸上に位置するピニオンギヤ15が、一体に回転するように結合されている。ピニオンギヤ15を貫通して突出する出力軸9の端部には、スリップリング装置13が連結されている。つまり、スリップリング装置13は、ピニオンギヤ15を挟んでインナロータ11と反対側に配置されている。
スリップリング装置13は、円柱状の支持体13aと、支持体13aの外周に沿って延在する3つのスリップリング13bとを備えている。
【0018】
支持体13aは、同軸上にある出力軸9を中心として一体に回転するように、出力軸9に連結されている。3つのスリップリング13bは、導電性を有する材料から作製され、互いに軸方向に間隔をあけて支持体13aに固定されている。各スリップリング13bは、インナロータ11の三相巻線11aの各相の巻線に電気的に接続されている。各スリップリング13bは、各スリップリング13bに接触するブラシ14を介して、トランスミッションケース2の外部に設けられたインバータ32と電気的に接続されている。ブラシ14は、導電性を有する材料から作製され、回転するスリップリング13bに摺動しつつ接触することができるように配置されている。
【0019】
インバータ32は、二次電池33と電気的に接続されている。
二次電池33は、直流電力を充放電することができるように構成されている。
インバータ32は、二次電池33の直流電力を三相交流電力に変換し、ブラシ14及びスリップリング装置13を介して、インナロータ11の三相巻線11aに供給することができる。また、インバータ32は、インナロータ11の三相巻線11aからの三相交流電力を、スリップリング装置13及びブラシ14を介して受電し、受電した三相交流電力を直流電力に変換して二次電池33に供給することができる。インバータ32は、ECU34によって動作の制御を受ける。なお、ECU34は、内燃機関1の動作も制御する。
【0020】
出力軸9のピニオンギヤ15は、MT20のカウンタシャフト22に配設されたドリブンギヤ21とギヤ係合している。
MT20は、ドリブンギヤ21に加えて複数の変速用ギヤ23が配設されたカウンタシャフト22と、変速用ギヤ23にギヤ係合可能な複数の変速用ギヤ24が配設されたアウトプットシャフト25とを含む。トランスミッションケース2から延出するアウトプットシャフト25の端部には、出力用ギヤ26が配設されている。
出力用ギヤ26は、減速機27とギヤ係合している。
【0021】
トランスミッションケース2内において、開口部2aaと、連結部材5及びアウタロータ12との間に、隔壁2bが形成されている。
入力軸4は、隔壁2bに形成された隔壁開口部2baを通って、開口部2aaの近傍まで延在している。
隔壁開口部2baと入力軸4との間には、環状のオイルシール部材7が配設されている。オイルシール部材7は、トランスミッションケース2内における隔壁2bよりもカップリングモータ10及びMT20側の空間2dを、トランスミッションケース2内における隔壁2bよりも開口部2aa側の空間2cに対して、液密に封止する。よって、オイルシール部材7は、空間2d内の潤滑油が空間2c内に漏出するのを防ぐ。
【0022】
空間2c内において、入力軸4の端部には、連結部3の第二トルク伝達部材3bが、入力軸4と一体に回転するように連結されている。
第二トルク伝達部材3bは、略円板状の形状を有し、金属ベースのダイヤフラムによって形成されている。第二トルク伝達部材3bは、入力軸4の軸方向に対して略垂直に延在している。第二トルク伝達部材3bには、その円周方向に沿って延在し且つ入力軸4の軸方向に屈曲した屈曲部3baが形成されている。第二トルク伝達部材3bは、入力軸4を支点として、入力軸4の軸方向に比較的大きい変位を伴って弾性的に撓むことができるが、内燃機関1のトルクを入力軸4に伝達できる強度及び剛性を入力軸4の径方向及び捻り方向に有している。
第二トルク伝達部材3bの入力軸4と反対側の表面3bb上には、複数の第二突起3eが形成されている。複数の第二突起3eは、テーパー状に先細になった略台形状の同一形状を有しており、第二トルク伝達部材3bの外周縁に沿って等間隔に且つ円環状に配置されている。各第二突起3eは、入力軸4と反対方向に向かって突出している。ここで、第二突起3eは、第二テーパー状嵌合部を構成している。
【0023】
図2及び図4をあわせて参照すると、第二トルク伝達部材3bの径方向外側から径方向内側に向かう側方からみたとき、各第二突起3eは、略台形状の側方形状を有している。つまり各第二突起3eは、突出先端を形成し且つ第二トルク伝達部材3bの表面3bbと平行である略矩形状の平坦な上面3e1と、上面3e1の周囲の4つの側面3e2、3e3、3e4及び3e5とを有している。
【0024】
側面3e2は、第二突起3eにおいて第二トルク伝達部材3bの周方向の一方の側に位置する。側面3e2は、表面3bbに垂直であり且つ第二トルク伝達部材3bの径方向に沿った面に対して、第二突起3eをテーパー状に先細にするように、対向する側面3e3に向かって傾斜した略矩形状の平坦な面である。ここで、側面3e2は、第二テーパー側面を構成している。
側面3e3は、第二突起3eにおいて第二トルク伝達部材3bの周方向の他方の側に位置し、側面3e2に対向している。側面3e3は、表面3bbに垂直であり且つ第二トルク伝達部材3b及び入力軸4の径方向に沿って延在する略矩形状の平坦な面である。ここで、側面3e3は、第二直立側面を構成している。
側面3e4は、第二突起3eにおいて第二トルク伝達部材3bの径方向外側に位置する略台形状の湾曲した面である。
側面3e5は、第二突起3eにおいて第二トルク伝達部材3bの径方向内側に位置する略台形状の湾曲した面である。
【0025】
また、第二突起3e同士の間には、第二トルク伝達部材3bの表面3bbと平行である平坦な底面3f1が、形成されている。
そして、第二突起3e同士の間には、側面3e3と底面3f1と側面3e2とによって形成される第二凹部3fが、形成されている。各第二凹部3fは、底面3f1に向かってテーパー状に先細になった凹部である。ここで、第二凹部3fは、第二テーパー状嵌合部を構成している。
【0026】
また、内燃機関1のケース1aから突出し且つ内燃機関1の回転駆動力を出力するクランク軸1bには、連結部3の第一トルク伝達部材3aが、クランク軸1bと一体に回転するように連結されている。ここで、クランク軸1bは、内燃機関出力軸を構成している。
第一トルク伝達部材3aは、円板状の形状を有し、金属から形成されている。第一トルク伝達部材3aは、クランク軸1bの軸方向に対して略垂直に延在し、第二トルク伝達部材3bと同様の外径を有している。第一トルク伝達部材3aは、クランク軸1bの軸方向にほとんど撓まないような剛性を有しており、且つ内燃機関1のクランク軸1bのトルクを第二トルク伝達部材3bに伝達できる強度及び剛性をクランク軸1bの径方向及び捻り方向に有している。
【0027】
第一トルク伝達部材3aのクランク軸1bと反対側の表面3aa上には、複数の第一突起3cが形成されている。複数の第一突起3cは、テーパー状に先細になった略台形状の同一形状を有しており、第一トルク伝達部材3aの外周縁に沿って等間隔に且つ円環状に配置されている。各第一突起3cは、クランク軸1bと反対方向に向かって突出している。複数の第一突起3cの数量は、第二トルク伝達部材3bの複数の第二突起3eと同一である。さらに、複数の第一突起3cが描く円環の内径は、第二トルク伝達部材3bの複数の第二突起3eが描く円環の内径と同様かそれよりも小さく形成され、複数の第一突起3cが描く円環の外径は、第二トルク伝達部材3bの複数の第二突起3eが描く円環の外径と同様かそれよりも大きく形成される。ここで、第一突起3cは、第一テーパー状嵌合部を構成している。
【0028】
各第一突起3cは、第二トルク伝達部材3bの第二突起3eよりも大きい突出量で第一トルク伝達部材3aから突出している。さらに、第一トルク伝達部材3aの径方向外側から径方向内側に向かう側方からみたとき、各第一突起3cは、略台形状の側方形状を有している。つまり各第一突起3cは、突出先端を形成し且つ第一トルク伝達部材3aの表面3aaと平行である略矩形状の平坦な上面3c1と、上面3c1の周囲の4つの側面3c2、3c3、3c4及び3c5とを有している。
【0029】
側面3c2は、第一突起3cにおいて第一トルク伝達部材3aの周方向の一方の側に位置する。側面3c2は、表面3aaに垂直であり且つ第一トルク伝達部材3a及びクランク軸1bの径方向に沿って延在する略矩形状の平坦な面である。側面3c2は、第一突起3cにおいて、内燃機関1の運転時のクランク軸1bの所定の回転方向側に位置する。ここで、側面3c2は、第一直立側面を構成している。
側面3c3は、第一突起3cにおいて第一トルク伝達部材3aの周方向の他方の側に位置し、側面3c2に対向している。側面3c3は、表面3aaに垂直であり且つ第一トルク伝達部材3aの径方向に沿った面に対して、第一突起3cをテーパー状に先細にするように、対向する側面3c2に向かって傾斜した略矩形状の平坦な面である。側面3c3は、第一突起3cにおいて、内燃機関1の運転時のクランク軸1bの所定の回転方向と反対側に位置する。側面3c3が表面3aaに垂直であり且つ第一トルク伝達部材3aの径方向に沿った面に対して傾斜する角度は、第二突起3eの側面3e2が表面3bbに垂直であり且つ第二トルク伝達部材3bの径方向に沿った面に対して傾斜する角度と、同一である。ここで、側面3c3は、第一テーパー側面を構成している。
側面3c4は、第一突起3cにおいて第一トルク伝達部材3aの径方向外側に位置する略台形状の湾曲した面である。
側面3c5は、第一突起3cにおいて第一トルク伝達部材3aの径方向内側に位置する略台形状の湾曲した面である。
【0030】
また、第一突起3c同士の間には、第一トルク伝達部材3aの表面3aaと平行である平坦な底面3d1が、形成されている。
そして、第一突起3c同士の間には、側面3c3と底面3d1と側面3c2とによって形成される第一凹部3dが、形成されている。各第一凹部3dは、底面3d1に向かってテーパー状に先細になった凹部である。ここで、第一凹部3dは、第一テーパー状嵌合部を構成している。
【0031】
また、内燃機関1のケース1aとクランク軸1bとの間には、円環状のオイルシール部材6が配設されている。オイルシール部材6は、ケース1aの内部を、ケース1aの外部に対して、液密に封止する。
【0032】
図3に示すように、上述のような構成を有する内燃機関1のケース1aとトランスミッションケース2とは、トランスミッションケース2のフランジ部2aをケース1aにボルト16留めすることによって、互いに連結且つ固定される。このとき、クランク軸1bと入力軸4とは、同軸上に位置する。
【0033】
図3及び図5をあわせて参照すると、上記連結の際、連結部3では、第一トルク伝達部材3aの第一突起3c同士の間に、第二トルク伝達部材3bの第二突起3eが挿入される。
このとき、各第二突起3eにおいて、側面3e2は、内燃機関1の運転時のクランク軸1bの所定の回転方向側に位置する。つまり、各第二突起3eの第二テーパー側面3e2が、第一突起3cの第一テーパー側面3c3に隣接する。
また、各第二突起3eにおいて、側面3e3は、内燃機関1の運転時のクランク軸1bの所定の回転方向と反対側に位置する。つまり、各第二突起3eの第二直立側面3e3が、第一突起3cの第一直立側面3c2に隣接する。
【0034】
第一突起3cと第二突起3eとは、互いの間に整合する形状を有しているため、各第二突起3eは、第一突起3c同士の間にぴったりと収まり、両側の2つの第一突起3cに密着する。
しかしながら、各第二突起3eは、各第一突起3cよりも小さい突出量を有する。そして、各第一凹部3dは、各第二突起3eを上面3e1からの一部分のみを収容できるような大きさである側面3c3と側面3c2と間の幅を有している。このため、各第二突起3eの上面3e1と各第一凹部3dの底面3d1との間には、間隙が形成される。さらに、各第二凹部3fの底面3f1は、各第一突起3cの上面3c1よりも小さく、各第二凹部3fは、各第一突起3cを上面3c1からの一部分のみを収容できるような大きさである側面3e3と側面3e2と間の幅を有している。このため、各第一突起3cの上面3c1と各第二凹部3fの底面3f1との間には、間隙が形成される。
【0035】
さらに、ケース1aとトランスミッションケース2とを連結した状態では、第二トルク伝達部材3bは、入力軸4によって第一トルク伝達部材3aに押し付けられており、屈曲部3baよりも外周側の部位を隔壁2bに向かって軸方向に弾性的に撓ませている。つまり、第二トルク伝達部材3bは、屈曲部3baよりも外周側の部位を、第一トルク伝達部材3aに弾性的に押し付けている。
これにより、各第二突起3eの先端の上面3e1が各第一凹部3dの底面3d1に底付きすることがなく且つ各第一突起3cの上面3c1が各第二凹部3fの底面3f1に底付きすることがない状態で、各第二突起3eは、常に弾性を伴った力によって、第一突起3c同士の間に押し付けられる。よって、クランク軸1b又は入力軸4が軸方向に振動した場合であっても、各第二突起3eと各第一突起3cとは、互いに密着状態を常に維持する。
【0036】
また、内燃機関1が稼働してクランク軸1bが回転した場合、第一トルク伝達部材3aの各第一突起3cの第一直立側面3c2が、第二トルク伝達部材3bの第二突起3eの第二直立側面3e3を押圧するため、互いの側面の間で滑りが生じることがない。これにより、クランク軸1bから入力軸4へ、回転駆動力が効率的に伝達される。
よって、クランク軸1bと入力軸4とが、同軸上に位置して回転駆動力を伝達可能に連結されることになる。なお、内燃機関1のケース1aとトランスミッションケース2との連結の前後にわたって、トランスミッションケース2の空間2c内の連結部3は、気中にある。
また、第一トルク伝達部材3a及び第二トルク伝達部材3bは、入力軸4の径方向及び捻り方向に強度及び剛性を有しているため、径が異なるアウタロータ12と共に回転しても、共振を抑えることができる。
【0037】
上述のように内燃機関1のケース1aとトランスミッションケース2とが連結された状態において、動力伝達装置100を含む車両駆動装置200は、以下のように動作する。
図1及び図3をあわせて参照すると、車両駆動装置200は、車両駆動装置200を搭載するハイブリッド自動車を、動力伝達装置100のカップリングモータ10の出力軸9への回転駆動力つまりトルクによって走行させる。出力軸9へのトルクは、変速機20、減速機27、デファレンシャルギヤ28及びドライブシャフト30を介して車輪31に伝達してハイブリッド自動車を走行させる。
【0038】
ECU34は、内燃機関1を停止させた状態で二次電池33の電力を使用することのみによってカップリングモータ10を動作させてハイブリッド自動車を走行させるEVモード走行形態と、内燃機関1の動力を使用して入力軸4を回転駆動させつつカップリングモータ10を動作させてハイブリッド自動車を走行させるREモード走行形態とを適宜選択して、ハイブリッド自動車の走行を制御する。
【0039】
EVモード走行形態での走行時、ECU34は、内燃機関1を停止させつつ、インバータ32を制御して、二次電池33の電力をカップリングモータ10のインナロータ11の三相巻線11aに供給する。三相巻線11aを流れる三相交流電流が発生する回転磁界が、永久磁石12aに作用し、インナロータ11とアウタロータ12との間に、磁界による回転トルクが発生する。そして、上記回転トルクの反力としてのトルクを受けるインナロータ11が回転駆動する。
インナロータ11の回転駆動力つまりトルクは、出力軸9、変速機20等を介して車輪31に伝達して駆動する。
【0040】
REモード走行形態での走行時、ECU34は、内燃機関1を稼働させつつ、二次電池33の電力をカップリングモータ10のインナロータ11の三相巻線11aに供給する。このとき、内燃機関1が、アウタロータ12にトルクを与え、回転駆動する。さらに、インナロータ11とアウタロータ12との間に、磁界による回転トルクが発生する。
インナロータ11の出力軸9は、上記磁界による回転トルクと、内燃機関1によるトルクとによって回転駆動され、それにより車輪31が駆動される。
【0041】
上述で説明したように、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置100は、内燃機関1のクランク軸1bと、連結部3と、連結部3を介してクランク軸1bに回転駆動力を伝達可能に接続されるアウタロータ12と、車両駆動機構29に回転駆動力を伝達可能に接続されるインナロータ11とを備える。インナロータ11及びアウタロータ12は、互いに対向し且つ相対的に回転可能に設けられる。連結部3は、クランク軸1bに一体に回転するように設けられた第一トルク伝達部材3aと、第一トルク伝達部材3aに対向して位置し且つアウタロータ12に一体に回転するように設けられた第二トルク伝達部材3bとを含む。第一トルク伝達部材3aは、第二トルク伝達部材3bが有するテーパー状の第二突起3e及び第二凹部3fに、回転駆動力を伝達可能に嵌合するテーパー状の第一突起3c及び第一凹部3dを有する。第一突起3c及び第一凹部3dと、第二突起3e及び第二凹部3fとは、互いに向かう方向にテーパー状になった形状を有する。そして、第二トルク伝達部材3bが、第一トルク伝達部材3aに対して弾性押圧力を作用させるように弾性的に撓んでいる。
【0042】
上述の構成において、第一突起3c及び第一凹部3dと第二突起3e及び第二凹部3fとを互いに嵌合させることによって、第一トルク伝達部材3aと第二トルク伝達部材3bとを回転駆動力を伝達可能に接続することができる。これにより、クランク軸1bとアウタロータ12とが回転駆動力を伝達可能に接続される。さらに、第二トルク伝達部材3bが、第一トルク伝達部材3aに対して弾性押圧力を作用させているため、クランク軸1b及びアウタロータ12に振動、トルク変動等が生じても、上記嵌合が維持され、第一突起3cと第二突起3eとが遊びを生じることなく接触状態を維持する。よって、連結部3における振動及び騒音が低減する。さらにまた、第一突起3c及び第一凹部3dがテーパ状であり、第二突起3e及び第二凹部3fがテーパー状であるため、互いの嵌合が容易である。よって、第一トルク伝達部材3aと第二トルク伝達部材3bとの連結が容易になる。
【0043】
動力伝達装置100の連結部3において、複数の第一突起3cが、第一トルク伝達部材3aの回転方向に沿って並び、複数の第二突起3eが、第二トルク伝達部材3bの回転方向に沿って並ぶ。第一突起3c及び第二突起3eは、互いに向かって突出する先細のテーパー形状を有すると共に互いの間に嵌合可能である。上述の構成によって、第一突起3c及び第一凹部3dと、第二突起3e及び第二凹部3fとの嵌合が、容易になる。
【0044】
さらに、動力伝達装置100の連結部3において、第一突起3cは、クランク軸1bの回転方向側に位置し且つクランク軸1bの径方向に沿って延在する第一直立側面3c2と、クランク軸1bの回転方向と反対側に位置し且つクランク軸1bの軸方向に対して傾斜して第一突起3cを先細にするように延在する第一テーパー側面3c3とを有する。第二突起3eは、クランク軸1bの回転方向側に位置し且つクランク軸1bの軸方向に対して傾斜して第二突起を先細にするように延在する第二テーパー側面3e2と、クランク軸1bの回転方向と反対側に位置し且つクランク軸1bの径方向に沿って延在する第二直立側面3e3とを有する。第一突起3c及び第二突起3eの嵌合時、第一直立側面3c2と第二直立側面3e3とが隣接し、第一テーパー側面3c3と第二テーパー側面3e2とが隣接する。
上述の構成において、内燃機関1の運転時、第一直立側面3c2が第二直立側面3e3を押圧して、第一トルク伝達部材3aの回転駆動力が第二トルク伝達部材3bへ伝達される。第一直立側面3c2及び第二直立側面3e3は、回転方向に対して略垂直に延在するため、互いの間において、滑りが生じることなく、回転駆動力が確実に伝達される。
【0045】
また、動力伝達装置100の連結部3において、第一突起3c及び第二突起3eの嵌合時、第一突起3cの先端面3c1は、第二凹部3fとの間に間隙を有し、第二突起3eの先端面3e1は、第一凹部3dとの間に間隙を有する。上述の構成によって、第一突起3c及び第二突起3eは常に、第二凹部3f及び第一凹部3dに底付きすることなく、弾性を伴った力に押圧されつつ、互いに嵌合することができる。
【0046】
実施の形態に係る動力伝達装置100において、連結部3では、第一トルク伝達部材3aの第一突起3cの第一直立側面3c2と、第二トルク伝達部材3bの第二突起3eの第二直立側面3e3とは、クランク軸1b及び入力軸4の径方向に沿って延在していたが、これに限定されるものでない。第一直立側面3c2及び第二直立側面3e3は、クランク軸1b及び入力軸4の径方向に対して交差するように傾斜していてもよく、クランク軸1b及び入力軸4の軸方向に対して交差するように傾斜していてもよい。傾斜角度を調節することによって、内燃機関1の運転時における第一直立側面3c2と第二直立側面3e3との間の滑りを抑えることができる。
また、第一突起3cの第一テーパー側面3c3と第二突起3eの第二テーパー側面3e2とが、クランク軸1b及び入力軸4の径方向に沿って延在してもよい。
【0047】
実施の形態に係る動力伝達装置100において、連結部3では、第二トルク伝達部材3bのみが、入力軸4の軸方向に弾性的に撓むことができるように構成されていたが、これに限定されるものでない。第二トルク伝達部材3bの代わりに第一トルク伝達部材3aのみが、又は、第一トルク伝達部材3a及び第二トルク伝達部材3bの両方が、入力軸4の軸方向に弾性的に撓むことができるように構成されてもよい。
実施の形態に係る動力伝達装置100において、連結部3では、弾性的に撓むことができる第二トルク伝達部材3bは、金属ベースのダイヤフラムから形成されていたが、これに限定されるものでなく、ベローズ等の弾性的に撓むことができ且つ内燃機関1の回転駆動力を伝達できる強度及び剛性を有するものであればよい。
【0048】
実施の形態に係る動力伝達装置100において、カップリングモータ10では、入力軸4が結合されるアウタロータ12が、出力軸9が結合されるインナロータ11の外側に配置されていたが、入力軸4が連結されるロータが、出力軸9が連結されるロータの内側に配置されてもよい。
実施の形態に係る動力伝達装置100において、カップリングモータ10では、インナロータ11に三相巻線11aが配置され、アウタロータ12に永久磁石12aが配置されていたが、インナロータ11に永久磁石が配置され、アウタロータ12に三相巻線が配置されてもよい。
【0049】
実施の形態に係る動力伝達装置100において、2つのロータ11及び12を備えるがステータを備えないカップリングモータ10が用いられていたが、これに限定されるものでなく、2つのロータとステータとを備えるダブルロータ型のモータが用いられてもよい。
実施の形態に係る動力伝達装置100において、カップリングモータ10には、マニュアルトランスミッション20が連結されていたが、これに限定されるものでない。カップリングモータ10には、オートマチックトランスミッション、無段変速機、デュアルクラッチトランスミッション等のいかなる変速機が連結されてもよい。
実施の形態に係る動力伝達装置100は、ハイブリッド自動車への搭載に限定されるものでなく、建設機械、ディーゼル機関車等のガソリンエンジン及びディーゼルエンジンなどの内燃機関と回転電機とを動力とする車両や機械に搭載してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 内燃機関、1b クランク軸(内燃機関出力軸)、3 連結部、3a 第一トルク伝達部材、3b 第二トルク伝達部材、3c 第一突起(第一テーパー状嵌合部)、3c1 先端面(第一突起の先端)、3c2 第一直立側面、3c3 第一テーパー側面、3d 第一凹部(第一テーパー状嵌合部)、3e 第二突起(第二テーパー状嵌合部)、3e1 先端面(第二突起の先端)、3e2 第二テーパー側面、3e3 第二直立側面、3f 第二凹部(第二テーパー状嵌合部)、11 インナロータ(第二回転子)、12 アウタロータ(第一回転子)、29 車両駆動機構、100 動力伝達装置、200 車両駆動装置。
図1
図2
図3
図4
図5