(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鋳型によって梨地模様が施された部品の所定領域の少なくとも一部を照合領域とし、同一の鋳型によって梨地模様が施された複数の部品のうち少なくとも1つの部品の前記照合領域に施された梨地模様の画像特徴を代表値として、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報と対応付けて記憶部に記憶しておき、
照合対象の生産物における部品の前記照合領域の画像特徴を取得し、
前記取得した部品の照合領域の画像特徴と前記記憶部に記憶されている代表値の画像特徴とに基づいて、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する
照合方法。
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する請求項1に記載の照合方法。
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
請求項1又は請求項2に記載の照合方法。
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の照合方法。
前記取得した画像特徴に、該画像特徴を用いて照合した際の照合に関する照合情報を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、前記登録した照合情報を統計処理し、生産物の模造品の発生状況を分析する
請求項1から請求項4のいずれかに記載の照合方法。
前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する
請求項1から請求項5のいずれかに記載の照合方法。
前記梨地模様は、前記鋳型によって施された梨地模様の上に、後段の加工として、ブラスト加工、又は、紛体塗装による梨地加工、あるいはめっき加工が施されたものである
請求項1から請求項8のいずれかに記載の照合方法。
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
請求項11に記載の照合方法。
鋳型によって梨地模様が施された部品の所定領域の少なくとも一部を照合領域とし、同一の鋳型によって梨地模様が施された複数の部品のうち少なくとも1つの部品の前記照合領域に施された梨地模様の画像特徴を代表値として、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報と対応付けられて記憶された記憶部と、
照合対象の生産物における部品の前記照合領域の画像特徴を取得する取得手段と、
前記取得した部品の照合領域の画像特徴と前記記憶部に記憶されている代表値の画像特徴とに基づいて、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する照合手段と
を有する照合システム。
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する登録手段を有する請求項14に記載の照合システム。
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合手段は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
請求項14又は請求項15に記載の照合システム。
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む請求項14から請求項16のいずれかに記載の照合システム。
前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録する登録手段と、
前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する分析手段と
を有する請求項14から請求項18のいずれかに記載の照合システム。
前記梨地模様は、前記鋳型によって施された梨地模様の上に、後段の加工として、ブラスト加工、又は、紛体塗装による梨地加工、あるいはめっき加工が施されたものである
請求項14から請求項21のいずれかに記載の照合システム。
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
請求項24に記載の照合システム。
鋳型によって梨地模様が施された部品の所定領域の少なくとも一部を照合領域とし、同一の鋳型によって梨地模様が施された複数の部品のうち少なくとも1つの部品の前記照合領域に施された梨地模様の画像特徴を代表値として、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報と対応付けられて記憶された記憶部と、
取得した、照合対象の生産物における部品の照合領域の画像特徴と、前記記憶部に記憶されている代表値の画像特徴とに基づいて、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する照合手段と
を有する照合装置。
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する登録手段を有する請求項27又は請求項27に記載の照合装置。
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合手段は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
請求項27又は請求項28に記載の照合装置。
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む請求項27から請求項29のいずれかに記載の照合装置。
前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録する登録手段と、
前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する分析手段と
を有する請求項27から請求項31のいずれかに記載の照合装置。
前記梨地模様は、前記鋳型によって施された梨地模様の上に、後段の加工として、ブラスト加工、又は、紛体塗装による梨地加工、あるいはめっき加工が施されたものである
請求項27から請求項34のいずれかに記載の照合装置。
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
請求項37に記載の照合装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特徴を説明するために、以下において、図面を参照して具体的に述べる。
【0014】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の照合システム1のブロック図である。
【0016】
本発明の実施の照合システム1は、生産物における部品の画像特徴を取得し、この取得した部品の画像特徴と、画像特徴データベース11に記憶されている部品の画像特徴とに基づいて、前記部品が装着されている生産物を照合する照合装置12を有する照合装置である。
【0017】
本発明は、部品に施された梨地模様が個体毎に微妙に異なること、又は、後述するように、同一種類の部品であるならば、梨地模様がある程度の共通性を持つこと等の特徴を利用し、部品の表面の所定領域に施されている模様(凹凸パターン)を照合することによって、その部品が装着されている生産物をも照合することを特徴とする。
【0018】
ここで、部品とは、部品の表面の所定領域の模様を特定することができれば特に限定されないが、テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォンやバック等のように、一般消費者がひとつの完成品として購入するものや、ひとつの完成品に使用される部品、例えばファスニング製品、留め具、装飾部品、半導体等の電子部品などであり、素材は金属、プラスチック、樹脂、皮革、陶器、セラミック等であっても良い。ここで、ファスニング製品とは、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、スナップボタン、ボタン等である。また、留め具とは、カシメ、ハトメ、ねじ、くぎ、ボルト、ナット等である。
【0019】
また、梨地模様は、例えば、デザインとして梨地模様が形成されている場合のみならず、物品の識別又は照合のために、故意に照合領域に梨地模様を形成した場合も含む。
【0020】
また、模様とは、後述する金属や合成樹脂(プラスチック等)等への加工処理によって施された梨地模様に加えて、例えば、皮革製品に表面処理(例えば、シボ加工)することにより得られたシワ模様(シボ
)、ブラストやエッチングや紛体塗装等によってできる模様等も含む概念である。例えば、
図2に示されるように、シボ加工が施された皮革のバックの場合、バックの皮の表面には微少な凹凸がランダムに形成されており、これらの微少な凹凸は梨地模様と同様とみなすことができる。
【0021】
上記の通り、ファスニング製品や皮革製品の多くに梨地やシボ加工が施されており、また、電子部品のパッケージ表面にも梨地加工が用いられていることが多い。これらの模様は、例えば金属や合成樹脂(プラスチック等)等への加工処理方法によって個体群又は個体単位で識別することができ、この加工処理方法は大きく分けて二通りの方法が考えられる。
【0022】
ひとつは、鋳型に対して前記模様を加工しておき部品をプレス成型や射出成型や鋳造することにより、部品に模様を施す処理方法である。この処理方法によると、同一の鋳型から生産される全ての個体にほぼ一致する模様を施すことができる。一方で、別の鋳型を制作する際には、その鋳型の梨地は前記鋳型の梨地と異なる模様となるので、その鋳型から射出成型あるいは鋳造された部品の模様は、前記他の鋳型から製造された部品とは異なるものになる。このような処理による場合、ある鋳型によって模様が施された個体群(物品群)のうち少なくとも一以上選択し、その個体の照合領域の模様の画像特徴を、照合の基準となる代表値として画像特徴データベース11に登録しておく。そして、画像特徴データベース11に登録された画像特徴と一致する画像特徴を持つ部品は、その鋳型により模様が施された部品であることを照合することができる。
【0023】
この方法では、特定の鋳型から生産された個体群(付品群)を少ない登録データによって照合できるという利点がある。
【0024】
他の方法は、エッチング、ブラスト、切削、結晶・紛体塗装、分散メッキ処理などの部品個体毎にランダムな微細凹凸模様を発生させる加工による処理、あるいは、メッキ処理や塗装による微細な面凹凸の発生である。このような処理による場合、施された模様は物品個体毎に異なる。そこで、物品個体毎に、その照合領域に施された模様の画像特徴を画像特徴データベース11に登録しておく。そして、画像特徴データベース11に登録された画像特徴と一致する画像特徴を持つ部品は、画像特徴データベース11に登録されている部品であることを照合することができる。
【0025】
この方法では、部品個体毎に模様が異なるため、部品の個体単位で照合(識別)することができるという効果がある。
【0026】
更に、上記のふたつの方法を組み合わせて、模様が施された部分に上記塗装やメッキ処理を用いることにより、微細凹凸の個体差の発生を促進し、さらに識別性が向上させることができる。このとき、鋳型毎の特徴差は残ったまま、加工による個体毎の特徴差がさらに加わることにより、両者それぞれの照合が可能になる。特に、鋳型に施す表面加工の凹凸の大きさを、後段の表面加工よりも粗くしておくことによって、個体差より鋳型差を大きくすることが可能である。こうすれば、照合時の特徴量の類似度に対する閾値を、鋳型毎の照合時には個体毎の照合時よりも緩く設定し、上述したように少ない登録データで照合することが可能になる。さらに、この利点を活用して、階層的な照合によって照合処理量を削減することも可能である。
【0027】
次に、照合の所定領域であるが模様が施された領域であれば、模様全体であっても模様の一部を照合領域としても良いが、照合処理の容易さを考慮し、予め照合する所定領域を定めておくことが望ましい。所定領域としては、部品に共通して存在する基準部位を基準として定められる位置の領域を照合領域とすることが考えられる。例えば、部品の基準部位とは、部品に貼付、印刷、刻印、焼印された製品の商標、ロゴ、製造者名、製造会社、ブランド名、製品名、製品番号等である。これらの基準部位は、同一部品であれば個体に寄らず同一のパターンを共通に保有しており、外観上の特徴的な見え方をする。そして、これらの基準部位の位置姿勢を基準として定め、その特徴を記憶しておけば、部品の照合領域を自動的に検出することができる。さらに、所定領域としては、照合に用いる紋様が劣化や摩耗等を受けにくいことが望ましいので、部品の凹部になっている領域を用いることが有効である。
【0028】
また、部品の模様が施された側に嵌合する部材(アダプター)を用意し、その部材の一部に外部より模様が視認(撮影)できる空壁(穴)を設け、その視認(撮影)できる領域を所定領域としても良い。このようにすれば、照合の所定領域の位置姿勢を識別の都度、認識する必要はなく、確実に照合領域を特定することができる。
【0029】
尚、照合のための模様の画像特徴であるが、同一の部品個体でも、その部品に施された模様を撮影する時の照明条件によって、その画像特徴が異なる場合がある。これは、模様の形状によっては細やかな凹凸から形成されており、光の照射方向によっては凹凸によって生じる影の位置が異なり、別の画像特徴となってしまうからである。従って、画像特徴データベース11に登録する模様と照合対象の部品の模様とを、同様な照明条件の下で撮影することが好ましい。上記アダプターの使用によって、部品・照明・撮像素子の位置・姿勢を互いに固定すれば、この問題を解決できる。
【0030】
尚、以下の説明においては、
図3に示すように、部品としてスライドファスナー、模様として梨地模様を用いて説明し、スライドファスナーの引き手の凹部の梨地模様全体を照合領域とした例を用いて説明するが、これらに限定される必要は無い。
【0031】
生産物とは、上述の部品が装着された生産物であれば特に限定されないが、以下の説明では
図4に示すように、スライドファスナーが装着されたバッグを例にして説明する。
【0033】
図1に示す通り、本願の照合システムは、画像特徴データベース11と照合装置12とを有する。
【0034】
画像特徴データベース11には、製造されたスライドファスナーの引き手の照合領域の梨地模様の画像特徴が生産物情報と対応付けられて記憶されているデータベースである。ここで、生産物情報とは、生産者識別情報、生産物識別情報、個体識別情報、流通経緯情報、及び照合情報の少なくとも1以上を含む情報である。生産者識別情報は、生産物であるバッグを生産する生産者、例えばメーカー名、ブランド名等を一意に識別する識別情報である。尚、生産者識別情報は、例えばスライドファスナーの出荷先や出荷日時も生産者識別情報として含む概念である。生産物識別情報は、部品が装着される生産物を一意に識別する情報であり、例えば商品名、型番、生産日時、販売日時又は販売期間を示す情報である。個体識別番号は、部品が装着される生産物を個別に識別する識別情報であり、その一例として製造ロット番号やシリアル番号がある。流通経緯情報は、スライドファスナー又はスライドファスナーを装着したバッグの流通経緯をログとして蓄積させた情報であり、例えば流通途中の販売者、販売日時、税関の通過日時や場所、最終販売者、最終販売日時、及び購入者等の流通に関する情報である。照合情報は、該画像特徴を有する部品による生産物の照合に関する情報であり、該画像特徴を有する部品が装着されている生産物の模倣検査結果、該画像特徴が取得された場所、日時、該画像特徴を取得した作業者、画像特徴を有する部品が装着されている生産物の外観から識別できる情報等の情報である。
【0035】
照合装置12は、照合対象であるバッグに装着されているスライドファスナーの引き手の梨地模様が撮像された画像から画像特徴を抽出し、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に記憶されている梨地模様の画像特徴とを照合し、一致するものがあるかを照合する。一致するものがある場合、その画像特徴に対応付けられている生産物情報に基づいて、若しくはその画像特徴に対応付けられている生産物情報と、照合対象の生産物に別途記載あるいはそのデザイン等から自明な情報(ブランド、シリアル番号等)との整合性を照合し、両者が整合する場合に真正品と認証することができる。ここで、画像特徴の照合方法であるが、例えば、梨地模様の斑点の中心を特徴点とし、特徴点の配置を照合し、同じ位置(ある閾値以内の範囲)にある特徴点の組数が所定数以上である場合同一と判定する。また、皮革模様や木目模様の場合には、線の端点、交点、角を特徴点とし、特徴点の配置を照合し、同じ位置(ある閾値以内の範囲)にある特徴点の組数が所定数以上である場合同一と判定する。このような照合技術は、既存の指紋照合の技術を用いることができる。尚、上記説明では、記憶されている梨地模様の画像特徴と、照合対象の梨地模様の画像特徴とを照合する例を説明したが、本発明ではこれに限られない。例えば、画像特徴ではなく、記憶されている梨地模様の画像と、照合対象の梨地模様の画像とを照合するようにしても良い。
【0036】
また、梨地模様が施されたファスナを例にして説明したが、物品や梨地模様はこれに限られない。例えば、梨地模様がデザインとして施されている場合に限らず、識別・照合ために梨地模様を物品の所定の照合領域に故意に施した場合にも適用することができるのは明らかである。
【0037】
更に、梨地模様はファスナのような金属や合成樹脂(プラスチック等)等への加工処理によって施された梨地模様のみならず、上述したように、皮革製品の表面のシワ模様(シボ)等にも適用することができるのは明らかである。
【0038】
(実施の形態2)
続いて、本願の照合システムの実施の形態2について説明する。実施の形態2では、生産物をバッグとし、部品をスライドファスナーとし、模様を梨地模様とし、生産物情報を出荷先とし、出荷先ごとに同じ鋳型から製造された部品を出荷するように部品を管理した場合の照合について説明する。
【0039】
図5は、本実施の形態2の照合システムのブロック図である。照合システム1は、画像特徴データベース11と照合装置12と、消費者の携帯電話2とを備える。
【0040】
画像特徴データベース11には、
図5に示すように、鋳型によって梨地模様が施されたスライドファスナーを鋳型ごとに撮影して抽出した画像特徴と、出荷先とが対応付けられて記憶されている。画像特徴データベース1は、部品供給者が部品の製造または出荷時に、部品の画像特徴と、その出荷先の生産者識別情報とを対応付けて作成され、部品供給者側の装置として設置されている。尚、スライドファスナーの引き手の梨地模様の撮影は、上記アダプターの使用によって、部品・照明・撮像素子の位置・姿勢を互いに固定した上で撮像したものとする。
【0041】
照合装置12は、画像特徴抽出部201及び判定部202を有する。画像特徴抽出部201は、消費者の携帯電話2から送信される、照合対象であるバッグに装着されているスライドファスナーの引き手の梨地模様が撮像された画像から画像特徴を抽出する。判定部202は、画像特徴抽出部201が抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に記憶されている梨地模様の画像特徴とを照合し、一致するものがあるかを検索する。一致するものがある場合、その画像特徴に対応付けられている生産物情報(前記出荷先である生産者識別情報)と、照合対象の生産物に別途記載あるいはそのデザイン等から自明な情報(ブランドなどの生産者識別情報や、シリアル番号等の生産物識別情報)との整合性を照合し、両者が整合する場合に真正品と認証することができる。一方、照合の結果、整合が確認できなかった場合は模倣品である可能性があるとの判定ができる。
【0042】
例えば、
図5のバッグの外観デザインから、AB会社の製品(あるいはその模倣品)であることが容易に判定できる場合、部品の画像特徴がYYYであれば、整合性が照合できたことになり、真正品と認証できる。一方で、部品が正規品が使用している部品業者の物でない場合、あるいは、部品は正規品であっても、当該バッグの製造業者ではない第三者が別途入手して模倣品を製造した場合、部品の画像特徴はYYYとは異なり、照合されないので、模倣品若しくは模倣品の可能性があると判定することが可能である。
【0043】
携帯電話2は、照合対象であるバッグのスライドファスナーの引き手の梨地模様を上記アダプターの使用によって、部品・照明・撮像素子の位置・姿勢を互いに所定の相対関係に固定した上で撮像して、照合装置12に撮像した画像を送信する。尚、本実施の形態では携帯電話を例にして説明するが、照合対象であるバッグのスライドファスナーの引き手の梨地模様を撮像した画像を送信できるのであれば携帯電話以外の装置であってもよい。
【0044】
次に、本願の照合システムの動作について
図6を用いて説明する。
【0045】
消費者は、照合対象となるバッグの照合を行うため、携帯電話2により、引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像を送信し、照合装置12がその画像を受信する(S501)。
【0046】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S502)。
【0047】
判定部202では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S503)。判定部202は、一致するものがあれば(S503のYES)、その画像特徴と関連付けられている生産物情報(出荷先等)を読み出し、携帯電話2に送信する(S504)。消費者は、受信した出荷先の情報と、バッグのデザインや生産物に記載されているロゴ等から自明な生産物情報(ブランド、シリアル番号等)との整合性を照合し、両者が整合する正しい場合に真正品と認証する。これにより、生産物の模倣品、虚偽記載、さらに、正規部品業者が製造した他のファスナを利用した模造品も棄却することが可能になる。
【0048】
一方、照合の結果、一致するものがない場合には(S503のNO)、一致しない旨を携帯電話2に送信する(S505)。これにより消費者はバッグは偽装されたもの、若しくは偽装された可能性があることを認識する。
【0049】
このように、本実施の形態では、生産物の製造業者がその生産物の一つ一つにRFIDチップ等を内蔵しなくとも、あらかじめ部品業者が画像特徴を登録しているファスナを用いることにより、生産物の真贋判定等のための照合を行うことができる。故に、低コストで生産物商品の真贋判定等のための照合を行うことができる。
【0050】
また、消費者が特別の機材を持たなくても、バッグを照合することができ、照合の結果、その生産物の生産情報も取得することができる。
【0051】
尚、上記実施の形態では、鋳型毎に画像特徴を登録している場合を用いて説明したが、ブラスト処理によって梨地模様が施されたスライドファスナーを個別に撮影して抽出したファスナ毎の画像特徴が、生産物それぞれを個体識別するための生産物識別情報と対応付けられて記憶されている構成であっても良い。
【0052】
また、出荷先の代わりに、又は出荷先に加えて、出荷日時の情報、該ファスナが装着されている生産物の生産者、生産物の生産時期等の情報を記憶させておいて、これらの情報のいずれか若しくは組み合わせた情報と、バッグのデザインや生産物に記載されているロゴ等から自明な情報(ブランド、シリアル番号等)との整合性を照合し、両者が整合する正しい場合に真正品と認証してもよい。
【0053】
また、画像特徴データベース11が部品供給者側に設けられている構成を用いて説明したが、部品供給者が画像特徴データベース11を生産者に提供して生産者側に設ける構成であってもよい。また、画像特徴データベース11をネットワーク上に設ける構成であってもよい。
【0054】
(実施の形態3)
続いて、本願の照合システムの実施の形態3について説明する。実施の形態3では、生産物をバッグとし、部品をスライドファスナーとし、模様を梨地模様とし、生産物情報を生産物識別情報とした場合の照合について説明する。尚、上記実施の形態2と同様の構成については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0055】
図7は、本実施の形態の照合システムのブロック図である。
【0056】
本実施の形態では、画像特徴データベース11と生産物情報データベース13とを有する。画像特徴データベース11には、ブラスト処理によって梨地模様が施されたスライドファスナーを個別に撮影して抽出したファスナ毎の画像特徴が、ファスナそれぞれを個体識別するためのファスナ識別情報と対応付けられて記憶されている。画像特徴データベース11は部品供給者がファスナの出荷時に部品の画像特徴と出荷先とを対応付けて作成され、部品供給者側の装置として設置されている。生産物情報データベース13は、ファスナ識別情報が、該ファスナが装着されたバッグそれぞれを個体識別するためのバッグ識別情報(生産物識別情報)が対応付けられて記憶されている。生産物情報データベース13は、生産物の生産時にファスナの識別情報とバッグ識別情報とを対応付けて作成され、生産者側の装置として設置されている。尚、本実施の形態では、生産物識別情報が対応付けられている構成を説明するが、生産物識別情報の他に、生産物の製造年月日等も対応付けて記憶させても良い。
【0057】
照合装置12の判定部202は、画像特徴抽出部201が抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に記憶されている梨地模様の画像特徴とを照合し、一致するものがあるかを検索する。一致するものがある場合、その画像特徴に対応付けられているファスナ識別情報を読み出し、読み出したファスナ識別情報に基づいて生産物情報データベース13からバッグ識別情報を検索する。即ち、本実施の形態では、バッグ識別情報を検索し、消費者は、受信したバッグ識別情報の情報と、バッグのバッグ識別情報との整合性を照合し、両者が整合する場合に真正品と認証する。
【0058】
次に、本願の照合システムの動作について
図8を用いて説明する。
【0059】
消費者は、照合対象となるバッグの照合を行うため、携帯電話2により、引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像を送信し、照合装置12がその画像を受信する(S701)。
【0060】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S702)。
【0061】
判定部202では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S703)。
【0062】
判定部202は、一致するものがあれば(S703のYES)、その画像特徴と関連付けられているファスナ識別情報を読み出す(S704)。判定部202は、読み出したファスナ識別情報に基づいて生産物情報データベース13からバッグ識別情報を検索する(S705)。バッグ識別情報が検索されると(S705のYES)、検索されたバッグ識別情報を携帯電話2に送信する(S706)。消費者は、受信したバッグ識別情報が、照合対象のバッグのバッグ識別情報と一致するか否かによって正規品であるか否かを認証できる。
【0063】
一方、S703での照合の結果、一致するものが無い場合(S703のNO)、及びS705での検索の結果、検索されなかった場合(S705のNO)、照合対象のバッグに関する情報がない旨を携帯電話2に送信する(S707)。これにより消費者はバッグは偽装されたもの、もしくは偽造された可能性のあるものであることを認識する。
【0064】
上記のように、本実施の形態では、ファスニング製品の一つ一つにRFIDチップを内蔵しなくとも、真贋判定等のための照合を行うことができる。故に、低コストで商品の真贋判定等のための照合を行うことができる。
【0065】
また、消費者が特別の機材を持たなくても、生産物バッグの照合することができ、照合の結果、その生産物の情報も取得することができる。
【0066】
また、本実施の形態のように、生産物情報を画像特徴データベースとは別のデータベースとして構成させると、生産業者は、自らが生産物に組み込む部品の部品識別情報を把握できるので、当該部品識別情報を生産物識別情報と対応付けるだけでよく、部品を撮影して部品の画像特徴を取得する手間を省くことができる。さらに、部品業者に自らの生産物の情報を秘匿することができる一方で、必要に応じて自らの生産物を認証することができる。また、部品業者は生産物情報を管理しなくても、自らの部品の部品識別情報を部品に添付して生産者に提供するだけで、当該部品の付加価値となるサービスを提供できる。
【0067】
尚、上記実施の形態では、個別に画像特徴を登録している場合を用いて説明したが、実施の形態2にように、鋳型毎の画像特徴が、生産物それぞれを個体識別するための生産物識別情報若しくは商品名等のような生産物群に関する情報と対応付けられて記憶されている構成であっても良い。
【0068】
また、バッグ識別情報の代わり、若しくはバッグ識別情報と共に、生産物の販売日時の情報、生産物の生産者、生産物の生産時期等の情報を記憶させておいてもよい。これにより、これらの情報と、バッグのデザインや生産物に記載されているロゴ等から自明な情報(ブランド、シリアル番号等)との整合性を照合し、両者が整合する正しい場合に真正品と認証してもよい。また、本構成によると、生産品の物流管理も行うことが出来る。
【0069】
また、画像特徴データベース11が部品供給者側に、生産物情報データベース13が生産者側に設けられている構成を用いて説明したが、共に部品供給者側、生産者側、ネットワーク上の第三者に設けられている構成であっても、一方がネットワーク上の第三者に設けられている構成であってもよい。
【0070】
(実施の形態4)
続いて、本願の照合システムの実施の形態4について説明する。本実施の形態では、生産物情報として、流通ログ情報を記憶する場合について説明する。実施の形態4では、生産物をバッグとし、部品をスライドファスナーとし、模様を梨地模様とし、生産物情報を生産物識別情報とした場合の照合について説明する。尚、上記実施の形態と同様の構成については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0071】
図9は、照合システムの実施の形態4のブロック図である。本実施の形態の照合システム1は、上記実施の形態の構成に加えて、登録部203を備える。
【0072】
登録部203は、判定部201が抽出した画像特徴と一致する画像特徴を画像特徴データベース11から検索すると、この画像特徴と、ファスナの流通ログ情報とを対応付けて記憶させる。尚、ここでは、画像特徴と流通ログ情報とを対応付けて記憶させているが、流通ログ情報以外の生産物情報に追加する形で流通ログ情報を記憶させてもよい。また、流通ログ情報は1種類ではなく、追加する形で記憶させる情報を増やしても良い。
【0073】
画像特徴データベース11は、ファスナ毎の画像特徴情報と流通ログ情報とが対応付けられて記憶されており、部品供給者側に設置されている。流通ログ情報は、ファスナ又はファスナを装着したバッグの流通経緯をログとして蓄積させた情報である。例えば流通途中の販売者、販売日時、税関や模倣品検査の通過日時や場所、最終販売者及び最終販売日時、購入者等の流通に関する情報である。
【0074】
次に、本実施の形態の動作について説明する。まず、流通ログ情報を流通情報データベース15に登録する動作について
図10を用いて説明する。
【0075】
流通の過程において、ユーザは、携帯電話2により、引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像を送信し、照合装置12がその画像を受信する(S901)。
【0076】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S902)。
【0077】
登録部203では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S903)。
【0078】
判定部202は、一致するものがあれば(S903のYES)、その画像特徴に流通ログ情報を関連付けて記憶させる(S904)。一致するものがなければ(S903のNO)、該画像特徴と流通ログ情報とを対応付けて記憶させる(S905)。
【0079】
本実施の形態の照合装置12が流通認証する動作については第2の実施の形態と同じであるため省略する。
【0080】
尚、上記説明では、登録部203が照合装置に12に設けられている構成を用いて説明したが、照合装置12とは別の構成にして、登録装置14を設けても良い。
【0081】
また、上記説明では、画像特徴に流通ログ情報を対応付けて記憶していたが、画像特徴に生産者識別情報、生産物識別情報、個体識別情報等が既に対応付けられているデータベースに更に追加して対応付けて記憶させてもよい。また、画像特徴データベース11に流通ログ情報を記憶していたが、新たに流通ログ情報を管理する管理者を例えばネットワーク上等に立てる構成であってもよい。その場合、部品供給者側には、ファスナ毎の画像特徴とファスナ識別情報とを対応付けたデータベースを設け、生産者側にはファスナ識別情報若しくは画像特徴と生産物情報として例えばバッグ識別情報とを対応付けたデータベースを設け、更に管理者側にファスナ識別情報若しくは画像特徴と流通ログ情報とを対応付けたデータベースを設ける構成となる。
【0082】
更に、登録部203が照合装置12とは別に構成され、更に流通ログ情報を管理する管理者を立てる構成であっても良い。この場合の構成を
図11に示す。尚ここでは、部品供給者側には、ファスナ毎の画像特徴とファスナ識別情報とを対応付けたデータベースを設け、生産者側にはファスナ識別情報とバッグ識別情報とを対応付けたデータベースを設けた構成を説明する。
【0083】
登録装置14は、登録部203を有する。登録部203は、照合装置12の判定部201からファスナ識別情報を受信すると、このファスナ識別情報と、ファスナの流通情報とを対応付けて流通情報データベース15に記憶させる。
【0084】
流通情報データベース15は、ファスナ識別情報と流通ログ情報とが対応付けられて記憶されており、流通管理者側に設置されている。
【0085】
照合装置12の判定部202は、上記実施の形態の動作に加えて、ファスナ識別情報に基づいて、流通情報データベース15から流通ログ情報を検索することができる。
【0086】
まず、流通ログ情報を流通情報データベース15に登録する動作について
図12を用いて説明する。
【0087】
流通の過程において、ユーザは、携帯電話2により、引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像を送信し、照合装置12がその画像を受信する(S1101)。
【0088】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S1102)。
【0089】
判定部202では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S1103)。
【0090】
判定部202は、一致するものがあれば(S1103のYES)、その画像特徴と関連付けられているファスナ識別情報を読み出して、登録部203に通知する(S1104)。一致するものがなければ(S1103のNO)、終了する。
【0091】
登録部203は、通知されたファスナ識別情報とユーザによって入力された流通ログ情報とをたがいに対応付けて、流通情報データベース15に登録する(S1105)。
【0092】
次に、照合装置12が流通認証する動作について
図13を用いて説明する。
【0093】
消費者は、携帯電話2により、流通認証の対象となるバッグの引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像を送信し、照合装置12がその画像を受信する(S1201)。
【0094】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S1202)。
【0095】
判定部202では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S1203)。
【0096】
判定部202は、一致するものがあれば(S1203のYES)、その画像特徴と関連付けられているファスナ識別情報を読み出す(S1204)。読み出したファスナ識別情報に基づいて流通情報データベース15から流通ログ情報を検索する(S1205)。流通ログ情報が検索されると(S1205のYES)、検索された流通ログ情報を携帯電話2に送信する(S1206)。消費者は、受信した流通ログ情報と、バッグのデザインや生産物に記載されているロゴ等から自明な情報(ブランド、シリアル番号等)から推察できる流通に関する情報との整合性を照合し、両者が整合する場合に真正品と認証してもよい。また、本構成によると、生産品の物流管理も行うことが出来る。
【0097】
一方、S1203での照合の結果、一致するものが無い場合(S1203のNO)、及びS1205での検索の結果、検索されなかった場合(S1205のNO)には、照合対象のバッグに関する情報がない旨を携帯電話2に送信する。(S1207)。これにより消費者は、バッグは偽装されたもの、若しくは偽装された可能性があることを認識する。
【0098】
尚、上記管理者側の流通情報データベース15は、流通業者において設けられているが、部品業者の画像特徴データベース、生産者の生産情報データベースに追加させる形で記憶させても良い。その場合、例えば部品識別情報や部品の画像特徴等の共通に検索できる情報で紐づけて管理することになる。また、
図7に示したような構成において、画像特徴データベースと生産物情報データベースのそれぞれに流通ログを対応付けて記憶させても良い。
【0099】
このように、本実施の形態によると、商品の一つ一つにRFIDチップを内蔵しなくとも、商品の物流管理や真贋判定等の照合を行うことができる。故に、低コストで商品の物流管理のための照合を行うことができる。さらに、照合が失敗(一致する者がない)場合の流通ログを解析すれば、模倣品の発見場所や時期を把握することも可能になる。
【0100】
(実施の形態5)
続いて、本願の照合システムの実施の形態5について説明する。本実施の形態では、生産物情報として照合情報を記憶する構成について説明する。尚、上記実施の形態と同様の構成については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。また、第4の実施の形態の
図9の構成と同じ構成の場合に適用させて説明するが、上記実施の形態の何れの構成に適用させても良い。
【0101】
本実施の形態の登録部203は、画像特徴データベース11に対して、上記実施の形態における照合装置12による照合結果に関する照合情報が生産物情報として記憶させる。また、照合場所を照合情報として記憶させる場合は、照合対象のファスナの画像情報を撮像した携帯端末2の位置情報を携帯端末のGPS機能で取得、若しくは、消費者が携帯端末2を用いて入力した位置情報によって取得するものとする。
【0102】
尚、照合の結果から登録までに動作は、上記S903〜S905と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0103】
このように、本実施の形態によると、生産物あるいは部品の照合を行う際に、照合対象物のある場所、日時、照合を行う担当者等の情報と照合結果をログデータとして蓄積させているので、部品業者あるいは生産物業者が、自己の製品の販売状況、流通経緯、どのような使われ方をしているか、あるいは、模造品がどこで発生しているか、等の市場情報を取得可能となる、また、流通業者や市場調査を行わなければ得られなかった情報を、製造業者が獲得可能となる。
【0104】
(実施の形態6)
上記実施の形態では、消費者は照合の結果と、バッグのデザインや生産物に記載されているロゴ等から自明な情報(ブランド、シリアル番号等)との整合性を照合し、両者が整合する正しい場合に真正品と認証していたが、本実施の形態ではそれを照合装置にさせる構成について説明する。尚、上記実施の形態2と同様の構成については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明では、部品供給者側の画像特徴データベース11に、ファスナの画像特徴と、出荷先情報としてブランド名とが対応付けられて記憶されている場合を用いて説明するが、上記実施の形態1〜5で説明したいずれの構成であっても良い。
【0105】
本実施の形態の照合装置12は、照合対象の生産物の真贋判定を行う認証部204を新たに設けている。認証部204は携帯電話2から送信される、バッグのブランド名と、判定部202が読み出した出荷先とを照合し、一致する場合は真正品と認証し、一致しない場合は偽装されたもの、若しくは偽装された可能性があると判定する。
【0106】
携帯端末2は、撮像した画像と共に、消費者によって入力された照合対象であるバッグのブランド名を送信する。
【0107】
本実施の形態の動作について、
図15を用いて説明する。
【0108】
消費者は、照合対象となるバッグの照合を行うため、携帯電話2により、引き手の所定領域の梨地模様を撮像した画像と、バッグのブランド名とを送信し、照合装置12がその画像を受信する(S1401)。
【0109】
照合装置12の画像特徴抽出部201は、受信した画像から、上述した方法と同様な方法により、所定領域の梨地模様の画像特徴を抽出して、抽出した画像特徴を判定部202に出力する(S1402)。
【0110】
判定部202では、抽出した画像特徴と、画像特徴データベース11に登録されている画像特徴と照合する(S1403)。判定部202は、一致するものがあれば(S1403のYES)、その画像特徴と関連付けられている出荷先情報を読み出し、認証部204に通知する(S1404)。認証部204は、通知された出荷先の情報と、受信したバッグのブランド名とを照合する(S1405)。照合の結果、一致する場合に(S1405のYES)、真正品と認証して、その旨を携帯端末2に送信する(S1406)。これにより、生産物の模倣品、虚偽記載、さらに、正規部品業者が製造した他のファスナを利用した模造品も棄却することが可能になる。
【0111】
一方、照合の結果、S1403の照合で一致するものがない場合(S1403のNO)、又は、S1405の照合で一致しない場合(S1405のNO)、一致しない旨を携帯電話2に送信する(S1407)。これにより消費者はバッグは偽装されたもの、若しくは偽装された可能性があることを認識する。
【0112】
尚、上記実施の形態では、1種類の情報によって真贋判定を行っていたが、複数種類の情報を消費者に入力させて、それらの情報を組み合わせて真贋判定を行っても良い。この場合、真正品又は模倣品である可能性の割合を算出して消費者に提示することも可能となる。
【0113】
尚、上述した実施の形態1〜5では、照合装置12が照合処理を行ったが、画像特徴データベース11のような部品の画像特徴が登録されているデータベースから、画像特徴を予めダウンロードしておき、通信を介さずに携帯電話2により照合処理を行っても良い。
【0114】
また、上述した実施の形態1〜5では、携帯電話2が撮影した画像を照合装置1に送信する構成であったが、携帯電話2において撮影画像の画像特徴を抽出して送信し、送信されてきた画像特徴を照合装置12が照合する構成であっても良い。
【0115】
また、上述した実施の形態1〜5の照合装置は、携帯電話2内に構成されてもよい。
【0116】
また、上述の実施の形態において、生産物情報として、流通ログ情報又は照合情報を記憶させておく場合、所定の部品あるいは生産物に係る情報を統計処理し、生産物の流通や販売、使用の状況を出力させる統計処理部を設けても良い。また、照合情報として、照合結果又は生産物の真贋の認証結果と照合場所とを記憶させる場合、照合に失敗したものの情報を統計処理し、模造品の発生状況を分析する分析装置を設けても良い。
【0117】
その一例として、上記実施の形態では、消費者によって入力された照合対象であるバッグのブランド名を、該バッグのファスナから取得した梨地模様の画像特徴と対応付けて、流通情報データベース15に記憶していく。
【0118】
このとき、前記流通情報データベースを管理しているのが部品製造業者であれば、照合に用いられた画像紋様に対応付けられているファスナが、どのブランドのどのバッグに使用されているかを知ることができ、ファスナ部品業者が、当該ファスナの使用目的を知り、性能やデザインの設計に生かすことができる。あるいは、前記流通情報データベースを管理しているのが生産物の製造業者である場合には、製造した生産物が、どの地域へ流通され使用されているかを知ることができ、生産物のマーケティング情報を入手することができる。
【0119】
また、あるブランドの模造品がある地域に多数流通している場合、当該ブランドを当該地域で照合する際に、照合失敗が多数発生していることが前記流通情報データベース15に記憶されていく。したがって、照合失敗したデータを集計することにより、当該ブランドの模倣品流通状況を統計的に知ることが可能となる。
【0120】
また、上述した実施の形態1〜4では、真贋判定のために照合を行う例を用いて説明したが、真贋判定ではなく、生産物の個体識別番号や製造ロット等の特定することを目的として用いることももちろん可能である。
【0121】
また、上述した本発明の各構成部は、上記説明からも明らかなように、ハードウェアで構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【0122】
このような構成の場合、プログラムメモリに格納されているプログラムで動作するプロセッサによって、上述した実施の形態と同様の機能、動作を実現させる。尚、上述した実施の形態の一部の機能をコンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【0123】
以上、実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【0124】
(付記1)
照合対象の生産物における部品の画像特徴を取得し、
前記取得した部品の画像特徴に基づいて、前記照合対象の生産物を照合する
照合方法。
【0125】
(付記2)
前記部品の画像特徴と、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報とが対応付けられて記憶部に記憶されており、
前記照合は、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する
付記1に記載の照合方法。
【0126】
(付記3)
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する付記1又は付記2に記載の照合方法。
【0127】
(付記4)
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
付記1から付記3のいずれかに記載の照合方法。
【0128】
(付記5)
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む付記2から付記4のいずれかに記載の照合方法。
【0129】
(付記6)
前記取得した画像特徴に、該画像特徴を用いて照合した際の照合に関する照合情報を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、前記登録した照合情報を統計処理し、生産物の模造品の発生状況を分析する
付記2から付記5のいずれかに記載の照合方法。
【0130】
(付記7)
前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する
付記2から付記6のいずれかに記載の照合方法。
【0131】
(付記8)
前記所定領域は、前記部品の凹部である
付記6または付記7に記載の照合方法。
【0132】
(付記9)
前記部品の画像特徴は、前記部品が生産される過程で生じた所定領域の模様である付記1から付記8のいずれかに記載の照合方法。
【0133】
(付記10)
前記模様が、前記部品に施された梨地模様である
付記9に記載の照合方法。
【0134】
(付記11)
前記部品が、ファスニング部品、ねじ、くぎ、ナット、電子部品の少なくともいずれかである
付記1から付記10のいずれかに記載の照合方法。
【0135】
(付記12)
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
付記11に記載の照合方法。
【0136】
(付記13)
前記部品が、皮革、金属、プラスチック、陶器、セラミック、及び樹脂のいずれかの素材である
付記1から付記12のいずれかに記載の照合方法。
【0137】
(付記14)
前記梨地模様は、識別又は照合用に物品に故意に施されたものである
付記1から付記13のいずれかに記載の照合方法。
【0138】
(付記15)
照合対象の生産物における部品の画像特徴を取得する取得手段と、
前記取得した部品の画像特徴に基づいて、前記照合対象の生産物を照合する照合手段と
を有する照合システム。
【0139】
(付記16)
前記部品の画像特徴と、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報とが対応付けられて記憶部に記憶されており、
前記照合手段は、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する
付記15に記載の照合システム。
【0140】
(付記17)
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する登録手段を有する付記14又は付記16に記載の照合システム。
【0141】
(付記18)
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合手段は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
付記15から付記17のいずれかに記載の照合システム。
【0142】
(付記19)
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む付記16から付記18のいずれかに記載の照合システム。
【0143】
(付記20)
前記登録手段は、前記取得した画像特徴に、該画像特徴を用いて照合した際の照合に関する照合情報を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した照合情報を統計処理し、生産物の模造品の発生状況を分析する分析手段を有する
付記16から付記19のいずれかに記載の照合システム。
【0144】
(付記21)
前記登録部は、前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する分析手段を有する
付記16から付記20のいずれかに記載の照合システム。
【0145】
(付記22)
前記所定領域は、前記部品の凹部である
付記20または付記21に記載の照合システム。
【0146】
(付記23)
前記部品の画像特徴は、前記部品が生産される過程で生じた所定領域の模様である付記15から付記22のいずれかに記載の照合システム。
【0147】
(付記24)
前記模様が、前記部品に施された梨地模様である
付記23に記載の照合システム。
【0148】
(付記25)
前記部品が、ファスニング部品、ねじ、くぎ、ナット、電子部品の少なくともいずれかである
付記15から付記24のいずれかに記載の照合システム。
【0149】
(付記26)
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
付記25に記載の照合システム。
【0150】
(付記27)
前記部品が、皮革、金属、プラスチック、陶器、セラミック、及び樹脂のいずれかの素材である
付記15から付記26のいずれかに記載の照合システム。
【0151】
(付記28)
前記梨地模様は、識別又は照合用に物品に故意に施されたものである
付記15から付記27のいずれかに記載の照合システム。
【0152】
(付記29)
取得した、照合対象の生産物における部品の画像特徴に基づいて、前記照合対象の生産物を照合する照合手段
を有する照合装置。
【0153】
(付記30)
前記部品の画像特徴と、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報とが対応付けられて記憶部に記憶されており、
前記照合手段は、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する
付記29に記載の照合装置。
【0154】
(付記31)
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する登録手段を有する付記27又は付記30に記載の照合装置。
【0155】
(付記32)
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合手段は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
付記29から付記31のいずれかに記載の照合装置。
【0156】
(付記33)
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む付記30から付記32のいずれかに記載の照合装置。
【0157】
(付記34)
前記登録手段は、前記取得した画像特徴に、該画像特徴を用いて照合した際の照合に関する照合情報を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した照合情報を統計処理し、生産物の模造品の発生状況を分析する分析手段を有する
付記30から付記33のいずれかに記載の照合装置。
【0158】
(付記35)
前記登録部は、前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する分析手段を有する
付記30から付記34のいずれかに記載の照合装置。
【0159】
(付記36)
前記所定領域は、前記部品の凹部である
付記33または付記35に記載の照合装置。
【0160】
(付記37)
前記部品の画像特徴は、前記部品が生産される過程で生じた所定領域の模様である付記29から付記36のいずれかに記載の照合装置。
【0161】
(付記38)
前記模様が、前記部品に施された梨地模様である
付記37に記載の照合装置。
【0162】
(付記39)
前記部品が、ファスニング部品、ねじ、くぎ、ナット、電子部品の少なくともいずれかである
付記29から付記38のいずれかに記載の照合装置。
【0163】
(付記40)
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
付記39に記載の照合装置。
【0164】
(付記41)
前記部品が、皮革、金属、プラスチック、陶器、セラミック、及び樹脂のいずれかの素材である
付記29から付記40のいずれかに記載の照合装置。
【0165】
(付記42)
前記梨地模様は、識別又は照合用に物品に故意に施されたものである
付記29から付記41のいずれかに記載の照合装置。
【0166】
(付記43)
照合装置のプログラムであって、前記プログラムは前記照合装置を、
取得した照合対象の生産物における部品の画像特徴に基づいて、前記照合対象の生産物を照合する照合手段
として機能させるプログラム。
【0167】
(付記44)
前記部品の画像特徴と、前記部品が装着されている生産物に関する生産物情報とが対応付けられて記憶部に記憶されており、
前記照合手段は、前記照合対象の生産物の生産物情報と、前記記憶部に記憶されている生産物情報とを照合する
付記43に記載のプログラム。
【0168】
(付記45)
前記照合において、前記照合対象の生産物の生産物情報及び照合情報の一方または両者を前記取得した画像特徴に対応付けて前記記憶部に登録する登録手段を有する付記27又は付記44に記載のプログラム。
【0169】
(付記46)
前記記憶部は、前記部品の供給者から前記生産物の生産者に供給される部品の画像特徴と前記部品の識別情報とが関連付けられている前記部品の供給者側の記憶部と、前記部品の識別情報と前記生産物情報とが関連付けられている前記生産物の生産者側の記憶部とを有し、
前記照合手段は、前記取得した画像特徴に基づいて、前記部品の供給者側の記憶部から前記部品の識別情報を取得し、この取得した部品の識別情報に基づいて、前記生産物の生産者側の記憶部から前記生産物情報を取得して照合する
付記43から付記45のいずれかに記載のプログラム。
【0170】
(付記47)
前記生産物情報は、生産者を識別する識別情報、前記生産者が生産する生産物を識別する識別情報、前記生産物の個体を識別する識別情報、前記部品又は生産物の流通経緯を示す流通経緯情報、及び前記生産物の照合に関する照合情報の少なくとも1以上の情報を含む付記44から付記46のいずれかに記載のプログラム。
【0171】
(付記48)
前記登録手段は、前記取得した画像特徴に、該画像特徴を用いて照合した際の照合に関する照合情報を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した照合情報を統計処理し、生産物の模造品の発生状況を分析する分析手段を有する
付記44から付記47のいずれかに記載のプログラム。
【0172】
(付記49)
前記登録部は、前記取得した画像特徴と、該画像特徴を有する部品又は該画像特徴を有する部品を装着した生産物情報の流通経緯を前記生産物情報として対応付けて前記記憶部に登録し、
前記登録した流通経緯情報を統計処理し、所定の部品又は生産物の流通経緯、販売状況、及び使用の状況の少なくとも一つを分析する分析手段を有する
付記44から付記48のいずれかに記載のプログラム。
【0173】
(付記50)
前記所定領域は、前記部品の凹部である
付記47または付記49に記載のプログラム。
【0174】
(付記51)
前記部品の画像特徴は、前記部品が生産される過程で生じた所定領域の模様である付記43から付記50のいずれかに記載のプログラム。
【0175】
(付記52)
前記模様が、前記部品に施された梨地模様である
付記51に記載のプログラム。
【0176】
(付記53)
前記部品が、ファスニング部品、ねじ、くぎ、ナット、電子部品の少なくともいずれかである
付記43から付記52のいずれかに記載のプログラム。
【0177】
(付記54)
前記ファスニング部品が、スライドファスナー、面ファスナ、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンの少なくともいずれかである
付記53に記載のプログラム。
【0178】
(付記55)
前記部品が、皮革、金属、プラスチック、陶器、セラミック、及び樹脂のいずれかの素材である
付記43から付記54のいずれかに記載のプログラム。
【0179】
(付記56)
前記梨地模様は、識別又は照合用に物品に故意に施されたものである
付記43から付記55のいずれかに記載の照合方法。
【0180】
この出願は、2012年6月22日に出願された日本出願特願2012−140355を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。