(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中間転写ユニットおよび前記装置本体に配置され、前記装置本体内において前記中間転写ユニットの前記装着方向後端側の前記第3方向における位置決めを行う第3位置決め部を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
前記中間転写ユニットおよび前記フレームに配置され、前記装置本体内において前記中間転写ユニットの前記第1方向における位置決めを行う第4位置決め部を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る画像形成装置10について、図面に基づき詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置の一例として、タンデム方式のカラープリンタを例示する。画像形成装置は、例えば、複写機、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等であってもよい。
【0024】
図1Aは、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。
図1Bは、画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。この画像形成装置1は、箱形の筐体構造を備える装置本体11を備える。この装置本体11内には、シートを給紙する給紙部12、作像ユニット13および中間転写ユニット14を含む画像形成ユニット10、二次転写ローラー26、作像ユニット13にトナーを補給する不図示のトナー補給部、及び、シート上に形成された未定着トナー像をシートに定着する処理を施す定着部16が内装されている。さらに、装置本体11の上部には、定着部16で定着処理の施されたシートが排紙される排紙トレイ171が備えられている。
【0025】
装置本体11の上面の適所には、シートに対する出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、電源キーや出力条件を入力するためのタッチパネルや各種の操作キーが設けられている。装置本体11内には、さらに、作像ユニット13より右側位置に、上下方向に延びるシート搬送路11Aが形成されている。シート搬送路11Aには、適所にシートを搬送する搬送ローラー対が設けられている。また、シートのスキュー矯正を行うと共に、後述する二次転写ニップ部に所定のタイミングでシートを送り込むレジストローラー対も、シート搬送路11Aにおける前記ニップ部の上流側に設けられている。シート搬送路11Aは、シートを給紙部12から排紙トレイ171まで、作像ユニット13(二次転写ニップ部)及び定着部16を経由して搬送させる搬送路である。
【0026】
給紙部12は、給紙カセット121、ピックアップローラー122、及び給紙ローラー対123を備える。給紙カセット121は、装置本体11の下方位置に挿脱可能に装着され、複数枚のシートが積層されたシート束を貯留する。給紙カセット120は、リフト板121Sを備える。
【0027】
ピックアップローラー122は、給紙カセット121に貯留されたシート束の最上面のシートを1枚ずつ繰り出す。給紙ローラー対123は、ピックアップローラー122によって繰り出されたシートをシート搬送路11Aに送り出す。給紙部12は、更に、手差しトレイ124、ピックアップローラー125を備える。手差しトレイ124は、手差しされるシートが載置されるトレイであり、手差しでシートを給紙する際、
図1Bに示すように、装置本体11の前面から開放される。ピックアップローラー125は、手差しトレイ124に載置されたシートを繰り出す。手差しトレイ124から後方に向かって、手差し搬送路11Cが延設されている。シートは、手差し搬送路11Cを介して、シート搬送路11Aに搬入される。
【0028】
画像形成ユニット10は、作像ユニット13および中間転写ユニット14を含む。作像ユニット13は、画像形成ユニット10の下方部分に配置され、中間転写ユニット14は、画像形成ユニット10の上方部分に配置されている。
【0029】
作像ユニット13は、シートに転写するトナー像を形成するものであって、異なる色のトナー像を形成する複数のユニットを備える。このユニットとして、本実施形態では、中間転写ベルト141の回転方向上流側から下流側へ(
図1Bに示す前方から後方へ)向けて順次配設された、マゼンタ(M)色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット、シアン(C)色の現像剤を用いるシアン用ユニット、イエロー(Y)色の現像剤を用いるイエロー用ユニット、及びブラック(Bk)色の現像剤を用いるブラック用ユニットが備えられている。各ユニットは、それぞれ感光体ドラム20(像担持体)と、感光体ドラム20の周囲に配置された帯電装置21、現像装置23及びクリーニング装置25とを備える。また、各ユニット共通の露光装置22が、画像形成ユニットの下方に配置されている。露光装置22は、第1露光装置22Aと、第2露光装置22Bとを備える。
【0030】
感光体ドラム20は、その軸心回りに回転駆動され、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。なお、感光体ドラム20の回転軸心は、中間転写ベルト141の回転方向と直交する第1方向(左右方向)に延びている。この感光体ドラム20としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。また、
図1Bに示すように、各色に対応した複数の感光体ドラム20は、第1方向と直交する第2方向(前後方向、水平方向)に所定の間隔をおいて配置されている。
【0031】
帯電装置21は、感光体ドラム20の表面を均一に帯電する。帯電装置21としては、帯電ローラーと、前記帯電ローラーに付着したトナーを除去するための帯電クリーニングブラシとを備える、接触帯電方式による帯電装置を採用することができる。露光装置22は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、均一に帯電された感光体ドラム20の周面に、画像データに基づき変調された光を照射して、静電潜像を形成する。また、クリーニング装置25は、トナー像転写後の感光体ドラム20の周面を清掃する。
【0032】
現像装置23は、感光体ドラム20上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム20の周面にトナーを供給する。現像装置23は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤用のものである。現像装置23が感光体ドラム20の周面にトナーを供給することで、静電潜像が現像される。本実施形態では、前記トナーはプラスの極性に帯電する特性を備える。なお、
図1Bに示すように、各色に対応した複数の現像装置23は、それぞれ、感光体ドラム20に対向して配置されている。
【0033】
中間転写ユニット14は、複数の作像ユニット13の上方に設けられた空間に配置される。中間転写ユニット14は、中間転写ベルト141と、駆動ローラー142と、テンションローラー143と、複数の一次転写ローラー24と、を備える。
【0034】
中間転写ベルト141は、無端状のベルト状回転体であって、その周面側が各感光体ドラム20の周面にそれぞれ対向して配置されるように、駆動ローラー142及びテンションローラー143に架け渡されている。中間転写ベルト141は、前後方向に沿って周回駆動され、複数の感光体ドラム20から転写されたトナー像を表面に担持する。中間転写ベルト141は、基層、弾性層、及びコート層から成る積層構造を有する導電性の軟質ベルトである。
【0035】
駆動ローラー142は、中間転写ユニット14の右端側で中間転写ベルト141を張架し、中間転写ベルト141を周回駆動させる。駆動ローラー142は金属ローラーからなる。テンションローラー143は、中間転写ユニット14の左端側で中間転写ベルト141を張架する。テンションローラー143は、中間転写ベルト141に張力を付与する。
【0036】
複数の一次転写ローラー24は、中間転写ベルト141の内周部において、中間転写ベルト141を挟んで感光体ドラム20にそれぞれ対向して配置される。この結果、一次転写ローラー24は、感光体ドラム20との間で一次転写ニップ部を形成する。一次転写ローラー24は、感光体ドラム20から中間転写ベルト141にトナー像を一次転写させる。
図1Bに示されるように、各色の感光体ドラム20に対向して、それぞれ、一次転写ローラー24が配置される。一次転写ローラー24は、前後方向に延びるローラーであって、中間転写ベルト141とともに回転される。
【0037】
二次転写ローラー26は、中間転写ベルト141を挟んで駆動ローラー142に対向して配置されている。二次転写ローラー26は、中間転写ベルト141の周面に圧接されて駆動ローラー142との間で二次転写ニップ部を形成している。中間転写ベルト141上に一次転写されたトナー像は、給紙部12から供給されるシートに前記二次転写ニップ部において二次転写される。二次転写ローラー26は、後述のように、装置本体11の内部において回転可能に支持されている。
【0038】
定着部16は、内部に加熱源を備えた定着ローラーと、定着ローラー1と対向配置され定着ニップ部を形成する加圧ローラーとを備えている。定着部16へ供給されたシートは、前記定着ニップ部を通過することで、加熱加圧される。これにより、前記二次転写ニップ部でシートに転写されたトナー像は、シートに定着される。
【0039】
排紙トレイ171は、装置本体11の上面部111T(
図1A)が凹没されることによって形成されている。定着処理が施されたシートは、定着部16の上部にまで延設されたシート搬送路11Aを経由して、排出口115から排紙トレイ171へ排紙される。なお、シートの両面に画像が形成される際には、一の面に画像が形成されたシートは、両面搬送路11Bを介して、再びシート搬送路11Aに搬入される。
【0040】
図2Aは、本実施形態に係る画像形成装置1から給紙トレイ121および手差しトレイ124が取り外された状態の斜視図である。
図2Bは、
図2Aの画像形成装置1から、更にインナーカバー11F(
図2A)が取り外された状態の斜視図である。
図2Cは、
図2Bの画像形成装置1の一部を拡大した拡大斜視図である。
図3Aは、本実施形態に係る画像形成ユニットの斜視図である。
図3Bは、画像形成ユニットの側面図である。更に、
図4は、画像形成ユニット10の装置本体11に画像形成ユニット10が装着される様子を示す斜視図である。なお、
図2Cを含む以後の図面では、部分的な図示の際には、波線によって破断線が示されている。
【0041】
図1Aおよび
図2Aを参照して、画像形成ユニット10は、手差しトレイ124の内側に配置されたインナーカバー11Fを備える。インナーカバー11Fは、手差しトレイ124が装置本体11に対して開放された際に、装置本体11の内部を塞ぐカバーである。インナーカバー11Fは、装置本体11の内部において、給紙トレイ121が装着されるトレイ装着部12Sの上方に配置されている。インナーカバー11Fが装置本体11から取り外されると、
図2Bに示すように、画像形成ユニット10が露出する。
図2Bおよび
図2Cでは、画像形成ユニット10の中間転写ユニット14に含まれる中間転写ベルト141が現れている。
【0042】
画像形成ユニット10は、作像ユニット13および中間転写ユニット14を含んだ状態で、
図4に示すように装置本体11に対して着脱される。
図3A乃至
図4では、画像形成ユニット10の装置本体11に対する装着方向が矢印DSにて示されている。前述の中間転写ベルト141は、画像形成ユニット10の装着方向(前後方向)に延びるように延設されている。駆動ローラー142(第1ローラー)は、画像形成ユニット10(後記の作像フレーム10F)の装着方向先端側で中間転写ベルト141を支持し、テンションローラー143(第2ローラー)は、画像形成ユニット10の装着方向後端側で中間転写ベルト141を支持している。
【0043】
次に、画像形成ユニット10の構造について、
図5A乃至
図5Eを参照して説明する。画像形成ユニット10は、作像フレーム10F(フレーム)を備える。作像フレーム10Fは、複数の感光体ドラム20、現像装置23および中間転写ユニット14を支持する金属製のフレームである。
図5Aは、本実施形態に係る作像フレーム10Fの斜視図である。
図5Bは、本実施形態に係る作像フレーム10Fに複数の現像装置23が装着される様子を示す斜視図である。
図5Cは、作像フレーム10Fに複数の感光体ドラム20が装着される様子を示す斜視図である。
図5Dは、作像フレーム10Fに中間転写ユニット14が装着される様子を示す斜視図である。
図5Eは、作像フレーム10Fに複数の感光体ドラム20および現像装置23、中間転写ユニット14が装着された画像形成ユニットの斜視図である。
【0044】
図5Aを参照して、作像フレーム10Fは、上下方向に所定の高さをもって、前後および左右方向に延びている。作像フレーム10Fは、フレーム右壁10FRと、フレーム左壁10FLと、フレーム前壁10FAと、フレーム後壁10FBと、フレームリブ10FCと、を備える。フレーム右壁10FRおよびフレーム左壁10FLは、それぞれ、作像フレーム10Fの左右方向の端部において立設された側壁である。フレーム前壁10FAおよびフレーム後壁10FBは、それぞれ、作像フレーム10Fの前面部および後面部を画定する。また、フレーム前壁10FAおよびフレーム後壁10FBは、フレーム右壁10FRおよびフレーム左壁10FLを接続している。また、フレームリブ10FCは、フレーム前壁10FAとフレーム後壁10FBとの間において、フレーム右壁10FRおよびフレーム左壁10FLを接続する複数の連結部材である。
図5Aに示すように、作像フレーム10Fは上面部が開口された開口部を備え、作像フレーム10Fの内部に各ユニットが装着される空間部が形成されている。
【0045】
画像形成ユニット10が装置本体11に装着されるにあたって、予め、複数の感光体ドラム20、現像装置23および中間転写ユニット14が作像フレーム10Fに装着される。まず、
図5Bに示すように、複数の現像装置23が作像フレーム10Fの上方から前記開口部を介して作像フレーム10Fの内部に装着される。この結果、現像装置23の不図示の現像ローラーが、作像フレーム10Fに対して位置決めされる。現像ローラーは、感光体ドラム20にトナーを供給する。
【0046】
更に、
図5Cに示すように、それぞれ感光体ドラム20を含む複数のドラムユニットが作像フレーム10Fの上方から前記開口部を介して作像フレーム10Fの内部に装着される。この結果、複数の感光体ドラム20の回転軸心が作像フレーム10Fに対して位置決めされる。また、各色の感光体ドラム20と現像装置23の現像ローラーとの間の間隔が決定される。
【0047】
その後、
図5Dに示すように、中間転写ユニット14が、作像フレーム10Fの上面部(開口部)を塞ぐように作像フレーム10Fに装着される。中間転写ユニット14は、ユニット左壁14Lとユニット右壁14Rとを備える。ユニット左壁14Lおよびユニット右壁14Rは、中間転写ユニット14の左右方向に端部において、前後方向に長く延びる側壁である。ユニット左壁14Lおよびユニット右壁14Rは、樹脂材料から構成される。前述の駆動ローラー142、テンションローラー143および一次転写ローラー24は、ユニット左壁14Lおよびユニット右壁14Rに回転可能に支持されている。中間転写ユニット14が作像フレーム10Fに装着されると、
図5Eに示すように、複数の感光体ドラム20および現像装置23と中間転写ユニット14とが一体の画像形成ユニット10とされる。このように、複数の感光体ドラム20、複数の現像装置23および中間転写ユニット14が同じ装着方向に沿って、作像フレーム10Fに容易に装着することができる。
【0048】
また、本実施形態では、作像フレーム10Fが、複数の感光体ドラム20および複数の現像装置23を支持し、装置本体11に対して前後方向に沿って着脱可能とされている。そして、中間転写ユニット14は作像フレーム10Fと一体的に装置本体11に対して着脱される。このため、中間転写ユニット14の装置本体11に対する着脱が容易に実現される。
【0049】
なお、作像フレーム10Fは装置本体11の内部で位置決め固定される。詳しくは、フレーム右壁10FRおよびフレーム左壁10FLの装着方向先端部に備えられた一対のフレーム固定部10FT(
図5A)が、装置本体11内の不図示の挿入孔に挿入される。なお、
図5Aでは、フレーム右壁10FR側のフレーム固定部10FTだけが現れているが、フレーム左壁10FLの先端部にも同様の固定部が備えられている。一対のフレーム固定部10FTによって、装置本体11の内部において、作像フレーム10Fの上下および左右方向の位置が固定される。更に、
図5Eを参照して、作像フレーム10Fは、右締結部10Pおよび左締結部10Qを備える。右締結部10Pおよび左締結部10Qは、それぞれ、スクリュー用の穴部を備えている。画像形成ユニット10が装置本体11に装着されると、
図2Cに示すように、右締結部10Pおよび左締結部10Qは、それぞれ、装置本体11の内部のフレーム(不図示)に対向して配置される。右締結部10Pおよび左締結部10Qにおいて、作像フレーム10Fがスクリューによって装置本体11に締結されると、作像フレーム10Fの前後方向の位置が固定される。この結果、装置本体11の内部において、複数の感光体ドラム20および複数の現像装置23の位置が決定される。
【0050】
次に、作像フレーム10Fとともに装置本体11の内部に装着される中間転写ユニット14の位置決めについて説明する。
【0051】
<第1位置決め部について>
画像形成ユニット10は、第1位置決め部を備える。第1位置決め部は、中間転写ユニット14および作像フレーム10Fに配置され、装置本体11内において中間転写ユニット14の前後方向(第2方向)における位置決めを行う。
図6Aは、本実施形態に係る画像形成装置10の一の第1位置決め部の側面図である。
図6Bおよび
図6Cは、
図6Aの第1位置決め部の一部の側面図である。
図6Dは、
図6Aの第1位置決め部の斜視図である。
図6Eは、
図6Aの第1位置決め部の一部の斜視図である。
図6Fは、
図6Aの第1位置決め部の一部の後面図である。
【0052】
図6A乃至
図6Fを参照して、中間転写ユニット14は、第1ユニット固定部31(第1位置決め部)を備える。また、作像フレーム10Fは、第1フレーム固定部32(第1位置決め部、第4位置決め部)を備える。第1ユニット固定部31および第1フレーム固定部32は、本発明の第1位置決め部を構成する。
【0053】
第1ユニット固定部31は、中間転写ユニット14のユニット右壁14Rの後端側に配置されている。同様に、第1フレーム固定部32は、上下方向において、第1ユニット固定部31に対向するように、作像フレーム10Fのフレーム右壁10FRに配置されている。
【0054】
図6Dに示すように、第1ユニット固定部31は、ユニット右壁14Rから突設された略直方体形状の突起部である。第1ユニット固定部31の右側面および下面部は開口されている。そして、第1ユニット固定部31の内部には、突起収容部31Sが形成されている。第1ユニット固定部31の下面部を介して、第1フレーム固定部32が突起収容部31Sに挿入される。
【0055】
第1ユニット固定部31は、屈曲リブ310と、第1天板部31Tと、第1前面部31Fと、を備える。屈曲リブ310は、第1ユニット固定部31の右下部に配置されたリブ部分である。第1天板部31Tは、第1ユニット固定部31の上面部を画定する天板である。第1前面部31Fは、第1ユニット固定部31の前面部を画定する。
【0056】
一方、
図6Cおよび
図6Eを参照して、第1フレーム固定部32は、フレーム右壁10FRの上面部から上方に向かって突設された突起である。第1フレーム固定部32は、前後左右に面する四面を備えている。第1フレーム固定部32は、突起前面部32Aと、突起後面部32Bと、突起右面部32Rと、を備える。
【0057】
前述のように、中間転写ユニット14が上方から作像フレーム10Fに装着される際、第1ユニット固定部31の内部に第1フレーム固定部32が進入する。この際、第1フレーム固定部32の突起前面部32Aが第1ユニット固定部31の第1前面部31F(
図6D)に当接し、第1フレーム固定部32の突起後面部32Bが第1ユニット固定部31のうち第1前面部31Fに対向する面に当接する。この結果、中間転写ユニット14のユニット右壁14R側が前後方向において作像フレーム10Fに位置決め固定される。
【0058】
図7Aは、本実施形態に係る画像形成装置10の他の第1位置決め部の側断面図である。
図7Bは、
図7Aの第1位置決め部の斜視図である。
図7Cは、
図7Aの第1位置決め部の斜視図である。
【0059】
図7A乃至
図7Cを参照して、中間転写ユニット14は、第2ユニット固定部41(第1位置決め部)を備える。また、作像フレーム10Fは、第2フレーム固定部42(第2位置決め部)を備える。第2ユニット固定部41および第2フレーム固定部42は、先の第1ユニット固定部31および第1フレーム固定部32とともに、本発明の第1位置決め部を構成する。
【0060】
第2ユニット固定部41は、中間転写ユニット14のユニット左壁14Lの後端側に配置されている。同様に、第2フレーム固定部42は、上下方向において、第2ユニット固定部41に対向するように、作像フレーム10Fのフレーム左壁10FLに配置されている。
【0061】
第2ユニット固定部41は、ユニット左壁14Lから突設された略コの字状の突起である。なお、
図7Bに示すように、第2ユニット固定部41は、駆動ローラー142の駆動ローラー軸142Sの直ぐ前側に配置されている。第2ユニット固定部41は、後リブ411と、前リブ412とを備える。後リブ411および第2フレーム固定部42は、前後方向に間隔をおいて配置され、ぞれぞれ、上下方向に延びるように配置されている。後リブ411と前リブ412との間に、第2フレーム固定部42が挿入される。後リブ411は、後突起411Aを備える。また、前リブ412は、前突起412Aを備える。後突起411Aおよび前突起412Aは、後リブ411および前リブ412から、互いに対向するように突設された爪部である。
【0062】
一方、第2フレーム固定部42は、フレーム左壁10FLの裏側(内面部)に配置されている(
図7C)。第2フレーム固定部42は、前規制面42Aと、後規制面42Bとを備える。前規制面42Aおよび後規制面42Bは、前後方向において、互いに反対側に面するように立設された壁面である。なお、前規制面42Aは、フレーム左壁10FLの裏面に突設された直方体形状の内側突部421の前面部に相当する。前規制面42Aと後規制面42Bとの間の前後方向の間隔は、第2ユニット固定部41の後リブ411と前リブ412との間の間隔に略等しくなるように設定されている。
【0063】
前述のように、中間転写ユニット14が上方から作像フレーム10Fに装着される際(
図7Cの矢印参照)、第2フレーム固定部42が第2ユニット固定部41Bの内部に進入する(
図7Bの矢印参照)。そして、
図7Aに示すように、第2フレーム固定部42の後規制面42Bが後リブ411の後突起411Aに当接し、前規制面42Aが前リブ412の前突起412Aに当接する。この結果、中間転写ユニット14のユニット左壁14L側が前後方向において作像フレーム10Fに位置決め固定される。
【0064】
以上のように、本実施形態では、中間転写ユニット14が作像フレーム10Fに装着されると、第1ユニット固定部31、第1フレーム固定部32、第2ユニット固定部41および第2フレーム固定部42によって、中間転写ユニット14の前後方向の位置が作像フレーム10Fに対して固定される。そして、作像フレーム10Fが装置本体11に装着されることで、作像フレーム10Fを介して中間転写ユニット14の装置本体11内での前後方向の位置が固定される。中間転写ユニット14の前後方向の位置がずれると、中間転写ユニット14内の各色の一次転写ローラー24と各色の感光体ドラム20との位置がずれてしまう。本実施形態では、装置本体11内の部品を介することなく、中間転写ユニット14内の一次転写ローラー24と感光体ドラム20との位置決めを精度良く行うことができる。この結果、一次転写ローラー24と感光体ドラム20との平行度(それぞれの軸心同士の平行度合)が良好に維持され、各感光体ドラム20から中間転写ベルト141にトナー像が精度良く転写される。したがって、中間転写ベルト141上において複数色のトナー像のずれが抑制される。
【0065】
<第2位置決め部について>
更に、画像形成ユニット10は、第2位置決め部を備える。第2位置決め部は、中間転写ユニット14および装置本体11に配置され、装置本体11内において中間転写ユニット14の装着方向先端側(後端側)における上下方向(第3方向、第1方向および第2方向と交差する方向)における位置決めを行う。装置本体11は、本体フレーム11Hを備える。本体フレーム11Hは、装置本体11を構成する金属製のフレームである。
図8Aは、本実施形態に係る画像形成装置の本体フレーム11Hの斜視図である。
図8Bは、
図8Aの本体フレーム11Hの一部を拡大した拡大斜視図である。
図8Cは、中間転写ユニット14の斜視図である。
図8Dは、
図8Cの中間転写ユニット14の一部を拡大した拡大斜視図である。
図8Eは、画像形成ユニット10の一の第2位置決め部の断面図である。
【0066】
図8Aを参照して、本体フレーム11Hは、略直方体形状からなる。本体フレーム11Hの内部に画像形成ユニット10の各ユニットが収容される。本体フレーム11Hは、右本体フレーム11H1と、左本体フレーム11H2と、前本体フレーム11H3と、後本体フレーム11H4とを備える。右本体フレーム11H1および左本体フレーム11H2は、それぞれ、略矩形形状を備える板金であって、上下方向に立設されている。前本体フレーム11H3および後本体フレーム11H4は、本体フレーム11Hの前後において、右本体フレーム11H1および左本体フレーム11H2を接続するフレームである。
図8Aにおいて、前述の画像形成ユニット10は、本体フレーム11Hの前方から前本体フレーム11H3の下を通過しながら、本体フレーム11Hの内部に装着される。
【0067】
本体フレーム11Hは、ベアリング固定部51(
図8A、
図8B)(第2位置決め部、被嵌合部)を備える。ベアリング固定部51は、本実施形態の一の第2位置決め部を構成する。ベアリング固定部51は、右本体フレーム11H1の内壁面(左側面)において、後本体フレーム11H4の上端部近傍に配置されている。
図8Bに示すように、ベアリング固定部51は、前方が開口された略U字形状部分を備えている。当該U字形状部分に、ベアリング進入部51Sが形成される。ベアリング進入部51Sには、後記のベアリング142Bが嵌合される。ベアリング進入部51Sを画定すべく、ベアリング固定部51は、右上規制面511と、右下規制面512と、右後規制面513とを備える。右上規制面511は、ベアリング進入部51Sの上面部を画定する。右下規制面512は、右上規制面511の下方に配置され、ベアリング進入部51Sの下面部を画定する。右上規制面511および右下規制面512は、前後方向(水平方向)に延びる平面からなる。右後規制面513は、右上規制面511および右下規制面512の後端部を上下方向に連結する。また、右上規制面511の前端部には、画像形成ユニット10の装着方向(
図8Bの矢印D81)に沿って先下がりの傾斜面からなる右上テーパ511Aが連結されている。同様に、右下規制面512の前端部には、画像形成ユニット10の装着方向に沿って先上がりの傾斜面からなる右下テーパ512Aが連結されている。
【0068】
更に、ベアリング固定部51は、二次転写ローラー右軸受部53を備える。二次転写ローラー右軸受部53は、ベアリング進入部51Sの下方に配置されている。二次転写ローラー右軸受部53は、下方かつ後方から上方かつ前方に向かって先上がりの傾斜形状を備えた溝部である。二次転写ローラー右軸受部53は、二次転写ローラー26の不図示のシャフトの一端を回転可能に軸支する。この結果、ベアリング固定部51は、二次転写ローラー26を装置本体11内において位置決めする機能も備えている。なお、二次転写ローラー26は、不図示のスプリングによって、装置本体11内に装着された中間転写ユニット14の駆動ローラー142に向かって付勢されている。
【0069】
図8Cおよび
図8Dを参照して、中間転写ユニット14は、駆動ローラーギア142Gと、ベアリング142B(円筒部)(第2位置決め部、円筒部)と、を備える。また、先のユニット右壁14Rは、右先端壁14R1を備える。右先端壁14R1は、ユニット右壁14Rの後端部に相当する。駆動ローラー142の回転軸である駆動ローラー軸142Sは、右先端壁14R1に軸支されている。駆動ローラーギア142Gは、右先端壁14R1の右側面に対向するように、駆動ローラー軸142Sに固定されたギアである。なお、
図8Dでは、駆動ローラーギア142Gの外周面に配置されたギア歯は省略されている。中間転写ユニット14を含む画像形成ユニット10が装置本体11に装着されると、駆動ローラーギア142Gが不図示の駆動モーターに連結される。この結果、駆動ローラーギア142Gを介して駆動ローラー142が回転され、中間転写ベルト141が周回駆動される。
【0070】
ベアリング142Bは、駆動ローラーギア142Gに隣接するように、駆動ローラー軸142Sの軸心上に配置されている。ベアリング142Bは、駆動ローラー軸142Sに外嵌されたボールベアリングである。ベアリング142Bは、先のベアリング固定部51とともに、本実施形態の一の第2位置決め部を構成する。
【0071】
中間転写ユニット14を含む画像形成ユニット10が装置本体11内に装着される際、中間転写ユニット14のベアリング142Bが、
図8Bの矢印D81方向に沿って、ベアリング進入部51Sに進入する。この際、右上テーパ511Aおよび右下テーパ512Aによって、ベアリング142Bの進入がスムーズに実現される。そして、
図8Eに示すように、ベアリング142Bの上端部が右上規制面511に当接し、ベアリング142Bの下端部が右下規制面512に当接する。この結果、ベアリング142Bがベアリング固定部51に嵌合することで、中間転写ユニット14の右端側において、駆動ローラー142の上下方向における位置が固定される。
【0072】
図9Aは、本実施形態に係る画像形成装置1の本体フレーム11Hの斜視図である。
図9Bは、
図9Aの本体フレーム11Hの一部を拡大した拡大斜視図である。
図9Cは、本実施形態に係る中間転写ユニット14の斜視図である。
図9Dは、
図9Cの中間転写ユニット14の一部を拡大した拡大斜視図である。
図9Eは、本実施形態に係る画像形成装置1の他の第2位置決め部の断面図である。
【0073】
本体フレーム11Hは、スリーブ固定部61(
図9A、
図9B)(第2位置決め部、被嵌合部)を備える。スリーブ固定部61は、本実施形態の他の第2位置決め部を構成する。スリーブ固定部61は、左本体フレーム11H2の内壁面(右側面)において、後本体フレーム11H4の上端部近傍に配置されている。
図9Bに示すように、スリーブ固定部61は、前方が開口された略U字形状部分を備えている。当該U字形状部分に、スリーブ進入部61Sが形成される。スリーブ進入部61Sには、駆動ローラースリーブ142H(
図9D)が嵌合される。スリーブ進入部61Sを画定すべく、スリーブ固定部61は、左上規制面511と、左下規制面612と、左後規制面613とを備える。左上規制面611は、スリーブ進入部61Sの上面部を画定する。左下規制面612は、左上規制面611の下方に配置され、スリーブ進入部61Sの下面部を画定する。左上規制面611および左下規制面612は、前後方向(水平方向)に延びる平面からなる。左後規制面613は、左上規制面611および左下規制面612の後端部を上下方向に連結する。また、左上規制面611の前端部には、画像形成ユニット10の装着方向(
図9Bの矢印D91)に沿って先下がりの傾斜面からなる左上テーパ611Aが連結されている。同様に、左下規制面612の前端部には、画像形成ユニット10の装着方向に沿って先上がりの傾斜面からなる左下テーパ612Aが連結されている。
【0074】
更に、スリーブ固定部61は、二次転写ローラー左軸受部63を備える。二次転写ローラー左軸受部63は、スリーブ進入部61Sの下方に配置されている。二次転写ローラー左軸受部63は、下方かつ後方から上方かつ前方に向かって先上がりの傾斜形状を備えた溝部である。二次転写ローラー左軸受部63は、二次転写ローラー26の不図示のシャフトの他端を回転可能に軸支する。この結果、スリーブ固定部61は、二次転写ローラー26を装置本体11内において位置決めする機能も備えている。なお、二次転写ローラー26の左端部も、不図示のスプリングによって、装置本体11内に装着された中間転写ユニット14の駆動ローラー142に向かって付勢されている。
【0075】
図9Cおよび
図9Dを参照して、中間転写ユニット14は、駆動ローラースリーブ142H(第2位置決め部、円筒部)と、Cクリップ142Eと、前述のベアリング142Bと、を備える。駆動ローラー軸142Sの左端部は、ユニット左壁14Lの後端部に軸支されている。
【0076】
先のベアリング142Bは、ユニット左壁14L側においても、駆動ローラー軸142Sの軸心上に配置されている(
図9E)。ベアリング142Bは、駆動ローラー軸142Sに外嵌されたボールベアリングである。
【0077】
駆動ローラースリーブ142Hは、右ベアリング142Bの径方向外側に配置され、右ベアリング142Bが挿通される不図示の軸穴を備えている。本実施形態では、駆動ローラースリーブ142Hは、ユニット左壁14Lの一部からなり、ユニット左壁14Lと一体的に樹脂成型される。
図9Dおよび
図9Eに示すように、駆動ローラースリーブ142Hは、右ベアリング142Bの径方向外側において、左方に向かって延びる円筒形状を備えている。駆動ローラースリーブ142Hは、本実施形態の他の第2位置決め部を構成する。Cクリップ142Eは、右ベアリング142Bの軸方向外側(左端側)において、駆動ローラー軸142Sに嵌め込まれている。Cクリップ142Eは、右ベアリング142Bの脱離を防止する。
【0078】
中間転写ユニット14を含む画像形成ユニット10が装置本体11内に装着される際、中間転写ユニット14の駆動ローラースリーブ142Hが、
図9Bの矢印D91方向に沿って、スリーブ進入部61Sに進入する。この際、左上テーパ611Aおよび左下テーパ612Aによって、駆動ローラースリーブ142Hの進入がスムーズに実現される。そして、
図9Eに示すように、駆動ローラースリーブ142Hの上端部が左上規制面511に当接し、駆動ローラースリーブ142Hの下端部が左下規制面612に当接する。この結果、駆動ローラースリーブ142Hがスリーブ固定部61に嵌合することで、中間転写ユニット14の左端側において、駆動ローラー142の上下方向における位置が固定される。
【0079】
以上のように、本実施形態では、中間転写ユニット14の装着方向先端側(後端側)の上下方向(第3方向)における位置決めは、中間転写ユニット14および装置本体11に配置された第2位置決め部によって実現される。このため、作像フレーム10Fを介することなく、中間転写ユニット14の駆動ローラー142と装置本体11側の二次転写ローラー26との位置決めを精度良く行うことができる。特に、本実施形態では、右側のベアリング142Bおよび駆動ローラースリーブ142Hが、それぞれベアリング固定部51およびスリーブ固定部61に嵌合することで、装置本体11内における中間転写ユニット14の駆動ローラー142の位置決めを精度良く行うことができる。更に、ベアリング固定部51およびスリーブ固定部61は、いずれも二次転写ローラー26を回転可能に支持する二次転写ローラー右軸受部53および二次転写ローラー左軸受部63を備えている。このため、中間転写ユニット14の駆動ローラー142と装置本体11側の二次転写ローラー26との位置決めを更に精度良く行うことができる。なお、前述のように、中間転写ユニット14のうち、駆動ローラー142および二次転写ローラー26の軸線同士を結ぶ方向(前後方向)については、第1位置決め部によって位置決めされる。更に、二次転写ローラー26に備えられた不図示の付勢ばねによって、駆動ローラー142および二次転写ローラー26のニップ圧が安定して維持される。一方、駆動ローラー142および二次転写ローラー26の軸線同士を結ぶ方向と略直行する方向(上下方向、第3方向)については、上記の第2位置決め部によって位置決めされる。このため、二次転写ニップ部がシートの搬送方向においてずれることが抑止され、シートにトナー像が安定して二次転写される。
【0080】
<第3位置決め部について>
更に、画像形成ユニット10は、第3位置決め部を備える。第3位置決め部は、中間転写ユニット14および装置本体11に配置され、装置本体11内において中間転写ユニット14の装着方向後端側(前端側)の上下方向(第3方向)における位置決めを行う。
図10Aは、本実施形態に係る画像形成装置1の第3位置決め部の正面図である。
図10Bは、画像形成装置1の一の第3位置決め部の斜視図である。
図10Cは、画像形成装置1の他の第3位置決め部の斜視図である。
図10Dは、画像形成装置1の第3位置決め部が位置決めされる様子を示す模式図である。
【0081】
中間転写ユニット14は、右当接部14P(当接部)と、左当接部14Q(当接部)とを備える。右当接部14Pは、ユニット右壁14Rの上端面の前端部から上方に向かって突設された薄板状の突起である。上面視で右当接部14Pは、矩形形状を備えている。同様に、左当接部14Qは、ユニット左壁14Lの上端面の前端部から上方に向かって突設された薄板状の突起である。上面視で左当接部14Qは、矩形形状を備えている。右当接部14Pおよび左当接部14Qは、中間転写ユニット14の装着方向後端側に、左右方向に間隔をおいて一対配置された当接部として機能する。
【0082】
また、装置本体11は、右被当接部10X1(
図10C)(被当接部)と、左被当接部10X2(
図10B)(被当接部)とを備える。右被当接部10X1は、前述の前本体フレーム11H3の下端面の右端部に相当する。同様に、左被当接部10X2は、前述の前本体フレーム11H3の下端面の左端部に相当する。右被当接部10X1および左被当接部10X2は、それぞれ、右当接部14Pおよび左当接部14Qに上下方向において対向して配置される。本実施形態では、右当接部14P、左当接部14Q、右被当接部10X1および左被当接部10X2が、第3位置決め部を構成する。
【0083】
図10Dを参照して、中間転写ユニット14は、更に、ローラー付勢ばね24S(付勢部材)と、ばね収容部14R2と、を備える。ローラー付勢ばね24Sは、一次転写ローラー24を感光体ドラム20に向かって付勢するコイルばねである。ローラー付勢ばね24Sの付勢力によって、一次転写ニップ圧が安定して維持される。ばね収容部14R2は、ユニット左壁14Lおよびユニット右壁14Rに形成されたコの字型の収容部である。ばね収容部14R2は、ローラー付勢ばね24Sを収容する。
図10Dに示すように、ローラー付勢ばね24Sの上端部は、ばね収容部14R2の内壁に係止されている。一方、ローラー付勢ばね24Sの下端部は、一次転写ローラー24の不図示のシャフトを下方に向かって付勢している。なお、ローラー付勢ばね24Sおよびばね収容部14R2は、一次転写ローラー24の軸方向の両端部にそれぞれ配置されており、更に、各色に備えられた、複数の一次転写ローラー24のそれぞれに対応して複数設けられている。
【0084】
中間転写ユニット14が装置本体11に装着されると、
図10Dに示すように、ローラー付勢ばね24Sの付勢力によって、一次転写ローラー24が感光体ドラム20に向かって押圧される。この時の反力が、ローラー付勢ばね24Sからばね収容部14R2に付与される。ばね収容部14R2は、ユニット右壁14Rおよびユニット左壁14Lの一部であるため、ばね収容部14R2に付与された反力によって、右当接部14Pおよび左当接部14Qが上方に向かって押圧される。この結果、右当接部14Pおよび左当接部14Qが、それぞれ、右被当接部10X1および左被当接部10X2に当接する。したがって、中間転写ユニット14の装着方向後端側(前端部)の上下方向の位置が固定される。このように、本実施形態では、作像フレーム10Fを介することなく、ローラー付勢ばね24Sの付勢力を利用して、装置本体11内における中間転写ユニット14の装着方向後端側の位置決めを精度良く行うことができる。この際、中間転写ユニット14の後端側と比較して、中間転写ユニット14の上下方向の位置規制が強く行われていないため、中間転写ユニット14の後端側の位置規制、すなわち、第2位置決め部による中間転写ユニット14の位置決めが、第3位置決め部によって妨げられることが抑止される。
【0085】
<第4位置決め部について>
画像形成ユニット10は、更に、第4位置決め部を備える。第4位置決め部は、中間転写ユニット14および作像フレーム10Fに配置され、装置本体11内において中間転写ユニット14の左右方向(第1方向)における位置決めを行う。本実施形態では、先の第1位置決め部として説明した第1ユニット固定部31および第1フレーム固定部32の周辺に、第4位置決め部が備えられている。先の
図6Fは、第1フレーム固定部32が第1ユニット固定部31に挿入される領域を、左右方向に沿った切断面で見た断面図である。
図6Fに示すように、中間転写ユニット14が作像フレーム10Fに装着されると、第1フレーム固定部32の突起右面部32Rは、屈曲リブ310の左端部に当接する。
【0086】
更に、作像フレーム10Fは、フレーム右内壁部34(第4位置決め部)を備える。フレーム右内壁部34は、フレーム右壁10FRの内側(左側)に配置された壁部である。更に、フレーム右内壁部34は、対向面341を備える。対向面341は、フレーム右内壁部34のうち左側に面した壁面である。一方、中間転写ユニット14は、下方外壁部33(
図6D、
図6F)(第4位置決め部)を備える。下方外壁部33は、ユニット右壁14Rの一部である。
図6Dに示すように、下方外壁部33は、第1ユニット固定部31の下方であって、第1ユニット固定部31よりも左方に配置されている。下方外壁部33は、下方突起331を備える。下方突起331は、下方外壁部33の右側面から右方に向かって突設された突起である。下方突起331は、前後方向に延びるように配置されている。
【0087】
中間転写ユニット14が作像フレーム10Fに装着されると、
図6Fに示すように、下方外壁部33の下方突起331がフレーム右内壁部34の対向面341に当接する。この結果、前述の第1フレーム固定部32の突起右面部32Rが屈曲リブ310に当接することで、中間転写ユニット14の右方向における位置が規制され、下方突起331が対向面341に当接することで、中間転写ユニット14の左方向の位置が規制される。すなわち、本実施形態では、屈曲リブ310、第1フレーム固定部32、下方外壁部33およびフレーム右内壁部34が、第4位置決め部として機能する。したがって、装置本体11内の部品を介することなく、中間転写ユニット14内の一次転写ローラー24と感光体ドラム20との位置決めを更に精度良く行うことができる。特に、第4位置決め部は、一次転写ローラー24および感光体ドラム20の軸方向の位置を規制するため、一次転写ローラー24および感光体ドラム20の画像形成領域の相対的位置関係が容易かつ好適に調整される。
【0088】
以上、本発明の一実施形態に係る画像形成装置10につき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
【0089】
(1)上記の実施形態では、作像フレーム10Fに対して、複数の現像装置23、複数の感光体ドラム20および中間転写ユニット14が同じ方向から装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の変形実施形態において、現像装置23、感光体ドラム20は左右方向に沿って作像フレーム10Fに装着されてもよい。なお、中間転写ユニット14が上方から作像フレーム10Fに装着される場合、現像装置23や感光体ドラム20を含むユニットと比較して、重量が大きい中間転写ユニット14の自重を利用して、作像フレーム10Fに対する中間転写ユニット14の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。
【0090】
(2)上記の実施形態では、第2位置決め部が、中間転写ユニット14の第3方向として、上下方向の位置決めを行う態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の変形実施形態において、中間転写ユニット14の第3方向は、第1方向(左右方向)および第2方向(前後方向)と略直交する方向であって、中間転写ユニット14のうち、鉛直方向に対して所定の角度だけ傾いた第3方向における位置決めが、第2位置決め部によって決定されてもよい。