(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理情報は、前記他の情報処理装置に関するcapability情報として、前記他の情報処理装置との通信に関する電波伝播測定に関する情報および消費電力に関する情報を少なくとも含む請求項2記載の情報処理装置。
前記無線通信部は、前記capability情報の交換をWi−Fi Display仕様に定められるcapability negotiationまたはcapability re−negotiationで行う請求項1から8のいずれかに記載の情報処理装置。
前記capability情報は、capability negotiationまたはcapability re−negotiationにおけるRTSP M3 Messageにおいて交換される請求項1記載の情報処理装置。
前記制御部は、前記他の情報処理装置に関するcapability情報と、前記他の情報処理装置を管理するための管理情報とに基づいて前記他の情報処理装置に低消費電力モードを設定する制御を行い、前記管理情報が変更された場合には当該変更を前記他の情報処理装置に通知するためのコマンドを前記他の情報処理装置に送信する制御を行う請求項1から11のいずれかに記載の情報処理装置。
前記制御部は、Wi−Fi CERTIFIED Miracast仕様に定められるwfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageを前記コマンドとして前記他の情報処理装置に送信する制御を行う請求項12記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ユーザ情報や管理情報に基づいて無線通信に関する制御を行う例)
2.第2の実施の形態(複数の周波数チャネルを使用可能なソース機器について適切な周波数チャネルを設定する例)
3.応用例
【0026】
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【0027】
通信システム100は、情報処理装置200と、情報処理装置300と、情報処理装置400とを備える。また、通信システム100は、情報処理装置200および情報処理装置400のうちの少なくとも1つから送信されるデータ(例えば、画像データや音声データ)を情報処理装置300が受信する通信システムである。
【0028】
また、情報処理装置200、300、400は、無線通信機能を備える送受信機器である。例えば、情報処理装置200、300、400は、無線通信機能を備える表示装置(例えば、パーソナルコンピュータ)や携帯型の情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末)である。また、例えば、情報処理装置200、300、400は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11や802.15、802.16、3GPP仕様(W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(Advanced)等)に準拠した無線通信装置である。そして、情報処理装置200、300、400は、無線通信機能を利用して各種情報のやり取りを行うことができる。
【0029】
ここで、一例として、情報処理装置200および情報処理装置300間、または、情報処理装置400および情報処理装置300間で無線LAN(Local Area Network)を用いた無線通信を行う場合の例を説明する。
【0030】
この無線LANとして、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity) Direct、TDLS(Tunneled Direct Link Setup)、アドホックネットワークを用いることができる。また、通信システム100に用いられる近距離無線AV(Audio Visual)伝送通信として、例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastを用いることができる。なお、Wi−Fi CERTIFIED Miracastは、Wi−Fi DirectやTDLSの技術を利用して、一方の端末で再生される音声や表示画像を他の端末に送信し、他の端末でも同様にその音声、画像データを出力させるミラーリング技術である。
【0031】
また、Wi−Fi CERTIFIED Miracastでは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上でUIBC(User Input Back Channel)を実現している。UIBCは、一方の端末から他方の端末へマウスやキーボード等の入力機器の操作情報を送信する技術である。なお、Wi−Fi CERTIFIED Miracastの代わりに、他のリモートデスクトップソフトウェア(例えば、VNC(Virtual Network Computing))を適用するようにしてもよい。
【0032】
ここで、Wi−Fi CERTIFIED Miracastでは、画像(映像)を、例えば、H.264を用いて圧縮・展開することが定められている。また、例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastでは、H.264を送信側で調整することができる。なお、H.264に限らず、H.265(例えば、HEVC(high efficiency video coding)、SHVC(scalable video coding extensions of high efficiency video coding))やMPEG(Moving Picture Experts Group)4、JPEG(Joint Photographic Experts Group)2000、ラインベースコーデック等の様々のコーデックにも対応することができる。
【0033】
また、本技術の第1の実施の形態では、情報処理装置200は、撮像動作により生成された画像データおよび音声データを送信対象とする例を示す。また、本技術の第1の実施の形態では、情報処理装置400は、記憶部(例えば、ハードディスク)に保存されているコンテンツ(例えば、画像データおよび音声データからなるコンテンツ)を送信対象とする例を示す。なお、情報処理装置200として、カメラを搭載した電子機器(例えば、パソコン、ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末)を用いるようにしてもよい。また、情報処理装置300として、表示部を備える他の電子機器(例えば、撮像装置、ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末)を用いるようにしてもよい。
【0034】
例えば、情報処理装置200の撮像動作により生成された画像データが情報処理装置300に送信され、その画像データに基づく画像11が情報処理装置300の表示部351に表示される。また、情報処理装置400の記憶部(例えば、ハードディスク)に保存されているコンテンツが情報処理装置300に送信され、そのコンテンツに基づく画像12が情報処理装置300の表示部351に表示される。
【0035】
このように、本技術の第1の実施の形態では、ソース側の情報処理装置(ソース機器)を情報処理装置200、400とし、シンク側の情報処理装置(シンク機器)を情報処理装置300とする例を示す。
【0036】
また、
図1では、無線通信を利用して情報処理装置300が直接通信することができる範囲(情報処理装置300を基準とした場合における情報伝達範囲(サービス範囲))を情報伝達範囲101として示す。
【0037】
[情報処理装置(ソース機器)の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。なお、情報処理装置400の無線通信に関する機能構成は、情報処理装置200と略同一の構成である。このため、本技術の第1の実施の形態では、情報処理装置200についてのみ説明し、情報処理装置400の説明を省略する。
【0038】
情報処理装置200は、アンテナ210と、無線通信部220と、制御信号受信部230と、制御部240と、画像・音声信号生成部250と、画像・音声圧縮部260と、ストリーム送信部270とを備える。
【0039】
無線通信部220は、制御部240の制御に基づいて、無線通信を利用して、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置300)との間で各情報(例えば、画像データおよび音声データ)の送受信をアンテナ210を介して行うものである。例えば、画像データの送信処理が行われる場合には、画像・音声信号生成部250により生成された画像データが画像・音声圧縮部260により圧縮され、この圧縮された画像データ(画像ストリーム)が無線通信部220を経由してアンテナ210から送信される。
【0040】
また、無線通信部220は、複数の周波数チャネルを利用して、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置300)との間で各情報の送受信を行うことが可能であるものとする。本技術の第1の実施の形態では、無線通信部220が、2.4GHz、5GHz、60GHzの3種類の周波数チャネルを送受信可能な機能を備える例を示す。このように、ソース機器が、複数の周波数チャネルを送受信可能な機能を備える場合には、シンク機器(例えば、情報処理装置300)は、各ソース機器にどの周波数チャネルを使用させるかを制御することができる。
【0041】
制御信号受信部230は、無線通信部220により受信された各情報のうちから、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置300)から送信された制御信号(例えば、情報処理装置300とのやりとりの情報)を取得するものであり、取得された制御信号を制御部240に出力する。
【0042】
制御部240は、情報処理装置200から送信される各情報に関する制御を行うものである。例えば、制御部240は、制御信号受信部230により受信された制御信号に基づいて、画像・音声信号生成部250および画像・音声圧縮部260に対する制御を行う。例えば、制御部240は、送信対象となる画像データの解像度や音声のチャネル数を変更させるための制御や、送信対象となる画像データの画像領域を変更させるための制御を行う。すなわち、制御部240は、制御信号受信部230により受信された制御信号に基づいて、送信対象となるストリームのデータ伝送速度制御を行う。
【0043】
また、制御部240は、無線通信を利用してシンク機器との間でデータの送受信が行われている際における電波伝搬状況(リンク電波伝搬状況)を測定する機能を備え、その測定結果(電波伝搬測定情報)をシンク機器に送信するようにしてもよい。
【0044】
ここで、電波伝搬測定情報は、例えば、シンク機器との回線品質が、画像データおよび音声データの送受信を行うことができる品質であるか否かを判断する際に用いられる情報である。また、電波伝搬測定情報は、例えば、ストリームのデータ伝送速度制御を行う際に用いられる。なお、電波伝搬測定情報については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0045】
ここで、データ伝送速度は、主に、通信路を占有する率を意味し、通信速度や通信容量の意味を含むものとする。また、解像度は、例えば、画像データの画枠(縦・横のピクセル数)、画像データのビットレート(圧縮率)等の要素から構成される画質の指標と定義する。また、画質の指標としては、ストリームのスループットを用いることができる。また、音声のチャネル数は、モノラル(1.0ch)、ステレオ(2.0ch)等の音声の記録再生方法の意味を含むものとする。また、音声のチャネル数は、音声データのビットレート(圧縮率)やチャネル数等の要素から構成される音質の指標と定義する。また、音質の指標としては、ストリームのスループットを用いることができる。
【0046】
また、制御部240は、データレート制御では安定化することができない状態を改善させるための制御を行う。例えば、制御部240は、シンク機器(例えば、情報処理装置300)との情報のやりとりにより、シンク機器のシステム性能情報を把握する。ここで、システム性能情報は、例えば、シンク機器のシステムに関する性能情報である。例えば、システム性能情報は、使用可能な周波数チャネル、解像度、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)である。また、システム性能情報は、例えば、暗号化方法の対応、SD/HD対応、低消費電力モードの対応のそれぞれを示す情報である。例えば、制御部240は、シンク機器が低消費電力モードに対応しているか否かに応じて、通信システム100のシステム全体の安定度をさらに向上させるデータ伝送速度制御方法を選ぶことができる。
【0047】
例えば、制御部240は、情報処理装置300との情報のやりとりの中に、情報処理装置200がモバイル機器であるかどうかの情報を入れるものとする。例えば、情報処理装置200に関するcapability情報に、情報処理装置200がモバイル機器であるかどうかの情報を含めることができる。また、情報処理装置300は、情報処理装置200がモバイル機器であることを把握すると、他に接続した情報処理装置との関連に基づいて、情報処理装置200を動作させる必要がないと判断することができる。このように、情報処理装置200を動作させる必要がないと判断された場合には、情報処理装置200は、情報処理装置300から送信停止コマンドを受信する。そして、制御部240は、その送信停止コマンドを把握すると、画像・音声信号生成部250と、画像・音声圧縮部260と、ストリーム送信部270とのそれぞれの機能の電源を一定時間ダウンさせることができる。また、制御部240は、無線通信部220についても間欠受信(情報処理装置300からコマンドを受信できる程度に定期的に起き上がり、他は電源をダウンさせるモード)に移行することができる。
【0048】
画像・音声信号生成部250は、制御部240の制御に基づいて、出力対象となるデータ(画像データ、音声データ)を生成するものであり、生成されたデータを画像・音声圧縮部260に出力する。例えば、画像・音声信号生成部250は、撮像部(図示せず)および音声取得部(図示せず)を備える。この撮像部(例えば、レンズ、撮像素子、信号処理回路)は、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成するものである。また、音声取得部(例えば、マイク)は、その画像データの生成時における周囲の音声を取得するものである。このように生成されたデータは、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置300)への送信対象となる。
【0049】
画像・音声圧縮部260は、制御部240の制御に基づいて、画像・音声信号生成部250により生成されたデータ(画像データおよび音声データ)を圧縮(エンコード)するものである。そして、画像・音声圧縮部260は、その圧縮されたデータ(画像データおよび音声データ)をストリーム送信部270に出力する。なお、画像・音声圧縮部260は、ソフトウェアによるエンコードの実行により実現するようにしてもよく、ハードウエアによるエンコードの実行により実現するようにしてもよい。
【0050】
ストリーム送信部270は、制御部240の制御に基づいて、画像・音声圧縮部260により圧縮されたデータ(画像データおよび音声データ)をストリームとして無線通信部220を経由してアンテナ210から送信する送信処理を行うものである。
【0051】
なお、情報処理装置200は、上述した各部以外にも、表示部、音声出力部、操作受付部等を備えることができるが、これらについては、
図2での図示を省略する。また、情報処理装置200が、送信対象となる画像データおよび音声データを生成する例を示すが、情報処理装置200は、送信対象となる画像データおよび音声データを外部装置から取得するようにしてもよい。例えば、情報処理装置200は、マイクロフォン付きのWebカメラから、送信対象となる画像データおよび音声データを取得するようにしてもよい。また、情報処理装置200は、記憶装置(例えば、ハードディスク)に保存されているコンテンツ(例えば、画像データおよび音声データからなるコンテンツ)を送信対象とするようにしてもよい。
【0052】
情報処理装置200の表示部(図示せず)は、例えば、画像・音声信号生成部250により生成された画像を表示する表示部である。なお、表示部として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルを用いることができる。
【0053】
情報処理装置200の音声出力部(図示せず)は、例えば、画像・音声信号生成部250により生成された音声を出力する音声出力部(例えば、スピーカ)である。なお、画像については、送信機器および受信機器の双方から出力することもできるが、音声については何れか一方のみから出力することが好ましい。
【0054】
情報処理装置200の操作受付部(図示せず)は、ユーザにより行われた操作入力を受け付ける操作受付部であり、例えば、キーボード、マウス、ゲームパッド、タッチパネル、カメラ、マイクである。なお、操作受付部および表示部については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
【0055】
[情報処理装置(受信側)の構成例]
図3は、本技術の実施の形態における情報処理装置300の機能構成例を示すブロック図である。
【0056】
情報処理装置300は、アンテナ310と、無線通信部320と、ストリーム受信部330と、画像・音声展開部340と、画像・音声出力部350と、ユーザ情報取得部360と、制御部370と、制御信号送信部380と、管理情報保持部390とを備える。
【0057】
無線通信部320は、制御部370の制御に基づいて、無線通信を利用して、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置200)との間で各情報(例えば、画像データおよび音声データ)の送受信をアンテナ310を介して行うものである。例えば、画像データの受信処理が行われる場合には、アンテナ310により受信された画像データが、無線通信部320、ストリーム受信部330を経由して画像・音声展開部340により展開(復号)される。そして、その展開された画像データが画像・音声出力部350に供給され、その展開された画像データに応じた画像が画像・音声出力部350から出力される。すなわち、その展開された画像データに応じた画像が表示部351に表示される。
【0058】
また、無線通信部320は、複数の周波数チャネルを利用して、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置200)との間で各情報の送受信を行うことが可能であるものとする。本技術の第1の実施の形態では、無線通信部320が、2.4GHz、5GHz、60GHzの3種類の周波数チャネルを送受信可能な機能を備える例を示す。すなわち、無線通信部320は、第1の周波数帯を用いる通信と、第1の周波数帯よりも高速なデータ伝送速度の第2の周波数帯を用いる通信とを行うことが可能である。また、制御部370は、各ソース機器との無線通信に、複数の周波数チャネルのうちのどの周波数チャネルを使用させるかを制御する。
【0059】
なお、情報処理装置200および情報処理装置300間のリンクと、情報処理装置400および情報処理装置300間のリンクとは同一の周波数チャネルとするようにしてもよく、異なる周波数チャネルとするようにしてもよい。
【0060】
また、本技術の第1の実施の形態では、無線通信部320が、2.4GHz、5GHz、60GHzの3種類の周波数チャネルを送受信可能な機能を備える例を示すが、これに限定されない。例えば、無線通信部320が、他の周波数チャネルや、2または4以上の周波数チャネルを送受信可能な機能を備えるようにしてもよい。
【0061】
ストリーム受信部330は、制御部370の制御に基づいて、無線通信部320により受信された各情報のうちから、各ソース機器とのやりとりの情報およびストリーム(例えば、画像ストリーム、音声ストリーム)を受信するものである。そして、ストリーム受信部330は、受信したコマンド情報を制御部370に出力し、受信したストリームを画像・音声展開部340および制御部370に出力する。
【0062】
ここで、各ソース機器とのやりとりの情報は、ソース機器(例えば、情報処理装置200)から送信される情報であり、例えば、情報処理装置300のシステム性能情報の取得要求を含む。このシステム性能情報は、例えば、使用可能な周波数チャネル、解像度、TCP、UDPや、暗号化方法の対応、SD/HD対応、低消費電力モードの対応のそれぞれを示す情報である。
【0063】
また、ストリーム受信部330は、無線通信を利用してシンク機器との間でデータの送受信が行われている際における電波伝搬状況(リンク電波伝搬状況)を測定する機能を備える。そして、ストリーム受信部330は、その測定結果(電波伝搬測定情報)を制御部370に出力する。なお、電波伝搬測定情報については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0064】
画像・音声展開部340は、制御部370の制御に基づいて、他の情報処理装置(例えば、情報処理装置200)から送信されたストリーム(画像データおよび音声データ)を展開(デコード)するものである。そして、画像・音声展開部340は、その展開されたデータ(画像データおよび音声データ)を画像・音声出力部350に出力する。なお、画像・音声展開部340は、ソフトウェアによるデコードの実行により実現するようにしてもよく、ハードウエアによるデコードの実行により実現するようにしてもよい。
【0065】
画像・音声出力部350は、表示部351および音声出力部352を備える。
【0066】
表示部351は、画像・音声展開部340により展開された画像データに基づく各画像(例えば、
図1に示す画像11、12)を表示する表示部である。なお、表示部351として、例えば、有機ELパネル、LCDパネル等の表示パネルを用いることができる。なお、表示部351として、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いるようにしてもよい。
【0067】
音声出力部352は、画像・音声展開部340により展開された音声データに基づく各種音声(表示部351に表示された画像に関する音声等)を出力する音声出力部(例えば、スピーカ)である。ここで、音声の出力方法としては、例えば、メイン画像に割り当てられたソース機器の音声のみをスピーカから再生してサブ画像に割り当てられたソース機器の音声を再生しない方法を用いることができる。また、他の音声の出力方法として、例えば、メイン画像に割り当てられたソース機器の音声の音量をメインにして、サブ画像に割り当てられたソース機器の音声の音量を下げて再生する方法を用いることができる。なお、これら以外の音声の出力方法を用いるようにしてもよい。
【0068】
ユーザ情報取得部360は、ユーザに関する情報(ユーザ情報)を取得するものであり、その取得されたユーザ情報を制御部370に出力する。例えば、ユーザ情報取得部360は、ユーザが表示方法を直接設定することができる操作受付部(キーボード、マウス、リモコン、ゲームパッド、タッチパネル)からの入力を受け付けることによりユーザ情報を取得することができる。なお、操作受付部は、例えば、表示部351に表示される画像における任意の領域を指定するための操作部材である。また、例えば、ユーザ情報取得部360は、カメラ、マイク、各種センサ(例えば、ジャイロセンサ、人体を感知するセンサ)等のようにユーザの意図を把握することができるデバイスからの入力を受け付けることによりユーザ情報を取得することができる。
【0069】
例えば、ユーザ情報取得部360は、無線通信を利用して他の情報処理装置(例えば、情報処理装置200)から受信したストリームに基づく情報が画像・音声出力部350から出力されている際におけるユーザ動作により生じるユーザ情報を取得する。このユーザ情報は、例えば、表示部351に表示されている画像に関するユーザ動作により生じるユーザ情報である。例えば、ユーザ情報は、表示部351に表示されている画像に関するユーザ操作に基づいて生成される情報である。
【0070】
制御部370は、ストリーム受信部330により取得された各情報を管理情報保持部390に保持させ、管理情報保持部390に保持されている管理情報に基づいて各ソース機器を管理するものである。また、制御部370は、複数のソース機器から送信されるストリームをシステム全体で安定度が向上するようにデータ伝送速度制御を行う。
【0071】
例えば、制御部370は、ユーザ情報取得部360により取得されたユーザ情報と、管理情報保持部390に保持されている管理情報とに基づいてデータ伝送速度制御を行う。具体的には、制御部370は、管理情報保持部390に保持されている管理情報に基づいて、ストリームのデータ伝送速度制御を行うための制御信号をソース機器毎に生成し、この生成された制御信号を制御信号送信部380に出力する。例えば、制御部370は、ユーザ情報および管理情報に基づいて、表示部351に表示される画像の解像度を変更し、この解像度と同等の送信レートを各ソース機器に要求するための制御信号を生成する。また、例えば、制御部370は、ユーザ情報および管理情報に基づいて、表示部351における画像の表示領域を変更するための制御信号を生成する。また、例えば、制御部370は、ユーザ情報および管理情報に基づいて、表示部351における画像のサイズを変更するための制御信号を生成する。
【0072】
また、制御部370は、ユーザ情報および管理情報に基づいて、使用する周波数チャネルと解像度を設定するための制御を行う。例えば、制御部370は、無線通信部320が備える複数の周波数チャネルについて、使用する周波数チャネルをソース機器毎に設定する。また、制御部370は、周波数チャネル毎に、消費電力モードが異なる場合には、それぞれのモードを把握し、モバイル機器の消費電力をケアした周波数チャネルを設定することができるようにする。すなわち、制御部370は、第1の周波数帯に関する第1の消費電力モードと、第1の周波数帯よりも高速なデータ伝送速度の第2の周波数帯に関する第2の消費電力モードを別々に設定することができる。
【0073】
制御信号送信部380は、制御部370から出力された制御信号を無線通信部320、アンテナ310を介して、他の無線通信装置に送信する送信処理を行うものである。
【0074】
管理情報保持部390は、無線通信を利用して情報処理装置300に接続される各ソース機器を管理するための情報(管理情報)を保持するテーブルである。なお、管理情報保持部390の保持内容については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0075】
[管理情報保持部の保持内容例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における管理情報保持部390の保持内容の一例を模式的に示す図である。
【0076】
管理情報保持部390は、無線通信を利用して情報処理装置300に接続される各ソース機器を管理するための情報(管理情報)を保持するテーブルである。例えば、管理情報保持部390には、端末識別情報391と、周波数チャネル392と、電波伝搬測定情報393と、機器情報394と、帯域使用レベル395と、出力形式396と、スタンバイ/ウェークアップ397とが関連付けて保持される。
【0077】
端末識別情報391には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器を識別するための識別情報が格納される。
【0078】
周波数チャネル392には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器が実際に使用している周波数チャネルが格納される。
【0079】
電波伝搬測定情報393には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器に関する電波伝搬測定情報が格納される。この電波伝搬測定情報は、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器毎にストリーム受信部330により測定される。
【0080】
電波伝搬測定情報393として、例えば、PER(Packet Error Rate)、BER(Bit Error Rate)、パケットの再送回数、スループットが格納される。また、電波伝搬測定情報393として、例えば、フレーム落ち、SIR(Signal to Interference Ratio)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)が格納される。ここで、SIRの代わりにSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)を用いてもよい。なお、
図4に示す電波伝搬測定情報393は、一例であり、これらのうちの少なくとも1つを格納するようにしてもよく、他の電波伝搬測定情報をストリーム受信部330が測定して格納するようにしてもよい。また、ソース機器により測定された電波伝搬測定情報を取得して格納するようにしてもよい。さらに、受信側が受け取るパケット遅延を判断し、このパケット遅延に関する情報を電波伝搬測定情報として用いるようにしてもよい。このパケット遅延は、例えば、エラー発生時に、レイヤ2での再送処理によって受信側への伝送に遅延が発生されるため、電波伝搬に関する1つの指標となる。さらに、パケット遅延は、例えば、複数の装置で無線帯域を共有している無線システムでは、どこかのリンク特性が劣化しているかを示す指標となる。
【0081】
機器情報394には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器の種別(ソース機器の属性)が格納される。例えば、ソース機器の種別として、モバイル機器、または、据え置き機器の何れかが格納される。なお、ソース機器の種別として、電源を挿しながら使用する機器、または、それ以外の機器の何れかを格納するようにしてもよい。また、ソース機器の種別として、バッテリ駆動の機器、または、それ以外の機器の何れかを格納するようにしてもよい。
【0082】
帯域使用レベル395には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器による帯域の使用レベルが格納される。帯域使用レベルとしては、例えば、解像度やスループットを用いることができる。また、例えば、帯域使用レベルには、使用中のスループットを格納するようにしてもよく、予め決められたテーブルを用意し、そのテーブルのどの範囲に相当するかを示す番号を格納して管理するようにしてもよい。
【0083】
出力形式396には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器から送信されるストリームに基づくデータの出力形式が格納される。例えば、ソース機器から送信されるストリームに基づく画像データの表示部351における表示形式(メイン画像、サブ画像)が格納される。また、例えば、ソース機器から送信されるストリームに基づく音声データの音声出力部352からの出力形式(メイン音声、サブ音声)が格納される。なお、表示形式によって、サブ画像を表示しないという形式であってもよい。
【0084】
スタンバイ/ウェークアップ397には、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されるソース機器のモード(スタンバイモード、ウェークアップモード)が格納される。なお、スタンバイモードおよびウェークアップモードについては、
図6乃至
図8を参照して詳細に説明する。
【0085】
このように、管理情報保持部390に保持される管理情報は、他の情報処理装置を識別するための識別情報(端末識別情報391)と、他の情報処理装置に関するcapability情報とを紐付けて管理する情報である。また、管理情報保持部390に保持される管理情報は、他の情報処理装置に関するcapabilitiy情報として、他の情報処理装置との通信に関する電波伝播測定に関する情報(電波伝搬測定情報393)と、消費電力に関する情報(スタンバイ/ウェークアップ397)とを少なくとも含む。また、管理情報保持部390に保持される管理情報は、他の情報処理装置に関するcapabilitiy情報として、画像情報を表示するための出力形式に関する情報(出力形式396)を少なくとも含む。この出力形式に関する情報は、例えば、画像情報をメイン表示またはサブ表示することを示す情報である。
【0086】
[画像の遷移例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置300の表示部351に表示される画像の遷移例を示す図である。
【0087】
図5のaには、画像11をメイン画像とし、画像12をサブ画像として、情報処理装置300の表示部351に画像11および画像12を表示する表示形式の一例を示す。
【0088】
図5のbには、画像11をサブ画像とし、画像12をメイン画像として、情報処理装置300の表示部351に画像11および画像12を表示する表示形式の一例を示す。
【0089】
例えば、情報処理装置200および情報処理装置400のそれぞれが、標準的な解像度のストリーム(画像データおよび音声データ)を情報処理装置300に送信する場合を想定する。この場合には、
図1に示すように、情報処理装置200からの画像データに基づく画像11と、情報処理装置400からの画像データに基づく画像12とのそれぞれのサイズが同一となるように、情報処理装置300の表示部351に表示することができる。なお、この例では、与えられた解像度と表示領域とを同一と定義しているが、表示部351にスケーラ機能を追加し、画像11、画像12をリスケールして表示部351に表示するようにしてもよい。ただし、本技術の実施の形態では、説明を簡略化させるため、この機能を使用しない前提で説明を行う。
【0090】
また、画像11および画像12のそれぞれの表示形式については、例えば、前回の通信時に設定された表示形式を保持しておき、この表示形式に応じて画像11および12を情報処理装置300の表示部351に表示するようにしてもよい。
【0091】
また、情報処理装置300に接続された順序に基づいて、画像11および画像12のそれぞれの表示形式を決定するようにしてもよい。例えば、情報処理装置200が情報処理装置300に最初に接続され、この接続後に情報処理装置400が情報処理装置300に接続された場合を想定する。この場合には、画像11をメイン画像とし、画像12をサブ画像として、情報処理装置300の表示部351に画像11および画像12を表示する。すなわち、情報処理装置300への接続順序に基づいて、メイン画像、サブ画像の順に表示するようにしてもよい。
【0092】
また、
図5のaに示すように、画像11をメイン画像とし、画像12をサブ画像として、表示部351に画像11および画像12が表示されている場合に、画像12をメイン画像とするユーザ情報がユーザ情報取得部360により取得された場合を想定する。例えば、視聴者がリモコンやジェスチャー等のポインターを用いて画像12をメイン画像とするための操作を行うことにより、画像12をメイン画像とするユーザ情報がユーザ情報取得部360により取得される。この場合には、
図5のbに示すように、画像12をメイン画像とし、画像11をサブ画像として、表示部351に画像11および画像12が表示される。また、表示部351の表示面における画像11および画像12の表示位置についても、ユーザ情報取得部360により取得されるユーザ情報(例えば、手動操作、視線)に基づいて決定される。
【0093】
[通信例]
図6乃至
図8は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図6乃至
図8では、情報処理装置200および情報処理装置300間における通信処理例を示す。
【0094】
また、
図6乃至
図8では、情報処理装置200を構成する各部のうち、画像・音声信号生成部250、画像・音声圧縮部260およびストリーム送信部270をデータ送信系201として示す。また、アンテナ210、無線通信部220、制御信号受信部230および制御部240を回線制御系202として示す。
【0095】
また、
図6乃至
図8では、情報処理装置300を構成する各部のうち、アンテナ310、無線通信部320、ストリーム受信部330、制御部370および制御信号送信部380を回線制御系301として示す。また、画像・音声展開部340、画像・音声出力部350およびユーザ情報取得部360を入出力系302として示す。
【0096】
また、
図6乃至
図8では、最初に、情報処理装置200からの画像データに基づく画像を、サブ画像として情報処理装置300の表示部351に表示させ、情報処理装置200において低消費電力モードを設定する例を示す。続いて、情報処理装置200からの画像データに基づく画像を、メイン画像として表示部351に表示させ、情報処理装置200において通常の消費電力モードを設定する例を示す。すなわち、
図6乃至
図8では、情報処理装置200および情報処理装置300の接続セットアップ例と、情報処理装置200における消費電力モードの遷移例とを示す。
【0097】
最初に、情報処理装置300の電源がオンされたときには、情報処理装置300の出力形式(画像表示形式、音声出力形式)として前回の出力形式(情報処理装置300の電源のオフ時の出力形式)が設定される(501)。また、情報処理装置300の制御部370は、無線通信を利用して情報処理装置300に接続されている各ソース機器の管理情報を管理情報保持部390(
図4に示す)に保持させる。また、情報処理装置300の制御部370は、
図5に示すように、前回の出力形式に基づいて、情報処理装置200および情報処理装置400のそれぞれから送信された2つのストリームに対応する画像11、12を表示部351に表示させる。
【0098】
続いて、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた場合を想定する(502)。この場合には、その設定操作に係る制御信号がユーザ情報としてユーザ情報取得部360に取得され、そのユーザ情報が制御部370に出力される。そして、制御部370は、そのユーザ情報に基づいて、管理情報保持部390(
図4に示す)における保持内容を変更する(503、504)。例えば、
図5のbに示すように、情報処理装置200からの画像データに基づく画像11をサブ画像とするための設定操作(変更操作)が行われた場合を想定する。この場合には、制御部370は、管理情報保持部390における情報処理装置200の出力形式396(
図4に示す)を「サブ」に変更する(503、504)。
【0099】
また、情報処理装置200は、定期的または不定期(開始時のみも含む)に、モードテーブル要求(解像度/音質、低消費電力モード等の問い合わせ要求)を情報処理装置300に送信する(505、506)。このモードテーブル要求は、情報処理装置300において管理されている各情報(情報処理装置300に関する管理情報で、情報処理装置200との通信を行う上で使用する情報(例えば、情報処理装置200が表示可能な解像度情報等))の送信を要求するものである。
【0100】
モードテーブル要求を受信すると(506)、情報処理装置300は、そのモードテーブル要求に応じたコマンド情報(解像度/音質、画像・音声コーデックの種類、3D機能の有無、コンテンツプロテクションの有無、ディスプレイ機器の表示サイズ、トポロジ情報、使用可能なプロトコル、これらのプロトコルの設定情報(ポート情報等)、接続インターフェース情報(コネクタタイプ等)、水平同期・垂直同期の位置、ソース機器の性能プライオリティ要求情報、低消費電力モードへの対応可否等のモード制御テーブル返答、無線での送信最大スループットまたは受信可能な最大スループット、CPU(Central Processing Unit)パワー、電池残量、電源供給情報等)を送信する(507、508)。このコマンド情報は、情報処理装置300が、電波伝搬環境と表示形態を加味して情報処理装置200に設定要望するための、情報処理装置200に関する情報であり、解像度/音質の出力形式情報、低消費電力モードへの対応可否を含む情報である。また、これらの各情報はcapability情報の一部に含まれる。ここで、情報処理装置200に関する解像度/音質の出力形式情報は、例えば、情報処理装置200からのデータの出力形式が、メインであるかサブであるかを示す情報である。また、情報処理装置300は、情報処理装置300の視点で、解像度/音質や低消費電力モードの設定に関する要望をパラメータとしてコマンド情報に含めて送信する。なお、情報処理装置300は、情報処理装置200に関する各情報以外に、全てのソース機器に関する各情報を、コマンド情報として送信するようにしてもよい。この場合、情報処理装置200が自装置向けの情報のみを選択して使用する。なお、Wi−Fi CERTIFIED Miracast準拠の装置の場合、RTSP Messageとして定義されるwfd−audio−codecs、wfd−video−formats、wfd−content−protection、wfd−displayedid、wfd−coupledsink、wfd−client−rtpports、wfd−I2C、wfd−uibccapability、wfd−connectortype、wfd−standby−resume−capability等に対応するが、本コマンドにおいて、送信するメッセージ内容には限定はないものとする。
【0101】
コマンド情報を受信した場合には(508)、情報処理装置200の制御部240は、コマンド情報に基づいて、情報処理装置200からのデータの出力形式がメインであるかサブであるかを特定する。また、情報処理装置200の制御部240は、コマンド情報に基づいて、消費電力動作モードに対応する機能を情報処理装置300が備えるか否かを判断する。続いて、情報処理装置200の制御部240は、その特定された出力形式に設定する旨を示すモード設定情報を情報処理装置300に送信する(509、510)。ここでは、情報処理装置200からのデータの出力形式がサブであることが特定されたものとする。また、低消費電力モードに対応する機能を情報処理装置300が備えるものとする。そこで、情報処理装置200の制御部240は、その特定された出力形式(サブ)に設定する旨と、低消費電力モードを設定する旨とを通知するためのモード設定情報を情報処理装置300に送信する(509、510)。
【0102】
なお、この例では、コマンド情報に基づいて、メイン画像であるかサブ画像であるかを特定して低消費電力モードを設定する例を示すが、メイン画像であるかサブ画像であるかを判断基準として使用せずに低消費電力モードを設定するようにしてもよい。例えば、低消費電力モードに移行可能な許可フラグのやりとりをソース機器およびシンク機器間で行うことにより、低消費電力モードを設定するようにしてもよい。
【0103】
続いて、情報処理装置200の制御部240は、送信モードとしてサブモードを設定する(511)。これにより、データ送信系201では、サブ画像を表示するための解像度と、サブ音声を出力するための音質とが設定される(512)。また、回線制御系202では、低消費電力モードが設定される(513)。
【0104】
ここで、このように、低消費電力モードを設定する場合には、シンク機器およびソース機器の双方がその機能を備える必要があるものとする。また、例えば、モバイル機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末)は、バッテリ駆動により動作を行うことが多い。このため、自装置からのデータの出力形式がメインでない場合(サブである場合)には、自装置のバッテリ消費を極力低減させることが好ましい。そこで、シンク機器における出力形式がサブに設定されているソース機器については、低消費電力モードを設定することが好ましい。さらに、設定処理(512)において、メイン画像に割り当てられたソース機器の音声のみをスピーカから再生してサブ画像に割り当てられたソース機器の音声を再生しない設定をするようにしてもよい。また、メイン画像に割り当てられたソース機器の音声の音量をメインとし、サブ画像に割り当てられたソース機器の音声の音量を下げて再生する設定をするようにしてもよい。
【0105】
このように、情報処理装置300の制御部370は、出力形式がサブ画像(サブ表示)として設定されていた場合に、情報処理装置200に低消費電力モードを設定するための制御を行う。すなわち、情報処理装置300の制御部370は、ストリームに基づいて画像情報を出力する表示部351の出力形式に基づいて情報処理装置200における消費電力モードを設定する制御を行う。
【0106】
このように、低消費電力モードが設定された場合には(513)、情報処理装置200の制御部240は、間欠送信を開始する(514乃至522)。
【0107】
具体的には、情報処理装置200は、一定時間だけ送信処理を停止させ、各部をスリープさせる(514)。続いて、一定時間経過すると(514)、情報処理装置200は、送信処理を行うため、情報処理装置200の各部をウェークアップ(WakeUp)させ、情報処理装置300へ送信処理を行う(515乃至520)。
【0108】
例えば、情報処理装置200の制御部240は、情報処理装置300において何らかの変更(例えば、出力形式の変更)があるか否かを確認するための問合せメッセージを情報処理装置300に送信する(515、516)。
【0109】
問合せメッセージを受信すると(516)、情報処理装置300の制御部370は、何らかの変更(例えば、出力形式の変更)があるか否かを通知するための応答メッセージを情報処理装置200に送信する(517、518)。ここでは、情報処理装置300において変更(例えば、出力形式の変更)がないものとする。このため、情報処理装置300の制御部370は、変更(例えば、出力形式の変更)がない旨を通知するための応答メッセージを情報処理装置200に送信する(517、518)。
【0110】
このように、変更(例えば、出力形式の変更)がない旨の応答メッセージを受信した場合には(518)、情報処理装置200において設定の変更を行う必要がない。このため、情報処理装置200の制御部240は、サブ画像およびサブ音声を出力するためのストリームを情報処理装置300に送信する(519、520)。このように、ストリームを受信すると(520)、情報処理装置300は、受信したストリームに基づく画像および音声を出力させる(521)。例えば、
図5のbに示すように、情報処理装置200からのストリームに基づく画像11がサブ画像として表示部351に表示される。
【0111】
また、送信処理が終了すると(519)、情報処理装置200は、一定時間だけ送信処理を停止させ、各部をスリープさせる(522)。また、情報処理装置300からの変更要求があるまでの間、間欠送信が継続して行われる。
【0112】
ここで、間欠送信では、情報処理装置200からストリームが送信されない期間が発生する。このため、情報処理装置300は、最後に情報処理装置200から受信したストリームに対応する画像を補間して表示するような表示処理を行うことが好ましい。しかしながら、情報処理装置300が補間処理機能を備えていないことも想定される。この場合には、スリープ期間中に、情報処理装置200からの画像を表示部351に表示させておくことができない。このため、情報処理装置300が補間処理機能を備えていない場合には、情報処理装置200からの画像データの送信を継続して行うようにしてもよい。例えば、情報処理装置200からの送信対象となるストリームのうち、送信停止時における最後の画像データを送信バッファに保持させる。そして、スリープ期間中には、情報処理装置200の画像処理を停止させるが、無線リンクについては送信処理を継続して行い、その送信バッファに保持されている画像データの送信を継続して行うようにする。
【0113】
また、スリープ期間中には、情報処理装置400から送信されたストリームに対応する画像のみを表示部351に表示するようにしてもよい。例えば、情報処理装置400から送信されたストリームに対応する画像を表示部351の全面に表示することができる。
【0114】
次に、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた場合の例を示す。
【0115】
ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた場合には(531)、上述したように、制御部370は、その設定操作に係るユーザ情報に基づいて、管理情報保持部390(
図4に示す)における保持内容を変更する(532、533)。例えば、
図5のaに示すように、情報処理装置200からの画像データに基づく画像11をメイン画像とするための設定操作(変更操作)が行われた場合を想定する。この場合には、制御部370は、管理情報保持部390における情報処理装置200の出力形式396(
図4に示す)を「メイン」に変更する(532、533)。
【0116】
ここで、上述したように、情報処理装置200において低消費電力モードが設定されている場合には、情報処理装置200がスリープとなっていることが想定される。このように、情報処理装置200がスリープとなっている場合には、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた旨を情報処理装置200に通知することができない。
【0117】
そこで、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われ(531)、管理情報保持部390(
図4に示す)における保持内容が変更された場合には(532、533)、情報処理装置300の制御部370は、変更トリガを設定する(534)。この変更トリガは、情報処理装置200から問合せメッセージを受信した場合に、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた旨を情報処理装置200に通知するためのトリガである。この変更トリガにより、情報処理装置200がStandbyモードになっている状態を解除させ、ユーザによる出力形式の設定操作(変更操作)が行われた旨を情報処理装置200に通知する。
【0118】
ここで、情報処理装置200の各部がウェークアップされ、情報処理装置300へ送信処理が開始された場合を想定する。この場合には、情報処理装置300の制御部370は、Standby解除メッセージを情報処理装置200に送信する(535、536)。
【0119】
Standby解除メッセージを受信すると(536)、情報処理装置200の制御部240は、応答メッセージを情報処理装置300に送信する(537、538)。
【0120】
このように、シンク機器からのStandbyモード解除要求により(535乃至538)、情報処理装置200において設定の状況を問い合わせる必要がある。このため、情報処理装置200の制御部240は、モードテーブル要求を情報処理装置300に送信する(539、540)。このモードテーブル要求は、上述したように、情報処理装置300において管理されている各情報(情報処理装置200に関する管理情報)の送信を要求するものである。なお、上述した各処理(535乃至538)において、変更(例えば、出力形式の変更)がある旨のやりとり(例えば、各処理(515乃至518)における問合せメッセージに対する応答メッセージ)をするようにしてもよい。
【0121】
モードテーブル要求を受信すると(540)、情報処理装置300は、そのモードテーブル要求に応じたコマンド情報を送信する(541、542)。ここで、情報処理装置300から情報処理装置200にコマンド情報が既に送信されている場合には、情報処理装置200は、そのコマンド情報に含まれる情報については既に取得していることになる。このため、ここでは、情報処理装置300は、そのモードテーブル要求に応じたコマンド情報として、差分情報のみを送信するようにしてもよい(541、542)。この差分情報は、変更に係る情報であり、例えば、情報処理装置200に関する解像度/音質の出力形式情報である。
【0122】
コマンド情報を受信した場合には(542)、情報処理装置200の制御部240は、コマンド情報に基づいて、情報処理装置200からのデータの出力形式がメインであるかサブであるかを特定する。続いて、情報処理装置200の制御部240は、その特定された出力形式に設定する旨を示すモード設定情報を情報処理装置300に送信する(543、544)。ここでは、情報処理装置200からのデータの出力形式がメインであることが特定されたものとする。そこで、情報処理装置200の制御部240は、その特定された出力形式(メイン)に設定する旨と、通常の消費電力モードを設定する旨とを通知するためのモード設定情報を情報処理装置300に送信する(543、544)。なお、各処理(539乃至544)は、Wi−Fi CERTIFIED Miracast準拠の装置の場合、Capability Re−negotiationで行うようにしてもよい。Capability Re−negotiationの場合、処理(534)で出力形式に変化がない設定値に関しては再度ネゴシエーションする必要はない。例えば、wfd−displayedid、wfd−client−rtpports、wfd−I2C、wfd−connectortype等が挙げられる。
【0123】
続いて、情報処理装置200の制御部240は、送信モードとしてメインモードを設定する(545)。これにより、データ送信系201では、メイン画像を表示するための解像度と、メイン音声を出力するための音質とが設定される(546)。また、回線制御系202では、通常の消費電力モードが設定される(547)。
【0124】
このように、通常の消費電力モードが設定された場合には(547)、情報処理装置200の制御部240は、通常の送信処理を開始する(548、549)。すなわち、情報処理装置200は、メイン画像およびメイン音声を出力するためのストリームを情報処理装置300に送信する(548、549)。このように、ストリームを受信すると(549)、情報処理装置300は、受信したストリームに基づく画像および音声を出力させる(550)。例えば、
図5のaに示すように、情報処理装置200からのストリームに基づく画像11がメイン画像として表示部351に表示される。
【0125】
なお、この例では、情報処理装置300の電源がオンされた場合において、表示部351の表示形式は、前回の出力形式(情報処理装置300の電源のオフ時の出力形式)を設定する例を示した。ただし、情報処理装置300の電源がオンされた場合には、他の出力形式を設定するようにしてもよい。例えば、情報処理装置300の電源がオンされた場合には、デフォルトの出力形式を常に設定するようにしてもよい。または、情報処理装置300に接続された順序に基づいて、表示形式を決定するようにしてもよい。
【0126】
なお、
図6乃至
図8では、情報処理装置200が、情報処理装置300の設定情報を問い合わせて、受信したパラメータ情報を元に、送信パラメータを設定する例を示した。ただし、情報処理装置200が設定したいパラメータを情報処理装置300へ設定依頼し、情報処理装置300が問題ない旨の応答を受信した時点で設定するようにしてもよい。この例を、
図9および
図10に示す。
【0127】
[通信例]
図9乃至
図11は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図9および
図10は、
図6乃至
図8に示す通信処理例の一部を変形したものである。このため、
図9および
図10では、
図6乃至
図8に示す通信処理例と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。また、
図11は、
図9に示す通信処理例の一部を変形したものである。このため、
図11では、
図9に示す通信処理例と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0128】
図9に示す各処理(561乃至564)は、
図6に示す各処理(501乃至504)に対応する。
【0129】
続いて、情報処理装置300の制御部370は、ユーザにより設定された出力形式を通知するためのモードステータス通知を情報処理装置200に送信する(565、566)。このモードステータス通知は、ユーザにより設定された出力形式(例えば、メインであるかサブであるか)とともに、情報処理装置200が設定可能な解像度/音質、画像・音声コーデックの種類、3D機能の有無、コンテンツプロテクションの有無、ディスプレイ機器の表示サイズ、トポロジ情報、使用可能なプロトコル、これらのプロトコルの設定情報(ポート情報等)、接続インターフェース情報(コネクタタイプ等)、水平同期・垂直同期の位置、ソース機器の性能プライオリティ要求情報、低消費電力モードへの対応可否等のモード制御テーブル返答、無線での送信最大スループットまたは受信可能な最大スループット、CPUパワー、電池残量、電源供給情報等を通知するための情報である。
【0130】
このように、情報処理装置300においてユーザによる出力形式の設定操作が行われた直後に、その設定操作に係る出力形式を通知するためのモードステータス通知を情報処理装置200に送信することができる。このため、無線通信を利用して接続されている情報処理装置200および情報処理装置300間における設定時間(変更時間)を短縮させることができる。
【0131】
モードステータス通知を受信すると(566)、情報処理装置200の制御部240は、受信したモードステータス通知により特定されるステータスパラメータと、自装置のステータスパラメータとを比較する。続いて、情報処理装置200の制御部240は、その比較結果に基づいて、設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を決定する。続いて、情報処理装置200の制御部240は、その決定された設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を通知するためのモード設定要求を情報処理装置300に送信する(567、568)。
【0132】
モード設定要求を受信すると(568)、情報処理装置300の制御部370は、受信したモード設定要求により特定される設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を許可するか否かを判断する。そして、情報処理装置300の制御部370は、その判断結果を通知するためのモード設定可否コマンドを情報処理装置200に送信する(569、570)。
【0133】
モード設定可否コマンドを受信すると(570)、情報処理装置200の制御部240は、モード設定可否コマンドの内容を確認する。例えば、情報処理装置200が送信したモード設定要求に係る設定内容を許可する旨のモード設定可否コマンドを受信した場合には、情報処理装置200の制御部240は、送信モードとしてサブモードを設定する(571)。なお、
図9に示す各処理(571乃至574)は、
図6に示す各処理(511乃至514)に対応する。また、
図10に示す各処理(575乃至578)は、
図7に示す各処理(519乃至522)に対応する。
【0134】
なお、情報処理装置200が送信したモード設定要求に係る設定内容を許可しない旨のモード設定可否コマンドを受信した場合には、情報処理装置200の制御部240は、新たに設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を決定する。そして、情報処理装置200の制御部240は、その新たに決定された設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を通知するためのモード設定要求を情報処理装置300に送信する。
【0135】
図10に示す各処理(581乃至583)は、
図7に示す各処理(531乃至533)に対応する。
【0136】
続いて、情報処理装置300の制御部370は、ユーザにより変更された出力形式を通知するためのモードステータス変更通知を情報処理装置200に送信する(584、585)。このモードステータス変更通知は、ユーザにより変更された出力形式(例えば、メインであるかサブであるか)とともに、情報処理装置200が設定可能な解像度/音質、低消費電力モードへの対応可否等を通知するための情報である。
【0137】
モードステータス変更通知を受信すると(585)、情報処理装置200の制御部240は、設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を決定する。この設定内容の決定処理については、上述した決定処理と同様である。続いて、情報処理装置200の制御部240は、その決定された設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を通知するためのモード変更要求を情報処理装置300に送信する(586、587)。
【0138】
モード変更要求を受信すると(587)、情報処理装置300の制御部370は、受信したモード変更要求により特定される設定内容(例えば、解像度/音声、消費電力モード)を許可するか否かを判断する。そして、情報処理装置300の制御部370は、その判断結果を通知するためのモード設定可否コマンドを情報処理装置200に送信する(588、589)。
【0139】
モード設定可否コマンドを受信すると(589)、情報処理装置200の制御部240は、モード設定可否コマンドの内容を確認し、送信モードを設定する(590)。なお、この確認処理については、上述した確認処理と同様である。また、
図10に示す各処理(590乃至595)は、
図8に示す各処理(545乃至550)に対応する。
【0140】
ここで、ソース機器は、サブ画像およびメイン画像の切り替えを行った場合に、その切り替わりのタイミングを示す情報(例えば、GOP(Group of Picture)の先頭を把握する情報やPicture先頭を把握する情報)をストリームに含めて送信するようにしてもよい。言い換えると、ソース機器は、メイン表示およびサブ表示の切換を行う場合に、その切り替わりのタイミングを示す情報をシンク機器に送信するようにしてもよい。この場合には、そのストリームを受信したシンク機器は、そのタイミングを示す情報に基づいて、サブ画像およびメイン画像の切り替えを適切なタイミングで切り替えることができる。
【0141】
ここで、
図6乃至
図10では、シンク機器に接続されているソース機器のスタンバイ・ウエークアップを制御する例を示している。ただし、シンク機器に接続されているソース機器のスタンバイ・ウェークアップに基づいて、シンク機器のスタンバイ・ウェークアップを制御するようにしてもよい。例えば、シンク機器に接続されている全てのソース機器がスタンバイとなった場合にシンク機器をスタンバイとするように制御することができる。また、シンク機器に接続されているソース機器のうちの少なくとも1つがウェークアップである場合には、シンク機器をウェークアップとするように制御することができる。
【0142】
また、
図9に示す各処理(565乃至570)において、処理(564)で保持された保持内容が変更されたことをシンク機器からソース機器へ通知し、ソース機器からモードテーブル要求を送信する場合の変形例を
図11に示す。
【0143】
図11に示すように、情報処理装置300は、出力形式が変更したこと(564)を情報処理装置200に通知するとともに、情報処理装置200からモード設定要求の送信を促すため、モードステータス通知を送信する(565、566)。このモードステータス通知を受信した情報処理装置200は、対応が可能な場合には、モードステータス通知を承認する旨を示すモードステータス通知承認を情報処理装置300に送信する(851、852)。
【0144】
このように、モードステータス通知承認が送信された後に(851)、各処理が行われる(853乃至858)。なお、この各処理(853乃至858)は、
図6に示す各処理(505乃至510)に対応する。このように、モードステータス通知承認が送信された後に(851)、各処理(853乃至858)を行うことにより、状態変化(出力形式の変更(564))に対して、データ伝送速度制御を適切に行うことができる。
【0145】
ここで、例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastで用意されているコマンドにおいて、wfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageは、現状、情報処理装置200が情報処理装置300へ送信するコマンドとして定義されている。ただし、wfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageが、情報処理装置300が情報処理装置200へ送信するコマンドとして拡張できた場合、wfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageを情報処理装置200が受信し、情報処理装置200は情報処理装置300との間で、Capability Re−negotiationを開始することができる。すなわち、wfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageを用いて管理情報の交換を行うことができる。例えば、情報処理装置300の制御部370は、Wi−Fi CERTIFIED Miracast仕様に定められるwfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageを、管理情報が変更された場合にその変更を情報処理装置200に通知するためのコマンドとして情報処理装置200に送信する制御を行うことができる。また、これらのコマンド以外に新規にコマンドを定義し、同等のことができるようにしてもよい。
【0146】
[情報処理装置(ソース機器)の動作例]
図12は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるデータ送信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12では、最初に、情報処理装置200が、標準的な解像度のストリーム(画像データおよび音声データ)を情報処理装置300に送信している場合の例を示す。この場合には、情報処理装置300には、そのストリームに基づく出力が行われているものとする。
【0147】
最初に、制御部240は、モードテーブル要求を情報処理装置300に送信する(ステップS1001)。続いて、制御部240は、コマンド情報を情報処理装置300から受信したか否かを判断し(ステップS1002)、コマンド情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。なお、ある一定時間待機しても、コマンド情報を受信できない場合にはタイムアウトし、処理を終了してもよい。例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastでは、状況に応じて5秒から9秒のタイムアウト時間を設定している。
【0148】
コマンド情報を情報処理装置300から受信した場合には(ステップS1002)、制御部240は、受信したコマンド情報に基づいてモードを設定する旨を示すモード設定情報を情報処理装置300に送信する(ステップS1003)。
【0149】
続いて、制御部240は、受信したコマンド情報に基づいてモードを設定する(ステップS1004)。また、制御部240は、解像度を向上するための変更要求がコマンド情報に含まれている場合には、その変更要求に応じて、画像および音声の解像度を設定する。また、制御部240は、解像度を低下するための変更要求がコマンド情報に含まれている場合には、その変更要求に応じて、画像の解像度および音声の音質を設定する。
【0150】
続いて、制御部240は、その設定に応じてストリームを情報処理装置300に送信する送信処理を行う(ステップS1005)。
【0151】
続いて、制御部240は、低消費電力モードが設定されているか否かを判断し(ステップS1006)、低消費電力モードが設定されていない場合(すなわち、通常の消費電力モードが設定されている場合)には、ステップS1011に進む。一方、低消費電力モードが設定されている場合には(ステップS1006)、制御部240は、一定時間スリープとする(ステップS1007)。
【0152】
続いて、制御部240は、問合せメッセージを情報処理装置300に送信する(ステップS1008)。続いて、制御部240は、応答メッセージを情報処理装置300から受信したか否かを判断し(ステップS1009)、応答メッセージを受信していない場合には、監視を継続して行う。ある一定時間待機しても、応答メッセージを受信できない場合にはタイムアウトし、処理を終了してもよい。例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastでは、状況に応じて5秒から9秒のタイムアウト時間を設定している。
【0153】
応答メッセージを情報処理装置300から受信した場合には(ステップS1009)、制御部240は、その応答メッセージに変更要求が含まれているか否かを判断する(ステップS1010)。そして、その応答メッセージに変更要求が含まれている場合には(ステップS1010)、ステップS1001に戻る。
【0154】
その応答メッセージに変更要求が含まれていない場合には(ステップS1010)、制御部240は、変更要求を受信したか否かを判断する(ステップS1011)。そして、変更要求を受信した場合には(ステップS1011)、ステップS1001に戻る。一方、変更要求を受信していない場合には(ステップS1011)、制御部240は、送信停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS1012)。そして、送信停止操作が行われた場合には(ステップS1012)、データ送信処理の動作を終了する。一方、送信停止操作が行われていない場合には(ステップS1012)、ステップS1005に戻る。
【0155】
[情報処理装置(シンク機器)の動作例]
図13は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置300によるデータ伝送速度制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13では、情報処理装置300が、ストリーム(画像データおよび音声データ)を受信している場合に、ソース機器に関する設定内容(例えば、解像度、消費電力モード)を決定する例を示す。
【0156】
例えば、情報処理装置300の制御部370は、メイン画像とするためのユーザ情報や、情報処理装置300および各ソース機器間のリンク電波伝搬環境に応じて、使用する解像度や使用する周波数チャネルを決定することができる。
【0157】
例えば、
図5のaに示す状態で画像12を選択するためのユーザ操作が行われた場合を想定する。この場合には、画像12に関する解像度をアップさせ、画像11の解像度をダウンさせることが好ましい。また、時間の経過に応じて、各ソース機器のリンク電波伝搬環境に基づいて、画像11および画像12にとっての最適な解像度が選択することが好ましい。
【0158】
例えば、情報処理装置300は、複数の周波数チャネルに、該当するスループットに相当するデータを流してみて、電波伝搬特性を把握することができる。また、例えば、情報処理装置300は、複数の周波数チャネル毎に理想的なスループットを把握するテーブルを保持しておく。そして、情報処理装置300は、同時に使用しているソース機器の数とPERとに基づいて、使用する周波数チャネルの利用可能データ伝送速度を把握し、周波数チャネル毎に最適な周波数チャネルを選択するようにしてもよい。
【0159】
例えば、制御部370は、管理情報保持部390から管理情報を取得し、ユーザ情報取得部360からユーザ情報を取得する(ステップS1021)。続いて、制御部370は、取得された管理情報およびユーザ情報に基づいて、出力形式を決定する(ステップS1022)。この決定された出力形式に基づいて、複数のソース機器のそれぞれから送信された2つのストリームに対応する画像が表示部351に表示される。
【0160】
続いて、制御部370は、管理情報に含まれるPERが閾値以下となるソース機器が存在するか否かを判断する(ステップS1023)。管理情報に含まれるPERが閾値以下となるソース機器が存在する場合には(ステップS1023)、制御部370は、そのソース機器の解像度を向上するための変更要求を決定する(ステップS1024)。なお、ユーザ情報に基づく出力形式によって、メイン画像に多くのデータ伝送速度を割り振る制御を制御部370が行う。この変更要求は、例えば、コマンド情報(例えば、
図6に示すコマンド情報)に含めてそのソース機器に送信される。なお、そのソース機器の解像度を向上させた後のスループットが閾値以内であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて、ストリームのレートを制御するようにしてもよい。
【0161】
管理情報に含まれるPERが閾値以下となるソース機器が存在しない場合には(ステップS1023)、制御部370は、管理情報に基づいて、各ソース機器のスループットが閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1025)。すなわち、各リンクのスループットが現在の周波数チャネルでも問題ないか否かが判断される(ステップS1025)。
【0162】
各ソース機器のスループットが閾値以下でない場合には(ステップS1025)、ステップS1021に戻る。一方、各ソース機器のスループットが閾値以下である場合には(ステップS1025)、制御部370は、管理情報に基づいて、低消費電力モードに対応するソース機器が存在するか否かを判断する(ステップS1026)。
【0163】
低消費電力モードに対応するソース機器が存在する場合には(ステップS1026)、制御部370は、その低消費電力モードに対応するソース機器について低消費電力モードを設定するための変更要求を決定する(ステップS1028)。この変更要求は、例えば、コマンド情報(例えば、
図6に示すコマンド情報)に含めてそのソース機器に送信される。
【0164】
低消費電力モードに対応するソース機器が存在しない場合には(ステップS1026)、制御部370は、そのソース機器(PERが閾値以下となるソース機器)の解像度を低下するための変更要求を決定する(ステップS1027)。この変更要求は、例えば、コマンド情報(例えば、
図6に示すコマンド情報)に含めてそのソース機器に送信される。
【0165】
また、受信停止操作が行われたか否かが判断され(ステップS1029)、受信停止操作が行われた場合には、データ伝送速度制御処理の動作を終了し、受信停止操作が行われていない場合には、ステップS1021に戻る。なお、低消費電力モードの設定によりスリープ状態となっているソース機器が存在する場合には、情報処理装置300に接続するソース機器の数が減る。この場合には、ステップS1025におけるスループット閾値を変更するようにしてもよい。また、このようにスループット閾値を変更した後に、ステップS1025に相当するステップをさらに実行するようにしてもよい。なお、ステップS1021は、請求の範囲に記載の無線通信手順の一例である。また、ステップS1023乃至S1028は、請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0166】
このように、シンク機器が回線環境を一定時間トレーニングし、安定的な映像通信が行える解像度をソース機器に通知する制御プロトコルを実現することができる。なお、ソース機器が回線環境を一定時間トレーニングし、安定的な映像通信が行える解像度を要求し、シンク機器が応答する制御プロトコルとするようにしてもよい。
【0167】
このように、情報処理装置300の制御部370は、管理情報保持部390の管理情報とユーザ情報取得部360により取得されたユーザ情報とに基づいて、各ソース機器のそれぞれから送信された2つのストリームのデータ伝送速度制御を行うことができる。
【0168】
なお、情報処理装置200および情報処理装置400のそれぞれから送信された2つのストリームの合計データ伝送速度を最小にするように制御を行うようにしてもよい。例えば、その合計データ伝送速度の最大許容値を受信側の情報処理装置300の制御部370に設定する。そして、制御部370は、ビットレートを低下するための変更要求を情報処理装置200に送信した後に、情報処理装置200および400のそれぞれから送信された2つのストリームのビットレートをストリーム受信部330から取得する。続いて、制御部370は、取得された2つのストリームの合計データ伝送速度を計算する。続いて、制御部370は、設定された最大許容値を超えない範囲で、情報処理装置400から送信されるストリームのビットレートを決定し、このビットレートに向上させるための変更要求を情報処理装置400に送信する。なお、最低ビットレートに設定してもPERが大きく同一周波数チャネルに収容できない場合には、別の周波数チャネルを用いてもよい。また、画像(メイン画像、サブ画像)が一定時間以上、止まっている場合には、ユーザからの操作(例えば、ポインティング)が発生しない限り、画像データを停止させておくようにしてもよい。
【0169】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、複数のソース機器から送信された複数のストリームを1つのシンク機器で受信する場合でも、ユーザの操作・状況・意図に応じた適切なデータ伝送速度制御を行うことができる。例えば、ユーザの操作・状況・意図に応じて、複数の画像・音声ストリームのうち一部のデータ伝送速度を減らし、残りのストリームのデータ伝送速度を増加させることができる。
【0170】
また、例えば、シンク機器が複数のストリームを受信して表示しているような場合には、その時々に応じてユーザが設定したとおりに、重要な画像・音声を高品質で楽しむことができる。また、そうでない画像・音声については、そのデータ伝送速度を自動的に最適な周波数チャネル、消費電力、伝送レートに調節することができる。
【0171】
ここで、管理情報保持部390に保持される管理情報について、例えば、管理情報の交換は、Wi−Fi CERTIFIED Miracastで用意されているコマンドを用いることもできる。この場合、Wi−Fi Display仕様で定められるcapability negotiationまたはcapability re−negotiationで行うことができる。ここで、capability negotiationまたはcapability re−negotiationとして、例えば、RFC5939やWi−Fi CERTIFIED Miracast仕様が挙げられる。ただし、capability negotiationまたはcapability re−negotiationは、これらに限定されるものではなく、装置性能情報のやりとりと定義する。このWi−Fi CERTIFIED Miracast仕様コマンドを用いたやりとりの通信例を
図14乃至
図16に示す。
【0172】
[Wi−Fi CERTIFIED Miracast仕様コマンドを用いたやりとりの通信例]
図14乃至
図16は、本技術の第1の実施の形態におけるソース機器およびシンク機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図14乃至
図16では、RTSPプロトコルを用いたやりとりの通信例を示す。なお、ソース機器820は、情報処理装置200、400に対応し、シンク機器830は、情報処理装置300に対応する。
【0173】
最初に、
図14を参照して説明する。例えば、
図14の点線の矩形840内に示すように、ソース機器からシンク機器に送信される「RTSP M3 Request」(RTSP GET_PARAMETER Request)メッセージと、これに応答してシンク機器からソース機器に送信される「RTSP M3 Response」(RTSP GET_PARAMETER Response)メッセージとを用いることができる。この交換処理は、例えば、
図6に示す処理(505乃至508)、
図8に示す処理(539乃至542)に対応する。一方、ソース機器からシンク機器に適宜送信するようにしてもよい。例えば、「RTSP M3 Request」(RTSP GET_PARAMETER Request)メッセージと、「RTSP M3 Response」(RTSP GET_PARAMETER Response)メッセージとのやりとりを省略し、ソース機器からシンク機器に送信されるメッセージに管理情報を含めて、ソース機器からシンク機器に管理情報を送信し、シンク機器が情報を選択して管理情報保持部390に保持するようにしてもよい。
【0174】
また、消費電力モードに関する情報のやりとりについては、RTSPプロトコルを用いた所定のメッセージで行うことができる。例えば、以下の(1)乃至(3)の3種類の管理情報の交換を行うことができる。
(1)"Standbyモードへの設定"
(2)"ソース機器がStanbyモードを解除する場合またはソース機器がシンク機器のStandbyモードを解除する場合"
(3)"シンク機器がStandbyモードを解除する場合またはシンク機器がソース機器のStandbyモードを解除する場合"
【0175】
最初に、
図15を参照して説明する。例えば、Wi−Fi CERTIFIED Miracastで用意されているコマンドを用いる場合、上述した(1)"Standbyモードへの設定"のやりとりでは、ソース機器820からシンク機器830に送信される「RTSP M12 Request」(RTSP SET_PARAMETER(with WFD−standby))メッセージと、これに応答してシンク機器830からソース機器820に送信される「RTSP M12 Response」(RTSP OK)メッセージとを用いることができる。一方、シンク機器830からソース機器820へのStanbyモードへの設定も同様である。
【0176】
次に、
図16を参照して説明する。例えば、上述した(2)"ソース機器がStanbyモードを解除する場合またはソース機器がシンク機器のStandbyモードを解除する場合"、ソース機器820は、シンク機器830に送信される「RTSP M5 Request」(RTSP SET_PARAMETER(Request(wfd−trigger−method:PLAY))メッセージと、これに応答してシンク機器830からソース機器820に送信される「RTSP M5 Response」(RTSP OK)メッセージとをやりとりする。シンク機器830は、ソース機器820に送信される「RTSP M7 Request」(RTSP PLAY Request)メッセージと、これに応答してソース機器820からシンク機器830に送信される「RTSP M7 Response」(RTSP OK)メッセージとを用いることができる。
【0177】
また、例えば、上述した(3)"シンク機器がStandbyモードを解除する場合またはシンク機器がソース機器のStandbyモードを解除する場合"のやり取りの場合、シンク機器830は、ソース機器820に送信される「RTSP M7 Request」(RTSP PLAY Request)メッセージと、これに応答してソース機器820からシンク機器830に送信される「RTSP M7 Response」(RTSP OK)メッセージとを用いることができる。これらのやり取りは、例えば、
図7に示す処理(515乃至518)、
図7に示す処理(535乃至538)に対応する。
【0178】
また、例えば、
図9に示す処理(565乃至570)のやりとりは、シンク機器830からソース機器820に送信される「RTSP M12 Request」(RTSP SET_PARAMETER(with WFD−standby))メッセージと、これに応答してソース機器820からシンク機器830に送信される「RTSP M12 Response」(RTSP OK)メッセージとを用いることができる。
【0179】
さらに、例えば、
図10に示す処理(584乃至589)のやりとりは、シンク機器830からソース機器820に送信される「RTSP M7 Request」(RTSP PLAY Request)メッセージと、これに応答してソース機器820からシンク機器830に送信される「RTSP M7 Response」(RTSP OK)メッセージとを用いてもよい。
【0180】
このように、無線通信部320は、capability情報の交換を、Wi−Fi Display仕様に定められるcapability negotiationまたはcapability re−negotiationで行うことができる。また、capability情報は、例えば、capability negotiationまたはcapability re−negotiationにおけるRTSP M3 Messageにおいて交換される。
【0181】
このように、例えば、情報処理装置300の無線通信部320は、情報処理装置300に関するcapability情報と、情報処理装置200に関するcapability情報とを交換するための通信をソース機器との間で行う。また、情報処理装置200の無線通信部220は、情報処理装置200に関するcapability情報と、情報処理装置300に関するcapability情報とを交換するための通信を情報処理装置300との間で行う。これらの場合に、無線通信部220、320は、capability情報の交換をcapability negotiationまたはcapability re−negotiationで行うことができる。
【0182】
また、情報処理装置300の制御部370は、情報処理装置200に関するcapability情報と、情報処理装置200との通信に関する電波伝搬測定情報と、情報処理装置300の使われ方とに基づいて情報処理装置200とのストリームのデータ伝送速度制御を行う。また、本技術の実施の形態とストリーム伝送の方法は異なるが、情報処理装置200の制御部240は、情報処理装置200に関するcapability情報と、情報処理装置300とのストリームの通信に関する電波伝搬測定情報とに基づく情報処理装置300からの制御に基づいて情報処理装置300とのストリームのデータ伝送速度制御を行うこともできる。
【0183】
また、情報処理装置300の制御部370は、情報処理装置200に関するcapability情報(例えば、モバイル機器であるか否かを示す情報)に基づいて情報処理装置200における消費電力モードを設定する制御を行う。この場合に、制御部370は、情報処理装置200に関するcapability情報と、情報処理装置200を管理するための管理情報とに基づいて情報処理装置200に低消費電力モードを設定する制御を行うことができる。また、情報処理装置200の制御部240は、情報処理装置200に関するcapability情報に基づく情報処理装置300からの制御に基づいて消費電力モードを設定する。なお、本技術の実施の形態ではソース機器を2台にしたトポロジでの一例を説明したが、本技術は本技術の実施の形態に限定されない。例えば、2台以上であれば、台数分のデータ伝送速度制御を行う必要があり、状態遷移が多いため、制御が難しくなるが、有益である。2台以上のソース機器が接続するトポロジでも対応することができる。
【0184】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、ユーザ情報や管理情報に基づいて無線通信に関する制御を行う例を示した。ここで、例えば、ソース機器がモバイル機器である場合には、ソース機器が移動することも想定される。この場合には、周波数チャネルによっては、範囲外になることも想定される。このような場合には、適切な周波数チャネルを設定して安定した伝送を実現することが重要である。
【0185】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、複数の周波数チャネルを使用可能なソース機器について適切な周波数チャネルを設定する例を示す。
【0186】
[通信システムの構成例]
図17は、本技術の第2の実施の形態における通信システム700のシステム構成例を示すブロック図である。
【0187】
通信システム700の構成は、
図1に示す通信システム100の構成と同様である。このため、
図1に示す通信システム100と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0188】
ただし、
図17では、情報処理装置300の電波到達範囲(サービス範囲)として、2種類の異なる周波数チャネルの電波到達範囲を点線の楕円701、702で示す点が
図1とは異なる。例えば、第1の周波数チャネルを60GHz帯とし、第1の周波数チャネルの電波到達範囲を楕円701で示す。また、第2の周波数チャネルを2.4GHz帯とし、第2の周波数チャネルの電波到達範囲を楕円702で示す。
【0189】
ここで、電波到達範囲701は、例えば、情報処理装置200、400が第1の周波数チャネルを用いてストリームの伝送を情報処理装置300に行うことが可能であると想定される範囲(サービス範囲)を意味する。また、電波到達範囲702は、例えば、情報処理装置200、400が第2の周波数チャネルを用いてストリームの伝送を情報処理装置300に行うことが可能であると想定される範囲(サービス範囲)を意味する。
【0190】
また、
図17では、情報処理装置200がモバイル機器であり、情報処理装置200が移動する場合の例を示す。また、ここでは、情報処理装置300および情報処理装置400がストリームの伝送を行っている場合に、情報処理装置200および情報処理装置300が接続処理を行う例について説明する。
【0191】
上述したように、情報処理装置200は移動可能である。このため、例えば、矢印703に示すように、情報処理装置300との接続処理の開始時には、情報処理装置200が電波到達範囲701外に存在するが、その接続が行われている間に電波到達範囲701内に移動することが想定される。また、例えば、矢印704に示すように、情報処理装置300との接続処理の開始時には、情報処理装置200が電波到達範囲701内に存在するが、その接続が行われている間に電波到達範囲701外に移動することも想定される。
【0192】
ここで、例えば、無線通信の接続処理中に電波到達範囲の境界(サービスエリア境界線)に情報処理装置200が存在する場合には、その接続処理に時間がかかることがあり、ストリーム伝送の画像も乱れる。この場合には、帯域をシェアしている他のリンク(例えば、情報処理装置400および情報処理装置300のリンク)の無線通信に影響を与えてしまうおそれがある。
【0193】
そこで、
図17に示すような接続環境に対応するため、情報処理装置200および情報処理装置300のセッション接続手順は、2つの周波数チャネルのうち、サービスエリアが広い周波数帯域を用いることが好ましい。例えば、本技術の第2の実施の形態では、2つの周波数チャネルのうち、サービスエリアが広い第2の周波数チャネル(2.4GHz帯)を用いる例を示す。
【0194】
すなわち、制御部370は、電波伝播測定情報により特定される通信品質が劣化してデータ伝送速度制御を制限する必要が生じた際に、電波伝播測定情報と情報処理装置300の使われ方とに基づいて、利用する周波数チャネルをより高速なデータ伝送速度のものに変更する制御を行うことができる。また、制御部370は、電波伝播測定情報により特定される通信品質が劣化してデータ伝送速度制御を制限する必要が生じた際に、電波伝播測定情報と情報処理装置300の使われ方とに基づいて、利用する周波数チャネルをより低速なデータ伝送速度のものに変更する制御を行うことができる。例えば、電波伝播測定情報により特定される通信品質が劣化してデータ伝送速度制御を制限する必要が生じた際に、電波伝播測定情報と情報処理装置300の使われ方とに基づいて、より高速なデータ伝送速度にするには、第2の周波数チャネルを使用している場合には、第1の周波数チャネルへ周波数チャネルを変更することで対応することができる。一方、低速なデータ伝送速度のものに変更するには、第1の周波数チャネルを使用している場合には、第2の周波数チャネルへ周波数チャネルを変更することで対応することができる。なお、本技術の実施の形態では、周波数チャネルの切替だけに限らず、その他の方法でもよいものとする。例えば、帯域幅を変更することで、データ伝送速度制御を行うことができる。一例を挙げると、802.11では複数の帯域幅をサポートし、20MHz幅、40MHz幅、80MHz幅、160MHz幅等が存在する。帯域幅が大きくなると、データ伝送速度は高速になるため、制御部370において、電波伝播測定情報により特定される通信品質が劣化してデータ伝送速度制御を制限する必要が生じた際に、帯域幅を広げる、または、狭める制御を行ってもよい。このように、情報処理装置300の使われ方(例えば、表示部351の表示形式、情報処理装置300の移動状態)と、電波伝搬環境とに基づいて、総合的に、情報処理装置200のCapability設定を行うことにより、システム全体の安定性を高くすることができる。
【0195】
ここで、矢印704の方向に情報処理装置200が移動する場合には、無線通信の品質が下がる方向へ移動することになる。このため、スループットを絞り、品質を下げる対応が困難であるため、周波数チャネルの変更が必要になる。
【0196】
また、矢印704の方向に情報処理装置200が移動する場合には、情報処理装置200を切断して他リンクの画質・音質を上げるか、情報処理装置200を切断せずに情報処理装置200の周波数チャネルを変更するかをユーザに指示させるようにしてもよい。例えば、情報処理装置200を切断して他リンクの画質・音質を上げることを許可するか否かを指示するためのポップアップを情報処理装置300に表示させ、そのポップアップによりユーザに指示をさせることができる。また、例えば、そのポップアップを情報処理装置200に表示させるか否かを情報処理装置300に表示して、そのポップアップを情報処理装置200に表示させる指示がされた場合に、そのポップアップを情報処理装置200に表示させるようにしてもよい。この場合には、情報処理装置200のユーザが指示を行うことができる。また、より安定したリンクを確保するため、接続処理の開始時は、伝送速度が速い通信方式よりも伝送速度が遅い通信方式を選択して通信を開始することが好ましい。
【0197】
例えば、そのポップアップにおいて、切断することが許可された場合には、情報処理装置300は、リンク電波伝播状況が改善するまでの間、ストリームの送信を停止するための処理を情報処理装置200との間で行う。この場合には、管理情報保持部390に保持されている情報処理装置200の管理情報が消去される。
【0198】
また、例えば、そのポップアップにおいて、切断することが許可されなかった場合には、情報処理装置300は、情報処理装置200の周波数チャネルを変更するための処理を行う。
【0199】
このように、制御部370は、利用している周波数チャネルの切断可否に関する表示情報(例えば、ポップアップ)を表示部351に表示させる制御を行うことができる。また、制御部370は、利用している周波数チャネルの切断が不可である旨を示すユーザ操作が受け付けられた場合には、周波数チャネルを切り換える制御を行うようにする。
【0200】
以上では、矢印704の方向に情報処理装置200が移動するタイミングでユーザに指示させる例を示した。ただし、そのような状態になった場合に、どのように処理するかを予め設定しておくようにしてもよい。
【0201】
例えば、情報処理装置400および情報処理装置300のリンクでストリーム伝送が行われている状況では、他リンクのストリーム伝送に影響を与えないように処理を行う必要である。このため、情報処理装置200の移動タイミングでユーザに指示させるよりも、事前設定とすることが好ましい。この場合、自動的にリンクが切り替わることで、解像度の変化による画質劣化が発生するため、ユーザにリンク変更の状態を通知する方法として、「2.4G」、「60G」等の表示を行うようにしてもよい。
【0202】
ここで、情報処理装置200が電波到達範囲701、702を頻繁に移動するような動作環境も想定される。そこで、以下では、第1の周波数チャネルおよび第2の周波数チャネルを高速で切替する例を示す。
【0203】
[管理情報の取得例]
図18は、本技術の第2の実施の形態における通信システム700を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図18では、情報処理装置300が、情報処理装置200および情報処理装置400のそれぞれに関する管理情報を取得する例を示す。
【0204】
図18に示す各処理(801乃至806)、各処理(807乃至812)は、
図6に示す各処理(505乃至510)に対応する。
【0205】
なお、
図18では、本技術の第1の実施の形態と同一の管理情報の取得例を示した、他の方法で各情報処理装置に関する管理情報を取得するようにしてもよい。
【0206】
[情報処理装置の動作例]
図19は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置300による周波数チャネル設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19では、情報処理装置300が、情報処理装置200との間でリンク(第1のリンク)の接続を行い、情報処理装置300との間でリンク(第2のリンク)の接続を行っている場合の例を示す。なお、
図19に示す処理手順を開始した時点では、第1のリンクは、第1の周波数チャネルを用いてコンテンツ伝送を行い、第2のリンクは、第2の周波数チャネルを用いてコンテンツ伝送を行っている例になっている。また、
図19では、2つの周波数チャネルの双方がデータ伝送速度的に問題ないかを判断し、他のリンクのデータ伝送速度状態を意識しながら、2つの周波数チャネルを高速で切り替える接続設定を示す。
【0207】
最初に、制御部370は、第1ソース機器(情報処理装置200)の管理情報を取得する(ステップS1051)。続いて、制御部370は、第2ソース機器(情報処理装置400)の管理情報を取得する(ステップS1052)。これらの各管理情報は、管理情報保持部390に保持される。また、管理情報の取得方法については、
図18に示す。
【0208】
続いて、制御部370は、情報処理装置300に接続されている各ソース機器が不安定であるか否かを判断する(ステップS1053)。ここで、ソース機器が不安定である場合は、例えば、表示部351に表示される画像が乱れるような場合を意味する。そして、全てのソース機器が不安定でない場合には(ステップS1053)、ステップS1051に戻る。
【0209】
また、何れかのソース機器が不安定である場合には(ステップS1053)、不安定であるソース機器(対象ソース機器)のリンクの安定度に基づく判断を行う(ステップS1054)。例えば、制御部370は、そのソース機器のPERが閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1054)。そして、そのソース機器のPERが閾値未満である場合には、そのソース機器のリンクが安定していると判断することができるため、周波数チャネル設定処理の動作を終了する。
【0210】
なお、この例では、リンクの安定度を判断する際にPERを指標として用いる例を示すが、他の指標を用いるようにしてもよい。例えば、BER、RSSI、PER、パケットの再送回数、スループット、フレーム落ち、SIR等を指標として用いて、リンクの安定度を判断するようにしてもよい。さらに、受信側が受け取るパケット遅延を判断し、このパケット遅延に関する情報を電波伝搬測定情報として用いるようにしてもよい。このパケット遅延は、例えば、エラー発生時に、レイヤ2での再送処理によって受信側への伝送に遅延が発生されるため、電波伝搬に関する1つの指標となる。さらに、パケット遅延は、例えば、複数の装置で無線帯域を共有している無線システムでは、どこかのリンク特性が劣化しているかを示す指標となる。
【0211】
そのソース機器のPERが閾値以上である場合には(ステップS1054)、制御部370は、不安定なリンクを確認する(ステップS1055)。すなわち、制御部370は、そのソース機器が第1ソース機器であるか否かを判断する(ステップS1055)。そして、そのソース機器が現在使用している周波数チャネルとは別の周波数チャネルの空き状況を把握する(ステップS1056、S1057)。
【0212】
例えば、そのソース機器が第2ソース機器である場合には(ステップS1055)、第2ソース機器が現在使用している周波数チャネルとは別の周波数チャネルの空き状況を把握する(ステップS1056)。また、そのソース機器が第1ソース機器である場合には(ステップS1055)、第1ソース機器が現在使用している周波数チャネルとは別の周波数チャネルの空き状況を把握する(ステップS1057)。
【0213】
上述したように、本技術の第2の実施の形態では、周波数チャネルとして2.4GHzおよび60GHzを使用する例を示している。ここで、この2つの周波数チャネルのデータ伝送速度は10倍以上と想定されるが、説明の都合上、この2つの周波数チャネルの最大スループットを30Mbpsと仮定して説明を行う。
【0214】
データ伝送速度の空き状況を把握した後に(ステップS1056、S1057)、制御部370は、安定していないリンクに関して、2.4GHz/60GHzの同時動作を行う(ステップS1058)。例えば、第1ソース機器(情報処理装置200)が不安定な場合には、第1ソース機器(情報処理装置200)が2.4GHzを新規で利用して60GHzおよび2.4GHzを切替ながらストリームの通信を行うようにする。この場合に、60GHzおよび2.4GHzをシームレスに切替できるよう、ストリームのデータ伝送速度を10Mbpsに下げる必要がある。60GHzと2.4GHzを切り替える状況でも、画像や音声等のストリーム生成は無線を意識することがない利点がある。ただし、本技術は、本技術の実施の形態に限定されない。例えば、60GHzと2.4GHzで別々のスループットのストリームを生成し、同期させながら切り替えてもよい。例えば、このような処理は、低遅延コーデックを使用することにより可能となる。
【0215】
そこで、制御部370は、ストリームのデータ伝送速度を10Mbpsに下げて、60GHzおよび2.4GHzを切替ながらストリームの伝送を行うための要求を対象ソース機器(例えば、情報処理装置200)に送信する(ステップS1059)。このように、制御部370は、利用している周波数チャネルを別の周波数チャネルに切り換える前に、データ伝送速度を制限する制御を行う。
【0216】
続いて、情報処理装置300は、通信状況に応じて60GHzおよび2.4GHzを切替ながら、その要求を送信した対象ソース機器からのストリームを受信する(ステップS1060)。
【0217】
続いて、制御部370は、60GHzおよび2.4GHzのうちから、安定した周波数チャネルを選択する。そして、制御部370は、その選択された周波数チャネルを使用してストリームの伝送を行うための要求を対象ソース機器(例えば、情報処理装置200)に送信する(ステップS1060)。これにより、安定したリンクが選択され、安定したストリームの通信を行うことができる。
【0218】
なお、ソース機器がモバイル機器であるか否かに応じて各閾値を変更するようにしてもよい。これにより、ソース機器がモバイル機器である場合には、切替が発生しやすくすることで安定して伝送を実現することができる。
【0219】
ここで、周波数チャネルを変更する対象となるソース機器(対象ソース機器)がモバイル機器である場合には、2つの周波数チャネルを同時に使用すると、バッテリを消耗しやすくなる。そこで、情報処理装置200が、情報処理装置300から受信した情報に基づいて判断するようにしてもよい。この判断を行うためには、情報処理装置300からの情報(例えば、
図6に示すコマンド情報)に、情報処理装置300に接続している全てのソース機器に関するリンクの情報を含めておき、これらの各情報を情報処理装置200が取得する必要がある。そして、情報処理装置200は、そのように取得された全てのソース機器に関する情報に基づいて、安定した周波数を選択することができる。また、情報処理装置200は、他のリンクに影響を与えないかの判断を行うことができる。また、情報処理装置200がモバイル機器であることを示す管理情報を、事前に情報処理装置300に通知しておき、ストリームの伝送が安定している周波数チャネルを、システム全体のデータ伝送速度制御情報に基づいて、情報処理装置300が判断するようにしてもよい。
【0220】
このように、情報処理装置200および情報処理装置300は、複数の周波数チャネルを使用して無線通信を行うことが可能な情報処理装置である。また、情報処理装置300の制御部370は、情報処理装置200に関するcapability情報と、電波伝搬測定情報とに基づいて、複数の周波数チャネルのうちから1つの周波数チャネルを情報処理装置200について設定するための制御を行う。この場合に、情報処理装置300の制御部370は、情報処理装置200からのストリームを複数の周波数チャネルを切り替えながら測定された電波伝搬測定情報に基づいて1つの周波数チャネルを設定する制御を行うことができる。
【0221】
なお、本技術の第2の実施の形態では、第1の周波数チャネルを60GHz帯とし、第2の周波数チャネルを2.4GHz帯として使用する例を示したが、これに限定されない。例えば、第1の周波数チャネルを5GHz帯とし、第2の周波数チャネルを2.4GHz帯として使用するようにしてもよい。
【0222】
また、本技術の第2の実施の形態では、2種類の周波数チャネルを使用する例を示したが、これに限定されない。例えば、他の2種類の周波数チャネルを使用する場合(例えば、LTE−Aと2.4GHz、または、LTE−Aと60GHz)についても適用することができる。また、例えば、3種類以上の周波数チャネルを使用する場合についても適用することができる。例えば、2.4GHz、5GHzおよび60GHzの3種類の周波数チャネルを使用する情報処理装置についても適用することができる。
【0223】
このように、本技術の実施の形態によれば、複数のソース機器からのストリームに基づく出力を行うシンク機器において、ストリームの解像度の調整や送信停止、周波数チャネルの変更を行うことにより不要な消費電力を削減することができる。これにより、モバイル機器に適した通信を実現することができる。また、周波数チャネルの帯域利用効率を向上させ、ロバスト性を高めた通信を実現することができる。
【0224】
すなわち、複数のリンクを管理するシンク機器がスケジューリングすることによりモバイル機器のバッテリ消費を低減させることができる。また、複数の周波数チャネルを使用可能なモバイル機器が1つの周波数チャネルのみを使用するようにシステム全体のスケジューリングが可能となる。また、周波数チャネルの違いを切替する必要があるトポロジであっても、機器情報(例えば、モバイル機器であるか否か)によって切替が発生しやすくすることで安定して伝送を実現することができる。また、周波数チャネルの違いがある場合でも、各情報(管理情報、ユーザ情報)のやり取りを適切に行うことができる。なお、本技術の実施の形態では、ソース機器を2台にした2つのリンクが存在するトポロジでの一例を説明したが、本技術は本技術の実施の形態に限定されない。例えば、2台以上であれば、台数分のリンクに関しデータ伝送速度制御を行う必要があり、状態遷移が多いため、制御が難しくなるが、有益である。例えば、本技術の実施の形態では、2台以上のソース機器が接続するトポロジにも適用することができる。
【0225】
なお、無線通信機能を備える他の装置についても本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、無線通信機能を備える撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ(例えば、カメラ一体型レコーダ))について本技術の実施の形態を適用することができる。また、例えば、無線通信機能を備える表示装置(例えば、テレビジョン、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ)や携帯型の情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末)について本技術の実施の形態を適用することができる。
【0226】
<3.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、情報処理装置200、300、400は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、情報処理装置200、300、400は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、情報処理装置200、300、400は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
【0227】
[3−1.第1の応用例]
図20は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
【0228】
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
【0229】
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
【0230】
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
【0231】
なお、
図20の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
【0232】
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図20に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
【0233】
図20に示したスマートフォン900において、
図2を用いて説明した制御部240、
図3を用いて説明した制御部370は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。
【0234】
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
【0235】
[3−2.第2の応用例]
図21は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
【0236】
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
【0237】
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
【0238】
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
【0239】
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
【0240】
なお、
図21の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
【0241】
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図21に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
【0242】
図21に示したカーナビゲーション装置920において、
図2を用いて説明した制御部240、
図3を用いて説明した制御部370は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
【0243】
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
【0244】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0245】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0246】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
画像情報を出力するためのストリームを他の情報処理装置から無線通信を利用して受信する情報処理装置であって、
前記情報処理装置に関するcapability情報と、前記他の情報処理装置に関するcapability情報とを交換するための通信を前記他の情報処理装置との間で行う無線通信部と、
前記他の情報処理装置に関するcapability情報に基づいて前記他の情報処理装置における消費電力モードを設定する制御を行う制御部と
を具備する情報処理装置。
(2)
前記他の情報処理装置に関するcapability情報には、前記他の情報処理装置がモバイル機器であるか否かを示す情報が含まれ、
前記制御部は、前記他の情報処理装置に関するcapability情報と、前記他の情報処理装置を管理するための管理情報とに基づいて前記他の情報処理装置に低消費電力モードを設定する制御を行う
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記管理情報は、前記他の情報処理装置を識別するための識別情報と前記他の情報処理装置に関するcapability情報とを紐付けて管理する情報である前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記管理情報は、前記他の情報処理装置に関するcapabilitiy情報として、前記他の情報処理装置との通信に関する電波伝播測定に関する情報および消費電力に関する情報を少なくとも含む前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記管理情報は、前記他の情報処理装置に関するcapabilitiy情報として、前記画像情報を表示するための出力形式に関する情報を少なくとも含む前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記出力形式に関する情報は、前記画像情報をメイン表示またはサブ表示することを示す情報であり、
前記制御部は、前記出力形式がサブ表示として設定されていた場合に、前記他の情報処理装置に前記低消費電力モードを設定する
前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記他の情報処理装置は、前記メイン表示および前記サブ表示の切換を行う場合に、その切り替わりのタイミングを示す情報を前記情報処理装置に送信する前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、前記低消費電力モードとして前記他の情報処理装置がストリームを所定間隔毎にスリープしながら送信するモードを設定する制御を行う前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記消費電力モードの設定は、Wi−Fi Display仕様に定められる所定のRTSPメッセージを用いて行われる前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記無線通信部は、前記capability情報の交換をWi−Fi Display仕様に定められるcapability negotiationまたはcapability re−negotiationで行う前記(1)から(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11)
前記capability情報は、capability negotiationまたはcapability re−negotiationにおけるRTSP M3 Messageにおいて交換される前記(1)から(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12)
前記無線通信部は、第1の周波数帯を用いる通信と、前記第1の周波数帯よりも高速なデータ伝送速度の第2の周波数帯を用いる通信とを行う無線通信部であり、
前記制御部は、前記第1の周波数帯に関する第1の消費電力モードと、前記第2の周波数帯に関する第2の消費電力モードを別々に設定する
前記(1)から(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
前記制御部は、前記管理情報が変更された場合には当該変更を前記他の情報処理装置に通知するためのコマンドを前記他の情報処理装置に送信する制御を行う前記(1)から(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
前記制御部は、Wi−Fi CERTIFIED Miracast仕様に定められるwfd−triggered−methodを含むRTSPM5 Messageを前記コマンドとして前記他の情報処理装置に送信する制御を行う前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
画像情報を出力するためのストリームを他の情報処理装置から無線通信を利用して受信する情報処理装置であって、
前記ストリームに基づいて前記画像情報を出力する出力部の出力形式に基づいて前記他の情報処理装置における消費電力モードを設定する制御を行う
情報処理装置。
(16)
画像情報を出力するためのストリームを、無線通信を利用して他の情報処理装置に対して送信する情報処理装置であって、
前記情報処理装置に関するcapability情報と、前記他の情報処理装置に関するcapability情報とを交換するための通信を前記他の情報処理装置との間で行う無線通信部と、
前記情報処理装置に関するcapability情報に基づく前記他の情報処理装置からの制御に基づいて消費電力モードを設定する制御部と
を具備する情報処理装置。
(17)
画像情報を出力するためのストリームを他の情報処理装置から無線通信を利用して受信するための情報処理方法であって、
前記情報処理装置に関するcapability情報と、前記他の情報処理装置に関するcapability情報とを交換するための通信を前記他の情報処理装置との間で行う無線通信手順と、
前記他の情報処理装置に関するcapability情報に基づいて前記他の情報処理装置における消費電力モードを設定する制御を行う制御手順と
を具備する情報処理方法。